特許第6669743号(P6669743)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6669743カンナビノイド受容体2のアゴニストとしてのトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6669743
(24)【登録日】2020年3月2日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】カンナビノイド受容体2のアゴニストとしてのトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20200309BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20200309BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
   C07D487/04 146
   C07D487/04CSP
   A61K31/519
   A61P1/02
   A61P1/04
   A61P1/16
   A61P3/10
   A61P9/00
   A61P9/04
   A61P9/10
   A61P9/10 101
   A61P11/00
   A61P13/12
   A61P17/02
   A61P19/00
   A61P19/08
   A61P21/02
   A61P25/04
   A61P25/28
   A61P27/02
   A61P27/06
   A61P29/00
   A61P29/02
   A61P35/00
   A61P37/06
   A61P43/00 111
【請求項の数】15
【全頁数】50
(21)【出願番号】特願2017-524001(P2017-524001)
(86)(22)【出願日】2015年11月4日
(65)【公表番号】特表2017-533918(P2017-533918A)
(43)【公表日】2017年11月16日
(86)【国際出願番号】EP2015075654
(87)【国際公開番号】WO2016071375
(87)【国際公開日】20160512
【審査請求日】2018年10月29日
(31)【優先権主張番号】14192245.0
(32)【優先日】2014年11月7日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】グレター,ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ネッテコフェン,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ロジャース−エバンス,マーク
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ステントン,ベンジャミン・ジェームズ
【審査官】 神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/068306(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/123372(WO,A1)
【文献】 特表2008−539197(JP,A)
【文献】 特表2008−526887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
nは、0、1又は2であり;
は、フェニル、ハロフェニル、アルキルスルホニルフェニル、アルキルテトラゾリル、アルキルオキサジアゾリル、ハロヒドロキシアルキル、オキソラニル、オキセタニル、ハロアルキル、ハロピリジニル又はアルキルオキセタニルであり;
は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン又はハロアルキルであり;かつ
及びRは、アルキルから独立して選択されるか;又は
及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキル、チエタニル、ハロアルキルシクロアルキル又はオキソチエタニルを形成するか;
或いは
は、存在せず;かつ
及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、アルキルフェニル、ハロフェニル、アルコキシフェニル、ハロピリジニル、アルキルピリジニル、アルキルピラゾリル、フェニル、アルキルオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンジルトリアゾリル又はシクロアルケニルを形成する]
で示される化合物又は薬学的に許容し得るそれらの塩。
【請求項2】
が、フェニル、ハロフェニル、アルキルテトラゾリル又はアルキルオキサジアゾリルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、フェニル、クロロフェニル、メチルテトラゾリル又はメチルオキサジアゾリルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
が存在せず、かつ、R及びRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ハロピリジニル、アルキルピラゾリル又はアルキルオキサゾリルを形成するか、或いは、Rがヒドロキシルであり、かつ、R及びRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキルを形成する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が存在せず、かつ、R及びRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、フルオロピリジニル、メチルピラゾリル又はメチルオキサゾリルを形成するか、或いは、Rがヒドロキシルであり、かつ、R及びRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロブチルを形成する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
nが1である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
以下から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物:
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メチルフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−フルオロフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メトキシフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(2−フルオロフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−7−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(6−フルオロピリジン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(5−メチルピリジン−2−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(1−メチルピラゾール−4−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−フェニルトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
4−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−5−メチル−1,2−オキサゾール;
5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(2−メチルスルホニルフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
3−[[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール;
2−[[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール;
1−[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−4,4,4−トリフルオロブタン−2−オール;
(2S)−3−[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール;
5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−(オキソラン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−(オキセタン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(3−クロロピリジン−2−イル)メチル]−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(3−メチルオキセタン−3−イル)メチル]−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−7−(1−メチルピラゾール−4−イル)−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]−7−(1H−ピラゾール−4−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]−7−(1H−ピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
4−[5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−5−メチル−1,2−オキサゾール;
5−tert−ブチル−7−(1H−イミダゾール−2−イル)−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
7−(3−ベンジルトリアゾール−4−イル)−5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
3−[[5−tert−ブチル−7−(6−フルオロピリジン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール;
1−(3−ベンジル−5−tert−ブチルトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)シクロブタン−1−オール;
3−ベンジル−5−tert−ブチル−7−(1−フルオロシクロブチル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロブタン−1−オール;
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロペンタン−1−オール;
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロヘキサン−1−オール;
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロヘプタン−1−オール;
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロオクタン−1−オール;
3−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]ペンタン−3−オール;
3−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]チエタン−3−オール;
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−3−(ジフルオロメチル)シクロブタン−1−オール;
3−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−1−オキソチエタン−3−オール;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−[1−(フルオロメチル)シクロプロピル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(シクロペンテン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−シクロペンチル−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;及び
3−ベンジル−5−tert−ブチル−7−シクロペンチル−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン。
【請求項8】
以下から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物:
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(6−フルオロピリジン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
3−[[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール;
4−[5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−5−メチル−1,2−オキサゾール;
3−[[5−tert−ブチル−7−(6−フルオロピリジン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール;及び
1−(3−ベンジル−5−tert−ブチルトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)シクロブタン−1−オール。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物を調製するためのプロセスであって、以下の工程の1つを含む、プロセス;
(a)式(II):
【化2】

で示される化合物を、B(OH)CR又はB(OR)CRの存在下、塩基及びパラジウム触媒の存在下で反応させること
[式中、n及びR〜Rは、請求項1〜6のいずれか一項に定義されるとおりであり、Yは、クロリド又はブロミドであり、そして、B(OR)は、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニルである];又は
(b)上に定義されるとおりの式(II)で示される化合物を、n−ブチルリチウムの存在下で反応させた後、RC(O)R[式中、R及びRは、請求項1〜6のいずれか一項に定義されるとおりである]を添加すること。
【請求項10】
1−[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−2−メチルプロパン−2−オール。
【請求項11】
治療活性物質としての使用のための、請求項1〜8及び10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
請求項1〜8及び10のいずれか一項に記載される化合物と治療上不活性な担体とを含む医薬組成物。
【請求項13】
疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血−再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性同種移植拒絶反応、慢性同種移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血、心筋梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、歯肉炎 発熱、肝臓の硬変若しくは腫瘍、骨量の制御、神経変性、卒中、一過性虚血発作、又はブドウ膜炎の処置或いは予防のための、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血−再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性同種移植拒絶反応、慢性同種移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血、心筋梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、歯肉炎 発熱、肝臓の硬変若しくは腫瘍、骨量の制御、神経変性、卒中、一過性虚血発作、又はブドウ膜炎の処置或いは予防のための医薬の調製のための、請求項1〜8及び10のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項15】
疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血−再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性同種移植拒絶反応、慢性同種移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血、心筋梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、歯肉炎 発熱、肝臓の硬変若しくは腫瘍、骨量の制御、神経変性、卒中、一過性虚血発作、又はブドウ膜炎の処置或いは予防における使用のための、請求項1〜8及び10のいずれか一項に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳動物における治療及び/又は予防に有用な有機化合物に、そして特に、カンナビノイド受容体2の選択的なアゴニスト(preferential agonist)である化合物に関する。
【0002】
本発明は、特に、式(I):
【化1】

[式中、
nは、0、1又は2であり;
は、フェニル、ハロフェニル、アルキルスルホニルフェニル、アルキルテトラゾリル、アルキルオキサジアゾリル、ハロヒドロキシアルキル、オキソラニル、オキセタニル、ハロアルキル、ハロピリジニル又はアルキルオキセタニルであり;
は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン又はハロアルキルであり;かつ
及びRは、アルキルから独立して選択されるか;又は
及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキル、チエタニル、ハロアルキルシクロアルキル又はオキソチエタニルを形成するか;
或いは
は、存在せず;かつ
及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、アルキルフェニル、ハロフェニル、アルコキシフェニル、ハロピリジニル、アルキルピリジニル、アルキルピラゾリル、フェニル、アルキルオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンジルトリアゾリル又はシクロアルケニルを形成する]
で示される化合物又は薬学的に許容し得るそれらの塩若しくはエステルに関する。
【0003】
式(I)で示される化合物は、例えば、疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血−再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性同種移植拒絶反応、慢性同種移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血、心筋梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、歯肉炎 発熱、肝臓の硬変若しくは腫瘍、骨量の制御、神経変性、卒中、一過性虚血発作、又はブドウ膜炎の処置或いは予防において特に有用である。
【背景技術】
【0004】
カンナビノイド受容体は、Gタンパク質共役受容体スーパーファミリーに属する細胞膜受容体のクラスである。現在のところ、カンナビノイド受容体1(CB1)及びカンナビノイド受容体2(CB2)と呼ばれる2種類の公知のサブタイプがある。CB1受容体は、主に、中枢神経(すなわち、扁桃体、小脳、海馬)系で発現しており、末梢においては、より少ない量である。CNR2遺伝子によってコードされるCB2は、大部分が末梢(マクロファージ及びT細胞などの免疫系の細胞(非特許文献1、2、3)並びに消化管系(非特許文献4))で発現している。CB2受容体はまた、脳内に広く分布しており、そこでは、主に小膠細胞上に見出されるが、神経細胞には見出されない(非特許文献5)。
【0005】
ここ十年間、CB2受容体アゴニストに対する関心が着実に高まっているが(現在、30〜40件の特許出願/年)、その理由は、いくつかの初期化合物が、慢性疼痛(非特許文献6)、アテローム性動脈硬化症(非特許文献7)、骨量の制御(非特許文献8)、神経炎症(非特許文献9)、虚血/再灌流傷害(非特許文献10)、全身性線維症(非特許文献11、12)、肝線維症(非特許文献13、14)を含む多くのヒトにおける疾患の前臨床モデルで有益な効果を有することが示されているという事実によるものである。
【0006】
虚血/再灌流(I/R)傷害は、卒中、心筋梗塞、心肺バイパス法及び他の血管手術並びに臓器移植などの状態において生じる組織損傷の主な原因であり、様々な病因における循環性ショックの過程を併発する終末器官損傷の主要機序でもある。これらの状態は全て正常な血液供給の崩壊を特徴とし、結果として不十分な組織酸素負荷を生じる。再酸素負荷(例えば、再灌流)は、正常な組織の酸素負荷を回復させるための最終的な処置法である。しかしながら、血液からの酸素及び栄養の欠如は、血行の回復が更なる組織損傷をもたらす状態を生み出す。再灌流傷害における損傷は、損傷を受けた組織の炎症反応に一部起因する。新たに戻ってきた血液によってその領域に運ばれた白血球は、組織損傷に応答して、多くの炎症性因子、例えばインターロイキン及びフリーラジカルを放出する。回復した血流は、細胞内に酸素を再導入し、これが、細胞タンパク質、DNA及び細胞膜に損傷を与える。
【0007】
遠隔虚血プレコンディショニング(RIPC)は、虚血及び再灌流によって被る傷害に対する身体の内因性の防御能力を利用する戦略を表す。それは、1つの臓器又は組織における一過性の非致死的虚血及び再灌流が、遠隔臓器又は組織において、その後の「致死的」な虚血再灌流傷害の発症に対する耐性を付与するという興味深い現象を示す。臓器又は組織の一過性の虚血及び再灌流が防御を付与するその実際の機序は現在のところ知られていないが、いくつかの仮説が提唱されている。
【0008】
体液性仮説は、遠隔臓器又は組織において生成された内因性物質(例えば、アデノシン、ブラジキニン、オピオイド、CGRP、内在性カンナビノイド、アンギオテンシンI又はまだ同定されていない体液性因子としてのその他)が血流に侵入して、標的組織においてその各受容体を活性化し、それによって、虚血プレコンディショニングに関わる心臓保護の様々な細胞内経路が回復することを提唱する。
【0009】
最近のデータは、内在性カンナビノイド及びその受容体、特にCB2が、プレコンディショニングに関与し得、かつ、炎症反応のダウンレギュレーションによる再灌流傷害の抑制に寄与し得ることを示している(非特許文献10)。具体的には、CB2ツールアゴニストを使用した最近の研究は、心臓(非特許文献15)、脳(非特許文献16)、肝臓(非特許文献17)及び腎臓(非特許文献18)においてI/R傷害を低下させるというこの概念の有効性を示した。
【0010】
更に、ここ数年にわたり、CB2が亜慢性及び慢性状況においても関心となり得ることを多くの文献が示している。CB1及びCB2の特定のアップレギュレーションが、線維症を伴う慢性疾患の動物モデルにおいて(非特許文献12、19)、線維症の進行の原因となる細胞である筋線維芽細胞におけるCB2の関連発現と関連することが示されている。
【0011】
選択的CB2アゴニストによるCB2受容体の活性化は、実際に、びまん性全身性硬化症において抗線維化効果を発揮することが示され(非特許文献12)、そして、CB2受容体が、実験的な皮膚線維症において(非特許文献11)、及び慢性肝疾患と関連する線維形成を含む肝臓の病態生理学(非特許文献20、21、22)において重要なターゲットとして現れた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Ashton, J. C. et al. Curr Neuropharmacol 2007, 5(2), 73-80
【非特許文献2】Miller, A. M. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 299-308
【非特許文献3】Centonze, D., et al. Curr Pharm Des 2008, 14(23), 2370-42
【非特許文献4】Wright, K. L. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 263-70
【非特許文献5】Cabral, G. A. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2): 240-51
【非特許文献6】Beltramo, M. Mini Rev Med Chem 2009, 9(1), 11-25
【非特許文献7】Mach, F. et al., J Neuroendocrinol 2008, 20 Suppl 1, 53-7
【非特許文献8】Bab, I. et al., Br J Pharmacol 2008, 153(2), 182-8
【非特許文献9】Cabral, G. A. et al., J Leukoc Biol 2005, 78(6), 1192-7
【非特許文献10】Pacher, P. et al., Br J Pharmacol 2008, 153(2), 252-62
【非特許文献11】Akhmetshina, A. et al., Arthritis Rheum 2009, 60(4), 1129-36
【非特許文献12】Garcia-Gonzalez, E. et al., Rheumatology (Oxford) 2009, 48(9), 1050-6
【非特許文献13】Julien, B. et al., Gastroenterology 2005, 128(3), 742-55
【非特許文献14】Munoz-Luque, J. et al., J Pharmacol Exp Ther 2008, 324(2), 475-83
【非特許文献15】Defer, N. et al., Faseb J 2009, 23(7), 2120-30
【非特許文献16】Zhang, M. et al., J Cereb Blood Flow Metab 2007, 27(7), 1387-96
【非特許文献17】Batkai, S. et al., Faseb J 2007, 21(8), 1788-800
【非特許文献18】Feizi, A. et al., Exp Toxicol Pathol 2008, 60(4-5), 405-10
【非特許文献19】Yang, Y. Y. et al., Liver Int 2009, 29(5), 678-85
【非特許文献20】Lotersztajn, S. et al., Gastroenterol Clin Biol 2007, 31(3), 255-8
【非特許文献21】Mallat, A. et al., Expert Opin Ther Targets 2007, 11(3), 403-9
【非特許文献22】Lotersztajn, S. et al., Br J Pharmacol 2008, 153(2), 286-9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の化合物は、CB2受容体に結合して当該受容体を調節し、かつ、より低いCB1受容体活性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書において、用語「アルキル」は、単独で又は組み合わせで、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基、特に1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基、更に特に1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基を表す。直鎖及び分岐鎖C1−C8アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、異性体ペンチル、異性体ヘキシル、異性体ヘプチル及び異性体オクチル、特にメチル、エチル、プロピル、ブチル及びペンチルである。アルキルの特定の例は、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル及びペンチルである。メチル、エチル、tert−ブチル及びイソブチルが式(I)で示される化合物中の「アルキル」の特定の例である。
【0015】
用語「シクロアルキル」は、単独で又は組み合わせで、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル環、特に3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル環を表す。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル、シクロヘプチル並びにシクロオクチルである。「シクロアルキル」の特定の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルである。
【0016】
用語「シクロアルケニル」は、単独で又は組み合わせで、1つ以上の炭素−炭素単結合が炭素−炭素二重結合に置き換わっている上に定義されるとおりのシクロアルキル基を指す。シクロアルケニルの例は、シクロペンテニル、シクロヘキセニル及びシクロヘプテニルである。好ましいシクロアルケニル基は、シクロペンテニルである。
【0017】
用語「アルコキシ」は、単独で又は組み合わせで、式アルキル−O−(式中、用語「アルキル」は、先に示した意味を有する)で表される基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシを表す。特定の「アルコキシ」は、メトキシである。
【0018】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、単独で又は組み合わせで、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、特にフッ素、塩素又は臭素、更に特にフッ素及び塩素を表す。用語「ハロ」は、別の基との組み合わせで、少なくとも1個のハロゲンによる前記基の置換、特に1〜5個のハロゲン、特に1〜4個のハロゲン(すなわち1、2、3又は4個のハロゲン)で置換されていることを示す。特定の「ハロフェニル」は、クロロフェニル及びフルオロフェニル並びにクロロフルオロフェニルである。特定の「ハロアルキル」は、トリフルオロプロピル、トリフルオロブチル、ジフルオロメチル及びフルオロメチルである。
【0019】
用語「ヒドロキシル」及び「ヒドロキシ」は、単独で又は組み合わせで、−OH基を表す。
【0020】
用語「スルホニル」は、単独で又は組み合わせで、−SO−基を表す。
【0021】
用語「薬学的に許容し得る塩」は、遊離塩基又は遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持し、生物学的にも又はその他の点でも望ましくないことはないそれらの塩を指す。塩は、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、特に塩酸)及び有機酸(例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステイン)と形成される。加えて、これらの塩は、遊離酸への無機塩基又は有機塩基の付加から調製され得る。無機塩基に由来する塩は、限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウムの塩を含む。有機塩基に由来する塩は、限定されないが、第一級、第二級及び第三級アミン、天然の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン並びに塩基性イオン交換樹脂(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂)の塩を含む。式(I)で示される化合物はまた、両性イオンの形態で存在することもできる。式(I)の化合物の特に好ましい薬学的に許容し得る塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸及びメタンスルホン酸の塩である。
【0022】
「薬学的に許容し得るエステル」は、一般式(I)で示される化合物がインビボで親化合物に変換し戻ることが可能な誘導体を提供し得るように官能基で誘導体化され得ることを意味する。そのような化合物の例は、メトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステル及びピバロイルオキシメチルエステルなどの生理学的に許容し得、かつ、代謝的に不安定なエステル誘導体を含む。加えて、インビボにおいて一般式(I)で示される親化合物を生成することが可能な、代謝的に不安定なエステルと類似する一般式(I)で示される化合物の任意の生理学的に許容し得る等価体も本発明の範囲内である。
【0023】
出発物質又は式(I)で示される化合物の1つが、1つ以上の反応工程の反応条件下で安定でないか又は反応性である1つ以上の官能基を含有するならば、適切な保護基(例えば、“Protective Groups in Organic Chemistry” by T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd Ed., 1999, Wiley, New York に記載されているような)が、当技術分野において周知の方法を適用して、重要な工程の前に導入され得る。そのような保護基は、文献に記載されている標準的な方法を使用して、合成の後の段階で除去され得る。保護基の例は、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、9−フルオレニルメチルカルバマート(Fmoc)、2−トリメチルシリルエチルカルバマート(Teoc)、カルボベンジルオキシ(Cbz)及びp−メトキシベンジルオキシカルボニル(Moz)である。
【0024】
式(I)で示される化合物は、いくつかの不斉中心を含有することができ、光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物(例えば、ラセミ体など)、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体のラセミ体又はジアステレオ異性体のラセミ体の混合物の形態で存在することができる。
【0025】
用語「不斉炭素原子」は、4個の異なる置換基を有する炭素原子を意味する。Cahn-Ingold-Prelog順位則に従って、不斉炭素原子は、「R」又は「S」の立体配置をとることができる。
【0026】
本発明は、特に、以下に関する:
【0027】
が、フェニル、ハロフェニル、アルキルテトラゾリル又はアルキルオキサジアゾリルである、式(I)で示される化合物;
【0028】
が、フェニル、クロロフェニル、メチルテトラゾリル又はメチルオキサジアゾリルである、式(I)で示される化合物;
【0029】
が存在せず、かつ、R及びRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ハロピリジニル、アルキルピラゾリル又はアルキルオキサゾリルを形成するか、或いは、Rがヒドロキシルであり、かつ、R及びRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキルを形成する、式(I)で示される化合物;
【0030】
が存在せず、かつ、R及びRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、フルオロピリジニル、メチルピラゾリル又はメチルオキサゾリルを形成するか、或いは、Rがヒドロキシルであり、かつ、R及びRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロブチルを形成する、式(I)で示される化合物;並びに
【0031】
nが1である、式(I)で示される化合物。
【0032】
本発明は、更に、以下から選択される式(I)で示される化合物に関する:
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メチルフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−フルオロフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メトキシフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(2−フルオロフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−7−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(6−フルオロピリジン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(5−メチルピリジン−2−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(1−メチルピラゾール−4−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−フェニルトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
4−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−5−メチル−1,2−オキサゾール;
5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(2−メチルスルホニルフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
3−[[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール;
2−[[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール;
1−[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−4,4,4−トリフルオロブタン−2−オール;
(2S)−3−[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール;
5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−(オキソラン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−(オキセタン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(3−クロロピリジン−2−イル)メチル]−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
1−[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−2−メチルプロパン−2−オール;
5−tert−ブチル−3−[(3−メチルオキセタン−3−イル)メチル]−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−7−(1−メチルピラゾール−4−イル)−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]−7−(1H−ピラゾール−4−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]−7−(1H−ピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
4−[5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−5−メチル−1,2−オキサゾール;
5−tert−ブチル−7−(1H−イミダゾール−2−イル)−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
7−(3−ベンジルトリアゾール−4−イル)−5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
3−[[5−tert−ブチル−7−(6−フルオロピリジン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール;
1−(3−ベンジル−5−tert−ブチルトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)シクロブタン−1−オール;
3−ベンジル−5−tert−ブチル−7−(1−フルオロシクロブチル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロブタン−1−オール;
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロペンタン−1−オール;
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロヘキサン−1−オール;
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロヘプタン−1−オール;
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロオクタン−1−オール;
3−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]ペンタン−3−オール;
3−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]チエタン−3−オール;
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−3−(ジフルオロメチル)シクロブタン−1−オール;
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−3−(ジフルオロメチル)シクロブタン−1−オール;
3−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−1−オキソチエタン−3−オール;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−[1−(フルオロメチル)シクロプロピル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(シクロペンテン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−シクロペンチル−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;及び
3−ベンジル−5−tert−ブチル−7−シクロペンチル−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン。
【0033】
本発明はまた、以下から選択される式(I)で示される化合物に関する:
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(6−フルオロピリジン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
3−[[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール;
4−[5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−5−メチル−1,2−オキサゾール;
3−[[5−tert−ブチル−7−(6−フルオロピリジン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール;及び
1−(3−ベンジル−5−tert−ブチルトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)シクロブタン−1−オール。
【0034】
本発明の式(I)で示される化合物の調製は、逐次的又は収束的合成経路で実施され得る。本発明の化合物の合成を以下のスキームに示す。本反応及び得られる生成物の精製を実施するのに必要な技能は、当業者に公知である。以下のプロセスの記載において使用される置換基及び表示は、それとは反対に意味しない限り、先に本明細書に示した意味を有する。より詳細には、式(I)で示される化合物は、以下に示す方法によって、実施例に示す方法によって又は同様の方法によって製造され得る。個別の反応工程についての適切な反応条件は、当業者に公知である。また、記載した反応に影響を与える文献に記載されている反応条件については、例えば、Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition, Richard C. Larock. John Wiley & Sons, New York, NY. 1999を参照されたい。本発明者らは、溶媒の存在下又は非存在下で反応を実施することが好都合であることを見出した。用いられる溶媒の性質について特定の制限はないが、溶媒は、関与する反応又は試薬に悪影響を及ぼさないものであって、かつ、試薬を少なくともある程度溶解させることができるものとする。記載した反応は広範な温度で実施することができ、正確な反応温度は本発明にとって重要ではない。記載した反応は、−78℃〜還流の間の温度範囲で実施することが好都合である。また、反応に必要な時間は、多くの要因、特に、反応温度及び試薬の性質に応じて広く変更され得る。しかしながら、本記載の中間体及び化合物を得るには、通常、0.5時間〜数日の期間で十分である。反応シーケンスは、スキームに表示されたものに限定されないが、出発物質及びそれらの各反応性に応じて、反応工程のシーケンスは自由に変更され得る。出発物質は、市販のものであるか、或いは、以下に示す方法と同様の方法によって、本明細書において若しくは実施例において引用した参考文献に記載されている方法によって又は当技術分野において公知の方法によって調製され得るかのいずれかである。
【0035】
以下の記載及びスキームにおいて、n及びR〜Rは、その他を意味しない限り、上に定義した意味を有する。
【0036】
本記載において、以下の略語が使用される:
【0037】
MS=質量分析;ESI=エレクトロスプレー;NMR=核磁気共鳴;DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン;DCM=ジクロロメタン;DEAD=ジエチルアゾジカルボキシラート;DIAD=ジイソプロピルアゾジカルボキシラート;DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン;DMA=ジメチルアセトアミド(diemthl acetamide);DMF=ジメチルホルムアミド;DMSO=ジメチルスルホキシド;HPLC=LC=高速液体クロマトグラフィー;m−CPBA=メタクロロ過安息香酸;NMP=N−メチルピロリジン;Ph=フェニル;PMB=パラメトキシベンジル;TFA=トリフルオロ酢酸;THF=テトラヒドロフラン;tlc=薄層クロマトグラフィー;CAN=CAS登録番号。
【0038】
式(I)で示される化合物の調製は、逐次的又は収束的合成経路で実施され得る。本発明の化合物の合成を以下のスキームに示す。本反応及び得られる生成物の精製を実施するのに必要な技能は、当業者に公知である。以下のプロセスの記載において使用される置換基及び表示は、それとは反対に意味しない限り、先に本明細書に示した意味を有する。より詳細には、式(I)で示される化合物は、以下に示す方法によって、実施例に示す方法によって又は同様の方法によって製造され得る。個別の反応工程についての適切な反応条件は、当業者に公知である。また、記載した反応に影響を与える文献に記載されている反応条件については、例えば、Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition, Richard C. Larock. John Wiley & Sons, New York, NY. 1999を参照されたい。本発明者らは、溶媒の存在下又は非存在下で反応を実施することが好都合であることを見出した。用いられる溶媒の性質について特定の制限はないが、溶媒は、関与する反応又は試薬に悪影響を及ぼさないものであって、かつ、試薬を少なくともある程度溶解させることができるものとする。記載した反応は広範な温度で実施することができ、正確な反応温度は本発明にとって重要ではない。記載した反応は、−78℃〜還流の間の温度範囲で実施することが好都合である。また、反応に必要な時間は、多くの要因、特に、反応温度及び試薬の性質に応じて広く変更され得る。しかしながら、本記載の中間体及び化合物を得るには、通常、0.5時間〜数日の期間で十分である。反応シーケンスは、スキームに表示されたものに限定されないが、出発物質及びそれらの各反応性に応じて、反応工程のシーケンスは自由に変更され得る。出発物質は、市販のものであるか、或いは、以下に示す方法と同様の方法によって、本明細書において若しくは実施例において引用した参考文献に記載されている方法によって又は当技術分野において公知の方法によって調製され得るかのいずれかである。
【0039】
【化2】

Yは、クロリド又はブロミドである。
【0040】
a)ハロゲン化物IIは、市販のものであるか又は当技術分野において公知の方法に従って合成され得るかのいずれかである。これらのハロゲン化物IIを、好適な溶媒(アセトニトリル、エタノール又はDMFなど)中でアジ化ナトリウムと好都合に反応させて、アジド誘導体IIIを得る。代替の好ましい条件は、DMA、NMP又はDMSOのような溶媒(更により好ましくはNMP及びDMSOである)の使用を含む。NMP及びDMSOのような極性非プロトン溶媒中では、アルキル化は、通常、例えば、アセトニトリル中よりも低い温度(しばしば室温〜40℃で)で実施され得(これは、BnCl、1−クロロ−2−(クロロメチル)ベンゼン又はPMB−Clの場合の例である;これは、当然ながらハロゲン化物IIの反応性に依存する)、それ故、より良好なプロセス安全性ウィンドウ(process safety window)を提供することができる(注意、有機アジドは、当然ながら潜在的に危険であることが公知であり、プロセス安全性は常に注意深く検討されるべきである)。水の添加は、アジ化ナトリウムの溶解性を高めることから有益であり得る。
【0041】
b)トリアゾール誘導体IVは、好適な溶媒(メタノール、エタノール又はDMFなど)中、適切な塩基(ナトリウムメトキシド又はナトリウムエトキシドなど)の存在下での、アジド誘導体IIIと2−シアノアセトアミドの[3+2]付加環化によって調製され得る。代替の好ましい条件は、NMP又はDMSOのような溶媒中、水酸化ナトリウムの存在下で、アジドと2−シアノアセトアミドを反応させることを含む。
【0042】
c)トリアゾールIVを、塩基(ピリジン、DIPEA、NEtなど)の存在下、溶媒(DCM、DMFなど)の存在下又は非存在下で、適切な酸クロリド(市販されているか又は当技術分野において公知である)と従来法で反応させ得て、トリアゾール誘導体Vに達する。
【0043】
d)トリアゾールVの環化は、塩基性条件下で好都合に行われ得る。これは、この反応を塩基存在下の水性条件下で実施する利点を立証した。好適な塩基は、NaHCO又はKHCOなどである。これはトリアゾロピリミジン誘導体VIへと到達させた。これらの誘導体は、中間化合物であり得るが、しかし、好ましくは、R=置換又は非置換フェニル基(p−メトキシフェニルなど)及びnが1である場合、これらの基をTFA、CAN、水素化などで開裂し得て、誘導体Iに達する。ベンジル基を、標準的な水素化分解条件下で、例えば酸の存在下でも開裂し得る。
【0044】
トリアゾール誘導体VI(R=H)を、好都合には、溶媒(DMF、ジオキサン又はトルエンなど)中、好適な塩基(DIPEA、DBU、KCO又はCsCOなど)の存在下でハロゲン化物、スルホナート又はエポキシドと反応させるか、或いは、適切な溶媒(THF、DCM、トルエンなど)中、好適なジアゾジカルボキシラート(DEAD、DIADなど)及びホスフィン(PBu又はPPhなど)を使用した光延反応条件下でアルコールと反応させるかのいずれかで、中間体トリアゾロピリミジン誘導体VI(式中、R≠H)を得る。
【0045】
e)クロリドVIIは、適切な塩基(N,N−ジエチルアニリン、ルチジン又はピリジンなど)の存在下での、VIと塩素化試薬(POCl、SOCl又は(COCl)など)の反応によって得られ得る。代替の好ましい条件は、塩素化試薬としてのビルスマイヤー(Vislmeier)試薬の使用を含む。これはまた、塩化オキサリルとDMFを反応させることによってインサイチュ(in situ)で生成され得る。塩素化は、例えば、アセトニトリル、DCM又はAcOEt中、好ましくは、DCM中で実施され得る。これらの条件は、温和な反応温度を可能にし、そして、例えば、ワークアップ時の過剰なPOClのクエンチを回避する。粗生成物を次の工程に使用し得る。
【0046】
f)VIIを、パラジウム触媒下で種々のボロン酸又はエステルと好都合に反応させて、トリアゾロ−ピリミジン誘導体Iを得る。
【0047】
これらの誘導体は、最終化合物であり得るが、しかし、好ましくは、R=置換又は非置換フェニル基(p−メトキシフェニルなど)及びnが1である場合、これらの基をTFA、CAN、水素化などで開裂し得て、誘導体I(R=H)に達する。ベンジル基を、標準的な水素化分解条件下で、例えば酸の存在下でも開裂し得る。
【0048】
トリアゾール誘導体I(R=H)を、好都合には、溶媒(DMF、ジオキサン又はトルエンなど)中、好適な塩基(DIPEA、DBU、KCO又はCsCOなど)の存在下でハロゲン化物、スルホナート又はエポキシドと反応させるか、或いは、適切な溶媒(THF、DCM、トルエンなど)中、好適なジアゾジカルボキシラート(DEAD、DIADなど)及びホスフィン(PBu又はPPhなど)を使用した光延反応条件下でアルコールと反応させて、最終トリアゾロピリミジン誘導体Iを得る。
【0049】
クロリド又はブロミドVIIを、更に、当業者に周知である反応条件を使用した、ハロゲン金属交換反応の後、引き続き求電子剤での処理に供し得て、最終化合物Iを得る。例えば、ハロゲン金属交換は、THF中、−78℃でn−ブチルリチウムを使用して達成され得る。求電子剤としてのケトンによる後続のトラッピング(好ましくは同様に−78℃での)により、最終化合物I(R=OH)を得る。
【0050】
本発明はまた、式(I)で示される化合物の調製のためのプロセスであって、以下の工程の1つを含む、プロセスに関する:
(a)式(II):
【化3】

で示される化合物を、B(OH)CR又はB(OR)CRの存在下、塩基及びパラジウム触媒の存在下で反応させること
[式中、n及びR〜Rは、上に定義されるとおりであり、Yは、クロリド又はブロミドであり、そして、B(OR)は、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニルである];又は
(b)上に定義されるとおりの式(II)で示される化合物を、n−ブチルリチウムの存在下で反応させた後、RC(O)R[式中、R及びRは、上に定義されるとおりである]を添加すること。
【0051】
工程(a)において、塩基は、例えば、CSCOである。
【0052】
工程(a)において、パラジウム触媒は、例えば、鈴木カップリングにおいて典型的に使用される触媒(例えばPd(PPh)である。
【0053】
本発明はまた、本発明のプロセスにより製造される式(I)で示される化合物に関する。
【0054】
本発明の別の実施態様は、本発明の化合物と、治療上不活性な担体、希釈剤又は賦形剤とを含有する医薬組成物又は医薬、並びにそのような組成物及び医薬を調製するための本発明の化合物の使用方法を提供する。一例において、式(I)で示される化合物は、周囲温度、適切なpH及び所望の程度の純度で、生理学的に許容し得る担体(すなわち、用いられる投与量及び濃度でレシピエントに非毒性である担体)と混合することによって、ガレヌス投与剤形へと製剤化され得る。製剤のpHは、主に、特定の用途及び化合物の濃度に依存するが、好ましくは、約3〜約8の範囲のどこかである。一例において、式(I)で示される化合物は、酢酸緩衝液中、pH5で製剤化される。別の実施態様において、式(I)で示される化合物は無菌である。当該化合物は、例えば、固体又は非晶質組成物として、凍結乾燥製剤として又は水溶液として保存され得る。
【0055】
組成物は、適正な医療行為(good medical practice)に合致する態様で、製剤化され、調薬され、投与される。これに関連して考慮される要因は、処置される特定の障害、処置される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与計画及び医師に公知の他の要因を含む。
【0056】
本発明の化合物は、経口、局所(口腔及び舌下を含む)、直腸、膣、経皮、非経口、皮下、腹腔内、肺内、皮内、髄腔内及び硬膜外並びに鼻腔内、そして病巣内(局所処置が望まれる場合)投与を含む、任意の好適な手段によって投与され得る。非経口注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内又は皮下投与を含む。
【0057】
本発明の化合物は、任意の好都合な投与剤形、例えば、錠剤、粉剤、カプセル剤、液剤、分散剤、懸濁剤、シロップ剤、スプレー剤、坐剤、ゲル剤、乳剤、パッチ剤などで投与され得る。そのような組成物は、医薬製剤における従来成分、例えば、希釈剤、担体、pH改変剤、甘味料、増量剤及び更なる活性剤を含有し得る。
【0058】
典型的な製剤は、本発明の化合物と、担体又は賦形剤とを混合することによって調製される。好適な担体及び賦形剤は、当業者に周知であり、例えば、Ansel, Howard C., et al., Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2004; Gennaro, Alfonso R., et al., Remington: The Science and Practice of Pharmacy. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2000; and Rowe, Raymond C. Handbook of Pharmaceutical Excipients. Chicago, Pharmaceutical Press, 2005 に詳述されている。製剤はまた、見栄えの良い薬物(すなわち、本発明の化合物又はその医薬組成物)を提供するために又は医薬製品(すなわち、医薬)の製造を補助するために、1以上の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、保存料、酸化防止剤、光沢剤(opaquing agent)、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味料、芳香剤、香味料、希釈剤及び他の公知の添加物を含み得る。
【0059】
本発明はまた、特に、以下に関する:
【0060】
疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血−再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性同種移植拒絶反応、慢性同種移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血、心筋梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、歯肉炎 発熱、肝臓の硬変若しくは腫瘍、骨量の制御、神経変性、卒中、一過性虚血発作、又はブドウ膜炎の処置或いは予防のための式(I)で示される化合物の使用;
【0061】
疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血−再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性同種移植拒絶反応、慢性同種移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血、心筋梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、歯肉炎 発熱、肝臓の硬変若しくは腫瘍、骨量の制御、神経変性、卒中、一過性虚血発作、又はブドウ膜炎の処置或いは予防のための医薬の調製のための式(I)に係る化合物の使用;
【0062】
疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血−再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性同種移植拒絶反応、慢性同種移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血、心筋梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、歯肉炎 発熱、肝臓の硬変若しくは腫瘍、骨量の制御、神経変性、卒中、一過性虚血発作、又はブドウ膜炎の処置或いは予防における使用のための式(I)で示される化合物;並びに
【0063】
疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血−再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性同種移植拒絶反応、慢性同種移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血、心筋梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、歯肉炎 発熱、肝臓の硬変若しくは腫瘍、骨量の制御、神経変性、卒中、一過性虚血発作、又はブドウ膜炎の処置或いは予防のための方法であって、有効量の式(I)で示される化合物をそれを必要とする患者に投与することを含む、方法。
【0064】
本発明は、特に、虚血、再灌流傷害、肝線維症又は腎線維症(特に、虚血又は再灌流傷害)の処置又は予防のための式(I)で示される化合物に関する。
【0065】
本発明は、以下の実施例によって以降説明されるが、これらは限定性を有するものではない。
【実施例】
【0066】
実施例1
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メチルフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化4】

a)5−アミノ−1−(2−クロロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化5】

アセトニトリル(48.7mL)中の1−(ブロモメチル)−2−クロロベンゼン(5g、24.3mmol)及びアジ化ナトリウム(2.37g、36.5mmol)の混合物をN雰囲気下で3時間還流した。次に、混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をDCM中で希釈し、HO及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗1−(アジドメチル)−2−クロロベンゼンを得た。残留物を更なる精製なしに次の反応に使用した。
【0067】
エタノール(43.3mL)中の上記粗残留物、2−シアノアセトアミド(1.82g、21.7mmol)及びナトリウムエタノラート(1.47g、21.7mmol)の混合物をN雰囲気下で3時間還流した。混合物を減圧下で濃縮し、4M AcOH水溶液で希釈し、濾過した。残留物をHOで洗浄し、減圧下で乾燥させて、5−アミノ−1−(2−クロロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミドを淡橙色の固体(5.10g、2工程で94%)として得た。MS(m/e): 252.1 (MH)。
【0068】
b)5−tert−ブチル−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7(4H)−オン
【化6】

ピリジン(3.98mL)中の5−アミノ−1−(2−クロロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(2g、7.95mmol)及び塩化ピバロイル(1.47mL、11.9mmol)の混合物を、N雰囲気下、80℃で2時間撹拌した。次に、反応混合物に、8M水酸化ナトリウム水溶液(2.98mL、23.8mmol)及びメタノール(3.98mL)を加えた。80℃で2時間撹拌した後、反応混合物を1M HCl水溶液に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し、2M HCl、水及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗1−(2−クロロベンジル)−5−ピバルアミド−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド及びN−(1−(2−クロロベンジル)−4−シアノ−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)ピバルアミドの混合物を得た。残留物を更なる精製なしに次の反応に使用した。
【0069】
O(60.0mL)中の上記粗残留物及びKHCO(3.00g、30.0mmol)の混合物を18時間還流した。反応混合物を1M HCl水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中10%〜70%EtOAc)によって精製して、5−tert−ブチル−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7(4H)−オンを白色の固体(1.03g、2工程で41%)として得た。MS(m/e): 318.2 (MH)。
【0070】
c)5−tert−ブチル−7−クロロ−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化7】

POCl(252mL、2.73mol)中の5−tert−ブチル−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7(4H)−オン(12.3g、38.7mmol)及びN,N−ジエチルアニリン(12.3mL、77.4mmol)の混合物をN雰囲気下で2時間還流した。反応混合物を減圧下で濃縮し、氷に注ぎ、DCM(2×250mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を減圧下で濃縮し、酢酸エチル及びヘプタンから形成される勾配で溶離させるシリカカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物含有画分のエバポレーション後、6.6g(51%)の標題化合物を得た。MS(m/e): 336.2 (MH)。
【0071】
d)5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メチルフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
ジオキサン(2mL)中の5−tert−ブチル−7−クロロ−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(33.6mg、0.1mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(0.7mmol)、CsCO(2M水溶液)(150μl、0.3mmol)及びp−トリルボロン酸(20.4mg、0.15mmol)の混合物を2時間100℃まで加熱した。粗混合物を、アセトニトリル、水及びギ酸から形成される勾配で溶離させる逆相分取HPLCによる精製に供した。生成物含有画分のエバポレーションにより、標題化合物(11mg、0.028mmol、28%)を得た。MS(m/e): 392.3 (MH)。
【0072】
実施例2
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−フルオロフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化8】

5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メチルフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−クロロ−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び4−フルオロフェニルボロン酸から調製した。MS(m/e): 396.3 (MH)。
【0073】
実施例3
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メトキシフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化9】

5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メチルフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−クロロ−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び4−メトキシフェニルボロン酸から調製した。MS(m/e): 408.3 (MH)。
【0074】
実施例4
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(2−フルオロフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化10】

5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メチルフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−クロロ−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び2−フルオロフェニルボロン酸から調製した。MS(m/e): 396.3 (MH)。
【0075】
実施例5
5−tert−ブチル−7−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化11】

5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メチルフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−クロロ−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び4−クロロ−2−フルオロフェニルボロン酸から調製した。MS(m/e): 430.3 (MH)。
【0076】
実施例6
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(6−フルオロピリジン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化12】

5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メチルフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−クロロ−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び6−フルオロピリジン−3−イルボロン酸から調製した。MS(m/e): 397.2 (MH)。
【0077】
実施例7
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(5−メチルピリジン−2−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化13】

5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メチルフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−クロロ−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び5−メチルピリジン−2−イルボロン酸から調製した。MS(m/e): 393.3 (MH)。
【0078】
実施例8
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(1−メチルピラゾール−4−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化14】

5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メチルフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−クロロ−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾールから調製した。MS(m/e): 382.2 (MH)。
【0079】
実施例9
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化15】

5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メチルフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−クロロ−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び1−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾールから調製した。MS(m/e): 382.2 (MH)。
【0080】
実施例10
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−フェニルトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化16】

ジオキサン/水(2mL/0.33mL)中の5−tert−ブチル−7−クロロ−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(20mg、0.059mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(6.87mg、0.059mmol)、炭酸ナトリウム(12.6mg、0.12mmol)及びフェニルボロン酸(10.9mg、0.089mmol)の混合物を100℃に4時間加熱した。粗混合物を、アセトニトリル、水及びギ酸から形成される勾配で溶離させる逆相分取HPLCによる精製に供した。生成物含有画分のエバポレーションにより、標題化合物(3.6mg、16%)を得た。MS(m/e): 378.2 (MH)。
【0081】
実施例11
4−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−5−メチル−1,2−オキサゾール
【化17】

5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メチルフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−クロロ−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び5−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソオキサゾールから調製した。MS(m/e): 383.2 (MH)。
【0082】
実施例12
5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(2−メチルスルホニルフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化18】

a)3−ベンジル−5−tert−ブチル−7−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化19】

5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(4−メチルフェニル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、3−ベンジル−5−tert−ブチル−7−クロロ−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(米国特許出願公開第2013/0116236号明細書)及び1−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾールから調製した。MS(m/e): 348.2 (MH)。
【0083】
b)5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化20】

メタノール20mL中の3−ベンジル−5−tert−ブチル−7−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(5.55g、16mmol)の溶液を、Pd/C(10%)上、H(10bar)を用いて100℃で16時間水素化した。混合物を濾過し、エバポレーションし、標題化合物を更なる精製なしに続く工程に使用した。MS(m/e): 299.2 (M+AcCN+H)。
【0084】
c)5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(2−メチルスルホニルフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
DMF(3mL)中の5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(56.1mg、0.22mmol)、1−(ブロモメチル)−2−(メチルスルホニル)ベンゼン(70.6mg、0.28mmol)及びDBU(79.7mg、0.523mmol)の混合物を室温で4時間撹拌した。粗混合物を、アセトニトリル、水及びギ酸から形成される勾配で溶離させる逆相分取HPLCによる精製に供した。生成物含有画分のエバポレーションにより、標題化合物(2.8mg、3%)を得た。MS(m/e): 426.1 (MH)。
【0085】
実施例13
5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化21】

5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(2−メチルスルホニルフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例12)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び5−(クロロメチル)−1−メチル−1H−テトラゾールから調製した。MS(m/e): 354.1 (MH)。
【0086】
実施例14
3−[[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール
【化22】

5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(2−メチルスルホニルフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例12)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び3−(ブロモメチル)−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾールから調製した。MS(m/e): 354.1 (MH)。
【0087】
実施例15
2−[[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール
【化23】

5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(2−メチルスルホニルフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例12)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び2−(クロロメチル)−5−メチル−1,3,4−オキサジアゾールから調製した。MS(m/e): 354.1 (MH)。
【0088】
実施例16
1−[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−4,4,4−トリフルオロブタン−2−オール
【化24】

5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(2−メチルスルホニルフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例12)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び2−(2,2,2−トリフルオロエチル)オキシランから調製した。MS(m/e): 384.1 (MH)。
【0089】
実施例17
(2S)−3−[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール
【化25】

5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(2−メチルスルホニルフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例12)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び(S)−2−(トリフルオロメチル)オキシランから調製した。MS(m/e): 370.1 (MH)。
【0090】
実施例18
5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−(オキソラン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化26】

5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(2−メチルスルホニルフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例12)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び3−ブロモテトラヒドロフランから調製した。MS(m/e): 328.1 (MH)。
【0091】
実施例19
5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−(オキセタン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化27】

5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(2−メチルスルホニルフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例12)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び3−ブロモオキセタンから調製した。MS(m/e): 314.1 (MH)。
【0092】
実施例20
5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化28】

5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(2−メチルスルホニルフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例12)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロプロパンから調製した。MS(m/e): 314.1 (MH)。
【0093】
実施例21
5−tert−ブチル−3−[(3−クロロピリジン−2−イル)メチル]−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化29】

5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(2−メチルスルホニルフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例12)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び3−クロロ−2−(クロロメチル)ピリジンから調製した。MS(m/e): 383.1 (MH)。
【0094】
実施例22
1−[5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−2−メチルプロパン−2−オール
【化30】

5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(2−メチルスルホニルフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例12)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び2,2−ジメチルオキシランから調製した。MS(m/e): 330.2 (MH)。
【0095】
実施例23
5−tert−ブチル−3−[(3−メチルオキセタン−3−イル)メチル]−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化31】

5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3−[(2−メチルスルホニルフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例12)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−(2−メチルピラゾール−3−イル)−3H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び3−(ブロモメチル)−3−メチルオキセタンから調製した。MS(m/e): 342.2 (MH)。
【0096】
実施例24
5−tert−ブチル−7−(1−メチルピラゾール−4−イル)−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化32】

a)5−tert−ブチル−3,4−ジヒドロトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オン
【化33】

メタノール100mL中の3−ベンジル−5−tert−ブチル−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オール(米国特許出願公開第2013/0116236号明細書)(7.47g、26.4mmol)の溶液を、Pd/C(10%)上、H(10bar)を用いて100℃で20時間水素化した。混合物を濾過し、エバポレーションし、標題化合物を更なる精製なしに続く工程に使用した。MS(m/e): 235.1 (M+AcCN+H)。
【0097】
b)5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]−4H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オン及び5−tert−ブチル−2−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]−4H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オン
【化34】

DMF(12mL)中の5−tert−ブチル−3,4−ジヒドロトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オン(2.5g、12.3mmol)、5−(クロロメチル)−1−メチル−1H−テトラゾール(2.94g、22.2mmol)及びDBU(4.1g、27.1mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を1M HCl(20mL)に注ぎ、DCM(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、isolute上に吸着させ、酢酸エチル及びヘプタンから形成される勾配で溶離させるシリカフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物含有画分のエバポレーションにより、標題化合物である5−tert−ブチル−2−((1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)メチル)−2H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7(4H)−オン化合物及び5−tert−ブチル−3−((1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7(4H)−オン(1:1)(2.92g、5.05mmol、41%)を得た。MS(m/e): 290.1 (MH)。
【0098】
c)5−tert−ブチル−7−クロロ−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び5−tert−ブチル−7−クロロ−2−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化35】

DCM(100mL)中の5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]−4H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オン及び5−tert−ブチル−2−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]−4H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オン(2.92g、5.05mmol)の混合物をDMF(1.02mL)及び塩化オキサリル(1.28g、10.1mmol)で処理し、22℃で4時間撹拌した。混合物を1M NaHCO水溶液(200mL)に注ぎ、DCM(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、エバポレーションし、更なる精製なしに続く工程に使用した。
【0099】
d)5−tert−ブチル−7−(1−メチルピラゾール−4−イル)−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
ジオキサン(2mL)及び水(0.1mL)中の5−tert−ブチル−7−クロロ−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び5−tert−ブチル−7−クロロ−2−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(31.7mg、0.1mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(5.72mg、0.07mmol)、CsCO(58.6mg、0.018mmol)並びに1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(27mg、0.13mmol)の混合物を100℃で16時間撹拌した。粗混合物を、アセトニトリル、水及びギ酸から形成される勾配で溶離させる逆相分取HPLCによる精製に供した。生成物含有画分のエバポレーションにより、標題化合物(7.4mg、21%)を得た。MS(m/e): 354.3 (MH)。
【0100】
実施例25
5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]−7−(1H−ピラゾール−4−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化36】

5−tert−ブチル−7−(1−メチルピラゾール−4−イル)−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例24)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−クロロ−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び5−tert−ブチル−7−クロロ−2−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジンの混合物(実施例24、c)並びに1H−ピラゾール−4−イルボロン酸から調製した。MS(m/e): 340.3 (MH)。
【0101】
実施例26
5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]−7−(1H−ピラゾール−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化37】

5−tert−ブチル−7−(1−メチルピラゾール−4−イル)−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例24)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−クロロ−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び5−tert−ブチル−7−クロロ−2−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジンの混合物(実施例24、c)並びに3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾールから調製した。MS(m/e): 340.3 (MH)。
【0102】
実施例27
4−[5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−5−メチル−1,2−オキサゾール
【化38】

5−tert−ブチル−7−(1−メチルピラゾール−4−イル)−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例24)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−クロロ−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び5−tert−ブチル−7−クロロ−2−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジンの混合物(実施例24、c)並びに5−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソオキサゾールから調製した。MS(m/e): 355.3 (MH)。
【0103】
実施例28
5−tert−ブチル−7−(1H−イミダゾール−2−イル)−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化39】

5−tert−ブチル−7−(1−メチルピラゾール−4−イル)−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例24)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−7−クロロ−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び5−tert−ブチル−7−クロロ−2−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジンの混合物(実施例24、c)並びに1H−イミダゾール−2−イルボロン酸塩酸塩から調製した。MS(m/e): 340.3 (MH)。
【0104】
実施例29
7−(3−ベンジルトリアゾール−4−イル)−5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化40】

a)2−[5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]エチニル−トリメチル−シラン及び2−[5−tert−ブチル−2−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]エチニル−トリメチル−シラン
【化41】

ジオキサン(30mL)中の5−tert−ブチル−7−クロロ−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び5−tert−ブチル−7−クロロ−2−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(2.2g、6.1mmol)、エチニルトリメチルシラン(1.1g、1.58mL、10.9mmol)、トリエチルアミン(1.23g、1.69ml、12.2mmol)、ヨウ化銅(I)(116mg、608μmol)並びにビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(218mg、304mmol)の混合物を脱気し、アルゴンでフラッシュした。混合物を室温で1時間撹拌し、isolute上に吸着させ、酢酸エチル及びヘプタンから形成される勾配で溶離させるシリカフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、生成物含有画分のエバポレーション後、1.65g(73%)の標題化合物を得た。MS(m/e): 370.3 (MH)。
【0105】
b)7−(3−ベンジルトリアゾール−4−イル)−5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
MeOH(10mL)中の2−[5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]エチニル−トリメチル−シラン及び2−[5−tert−ブチル−2−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]エチニル−トリメチル−シラン(881mg、2.38mmol)並びにTHF中1M TBAF(4.77ml、4.77mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。(アジドメチル)ベンゼン(381mg、358μl、2.86mmol)及びヨウ化銅(I)(454mg、2.38mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。粗混合物を、酢酸エチル及びヘプタンから形成される勾配で溶離させるシリカフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、生成物含有画分のエバポレーション後、272mg(27%)の標題化合物を得た。MS(m/e): 431.3 (MH)。
【0106】
実施例30
3−[[5−tert−ブチル−7−(6−フルオロピリジン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール
【化42】

a)5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−6H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オン及び5−tert−ブチル−2−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−6H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オン並びに5−tert−ブチル−1−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−6H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オン
【化43】

5−tert−ブチル−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]−4H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オン及び5−tert−ブチル−2−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]−4H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オン(実施例24、b)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−3,4−ジヒドロトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オン及び3−(ブロモメチル)−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾールから調製し、更なる精製なしに後続の工程に利用した。
【0107】
b)3−[(5−tert−ブチル−7−クロロ−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール及び3−[(5−tert−ブチル−7−クロロ−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール並びに3−[(5−tert−ブチル−7−クロロ−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−1−イル)メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール
【化44】

5−tert−ブチル−7−クロロ−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び5−tert−ブチル−7−クロロ−2−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例24、b)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−6H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オン及び5−tert−ブチル−2−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−6H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オン並びに5−tert−ブチル−1−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−6H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オンと、塩化オキサリルとから調製した。混合物を粗製の状態で続く工程に使用した。
【0108】
c)3−[[5−tert−ブチル−7−(6−フルオロピリジン−3−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール
5−tert−ブチル−7−(1−メチルピラゾール−4−イル)−3−[(1−メチルテトラゾール−5−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例24)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、3−[(5−tert−ブチル−7−クロロ−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール及び3−[(5−tert−ブチル−7−クロロ−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール並びに3−[(5−tert−ブチル−7−クロロ−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−1−イル)メチル]−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾールの混合物と、1H−イミダゾール−2−イルボロン酸塩酸塩とから調製した。MS(m/e): 368.1 (MH)。
【0109】
実施例31
1−(3−ベンジル−5−tert−ブチルトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)シクロブタン−1−オール
【化45】

a)3−ベンジル−7−ブロモ−5−tert−ブチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化46】

アセトニトリル(70mL)中の3−ベンジル−5−tert−ブチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7(4H)−オン(2g、7.06mmol;CAN 1433363−42−8)、KCO(2.93g、21.2mmol)及び三臭化ホスホリル(6.07g、21.2mmol)の混合物を19時間加熱還流し、飽和NaHCO/氷50mLにゆっくり注ぎ、DCM(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を氷水/ブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、褐色の固体を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中0%〜5%EtOAc)によって精製して、標題化合物(1.99g、81%)を白色の固体として得た。MS(m/e): 346.4 (MH)。
【0110】
b)1−(3−ベンジル−5−tert−ブチルトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)シクロブタン−1−オール
脱水THF(7.5mL)中のモル−シーブ(mol-sieve)、3−ベンジル−7−ブロモ−5−tert−ブチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(647mg、1.87mmol)及びシクロブタノン(144mg、154μL、2.06mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下、RTで10分間撹拌し、次に−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(1.4mL、2.24mmol)をシリンジで20分間かけて加えた。混合物を−78℃で3時間撹拌し、水(2mL)でクエンチし、RTまで放温し、飽和NHCl溶液上に注ぎ、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を氷水/ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、黄色の油状物727mgを得て、これを分取HPLCによって精製して、197mg(31%)の標題化合物を明黄色の油状物として得た。MS(m/e): 338.2 (MH)。
【0111】
実施例32
3−ベンジル−5−tert−ブチル−7−(1−フルオロシクロブチル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化47】

三フッ化ジエチルアミノイオウ(21.5mg、17.6μL、133μmol)を、DCM(445μL)中の1−(3−ベンジル−5−tert−ブチル−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)シクロブタノール(30mg、88.9μmol、実施例31b)の氷冷溶液に加えた。混合物を0℃で50分間撹拌し、氷/飽和NaHCO上に注ぎ、DCM(2×20mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、緑色の油状物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10g、ヘプタン中0%〜5%EtOAc)によって精製して、標題化合物(17mg、56%)を無色の油状物として得た。MS(m/e): 340.3 (MH)。
【0112】
実施例33
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロブタノール
【化48】

a)5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−オール
【化49】

5−アミノ−1−(2−クロロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(3.0g、11.9mmol;CAN 93444−91−8)をN,N−ジメチルアセトアミド(15mL)及びピリジン(1.45mL)と合わせて白色の懸濁液を得た。反応混合物を80℃に加熱し、1時間撹拌した。次に、塩化ピバロイル(2.18g、2.22mL、18.1mmol;CAN 3282−30−2)を10分間かけて滴下した。反応混合物を80℃で1時間撹拌した。次に、炭酸水素カリウム(6.01g、60.0mmol)を加え、反応温度を150℃に21時間昇温させた。混合物を氷冷水でクエンチし、1時間撹拌した。沈殿物を濾過し、氷冷水で洗浄し、40℃で8時間減圧下で乾燥させて、2.83g(75%)の標題化合物を明黄色の固体として得た。MS(ESI): m/e C1517ClNO [M+H]の計算値:318.1、実測値:318.1。
【0113】
b)7−ブロモ−5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化50】

アルゴン雰囲気下、5−tert−ブチル−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7(4H)−オン(500mg、1.57mmol)、KCO(435mg、3.15mmol)及び三臭化ホスホリル(1.9g、6.63mmol)の混合物を、脱水アセトニトリル(5.5mL)中、還流条件下で2時間加熱した。反応混合物を室温まで放置し、次に、氷/塩浴中で〜−16℃に冷却し、氷冷飽和NaHCO溶液(3mL)でクエンチした。混合物を氷/飽和NaCO溶液(100mL)上に注ぎ、DCM(2×100mL)で抽出した。有機層を氷水/ブライン(100mL)で洗浄し、合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下でエバポレーションして、粗標題化合物529mgを橙色の固体として得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン/EtOAc 0〜15%、90分)によって精製して、474mg(79%)の純粋な標題化合物を白色の粉末物として得た。m.p.=138.4℃;MS(ESI): m/e C1516BrClN [M+H]の計算値:380.0、実測値:380.0。
【0114】
c)1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロブタノール
脱水THF(300μL)中のモル−シーブ、7−ブロモ−5−tert−ブチル−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(14mg、36.8μmol)及びシクロブタノン(2.9mg、3.1μL、41.4μmol;CAN 1191−95−3)の混合物を、アルゴン雰囲気下、RTで15分間撹拌した。混合物を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(0.1mL、160μmol)をシリンジによって10分間かけて加えて、黄色の溶液を得た。反応混合物を−78℃で3.5時間撹拌した。1時間かけて氷水(2mL)を滴下することによって反応物をクエンチし、0℃まで温め、次にRTまで放温した。残留物を氷/25%NHCl溶液(40mL)上に注ぎ、EtOAc(2×40mL)で抽出した。有機層を氷水/ブライン(40mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、23mgの粗生成物を無色の油状物として得た。粗物質を分取TLC(シリカゲル、1.0mm、ヘプタン/EtOAc 4:1)によって精製し、DCM/EtOAc 1:1(100mL)中に溶離させて、6.8mg(50%)の標題化合物を黄色の油状物として得た。MS(ESI): m/e C1923ClNO [M+H]の計算値:372.2、実測値:372.2。
【0115】
実施例34
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロペンタノール
【化51】

1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロブタノール(実施例33)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、7−ブロモ−5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例33b)及びシクロペンタノンから調製した。MS(ESI): m/e C2025ClNO [M+H]の計算値:386.2、実測値:386.2。
【0116】
実施例35
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロヘキサノール
【化52】

1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロブタノール(実施例33)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、7−ブロモ−5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例33b)及びシクロヘキサノンから調製した。MS(ESI): m/e C2127ClNO [M+H]の計算値:400.2、実測値:400.2。
【0117】
実施例36
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロヘプタノール
【化53】

1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロブタノール(実施例33)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、7−ブロモ−5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例33b)及びシクロヘプタノンから調製した。MS(ESI): m/e C2229ClNO [M+H]の計算値:414.2、実測値:414.2。
【0118】
実施例37
1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロオクタノール
【化54】

1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロブタノール(実施例33)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、7−ブロモ−5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例33b)及びシクロオクタノンから調製した。MS(ESI): m/e C2331ClNO [M+H]の計算値:428.2、実測値:428.2。
【0119】
実施例38
3−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]ペンタン−3−オール
【化55】

1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロブタノール(実施例33)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、7−ブロモ−5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例33b)及び3−ペンタノンから調製した。MS(ESI): m/e C2027ClNO [M+H]の計算値:388.2、実測値:388.2。
【0120】
実施例39
3−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]チエタン−3−オール
【化56】

1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロブタノール(実施例33)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、7−ブロモ−5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例33b)及びチエタン−3−オンから調製した。MS(ESI): m/e = 390.1 [M+H]
【0121】
実施例40
trans−1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−3−(ジフルオロメチル)シクロブタノール
【化57】

1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロブタノール(実施例33)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、7−ブロモ−5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例33b)及び3−(ジフルオロメチル)シクロブタノンから調製した。MS(ESI): m/e C2023ClFO [M+H]の計算値:422.2、実測値:422.2。
【0122】
実施例41
cis−1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−3−(ジフルオロメチル)シクロブタノール
【化58】

1−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]シクロブタノール(実施例33)の合成について記載した手順と同様にして、標題化合物を、7−ブロモ−5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例33b)及び3−(ジフルオロメチル)シクロブタノンから調製した。MS(ESI): m/e C2023ClFO [M+H]の計算値:422.2、実測値:422.2。
【0123】
実施例42
3−[5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−1−オキソ−チエタン−3−オール
【化59】

脱水DCM(0.1mL)中の3−(5−tert−ブチル−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)チエタン−3−オール(10mg、25.6μmol;実施例39)の懸濁液を0℃で10分間撹拌した。m−CPBA(13.3mg、76.9μmol)を加え、混合物を0℃で2時間撹拌した。次に、反応混合物を室温まで放置し、更に2時間撹拌した。反応混合物を10%Na溶液(30mL)上に注ぎ、DCM(2×30mL)で抽出した。有機層を氷水/ブライン(30mL)で洗浄した。有機層を合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、黄色の固体28mgを得た。粗物質を分取TLC(シリカゲル、1.0mm、EtOAc)によって精製し、CHCl/EtOAc(1:1)中に溶離させて、2.9mg(28%)の標題化合物を黄色の油状物として得た。MS(ESI): m/e C1821ClNSの計算値:406.1、実測値:406.1。
【0124】
実施例43
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−[1−(フルオロメチル)シクロプロピル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化60】

三フッ化ジエチルアミノイオウ(6.5mg、5.33μL、40.3μmol)を、アルゴン雰囲気下、脱水DCM(0.2mL)中の(5−tert−ブチル−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)シクロブタノール(3mg、8.07μmol;実施例33)の氷冷溶液に加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、氷水/飽和NaCO溶液(30mL)に注ぎ、DCM(2×30mL)で抽出した。有機層を氷水/ブライン(30mL)で洗浄し、合わせ、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、黄色の固体20mgを得た。粗物質を分取TLC(シリカゲル、1.0mm、ヘプタン/EtOAc 4:1)によって精製し、DCM/EtOAc 1:1(100mL)中に溶離させて、6mgの標題化合物を無色の油状物として得た。MS(ESI): m/e C1922ClFN [M+H]の計算値:374.154、実測値:374.154。
【0125】
実施例44
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(シクロペンテン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化61】

ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(17mg、20.8μmol)を、ジオキサン(10mL)中の5−(tert−ブチル)−7−クロロ−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(100mg、297μmol、実施例1c)、2−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(69.3mg、357μmol)及び2M Cs2CO3水溶液(149μL、297μmol)の懸濁液に加えた。反応混合物をアルゴン下、100℃で3時間撹拌し、氷/飽和NaHCO3(1×25mL)上に注ぎ、EtOAc(2×25mL)で抽出し、氷水/ブライン(1×25mL)で洗浄した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で乾固させて褐色の固体を得て、これを分取TLC(シリカゲル、1.0mm、19:1 ヘプタン/EtOAc)によって精製して、標題化合物(95mg、87%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI): m/e = 368.2 (MH)。
【0126】
実施例45
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−シクロペンチル−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び3−ベンジル−5−tert−ブチル−7−シクロペンチル−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化62】

パラジウム炭素(10%)(1.92mg、18.1μmol)を、水素雰囲気下、メタノール(5mL)中の5−(tert−ブチル)−3−(2−クロロベンジル)−7−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(95mg、258μmol、実施例44)の溶液に加えた。懸濁液を周囲温度で4時間撹拌し、濾過し、EtOAcで洗浄し、乾固させて、5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−シクロペンチル−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン及び3−ベンジル−5−tert−ブチル−7−シクロペンチル−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジンの混合物(74mg)を得た。
【0127】
実施例46
薬理学試験
式Iで示される化合物の活性を測定するために以下の試験を実施した:
【0128】
放射性リガンド結合アッセイ
カンナビノイドCB1受容体に対する本発明の化合物の親和性を、放射性リガンドとしてそれぞれ1.5又は2.6nMの[3H]−CP−55,940(Perkin Elmer)を結合させたヒトCNR1又はCNR2受容体を発現するヒト胚性腎臓(HEK)細胞の推奨量の膜調製物(PerkinElmer)を使用して測定した。結合緩衝液(CB1受容体の場合、50mM Tris、5mM MgCl、2.5mM EDTA及び0.5%(wt/vol)脂肪酸フリーBSA、pH7.4、そして、CB2受容体の場合、50mM Tris、5mM MgCl、2.5mM EGTA及び0.1%(wt/vol)脂肪酸フリーBSA、pH7.4)中、総容量0.2mlで、30℃にて振盪しながら1時間、結合を実施した。0.5%ポリエチレンイミンでコートした精密濾過プレート(UniFilter GF/Bフィルタープレート;Packard)に通して急速濾過することによって反応を終了させた。非線形回帰分析(Activity Base, ID Business Solution, Limited)を使用して、結合した放射能活性をKiについて分析し、[3H]CP55,940のKd値を飽和実験から決定した。式(I)で示される化合物は、CB2受容体に対して、10μM未満、より特定すると1nM〜3μM、最も特定すると1nM〜100nMの親和性で優れた親和性を示す。
【0129】
cAMPアッセイ
ヒトCB1又はCB2受容体を発現するCHO細胞を、実験の17〜24時間前に、透明平底の黒色96ウェルプレート(Corning Costar #3904)において、10%ウシ胎仔血清を含有するDMEM(Invitrogen No. 31331)、1×HTサプリメント中に、50.000細胞/ウェルで播種し、加湿インキュベーター内にて5%CO及び37℃でインキュベートする。増殖培地を、1mM IBMXを含有するクレブス−リンガー重炭酸緩衝液に交換し、30℃で30分間インキュベートした。化合物を最終アッセイ容量100μlとなるように加え、30℃で30分間インキュベートした。cAMP−Nano−TRF検出キット(Roche Diagnostics)を使用して、溶解試薬(Tris、NaCl、1.5%Triton X100、2.5% NP40、10% NaN)50μl及び検出溶液(20μM mAb Alexa700−cAMP 1:1、及び48μM ルテニウム−2−AHA−cAMP)50μlを加えることによってアッセイを停止し、室温で2時間振盪した。時間分解エネルギー転移を、励起源としてND:YAGレーザーを搭載したTRFリーダー(Evotec Technologies GmbH)によって測定する。355nmでの励起と、それぞれ総照射時間10秒で730(帯域幅30nm)又は645nm(帯域幅75nm)(遅延100ns及びゲート100ns)での発光とにおいて、プレートを2回測定する。FRETシグナルは、以下のように計算される:FRET=T730−Alexa730−P(T645−B645)(P=Ru730−B730/Ru645−B645を有する)であり、式中、T730は、730nMで測定されるテストウェルであり、T645は、645nmで測定されるテストウェルであり、B730及びB645は、それぞれ730nm及び645nmでの緩衝液コントロールである。cAMP含量を、10μM〜0.13nMにわたるcAMPの標準曲線の関数から決定する。
【0130】
EC50値を、Activity Base 分析(ID Business Solution, Limited)を使用して決定した。このアッセイから生じたカンナビノイドアゴニストの幅広いEC50値は、科学文献の公表値と一致した。
【0131】
本発明の化合物は、1μM未満のEC50を有し、かつ、対応するアッセイにおけるCB1に対する選択性が少なくとも10倍である、CB2受容体アゴニストである。本発明の特定の化合物は、0.05μM未満のEC50を有し、かつ、対応するアッセイにおけるCB1に対する選択性が少なくとも500倍である、CB2受容体アゴニストである。
【0132】
例えば、以下の化合物は、上述した機能性cAMPアッセイにおいて以下のヒトEC50値を示した:
【0133】
【表1】
【0134】
実施例A
以下の成分を含有するフィルムコート錠を従来の方式で製造することができる:
【0135】
【表2】
【0136】
活性成分を篩にかけ、微結晶セルロースと混合し、そして、混合物をポリビニルピロリドン水溶液とともに造粒する。次に、造粒物をデンプングリコール酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムと混合し、圧縮して、それぞれ120又は350mgの核を得る。上記フィルムコートの水性の溶液/懸濁液を核に塗布する。
【0137】
実施例B
以下の成分を含有するカプセル剤を従来の方式で製造することができる:
【0138】
【表3】
【0139】
成分を篩にかけ、混合し、そして、サイズ2のカプセルに充填する。
【0140】
実施例C
注射液は、以下の組成を有することができる:
【0141】
【表4】
【0142】
活性成分を、ポリエチレングリコール400と注射用水(一部)の混合物に溶解する。酢酸の添加によってpHを5.0に調整する。水の残量を添加することによって容量を1.0mlに調整する。溶液を濾過し、適度の過剰量を使用してバイアルに充填し、そして、滅菌する。