特許第6670108号(P6670108)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ドミトリー・ゴッサブの特許一覧 ▶ デニス・スパシュクの特許一覧

特許6670108水素化および脱水素法のためのアミノ−ホスフィンリガンドに基づく錯体触媒
<>
  • 特許6670108-水素化および脱水素法のためのアミノ−ホスフィンリガンドに基づく錯体触媒 図000045
  • 特許6670108-水素化および脱水素法のためのアミノ−ホスフィンリガンドに基づく錯体触媒 図000046
  • 特許6670108-水素化および脱水素法のためのアミノ−ホスフィンリガンドに基づく錯体触媒 図000047
  • 特許6670108-水素化および脱水素法のためのアミノ−ホスフィンリガンドに基づく錯体触媒 図000048
  • 特許6670108-水素化および脱水素法のためのアミノ−ホスフィンリガンドに基づく錯体触媒 図000049
  • 特許6670108-水素化および脱水素法のためのアミノ−ホスフィンリガンドに基づく錯体触媒 図000050
  • 特許6670108-水素化および脱水素法のためのアミノ−ホスフィンリガンドに基づく錯体触媒 図000051
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670108
(24)【登録日】2020年3月3日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】水素化および脱水素法のためのアミノ−ホスフィンリガンドに基づく錯体触媒
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/58 20060101AFI20200309BHJP
   B01J 31/24 20060101ALI20200309BHJP
   B01J 31/30 20060101ALI20200309BHJP
   C01B 3/04 20060101ALI20200309BHJP
   C01B 3/22 20060101ALI20200309BHJP
   C07F 9/46 20060101ALI20200309BHJP
   C07C 29/141 20060101ALI20200309BHJP
   C07C 29/145 20060101ALI20200309BHJP
   C07C 29/149 20060101ALI20200309BHJP
   C07C 33/22 20060101ALI20200309BHJP
   C07C 31/125 20060101ALI20200309BHJP
   C07C 33/025 20060101ALI20200309BHJP
   C07C 33/05 20060101ALI20200309BHJP
   C07C 33/14 20060101ALI20200309BHJP
   C07C 33/20 20060101ALI20200309BHJP
   C07C 35/18 20060101ALI20200309BHJP
   C07C 35/28 20060101ALI20200309BHJP
   C07C 33/02 20060101ALI20200309BHJP
   C07C 35/21 20060101ALI20200309BHJP
   C07F 15/00 20060101ALN20200309BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20200309BHJP
【FI】
   C07F9/58 ZCSP
   B01J31/24 Z
   B01J31/30 Z
   C01B3/04 Z
   C01B3/22 A
   C01B3/22 Z
   C07F9/46
   C07C29/141
   C07C29/145
   C07C29/149
   C07C33/22
   C07C31/125
   C07C33/025
   C07C33/05 A
   C07C33/14
   C07C33/20
   C07C35/18
   C07C35/28
   C07C33/02
   C07C35/21
   !C07F15/00 A
   !C07F15/00 D
   !C07B61/00 300
【請求項の数】28
【全頁数】53
(21)【出願番号】特願2015-561871(P2015-561871)
(86)(22)【出願日】2014年3月17日
(65)【公表番号】特表2016-520512(P2016-520512A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(86)【国際出願番号】CA2014050280
(87)【国際公開番号】WO2014139030
(87)【国際公開日】20140918
【審査請求日】2017年2月20日
(31)【優先権主張番号】61/792,949
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514041797
【氏名又は名称】ドミトリー・ゴッサブ
(73)【特許権者】
【識別番号】514041801
【氏名又は名称】デニス・スパシュク
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】ドミトリー・ゴッサブ
(72)【発明者】
【氏名】デニス・スパシュク
【審査官】 岡谷 祐哉
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/048727(WO,A1)
【文献】 特表2008−537946(JP,A)
【文献】 特開2001−294594(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/023307(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0323007(US,A1)
【文献】 SGRO, Michael J. , et al.,Dalton Transactions,2012年,41(22),pp. 6791-6802
【文献】 SGRO, Michael J. , et al.,Organometallics,2012年,31(5),pp. 1584-1587
【文献】 BENDAYAN, Andree, et al.,Journal of Organometallic Chemistry ,1987年,326(2),pp. 289-297
【文献】 DURAP, Feyyaz, et al.,Comptes Rendus Chimie ,2013年,16(4),pp. 363-371
【文献】 POWELL, John, et al.,Organometallics,1989年,8(12),pp. 2942-2947
【文献】 SGRO, Michael J. , et al.,Dalton Transactions,2013年 5月31日,42(29),pp. 10460-10472
【文献】 ELMA, Duygu, et al.,Journal of Organometallic Chemistry,2013年 4月 1日,729,pp. 46-52
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Aまたは式Icの構造を有し、
【化1】
【化2】
式AまたはIc中、
、R、R、およびRの各々はそれぞれ独立して、H、置換もしくは非置換直鎖もしくは分枝C〜C12アルキル、置換もしくは非置換環状C〜C12アルキル、置換もしくは非置換C〜C12アルケニル、あるいは置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリール基である、あるいはそれらが結合している原子と一緒になった場合、R、R、R基のいずれか2つは、場合によって置換されていてもよい飽和もしくは部分飽和シクロアルキル、または場合によって置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリールを形成する;
Wは酸素原子またはNH基である;
W’は酸素原子または窒素原子である;
破線は、存在して1つの二重結合の存在を示すか、または存在しないかのいずれかである;
前記式A中、Rは、存在しない、H、置換もしくは非置換直鎖または分枝C〜C12アルキル、置換もしくは非置換環状C〜C12アルキル、置換もしくは非置換C〜C12アルケニル、あるいは置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基である;
前記式Ic中、Rは、H、置換もしくは非置換直鎖または分枝C〜C12アルキル、置換もしくは非置換環状C〜C12アルキル、置換もしくは非置換C〜C12アルケニル、あるいは置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基である;
R’は、Rと一緒になり、R’およびRが結合している原子と、置換もしくは非置換ヘテロアリールである環を形成する;
nおよびmは各々独立して、1または2の整数である;
アリールは、6〜50個の炭素原子を含む;そして、
ヘテロアリールは、O、S、およびNからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子に加えて、4〜8個の炭素原子を含む化合物。
【請求項2】
前記ヘテロアリールは、ピリジル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリルおよびオキサゾリルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式Ia、Ib、またはIcの構造
【化3】
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
nが1である、またはmが1である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
nおよびmがどちらも1である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
式I
【化4】
の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
遷移金属に配位する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
前記遷移金属が7族金属、8族金属、9族金属、または10族金属である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
前記遷移金属がRuまたはOsである、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
式IV
M(PWNN)XY (IV)
の金属錯体であって、
式中、Mは遷移金属であり、前記7族金属、前記8族金属、および、前記9族金属から選択される;;
各Xは、同時にまたは独立して、水素またはハロゲン原子、C〜Cアルキルラジカル、ヒドロキシル基、またはC〜Cアルコキシラジカルを表す;
Yは、CO、NO、カルベン、イソニトリル、ニトリル、ホスファイト、ホスフィナイト、またはホスフィンである;
kは1または2の整数である;そして
PWNNが、式Aまたは式Ic
【化5】
によって表されるリガンドであり、
式中、
、R、R、およびRの各々はそれぞれ独立して、H、置換もしくは非置換直鎖もしくは分枝C〜C12アルキル、置換もしくは非置換環状C〜C12アルキル、置換もしくは非置換C〜C12アルケニル、または置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基である、あるいはそれらが結合している原子と一緒になった場合、R、R、R基のうちのいずれか2つは、場合によって置換されていてもよい飽和もしくは部分飽和シクロアルキル、または場合によって置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリールを形成する;
Wは酸素原子またはNH基である;
W’は酸素または窒素原子である;
破線は、存在して1つの二重結合の存在を示すか、または存在しないかのいずれかである;
前記式A中、Rは、存在しない、H、置換もしくは非置換直鎖もしくは分枝C〜C12アルキル、置換もしくは非置換環状C〜C12アルキル、置換もしくは非置換C〜C12アルケニル、または置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基である;
前記式Ic中、Rは、H、置換もしくは非置換直鎖もしくは分枝C〜C12アルキル、置換もしくは非置換環状C〜C12アルキル、置換もしくは非置換C〜C12アルケニル、または置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基である;
R’は、Rと一緒になり、R’およびRが結合している原子と、置換もしくは非置換ヘテロアリールである環を形成する;そして
nおよびmは各々独立して、1または2の整数であり、
PWNNリガンドにおいて、W’は窒素原子であり、
式IVの金属錯体は中性またはカチオン性のいずれかであり、
アリールは、6〜50個の炭素原子を含み、
ヘテロアリールは、O、S、およびNからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子に加えて、4〜8個の炭素原子を含む、金属錯体。
【請求項11】
前記ヘテロアリールは、ピリジル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリルまたはオキサゾリルから選択される、請求項10に記載の金属錯体。
【請求項12】
前記PWNNリガンドが、式Ia、Ib、またはIc
【化6】
の構造を有する、請求項11に記載の金属錯体。
【請求項13】
nが1である、またはmが1である、請求項10〜12のいずれか1項に記載の金属錯体。
【請求項14】
nおよびmがどちらも1である、請求項13に記載の金属錯体。
【請求項15】
式I
【化7】
の構造を有するPWNNリガンドを含む、請求項10に記載の金属錯体。
【請求項16】
MがRuまたはOsである、請求項10に記載の金属錯体。
【請求項17】
Yは、ホスフィンであり、PMe3、PPh3、PCy3およびP(iPr)3から選択される、
請求項10に記載の金属錯体。
【請求項18】
【化8】
である、請求項10に記載の金属錯体。
【請求項19】
基質の水素化のための方法であって、加圧下において水素を用いて、前記基質を、触媒量の請求項10〜18のいずれか1項に記載の金属錯体で処理することを含む、方法。
【請求項20】
前記基質を、触媒量の前記金属錯体で、塩基、溶媒または両者の存在下で処理する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記処理ステップを、0℃〜200℃の反応温度で実施する、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記基質が、少なくとも1つエステル、エナール、エノン、またはエノレート部分を有する、請求項1921のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
以下のスキーム:
【化9】
のうちの1つにしたがって進行し、式中、G、G、G、G、GおよびG基は同時にまたは独立して、直鎖、分枝C〜C40もしくは環状C〜C40アルキル、アルケニルまたは芳香族基であって、場合によって置換されていてもよい、請求項1922のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記水素化反応の前記基質および生成物対が:
【表1】
からなる群から選択される、請求項1921のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
金属錯体の前記触媒量が、10〜1000ppmである、請求項1924のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記水素圧力が、1〜200barである、請求項1925のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記水素化が位置選択的に、化学選択的に、および/または立体選択的に進行する、請求項1926のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記方法が、溶媒、塩基または両者の不在下で実施される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、その全体が参照により本明細書中でその内容が援用される、2013年3月15日に出願された、米国特許仮出願第61/792,949号明細書の利益を請求する。
【0002】
本発明は触媒に関する。さらに詳細には、本発明は水素化および脱水素反応で有用な触媒に関する。
【背景技術】
【0003】
序論
極性C=X(式中、XはOまたはNである)結合の還元は最も基本的な有機反応の1つであり、様々な有機アルコールおよびアミンの合成にとって有用である。エステルおよびイミンの還元は、典型的には主族水素化物試薬、例えばLiAlHを使用して、または分子水素を使用して達成される。水素化物還元試薬の使用は、特に大規模では不都合であり、また費用がかかり、さらに、このアプローチは大量の化学廃棄物を生じる。水素化物還元法はクエンチングの段階で危険なほどに発熱性である可能性があり、制御が困難である可能性がある。したがって、水素ガス下でのエステルの接触還元は、比較上、古典的な水素化物還元の可能な「環境にやさしい」代替手段である。
【0004】
エステルの分子水素での還元の重要な態様は、分子水素と急速に結合し、分裂して、遷移金属水素化物を得ることができる過程で使用される触媒系である。ラクトン、エステル、油、および脂肪の水素化のための高効率かつ有用な触媒および触媒系の開発は、化学分野で重要であるが、現在のところ満たされていないニーズである。特に興味深いのは、20〜100℃の温度範囲で動作し、比較的低いH圧力(1〜50バール)下で500ppm(0.05モル%)未満の触媒を使用する水素化過程の開発である。水素ガス下でエステルおよびラクトンをアルコールおよびジオールに変えることができる少数の触媒および触媒系のうち、現在、最も有用かつ効率的なのは、ルテニウムと二座配位ホスフィン−アミンおよび四座配位ホスフィン−イミンリガンドとの錯体である(それぞれその全体が参照により本明細書中で援用される、米国特許出願公開第2010/0280273号明細書、国際公開第2012/052996号、およびAngew.Chem.Int.Ed.2007,46,7473で記載)。これらの文献は、500〜1000ppm(0.05〜0.1モル%)のルテニウム触媒充填を記載しているが、開示された方法は、比較的効率が悪いという問題を抱え(100〜110℃でも低い転換数)、多くの場合、大量の塩基(5〜10モル%)、例えばNaOMeを必要とし、それによって生成物選択性が低下し、大量の化学廃棄物が生じる(生成物中和の必要性および大規模の精製に起因する)。
【0005】
さらに、高いカルボニル選択性を有する強固なH水素化触媒の開発は、特に低触媒充填(例えば、10を超える基質対金属比)の用途にとって、長期にわたる課題であった。ある種の不飽和カルボニル(図1を参照のこと)は触媒条件下でC=C結合水素化および異性化を特に受けやすい。残念なことに、商業的に重要な合成および天然化学物質、フレーバーおよび香料、ならびに植物油の不飽和脂肪酸誘導体の多くの前駆体は、そのような非特異的C=C結合水素化および異性化を受けやすい。
【0006】
90年代に、Noyoriおよび共同研究者らは、塩基性2−プロパナールに適用される、2つのリンおよび2つの窒素ドナーを含む6配位RuCl種を含む、エナールおよびエノンの化学選択的水素化のための効率的な触媒系を発見した。その後、二座配位、三座配位、および四座配位リガンドとして様々な組み合わせでNおよびPドナーを有するノヨリ型のRu(II)触媒を調査することを目的とした研究努力が続けられてきた。ごく最近、この研究は四座配位アミノチオエーテル(SNNS)リガンドとの塩化Ru(II)錯体にうまく拡張された(その全体が参照により本明細書中で援用される、R. Patchett,I.Magpantay,L.Saudan,C.Schotes,A.Mezzetti,F.Santoro,Angew.Chem.Int.Ed.2013,52,10352−10355)。
【0007】
化学選択性は、それ自体困難な反応であるエステルの水素化で達成することがなお一層困難であり、効率的な触媒はほとんど知られておらず、最近になってようやく利用可能になっただけである:MilsteinのRu−PNN触媒(触媒I、図2);工業用Ru−PN、PNP、PNNP触媒(触媒II、III、IV、図2)、およびGusevのOs−PNN触媒(触媒V、図2)。不飽和カルボニルの水素化のためのさらなる高選択性触媒および触媒系ならびに/または改善された高選択性触媒および触媒系の開発は、依然として化学における重要なニーズである(R.A.Sheldon,Chem.Soc.Rev.2012,41,1437−1451)。
【0008】
水素産生のための環境にやさしい化学的過程の開発およびバイオマスの使用は、近年多くの注目を集めてきた。さらに、第一級アルコールのアクセプターレス(acceptorless)脱水素カップリングは、エステル、イミン、アミン、またはアミドを産生する興味深い変換である。アルコールの無オキシダント接触脱水素は化学産業にとって非常に重要である。バイオアルコール(主にエタノール)の脱水素における重大な進歩は、不均一系触媒で達成されたが、その代わり極端な反応条件、すなわち高温(>200℃)および高圧を使用した。したがって、穏やかな条件下でのアルコール脱水素のための明確に定義された均一系触媒を設計することは、重要な科学的および実践目標である。Cole−Hamiltonおよび共同研究者らが、2時間後、TOF=210h−1を達成するために過剰のNaOH、高温(150℃)、および強い光源が必要であった、[RuH(N)(PPh]によって触媒されたエタノールの脱水素を示してから、第一級アルコールのアクセプターレス脱水素の分野ではほとんど進歩がない(D.Morton,D.J.Cole−Hamilton,I.D.Utuk,M.Paneque−Sosa,M.Lopez−Poveda,J.Chem.Soc.DaltonTrans.1989,489;D.Morton,D.Cole−Hamilton,J.Chem.Soc.Chem.Commun.1988,1154;およびD.Morton,D.J.Cole−Hamilton,J.Chem.Soc.Chem.Commun.1987,248)。近年では、本発明者らの研究以外で、Milsteinおよび共同研究者ら(概説については:D.Milstein,Top.Catal.2010,53,915を参照のこと)およびBeller(Angew.Chem.,Int.Ed.2012,51,5711)によって公表されたシステムなどの、第一級アルコールのアクセプターレス脱水素カップリングのためのわずかな均一触媒が開発され、また研究されている。しかしながら、Ru−MACHOを除いてこれらの触媒のほとんどは、例えば、エタノールおよびプロパナールをそれぞれ水素および酢酸エチルおよびプロピオン酸プロピルに変えるために、100℃より低い温度で不活性である。
【0009】
したがって、例えば、天然源由来のエステル、ラクトン、ならびに油脂の水素化のための効率的かつ実際的な金属触媒であって、比較的低い反応温度および水素圧力を使用して塩基を含まない条件下で機能できる金属触媒が依然として必要とされている。さらに、不飽和カルボニル化合物のカルボニル官能基を化学選択的に水素化できる触媒および触媒系が依然として必要とされる。水素ガスの形成を伴う、アルコールおよびジオールからのエステルおよびラクトンの環境にやさしい製造のための、穏やかで、好ましくは中性反応条件下での効率的なアルコール脱水素が可能な実用的な触媒も依然として必要とされる。
【0010】
上記情報は、本出願者が本発明に関連する可能性があると考えるデータを公表するために提供する。前記情報のいずれも、本発明に対する先行技術を構成するものであることを必ずしも意味するものではなく、またそのように解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0011】
本発明の1つの目的は、位置選択的、化学選択的、および/または立体選択的水素化および/または脱水素化に有用な触媒錯体を提供することである。本発明のもう1つの目的は、エステル、ケトン、エナール、エノン、エノエート、植物油および種子油、複数のエステル基を有するエステルおよびイミンの接触水素化、ならびにアルコールおよびアミンの接触脱水素に有用なP−W−N−W’リガンドを含む金属錯体を提供することである。
【0012】
本願の1つの態様によると、式A
【化1】
の化合物が提供され
式中、
、R、R、およびRの各々はそれぞれ独立して、H、置換もしくは非置換直鎖もしくは分枝C〜C12アルキル(例えば、C〜CアルキルまたはC〜C12アルキル)、置換もしくは非置換環状C〜C12アルキル(例えば、環状C〜Cアルキルまたは環状C〜C12アルキル)、置換もしくは非置換C〜C12アルケニル(例えば、C〜CアルケニルまたはC〜C12アルケニル)、または置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基である、あるいはそれらが結合している原子と一緒になった場合、R、R、R基のうちのいずれか2つは、場合によって置換されていてもよい飽和もしくは部分飽和シクロアルキル、または場合によって置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリールを形成する;
Wは酸素原子またはNH基である;
W’は酸素原子または窒素原子である;
破線は、存在して1つの二重結合の存在を示すか、または存在しないかのいずれかである;
Rは、存在しない、H、置換もしくは非置換直鎖もしくは分枝C〜C12アルキル(例えば、C〜CアルキルまたはC〜C12アルキル)、置換もしくは非置換環状C〜C12アルキル(例えば、環状C〜Cアルキルまたは環状C〜C12アルキル)、置換もしくは非置換C〜C12アルケニル(例えば、C〜CアルケニルまたはC〜C12アルケニル)、あるいは置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリール基である;
R’は、H、置換もしくは非置換直鎖もしくは分枝C〜C12アルキル(例えば、C〜CアルキルまたはC〜C12アルキル)、置換もしくは非置換環状C〜C12アルキル(例えば、環状C〜Cアルキルまたは環状C〜C12アルキル)、置換もしくは非置換C〜C12アルケニル(例えば、C〜CアルケニルまたはC〜C12アルケニル)、あるいは置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリール基、PRであるか、あるいはRおよびそれらが結合している原子と一緒になった場合、置換もしくは非置換ヘテロアリールを形成する;そして
nおよびmは各々独立して、1または2の整数である。
【0013】
一実施形態にしたがって、式中、R’がPRである場合、RはHである、またはRおよびR’がヘテロアリールの一部を形成しない場合、RはHである、式(A)の化合物が提供される。別の実施形態によると、R’が、Rおよびそれらが結合している原子と一緒になって、置換または非置換ヘテロアリール、例えばピリジル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリルまたはオキサゾリルを形成する、式(A)の化合物が提供される。
【0014】
別の実施形態によると、式Ia、Ib、またはIcの構造
【化2】
を有する化合物が提供される。
【0015】
別の実施形態によると、nが1である、またはmが1である、またはnおよびmの両方が1である式(A)、(Ia)、(Ib)、および(Ic)の化合物が提供される。
【0016】
別の実施形態によると、式I、式IIまたは式III
【化3】
の構造を有する化合物が提供され、ここで、式II中、Rは不在ではなく、そして式III中、W’は酸素原子であり、且つRは存在しない、またはW’は窒素原子であり、且つRはHである。
【0017】
別の実施形態によると、場合によって7族(マンガン族)、8族(鉄族)、9族(コバルト族)、または10族(ニッケル基)のものであってよく、好ましくはRuもしくはOsである遷移金属と配位した式(A)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(I)、(II)、および(III)の化合物が提供される。
【0018】
別の態様によると、式IVまたはV
M(PWNN)XY (IV)
M(PWNWP)XY (V)
の金属錯体が提供され、
式中、Mは遷移金属である;
各Xは、同時にまたは独立して、水素またはハロゲン原子、C〜Cアルキルラジカル、ヒドロキシル基、またはC〜Cアルコキシラジカルを表す;
Yは、CO、NO、カルベン、イソニトリル、ニトリル、ホスファイト、ホスフィナイト、またはホスフィン、例えば、PMe、PPh、PCy、P(iPr)である;
kは1または2の整数である;そして
PWNNおよびPWNWPは、式A
【化4】
によって表されるリガンドであり、
式中、
、R、R、およびRの各々はそれぞれ独立して、H、置換もしくは非置換直鎖もしくは分枝C〜C12アルキル(例えば、C〜CアルキルまたはC〜C12アルキル)、置換もしくは非置換環状C〜C12アルキル(例えば、環状C〜Cアルキルまたは環状C〜C12アルキル)、置換もしくは非置換C〜C12アルケニル(例えば、C〜CアルケニルまたはC〜C12アルケニル)、あるいは置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリール基である、あるいはそれらが結合している原子と一緒になった場合、R、R、R基のうちのいずれか2つは、場合によって置換されていてもよい飽和もしくは部分飽和シクロアルキル、または場合によって置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリールを形成する;
Wは酸素原子またはNH基である;
W’は酸素または窒素原子である;
破線は存在して1つの二重結合の存在を示すか、または存在しないかのいずれかである;
Rは、存在しない、H、置換もしくは非置換直鎖もしくは分枝C〜C12アルキル(例えば、C〜CアルキルまたはC〜C12アルキル)、置換もしくは非置換環状C〜C12アルキル(例えば、環状C〜Cアルキルまたは環状C〜C12アルキル)、置換もしくは非置換C〜C12アルケニル(例えば、C〜CアルケニルまたはC〜C12アルケニル)、あるいは置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリール基である;
R’は、H、置換もしくは非置換直鎖もしくは分枝C〜C12アルキル(例えば、C〜CアルキルまたはC〜C12アルキル)、置換もしくは非置換環状C〜C12アルキル(例えば、環状C〜Cアルキルまたは環状C〜C12アルキル)、置換もしくは非置換C〜C12アルケニル(例えば、C〜CアルケニルまたはC〜C12アルケニル)、あるいは置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリール基、PRであるか、あるいはRおよびそれらが結合している原子と一緒になった場合、置換もしくは非置換ヘテロアリールを形成する;そして
nおよびmは各々独立して、1または2の整数であり、
ここで、PWNNリガンドにおいて、W’は窒素原子であり、PWNWPリガンドにおいて、W’は酸素または窒素原子であり、R’はPRである、そして
式IVまたはVの金属錯体は中性またはカチオン性のいずれかである。
【0019】
別の実施形態によると、PWNNリガンドを含む式(IV)または(V)の金属錯体が提供され、式中、R’は、Rおよびそれらが結合している原子と一緒になって、置換もしくは非置換ヘテロアリール、例えばピリジル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリルまたはオキサゾリルを形成する。
【0020】
別の実施形態によると、式中、PWNNリガンドが式Ia、Ib、またはIc
【化5】
の構造を有する、式(IV)または(V)の金属錯体が提供される。
【0021】
別の実施形態によると、式(A)、(Ia)、(Ib)、および/または(Ic)の化合物との式(IV)または(V)の金属錯体が提供され、式中、nは1であるか、またはmは1であるか、またはnおよびmの両方が1である。
【0022】
別の実施形態によると、式Iまたは式II
【化6】
(式II中、Rは不在ではない)
の構造を有するPWNNリガンド;または
式III
【化7】
(式中、W’が酸素原子である場合、Rは存在せず、W’が窒素原子である場合、RはHである)
の構造を有するPWNWPリガンド
を含む、式(IV)または(V)の金属錯体が提供される。
【0023】
別の実施形態によると、式(IV)または(V)の金属錯体が提供され、式中、Mは7族(マンガン族)金属、8族(鉄族)金属、9族(コバルト族)金属、または10族(ニッケル族)金属であり;好ましくは、MはRuまたはOsである。
【0024】
別の実施形態によると、以下の構造:
【化8】
を有する式(IV)または(V)の金属錯体が提供される。
【0025】
別の態様によると、基質の脱水素のための過程であって、触媒量の本明細書中で記載する金属錯体のいずれか1つで基質を処理することを含む過程が提供される。
【0026】
別の実施形態によると、基質を触媒量の金属錯体で、塩基、溶媒もしくは両者の存在下、および/または約0℃〜約250℃もしくは約50℃〜約150℃、もしくは約50℃〜約100℃、もしくは約50℃〜約75℃の反応温度にて処理する、脱水素化のための過程が提供される。
【0027】
別の実施形態によると、脱水素化のための過程が提供され、ここで、基質は少なくとも1つのアルコール部分を有する;または場合によって次式:
【化9】
の化合物であってもよく、式中、Rは置換もしくは非置換アルキルまたは置換もしくは非置換アリールである;あるいは脱水素化を受けるアミノ基を含む。
【0028】
別の実施形態によると、脱水素化のための過程が提供され、ここで、基質は脱水素化を受ける1つより多いヒドロキシル部分を含む。
【0029】
別の実施形態によると、脱水素化のための過程が提供され、ここで、脱水素反応の基質および生成物対は以下のものからなる群から選択される:
【表1】
【0030】
別の実施形態によると、脱水素化のための過程が提供され、ここで、金属錯体の触媒量は、10〜1000pm、または10〜500ppm、または10〜250ppm、または10〜100ppm、または10〜50ppmである。
【0031】
別の実施形態によると、Hを産生するために利用される、脱水素化のための過程が提供される。
【0032】
別の態様によると、Hを産生するための過程であって、基質を触媒量の前記金属錯体のいずれか1つで処理することによって基質を脱水素することを含む過程が提供される。
【0033】
別の実施形態によると、Hを産生するための過程であって、基質がアルコールもしくはアミンを含むか、または基質がアンモニア−ボランである、過程が提供される。
【0034】
別の実施形態によると、水素アクセプターを必要としない;および/または均一過程である、Hを産生する過程が提供される。
【0035】
別の態様によると、基質の水素化のための過程であって、水素圧力下で、本明細書中で記載される金属錯体のいずれか1つで基質を処理することを含む過程が提供される。
【0036】
別の実施形態によると、水素化のための過程であって、基質を触媒量の金属錯体で、塩基、溶媒、もしくは両者の存在下;および/または約0℃〜約200℃、もしくは約20℃〜約100℃、もしくは約20℃〜約75℃、もしくは約20℃〜約50℃の反応温度で処理する過程が提供される。
【0037】
別の実施形態によると、水素化のための過程であって、基質が少なくとも1つエステル、エナール、エノン、またはエノレート部分を有する過程が提供される。
【0038】
別の実施形態によると、水素化のための過程であって、以下のスキームの1つにしたがって進行する過程が提供される:
【化10】

【化11】

(式中、G、G、およびG基は同時にまたは独立して、直鎖、分枝C〜C40もしくは環状C〜C40アルキル、アルケニルまたは芳香族基であって、場合によって置換されていてもよいものを表す)。
【0039】
別の実施形態によると、水素化のための過程であって、水素化反応の基質および生成物対が次のものからなる群から選択される過程が提供される:
【表2】
【0040】
別の実施形態によると、金属錯体の触媒量が約10〜約1000pm、または約10〜約500ppm、または約10〜約250ppm、または約10〜約100ppm、または約10〜約50ppmである水素化のための過程が提供される。
【0041】
別の実施形態によると、水素圧力が約1〜約200bar、または約1〜約150bar、または約1〜約100bar、または約1〜約70bar、または約1〜約50barである水素化のための過程が提供される。
【0042】
別の実施形態によると、水素化が位置選択的に、化学選択的に、および/または立体選択的に進行する、水素化のための過程が提供される。
【0043】
別の実施形態によると、脱水素化、H産生、および/または水素化のための過程であって、溶媒、塩基または両者の不在下で進行する過程が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明をよりよく理解するために、そしてどのように実施するかをより明らかに示すために、一例として、本発明の実施形態による態様および特徴を説明する添付の図面を参照する。
図1図1は、G4〜6が以下で定義するとおりである不飽和カルボニル化合物の例を示す。
図2図2は、現在最もよく知られている均一エステル水素化触媒を示す。
図3図3は、錯体3(左)および4(右)のORTEPプロットを示す。熱振動楕円体は50%であり、明確にするためにほとんどの水素原子は図示しない。
図4図4は、キリ油エステル交換生成物、および関連する13C NMRスペクトルを示す。
図5図5は、本明細書中で開示される錯体によるエノレート水素化のための一連の実行可能な基質を示す。
図6図6は、本明細書中で開示される錯体によるエナールおよびエノン水素化のための一連の実行可能な基質を示す。
図7図7は、本明細書中で開示される錯体によるエノン基質の化学選択的および立体選択的水素化を表す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
定義
特に別段の定めのない限り、本明細書中で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の通常の技術者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。
【0046】
本明細書中および特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。
【0047】
「含む(comprising)」という語は、本明細書中で用いられる場合、後に続くリストが非包括的であり、他のさらなる好適な項目、例えば1以上のさらなる特徴、成分および/または構成成分を必要に応じて含んでも、含まなくてもよいことを意味すると理解される。
【0048】
本明細書中で用いられる場合、「ヘテロ原子」は、非水素および非炭素原子、例えば、O、S、およびNを指す。
【0049】
本明細書中で用いられる場合、「アルキル」は、直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和炭化水素基を指し、これらは非置換であり得るか、または場合によって1以上の置換基で置換されていてもよい。飽和直鎖または分岐鎖アルキル基の例としては、限定されるものではないが、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチルおよび2−エチル−1−ブチル、1−ヘプチルおよび1−オクチルが挙げられる。本明細書中で用いられる場合、「アルキル」という語は、環状アルキル、またはシクロアルキル基を包含する。
【0050】
「シクロアルキル」という語は、本明細書中で用いられる場合、少なくとも3個の炭素原子を含む非芳香族、飽和単環式、二環式または三環式炭化水素環系を指す。C〜C12シクロアルキル基の例としては、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ノルボルニル、アダマンチル、ビシクロ[2.2.2]オクト−2−エニル、およびビシクロ[2.2.2]オクチルが挙げられる。
【0051】
本明細書中で用いられる場合、「アルケニル」は、直鎖、分枝または環状であり、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む炭化水素部分を意味し、これは非置換であり得るか、または1以上の置換基で場合によって置換され得る。
【0052】
本明細書中で用いられる場合、「アルキニル」は、直鎖、分枝または環状であり、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む炭化水素部分を意味し、これは非置換であり得るか、または1以上の置換基で場合によって置換され得る。
【0053】
本明細書中で用いられる場合、「アリール」は、6〜100個の炭素原子を有する不飽和芳香族炭素環基であるか、または縮合環系であってもなくてもよいベンゼンもしくはベンゼン誘導体から誘導される炭化水素を指す。いくつかの実施形態では、アリールは6〜50個の炭素原子を含み、他の実施形態では、6〜25個の炭素原子、そして更に別の実施形態では、6〜15個の炭素原子、または5〜8個の炭素原子を含む。アリールは、1つの環または複数の環を有し得る。「アリール」という語はまた、本明細書中で用いられる場合、置換アリールも含む。例としては、限定されるものではないが、フェニル、ナフチル、キシレン、フェニルエタン、置換フェニル、置換ナフチル、置換キシレン、置換4−エチルフェニルおよびその他が挙げられる。
【0054】
本明細書中で用いられる場合、「ヘテロアリール」は、1以上の共役芳香環中に少なくとも1つのヘテロ原子を有する置換もしくは非置換芳香環を含む部分を意味する。1つの実施形態では、ヘテロアリールは、少なくとも1つのヘテロ原子に加えて、4から8個の炭素原子を含む。本明細書中で用いられる場合、「ヘテロ原子」は、非炭素および非水素原子、例えばO、S、およびNを指す。ヘテロアリール部分の例としては、ピリジル、フラニルおよびチエニルが挙げられる。
【0055】
本明細書中で用いられる場合、「アルキレン」は二価アルキルラジカル、例えば−C2f−(式中、fは整数である)を意味する。
【0056】
本明細書中で用いられる場合、「アルケニレン」は、二価アルケニルラジカル、例えば−CHCH−を意味する。
【0057】
本明細書中で用いられる場合、「ハロゲン」または「ハロ」は、F、Cl、BrまたはIを指す。「ハライド」という語は負電荷を有するハロゲン原子を指す。
【0058】
本明細書中で用いられる場合、「置換された」とは、その存在が所望の反応または反応性を妨害しない1以上の置換基を有することを意味する。置換基の例としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−ハライド、ヘテロアリール、シクロアルキル(非芳香環)、Si(アルキル)、Si(アルコキシ)、ハロ、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アミド、アミジン、ヒドロキシル、チオエーテル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カーボネート、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスフェートエステル、ホスホナート、ホスフィナート、シアノ、アシルアミノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、ジチオカルボキシレート、スルフェート、スルフェート(sulfato)、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、ニトリル、アジド、ヘテロシクリル、エーテル,エステル、ケイ素含有部分、チオエステル、またはそれらの組み合わせが挙げられる。置換基はそれ自体置換されていてもよい。例えば、アミノ置換基はそれ自体、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−ハライドおよびヘテロアリールシクロアルキル(非芳香環)などの前記定義のさらなる置換基で一置換または独立して二置換されていてもよい。
【0059】
本願は、接触水素化(還元)の過程で有用な触媒を提供する。接触過程は、エステル、ラクトン、エナール、エノンおよびエノエート基などの、水素化されて対応するアルコール、ジオール、トリオールまたはアミン生成物などの対応する還元部分を得ることができる、1以上の部分を有するC〜C(例えば、n=3〜200)基質の水素化で有用である。いくつかの実施形態では、前記エステル、ラクトン、エナール、エノンおよびエノエート基のカルボニル官能基の水素化は、化学選択的および/または位置選択的に進行する。他の実施形態では、前記エステル、ラクトン、エナール、エノンおよびエノエート基のカルボニル官能基の水素化は立体選択的に進行する。
【0060】
したがって、本願は、アルコール、ジオール、またはトリオールなどの生成物を簡単で効率的かつ「環境にやさしい」方法で得るために、主族水素化物還元の代わりに使用できる還元方法または過程をさらに提供する。本願の触媒は、均一な脱水素法であり得る接触脱水素化の過程でも有用である。
【0061】
触媒化合物
本明細書中で記載する過程は、式IVまたはV
M(PWNN)XY (IV)
M(PWNWP)XY (V)
の遷移金属錯体の形態での触媒またはプレ触媒の存在下で実施され、
式中、Mは遷移金属である;
各Xは、同時に、または独立して、水素またはハロゲン原子、C〜Cアルキルラジカル、ヒドロキシル基、またはC〜Cアルコキシラジカルを表す;
Yは、CO、NO、カルベン、イソニトリル、ニトリル、ホスファイト、ホスフィナイト、またはホスフィン、例えば、PMe、PPh3、PCy、P(iPr)である;
kは1または2の整数である;そして
PWNNおよびPWNWPは、式A
【化12】
によって表されるリガンドであり、
式中、
、R、R、およびRの各々はそれぞれ独立して、H、置換もしくは非置換直鎖もしくは分枝C〜C12アルキル(例えば、C〜CアルキルまたはC〜C12アルキル)、置換もしくは非置換環状C〜C12アルキル(例えば、環状C〜Cアルキルまたは環状C〜C12アルキル)、置換もしくは非置換C〜C12アルケニル(例えば、C〜CアルケニルまたはC〜C12アルケニル)、または置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール基である、あるいはそれらが結合している原子と一緒になった場合、R、R、R基のうちのいずれか2つは、場合によって置換されていてもよい飽和もしくは部分飽和シクロアルキル、または場合によって置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリールを形成する;
Wは酸素原子またはNH基である;
W’は酸素または窒素原子である;
破線は、存在して1つの二重結合の存在を示すか、または存在しないかのいずれかである;
Rは、存在しない、H、置換もしくは非置換直鎖もしくは分枝C〜C12アルキル(例えば、C〜CアルキルまたはC〜C12アルキル)、置換もしくは非置換環状C〜C12アルキル(例えば、環状C〜Cアルキルまたは環状C〜C12アルキル)、置換もしくは非置換C〜C12アルケニル(例えば、C〜CアルケニルまたはC〜C12アルケニル)、あるいは置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリール基である;
R’は、H、置換もしくは非置換直鎖もしくは分枝C〜C12アルキル(例えば、C〜CアルキルまたはC〜C12アルキル)、置換もしくは非置換環状C〜C12アルキル(例えば、環状C〜Cアルキルまたは環状C〜C12アルキル)、置換もしくは非置換C〜C12アルケニル(例えば、C〜CアルケニルまたはC〜C12アルケニル)、あるいは置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリール基、PRである、あるいはRおよびそれらが結合している原子と一緒になった場合、置換もしくは非置換ヘテロアリール(その非限定的例は、ピリジル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリルまたはオキサゾリルである)を形成する;そして
nおよびmは各々独立して、1または2の整数であり、
ここで、PWNNリガンドにおいて、W’は窒素原子であり、PWNWPリガンドにおいて、W’は酸素または窒素原子であり、R’はPRである、そして
式IVまたはVの金属錯体は中性またはカチオン性のいずれかである。
【0062】
1つの実施形態では、PWNNリガンドは、式Ia、Ib、またはIc
【化13】
の構造を有する。
【0063】
ある実施形態において、nは1であるか、またはmは1であるか、またはnおよびmはどちらも1である。
【0064】
一例では、遷移金属錯体は、式Iまたは式II
【化14】
の構造を有するPWNNリガンドを含み、
式II中、Rは不在ではない。
【0065】
別の例では、遷移金属錯体は、式III
【化15】
の構造を有するPWNWPリガンドを含み、式中、W’が酸素原子である場合、Rは存在せず、W’が窒素原子である場合、RはHである。
【0066】
PWNNリガンドは、化学合成の分野の現在の状況を考慮して、当業者に周知の標準的手順を用いて得ることができる。例えば、式IのPWNNリガンドは、2−ピリジンカルボキシアルデヒドをエチレンジアミンと縮合させ、続いて中間体イミンをNaBH還元し、クロロホスフィンClP(Rで第1アミン基をホスフィン化することによって得ることができる。別の例では、それぞれ式IIおよびIIIのPWNNおよびPWNWPリガンドは、ジエチレントリアミンまたはジエタノールアミンのクロロホスフィンでのホスフィン化によって得ることができる。
【0067】
金属錯体の遷移金属は、7族(マンガン族)金属、8族(鉄族)金属、9族(コバルト族)金属、または10族(ニッケル族)金属であり得る。好ましくは、遷移金属は、8族金属、例えば、オスミウムまたはルテニウムである。
【0068】
一実施形態にしたがって、触媒またはプレ触媒は、以下の式のうちの1つの構造を有する:
【化16】
【0069】
別の実施形態では、式IVおよびVの錯体は、式Aのリガンド、例えば式Ia、Ib、Ic、I、IIまたはIIIのリガンドと、最新技術で周知のものなどの金属前駆体との反応によって調製できる。好ましくは、金属前駆体は、例えば、次式:RuCl(AsPh、RuHCl(AsPh、RuCl(PPh、RuHCl(PPh、RuCl(CO)(PPh、RuCl(CO)(AsPh、RuHCl(CO)(AsPh、OsHCl(AsPh、OsCl(AsPh、OsHCl(PPh,OsCl(PPh、[RuCl(p−シメン)]、[OsCl(p−シメン)]、RuCl(CO)(p−シメン)、RuCl(PMe)(p−シメン)、RuCl(NHC)(p−シメン)、RuCl(PCy)(p−シメン)、RuCl(PiPr)(p−シメン)、OsCl(CO)(p−シメン)、OsCl(NHC)(p−シメン)、RuCl(CO)(DMF)(PPh、[IrCl(COD)]、[IrCl(COE)、IrHCl(PPh、IrHCl(PPh、IrHCl(AsPh、またはIrHCl(AsPhを含むルテニウムまたはオスミウム化合物である。反応は、限定されるものではないが、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジグリム、DMF、またはDMEなどの様々な有機溶媒中で実施できる。
【0070】
水素化過程
本願はさらに接触水素化過程を提供する。上述の式IVおよびVの触媒錯体は、C=OおよびC=N結合の還元において高い反応性を有することが示されている。例えば、エステル、ケトン、エナール、エノン、エノエート、植物油および種子油、複数のエステル基を有するエステルおよびイミンを、ここで記載する接触水素化過程を使用して水素化できる。
【0071】
1つの実施形態では、式A、例えば式Ia、Ib、Ic、I、IIまたはIIIのPWNNまたはPWNWPリガンドに基づく金属触媒を使用するエステルの水素化のための過程が提供される。エステル基質は、例えば、次式:
【化17】
の化合物である。
【0072】
別の実施形態では、式A、例えば式Ia、Ib、Ic、I、IIまたはIIIのPWNNもしくはPWNWPリガンドに基づく金属触媒を使用するエナール、エノン、およびエノレートの水素化の過程が提供される。エナール、エノン、およびエノレート基質の一般的な例は次のとおりである:
【化18】
【0073】
「基質」という語は、本明細書中で用いられる場合、そして通常理解されるように、触媒反応の間に生成物に変換される反応物質を指す。G〜G基は同時にまたは独立して、直鎖、分枝C〜C40もしくは環状C〜C40アルキル、アルケニルまたは芳香族基であって、場合によって置換されていてもよいものを表す。また、ある例では、G〜Gのいずれか2つは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、1以上のヘテロ原子を含み得るC〜C40飽和もしくは不飽和ラジカルを形成する。水素化反応の基質は、1つまたは1つよりも多いカルボアルコキシ基、C=O、またはC=N基を含む任意の有機化合物であり得る。この点において、天然脂肪、例えばオリーブ、キャノーラ、コーン、ピーナッツ、ヤシならびに他の植物油および種子油は、本明細書中で定義される接触水素化過程を用いて還元して、アルコールの混合物を得ることができる有用な基質である。本発明の接触水素化過程は、イミンを還元して対応するアミンを産生するため、そしてケトンを還元して対応する第2アルコールにするためにも使用できる。
【0074】
本願の接触還元反応は、概して、以下に記載する反応スキームにしたがって進行し得る:
【化19】
【0075】
基質がモノエステルまたはラクトンである場合、生成物はそれぞれアルコールまたはジオールである。天然に存在するトリグリセリド、油脂を還元して、グリセロールおよび対応する脂肪族アルコールにすることができる。フタレートのような複数のエステル基を有する基質は、還元されてジオールおよびポリオールになる。基質がイミンまたはケトンである場合、生成物は、それぞれ第2アミンおよびアルコールである。基質がエノン、エナールまたはエノレートである場合、生成物はエノールである。
【0076】
本発明の1つの実施形態によると、イミンと、エステル、エナール、エノン、およびエノレートとの接触還元の過程は、式IVもしくはVの金属錯体、特定の圧力の水素ガス、ならびに場合によって塩基および/または溶媒の少なくとも1つの使用を含む。塩基は、式IVまたはVの金属触媒が金属と結合した1以上のハロゲン原子を含む場合に必要であり得る。塩基での処理は、水素化の間に塩基を反応混合物に添加することによって還元前にまたはその場で実施できる。
【0077】
本発明の触媒およびプレ触媒は、広範囲に及ぶ濃度で、好ましくは約10〜1000ppmで使用でき、この場合、約500ppm以下の充填が特に好ましい。触媒の好ましい量は、当業者には公知のように、基質の種類に左右され、触媒充填を増加させると、結果として水素化が速くなり得る。
【0078】
1つの実施形態では、水素化が実施される温度は、約0℃〜約150℃であるか、さらに好ましくは約20℃〜約100℃の範囲内である。当業者には容易に理解されるように、反応速度は反応温度の上昇とともに増加する。適切な温度の選択は、限定されるものではないが、例えば、産業上関連のある商業的または経済的要件によって決定される全体的な過程の性能要件をはじめとする様々な因子に左右される。
【0079】
水素化反応は、Hガスの圧力を必要とし、そして好適な圧力容器中で実施しなければならない。当業者には容易に理解されるように、リアクターの表面積ならびに水素圧力は、反応速度に大いに影響を及ぼし得る。水素圧力およびリアクターの表面積が大きいほど、水素化反応速度は速くなる。ある例では、触媒反応は、約1〜200Barの範囲内の水素圧力を使用して実施される。ここでも、当業者は、触媒充填の関数として、そして溶媒中の基質の希釈度の関数として、圧力を充分に調節できる。特定の実施例では、典型的な水素圧力は約5〜50バール(または5〜50×10Pa)の範囲内である。
【0080】
本明細書中で記載する触媒錯体は、エステルならびにイミン、エナール、エノン、およびエノレート以外の官能基を含む基質の水素化を触媒するのにも有用であることは充分に理解されるはずである。下表は、基質の種類および式IVまたはVの触媒を使用する接触水素化反応から形成できる生成物の非限定的リストを提供する。
【0081】
【表3】
【0082】
脱水素反応
本願は、式IVまたはVの触媒錯体を使用する接触脱水素の過程をさらに提供する。例えば、これらの触媒またはプレ触媒は、1以上の−CHOH基を有するC(n=2〜200)アルコールを脱水素し、それによって水素ガスおよび対応するエステルまたはラクトンを生じるのに好適である。基質は、次式:
【化20】
の化合物である。
【0083】
この実施形態では、R基は、同時にまたは独立して、直鎖、分枝C〜C40もしくは環状C〜C40アルキル、アルケニルまたは芳香族基であって、場合によって置換されていてもよいものを表す。別の実施形態では、RはC〜C40飽和または不飽和環状ラジカルである。したがって、基質は、1つ、または1つより多いヒドロキシル(OH)基を含む任意の有機化合物であり得る。
【0084】
本願の脱水素法を概して以下で説明する。基質がアルコールまたはジオールである場合、生成物はそれぞれエステルまたはラクトンである。
【0085】
【化21】
【0086】
1つの実施形態によると、接触アクセプターレス脱水素の過程は、少なくとも1つの式IVまたはVの金属錯体、および(場合によって)塩基および溶媒の使用を利用する。塩基は、式IVまたはVの金属触媒が金属と結合した1以上のハロゲン原子を含む場合に必要であり得る。触媒は、脱水素化の間に塩基を反応混合物に添加することによって、基質と混合する前に、またはその場で、塩基で処理することができる。本明細書中で記載される触媒およびプレ触媒は、広範囲の濃度で、好ましくは約10〜1000ppmで使用でき、この場合、約1000ppm以下の充填が特に好ましい。触媒の好ましい量は、当業者には公知のように、基質の種類に左右され、そして触媒充填量を増加させると、結果として脱水素化が速くなり得る。
【0087】
脱水素を実施できる温度は、典型的には約0℃〜約200℃であり、さらに好ましくは約50℃〜約150℃の範囲内である。当業者には周知のように、反応速度は反応温度の上昇とともに増加する。脱水素法によってHガスの圧力を生じる可能性があり、この場合、反応は好適な圧力容器であって、場合によって圧力安全弁を備えていてもよい圧力容器中で実施される。
【0088】
本明細書中で記載する触媒錯体はアルコール以外の官能基を含む基質の脱水素を触媒するのにも有用であることは充分に理解されるべきである。下表は、基質と、式IVまたはVの触媒を使用する接触脱水素反応から形成され得る生成物の非限定的リストを提供する。
【0089】
【表4】
はこれらの反応の副生成物でもある。それは反応からHとして放出されるか、またはアクセプターに移されるかのいずれかである。
【0090】
上述のように、脱水素反応の副生成物はHである。したがって、本願は、Hを産生するための過程をさらに提供する。過程は、比較的穏やかな条件下での直接的(straightforward)接触脱水素法において容易に入手可能な基質を都合よく利用してHを発生させることができる。
【0091】
本明細書中で記載する発明をよりよく理解するために、以下の実施例を記載する。これらの実施例は単に例示的目的のためのものであると理解されるべきである。したがって、実施例は本発明の範囲を決して限定すべきではない。
【実施例】
【0092】
特に断りのない限り、全ての操作は、グローブボックス中不活性ガス(アルゴンもしくは窒素)下で、または標準的Schlenk技術を使用して実施した。NMRスペクトルは、Varian Unity Inova 300MHz分光計で記録した。すべての31P化学シフトは、85%HPOに対して測定した。Hおよび13C化学シフトは、溶媒ピークに対して測定したが、TMSに対して報告する。OsOおよびOsCl・nHO(54.98%Os)はHeraeus South Africaから購入した。Ru−MACHO、MilsteinおよびFirmenich触媒はStremから購入した。すべての他の化学物質および無水グレードの溶媒はAldrichおよびAlfa Aesarから入手した。水素化で使用したすべての市販の基質は、これら(ニート)を塩基性アルミナの5cm×2cmプラグに通すことによって精製した。(NEtOsCl、OsHCl(CO)(AsPh、およびジ(1−アダマンチル)クロロホスフィンを、すでに報告されている方法にしたがって調製した[D.G.Gusev,F.M.Dolgushin,M.Yu.Antipin,Organometallics 2001,20,1001;D.Spasyuk,S.Smith,D.G.Gusev,Angew.Chem.2012,51,2772−2775;A.Kollhofer,H.Plenio,Chem.Eur.J.2003,9,1416−1425;J.R.Goerlich,R.Schmutzler,Phosphorus.Sulfur.und Silicon.1995,102,211−215]。Py=2−ピリジル基。
【0093】
実施例1.HN(CHNHCHPyの合成。
【0094】
全ての操作は空気中で実施した。100mLのメタノール中2−ピコリルアルデヒド(19.0g、0.178モル)を1,2−エタンジアミン(21.3g、0.178モル)の50mLのメタノール中溶液に2時間添加し、混合物を1時間撹拌した。結果としての溶液を1時間NaBH(17.5g、0.461モル)で数回に分けて処理し、そして反応混合物を1時間撹拌した。その後、メタノールを真空中で除去し、そして残存する半固体を100mLのNaOH水溶液(20重量%)で処理し、そして生成物を3×50mLのiPrOHで抽出した。混合抽出物を真空下で蒸発させ、そして生成物を真空蒸留(bp132〜137℃、0.1mmHg)によって無色液体として単離した(15.3g、57%)。H NMR([D]クロロホルム)δ 8.53(ddd,J=4.9,1.7,0.9Hz,1H,Py),7.62(td,J=7.7,1.8Hz,1H,Py),7.29(d,J=7.8Hz,1H,Py),7.22−7.03(m,1H,Py),3.90(s,2H,CH),2.88−2.75(m,2H,CH),2.75−2.62(m,2H,CH),1.49(br,3H,NH).13C{H}NMR([D]クロロホルム)δ 160.16(s,Py),149.44(s,Py),136.48(s,Py),122.29(s,Py),121.97(s,Py),55.32(s,CH),52.54(s,CH),42.07(s,CH).
【0095】
実施例2.(iPr)PNH(CHNHCHPyの合成。
【0096】
NH(CHNHCHPy(2.00g、13.2ミリモル)およびトリエチルアミン(1.6g、15.8ミリモル)のTHF(25mL)中溶液に、クロロジイソプロピルホスフィン(96%アッセイ、2.09g、13.2ミリモル)を添加した。結果としての混合物を2時間撹拌し、次いで蒸発させて油状残渣を得た。生成物をヘキサン(3×25mL)で抽出し、ガラスフリットに通して濾過し、蒸発させて無色油を得た(3.19g、90%)。H{31P}NMR([D6]ベンゼン)δ 8.48(dd,J=4.8,2.7Hz,1H,Py),7.14−7.00(m,2H,Py),6.64(ddd,J=6.7,4.8,1.8Hz,1H,Py),3.86(s,2H,CH),2.99(q,J=6.1Hz,2H,CH),2.57(t,J=5.9Hz,2H,CH),1.83(br,1H,NH),1.46(hept,J=7.0Hz,2H,CH),1.19(br,1H,NH),1.04(d,J=7.1Hz,6H,CH),1.00(d,J=6.9Hz,6H,CH).13C{H}NMR([D6]ベンゼン)δ 161.27(s,Py),149.51(s,Py),135.84(s,Py),121.95(s,Py),121.62(s,Py),55.57(s,CH),52.48(d,J(CP)=6.2Hz,CH),48.87(d,J(CP)=23.7Hz,CH),26.99(d,J(CP)=13.2Hz,CH),19.48(d,J(CP)=20.9Hz,CH),17.67(d,J(CP)=8.3Hz,CH).31P{H}NMR([D6]ベンゼン)δ 65.58(s).
【0097】
実施例3.HO(CHNHCHPyの合成。
【0098】
全ての操作は空気中で実施した。150mLのメタノール中2−ピコリルアルデヒド(49.3g、0.461モル)を2−エタノールアミン(28.1g、0.461モル)の50mLのメタノール中溶液にゆっくりと添加し、そして混合物を1時間撹拌した。結果としての溶液をNaBH(17.5g、0.461モル)で数回にわけて1時間処理し、そして反応混合物を1時間撹拌した。その後、メタノールを真空中で除去し、残存する半固体を100mLのNaOH水溶液(20重量%)で処理し、そして生成物を3×50mLのiPrOHで抽出した。混合抽出物を蒸発させ、生成物を蒸留(bp130〜132℃、0.1mmHg)によって無色液体(28.1g、40%)として単離した。H NMR([D6]ベンゼン)δ 8.42(d,J=4.5Hz,1H,Py),7.06(td,J=7.6,1.7Hz,1H,Py),6.94(d,J=7.7Hz,1H,Py),6.62(dd,J=7.0,J=5.4Hz,1H,Py),3.77(s,2H,CH),3.67−3.52(m,2H,CH),3.13(br,2H,OH and NH),2.71−2.48(m,2H,CH).13C{H}NMR([D]クロロホルム)δ 169.52(s,Py),149.76(s,Py),136.88(s,Py),122.73(s,Py),121.42(s,Py),61.56(s,CH),55.18(s,CH),51.86(s,CH).
【0099】
実施例4.(iPr)PO(CHNHCHPyの合成。
【0100】
HO(CHNHCHPy(2.00g、13.2ミリモル)およびトリエチルアミン(1.60g、15.8ミリモル)のTHF(25mL)中溶液に、クロロジイソプロピルホスフィン(96%アッセイ、2.09g、13.2ミリモル)を添加した。結果としての混合物を2時間撹拌し、次いで蒸発させて油状残渣を得た。生成物をヘキサン(3×25mL)で抽出し、ガラスフリットに通して濾過し、蒸発させて無色油を得た(3.31g、94%)。H NMR([D6]ベンゼン)δ 8.62−8.30(m,1H,Py),7.13−7.06(m,2H,Py),6.73−6.52(m,1H,Py),3.89(s,2H,CH),3.87−3.73(m,2H,CH),2.72(t,J=5.5Hz,2H,CH),2.05(br,1H,),1.71−1.49(m,2H,CH),1.12(dd,J=10.2,7.0Hz,6H,CH),1.00(dd,J=15.3,7.2Hz,6H,CH).13C{H}NMR([D6]ベンゼン)δ 161.56(s,Py),149.83(s,Py),136.17(s,Py),122.16(s,Py),121.93(s,Py),72.68(d,J(CP)=19.2Hz,CH),55.97(s,CH),51.25(d,J(CP)=6.9Hz,CH),28.81(d,J(CP)=17.8Hz,CH),18.51(d,J(CP)=20.8Hz,CH),17.53(d,J(CP)=8.6Hz,CH).
【0101】
実施例5.(tBu)PNH(CHNHCHPyの合成。
【0102】
tBuPCl(96%アッセイ 12.42g、66ミリモル)をNH(CHNHCHPy(10.0g、66.0ミリモル)およびトリエチルアミン(8g、79ミリモル)のTHF(100mL)中溶液に添加した。結果としての混合物を16時間撹拌し、次いで濾過して、沈殿したトリエチルアンモニウムクロリドを除去し;ろ液を真空下で蒸発させた。蒸発後に残った固体をヘキサン/EtO溶媒混合物(3:1、40mL)中に再溶解させ、次いでガラスフリット上活性化塩基性アルミナの1cm層を通して濾過した。さらに3×6mLのヘキサン/EtO混合物を使用してアルミナを洗浄した。ろ液を蒸発させ、真空下で乾燥して、白色固体(18.2g、93%)を得た。H NMR([d]ベンゼン)δ 8.48(d,J=4.9Hz,1H,Py),7.20−6.97(m,2H,Py),6.64(ddd,J=6.5,4.9,1.7Hz,1H,Py),3.87(s,2H,CH),3.05(m,2H,CH),2.62(t,J=5.9Hz,2H,CH),1.88(br,1H,NH),1.49(br,1H,NH),1.08(d,J(HP)=11.1Hz,18H,CH).13C{H}NMR([d]ベンゼン)δ 161.27(s,Py),149.54(s,Py),135.84(s,Py),121.97(s,Py),121.63(s,Py),55.54(s,J(CP)=3.0Hz,CH),52.33(d,J(CP)=7.2Hz,CH),50.66(d,J(CP)=29.0Hz,CH),34.12(d,J(CP)=21.6Hz,C{tBu}),28.59(d,J(CP)=15.3Hz,CH).31P{H}NMR([d]ベンゼン)δ 79.36(s).
【0103】
実施例6.(Ad)PNH(CHNHCHPyの合成。
【0104】
トルエン(3×20mL)をリガンド抽出のために使用したことを除いて、(iPr)PNH(CHNHCHPyリガンドについて報告されている手順と同様にしてリガンドを調製した。リガンドを粘稠性無色油として得た。収率87%。H NMR([d]ベンゼン)δ 8.49(dt,J=4.8,1.3Hz,1H,Py),7.22 − 6.98(m,1H,Py),6.89(d,J=7.6Hz,1H,Py),6.73−6.51(m,1H,Py),3.92(s,2H,CH),3.10(m,2H,CH),2.70(t,J=5.8Hz,2H,CH),2.22−1.61(m,32H,Ad+NH).13C([d]ベンゼン)δ 145.58(s,Py),131.96(s,Py),122.50(s,Py),118.19(s,Py),117.79(s,Py),51.50(s,CH),48.32(d,J=7.1Hz,CH),47.10(d,J=29.5Hz,CH),36.14(d,J=12.7Hz,Ad),34.81(d,J=21.5Hz,Ad),33.70(s,Ad),25.17(d,J=8.2Hz,Ad).31P{H}NMR([d]ベンゼン)δ77.17(s)。
【0105】
実施例7:[OsCl(p−シメン)]の合成。
【0106】
この調製は、報告された手順(R.Castarlenas,M.A.Esteruelas,E.On(チルダ付きn)ate,Organometallics 2005,24,4343−4346、その全体が本明細書中で参照により援用される)に基づき、すべての操作をアルゴン下で実施した。240mLの無水2−プロパナール(Aldrich 278475)中α−テルピネン(60mL、≧89%、Aldrich W355801)を0.5Lのフラスコ中の20gの塩化Os(III)(54.98%Os、57.8ミリモル)に添加して、撹拌により暗色溶液を得た。フラスコに凝縮器を取り付け、そして反応混合物を撹拌しながら16時間還流させた。室温まで冷却した後、フラスコを冷凍庫中で−15℃にて1時間保持し、次いで生成物を濾過し、4×50mLの2−プロパナールで洗浄し、そして真空下で3時間乾燥した。収率:20.77g(90.9%)のオレンジ色粉末状固体。
【0107】
3g規模で実施した1つの合成では、生成物を120mLの熱2−プロパナールから再結晶した。オスミウム二量体は2−プロパナール中(およびジクロロメタンを除くほとんどの有機溶媒中)で限定された溶解度を有するとすれば、これは[OsCl(p−シメン)]の大規模調製では実際的ではない。しかしながら、[OsCl(p−シメン)]はOsHCl(CO)(PyCHNHCNHPtBu)の調製(下記参照)でPyCHNHCNHPtBuおよびリチウムと撹拌した場合、エタノール中に溶解し、そしてこの溶液は必要に応じて濾過することができた。
【0108】
実施例8.OsHCl(CO)[(iPr)PNH(CHNHCHPy](1a)の合成。
【0109】
OsHCl(CO)(AsPh(1.74g、1.49ミリモル)および(iPr)PNH(CHNHCHPy(400mg、1.49ミリモル)の15mLのm−キシレン中混合物を含むフラスコを150℃まで予熱した油浴中に入れ、そして1時間撹拌して、暗赤色懸濁液を得た。室温まで冷却した後、混合物を−13℃の冷凍庫中に2時間入れた。沈殿した生成物をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し(3×2mL)、そして真空下で1時間乾燥して、灰褐色固体を得た。収率:660mg(85%)。H{31P}NMR(([d]DCM)δ 8.98(d,J=5.6Hz,1H,Py),7.71(t,J=7.7Hz,1H,Py),7.36(d,J=7.8Hz,1H,Py),7.25(t,J=6.2Hz,1H,Py),4.49(d,J=10.8Hz,1H,CH),4.05−3.76(m,2H,CH),3.48−2.99(m,3H),2.72(dd,J=20.2,10.3Hz,1H),2.39(hept,J=7.2Hz,1H,CH),1.93(hept,J=6.9Hz,1H,CH),1.83−1.68(br,2H),1.31(dd,J=7.2Hz,3H,CH),1.26(d,J=7.1Hz,3H,CH),1.09(t,J=6.4Hz,6H,CH),−16.40(s,1H,OsH).13C{H}NMR([d]DCM)δ187.76(d,J=12.0Hz,CO),157.39(s,Py),153.39(s,Py),136.62(s,Py),125.21(s,Py),121.31(s,Py),62.98(s,CH),57.84(s,CH),44.99(d,J=3.4Hz,CH),33.33(d,J=29.9Hz,CH),31.32(d,J=46.0Hz,CH),19.08(d,J=2.2Hz,CH),18.79(d,J=13.2Hz,CH),18.03(s,CH).31P{H}NMR(d]DCM)δ 72.91(s).
【0110】
実施例9.OsHCl(CO)[(tBu)PNH(CHNHCHPy](1b)の合成。
【0111】
方法1。無水エタノール(100mL)を、磁気撹拌棒を備え、PyCHNHCNHPtBu(5.6g、18.96ミリモル)および[OsCl(p−シメン)](7.2g、9.11ミリモル)を含む300mLフラスコ中に注いだ。この混合物を撹拌して、暗褐色溶液を得た。次いで136mg(19.59ミリモル)のリチウムを添加し、すべてのリチウムが溶解するまで撹拌を続けた。結果としての暗赤色溶液を、60mLのフリット漏斗中Celite(商標)(3g)の層を通してろ過し、そしてフィルター材料を4×10mLの無水エタノールで洗浄した。ろ過された溶液を、磁気撹拌棒を備えた300mLのスチール製オートクレーブ中に注ぎ、さらに多くのエタノールを使用して、総溶媒体積を150mLにした。オートクレーブを閉じ、密封し、そしてホットプレートスターラー上で170℃まで予熱した油浴中に入れた。600rpmで撹拌しながら、この温度を3.5時間維持した。この間、圧力を350psiまで上昇させた。次いで、オートクレーブを油浴から取り出し、そして冷水浴中に移した。1時間後、オートクレーブを換気し、空気中で開け、そして結晶性生成物を真空ろ過によって単離した。オートクレーブおよびろ過された固体を空気下、変性エタノールでしっかりと洗浄し、生成物を油ポンプの真空下(0.01mmHg)で乾燥した。収率:7.75g(77.5%)。
【0112】
方法2。15mLのm−キシレン中OsHCl(CO)(AsPh(3.48g、2.98ミリモル)およびPyCHNH(CHNP(tBu)(880mg、2.48ミリモル)の混合物を含むフラスコを140℃まで予熱した油浴中に入れ、そして2時間撹拌して、褐色懸濁液を得た。室温まで冷却した後、混合物を−15℃の冷凍庫中に2時間入れた。沈殿した生成物をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し(3×2mL)、そして真空下で1時間乾燥して、レモン色の微結晶性固体を得た。収率:1.51g(92%)。H NMR([d]DCM)δ 8.99(d,J=5.3Hz,1H,Py),7.70(t,J=7.7Hz,1H,Py),7.34(d,J=7.7Hz,1H,Py),7.25(t,J=6.5Hz,1H,Py),4.61−4.31(m,1H,CH),4.08−3.79(m,2H,CH),3.47−3.12(m,3H,CH2+NH),2.77(dd,J=18.9,9.4Hz,1H,CH),2.04(br,1H,NH),1.39(d,J=13.1Hz,9H,CH),1.29(d,J=12.9Hz,9H,CH),−16.83(d,J(HP)=19.2Hz,1H,OsH).).13C{H}NMR([d]DCM)δ180.35(d,J(CP)=10.3Hz,CO),157.43(s,Py),153.44(s,Py),136.58(s,Py),125.31(s,Py),121.17(s,Py),62.98(s,CH),57.22(s,CH),46.30(d,J(CP)=3.7Hz,CH),43.79(d,J(CP)=22.0Hz,CH),39.72(d,J(CP)=39.2Hz,C{tBu}),30.10(d,J(CP)=4.6Hz,CH),29.71(d,J(CP)=2.4Hz,CH).31P{H}NMR([d]DCM)δ 83.63(s)。C1731ClNOOsPとしての計算値:C=37.12;H=5.68;N=7.64。実測値:C=37.20;H=5.56;N=7.42。
【0113】
実施例10:OsHCl(CO)[(Ad)PNH(CHNHCHPy](1c)の合成。
【0114】
OsHCl(CO)(AsPh(1.036g、0.887ミリモル)およびPyCHNH(CHNP(Ad)(400mg、0.887ミリモル)の15mLのm−キシレン中混合物を含むフラスコを150℃まで予熱した油浴中に入れ、そして2時間撹拌して、暗褐色懸濁液を得た。室温まで冷却した後、混合物を−15℃の冷凍庫中に2時間入れた。沈殿した生成物をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し(3×2mL)、そして真空下で2時間乾燥して、黄色固体を得た。H NMR([d]DCM)δ 8.98(d,J=2.7Hz,1H,Py),7.68(t,J=7.5Hz,1H,Py),7.30(d,J=7.5Hz,1H,Py),7.24(t,J=6.4Hz,1H,Py),4.45(dd,J=13.7,2.3Hz,1H,CH),4.15−3.74(m,2H,CH+NH),3.53−3.06(m,3H),2.72(dd,J=19.5,9.9Hz,1H,CH),2.57−1.34(m,30H,Ad),−17.01(d,J(HP)=18.8Hz,1H,OsH).13C{H}NMR([d]DCM)δ 188.02(d,J(CP)=11.7Hz,CO),157.52(s,Py),153.36(s,Py),136.44(s,Py),125.24(s,Py),121.12(s,Py),62.86(s,CH),57.24(s,CH),47.66(d,J(CP)=20.9Hz,CH),46.48(s,Ad),43.76(d,J(CP)=37.3Hz,Ad),40.20(s,Ad),39.79(s,Ad),37.63(d,J(CP)=14.3Hz,Ad),29.77(d,J(CP)=8.66Hz,Ad),29.66(d,J(CP)=8.33Hz,Ad).31P{H}NMR([d]DCM)δ81.55(s)。C2942POClOsとしての計算値:C=49.31;H=6.04;N=5.96。実測値:C=48.20;H=6.04;N=5.74。
【0115】
実施例11.OsHCl(CO)[(iPr)PO(CHNHCHPy] (3)の合成。
【0116】
OsHCl(CO)(AsPh(1.74g、1.49ミリモル)および(iPr)PO(CHNHCHPy(400mg、1.49ミリモル)の23mLのm−キシレン中混合物を含むフラスコを150℃まで予熱した油浴中に入れ、そして1時間撹拌して、暗赤色懸濁液を得た。室温まで冷却した後、混合物を−14℃の冷凍庫中に2時間入れた。沈殿した生成物をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し(3×2mL)、そして真空下で1時間乾燥して、灰褐色固体を得た。収率:530mg(68%)。H NMR([d]DCM)δ 8.94(d,J=5.4Hz,1H,Py),7.72(td,J=7.7,1.1Hz,1H,Py),7.37(d,J=7.8Hz,2H,Py),7.32−7.22(m,1H,Py),4.54(dd,J=13.5,2.9Hz,1H,CH),4.13−3.72(m,4H),3.37(dt,J=12.7,J(HP)=3.7Hz,1H,CH),2.87(dd,J=21.6,10.8Hz,1H,CH),2.77−2.52(m,1H,CH),2.26−2.04(m,1H,CH),1.32(dd,J=15.7,7.4Hz,3H,CH),1.23(dd,J=13.7,7.2Hz,3H,CH),1.09(dd,J=11.9,J(HH)=3.9Hz,3H,CH),1.02(dd,J=14.5,J(HH)=4.3Hz,3H,CH),−16.08(d,J=20.4Hz,1H,OsH).13C{H}NMR([d]DCM)δ187.94(d,J=10.0Hz,CO),157.14(s,Py),153.31(s,Py),136.96(s,Py),125.28(d,J=1.8Hz,Py),121.48(d,J=2.1Hz,Py),66.92(s,CH),62.80(s,CH),56.13(s,CH),33.28(d,J=29.1Hz,CH),32.40(d,J=46.2Hz,CH),18.82(s,CH),18.27(d,J=3.0Hz,CH),18.15(d,J=5.8Hz,CH),17.16(s,CH).31P{H}NMR([d]DCM)δ 136.35(s)。
【0117】
実施例12:RuHCl(CO)[(tBu)PNH(CHNHCHPy](4)の合成
【0118】
RuHCl(CO)(AsPh(662g、0.677ミリモル)およびPyCHNH(CHNP(tBu)(200mg、0.677ミリモル)の10mLのm−キシレン中混合物を含むフラスコを140℃に予熱した油浴中に入れ、そして1時間撹拌し、暗赤色懸濁液を得た。室温まで冷却した後、混合物を−13℃の冷凍庫中に2時間入れた。沈殿した生成物をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し(3×3mL)、そして真空下で1時間乾燥して、灰褐色固体を得た。収率:271mg(87%)。H NMR(399MHz,[d]DCM)δ 9.05−8.84(m,1H,Py),7.70(td,J(HH)=7.7,1.5Hz,1H,Py),7.41−7.09(m,2H,Py),4.25(dd,J(HH)=14.0,3.0Hz,1H,CH),4.00(dd,J(HH)=25.1,11.4Hz,1H,CH),3.93(br,1H,NH),3.46−3.12(m,3H),2.67(m,1H,CH),2.07−1.87(br,1H,NHP),1.39(d,J(HP)=13.3Hz,9H,CH),1.28(d,J(HP)=13.1Hz,9H,CH),−15.11(d,J(HP)=26.5Hz,1H).13C{H}NMR(100MHz,[d]DCM)δ 207.67(dd,J(CP)=18.5Hz,CO),157.33(s,Py),153.26(s,Py),136.96(s,Py),124.56(d,J(CP)=1.9Hz,Py),121.23(d,J(CP)=2.1Hz,Py),61.66(d,J(CP)=1.9Hz,CH),56.30(s,CH),45.35(d,J(CP)=5.0Hz,CH),42.35(d,J(CP)=15.7Hz,CtBu),38.47(d,J(CP)=33.7Hz,CtBu),29.87(d,J(CP)=5.2Hz,CH),29.63(d,J(CP)=4.0Hz,CH).31P{H}NMR([d]DCM)δ 12.16(s)。C1731ClNOPRuとしての計算値:C=44.30;H=6.78;Cl=7.69;N=9.12。実測値:C=43.76;H=6.58;N=8.63。
【0119】
実施例13:OsH(CO)[(tBu)PNH(CHNHCHPy](5)の合成
【0120】
75mLの高圧容器に、10mLのTHF中OsHCl(CO)[(tBu)PNH(CHNHCHPy]錯体(200mg、0.363)およびtBuOK(45mg、0.399)を入れた。結果としての暗赤色混合物を10気圧のHガスで加圧し、そして室温にて2時間撹拌した。その後、リアクターを減圧し、グローブボックス中に入れた。結果としての褐色溶液をガラスフリットに通して濾過し、そしてTHFを真空中で50%減少させた。ろ液を次いで6mLのヘキサンと混合し、生成物を冷凍庫中で放置して結晶化させた。OsH(CO)[(tBu)PNH(CHNHCHPy]錯体をろ過によって黄色固体として単離し、続いて減圧下で乾燥した(10分間)。収率112mg(60%)。錯体は、THFの溶液中および固体状態での安定性が限定された2つのfacおよびmer異性体の混合物として結晶化した。錯体はゆっくりと分解してOsH(CO)[(tBu)PNH(CHNCHPy]錯体および水素ガスになった。H NMR([d]THF)δ 主要異性体(mer)9.25(d,J=5.01H,Py),7.49(t,J=7.4Hz,1H,Py),7.23(d,J=7.4Hz,1H,Py),6.95(t,J=5.8Hz,1H,Py),5.15(br,1H,NH),4.38(dd,J=13.4,J=2.5Hz,1H,CH),3.80−3.40(m,1H,[d]THFとオーバーラップ),3.44−3.10(m,2H),3.10〜2.84(m,2H),2.75−2.40(m,3H),1.35(d,J=12.3Hz,18H,CH),−4.45(dd,J=14.2,6.5Hz,1H,OsH),−4.90(dd,J(HP)=13.4,J(HH)=6.6Hz,1H,OsH),副異性体(fac)−4.56(d,J(HH)=6.1Hz,1H),−14.32(dd,J(PH)=17.2,J(HH)=6.7Hz,1H).31P{H}NMR([d]THF)δ主要異性体101.53(s)、副異性体86.95(s)。IR(Nujol):νCO=1867(s)。
【0121】
理論によって拘束されないが、錯体(5)は、基質の水素化のための潜在的なプレ触媒または中間錯体として提示される。
【0122】
実施例14:錯体(1b)〜(1c)の結晶構造決定
【0123】
ヘキサンをジクロロメタン中飽和溶液にゆっくりと拡散させることによって、錯体1bおよび1cの単結晶を成長させた。錯体1bについてのデータを、Helios光学素子、Kappa Noniusゴニオメーター、およびPlatinum−135検出器を備えたBruker Microstar発生器で集めた。錯体1cについてのデータを、IμS(商標)X線源発生器、Kappa NoniusゴニオメーターおよびPlatinum135検出器を備えたBruker APEX II QUAZARで集めた。セル精密化(Cell refinement)およびデータ整理は、SAINT[SAINT(1999)Release 6.06;Integration Software for Single Crystal Data.Bruker AXS Inc.,Madison,Wisconsin,USA]を使用して実施した。等しい反射の複数の測定に基づく実験による吸収補正を、プログラムSADABS[Sheldrick,G.M.(1999).SADABS,Bruker AreaDetector Absorption Corrections.Bruker AXS Inc.,Madison,Wisconsin,USA]を使用して適用した。空間群は、SHELXTL[SHELXTL(1997)Release 5.10;The Complete Software Package for Single Crystal Structure Determination.Bruker AXS Inc.,Madison,Wisconsin,USA]のXPREPルーチン[XPREP(1997)Release 5.10;X−ray data Preparation and Reciprocal space Exploration Program.Bruker AXS Inc.,Madison,Wisconsin,USA]によって確認した。構造を直接的方法によって解明し、そして完全行列最小二乗法およびSHELX−2013[(Sheldrick,G.M.(1997).SHELXS97,Program for the Solution of Crystal Structures.Univ.of Gottingen,Germany;Sheldrick,G.M.(1997).SHELXL97,Program for the Refinement of Crystal Structures.University of Gottingen,Germany]をLinXTLツールボックス[LinXTLはローカルプログラムであり、 and was obtained free of charge from http://sourceforge.net/projects/linxtl/から無料で入手した]の一部として使用した差フーリエ(difference Fourier)技術によって精密化した。全ての非水素原子を等方性変位パラメータで精密化した。水素原子を算出された位置にセットし、そして差フーリエマップ(difference Fourier map)における残存ピークから位置決定したNH、OH部分および水素化物のものを除く一般的な熱パラメータでライディング原子(riding atom)として精密化した。すべての公開資料(cifファイル検証およびORTEP描画)を、LinXTLおよびPlatonプログラムを使用して準備した[A.L.Spek,Acta Cryst.2009,D65,148−155]。図3、および表1〜2を参照のこと。
【0124】
【表5】
【0125】
【表6】
【0126】
実施例15.錯体(1a)、および(3)を用いるエステルの水素化のための典型的な手順
【0127】
触媒1(5.2mg/mL)および塩基(0.2ミリモル)のTHF中溶液を6mLのTHF中0.02モルのエステル基質と混合した。混合物を次いで、磁気撹拌棒を備えた75mLステンレス鋼リアクター(Parr 4740)中に移した。リアクターを2サイクルのHでの加圧/放出(150psi、10バール)によってパージし、H(725psi、50バール)で加圧し、そしてH源からの接続を切った。水素化を40〜100℃で実施した。必要とされる反応時間の最後に、リアクターを冷水浴中に入れ、そして周囲温度まで冷却した後に減圧した。
【0128】
下記表3は、錯体(1a)および(3)を使用して得られた結果をまとめる。
【0129】
【化22】
【0130】
【表7】
錯体1a、3によって触媒されるエステル、ケトン、イミンの水素化
反応は、75mLのオートクレーブ中、100℃および50バールのH圧力でTHF中20ミリモルの基質を使用して実施した。反応は、15mLのTHF中、0.1モルの基質を使用して300mLのオートクレーブ中で実施した。3−ノネン−1−オール/1−ノナノール=90/10比。10−ウンデセン−1−オール/1−ウンデカノール=82/11比。10−ウンデセン−1−オール/1−ウンデカノール=63/24。10−ウンデセン−1−オール/1−ウンデカノール=63/13。E,E−9,12−オクタデカジエン−1−オール/E,Z−9,11−オクタデカジエン−1−オール/Z,E−10,12−オクタデカジエン−1−オール=57/22/21
【0131】
実施例16:エナール、エノン、エノレートの錯体(1)〜(4)での水素化のための典型的な手順
【0132】
全ての実験について、変換率は、他の溶媒で希釈または混合することなく反応混合物から採取された約0.65mLのサンプルを使用したH NMR分光法によって決定された。スペクトルを、0.3μs Hパルスおよび10s収集時間を使用してHロックなしで集めて、ピークの正確な積分を確実にした。
【0133】
アルゴングローブボックス中で、必要とされる量の錯体4〜6、および溶媒(THFまたはiPrOH、Parr 75mLについては7mL、Parr 300mLについては50mL)を所望の量の塩基(tBuOK、NaOMe、NaCO、KCOまたはCsCO)に添加した。得られた混合物を次いで基質(0.02〜0.10モル)と混合し、磁気撹拌棒を備えたステンレス鋼Parrリアクター(75mLまたは300mL)中に移した。リアクターを閉鎖し、グローブボックスから取り出し、密封し、水素タンクと接続した。ラインをパージした後、リアクターを725psi(50バール)まで加圧し、そしてH源からの接続を切断した。次いで、リアクターを100℃まで予熱した油浴中に入れた。反応時間の最後に、リアクターを冷水浴中に5分間移し、減圧した。
【0134】
下記表4は、10−ウンデセン酸メチル水素化についての錯体(1)〜(4)と錯体(I)〜(V)の間の比較結果の概要を示す。下記表5は、錯体(1b)でのエナール、エノン、およびエノレート水素化の結果の概要を示す(図5〜7を参照のこと)。
【0135】
【表8】
[a]0.1モルのエステル、0.05モル%の触媒、7mLのTHF中1モル%のBuOKを使用して、100℃で1.5時間の反応時間;p(H)=50バール。錯体2は、PCT/CA2012−050571で以前に開示された。[b]ウンデク−10−エノールおよびウンデカノールへの全変換率。[c]C=C結合水素化がない場合は100%。[d]100×[C−9]/([C−9]+[C−10])としてのC−9オレフィンのパーセンテージ。[e]5モル%NaOMeを使用、[L.A.Saudan,C.M.Saudan,C.Debieux,P.Wyss,Angew.Chem.Inter.Ed.2007,119,7617−7620]からのデータ。[f][L.A.Saudan,C.M.Saudan,C.Debieux,P.Wyss,Angew.Chem.Inter.Ed.2007,119,7617−7620.]で確認されなかった。
【0136】
【表9】
[a]特に断りのない限り、7mLの溶媒中の0.02モルの基質を75mLのParr高圧容器中で水素化した。[b]触媒、モル%。[c]塩基、モル%。[d]選択性(C=C結合水素化がない場合は100%)。[e]NMRスペクトルの定量的積分によって決定されるアルコールへの総(飽和+不飽和)変換率。[d]300mLのParrオートクレーブ中で水素化。
【0137】
考察
上記のとおり、エステル/エノレート水素化において化学選択性を達成することは困難である;効率的な触媒はほとんど知られておらず、知られているものは最近になってようやく利用可能になった。ヒマシ油から誘導される化学物質である10−ウンデセン酸メチルの水素化を、現在利用可能な触媒(I〜V)および本明細書中で開示されているもの(1、3、4)を用いて調査した。10−ウンデセン酸メチル水素化の最も望ましい生成物と考えられる10−ウンデセノールは、香料製品およびポリマー化合物の有益な材料である。水素化触媒I〜V(図2を参照のこと)を使用する10−ウンデセン酸メチルの水素化の結果を、表4に概略的に記載した。10−ウンデセノールのビニル基は、NMRによって反応混合物中で容易に同定された。C=C結合の水素化によって、それぞれδ0.89および14.1ppmでHおよび13Cメチル共鳴が生じる一方で、9−エン生成物はδ12.6、123.7、131.0(Z)および17.8、124.8、131.9(E)で異なる13Cシフトを示した。
【0138】
工業用触媒II(Ru−MACHO, Takasago)、IIIおよびIV(Firmenich)は10−ウンデセン酸メチルのC=OおよびC=C結合を類似した速度で水素化することが見いだされた。C−10からC−9のC=C結合移動も問題であった。Milsteinの触媒Iは、主に飽和生成物を産生し(表4を参照のこと)を産生し、10−ウンデセノールは産生しなかった。オスミウム触媒Vの性能も満足できるものではなかった。
【0139】
錯体1〜4(表4を参照のこと)は、NNXP−R=PyCHNHCXPRリガンド系(X=NH、CH、O)に基づいていた。錯体1〜4のうち、NNNP−tBu錯体1bは10−ウンデセノエート還元のための最も優れた触媒として出現した:その水素化速度および選択性は、溶媒なしでさらに増大した。したがって、10の基質対触媒比(8gのニートな10−ウンデセン酸メチルおよび2.2mgの1b)で、水素化は、5時間で定量的であり、98%の選択性であった(表5、E1を参照のこと)。
【0140】
したがって、反応温度、溶媒、塩基、および時間を変えながら、関心対象の基質の大集団に関して錯体1bをさらに試験した(表5、図5および6を参照のこと)。1bは、優れたカルボニル選択性を有する強固で実際的かつ高効率のH水素化触媒であることが立証された。
【0141】
錯体1bはまた、ある基質、特にK4、K5、およびK6について立体選択性を示した(図6および7を参照のこと)。理論によって拘束されないが、そのような立体選択性は、他のものよりも立体的により遮蔽されている錯体1bの一面に起因し、その結果、基質はあまり立体的に遮蔽されていない面と優先的に相互作用し、立体選択的生成物を生じたとされた。これは、本明細書中で開示される錯体が立体選択的水素化生成物を効果的に生成させることができることを証明した。
【0142】
式(6)および(7)(以下に示す、式中、R=iPr)の錯体を上述の一般的方法によって合成した。錯体(6)は、エステル、ケトン、エナール、エノン、エノエート、植物油および種子油、複数のエステル基を有するエステル、ならびにイミン基水素化において錯体(1a〜c)、(3)、および(4)と類似した活性および/または位置選択性を示した。錯体(7)は、エナール、エノン、エノエート水素化において、錯体(1a〜c)、(3)、および(4)と類似した位置選択性を示さなかった。
【0143】
【化23】
【0144】
実施例17:キリ油のエステル交換および水素化
【0145】
100g(約0.114モル)のキリ油(天然源由来)を含む250mLの丸底フラスコに、KOH(300mg)の50mLのエタノール中溶液を添加した。結果としての混合物を激しく撹拌し、90℃で1時間加熱した。その後、200mLのヘキサンを添加し、その後に得られた抽出物を3×100mLのNaCO(5重量%)水溶液で洗浄した。有機層をMgSO上で2時間乾燥し、Alの5cm×3cm層を通して濾過し、そしてヘキサンを真空中で除去した。エチルエステルの混合物を淡黄色油67g(64%)として単離した。その組成をNMR分光法によって決定した(図4を参照のこと)。
【0146】
実施例18:錯体1aでのキリ油およびココナッツ油の水素化
【0147】
錯体1aのTHF溶液(14mgまたは32mg、50mL)をtBuOK(CsCOについて67mgまたは197mg、3モル%)に添加した。結果としての混合物を1〜2分間撹拌し、次いでココナッツ(またはキリ)油(0.02モル)を添加した。混合物を次いで、磁気撹拌棒を備えた300mLのステンレス鋼リアクター(Parr)中に移した。リアクターを2サイクルのHでの加圧/放出(150psi、10バール)によってパージし、次いでHで加圧し(725psi、50バール)、H源との接続を切った。反応を100℃で実施した。必要な量の反応時間の最後に、リアクターを冷水浴中に入れ、そして周囲温度まで冷却した後に減圧した。結果については表6を参照のこと。
【0148】
【表10】
【0149】
本明細書中で言及される全ての刊行物、特許および特許出願は、本発明が属する分野の熟練者の技量レベルを示すものであり、各々の刊行物、特許、または特許出願が参照により援用されることが具体的かつ個別に特定されているかのように同じ程度まで参照により本明細書中で援用される。
【0150】
本発明はこのように記載したが、これをさまざまに変えることができることは明らかであろう。そのような変化は本発明の主旨および範囲から逸脱するものとみなされるべきではなく、そのような修正はすべて、当業者には明らかなように、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7