特許第6670000号(P6670000)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670000
(24)【登録日】2020年3月3日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】ガス充填装置
(51)【国際特許分類】
   F17C 5/06 20060101AFI20200309BHJP
   F17C 13/00 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
   F17C5/06
   F17C13/00 301Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-518938(P2018-518938)
(86)(22)【出願日】2016年6月20日
(86)【国際出願番号】JP2016068242
(87)【国際公開番号】WO2017203721
(87)【国際公開日】20171130
【審査請求日】2019年3月12日
(31)【優先権主張番号】特願2016-103128(P2016-103128)
(32)【優先日】2016年5月24日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000151346
【氏名又は名称】株式会社タツノ
(74)【代理人】
【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】津村 泰行
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 敦史
(72)【発明者】
【氏名】木村 潔
(72)【発明者】
【氏名】布施 高之
【審査官】 宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−019872(JP,A)
【文献】 特開2004−224287(JP,A)
【文献】 特開2015−151171(JP,A)
【文献】 特開2004−019716(JP,A)
【文献】 特開2016−080067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 1/00−13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスの供給源から該ガスの流量を計測しながらガス搬送管を介して前記ガスを搬送する充填機構と、
前記ガス搬送管に接続され、先端に充填ノズルを有する充填ホースと、
前記充填ノズルが掛けられるノズル掛けと、
前記充填ノズルが前記ノズル掛けから外されると、前記ノズル掛けから所定の箇所まで前記充填ノズルを誘導する誘導機構と、
前記ノズル掛けに掛けられた前記充填ノズルを収容するケースとを備え、
該ケースの扉は、閉位置において、前記ノズル掛けに掛けられた前記充填ノズルを前記扉の閉動作方向に押圧する押圧部材を備えることを特徴とするガス充填装置。
【請求項2】
前記誘導機構は、1つが前記充填ノズルに接続される複数のリンクと、該複数のリンクの隣接する一対のリンクを互いに回転可能に連結する節からなり、
前記充填ノズルが前記ノズル掛けに掛けられている状態では、前記複数のリンクが前記節を介して折り畳まれ、
前記充填ノズルが前記ノズル掛けから外された際に、前記ノズル掛けから前記所定の箇所まで前記充填ノズルを誘導するように前記複数のリンクが延伸することを特徴とする請求項1に記載のガス充填装置。
【請求項3】
前記誘導機構は、前記充填ノズルに接続されるワイヤーと、該ワイヤーを一定の巻き上げ力で上方に巻き上げる定荷重ばねとを備え、
前記ワイヤーは、前記ノズル掛けから前記所定の箇所側に吊り下げられ、前記充填ノズルが前記ノズル掛けから外された際に、前記ノズル掛けから前記所定の箇所まで前記充填ノズルを誘導するように重力によって前記ワイヤーが移動し、
さらに、前記充填ノズルが所定以上の力で引っ張られた場合に前記ワイヤーと前記充填ノズルの接続を解除する離脱機構と、
該離脱機構によって、前記ワイヤーと前記充填ノズルの接続が解除された場合に、前記定荷重ばねによって前記ワイヤーが急速に巻き上げられることを防止する減速ユニットとを備えることを特徴とする請求項1に記載のガス充填装置。
【請求項5】
前記ノズル掛けは、該ノズル掛けに掛けられた前記充填ノズルに乾燥ガスを吹き付ける噴出口を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガス充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CNG、水素ガス等を燃料とするCNG自動車、燃料電池自動車、水素自動車等の車載タンクにガスを充填するガス充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の環境問題に対応する車輌として、CNG(Compressed Natural Gas)、水素等のガス燃料を用いたCNG自動車、燃料電池自動車、水素自動車等の開発が活発に行われている。このようなガス燃料を用いて走行する車輌の普及を促進するには、車輌に搭載されている車載タンクに安定して効率よくガス燃料を充填する装置が必要となる。そこで、本出願人は、特許文献1において車載タンクに効率的にガス燃料を充填するためのガス充填装置を提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−109350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ガス充填装置は、一般的に、これに備えられる充填ノズル、充填ホースの耐圧性を向上させるために重量が大きい上に、ガス燃料によって充填ノズルや充填ホースに高圧が掛かるとさらに重量が増すため、充填ノズル使用者の負担が大きく、車輌に搭載された燃料タンクの充填口へ充填ノズルを誘導し、充填ノズルのガス供給口を燃料タンクの充填口の位置に合わせることが容易ではなかった。また、充填ノズルの使用者が誤って充填ノズルを地面に落下させたり充填ノズルを車輌に衝突させると、充填ノズルや車輌を傷つける可能性を否定できなかった。
【0005】
さらに、最近では水素ステーションの普及に向け、省令や保安規則を改正してセルフ充填式のガス充填装置の利用が検討されており、充填ノズルの使用に慣れていなくても容易にガスを充填することができるガス充填装置の開発が望まれていた。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであって、充填ノズルの操作性の高いガス充填装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のガス充填装置は、ガスの供給源から該ガスの流量を計測しながらガス搬送管を介して前記ガスを搬送する充填機構と、前記ガス搬送管に接続され、先端に充填ノズルを有する充填ホースと、前記充填ノズルが掛けられるノズル掛けと、前記充填ノズルが前記ノズル掛けから外されると、前記ノズル掛けから所定の箇所まで前記充填ノズルを誘導する誘導機構とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、充填ノズルがノズル掛けから外されると、誘導機構によって充填ノズルを車輌に搭載された燃料タンクの充填口に誘導することができるため、充填ノズルの重量が大きい場合や水素ガス等の高圧ガスを扱う場合であっても、充填ノズルを容易に燃料タンクの充填口まで移動させることができ、充填ノズルの操作性が向上する。また、充填ノズルの落下を防止することができる。
【0009】
上記ガス充填装置において、前記誘導機構を、1つが前記充填ノズルに接続される複数のリンクと、該複数のリンクの隣接する一対のリンクを互いに回転可能に連結する節からなり、前記充填ノズルが前記ノズル掛けに掛けられている状態では、前記複数のリンクが前記節を介して折り畳まれ、前記充填ノズルが前記ノズル掛けから外された際に、前記ノズル掛けから前記所定の箇所まで前記充填ノズルを誘導するように前記複数のリンクが延伸するように構成することができる。
【0010】
また、前記誘導機構を、前記充填ノズルに接続されるワイヤーと、該ワイヤーを一定の巻き上げ力で上方に巻き上げる定荷重ばねとを備え、前記ワイヤーは、前記ノズル掛けから前記所定の箇所側に吊り下げられ、前記充填ノズルが前記ノズル掛けから外された際に、前記ノズル掛けから前記所定の箇所まで前記充填ノズルを誘導するように重力によって前記ワイヤーが移動するように構成し、さらに、前記充填ノズルが所定以上の力で引っ張られた場合に前記ワイヤーと前記充填ノズルの接続を解除する離脱機構と、該離脱機構によって、前記ワイヤーと前記充填ノズルの接続が解除された場合に、前記定荷重ばねによって前記ワイヤーが急速に巻き上げられることを防止する減速ユニットとを設けることができる。
【0011】
前記ノズル掛けに掛けられた前記充填ノズルを収容するケースを設け、該ケースの扉が、閉位置において、前記ノズル掛けに掛けられた前記充填ノズルを前記扉の閉動作方向に押圧する押圧部材を備えるように構成することができる。
【0012】
また、上記ガス充填装置において、前記ノズル掛けは、該ノズル掛けに掛けられた前記充填ノズルに乾燥ガスを吹き付ける噴出口を備えることができる。これにより、ガス供給口に付着した水滴、ゴミ、及び凍結物等を除去し、ガス供給口を車輌に搭載された燃料タンクの充填口と接続し易くすることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、充填ノズルの操作性の高いガス充填装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るガス充填装置の一実施の形態を示す全体構成図である。
図2図1のP部の部分拡大一部断面図である。
図3図1のガス充填装置のA−A線概略断面図であり、(a)は充填ノズルの不使用時、(b)は充填ノズルの使用時を示す。
図4図1のガス充填装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図5】本発明に係るガス充填装置の他の実施形態を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は上面図、(d)は(a)のQ部拡大部分断面図であって、営業時の状態を示す。
図6】本発明に係るガス充填装置の他の実施形態を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図であって、非営業時の状態を示す。
図7図6に示す充填ノズルと扉等を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明においては、本発明に係るガス充填装置が水素ガス充填装置であって、水素ガス自動車に水素ガスを充填する場合を例にとって説明する。
【0016】
図1は、本発明に係るガス充填装置の一実施の形態を示し、このガス充填装置1は、ハウジング本体2の内部に、ガスの供給源からガス搬送管を介して流量を計測しながら水素ガスを搬送する充填機構を備え、充填ホース3がガス搬送管に接続される。充填ホース3の一端には充填ノズル4が装着され、ハウジング本体2の左側のハウジング10の側面には、充填ノズル4が掛けられるノズル掛け5が設けられる。ハウジング本体2には、水素ガスの充填量等を表示する表示装置9が載置される。
【0017】
図2に示すように、充填ノズル4は、基部4aと、水素ガスを供給するガス供給口4bと、充填ノズル4を持つためのハンドル部4cと、充填ホース3が接続される接続部4dとを有する。
【0018】
ノズル掛け5は、基部5aと、不使用時の充填ノズル4のガス供給口4bに乾燥ガスを吹き付ける噴出口5dを有する噴出部5bと、充填ノズル4のノズル掛け5への掛け外しを検知するノズルスイッチ(以下「ノズルSW」と略称する。)5cとを有する。このノズルSW5cは、充填ノズル4がノズル掛け5に掛けられている状態でOFFとなり、充填ノズル4がノズル掛け5から外されている状態でONとなる。乾燥ガスには、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス、炭酸ガス及び空気を用いることができる。
【0019】
図3に略記するように、ガス充填装置1のハウジング10の内部には、支持手段6と、誘導機構7とが備えられる。誘導機構7は、リンク7a〜7cと、これらを繋ぐ節7d、7eと、リンク7cと充填ノズル4とを互いに回転可能に接続する節7fとを備え、リンク7aの一端が支持手段6に移動又は回転可能に支持される。支持手段6は、ハウジング10側に固定される。
【0020】
支持手段6及び誘導機構7は、特開2006−282300号公報に記載のような一般に用いられるものであって、機構の詳細説明は省略するが、充填ノズル4がノズル掛けに掛けられている図3(a)の状態から使用者が充填ノズル4をノズル掛けから外して充填口8a側(図3(b)参照)へ移動させた際に、リンク7a〜7c等が各々移動し、支持手段6でリンク7aの一端を移動又は回転可能に支持することで、充填ノズル4を燃料タンクの充填口8aに誘導することができる。また、同様に、図3(b)の状態から充填ノズル4を図3(a)の状態に戻すことができる。尚、支持手段6や誘導機構7の構成は、ガス充填装置1を設置する場所やガス充填装置1の大きさなどに応じて適宜決定することができる。
【0021】
次に、上記構成を有するガス充填装置1の動作について、図1図4を参照しながら説明する。
【0022】
ステップS1において、ガス充填装置1の使用者がスタートスイッチ(不図示、以下「スタートSW」と略称する。)を押下したか否かを判断し、スタートSWがオンとなると(ステップS1;Yes)、ノズル掛け5の噴出部5bに設けられた噴出口5dから、乾燥ガスを充填ノズル4のガス供給口4bに吹き付ける(ステップS2)。
【0023】
ステップS3において、乾燥ガスの送風時間Tが3秒となったか否かを判断し、乾燥ガスの送風時間Tが3秒となると(ステップS3;Yes)、乾燥ガスの送風を停止する(ステップS4)。これにより、充填ノズル4のガス供給口4bに付着する凍結物を除去し、安全に充填を行うことができる状態となる。
【0024】
使用者が充填ノズル4をノズル掛け5から取り外すことでノズルSW5cがオンになり(ステップS5;Yes)、取り外した充填ノズル4を、誘導機構7による誘導を利用しながら車輌8に搭載された燃料タンクの充填口8aに接続する。充填ノズル4の接続後、充填機構が駆動し(ステップS6)、ガス供給源の水素ガスがガス搬送管、充填ホース3を経由して充填ノズル4まで搬送され、燃料タンクへの充填が行われる。尚、ステップS5において、ノズルSW5cがオンとなっていないと判断された場合には(ステップS5;No)、オンとなるまで待機する。
【0025】
水素ガスの充填終了後、使用者は誘導機構7を利用して充填ノズル4をノズル掛け5へ戻す。これにより、ノズルSWがオフとなり(ステップS7;Yes)、充填機構が停止すると共に、上記ステップS2と同様に充填ノズル4に対して乾燥ガスの送風が行われる(ステップS8)。尚、ステップS7において、ノズルSW5cがオフとなっていないと判断された場合には(ステップS7;No)、オンとなるまで待機する。
【0026】
ステップS8における乾燥ガスの送風は、3分経過後(ステップS9;Yes)に停止するように制御される(ステップS10)。
【0027】
以上のように、本実施の形態によれば、充填ノズル4に誘導機構7を付設することで、ノズル掛け5と車輌8に搭載された燃料タンクの充填口8aとの間の充填ノズル4の移動を容易にし、充填ノズル4の操作性を向上させることができる。また、充填ノズル4の落下を防止することもできる。
【0028】
また、ノズル掛け5に温度センサを設けてノズル掛け5の噴出部5bの噴出口5dからの乾燥ガスの送風を制御することで、ガス充填装置1の不使用時(待機時)のガス供給口4bの凍結を解除することができる。さらに、ノズル掛け5に防爆型ヒータを設けて温度センサからの出力を受けて駆動制御することで、凍結を解除することができる。
【0029】
図5及び図6は、本発明に係るガス充填装置の他の実施形態を示し、このガス充填装置11は、図1に示すガス充填装置1の構成に加え、図6に示すようにガス充填装置11が設置されるガス充填所が非営業時である場合に、充填ノズル4等を収容するケース12を備え、上記支持手段6及び誘導機構7に代えて、ホースユニット2aの頂部に位置し、ワイヤー14aを介して充填ノズル4を上方向に引っ張るアーム14を備え、さらに、上記ノズル掛け5に代えてノズル掛け19を備える。また、ハウジング10に代えて、ホースユニット2aが設けられる。尚、図1に示すガス充填装置1と同一の構成要素については同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0030】
ケース12は、図7にも示すように、ホースユニット2aの一部と、上面視L字状の2つの扉12a、12bからなり、この扉12a、12bは支点F(扉12aのもののみ図7に示す)を介して回動可能に設けられる。一方の扉12aには、充填ノズル4をケース12内に収容した状態で閉められるように、充填ノズル4に接続されたワイヤー14aを逃がすためのスリット12cが設けられる。
【0031】
このケース12の充填ノズル4側の扉12aには、図7に示すように、閉位置において、充填ノズル4の外形に沿って形成された面12eで充填ノズル4を押圧する板状又は柱状の押圧部材12dが設けられる。これにより、充填ノズル4が後述するノズル掛け19に適正に掛けられていないと、扉12aが閉まらないようになっている。
【0032】
アーム14は、ホースユニット2aの頂部に鉛直方向に延設された軸20の回りに回動可能に取り付けられ、シーブ14bに支持されながら充填ノズル4に接続されるワイヤー14aと、ワイヤー14aを常に一定の巻き上げ力で巻き上げる定荷重ばね14cと、ワイヤ−14aが急速に巻き上げられることを防止する減速ユニット14dとで構成される。
【0033】
ワイヤー14aは、図示しない離脱機構を介して充填ノズル4に接続されており、充填ノズル4が所定以上の力で引っ張られた場合にワイヤー14aと充填ノズル4の接続を解除する。
【0034】
減速ユニット14dは、上記離脱機構によってワイヤー14aと充填ノズル4の接続が解除された場合に、定荷重ばね14cに充填ノズル4の重力が掛からなくなることにより、ワイヤー14aの巻き上げ速度が急激に速まることを防止するために設けられ、例えば、ワイヤー14aが引っ張られる方向へは抵抗がなく、ワイヤー14aが巻き上げられる方向へはオイルの抵抗によってブレーキをかけるロータリーダンパのような機構が利用される。
【0035】
図5へ戻り、ノズル掛け19は、図2に示した基部5aに加え、図5(d)に拡大して示すように、充填ノズル4のガス供給口4bの一部を収容する凹部19bと、凹部19bに設けられ、ガス供給口4b内に挿入される弾性体からなる凸部19cとを有する上蓋19aと、充填ノズル4の下部を係止する係止部材19dと、上蓋19aを図示の状態から垂直になる位置まで略々90°回動させる回動部材19eとを有する。この構成により、充填ノズル4の上部と下部が保持されるため、ノズル掛け19に保持された充填ノズル4の重心が安定する。
【0036】
上記構成を有するガス充填装置11によれば、使用者が充填ノズル4をノズル掛け19から外すと、シーブ14bがノズル掛け19よりも車両側(図5(a)において左側)に位置するため、充填ノズル4が自重によって車両側へと案内される。これにより、上記ガス充填装置1と同様に、ノズル掛け19と車輌に搭載された燃料タンクの充填口との間の充填ノズル4の移動を容易にし、充填ノズル4の操作性を向上させることができる。また、充填ノズル4の落下を防止することができる。
【0037】
さらに、使用者が充填ノズル4を引っ張った状態、すなわちアーム14のワイヤー14aが引っ張られた状態で充填ノズル4を離しても、減速ユニット14dが設けられているために、ワイヤー14aが急速に巻き上げられることもなく、安全性に優れる。
【0038】
尚、上記2つの実施の形態では、水素ガスを車輌8に充填する場合を例にとって説明したが、その他のガスを充填することもできる。
【符号の説明】
【0039】
1 ガス充填装置
2 ハウジング本体
2a ホースユニット
3 充填ホース
4 充填ノズル
4a 基部
4b ガス供給口
4c ハンドル部
4d 接続部
5 ノズル掛け
5a 基部
5b 噴出部
5c ノズルSW
5d 噴出口
6 支持手段
7 誘導機構
7a〜7c リンク
7d〜7f 節
8 車輌
8a 充填口
9 表示装置
10 ハウジング
11 ガス充填装置
12 ケース
12a、12b 扉
12c スリット
12d 押圧部材
12e 面
14 アーム
14a ワイヤー
14b シーブ
14c 定荷重ばね
14d 減速ユニット
19 ノズル掛け
19a 上蓋
19b 凹部
19c 凸部
19d 係止部材
19e 回動手段
20 軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7