(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、腕時計展示具における一実施形態について、
図1〜
図9を参照しながら説明する。なお、各図(
図10〜
図13も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0013】
図1〜
図3に示すように、腕時計展示具1は、腕時計Xを保持した状態で所定の平面Vの上に置かれることで、腕時計Xを展示するために使用される。例えば、腕時計展示具1は、ショーケースの中に複数並べられ、腕時計Xを陳列するために使用される。
【0014】
腕時計展示具1は、平面Vの上に置かれるベース部2と、ベース部2よりも上方に配置され、腕時計Xを保持する保持部3と、ベース部2と保持部3との間に配置され、ベース部2と保持部3とを接続する接続部4とを備えている。また、腕時計展示具1は、ベース部2との間で時計付属品Yを挟むために、ベース部2と接続部4との間に配置される挟み部5を備えている。
【0015】
本実施形態においては、腕時計展示具1の各部2〜5は、分離不能に一体となるように形成されている。なお、腕時計展示具1の各部2〜5は、互いに着脱可能に形成されていてもよく、例えば、保持部3は、接続部4に対して着脱可能に形成されていてもよい。
【0016】
また、本実施形態においては、腕時計展示具1は、一つの材質で形成されている。例えば、腕時計展示具1は、硬質樹脂や金属で形成されることが好ましい。なお、腕時計展示具1は、各部2〜5ごとに(例えば、保持部3とその他部2,4〜5とで)、異なる材質で形成されていてもよい。
【0017】
なお、各図、及び、以下の説明において、各方向D1〜D3は、腕時計展示具1が平面Vの上に置かれている状態を基準として、定められている。第1方向D1は、前後方向D1ともいい、第1方向D1のうち、図における矢印方向は、前方とし、図における矢印方向と反対方向は、後方とする。第1方向D1と直交する第2方向D2は、横方向(左右方向)D2といい、第2方向D2のうち、図における矢印方向を左方とし、図における矢印方向と反対方向を右方とする。
【0018】
第1方向D1及び第2方向D2とそれぞれ直交する第3方向D3は、上下方向D3といい、第3方向D3のうち、図における矢印方向は、上方とし、図における矢印方向と反対方向は、下方とする。なお、前後、左右、及び上下については、説明の便宜上で用いるためであって、腕時計展示具1が平面Vの上に置かれていない状態(例えば、腕時計展示具1が手に持たれている状態)において、前後が反対になったり、左右が反対になったり、そして、上下が反対になったりしてもよいことは勿論である。
【0019】
ベース部2は、平板状に形成されている。そして、ベース部2は、前後方向D1に沿って延びている。具体的には、ベース部2の前後方向D1の寸法は、ベース部2の横方向D2の寸法よりも、大きくなっている。なお、ベース部2は、斯かる構成に限られない。要するに、ベース部2は、平面Vの上に置かれることが可能な下面を有し、挟み部5との間に時計付属品Yを挟めることが可能な上面を有している構成であれば、特に限定されない。
【0020】
保持部3は、腕時計Xに巻き付けられるために、環状に形成されている。なお、保持部3は、斯かる構成に限られない。例えば、保持部3は、腕時計Xを引っ掛けるために、鉤状に形成されていてもよい。要するに、保持部3は、腕時計Xを保持可能な構成であれば、特に限定されない。
【0021】
接続部4は、保持部3を支持する支持部6と、保持部3に連結される保持連結部7と、挟み部5に連結される挟み連結部8とを備えている。そして、支持部6は、ベース部2から上方へ延びる立上部6aと、立上部6aから後方へ湾曲して延びる湾曲部6bと、立上部6aと支持部6bとを連結する屈曲部6cとを備えている。
【0022】
立上部6aは、板状に形成されている。そして、立上部6aは、ベース部2から傾斜するように、延びている。具体的には、立上部6aは、上方に行くにつれて後方へ向かうように、延びている。また、立上部6aは、上方に向けて凸状となるように、緩やかに湾曲している。なお、立上部6aは、凹部1aに挿入されたカード状の表示体(商品情報表示体、広告表示体)Zを支持できる。
【0023】
湾曲部6bは、板状に形成されている。そして、湾曲部6bは、下方に向けて凸状となるように、湾曲して形成されている。具体的には、湾曲部6bは、環状の保持部3に沿うように、湾曲して配置されている。これにより、湾曲部6bは、横方向D2視において、下方に凹むように、形成されている。即ち、湾曲部6bの前後方向D1の中央部は、湾曲部6bの前端部及び後端部よりも、下方に位置している。
【0024】
保持連結部7は、湾曲部6bに連結されている。具体的には、保持連結部7は、湾曲部6bの右端部(横方向D2の一端部)に連結されている。そして、湾曲部6bが下方に凹むように形成されているため、保持部3を下方に位置させることができる。これにより、腕時計展示具1の上下方向D3の寸法を小さくすることができる。
【0025】
挟み連結部8は、湾曲部6bに連結されている。具体的には、挟み連結部8は、湾曲部6bの後端部に連結されている。したがって、挟み連結部8は、接続部4の後端部に配置されている。そして、挟み連結部8は、円弧状に屈曲した板状に形成されている。本実施形態においては、挟み連結部8は、横方向D2視において、真円の一部である円弧に形成されている。なお、挟み連結部8は、横方向D2視において、楕円の一部である円弧に形成されていてもよい。
【0026】
挟み部5は、平板状に形成される。具体的には、挟み部5は、下方に向けて凸状となるように、緩やかに湾曲している。そして、挟み部5は、弾性復元力によってベース部2との間で時計付属品Yを挟むために、弾性を有している。即ち、挟み連結部8及び挟み部5は、円弧と直線部とを有する薄板バネ構造である。
【0027】
挟み部5の幅(横方向D2の寸法)は、後方(基端)から前方(先端)に向けて、狭くなっている。具体的には、挟み部5は、後方に、幅が広い幅広部5aを備え、前方に、幅が狭い幅狭部5bを備え、幅広部5aと幅狭部5bとの間に、幅が後方から前方に向けて狭くなる幅変化部5cを備えている。これにより、挟み部5は、前方ほど、弾性変形し易くなっている。
【0028】
ところで、接続部4は、弾性を有する弾性部4aを備えている。本実施形態においては、弾性部4aは、支持部6の一部、具体的には、立上部6a及び屈曲部6cで構成されている。なお、立上部6aの厚みは、挟み部5の厚みよりも、厚くなっている。これにより、挟み部5は、接続部4の弾性部4aよりも、弾性変形し易くなっている。
【0029】
また、
図4に示すように、湾曲部6bの下端位置6dとベース部2との距離W1と、挟み部5の厚みW2とに基づいて、保持可能な時計付属品Yの上下方向D3の最大寸法が決まる。具体的には、保持可能な時計付属品Yの最大寸法は、湾曲部6bの下端位置6dとベース部2との距離W1から、挟み部5の厚みW2を差し引いた寸法(W1−W2)である。
【0030】
そこで、挟み連結部8の下端位置8aは、湾曲部6bの下端位置6dよりも、上方に配置されている。これにより、挟み連結部8の下端位置8aとベース部2との距離W3は、保持可能な時計付属品Yの最大寸法(W1−W2)よりも大きくなる。したがって、保持可能な時計付属品Yは、挟み連結部8の下端位置8aとベース部2との間を通過できる。
【0031】
なお、挟み連結部8の下端位置8aは、挟み部5と挟み連結部8との境界位置であり、弾性変形する部分としない部分との境界位置である。本実施形態においては、挟み連結部8の下端位置8aは、横方向D2視において、挟み連結部8の外縁が仮想円8bと一致する部分の、下端位置8aである。また、挟み部5が復元している(弾性変形していない)状態において、挟み部5とベース部2との距離W4は、後方から前方に向けて、小さくなっている。
【0032】
また、
図5に示すように、ベース部2は、横方向D2の中央部が上方向に向けて凸状となるように、形成されている。即ち、ベース部2の厚み(上下方向D3の寸法)は、横方向D2の端部から中央に向けて、厚くなっている。
【0033】
本実施形態に係る腕時計展示具1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る腕時計展示具1が時計付属品Yを保持する方法を
図6〜
図9を参照しながら説明する。
【0034】
図6に示すように、時計付属品Yは、挟み部5とベース部2との間を後方から前方に向けて移動される。なお、
図6(
図7も同様)の時計付属品Yの上下方向D3の寸法W5は、保持可能な時計付属品Yの最大寸法(W1−W2)である。そして、挟み連結部8の下端位置8aが十分に上方に配置されているため、時計付属品Yは、挟み連結部8とベース部2との間を通過できる。
【0035】
その後、時計付属品Yが移動することに伴って、挟み部5は、弾性変形する。これにより、時計付属品Yは、挟み部5及びベース部2に案内される。そして、
図7に示すように、時計付属品Yが所望の位置に位置した際に、挟み部5は、時計付属品Yの形状に対応して弾性変形している。これにより、時計付属品Yは、挟み部5の弾性復元力によって、挟み部5とベース部2との間に保持される。このとき、挟み部5は、湾曲部6bの下端位置6dに接している。
【0036】
また、腕時計Xの重量は、接続部4の弾性部4aを経由して、挟み部5に、下方への力として加えられている。これにより、挟み部5とベース部2との間で時計付属品Yを挟む力が大きくなる。なお、弾性部4aは、弾性変形していない(又は、僅かに弾性変形している)。
【0037】
また、
図8及び
図9に示すように、挟み部5は、時計付属品Yの形状に対応して、弾性変形している。このように、腕時計展示具1は、さまざまな形状の時計付属品Yを保持することができる。しかも、挟み部5が時計付属品Yの形状に対応して弾性変形しているため、保持部3や支持部4の位置(高さ)は、変わることなく、一定である。これにより、複数の腕時計Xが腕時計提示具1に保持されて展示される際に、時計付属品Yの形状が異なっていても、複数の腕時計Xの位置や表示体Zの傾斜角度等を揃えることができる。
【0038】
また、
図8及び
図9に示すように、ベース部2の横方向D2の中央部が、上方向に向けて凸状となっているため、時計付属品Yも、上方向に向けて凸状となるように、湾曲している。これにより、時計付属品Yが横方向D2に位置ずれすることを抑制することができる。
【0039】
以上より、本実施形態に係る腕時計展示具1は、ベース部2と、前記ベース部2よりも上方に配置され、腕時計Xを保持する保持部3と、前記ベース部2と前記保持部3との間に配置され、前記ベース部2と前記保持部3とを接続する接続部4と、前記接続部4又は前記ベース部2(本実施形態においては、接続部4)に連結され、弾性復元力によって前記ベース部2との間で時計付属品Yを挟むために弾性を有する挟み部5と、を備える。
【0040】
斯かる構成によれば、挟み部5は、弾性を有しており、また、挟み部5は、接続部4又はベース部2に連結されている。そして、挟み部5が、時計付属品Yの形状に対応して弾性変形しているため、時計付属品Yは、挟み部5の弾性復元力によって、挟み部5とベース部2との間に挟まれる。これにより、さまざまな形状の時計付属品Yを保持することができる。
【0041】
また、本実施形態に係る腕時計展示具1においては、前記接続部4は、前記挟み部5に連結される挟み連結部8を、後端部に備え、前記挟み部5は、平板状に形成される、という構成である。
【0042】
斯かる構成によれば、挟み部5は、接続部4の後端部から前方に向けて延びるように、平板状に形成されている。これにより、時計付属品Yは、挟み部5とベース部2との間を後方から前方に向けて移動する際に、挟み部5及びベース部2に案内される。これに伴って、挟み部5が弾性変形し、時計付属品Yは、挟み部5とベース部2との間に挟まれて、保持される。したがって、例えば、挟み部5とベース部2との間に時計付属品Yを保持させる作業を容易にすることができる。
【0043】
また、本実施形態に係る腕時計展示具1においては、前記接続部4は、前記保持部3を支持する支持部6と、前記保持部3に連結される保持連結部7と、を備え、前記支持部6は、下方に向けて凸状となるように湾曲する板状の湾曲部6bを備え、前記保持連結部7は、前記湾曲部6bに連結され、前記挟み連結部8は、円弧状に屈曲した板状に形成され、前記挟み連結部8の下端位置8aは、前記湾曲部6bの下端位置6dよりも、上方に配置される、という構成である。
【0044】
斯かる構成によれば、湾曲部6bは、板状に形成されており、下方に向けて凸状となるように湾曲している。そして、保持連結部7が湾曲部6bに連結されているため、保持部3を下方に位置させることができる。これにより、腕時計展示具1の上下方向D3の寸法を小さくすることができる。
【0045】
一方で、挟み連結部8は、円弧状に屈曲した板状に形成されている。さらに、挟み連結部8の下端位置8aは、湾曲部6bの下端位置6dよりも、上方に配置されている。これにより、時計付属品Yの上下方向D3の寸法が大きい場合でも、時計付属品Yが挟み連結部8とベース部2との間を通過でき、その後、時計付属品Yを挟み部5とベース部2との間に挟んで保持することができる。
【0046】
また、本実施形態に係る腕時計展示具1においては、前記接続部4は、前記腕時計Xの重量によって前記挟み部5に下方への力を加えるために、弾性を有する弾性部4aを備える、という構成である。
【0047】
斯かる構成によれば、腕時計Xの重量は、弾性部4aを経由して、挟み部5に、下方への力として加えられる。これにより、挟み部5とベース部2との間で時計付属品Yを挟む力が大きくなるため、挟み部5とベース部2との間で時計付属品Yを確実に保持することができる。
【0048】
また、本実施形態に係る腕時計展示具1においては、前記ベース部2は、横方向D2の中央部が上方向に向けて凸状となるように、形成される、という構成である。
【0049】
斯かる構成によれば、ベース部2の横方向D2の中央部が、上方向に向けて凸状となっているため、時計付属品Yは、挟み部5とベース部2との間に挟まれた状態において、横方向D2に位置ずれし難い。これにより、時計付属品Yを挟み部5とベース部2との間で、時計付属品Yを確実に保持することができる。
【0050】
なお、腕時計展示具1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、腕時計展示具1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0051】
(1)上記実施形態に係る腕時計展示具1においては、支持部6は、下方に向けて凸状となるように湾曲する板状の湾曲部6bを備える、という構成である。しかしながら、腕時計展示具1は、斯かる構成に限られない。例えば、
図10に示すように、支持部6は、平板状の平板部6eを備える、という構成でもよい。また、例えば、
図11に示すように、支持部6は、上方に向けて凸状となるように湾曲する板状の湾曲部6fを備える、という構成でもよい。
【0052】
(2)また、上記実施形態に係る腕時計展示具1においては、挟み連結部8は、円弧状に屈曲した板状に形成されている、という構成である。しかしながら、腕時計展示具1は、斯かる構成に限られない。例えば、
図11に示すように、挟み連結部8は、鋭角に屈折した板状に形成されている、という構成でもよい。
【0053】
(3)また、上記実施形態に係る腕時計展示具1においては、挟み連結部8は、接続部4の後端部に配置されている、即ち、湾曲部6bの後端部に連結されている、という構成である。しかしながら、腕時計展示具1は、斯かる構成に限られない。例えば、
図12に示すように、挟み連結部8は、接続部4の前後方向D1における中途部に配置されている、即ち、湾曲部6bの前後方向D1の中途部に連結されている、という構成でもよい。
【0054】
(4)また、上記実施形態に係る腕時計展示具1においては、挟み部5は、接続部4に連結されている、という構成である。しかしながら、腕時計展示具1は、斯かる構成に限られない。例えば、
図13に示すように、挟み部5は、ベース部2に連結されている、という構成でもよい。
【0055】
(5)また、上記実施形態に係る腕時計展示具1においては、挟み連結部8の下端位置8aは、湾曲部6bの下端位置6dよりも、上方に配置されている、という構成である。しかしながら、腕時計展示具1は、斯かる構成が好ましいものの、斯かる構成に限られない。例えば、挟み連結部8の下端位置8aは、湾曲部6bの下端位置6dよりも、下方に配置されている、という構成でもよい。
【0056】
(6)また、上記実施形態に係る腕時計展示具1においては、接続部4は、腕時計Xの重量によって挟み部5に下方への力を加えるために、弾性部4aを備えている、という構成である。しかしながら、腕時計展示具1は、斯かる構成が好ましいものの、斯かる構成に限られない。例えば、接続部4は、腕時計Xの重量を挟み部5に伝達することを抑制するために、全体的に剛性を有している、という構成でもよい。
【0057】
(7)また、上記実施形態に係る腕時計展示具1においては、ベース部2は、横方向D2の中央部が上方向に向けて凸状となるように、形成されている、という構成である。しかしながら、腕時計展示具1は、斯かる構成が好ましいものの、斯かる構成に限られない。例えば、ベース部2は、上面が平坦となるように、形成されている、という構成でもよい。また、例えば、ベース部2は、横方向D2の上面の中央部が凹むように、形成されている、という構成でもよい。