特許第6669852号(P6669852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6669852受信機側でスキャニングインスタントを決定するための方法、装置、およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6669852
(24)【登録日】2020年3月2日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】受信機側でスキャニングインスタントを決定するための方法、装置、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/08 20060101AFI20200309BHJP
【FI】
   H04L25/08 Z
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-501298(P2018-501298)
(86)(22)【出願日】2016年6月23日
(65)【公表番号】特表2018-520605(P2018-520605A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】EP2016001074
(87)【国際公開番号】WO2017008885
(87)【国際公開日】20170119
【審査請求日】2018年9月14日
(31)【優先権主張番号】102015111465.8
(32)【優先日】2015年7月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506038073
【氏名又は名称】イノヴァ セミコンダクトルズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ノイマン、ローラント
【審査官】 谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−225174(JP,A)
【文献】 米国特許第09036757(US,B1)
【文献】 米国特許第06414990(US,B1)
【文献】 特開平10−084396(JP,A)
【文献】 特開2000−196506(JP,A)
【文献】 特開平08−335962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/08
H04L 25/03
H04B 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続データ信号(DS)のサンプリング時間(T)を受信側で決定し、且つシリアルビットデータストリームのビット幅(BB)内のビット値を検出する方法であって、
データ信号補償デバイスを用いて送信側で送信される前記連続データ信号(DS)を変調するために提供された連続データストリームの少なくとも1つのフィルタ係数を受信側で測定すること(100)であって、実行されるサンプリング前の少なくとも1つのフィルタ係数および実行されるサンプリング後の少なくとも1つのフィルタ係数に対応する前記連続データ信号(DS)の信号強度が測定される(100)、前記測定すること(100)、
送信される前記連続データ信号(DS)の振幅が、該サンプリング時間(T)において最大値となるように、前記少なくとも2つの測定されたフィルタ係数および提供されたサンプリング時間メトリック(M)に応じて前記サンプリング時間(T)を決定すること(101)、を備え、
前記サンプリング時間メトリック(M)によって、前記サンプリング時間(T)が、前記少なくとも2つのフィルタ係数に対応する前記連続データ信号(DS)測定された信号強度の和に応じて決定される、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのフィルタ係数は、1組の測定方法のうちの少なくとも1つの測定方法によって測定され(100)、
前記1組の測定方法は、少なくとも1つの測定センサの読み取り、複数の送信パラメータに応じた計算、決定、データメモリの読み出し、送信構成の読み出し、アルゴリズム、特にLMSアルゴリズムの評価、少なくとも1つのプレカーソルの決定、および少なくとも1つのポストカーソルの決定を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サンプリング時間メトリックは、前記サンプリング時間が、前記少なくとも2つのフィルタ係数に対応する前記連続データ信号(DS)の測定された信号強度の和の最小値に位置することを提供する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記サンプリング時間メトリック(M)は、1組のうちの少なくとも1つの提供方法によって提供され、
前記1組は、データメモリの読み出し、ハードワイヤードメトリックユニットの提供、ハードウェアで具体化されたメトリックユニットの提供、メトリック回路の提供、対応するワイヤードメトリック構成要素の提供、制御ユニットの提供、および制御ユニットの提供を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
決定されるサンプリング時間(T)は、1組の時間のうちの追加の時間に関連して決定され、
前記1組は、追加のサンプリング時間、およびビット幅の境界を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記データ信号補償デバイスは、1組のユニットのうちの少なくとも1つのユニットとして構成され、
前記1組は、制御ユニット、スイッチボード、歪みモジュール、プレ歪みモジュール、受信機、および送信機を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記連続データ信号(DS)が、1組のメディアのうちの少なくとも1つの信号伝送媒体を用いて送信され、
前記1組は、ケーブル、導電接続、差動ライン、同軸線、およびバスラインを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
測定デバイス(SE)が、前記連続データ信号の振幅を決定するために、所定の時間に読み出される、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
連続データ信号(DS)のサンプリング時間(T)を受信側で決定し、且つシリアルビットデータストリームのビット幅(BB)内のビット値を検出する装置(V)であって、
データ補償デバイスを用いて送信側で連続的に送信される前記連続データ信号(DS)を変調するために提供された少なくとも1つのフィルタ係数を測定する(100)ように構成された測定ユニット(ME)であって、実行されるサンプリング前の少なくとも1つのフィルタ係数および実行されるサンプリング後の少なくとも1つのフィルタ係数に対応する前記連続データ信号(DS)の信号強度が測定される(100)、前記測定ユニット(ME)と、
送信される連続データ信号(DS)の振幅が該サンプリング時間(T)において最大値となるように、測定された少なくとも2つのフィルタ係数および提供されたサンプリング時間メトリック(M)に応じて前記サンプリング時間(T)を決定する(101)ように構成されたサンプリング時間ユニット(AE)と、を備え、
前記サンプリング時間メトリック(M)によって、前記サンプリング時間(T)が、前記少なくとも2つのフィルタ係数に対応する前記連続データ信号(DS)の測定された信号強度の和に応じて決定される、装置。
【請求項10】
請求項に記載の少なくとも1つの装置(V)を備える通信システム。
【請求項11】
請求項1〜のいずれか1項に記載の方法を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプリング時間を決定する方法及び対応する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サンプリング時間は、測定値を誤って読み取る可能性が低い離散時間でデータ信号の信号強度を測定させるように決定される。信号強度を読み取ることは、測定結果をビット構成にマッピングすることを含む。結果として、このような発明に従った方法は、有利には、測定点またはサンプリング時間を設定するための方法または同様に電流強度または電圧振幅を測定するための方法として用いられてもよい。サンプリング時間は、伝送媒体の少なくとも1回のサンプリングをトリガするように決定されてもよい。
【0003】
特許文献1は、データ送信設定(送信器の制御)を制御するための方法を開示している。
特許文献は、離散サンプリング制御システムを較正する方法を開示している。離散サンプリング制御システムは、サンプリング時間エラー信号の量子化間隔を設定することによって、サンプリング位相選択要素の、移動受信機における受信信号のサンプリング時間に影響を及ぼす。離散サンプリング制御信号の予め設定された値は、各量子化間隔に割り当てられる。
【0004】
特許文献は、データ伝送のためのデジタル相関受信機のサンプリング時間を自動的に設定する方法を開示し、該サンプリング時間は、CVBS信号を適切に選択することによって事前に同期され、有効信号は、受信機の信号形式に応じた対応するサンプリング時間を有する。
【0005】
特許文献は、サンプリングクロック信号を生成する位相制御回路の制御基準が受信信号から導出されるデータ再生方法を開示している。特許文献3は、送信データが誤り訂正符号を用いてセキュアとなり、送信誤り率が受信側で連続的に判定され、実験的には受信信号に対するサンプリング信号の制御された位相シフトが変更され、つまり、サンプリング時間が変更され、測定された伝送エラー率に基づいて最適なサンプリング時間が決定され得る。
【0006】
略正確に正しい値が出力されるように伝送媒体上で測定された歪み値を適合させる方法が知られている。これらは、エラーに対する逆の補正値が、正しい値となるように受信データ信号に変調されるという予想されるエラーを補償するエラー訂正方法を含む。さらに、従来技術によれば、事前に変調された信号が送信される場合にさらなるアシスタント無しにエラーが訂正されるように、逆に且つ事前に、伝送媒体から予期されるエラーを送信されるべき信号に変調することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2779551号明細書
【特許文献2】独国特許第10334064号明細書
【特許文献3】独国特許第19904956号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第19717642号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来の方法は、送信の前または後のいずれかで、複雑でエラーが起こりやすい複数の方法ステップにおいて、目標信号値が達成されるように信号がエラー訂正されなければならないという欠点を有する。さらに、既知の方法は、急勾配と高い振幅を有するできるだけ好適な信号を生成するように信号を予め歪ませることに基づくが、この最適化された信号の好適な時間を較正することもできない。これに関連して、伝送パラメータおよび/またはフィルタ係数は、連続データ信号をサンプリングするのに適した時間に関して信頼性のある予測を行うことができるように考慮されていない。
【0009】
したがって、本発明の目的は、誤り率を低減するサンプリング時間を決定し、任意に設定する方法を提供することである。つまり、信号に直接作用することなく、信号強度が、できる限り正確に符号化される値を反映するか、もしくは閾値を下回って下降するかまたは閾値を上回って上昇するという信頼できる予測が実行され得る最適な測定点を設定すべきである。提案された方法および提案された装置は、技術的に高い複雑度を伴わずに動作可能でなければならず、他のハードウェア構成要素と組み合わせて再使用可能でなければならない。本発明のさらなる目的は、対応して具体化された装置及び該装置を含むシステムを提供することである。
【0010】
この目的は、請求項1の特定事項によって達成される。
従って、連続データ信号のサンプリング時間を受信側で決定し、且つシリアルビットデータストリームのビット幅内のビット値を検出する方法が提供される。本発明に従った方法では、データ信号補償デバイスを用いて送信される連続データ信号を変調するために提供された連続データストリームの少なくとも1つのフィルタ係数が測定され、送信される連続データ信号の振幅が、該サンプリング時間において最大値となるように、少なくとも1つの測定されたフィルタ係数および提供されたサンプリング時間メトリックに応じてサンプリング時間が決定される。
【0011】
受信機側でデータストリームのサンプリング値を決定するには、連続データ信号を伝送媒体に変調する送信機が必要である。しかしながら、送信機は、特別に具体化される必要はなく、したがって、本発明に従った方法は、従来の送信機を用いて動作させることができる。送信機は、複数の通信信号を交換するように、少なくとも1つの伝送媒体を介して受信機に通信可能に接続される。送信機は、典型的には、連続データストリームを介して、ビットストリーム、すなわち、個々のビットの任意に長いシーケンスを送信するように具体化される。これに関連して、特定の時間における閾値を超える信号強度によって、設定ビットを符号化し、閾値未満の信号強度によって、未設定ビットを符号化する。信号強度のプログレッション(progression)は、技術的な理由から、非2進法で符号化されなければならないため、信号強度の連続的なプログレッションを媒体上に近似的にマッピングする曲線となる。したがって、個々の不都合な時点で、ビットが実際にセットされているかどうかについての予測を行うことは不可能である。このことは、信号強度が閾値に近い値を有する場合に当てはまる。本発明によれば、このことは、信号のプログレッションの振幅がいつ最大になるかを特に注意深く決定することによって無効にされる。
【0012】
本発明によれば、送信機を適応させることなく、これらの不都合な時点で、すなわち、信号強度が閾値に近く、受信機側では回避される場合にサンプリングするのでなく、サンプリングは実際に最大振幅で行われることが特に有利である。このことは、測定時間、すなわちサンプリング時間において信号強度が閾値から十分に離れていることを保証する。サンプリング時間は、送信されるべき関連するビットのタイムスパン内で明確に符号化されるビット幅内に時間的に配置される。したがって、サンプリング時間は、それぞれの場合にこのビット幅内で選択され、それぞれの場合にビット構成を読み取る必要がある。シリアルビットデータストリームを個々のビットに細分化する個々のビット幅は、典型的には時間的に等間隔である。
【0013】
典型的に実行されるサンプリングは、ビット幅の時間的中心におけるサンプリング時間を含み得る。したがって、信号強度は、例えば、ビット幅の最初の部分付近において符号化された「ゼロ」から符号化された「1」への変化で増加し、ビット幅の中心で略最大に達し、その後にゼロが符号化された場合に低下する。したがって、ビット幅の中心は、適切なサンプリング時間の基準点として選択され得る。サンプリング時間をさらに改善するために、本発明によれば、サンプリング点が振幅最大に時間シフトされるように、サンプリング時間は、少なくとも1つの測定されたフィルタ係数に応じて時間シフトされる。
【0014】
本発明に従って決定されたサンプリング点は、複数の送信されたビットまたは複数の送信されるべきビットに対して有利であり、したがって、統計的に言えば、平均ビット誤り率を低減させる。
【0015】
典型的には、サンプリングは、最適化された固定遅延で行われる。本発明に従った固定遅延は、送信のエラー・クオータ(error quota)、言い換えれば、各ビット幅のビット値の検出が可能な限り低いように、サンプリングが好適な時間に行われるように最適化される。従って、本発明によれば、誤って送信されるか又は誤って検出されたビットを再送信する必要がないので、信頼性の高いデータ送信を保証できるだけでなく、送信容量も増加させることができるという利点がある。例えば、単語を構成する複数のビットを検査してエラーが検出された場合に単語を再送信することができる。誤り率が既知の方法との比較によって低減されるので、このタイプの再送信が、本発明に従って避けることができる。
【0016】
既知の方法では、クロック周波数またはオーバーサンプリングの技術的な複雑さが増大することによって、伝送容量におけるこのタイプの増加が可能である。しかしながら、この場合には誤り率もまた増加するので、このことはこのような発明によれば回避される。各場合に振幅最大値が存在する時間間隔は簡単に達成されるように、クロック周波数の増加は暗黙的にビット幅を減少させる。したがって、適切なサンプリング時間の決定は複雑でエラーを起こしやすい。本発明の一態様によれば、クロック周波数を増加させることなく、データスループットを上げることができ、この目的のために、連続データ信号によって誤って検出されたビットを再送する必要が低下するように、適切なサンプリング時間を決定することができる。
【0017】
本発明の一態様では、実行されるか、または実行されるべきサンプリングの前の少なくとも1つのフィルタ係数および該サンプリングの後の少なくとも1つのフィルタ係数が測定される。このことは、本発明によれば、データ信号の振幅が最大である時間を高精度に決定することができるという利点を有する。この目的のために、受信機でフィルタ係数を測定するか、またはそれらをデータメモリから読み出すことが有利であり得る。例えば、対応する係数を提供する他の複数のユニットも読み出すことができる。したがって、本発明によれば、複数のフィルタ係数を計算して提供する追加のデータ伝送コンポーネントを読み出すことが可能である。このことは、フィルタ係数を提供するためのアルゴリズム、特にLMSアルゴリズムによって行うことができる。LMSアルゴリズムは、解を最小二乗問題(least mean squares problem)またはこのアルゴリズムの変形に近似するための最小平均二乗アルゴリズム(least mean squares algorithm)であってもよい。各測定点の前後の少なくとも1つのフィルタ係数を考慮することで、提案された方法により精度が有利に改善され、最大振幅レベルの結果として、ビット値を検出するためのデータ信号の読み取りにおいてより低い誤り率となる。
【0018】
本発明の1つの態様によれば、サンプリングが実行された後のフィルタ係数を考慮することは、計画された、実行されたまたは実行されるべき、連続データ信号のサンプリングの後の少なくとも1つのフィルタ係数に基づくものである。したがって、実行されるサンプリングは、以前の反復で既に実行されているかもしれないが、実際のサンプリングの前にサンプリング時間を推定し、対応するフィルタ係数をこのサンプリング時間に考慮することが特に有利である。これに関連して、当業者は、実行されるサンプリングの後にフィルタ係数を決定するためのさらなる選択肢を認識している。
【0019】
本発明のさらなる態様によれば、提供されたサンプリング時間の前で正確に1つのフィルタ係数を選択し、且つ提供されたサンプリング時間の後で1つのフィルタ係数を正確に選択することが有利である。複数のフィルタ係数は、適合された有利なデータ信号を生成するために連続データ信号に変調されるので、各サンプリング時間の前後で正確に1つのフィルタ係数を考慮することが特に有利である。これらは、そのような方法で、サンプリング時間の直前および直後に時間的に適用される複数のフィルタ係数から正確に選択される。典型的には、同じフィルタ係数が常に使用されるが、本発明によれば、複数のフィルタ係数が使用され、連続データ信号に適用され、それぞれ異なる場合がある。したがって、本発明によれば、連続的なデータストリームの勾配をより正確に変調することができる。さらに、これらの異なる複数のフィルタ係数をサンプリング時間の決定において考慮することができる。
【0020】
本発明のさらなる態様によれば、少なくとも1つのフィルタ係数は、実行されるサンプリングの前および後のいずれかで測定される。このことは、本発明によれば、サンプリング時間を決定する特に効率的な方法が提案されるという利点がある。一般的に言えば、複数のフィルタ係数のパラメータは、複数のフィルタ係数がこれらが考慮されるようにどのような特性を有するかを示すサンプリングメトリック(sampling metric)によって決定され得る。これに関連して、例えばサンプリング時間の前にフィルタ係数のみを考慮に入れることを提供することが可能である。このタイプのメトリックは、1組の制御コマンドとして提供されるか、または対応する具体化されたハードウェアコンポーネントにハードワイヤード実装(implemented hard-wired)されてもよい。
【0021】
本発明のさらなる態様によれば、少なくとも1つのフィルタ係数は、1組の測定方法からの少なくとも1つの測定方法によって測定され、1組の測定方法は、少なくとも1つの測定センサの読み取り、複数の送信パラメータに応じた計算、決定、データメモリの読み出し、送信構成の読み出し、アルゴリズム、特にLMSアルゴリズムの評価、少なくとも1つのプレカーソルの決定、および少なくとも1つのポストカーソルの決定を含む。このことは、対応する装置に既に実装され、再利用可能な多くの好適な測定方法を使用できるという利点を有する。また、本発明によれば、有利には、複数の方法を同時に使用できるように、個々の方法を組み合わせることも可能である。したがって、例えば、第1のフィルタ係数を受信機で測定することができ、第2のフィルタ係数を、対応して実装されたアルゴリズムによって計算することができる。複数の測定方法の組み合わせも有利である。
【0022】
本発明のさらなる態様によれば、サンプリング時間メトリックは、サンプリング時間が、測定されたフィルタ係数の信号強度の和に応じて決定されることを提供する。このことは、複数のフィルタ係数の信号強度が単純な方法で、単に付加的に考慮され得るという利点を有する。これにより、単に技術的に低い複雑度で具体化され得るが、依然としてサンプリング時間の正確な決定を可能にする。
【0023】
本発明のさらなる態様によれば、サンプリング時間メトリックは、サンプリング時間が、測定された複数のフィルタ係数の信号強度の合計の最小値にあることを提供する。このことは、本発明によれば、最適な測定時間が見出されるという利点を有する。最適な測定時間は、送信されたデータ信号の振幅が最も高いサンプリング時間として定義され得る。このことは、最大振幅が、時間間隔および連続データ信号の信号強度によって定義されるビット値が確実に可能な限り明確に読み取られることを保証するため、最適に指定される。予め設定された閾値は、信号強度がサンプリング時間において「0」または「1」として読み取られるかどうかを判定するため、閾値を上回るかまたは下回る信号強度の存在に関して可能な限り予測を明確となるように、閾値について特に明確な境界を有することが特に有利である。このことは、特に最大振幅で可能であり、また本発明によるものである。この目的のために、提案されたメトリックは、一連のテストにおいて特に信頼できることが分かっている。
【0024】
本発明のさらなる態様によれば、サンプリング時間メトリックは、1組のうちの少なくとも1つの提供方法によって提供され、該1組は、データメモリの読み出し、ハードワイヤードメトリックユニットの提供、ハードウェアで具体化されたメトリックユニットの提供、メトリック回路の提供、対応するワイヤードメトリック構成要素の提供、制御ユニットの提供、および制御ユニットの提供を含む。このことは、本発明によるメトリックが、特に相乗的に組み合わせることができる複数の選択肢に基づいて提供できるという利点を有する。したがって、メトリックは、複数の計算モジュールにわたって分散して実装され、各モジュールは、提案されたメトリックの少なくとも一部を提供する。
【0025】
本発明のさらなる態様によれば、決定されるサンプリング時間は、1組の時間から追加の時間に対して決定され、該1組は、追加のサンプリング時間、ビット幅の境界、データ信号の勾配、および測定された振幅レベルを含む。このことは、既知の複数の時間に基づいて、サンプリングタイプが、比較的に、しかし絶対的に決定され得るという利点を有する。
【0026】
本発明のさらなる態様によれば、データ信号強度は、少なくとも1つのフィルタ係数を測定するように決定される。このことは、フィルタ係数が経験的に決定され、フィルタ係数を読み出す際のエラーが防止され得るという利点を有する。従って、課題のフィルタ係数は簡単な方法で決定され得る。
【0027】
本発明のさらなる態様によれば、データ信号補償デバイスは、1組のユニットからの少なくとも1つのユニットとして構成され、該1組は、制御ユニット、スイッチボード、歪みモジュール、プレ歪みモジュール、受信機、および送信機を含む。このことは、本発明によれば、既存の複数の装置が適合され、その後に再使用され得るという利点を有する。したがって、本発明による方法を具体化するように既存のシステムを適合させることが可能である。
【0028】
本発明のさらなる態様によれば、連続データ信号が、1組のメディアのうちの少なくとも1つの信号伝送媒体を用いて送信され、該1組は、ケーブル、導電接続、差動ライン、同軸線、およびバスラインを含む。このことは、提案された方法および提案された装置が複数の信号伝送媒体と互換性があり、したがって、既存の複数のシステムが、異なる信号伝送媒体で有利に拡張され得るという利点を有する。特に、信号伝送の複数の段階は、それぞれ異なる信号伝送媒体を使用してブリッジされてもよい。
【0029】
本発明のさらなる態様によれば、測定デバイスが、データ信号の振幅を決定するために、所定の時間または決定された時間において読み出される。このことは、介在するコンポーネントを追加することなく経験的に振幅を測定できるという利点がある。この段階を繰り返して実行し、複数の所定時間を用いて複数の測定値を取り込むことも可能である。
【0030】
また目的は、連続データ信号のサンプリング時間を受信側で決定し、且つシリアルビットデータストリームのビット幅内のビット値を判定する装置によって達成される。該装置は、データ補償デバイスによって連続的に送信される連続データ信号を変調するために提供された少なくとも1つのフィルタ係数を測定するように構成された測定ユニットと、連続的に送信されるデータ信号の振幅が、該サンプリング時間において最大値となるように、少なくとも1つの測定されたフィルタ係数および提供されたサンプリング時間メトリックに応じてサンプリング時間を決定するように構成されたサンプリング時間ユニットと、を備える。
【0031】
また目的は、開示された複数の装置のうちの少なくとも1つを含む通信システムによって達成される。また目的は、開示された複数の方法のうちの1つを実行させるコンピュータプログラムによって、および対応する複数のコマンドを記憶するコンピュータプログラム製品によっても達成される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一態様によるサンプリング時間を決定する適用状況に従った送信ユニットを示す。
図2】本発明の一態様によるサンプリング時間を決定する適用状況に従った受信ユニットを示す。
図3】本発明の一態様による連続データストリームのプログレッションを示す図である。
図4】本発明のさらなる態様によるデータストリームのサンプリング時間の決定を示す。
図5】本発明のさらなる態様による連続データストリームのサンプリング時間の決定を示す。
図6】本発明の一態様による連続データストリームのサンプリング時間を決定する方法を示す。
図7】本発明の一態様による連続データストリームのサンプリング時間を決定する装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、本発明の個々の態様を図面を参照して例として説明する。
図1は、データストリームを生成するように具体化された複数のデバイスを含む送信デバイスを示す。この生成されたデータストリームは、その後、伝送チャネルに変調される。これは、例えば伝送チャネルに適切な電圧を印加することによって実施される。特定の場合には、データ信号を生成するために既知の複数の構成要素が使用され、伝送チャネルを介してデータ信号を可能な限り誤りなく送信するために雑音抑圧を向上させるか、または信号増幅を実行させる。本発明によれば、伝送チャネルは、データ信号の送信機をデータ信号の受信機に通信可能に結合する少なくとも1つの伝送媒体として構成される。開示されたステップを実行するための複数の制御コマンドをもたらす複数の半導体モジュールを提供することも可能である。本発明は、従来の複数の送信機を使用して実行され得るが、本発明は、相互に通信可能に結合された送信機および本発明による装置を含むシステムを同様に対象とする。
【0034】
図2は、図1の右側の伝送チャネルに供給され、つまり、図2の左側の伝送チャネルまたは伝送媒体を使用して伝送され、続いて受信されるデータストリームを受信する受信機を示す。本発明によれば、受信機は、受信機側でサンプリング時間を決定する装置の機能を提供するように構成された構成要素を有する。これに関連して、機能は図示された複数のユニットのうちの1つに実装されるか、または別個の構成要素として提供されてもよい。
【0035】
図1および図2から分かるように、送信機および受信機は、複数のデータストリームをそれぞれ互いに送信することができる。このことは、同時に、または時間オフセットで行われてもよい。したがって、本発明によれば、図1による送信機および図2による送信機は、複数の役割を切り替えることができ、つまり、特に図1に従って配置される本発明に従って具体化された受信機側で複数の役割を切り替えることができる。したがって、本発明の一態様によれば、データを交換する少なくとも1つの送信機および少なくとも1つの受信機を単に提供することが可能である。これにより、所望の数の送信機および受信機が、通信可能に接続され得る。
【0036】
図3は、連続データ信号のプログレッションを示し、連続時間はX軸上にプロットされ、連続データ信号の信号強度はY軸上にプロットされる。これに関連して、曲線K2は、補正変調なしに送信されるデータ信号の信号プログレッションを示す。この欠点は、ビット値を正確に符号化する選択肢がないことである。この場合、ビット構成「010」を含むビットシーケンスが伝送される場合、K2は、複数の勾配(flank)が単に上昇および下降するだけであるため、複数のビットの符号化が不都合にマッピングされるので、不正確な符号化をもたらす。したがって、曲線K3は、データ信号に変調され、例えばフィルタ係数C0およびC2によって、勾配の「1」から「0」への急峻な上昇および勾配の「1」から「0」への急峻な降下をもたらす。K2に変調された曲線K3は、K1の有利な曲線のプログレッションをもたらす。これには急峻な勾配と最大値があり、下位のビット値が明確に符号化される。したがって、本発明によれば、有利な変調が完全に活用されないので、連続データ信号も最大で正確に読み出されることが提供される。連続データストリームは、それぞれの場合に適切なポイントで読み出されるかまたは測定されるため、シリアルデータストリーム、すなわち連続ビットデータストリームは、誤りのない方法で検出される。
【0037】
個々のビットの境界内で、言い換えればビット幅BBの間に、連続データ信号DSを有利に変調する複数のフィルタ係数が適用され得る。また、このタイプの複数のフィルタ係数は、プレカーソル(precursor)またはポストカーソル(postcursor)と呼称され得る。例えば、C0はプレカーソルと呼称され、C3はポストカーソルと呼称されてもよい。したがって、実行されるサンプリングの前の少なくとも1つのフィルタ係数C0および実行されるサンプリングの後の少なくとも1つのフィルタ係数C2および/またはC3が測定され、これらがそれぞれサンプリング時間の決定に考慮される。連続データ信号DSがどのように変調されるかに依存して、少なくとも1つのフィルタ係数は、実行されるサンプリングの前または後にのみ測定されてもよい。したがって、フィルタ係数C0の値またはフィルタ係数C2の値のみが考慮されてもよい。また、複数のフィルタ係数を選択し、それらを測定し、サンプリング時間の選択を考慮するさらなる態様にしたがって、追加の複数の選択肢がある。
【0038】
プレカーソルは、サンプリングされるビットの前のビットに影響を与えるフィルタ係数であり、それに対応して、ポストカーソルは、サンプリングされるビットの後のビットに影響を与えるフィルタ係数である。例として、図3は、C0としてプレカーソルを示し、C2およびC3は、ポストカーソルを示し、C1は、サンプリングされるビットのフィルタ係数を表す。
【0039】
図4は、連続データ信号DSのサンプリング時間Tの決定と、シリアルビットデータストリームのビット幅BB内のビット値の検出を示す。この図4は、勾配の簡略化された表現を有する連続データ信号DSのプログレッションを概略的に示している。典型的には、信号強度の振幅の最大値がビット幅の時間的中心に位置すると想定されるので、連続データ信号DSは、ビット幅の時間的中心において読み出される。しかしながら、これはいくつかの適用状況では当てはまらず、曲線の正確なプログレッションは予め設定された複数のフィルタ係数に依存するので、実際の振幅の最大値になるように実行されるサンプリングの時間を採用することが特に有利である。
【0040】
従って、図4は、サンプリング時間Tの決定を示すだけでなく、実行されるべきサンプリングのサンプリング点のシフトも暗示的に示す。これにより、特に有利には、所定のサンプリング時間は、振幅の最大値になるように変更され得る。つまり、このようにして決定されたサンプリング時間Tは、追加のサンプリング時間に関連して決定され得る。本発明によれば、サンプリング時間Tをビット幅またはビット幅の境界に応じて決定してもよい。したがって、この方法では、各個別ビットは、ビット境界を越えたと判定された後に固定され予め設定された値で読み出すことができるため、サンプリング時間Tをビット幅の境界からの相対的な時間的距離として定義することが有利である。
【0041】
図4に示されるサンプリングの時間Tは、前方または後方のいずれかに時間シフトされてもよく、これは双方向矢印によって示される。典型的には、サンプリング時間Tはビット境界上になく、むしろそれぞれの場合に関連するビット幅内に時間的に配置される。図示されている連続データ信号DSは、伝送媒体上で測定され、代替的にまたは追加的に、受信機のユニットにおいて直接的に測定または決定されてもよい。これに関連して、例えばエラー訂正を実行するか、または信号を増幅または調整する追加のユニットが上流または下流で接続されてもよい。
【0042】
図5は、さらなる追加のデータ信号を重ね合わせることができる連続データ信号DSのさらなるプログレッションを示す。これに関連して、課題のデータ信号は受信機側で検出され、対応してさらに処理される。連続データ信号DSは、対応する複数の信号強度によってシリアルビットデータストリームを符号化する。
【0043】
連続データ信号DSの受信品質は、アイダイアグラムまたはアイ開口(eye opening)を用いて決定され得る。この目的のために、電気信号のプログレッションは、「0」と「1」との間で生じる信号遷移の合計が存在するように重ね合わされ、それによって、デジタルデータ伝送の信号品質は、同じ連続データ信号DSを受信する複数回の試みにおいて発生する偏差(deviation)を用いて評価される。
【0044】
本発明の一態様によれば、垂直および/または水平のアイ開口が決定され、受信品質に関して結果を生成することができる。このように、伝送媒体のパラメータの選択を測定することができるため、プレディストーションモジュール(pre-distortion module)を搭載することで、受信品質を向上させることができる。同様に、連続データ信号DSの期待される振幅に関する結果を生成することができ、これらを好適なサンプリング時間Tを決定する際に考慮することができる。
【0045】
典型的には、測定はアイ(eye)の時間的中心において実行される。しかしながら、このことは不利であり、マージンをほとんどまたはまったく提供しない。このことは、連続的で迅速な再調整が必要であることを意味する。しかし、複数の送信機が受信機に信号を送る分散型システムでは、少なくともレイテンシ(latency)および帯域幅に関して不利である。したがって、アイ開口は、アイの前部または後部の3分の1でを測定され、したがって、アイの品質に関するより良い予測が得られて、より良いマージンでプレ歪み値(pre-distortion values)を計算することができ、その結果、低い頻度の調整となる。
【0046】
図6は、連続データ信号DSのサンプリング時間Tを受信側で判定し、シリアルビットデータストリームのビット幅BB内のビット値を検出する方法を示す。第1の方法ステップ100において、データ信号補償デバイスによって送信される連続データ信号を変調するために設けられた連続データストリームの少なくとも1つのフィルタ係数が測定される。これらの1つまたは複数のフィルタ係数が既知である場合、さらなる任意の方法ステップにおいて、サンプリング時間Tがどのような方法によって決定されるかを特定するサンプリング時間メトリック(sampling time metric)が読み出される。本発明の一態様によれば、サンプリング時間Tが、測定された複数のフィルタ係数の信号強度の合計に応じて決定されることが有利であり得る。これに関連して、当業者は、複数のフィルタ係数の合計を考慮する従来の方法を知っている。しかし、本発明によれば、サンプリング時間メトリックは、サンプリング時間が、測定された複数のフィルタ係数の信号強度の和の最小値に位置することを提供することが特に有利である。このことから、サンプリングの時間Tがどのように選択されるべきかを複数のフィルタ係数に応じて計算され得る。
【0047】
したがって、本発明の一態様によれば、複数のフィルタ係数の測定されるかまたは少なくとも決定された信号強度が分かるとすぐに、連続データ信号DSのサンプリング時間を決定することが可能である。結果として、例えば、予想される複数の信号強度を揮発性またはその他のデータメモリから読み出して、サンプリング時間を計算することが可能である。したがって、フィルタ係数が任意に読み出され、その後、方法ステップ101において、サンプリング時間Tは、送信される連続データ信号DSの振幅がこのサンプリング時間Tにおいて最大となるように、少なくとも1つの測定された、提供された、読み出しまたは送信されたフィルタ係数および提供されたサンプリング時間メトリックに応じて決定される。しかしながら、この場合、最大値は、方法が少なくとも最大値の好適な時間的近傍(temporal vicinity)に少なくとも基づくように、厳密に時間的に制限される。
【0048】
なお、さらなる態様によれば、方法は、サンプリング時間Tの決定だけではなく、連続データ信号DSの実際の測定またはサンプリングを対象とする。従って、さらなる方法ステップ102において、連続データ信号DSがサンプリングされる。これに関連して、当業者は、このタイプの連続データ信号DSをどのようにサンプリングするかまたは読み出すかを認識している。さらに任意の方法ステップは、測定結果の評価および測定結果の読み出しを含む。したがって、本発明によれば、シリアルビットデータストリームで送信される各ビットのビット構成が高い信頼性で確立され得る。
【0049】
図7は、連続データ信号DSのサンプリング時間Tを受信側で判定し、シリアルビットデータストリームのビット幅BB内のビット値を検出する装置Vを示す。本発明による装置Vは、送信器を備え、伝送媒体を介したデータ通信のために具体化された対応するシステムの一部であってもよい。
【0050】
装置Vは、データ信号補償デバイスを介して送信される連続データ信号DSを変調するために設けられた少なくとも1つのフィルタ係数を測定するように構成された測定ユニットMEを備える。
【0051】
本発明による装置Vは、さらに、送信される連続データ信号の振幅がこのサンプリング時間において最大となるように、少なくとも1つの測定されたフィルタ係数および提供されたサンプリング時間メトリックに応じてサンプリング時間Tを決定する(101)サンプリング時間ユニットAEをさらに備える。この目的のために、装置Vは、メトリックMを記憶し、そのメトリックMをインタフェースを介して利用可能にするデータメモリに通信可能に接続され得る。さらに、センサユニットSEは装置Vに関連付けられ、決定されたサンプリング時間Tにおいて連続データ信号DSをサンプリングし、信号強度を評価ユニットに送信し、評価ユニットは、信号強度および供給された閾値を用いて、測定値によって「a 0」または「a 1」を符号化するかどうかを決定する。さらに、さらなるパラメータが考慮されるようにサンプリング時間メトリックを適用させることが可能である。
【0052】
さらに、提案された方法を実行させる複数の制御コマンドを提供するさらなるデータメモリが設けられてもよい。上述の複数の態様のうちの1つに従った方法を実行させるこのタイプのコンピュータプログラムは、複数の制御コマンド、機械指向の複数のコマンド(machine-orientated commands)または回路図の形態であってもよく、または既に実装された回路の形態でハードワイヤードで提供されていてもよい。さらに、方法を実行する前にデータインターフェースを用いてコンピュータプログラムを提供すること、またはランタイムに関連する個々の制御コマンドを提供することが可能である。
【0053】
したがって、連続データ信号を使用して送信される複数のビット値の誤りのない検出のための方法、装置、およびシステムが提案される。データ信号をサンプリングするための最適な時間に関して結果を生成し、ビット値を明確に検出することを可能にする特に有利なメトリックは、本発明の一態様である。これに関連して、当業者は、個々の方法ステップが反復的におよび/または異なる順序で実行できることを認識している。さらに、付随する複数の方法ステップおよび複数の制御ユニットが一般的に設けられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7