(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、メニュー画面が探知映像の中央に大きく表示されるので、メニュー画面の表示中に探知映像が確認しにくいという課題があった。特許文献2では、メニュー画面によって探知映像が隠れないが、メニュー画面が画面領域の一部を占めるため、探知映像が小さくなるという課題があった。
【0006】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、探知映像の表示領域を大きく確保しつつ、メニューボタンが探知映像を邪魔しない構成の水中探知装置を提供することにある。
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0008】
本発明の観点によれば、以下の構成の水中探知装置が提供される。即ち、この水中探知装置は、エコー信号処理部と、探知映像表示制御部と、メニュー表示制御部と、を備える。前記エコー信号処理部は、水中に送信した超音波の反射波であるエコー信号を取得し、深度に応じたエコー信号の信号レベルを検出する。前記探知映像表示制御部は、前記エコー信号処理部の検出結果に基づいて、深度に応じたエコー信号の信号レベルを時系列に並べた映像である探知映像を表示部に表示する。前記メニュー表示制御部は、前記探知映像上であって当該探知映像の最も古い情報を表示する端部から深度方向及び時間軸方向の少なくとも何れかの方向にメニューボタンを並べて前記表示部に表示する。前記メニュー表示制御部は、前記メニューボタンが選択された場合であって、当該メニューボタンに下位メニューが存在するときは、下位メニューボタンを新たに表示する。前記メニュー表示制御部は、前記メニューボタン
又は前記下位メニューボタンから選択されたボタンの機能が登録されたショートカットボタンを表示する指示を受け付けると、前記メニューボタンを非表示にして、非表示となった前記メニューボタンと同じ位置であって同じ方向に並べて複数の前記ショートカットボタンを表示する。前記メニュー表示制御部は、前記ショートカットボタンが選択された場合であって、当該ショートカットボタンに下位メニューが存在するときは、下位メニューショートカットボタンを新たに表示する。
【0009】
これにより、ユーザは探知映像の古い情報より新しい情報を優先して確認するため、最も古い情報を表示する端部からメニューボタンを並べることで、探知映像の視認性の低下を最小限にすることができる。また、メニューボタンを探知映像上に表示することにより、表示部の画面サイズを有効に活用して探知映像を大きく表示することができる。
また、必要な場合にしか下位メニューボタンが表示されないので、探知映像の視認性の低下を更に抑えることができる。また、頻繁に使うメニューボタンをショートカットとして登録しておくことで、探知映像からあまり目を離さずにメニューボタンの選択を行うことができる。また、メニューボタンを非表示にしてショートカットボタンを表示するため、探知映像の視認性の低下を最小限にすることができる。また、ショートカットボタンを選択した場合に下位メニューボタンが表示されるので、探知映像の視認性の低下を更に抑えることができる。
【0012】
前記の水中探知装置においては、前記メニュー表示制御部は、前記下位メニューボタンを、前記メニューボタンの隣に、当該メニューボタンの配列方向と垂直な方向に並べて表示することが好ましい。
【0013】
これにより、選択したメニューボタンの近くに下位メニューボタンが表示されるので、下位メニューボタンの選択をスムーズに行うことができる。また、メニューボタンと垂直な方向に下位メニューボタンを並べることで、メニューボタンと下位メニューボタンとが重なることを防止できる。
【0014】
前記の水中探知装置においては、前記メニュー表示制御部は、少なくとも前記下位メニューボタンの選択を受け付けている間において、前記メニューボタンから前記探知映像が透けるように当該メニューボタンを半透明で表示することが好ましい。
【0015】
これにより、メニューボタンから透けるようにして探知映像を視認できるため、探知映像の視認性の低下を更に抑えることができる。
【0018】
前記の水中探知装置においては、前記メニュー表示制御部は、前記ショートカットボタンを表示する場合、同じ機能を有する前記メニューボタン又は前記下位メニューボタンに加え、ショートカットであることを示す表示を付加することが好ましい。
【0019】
これにより、画面にはメニューボタンかショートカットの何れかしか表示されないので、「ショートカットであることを示す表示」を付加することで、ユーザは、何れが表示されているかを瞬時に把握することができる。
【0020】
前記の水中探知装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記メニュー表示制御部は、前記メニューボタンの配列方向で当該メニューボタンと隣り合うように配置された切替ボタンを表示する。前記メニュー表示制御部は、前記切替ボタンが選択されることで、前記メニューボタンを表示するか、前記ショートカットボタンを表示するかを切り替える。
【0021】
これにより、ショートカットボタンを表示する際のポインタの移動量又はユーザの視線移動等を少なくすることができる。
【0022】
前記の水中探知装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記メニュー表示制御部は、操作部に行われた操作に基づいてポインタを移動させる。前記ポインタで前記メニューボタン又は前記下位メニューボタンがドラッグアンドドロップされることで、当該メニューボタン又は当該下位メニューボタンを前記ショートカットボタンとして登録する。
【0023】
これにより、簡単かつ直感的な操作でショートカットを登録することができる。
【0024】
前記の水中探知装置においては、前記メニュー表示制御部は、前記メニューボタンを矩形のアイコンで表示することが好ましい。
【0025】
これにより、メニューボタンを小さいスペースで表示することができる。
【0026】
前記の水中探知装置においては、前記メニュー表示制御部は、前記メニューボタンを前記深度方向に並べて表示することが好ましい。
【0027】
これにより、前記メニューボタンが探知映像の最も古い情報を表示する端部に並べて表示されるので、探知映像の視認性の低下を更に抑えることができる。
【0028】
前記の水中探知装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この水中探知装置は、送受波器と、表示部と、を備える。前記送受波器は、水中に超音波を送信するとともに反射波であるエコー信号を受信する。前記表示部は、前記探知映像表示制御部及び前記メニュー表示制御部が作成した画像を表示する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、魚群探知機(水中探知装置)10の構成を示すブロック図である。
【0031】
魚群探知機10は、水中に向けて超音波を送信するとともに、当該超音波の反射波であるエコー信号を受信する。魚群探知機10は、このエコー信号に基づいて魚群及び海底等の深度を示す探知映像を作成して表示する。以下、魚群探知機10の詳細について説明する。
【0032】
図1に示すように、魚群探知機10は、制御部11と、送信回路12と、送受切替器13と、送受波器14と、受信回路15と、A/D変換器16と、エコー信号保持メモリ17と、表示部18と、操作部19と、を備える。
【0033】
制御部11が備える送信指示部31は、超音波を発生させるタイミング及び超音波の振幅等を指示する信号を作成し、送信回路12へ出力する。
【0034】
送信回路12は、トラップ回路等を備えており、送信指示部31から受けた信号に基づいて、パルス信号を作成し、送受切替器13を介して送受波器14へ出力する。
【0035】
送受波器14は、船底等に取り付けられる振動子であり、送信回路12から受けた信号に基づいて、水中(例えば真下方向)に向けて超音波を送信する。また、送受波器14は、この超音波が魚や海底によって反射した反射波をエコー信号として受信する。送受波器14は、受信したエコー信号を、送受切替器13を介して受信回路15へ出力する。
【0036】
送受切替器13は、送信回路12が出力した信号を送受波器14へ出力するとともに、送受波器14が取得したエコー信号を受信回路15へ出力する。
【0037】
受信回路15は、入力されたエコー信号を増幅する等して、A/D変換器16へ出力する。A/D変換器16は、入力されたエコー信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、制御部11へ出力する。
【0038】
制御部11が備えるエコー信号処理部32は、A/D変換器16から入力されたエコー信号を処理する。具体的には、エコー信号処理部32は、超音波を送信してから受信するまでの時間に基づいて深度を把握し、当該深度に応じたエコー信号の信号レベルを検出する。なお、エコー信号処理部32は、図示しないFPGAやCPU等がプログラムを実行することで実現されている。
【0039】
エコー信号保持メモリ17は、データを保存可能な揮発性又は不揮発性のメモリである。エコー信号保持メモリ17には、エコー信号処理部32が検出した「深度に応じたエコー信号の信号レベル」がエコー信号を送信又は受信したタイミングと対応付けて記憶されている。なお、エコー信号保持メモリ17には、エコー信号処理部32が処理する前のデータが記憶されていても良い。
【0040】
制御部11が備える探知映像表示制御部33は、エコー信号処理部32が検出した「深度に応じたエコー信号の信号レベル」に基づいて探知映像を作成する。探知映像表示制御部33が作成した探知映像は、液晶ディスプレイ等で構成される表示部18に表示される。探知映像は、深度に応じたエコー信号の信号レベルを時系列に並べた(エコー信号の取得順に並べた)映像である。
図2に示すように、探知映像は、縦軸が深度方向であり、横軸が時間軸方向である。魚群探知機10が受信したエコー信号は、信号レベルに応じた色味又は濃淡で表示される。また、超音波の1回の送受信で得られるエコー信号は、探知映像上において所定の幅(時間軸方向の幅)で示される。探知映像表示制御部33は、新たに超音波を送信してエコー信号を受信する毎に、探知映像を時間軸方向の過去側に移動させ、新たな探知映像を時間軸方向の現在側の端部(最も新しい情報を表示する端部)に追加して表示する。
【0041】
また、制御部11が備えるメニュー表示制御部34は、各種の設定を行うメニューボタンを表示する制御、各種の情報(現在の設定値、エコー信号から検出した情報、外部機器から入力された情報)等を表示する制御、及び画面に表示されるポインタ又はカーソル等を移動させる制御も行う。探知映像表示制御部33及びメニュー表示制御部34が生成した画像は、表示部18に表示される。なお、探知映像表示制御部33及びメニュー表示制御部34は、図示しないFPGAやCPU等がプログラムを実行することで実現されている。
【0042】
操作部19は、マウス又はトラックボールであり、画面に表示されるポインタを移動させる操作が可能な装置である。なお、操作部19は、他のポインティングデバイス(タッチパッド付きのキーボード等)であっても良い。また、操作部19は、物理キーに限られず、タッチパネルであっても良い。
【0043】
次に、
図2から
図5を参照して、魚群探知機10の画面について説明する。なお、本明細書において「メニューボタン」の「ボタン」とは、「画面上においてポインタ等で選択するためのグラフィカルユーザインタフェースの一種」である。また、「端部」とは、端だけでなく、その周囲(例えばアイコン1つ程度)を含む概念である。
【0044】
表示部18の画面には、
図2に示すように、探知映像としての魚群エコー41及び海底エコー43が表示されている。魚群エコー41は、超音波が魚群で反射した反射波のエコー信号である。海底エコー43は、超音波が海底で反射した反射波のエコー信号である。
【0045】
また、表示部18の画面には、
図2に示すように、表示物としての、水深表示部61、水深スケール62、及び信号レベルスケール63が探知映像に重畳するように表示されている。水深表示部61には、現在の水深が表示されている。現在の水深は、直近に受信したエコー信号等に基づいて検出されている。水深スケール62は、複数の目盛りで構成されており、エコー信号の深度を示している。水深スケール62は、探知映像の深度範囲が変更されると、それに応じて目盛りの間隔及び数値が変更される。信号レベルスケール63は、信号レベルの強さとエコーの濃淡又は色味等との対応関係を示す表示である。
【0046】
また、表示部18の画面には、
図2に示すように、メインメニューボタン(メニューボタン)51が表示されている。メインメニューボタン51は、矩形の枠及びアイコンから構成されている。メインメニューボタン51は、魚群探知機10の設定を変更したり、様々な機能の実行を指示したりするためのボタンである。メインメニューボタン51は、探知映像の左端部(時間軸方向の過去側の端部、古い情報を表示する端部)であって上端部(深度方向の浅い側の端部)から深度方向に並べて表示されている(換言すれば探知映像の過去側の端部に沿って上端から下方へ並べて表示されている)。メニュー表示制御部34は、ユーザがポインタ91を移動させてメインメニューボタン51を左クリックしたことを検出した場合、当該メインメニューボタン51が選択された(選択が確定されたことを意味する、以下同じ)と判断する。
【0047】
メニュー表示制御部34は、メインメニューボタン51が選択された場合であって、下位のメニューが存在しないときは、選択したメインメニューボタン51に関連付けられた処理を実行する。一方でメインメニューボタン51が選択された場合であって、下位のメニューが存在するときは、
図3に示すように第1下位メニューボタン52を新たに表示する。第1下位メニューボタン52は、メインメニューボタン51を選択する前は表示されないので、探知映像の視認性の低下を防止できる。また、本実施形態では、メインメニューボタン51は深度方向のみに並べて表示され、時間軸方向には並べて表示されていない。従って、探知映像の視認性の低下を防止できる。なお、探知映像は時間の経過に応じて変化し続けているため、探知映像の視認性の低下を防止することは非常に有効である。
【0048】
第1下位メニューボタン52は、メインメニューボタン51と同様に、矩形の枠及びアイコンから構成されている。第1下位メニューボタン52は、上位のメインメニューボタン51の隣であって、メインメニューボタン51の配列方向と垂直な方向(具体的には、時間軸方向)に並べて表示される。メニュー表示制御部34は、ユーザがポインタ91を移動させて第1下位メニューボタン52を左クリックしたことを検出した場合、当該第1下位メニューボタン52が選択されたと判断する。
【0049】
ここで、本実施形態では、階層構造のメニューボタンを表示する場合において、選択待機中(選択を受け付けている間)のメニューボタンより上位のメニューボタンは、探知映像が見えるように半透明で表示される。
図3に示す例では、第1下位メニューボタン52を選択待機中であるため、その上位のメインメニューボタン51が半透明で表示されており、メインメニューボタン51から魚群エコー41が透けて表示されている。上述の特許文献4では最上位及びその下位のメニューボタンを半透明にすることは開示されていないが、本実施形態では最上位及び下位であっても半透明となる。なお、ポインタ91で探知映像をクリックすることで、選択待機が解除され、
図2に示す状態に戻る。
【0050】
メニュー表示制御部34は、第1下位メニューボタン52が選択された場合であって、下位のメニューが存在しない場合は、選択された第1下位メニューボタン52に関連付けられた処理を実行する。一方でメニュー表示制御部34は、第1下位メニューボタン52が選択された場合であって、下位のメニューが存在するときは、
図4に示すように第2下位メニューボタン53を新たに表示する。
【0051】
第2下位メニューボタン53は、メインメニューボタン51等と同様に、矩形の枠及びアイコンから構成されている。第2下位メニューボタン53は、上位の第1下位メニューボタン52の隣であって、第1下位メニューボタン52の配列方向と垂直な方向(具体的には、深度方向の深い側)に並べて表示される。メニュー表示制御部34は、ユーザがポインタ91を移動させて第2下位メニューボタン53が左クリックしたことを検出した場合、当該第2下位メニューボタン53が選択されたと判断する。
【0052】
上述のように、選択待機中のメニューボタンより上位のメニューボタンは、探知映像が見えるように半透明で表示される。従って、
図4に示す例では、メインメニューボタン51及び第1下位メニューボタン52が半透明で表示される。
【0053】
なお、第2下位メニューボタン53よりも下位のメニューが存在する場合、メニュー表示制御部34は、同様に第3下位メニューボタンを時間軸方向に並べて表示する。
【0054】
また、メインメニューボタン51の配列方向の一方側(深度方向の浅い側)には、メインメニューボタン51と隣り合うように切替ボタン55が表示されている。メニュー表示制御部34は、ユーザがポインタ91を移動させて切替ボタン55を左クリックしたことを検出した場合、
図5に示すように、メインメニューボタン51を非表示にしてショートカットボタン57の一覧を表示する。このように、メインメニューボタン51を非表示にすることで、ボタンの表示数を抑えることができるので、探知映像の視認性の低下を抑えることができる。また、切替ボタン55がメインメニューボタン51の近くに配置されるので、操作部19の移動量及びユーザの視線移動を抑えることができる。メニュー表示制御部34は、ショートカットボタン57の一覧の表示中において、ユーザが切替ボタン55を左クリックしたことを検出した場合、ショートカットボタン57を非表示にしてメインメニューボタン51を表示する。なお、切替ボタン55を左クリックする操作に代えて又は加えて、画面上(例えば探知映像上又はメニューボタン上)で右クリックされた場合に、同様の処理が行われても良い。
【0055】
メニューの構成について具体例を挙げると、メインメニューボタン51としては、探知映像設定、画面設定、グラフ表示、音設定、動画設定等がある。探知映像設定の下位としては、ゲイン調整及びノイズ除去等がある。画面設定の下位としては、ディスプレイの分割(後述の
図10)、輝度調整、水深表示部61の設定等がある。輝度調整の更に下位としては、昼間モード及び夜間モードがある。グラフ表示の下位としては、所定の領域に存在する魚の魚体長の分布、水温グラフの表示等がある。
【0056】
ショートカットボタン57は、メインメニューボタン51と同じ位置で同じ方向に並べて表示される。ショートカットボタン57は、メインメニューボタン51、第1下位メニューボタン52、第2下位メニューボタン53からユーザが抽出したメニューボタンである。これにより、頻繁に用いるメニューボタン(特に下位のメニューボタン)をショートカットとして登録することで、メニューボタンの選択を素早くかつ探知映像に重ならないように行うことができる。ショートカットボタン57の表示中は切替ボタン55の表示態様が変化する(具体的には三角のマークの上下の向きが逆になる)。また、ショートカットボタン57を表示する場合、同じ機能を有するメインメニューボタン51等のアイコンに加え、ショートカットであることを示す表示(
図5に示す例では左上の三角マーク)を付加する。これにより、ユーザは、メインメニューボタン51とショートカットボタン57の何れが表示されているかを瞬時に把握することができる。また、メニュー表示制御部34は、ショートカットボタン57が選択された場合であって、当該ショートカットボタン57に下位メニューが存在するときは、当該下位メニューボタンを新たに表示する。
【0057】
また、表示部18の画面には、
図2に示すように、アラームアイコン59が表示されている。アラームアイコン59は、超音波が送受信できない、ネットワークに繋がらない、及び操作部19が動作しない等の場合に点滅等してユーザに知らせるためのものである。
【0058】
次に、
図6から
図8を参照して、ショートカットボタン57の登録方法について説明する。
【0059】
図6は、メインメニューボタン51を選択して第1下位メニューボタン52を表示させている様子を示す図である。この状態から、第1下位メニューボタン52をドラッグ(操作部19の左ボタンを押しながらポインタ91を移動)することで、
図7に示すように、ショートカットボタン57の一覧及びショートカットボタン空き領域57aが表示される。
【0060】
ユーザは、第1下位メニューボタン52をショートカットボタン空き領域57aに移動させることで、この第1下位メニューボタン52をショートカットとして登録することができる(
図8を参照)。なお、メインメニューボタン51及び第2下位メニューボタン53をショートカットとして登録する場合も、同様の操作で登録することができる。なお、ショートカットの登録方法は任意であり、異なる方法で登録可能であっても良い。
【0061】
次に、
図9を参照して、時間軸方向の向きが反対の場合(即ち、過去側が画面の右側になる場合)について説明する。
【0062】
この場合、メインメニューボタン51は、探知映像の右端部(時間軸方向の過去側の端部)に、深度方向に並べて表示される。ユーザは探知映像の新しい情報を優先して確認するため、最も過去側の端部からメニューボタンを並べることで、探知映像の視認性の低下を最小限にすることができる。そのため、本実施形態では、メインメニューボタン51を選択して、探知映像の時間軸方向を変更した場合、メインメニューボタン51の表示位置が変更される。なお、
図9に示す例では、メインメニューボタン51の表示位置の変更に伴い、水深スケール62が左端部(時間軸方向の現在側の端部)に表示されている。
【0063】
次に、
図10を参照して、表示部18に2つの探知映像を表示する場合について説明する。
【0064】
図10には、高周波の超音波を用いて検出された探知映像と、低周波の超音波を用いて検出された探知映像と、を左右に(時間軸方向に)並べて表示している。これらの2つの探知映像は、時間軸方向及び深度方向の向きが等しい。しかし、2つの探知映像で、時間軸方向及び深度方向の向きが異なっていても良い。例えば、2つの探知映像で、左右方向の中央側を時間軸方向の現在側に設定し、左右方向の端側を時間軸方向の過去側に設定しても良い。
【0065】
2つの探知映像を表示する場合において、メインメニューボタン51は何れかの探知映像の時間軸方向の過去側に表示される。本実施形態では、左側の探知映像にメインメニューボタン51が表示されるが、右側の探知映像にメインメニューボタン51が表示されていても良い。また、メインメニューボタン51は、2つの探知映像にそれぞれ表示されていても良い。
【0066】
以上に説明したように、本実施形態の魚群探知機10は、エコー信号処理部32と、探知映像表示制御部33と、メニュー表示制御部34と、を備える。エコー信号処理部32は、水中に送信した超音波の反射波であるエコー信号を取得し、深度に応じたエコー信号の信号レベルを検出する。探知映像表示制御部33は、エコー信号処理部32の検出結果に基づいて、深度に応じたエコー信号の信号レベルを時系列に並べた映像である探知映像を表示部18に表示する。メニュー表示制御部34は、探知映像上であって当該探知映像の最も古い情報を表示する端部(過去側の端部)から深度方向及び時間軸方向の少なくとも何れかの方向にメインメニューボタン51を並べて表示部に表示する。
【0067】
これにより、ユーザは探知映像の古い情報より新しい情報を優先して確認するため、最も古い情報を表示する端部からメニューボタンを並べることで、探知映像の視認性の低下を最小限にすることができる。また、メニューボタンを探知映像上に表示することにより、表示部の画面サイズを有効に活用して探知映像を大きく表示することができる。
【0068】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0069】
上記実施形態で記載した時間軸方向及び深度方向の設定の仕方は一例であり、適宜変更できる。例えば、時間軸方向を画面の上下にして、深度方向を画面の左右にしても良い。この場合、メインメニューボタン51は上下方向の端部から並べて配置される。また、画面に表示される探知映像の数は3つ以上であっても良い。
【0070】
上記実施形態では、メインメニューボタン51は、時間軸方向の過去側の端部において、深度方向に並べて配置されている。これに代えて、メインメニューボタン51は、少なくとも1つが時間軸方向の過去側の端部に位置するように、時間軸方向に並べて配置されていても良い。また、深度方向及び時間軸方向の両方に並べて配置されていても良い。メインメニューボタン51は、矩形(詳細には略正方形)であるが、円形等の別の形状であっても良い。また、メインメニューボタン51はアイコンに限られず、メニューの名称が記載された枠状の表示物であっても良い。
【0071】
上記実施形態では、切替ボタン55は、メインメニューボタン51の上方(深度方向の浅い方)に表示されているが、別の場所に表示されていても良い。例えば、メインメニューボタン51の下方であっても良いし、右方であっても良い。また、ショートカットボタン57は、メインメニューボタン51を非表示にして表示されるが、メインメニューボタン51とショートカットボタン57とを同時に表示しても良い。
【0072】
上記実施形態では、操作部19としてマウスを用いた例を説明したため、メインメニューボタン51等の選択方法としてポインタ91の移動及び左クリックを用いる例を説明したが、上記で挙げた別の装置を用いる場合は、当該装置に応じた選択方法が用いられる。
【0073】
上記実施形態では、左右方向(時間軸方向)において、画面の端と探知映像の端とが一致しているが、必ずしも一致していなくても良い。例えば、探知映像と別の映像を左右に並べて表示する場合、画面の端と探知映像の端とは一致しない。
【0074】
上記実施形態では、表示部18は主として魚群探知機10の探知映像のみを表示するが、他の航海機器(レーダ装置、航法装置等)が作成した映像を更に表示する構成であっても良い。また、操作部19は、主として魚群探知機10に関する操作を行うためのものであるが、他の航海機器に関する操作を更に行うためのものであっても良い。
【0075】
本実施形態では、主として魚群を探知する魚群探知機10に本発明を適用する例を示したが、探知する対象は魚群に限られず、例えば沈んだ船舶、水産資源、海底の形状等であっても良い。