特許第6669904号(P6669904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6669904
(24)【登録日】2020年3月2日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】サンルーフ装置
(51)【国際特許分類】
   B60J 7/043 20060101AFI20200309BHJP
   B60J 7/00 20060101ALI20200309BHJP
   B60J 7/22 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
   B60J7/043
   B60J7/00 C
   B60J7/22
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-7660(P2019-7660)
(22)【出願日】2019年1月21日
(65)【公開番号】特開2020-6933(P2020-6933A)
(43)【公開日】2020年1月16日
【審査請求日】2019年1月21日
(31)【優先権主張番号】201821086139.2
(32)【優先日】2018年7月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517337161
【氏名又は名称】アイシン ウーシー ボディ パーツ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AISIN WUXI BODY PARTS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】沢田 和希
【審査官】 宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−290718(JP,A)
【文献】 特開平02−169324(JP,A)
【文献】 実開昭63−048622(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0073942(US,A1)
【文献】 実開平05−016434(JP,U)
【文献】 特開平10−297284(JP,A)
【文献】 実開昭62−185623(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 7/02−7/057
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンルーフ装置であって、
ルーフ開口の車両幅方向にて対向する両側縁部に、車両前後方向に沿って設置される一対のレール部材と、
前記サンルーフ装置の全開状態において、ルーフの下方に位置する可動パネルと、
該一対のレール部材に沿って移動可能であり、前記可動パネルを前記ルーフ開口を開閉できるように支持する機能部材と
車両幅方向に沿って延伸するデフレクタ本体と、車両前後方向に沿って延伸するデフレクタアームとを有するデフレクタと、を備え、
前記レール部材毎に、前記機能部材を収納し、前記ルーフ開口よりも車両幅方向における外側に位置する機能部材収納部と、前記デフレクタアームが設置される排水部と、を備え
前記レール部材毎において、前記機能部材収納部は、前記排水部よりも車両幅方向における外側に位置することを特徴とするサンルーフ装置。
【請求項2】
前記可動パネルの下方に設置され、前記一対のレール部材に沿って移動可能なシェードをさらに備え、
前記レール部材毎に、前記シェードを前記レール部材に沿って移動するようにガイドし、その下表面が前記機能部材収納部の下表面より高いように配置されるシェード保持部を備えることを特徴とする請求項1に記載のサンルーフ装置。
【請求項3】
前記機能部材は、一対の前記レール部材に沿ってスライドする一対のシューであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサンルーフ装置。
【請求項4】
前記一対のシューは、前記可動パネルに固定されるパネル補強部と連結されることを特徴とする請求項に記載のサンルーフ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンルーフ装置に関する。特に車両用サンルーフ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、車両ルーフに形成された略四角形の開口の車両幅方向にて対向する両側縁部に一対のガイドレールが設けられ、機能部材が該一対のガイドレールに沿って移動することにより、可動パネルを該開口を開閉できるように支持するサンルーフ装置が知られている。機能部材は、例えば、可動パネルを支持して前後方向に移動させるシュー、及び可動パネルを支持して傾動させるブラケット等である。
【0003】
例えば、特許文献1にはサンルーフ装置が開示されている。具体的に、特許文献1の図6,7を参照して、該サンルーフ装置は、機能部材としての一対の摺動部材31を用いて、可動パネル12を一対のガイドレール13に沿ってトップカバー10の下方又は逆方向にスライドすることによりトップカバーの開口部10aを開け、又は閉じる、いわゆるインナースライド式サンルーフ装置である。また、該サンルーフ装置では、摺動部材31が可動パネル12の下方に位置する。これにより分かるように、ガイドレール13における摺動部材31を収納する収納部は、トップカバーの開口部10aよりも車両幅方向における内側に位置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2013/176001号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に係るサンルーフ装置には、以下の問題がある。車両幅方向において、ガイドレール13における摺動部材31を収納する収納部は、トップカバーの開口部10a(ルーフの車室外側開口)よりも車両幅方向における内側に位置する。車室内側のサンルーフの視界が一対のガイドレール13によって限定され、車室内側の開口(ルーフの車室内側開口)の縁部は、ガイドレール13の縁部よりも車両幅方向における内側に位置するため、機能部材が可動パネルの下方に設置される時、可動パネルの面積に応じて車室内側開口を設置することができず、即ち、ルーフの車室内側開口の面積はサンルーフのパネルの面積より小さい。その結果、車室内側の開口部の面積が小さいため、車室内のサンルーフの視界が狭くなる。
【0006】
また、従来技術において、外部の水やほこり等が可動パネルとルーフ開口との間の隙間を通して機能部材の設置スペースに侵入しやすく、機能部材の摺動性能が劣化しやすくなるという問題もある。
【0007】
本発明の目的は、車室内のサンルーフの視界を効果的に拡大することができ、かつ水やほこり等が機能部材の設置スペースに侵入することを効果的に防止することができるサンルーフ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明のサンルーフ装置は、ルーフ開口の車両幅方向にて対向する両側縁部に、車両前後方向に沿って設置される一対のレール部材と、前記サンルーフ装置の全開状態において、ルーフの下方に位置する可動パネルと、該一対のレール部材に沿って移動可能であり、前記可動パネルを前記ルーフ開口を開閉できるように支持する機能部材とを備え、前記レール部材毎に、前記機能部材を収納し、前記ルーフ開口よりも車両幅方向における外側に位置する機能部材収納部を備える。
【0009】
上記構成によれば、機能部材収納部がルーフ開口(すなわち、車室外側開口)よりも車両幅方向における外側に位置するため、相応に車室内側開口を拡大して、車室内のサンルーフの視界を効果的に拡大することができる。
【0010】
上記課題を解決するサンルーフ装置は、前記可動パネルの下方に設置され、前記一対のレール部材に沿って移動可能なシェードをさらに備え、前記レール部材毎に、前記シェードを前記レール部材に沿って移動するようにガイドし、その下表面が前記機能部材収納部の下表面より高いように配置されるシェード保持部を備えることが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、車両幅方向における内側に位置するシェード保持部が車両幅方向における外側に位置する機能部材収納部より高い位置に設置されるので、この高さの差によるスペースを利用して車室内の開口を設置することができる。よって、車室内のルーフパネルを比較的高い位置に設置して、車室内の高さを効果的に高めることができる。
【0012】
上記課題を解決するサンルーフ装置は、車両幅方向に沿って延伸するデフレクタ本体と、車両前後方向に沿って延伸するデフレクタアームとを備えるデフレクタをさらに有し、前記レール部材毎は、前記デフレクタアームが設置される排水部を備え、前記レール部材毎において、前記機能部材収納部は、前記排水部よりも車両幅方向における外側に位置することが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、デフレクタが排水部に設置され、排水部が機能部材収納部よりも内側に設置されるので、排水部と機能部材収納部の間の間隔部材により、水やほこり等が機能部材の設置スペースに侵入することを効果的に防止することができる。
【0014】
上記課題を解決するサンルーフ装置において、前記機能部材は、一対の前記レール部材に沿ってスライドする一対のシューであることが好ましい。
上記課題を解決するサンルーフ装置において、前記一対のシューは、前記可動パネルに固定されるパネル補強部と連結されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ルーフに設置されるサンルーフ装置を示す模式的斜視図である。
図2】本実施形態におけるサンルーフ装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1〜2を参照しながら、本実施形態のサンルーフ装置について詳細に説明する。
図1において、「前」方向は、車両の前方に向いている方向を示し、「後」方向は、車両の後方に向いている方向を示し、「左」方向は、車両の前方に向いているときの左側の方向を示し、「右」方向は、車両の前方に向いているときの右側の方向を示し、「前後方向」は、「車両前後方向」に対応し、「左右方向」は、「車両幅方向」に対応する。
【0017】
図2において、紙面の表裏方向は、車両前後方向であり、紙面の左右方向は、車両幅方向であり、紙面の上下方向は、車両上下方向である。
本実施形態におけるサンルーフ装置1は、一対のレール部材10,10、可動パネル3、機能部材4、シェード5、デフレクタ(未図示)を備える。
【0018】
一対のレール部材10,10は、ルーフ開口2の車両幅方向にて対向する両側縁部に、車両前後方向に沿って設置される。ルーフ開口2は、ルーフ20に形成され、車両の車室内側開口90に対向する車室外側開口を構成する。
【0019】
可動パネル3は透明パネルである。本実施形態におけるサンルーフ装置1は、全開状態にあるとき、即ち、可動パネル3の移動によりルーフ開口2が完全に開かれるとき、可動パネル3が、ルーフ20の下方に位置する、いわゆるインナースライド式サンルーフ装置である。可動パネル3の外周縁に、外部の水やほこり等が可動パネル3とルーフ開口2の間の隙間を通して侵入することを防止するように、ルーフ開口2の縁部に当接されてシールするシール部材7(ウェザーストリップ)が設置される。
【0020】
機能部材4は、該一対のレール部材10,10に沿って移動可能であり、可動パネル3をルーフ開口2を開閉できるように支持するように配置される。本実施形態では、機能部材4は、一対のレール部材10,10に沿ってスライドする一対のシュー41,41である。一対のシュー41,41により可動パネル3を車両前後方向に移動させることができる。シュー41と可動パネル3の間にさらにパネル補強部8が設置された。パネル補強部8は、可動パネル3に固定された。一対のシュー41,41は、その移動中に可動パネル3を安定的に支持するようにパネル補強部8と連結される。一対のシュー41,41がパネル補強部8と直接に連結されることにより、部品の点数を減少できる。
【0021】
シェード5は、可動パネル3の下方に設置され、一対のレール部材10,10に沿って移動可能である。シェード5は、日よけ効果を有する板であってもよいし、日よけ効果を有する布であってもよい。
【0022】
デフレクタは、車両幅方向に沿って延伸するデフレクタ本体(未図示)と、車両前後方向に沿って延伸するデフレクタアーム17とを備える。具体的に、デフレクタ本体は、デフレクタアーム17よりも車両前方に設置され、デフレクタアーム17の後端を支点として回動可能である。デフレクタは、サンルーフ装置の開け状態で、車両前方から入る空気を整流するために用いる。デフレクタの設置位置については、後に詳述する。
【0023】
レール部材10毎に、機能部材収納部11、シェード保持部12、排水部15を備える。
レール部材10毎において、機能部材収納部11は、排水部15よりも車両幅方向における外側に位置する。具体的に、片側のレール部材10において、車両幅方向における内側から外側に向けて、順次にシェード保持部12、排水部15、機能部材収納部11が設置されている。
【0024】
機能部材収納部11は、機能部材4を収納し、ルーフ開口2よりも車両幅方向における外側に位置する。すなわち、片側のレール部材10において、機能部材収納部11は、対応する側にあるルーフパネルの車両内側端面に対して、ルーフ開口2の中心C(図1参照)から離れる側に位置する。排水部15と機能部材収納部11の間に形成された仕切り部材としての仕切壁16は、機能部材収納部11の車両内側の端壁を構成する。本実施形態において、仕切壁16は、対応する側にあるルーフパネルの車両内側の端面よりも車両幅方向における外側に位置するように構成される。勿論、本発明はそれに限定されず、機能部材収納部11の殆どの部分が対応する側にあるルーフパネルの車両内側端面の車両幅方向における外側に位置すればよい。より具体的にいうと、機能部材収納部11に収納された機能部材4、例えばシュー41は、対応する側にあるルーフパネルの車両内側の端面の車両幅方向における外側に位置すればよい。
【0025】
溝状に形成された排水部15は、仕切壁16を挟んで機能部材収納部11の車両内側に設置される。上記デフレクタのデフレクタアーム17が該排水部15に設置される。具体的に、車両前方に、一対のレール部材10,10の排水部15の間にデフレクタのデフレクタ本体が設置され、一対のデフレクタアーム17,17は、それぞれ両側のレール部材10の排水部15に設置される。このように、デフレクタからの水が容易に排水部15に流入して外部へ排出できる。
【0026】
シェード保持部12は、例えば車両内側に向けて開口し、且つ車両前後方向に沿って延伸する溝部材である。シェード保持部12は、シェード5をレール部材10に沿って移動するようにガイドし、且つその下表面14が機能部材収納部11の下表面13より高いように配置される。
【0027】
以下、本発明におけるサンルーフ装置1の具体的な効果をさらに説明する。図2における破線は、従来技術のように、サンルーフ装置においてレール部材の機能部材収納部をルーフ開口の車両内側に設置する場合、車室内のルーフパネルの対応位置を示す。図2から明らかなように、本発明の設置によれば、従来技術に比べて、車室内側開口90を、より車両幅方向における外側に近い位置に設置することができるので、車室内側開口90の車両幅方向における寸法を増加して、車室内のサンルーフの視界を拡大することができる。さらに、シェード保持部12の下表面14が機能部材収納部11の下表面13より高いため、この高さの差によるスペースを利用して、上方へ折り曲げる折り曲げ部を有する車室内側開口90を設置することができる。これにより、車室内のルーフパネルをよりレール部材10の下方に近いように配置できるので、車室内の高さ空間を効果的に向上できる。図2におけるAは、本実施形態の車室内のルーフパネルの、従来技術に比べて車室内の高さと車室内開口の大きさに関する改善代を示す。本実施形態に係るサンルーフ装置1によれば、車室内の高さ空間と車室内のサンルーフの視界を効果的に向上できる。
【0028】
以上、本発明の好適実施形態について説明したが、本発明はそれに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内に、様々な変形が可能である。
例えば、上記実施形態において、機能部材としてシューを用いるが、本発明はそれに限定されず、レール部材に収納して、レール部材に沿って移動可能であり、可動パネルを支持できる部材であれば、機能部材の範囲に含まれる。
【0029】
上記実施形態において、可動パネルが車両後方へスライドしてルーフ開口を開ける構造について説明したが、本発明はそれに限定されず、可動パネルが車両前方へスライドしてルーフ開口を開ける構造としてもよい。
【0030】
上記実施形態において、サンルーフ装置にはシェードを備える構造について説明したが、本発明はそれに限定されず、シェードを設置しなくてもよい。
上記実施形態において、サンルーフ装置には可動パネルのみを備える構造について説明したが、本発明はそれらに限定されず、ルーフに透明な固定パネルが設置され、全開状態で、可動パネルは固定パネルの下方に位置する構造であってもよい。
【0031】
以上、具体例を参照しながら、本実施形態について説明した。しかしながら、本発明は該具体例に限定されない。当業者が該具体例の設計を適切に変更して得られた設計は、本発明の特徴を具備する限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0032】
1 サンルーフ装置
10 レール部材
11 機能部材収納部
12 シェード保持部
15 排水部
16 仕切壁
17 デフレクタアーム
2 ルーフ開口
20 ルーフ
3 可動パネル
4 機能部材
41 シュー
5 シェード
7 シール部材
8 パネル補強部
90 車室内側開口
図1
図2