特許第6669975号(P6669975)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6669975
(24)【登録日】2020年3月3日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20200309BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
   G06F1/20 C
   G06F1/20 B
   H05K7/20 G
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-140077(P2017-140077)
(22)【出願日】2017年7月19日
(65)【公開番号】特開2019-21117(P2019-21117A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2019年3月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古田 則道
(72)【発明者】
【氏名】立川 忠則
【審査官】 白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−263162(JP,A)
【文献】 特開平08−148868(JP,A)
【文献】 特開2015−053330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に設けられ、前記筐体内を流れる空気を前記筐体の外部に排気する開口部と、
前記筐体の底面に設けられ、一端側の第一の部位が前記空気の流れの一部を遮るように前記開口部から前記筐体の内部に挿入されて前記空気の流れの一部を他端側に誘導し、他端側の第二の部位が前記第一の部位によって誘導されて前記開口部から排出される空気を前記筐体の前記底面に沿って流すガイド部と、
を備え、
前記筐体内における空気が流れる方向と、前記開口部からの排気が流れる方向とが異なる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記筐体の前記底面に設けられた凸部を備え、
前記筐体の前記底面からの前記凸部の高さが、前記筐体の前記底面からの前記ガイド部の高さよりも高い、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記筐体は、第1端部と、前記第1端部の反対側の第2端部とを有し、
前記ガイド部は、前記開口部からの排気を、前記第1端部側から前記第2端部側に向かって前記筐体の前記底面に沿って流すことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ガイド部は、前記開口部を開閉可能に設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ガイド部は、前記筐体に取り外し可能に設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ガイド部は、前記筐体と一体であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
Personal Computer(PC)内に設けられたCentral Processing Unit(CPU)の熱を、ヒートパイプを介してCPUから放熱フィンに伝え、放熱フィンに対して送風することで、CPUの放熱が行われている。PCの内部には、CPUの他にも、基板やメモリ、或いはHard Disk Drive(HDD)等の多岐の発熱体が設けられている。CPU以外の発熱
体の発熱量は、CPUの発熱量に比べて小さい。CPU以外の発熱体の熱を、ヒートパイプを使って放熱フィンまで伝えて放熱するよりも、CPU以外の発熱体の近傍の筐体から放熱させるほうが高効率である。そのため、CPU以外の発熱体の熱を筐体に伝えて、自然放冷する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−152536号公報
【特許文献2】特開2003−280101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
筐体から放熱させる場合、筐体自体が熱くなる。筐体内に熱の拡散シートを設けて、筐体の熱を拡散させることにより筐体の温度を下げることが行われている。しかし、近年、ノート型(ラップトップ型)PCの薄型化が進み、筐体内に熱の拡散シートを設けるスペースがなくなってきており、筐体の温度を下げることが困難になっている。本願は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、筐体の熱を冷却することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の一観点によれば、筐体と、前記筐体に設けられ、前記筐体内を流れる空気を前記筐体の外部に排気する開口部と、前記筐体の底面に設けられ、一端側の第一の部位が前記空気の流れの一部を遮るように前記開口部から前記筐体の内部に挿入されて前記空気の流れの一部を他端側に誘導し、他端側の第二の部位が前記第一の部位によって誘導されて前記開口部から排出される空気を前記筐体の前記底面に沿って流すガイド部と、を備え、前記筐体内における空気が流れる方向と、前記開口部からの排気が流れる方向とが異なる、情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本願によれば、筐体の熱を冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係る情報処理装置の斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る情報処理装置の斜視図である。
図3図3は、第1実施形態に係る情報処理装置の斜視図である。
図4図4は、第1実施形態に係る情報処理装置の断面図である。
図5図5は、第1実施形態に係る情報処理装置の断面図である。
図6図6は、第2実施形態に係る情報処理装置の斜視図である。
図7図7は、第2実施形態に係る情報処理装置の底面図である。
図8図8は、第3実施形態に係る情報処理装置の断面図である。
図9図9は、第3実施形態に係る情報処理装置の断面図である。
図10図10は、第4実施形態に係る情報処理装置の断面図である。
図11図11は、参考例に係る情報処理装置の斜視図である。
図12図12は、参考例に係る情報処理装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〈参考例〉
図11は、参考例に係る情報処理装置101の斜視図である。図11には、情報処理装置101が備える筐体102の底面102Aの一部を透過した状態で、情報処理装置101の底面側が示されている。図12は、参考例に係る情報処理装置101の断面図であり、図11の点線B−Bに沿った断面が示されている。筐体102には、空冷ファン111と、放熱フィン112と、ダストカバー113と、ヒートパイプ114と、CPU115とが設けられている。空冷ファン111と放熱フィン112とが隣接しており、空冷ファン111は放熱フィン112に対して送風する。図12の矢印Cは、筐体102の内部の空気の流れを示している。ヒートパイプ114は、放熱フィン112及びCPU115に接続されている。CPU115の熱が、ヒートパイプ114を介して放熱フィン112に伝わる。放熱フィン112は、空冷ファン111からの送風によって冷却される。空冷ファン111から放熱フィン112に送られる風量と、その風量により冷却される熱量とは、正比例しない。例えば、空冷ファン111から放熱フィン112に送られる風量を2倍にしても、空冷ファン111の冷却能力は2倍にはならず、空冷ファン111から放熱フィン112に送られる風量を半分にしても、空冷ファン111の冷却能力は半減しない。
【0009】
筐体102の底面102Aには、空冷ファン111の近傍に開口部が設けられている。筐体102の底面102Aの開口部は、空冷ファン111と放熱フィン112との間に溜まったゴミを掃除するときに用いられる。空冷ファン111と放熱フィン112との間に溜まったゴミを掃除するとき以外は、筐体102の底面102Aの開口部は、ダストカバー113によって閉じられている。参考例に係る情報処理装置101では、筐体102の底面102Aの開口部が、ダストカバー113によって閉じられている場合、筐体102は自然放冷によって冷却される。なお、筐体102からダストカバー113を取り外して、情報処理装置101を机等に置き、空冷ファン111から放熱フィン112に送風されている風量の一部分を、筐体102の底面102Aに放出する場合がある。このようにすれば、筐体102の底面102Aと机等の接地面との間を空気が流れ、筐体102を冷却することが可能である。
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。以下の各実施形態の構成は例示であり、本発明は、各実施形態の構成に限定されない。
【0011】
〈第1実施形態〉
第1実施形態について説明する。図1及び図2は、第1実施形態に係る情報処理装置1の斜視図である。情報処理装置1は、例えば、ノート型PC、タブレット型PCである。図1に示すように、情報処理装置1は、筐体(本体部)2と、筐体2に回動可能に連結されたディスプレイ装置3とを備える。図1には、ディスプレイ装置3が開かれた状態で、情報処理装置1の上面側が示されている。図2には、ディスプレイ装置3が閉じた状態で、情報処理装置1の底面(下面)側が示されている。
【0012】
図3は、第1実施形態に係る情報処理装置1の斜視図である。図3には、筐体2の底面カバー11の一部を透過した状態で、情報処理装置1の底面側が示されている。筐体2内には、空冷ファン(送風機)12と、放熱フィン13と、ダストカバー14と、ヒートパイプ15と、CPU16とが設けられている。図3に示す情報処理装置1の構成例に限らず、筐体2内における空冷ファン12、放熱フィン13、ダストカバー14、ヒートパイプ15及びCPU16の其々の配置は任意である。筐体2内には、CPU16の他にも、基板、メモリ、HDD等の発熱体が設けられている。
【0013】
図4は、第1実施形態に係る情報処理装置1の断面図であり、図3の点線A−Aに沿った断面が示されている。空冷ファン12は、筐体2の側面に設けられた吸気口(図示せず)から筐体2の外部の空気を筐体2の内部に取り込む。また、空冷ファン12は、筐体2の内部に取り込んだ空気を、筐体2の側面2Aに設けられた排気口17と筐体2の底面2Bに設けられた開口部18とから筐体2の外部に排出する。図4の矢印A1は、筐体2の内部の空気の流れを示しており、図4の矢印A2は、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気(排出された空気)の流れを示している。筐体2の底面2Bは、筐体2の上面の反対側の面である。筐体2の上面には、キーボード、タッチパッド等が設けられている。
【0014】
空冷ファン12と放熱フィン13とが隣接しており、空冷ファン12は放熱フィン13に対して送風する。放熱フィン13は、平板状の基部と、基部に立設された複数の突起部とを備える。突起部は、薄板状のフィン部材であり、基部から突起している。個々の突起部は、相互に平行に配列されており、隣接する突起部の間には、同一方向に伸びる通気路が形成されている。空冷ファン12から放熱フィン13への送風は、放熱フィン13の通気路を通る。突起部によって放熱フィン13の表面積が増えるため、放熱フィン13の放熱効率が増加する。図3に示すように、ヒートパイプ15は、放熱フィン13及びCPU16に接続されている。CPU16の熱が、ヒートパイプ15を介して放熱フィン13に伝わる。放熱フィン13は、空冷ファン12からの送風によって冷却される。すなわち、放熱フィン13は、筐体2の内部を流れる空気によって冷却される。したがって、ヒートパイプ15を介してCPU16から放熱フィン13に伝わった熱が、筐体2の内部を流れる空気に伝わる。放熱フィン13によって熱せられた空気が、筐体2の側面2Aに設けられた排気口17から排出されることにより、筐体2内の熱が筐体2の外部に排出される。
【0015】
ダストカバー14は、筐体2の底面2Bに設けられている。ダストカバー14の一部分が筐体2の内部に挿入されていると共に、ダストカバー14の他の部分が筐体2の底面2Bから突き出ている。ダストカバー14のうちの筐体2の底面2Bから突き出ている部分が、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18を囲んでおり、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に隙間が設けられている。筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気が、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間を流れる。筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間の出口から排気が排出されることで、排気が筐体2の底面2Bに沿って流れる。ダストカバー14の一部分が筐体2の内部に挿入されているため、筐体2の内部を流れる空気の一部がダストカバー14の一部分に当たり、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間に空気が入り込み易い。
【0016】
CPU16以外の発熱体から発生した熱の一部が、筐体2の底面2Bに伝わる。筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気が、筐体2の底面2Bに沿って流れることにより、筐体2の底面2Bの熱が冷却され、筐体2の温度上昇を抑制することができる。
【0017】
図4に示すように、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間を流れる排気は、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間の出口から排出されている。筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間の出口が、筐体2内における空気が流れる方向の反対方向を向いている。そのため、筐体2内における空気が流れる方向と、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間における排気が流れる方向とが異なる。すなわち、筐体2内における空気が流れる方向と、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気が流れる方向とが異なる。
【0018】
筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に隙間ができるように、筐体2の底面2Bにダストカバー14が設けられている。このように、筐体2の底面2Bに設けられた開口
部18からの排気が、筐体2の底面2Bに沿って流れるように、ダストカバー14は、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気をガイドしている。また、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間の出口が、筐体2内における空気が流れる方向の反対方向を向くように、ダストカバー14が形成されている。このように、筐体2内における空気が流れる方向と反対方向に排気が流れるように、ダストカバー14は、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気をガイドしている。ダストカバー14は、ガイド部の一例である。
【0019】
筐体2内を流れる空気は、筐体2内に設けられた放熱フィン13を冷却し、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気は、筐体2の底面2Bを冷却する。空冷ファン12から送られ、筐体2内を流れる空気は、放熱フィン13を通って筐体2の外部に排出される。空冷ファン12から送られ、筐体2内を流れる空気は、放熱フィン13を冷却するために用いられる。すなわち、空冷ファン12から送られ、筐体2内を流れる空気は、CPU16から放熱フィン13に伝わった熱を放熱するために用いられる。筐体2内において空気が流れる方向と、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気が流れる方向とが異なる。そのため、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気が、放熱フィン13の直下における筐体2の底面2Bに沿って流れず、CPU16以外の発熱体の直下における筐体2の底面2Bに沿って流れる。このように、筐体2の底面2Bに沿って流れる排気は、CPU16以外の発熱体から筐体2の底面2Bに伝わった熱を放熱するために用いられる。
【0020】
筐体2の底面2Bには、凸部(突起部)19が設けられている。凸部19は、例えば、ゴム等の弾性体で形成されている。筐体2の底面2Bからの凸部19の高さは、筐体2の底面2Bからのダストカバー14の高さよりも高い。図5は、情報処理装置1を台50に載置した場合の情報処理装置1の断面図である。図5に示すように、筐体2の凸部19が台50に接触している。筐体2の凸部19が台50に接触することにより、筐体2の底面2Bと筐体2の接地面(凸部19の頭頂面)との間に隙間が形成されている。筐体2の底面2Bと筐体2の接地面との間に形成された隙間にダストカバー14が配置されている。筐体2の底面2Bからのダストカバー14の高さが、筐体2の底面2Bからの凸部19の高さよりも低いため、情報処理装置1を台50に載置した場合、ダストカバー14が台50に接触しない。情報処理装置1を台50に載置した場合において、情報処理装置1からダストカバー14に荷重が掛からないため、ダストカバー14の破損が抑制される。
【0021】
ダストカバー14は、筐体2に取り外し可能に設けられている。筐体2からダストカバー14を取り外し、空冷ファン12と放熱フィン13との間に溜まった埃を筐体2の外側から取ることが可能である。空冷ファン12と放熱フィン13との間に埃が溜まると、筐体2内の温度上昇及び筐体2自体の温度上昇に繋がる。ユーザは、一定期間毎に、空冷ファン12と放熱フィン13との間を清掃することで、筐体2内の温度上昇及び筐体2自体の温度上昇を抑制することができる。
【0022】
〈第2実施形態〉
第2実施形態について説明する。第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。図6は、第2実施形態に係る情報処理装置1の斜視図である。図6には、情報処理装置1の底面側が示されている。第2実施形態では、第1実施形態と同様に、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に隙間ができるように、筐体2の底面2Bにダストカバー14が設けられている。また、ダストカバー14は、筐体2に取り外し可能に設けられていてもよい。
【0023】
図6の矢印A3は、筐体2の内部の空気の流れを示しており、図6の矢印A4は、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気の流れを示している。筐体2の底面2B
に設けられた開口部18からの排気は、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間の出口から排出されている。図6に示すように、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間を流れる排気は、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間の出口から排出されている。筐体2内における空気が流れる方向と、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間の出口が向いている方向とが異なる。したがって、筐体2内における空気が流れる方向と、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気が流れる方向とが異なる。
【0024】
筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に隙間ができるように、筐体2の底面2Bにダストカバー14が設けられている。このように、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気が、筐体2の底面2Bに沿って流れるように、ダストカバー14は、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気をガイドしている。また、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間の出口が、筐体2内における空気が流れる方向と異なる方向を向くように、ダストカバー14が形成されている。このように、筐体2内における空気が流れる方向と異なる方向に排気が流れるように、ダストカバー14は、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気をガイドしている。ダストカバー14の外形を任意に設定することで、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気が流れる方向を制御することができる。すなわち、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気を、筐体2の底面2Bの任意の箇所に向かって流すことができる。したがって、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気を、筐体2の底面2Bの冷やしたい場所に誘導することができる。
【0025】
例えば、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気が、筐体2の底面2Bの面積が広い側を流れるように、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間の出口の方向を設定してもよい。図7に示すように、筐体2の第1端部21側に開口部18を設ける場合、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気が、筐体2の第1端部21側から筐体2の第2端部22側に向かって流れるように、筐体2の底面2Bにダストカバー14を設けてもよい。この場合、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間の出口が、筐体2の第2端部22側を向くように、筐体2の底面2Bにダストカバー14を設ける。図7の矢印A5は、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気の流れを示している。筐体2の第2端部22は、筐体2の第1端部21の反対側の端部である。筐体2の第1端部21は、筐体2の背面側の端部であってもよいし、筐体2の第2端部22は、筐体2の手前側の端部であってもよい。筐体2の背面側は、筐体2においてディスプレイ装置3が連結されている側であり、筐体2の手前側は、筐体2においてディスプレイ装置3が連結されている側の反対側である。筐体2の第1端部21は、筐体2の右側の端部であってもよいし、筐体2の第2端部22は、筐体2の左側の端部であってもよい。
【0026】
筐体2の第2端部22側に開口部18を設ける場合、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気が、筐体2の第2端部22側から筐体2の第1端部21側に向かって流れるように、筐体2の底面2Bにダストカバー14を設けてもよい。この場合、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間の出口が、筐体2の第1端部21側を向くように、筐体2の底面2Bにダストカバー14を設ける。
【0027】
筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間の出口が、筐体2内における空気が流れる方向と同一方向を向くように、ダストカバー14を形成してもよい。筐体2内における空気が流れる方向と同一方向に排気が流れるように、ダストカバー14は、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気をガイドする。したがって、筐体2内において空気が流れる方向と、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気が流れる方向とが同一となる。これにより、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18か
らの排気が、放熱フィン13の直下における筐体2の底面2Bに沿って流れる。筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気が、放熱フィン13の直下における筐体2の底面2Bに沿って流れると共に、CPU16以外の発熱体の直下における筐体2の底面2Bに沿って流れるようにしてもよい。
【0028】
〈第3実施形態〉
第3実施形態について説明する。第3実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。図8及び図9は、第3実施形態に係る情報処理装置1の断面図である。第3実施形態に係る情報処理装置1では、ダストカバー14にスライド機構が設けられている。ダストカバー14がスライド移動することにより、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18が開閉可能になっている。また、ダストカバー14は、筐体2に取り外し可能に設けられていてもよい。第2実施形態と第3実施形態とを適宜組み合わせてもよい。
【0029】
図8に示すように、ダストカバー14を閉じた場合、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間の隙間が無くなり、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18が閉じた状態となる。これにより、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気が停止し、筐体2の底面2Bに排気が流れない。図8の矢印A1は、筐体2の内部の空気の流れを示している。例えば、ユーザが情報処理装置1を持ち運ぶ場合や、情報処理装置1が平面に置かれていない場合、ダストカバー14によって筐体2の底面2Bに設けられた開口部18を閉じるようにしてもよい。
【0030】
図9に示すように、ダストカバー14を開けた場合、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に隙間が形成され、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18が開いた状態となる。これにより、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気が開始され、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間を排気が流れると共に、筐体2の底面2Bに沿って排気が流れる。図9の矢印A1は、筐体2の内部の空気の流れを示しており、図9の矢印A2は、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気の流れを示している。
【0031】
ダストカバー14が筐体2の底面2Bに対して垂直方向にスライド移動し、ダストカバー14が筐体2の底面2Bから突出することで、ダストカバー14が開かれ、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18が開いた状態となってもよい。ダストカバー14が筐体2の底面2Bに対して垂直方向にスライド移動し、筐体2とダストカバー14との間で段差がなくなることで、ダストカバー14が閉じられ、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18が閉じた状態となってもよい。
【0032】
ダストカバー14が筐体2の底面2Bに対して平面方向にスライド移動し、ダストカバー14が筐体2の底面2Bに重なることで、ダストカバー14が開かれ、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18が開いた状態となってもよい。ダストカバー14が筐体2の底面2Bに対して平面方向にスライド移動し、ダストカバー14が筐体2の底面2Bに設けられた開口部18に重なることで、ダストカバー14が閉じられ、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18が閉じた状態となってもよい。
【0033】
〈第4実施形態〉
第4実施形態について説明する。第4実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。図10は、第4実施形態に係る情報処理装置1の断面図である。図10の矢印A1は、筐体2の内部の空気の流れを示しており、図10の矢印A2は、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気の流れを示している。
【0034】
図10に示すように、筐体2とダストカバー14とが一体となっており、筐体2の底面2Bとダストカバー14の外装面とが連続している。筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気が、筐体2の底面2Bとダストカバー14との間に設けられた隙間を流れると共に、筐体2の底面2Bに沿って流れる。筐体2とダストカバー14とを一体にすることにより、部品数が削減されると共に、筐体2からダストカバー14が意図せずに外れることを抑止できる。第2実施形態と第4実施形態とを適宜組み合わせてもよい。
【0035】
第1〜第4実施形態に係る情報処理装置1によれば、筐体2の底面2Bに設けられた開口部18からの排気を筐体2の底面2Bに沿って流すことにより、筐体2の熱を冷却することができる。したがって、筐体2の温度上昇を抑制し、情報処理装置1の熱に対する性能を改善することができる。第1〜第4実施形態に係る情報処理装置1によれば、筐体2の熱を拡散する部品を筐体2内に配置せずに、筐体2の温度を直接下げることができるため、筐体2の熱を拡散する部品を削減することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 情報処理装置
2 筐体
3 ディスプレイ装置
11 底面カバー
12 空冷ファン
13 放熱フィン
14 ダストカバー
15 ヒートパイプ
16 CPU
17 排気口
18 開口部
19 凸部
図1
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