【実施例】
【0092】
特に断りのない限り、全ての操作は、グローブボックス中不活性ガス(アルゴンもしくは窒素)下で、または標準的Schlenk技術を使用して実施した。NMRスペクトルは、Varian Unity Inova 300MHz分光計で記録した。すべての
31P化学シフトは、85%H
3PO
4に対して測定した。
1Hおよび
13C化学シフトは、溶媒ピークに対して測定したが、TMSに対して報告する。OsO
4およびOsCl
3・nH
2O(54.98%Os)はHeraeus South Africaから購入した。Ru−MACHO、MilsteinおよびFirmenich触媒はStremから購入した。すべての他の化学物質および無水グレードの溶媒はAldrichおよびAlfa Aesarから入手した。水素化で使用したすべての市販の基質は、これら(ニート)を塩基性アルミナの5cm×2cmプラグに通すことによって精製した。(NEt
4)
2OsCl
6、OsHCl(CO)(AsPh
3)
3、およびジ(1−アダマンチル)クロロホスフィンを、すでに報告されている方法にしたがって調製した[D.G.Gusev,F.M.Dolgushin,M.Yu.Antipin,Organometallics 2001,20,1001;D.Spasyuk,S.Smith,D.G.Gusev,Angew.Chem.2012,51,2772−2775;A.Kollhofer,H.Plenio,Chem.Eur.J.2003,9,1416−1425;J.R.Goerlich,R.Schmutzler,Phosphorus.Sulfur.und Silicon.1995,102,211−215]。Py=2−ピリジル基。
【0093】
実施例1.H
2N(CH
2)
2NHCH
2Pyの合成。
【0094】
全ての操作は空気中で実施した。100mLのメタノール中2−ピコリルアルデヒド(19.0g、0.178モル)を1,2−エタンジアミン(21.3g、0.178モル)の50mLのメタノール中溶液に2時間添加し、混合物を1時間撹拌した。結果としての溶液を1時間NaBH
4(17.5g、0.461モル)で数回に分けて処理し、そして反応混合物を1時間撹拌した。その後、メタノールを真空中で除去し、そして残存する半固体を100mLのNaOH水溶液(20重量%)で処理し、そして生成物を3×50mLのiPrOHで抽出した。混合抽出物を真空下で蒸発させ、そして生成物を真空蒸留(bp132〜137℃、0.1mmHg)によって無色液体として単離した(15.3g、57%)。
1H NMR([D]クロロホルム)δ 8.53(ddd,J=4.9,1.7,0.9Hz,1H,Py),7.62(td,J=7.7,1.8Hz,1H,Py),7.29(d,J=7.8Hz,1H,Py),7.22−7.03(m,1H,Py),3.90(s,2H,CH
2),2.88−2.75(m,2H,CH
2),2.75−2.62(m,2H,CH
2),1.49(br,3H,NH).
13C{
1H}NMR([D]クロロホルム)δ 160.16(s,Py),149.44(s,Py),136.48(s,Py),122.29(s,Py),121.97(s,Py),55.32(s,CH
2),52.54(s,CH
2),42.07(s,CH
2).
【0095】
実施例2.(iPr)
2PNH(CH
2)
2NHCH
2Pyの合成。
【0096】
NH
2(CH
2)
2NHCH
2Py(2.00g、13.2ミリモル)およびトリエチルアミン(1.6g、15.8ミリモル)のTHF(25mL)中溶液に、クロロジイソプロピルホスフィン(96%アッセイ、2.09g、13.2ミリモル)を添加した。結果としての混合物を2時間撹拌し、次いで蒸発させて油状残渣を得た。生成物をヘキサン(3×25mL)で抽出し、ガラスフリットに通して濾過し、蒸発させて無色油を得た(3.19g、90%)。
1H{
31P}NMR([D6]ベンゼン)δ 8.48(dd,J=4.8,2.7Hz,1H,Py),7.14−7.00(m,2H,Py),6.64(ddd,J=6.7,4.8,1.8Hz,1H,Py),3.86(s,2H,CH
2),2.99(q,J=6.1Hz,2H,CH
2),2.57(t,J=5.9Hz,2H,CH
2),1.83(br,1H,NH),1.46(hept,J=7.0Hz,2H,CH),1.19(br,1H,NH),1.04(d,J=7.1Hz,6H,CH
3),1.00(d,J=6.9Hz,6H,CH
3).
13C{
1H}NMR([D6]ベンゼン)δ 161.27(s,Py),149.51(s,Py),135.84(s,Py),121.95(s,Py),121.62(s,Py),55.57(s,CH
2),52.48(d,J(CP)=6.2Hz,CH
2),48.87(d,J(CP)=23.7Hz,CH
2),26.99(d,J(CP)=13.2Hz,CH
3),19.48(d,J(CP)=20.9Hz,CH),17.67(d,J(CP)=8.3Hz,CH
3).
31P{
1H}NMR([D6]ベンゼン)δ 65.58(s).
【0097】
実施例3.HO(CH
2)
2NHCH
2Pyの合成。
【0098】
全ての操作は空気中で実施した。150mLのメタノール中2−ピコリルアルデヒド(49.3g、0.461モル)を2−エタノールアミン(28.1g、0.461モル)の50mLのメタノール中溶液にゆっくりと添加し、そして混合物を1時間撹拌した。結果としての溶液をNaBH
4(17.5g、0.461モル)で数回にわけて1時間処理し、そして反応混合物を1時間撹拌した。その後、メタノールを真空中で除去し、残存する半固体を100mLのNaOH水溶液(20重量%)で処理し、そして生成物を3×50mLのiPrOHで抽出した。混合抽出物を蒸発させ、生成物を蒸留(bp130〜132℃、0.1mmHg)によって無色液体(28.1g、40%)として単離した。
1H NMR([D6]ベンゼン)δ 8.42(d,J=4.5Hz,1H,Py),7.06(td,J=7.6,1.7Hz,1H,Py),6.94(d,J=7.7Hz,1H,Py),6.62(dd,J=7.0,J=5.4Hz,1H,Py),3.77(s,2H,CH
2),3.67−3.52(m,2H,CH
2),3.13(br,2H,OH and NH),2.71−2.48(m,2H,CH
2).
13C{
1H}NMR([D]クロロホルム)δ 169.52(s,Py),149.76(s,Py),136.88(s,Py),122.73(s,Py),121.42(s,Py),61.56(s,CH
2),55.18(s,CH
2),51.86(s,CH
2).
【0099】
実施例4.(iPr)
2PO(CH
2)
2NHCH
2Pyの合成。
【0100】
HO(CH
2)
2NHCH
2Py(2.00g、13.2ミリモル)およびトリエチルアミン(1.60g、15.8ミリモル)のTHF(25mL)中溶液に、クロロジイソプロピルホスフィン(96%アッセイ、2.09g、13.2ミリモル)を添加した。結果としての混合物を2時間撹拌し、次いで蒸発させて油状残渣を得た。生成物をヘキサン(3×25mL)で抽出し、ガラスフリットに通して濾過し、蒸発させて無色油を得た(3.31g、94%)。
1H NMR([D6]ベンゼン)δ 8.62−8.30(m,1H,Py),7.13−7.06(m,2H,Py),6.73−6.52(m,1H,Py),3.89(s,2H,CH
2),3.87−3.73(m,2H,CH
2),2.72(t,J=5.5Hz,2H,CH
2),2.05(br,1H,),1.71−1.49(m,2H,CH),1.12(dd,J=10.2,7.0Hz,6H,CH
3),1.00(dd,J=15.3,7.2Hz,6H,CH
3).
13C{
1H}NMR([D6]ベンゼン)δ 161.56(s,Py),149.83(s,Py),136.17(s,Py),122.16(s,Py),121.93(s,Py),72.68(d,J(CP)=19.2Hz,CH
2),55.97(s,CH
2),51.25(d,J(CP)=6.9Hz,CH
2),28.81(d,J(CP)=17.8Hz,CH),18.51(d,J(CP)=20.8Hz,CH
3),17.53(d,J(CP)=8.6Hz,CH
3).
【0101】
実施例5.(tBu)
2PNH(CH
2)
2NHCH
2Pyの合成。
【0102】
tBu
2PCl(96%アッセイ 12.42g、66ミリモル)をNH
2(CH
2)
2NHCH
2Py(10.0g、66.0ミリモル)およびトリエチルアミン(8g、79ミリモル)のTHF(100mL)中溶液に添加した。結果としての混合物を16時間撹拌し、次いで濾過して、沈殿したトリエチルアンモニウムクロリドを除去し;ろ液を真空下で蒸発させた。蒸発後に残った固体をヘキサン/Et
2O溶媒混合物(3:1、40mL)中に再溶解させ、次いでガラスフリット上活性化塩基性アルミナの1cm層を通して濾過した。さらに3×6mLのヘキサン/Et
2O混合物を使用してアルミナを洗浄した。ろ液を蒸発させ、真空下で乾燥して、白色固体(18.2g、93%)を得た。
1H NMR([d
6]ベンゼン)δ 8.48(d,J=4.9Hz,1H,Py),7.20−6.97(m,2H,Py),6.64(ddd,J=6.5,4.9,1.7Hz,1H,Py),3.87(s,2H,CH
2),3.05(m,2H,CH
2),2.62(t,J=5.9Hz,2H,CH
2),1.88(br,1H,NH),1.49(br,1H,NH),1.08(d,J(HP)=11.1Hz,18H,CH
3).
13C{
1H}NMR([d
6]ベンゼン)δ 161.27(s,Py),149.54(s,Py),135.84(s,Py),121.97(s,Py),121.63(s,Py),55.54(s,J(CP)=3.0Hz,CH
2),52.33(d,J(CP)=7.2Hz,CH
2),50.66(d,J(CP)=29.0Hz,CH
2),34.12(d,J(CP)=21.6Hz,C{tBu}),28.59(d,J(CP)=15.3Hz,CH
3).
31P{
1H}NMR([d
6]ベンゼン)δ 79.36(s).
【0103】
実施例6.(Ad)
2PNH(CH
2)
2NHCH
2Pyの合成。
【0104】
トルエン(3×20mL)をリガンド抽出のために使用したことを除いて、(iPr)
2PNH(CH
2)
2NHCH
2Pyリガンドについて報告されている手順と同様にしてリガンドを調製した。リガンドを粘稠性無色油として得た。収率87%。
1H NMR([d
6]ベンゼン)δ 8.49(dt,J=4.8,1.3Hz,1H,Py),7.22 − 6.98(m,1H,Py),6.89(d,J=7.6Hz,1H,Py),6.73−6.51(m,1H,Py),3.92(s,2H,CH
2),3.10(m,2H,CH
2),2.70(t,J=5.8Hz,2H,CH
2),2.22−1.61(m,32H,Ad+NH).
13C([d
6]ベンゼン)δ 145.58(s,Py),131.96(s,Py),122.50(s,Py),118.19(s,Py),117.79(s,Py),51.50(s,CH
2),48.32(d,J=7.1Hz,CH
2),47.10(d,J=29.5Hz,CH
2),36.14(d,J=12.7Hz,Ad),34.81(d,J=21.5Hz,Ad),33.70(s,Ad),25.17(d,J=8.2Hz,Ad).
31P{
1H}NMR([d
6]ベンゼン)δ77.17(s)。
【0105】
実施例7:[OsCl
2(p−シメン)]
2の合成。
【0106】
この調製は、報告された手順(R.Castarlenas,M.A.Esteruelas,E.On(チルダ付きn)ate,Organometallics 2005,24,4343−4346、その全体が本明細書中で参照により援用される)に基づき、すべての操作をアルゴン下で実施した。240mLの無水2−プロパナール(Aldrich 278475)中α−テルピネン(60mL、≧89%、Aldrich W355801)を0.5Lのフラスコ中の20gの塩化Os(III)(54.98%Os、57.8ミリモル)に添加して、撹拌により暗色溶液を得た。フラスコに凝縮器を取り付け、そして反応混合物を撹拌しながら16時間還流させた。室温まで冷却した後、フラスコを冷凍庫中で−15℃にて1時間保持し、次いで生成物を濾過し、4×50mLの2−プロパナールで洗浄し、そして真空下で3時間乾燥した。収率:20.77g(90.9%)のオレンジ色粉末状固体。
【0107】
3g規模で実施した1つの合成では、生成物を120mLの熱2−プロパナールから再結晶した。オスミウム二量体は2−プロパナール中(およびジクロロメタンを除くほとんどの有機溶媒中)で限定された溶解度を有するとすれば、これは[OsCl
2(p−シメン)]
2の大規模調製では実際的ではない。しかしながら、[OsCl
2(p−シメン)]
2はOsHCl(CO)(PyCH
2NHC
2H
4NHPtBu
2)の調製(下記参照)でPyCH
2NHC
2H
4NHPtBu
2およびリチウムと撹拌した場合、エタノール中に溶解し、そしてこの溶液は必要に応じて濾過することができた。
【0108】
実施例8.OsHCl(CO)[(iPr)
2PNH(CH
2)
2NHCH
2Py](1a)の合成。
【0109】
OsHCl(CO)(AsPh
3)
3(1.74g、1.49ミリモル)および(iPr)
2PNH(CH
2)
2NHCH
2Py(400mg、1.49ミリモル)の15mLのm−キシレン中混合物を含むフラスコを150℃まで予熱した油浴中に入れ、そして1時間撹拌して、暗赤色懸濁液を得た。室温まで冷却した後、混合物を−13℃の冷凍庫中に2時間入れた。沈殿した生成物をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し(3×2mL)、そして真空下で1時間乾燥して、灰褐色固体を得た。収率:660mg(85%)。
1H{
31P}NMR(([d
2]DCM)δ 8.98(d,J=5.6Hz,1H,Py),7.71(t,J=7.7Hz,1H,Py),7.36(d,J=7.8Hz,1H,Py),7.25(t,J=6.2Hz,1H,Py),4.49(d,J=10.8Hz,1H,CH
2),4.05−3.76(m,2H,CH
2),3.48−2.99(m,3H),2.72(dd,J=20.2,10.3Hz,1H),2.39(hept,J=7.2Hz,1H,CH),1.93(hept,J=6.9Hz,1H,CH),1.83−1.68(br,2H),1.31(dd,J=7.2Hz,3H,CH
3),1.26(d,J=7.1Hz,3H,CH
3),1.09(t,J=6.4Hz,6H,CH
3),−16.40(s,1H,OsH).
13C{
1H}NMR([d
2]DCM)δ187.76(d,J=12.0Hz,CO),157.39(s,Py),153.39(s,Py),136.62(s,Py),125.21(s,Py),121.31(s,Py),62.98(s,CH
2),57.84(s,CH
2),44.99(d,J=3.4Hz,CH
2),33.33(d,J=29.9Hz,CH),31.32(d,J=46.0Hz,CH),19.08(d,J=2.2Hz,CH
3),18.79(d,J=13.2Hz,CH
3),18.03(s,CH
3).
31P{
1H}NMR(d
2]DCM)δ 72.91(s).
【0110】
実施例9.OsHCl(CO)[(tBu)
2PNH(CH
2)
2NHCH
2Py](1b)の合成。
【0111】
方法1。無水エタノール(100mL)を、磁気撹拌棒を備え、PyCH
2NHC
2H
4NHPtBu
2(5.6g、18.96ミリモル)および[OsCl
2(p−シメン)]
2(7.2g、9.11ミリモル)を含む300mLフラスコ中に注いだ。この混合物を撹拌して、暗褐色溶液を得た。次いで136mg(19.59ミリモル)のリチウムを添加し、すべてのリチウムが溶解するまで撹拌を続けた。結果としての暗赤色溶液を、60mLのフリット漏斗中Celite(商標)(3g)の層を通してろ過し、そしてフィルター材料を4×10mLの無水エタノールで洗浄した。ろ過された溶液を、磁気撹拌棒を備えた300mLのスチール製オートクレーブ中に注ぎ、さらに多くのエタノールを使用して、総溶媒体積を150mLにした。オートクレーブを閉じ、密封し、そしてホットプレートスターラー上で170℃まで予熱した油浴中に入れた。600rpmで撹拌しながら、この温度を3.5時間維持した。この間、圧力を350psiまで上昇させた。次いで、オートクレーブを油浴から取り出し、そして冷水浴中に移した。1時間後、オートクレーブを換気し、空気中で開け、そして結晶性生成物を真空ろ過によって単離した。オートクレーブおよびろ過された固体を空気下、変性エタノールでしっかりと洗浄し、生成物を油ポンプの真空下(0.01mmHg)で乾燥した。収率:7.75g(77.5%)。
【0112】
方法2。15mLのm−キシレン中OsHCl(CO)(AsPh
3)
3(3.48g、2.98ミリモル)およびPyCH
2NH(CH
2)
2NP(tBu)
2(880mg、2.48ミリモル)の混合物を含むフラスコを140℃まで予熱した油浴中に入れ、そして2時間撹拌して、褐色懸濁液を得た。室温まで冷却した後、混合物を−15℃の冷凍庫中に2時間入れた。沈殿した生成物をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し(3×2mL)、そして真空下で1時間乾燥して、レモン色の微結晶性固体を得た。収率:1.51g(92%)。
1H NMR([d
2]DCM)δ 8.99(d,J=5.3Hz,1H,Py),7.70(t,J=7.7Hz,1H,Py),7.34(d,J=7.7Hz,1H,Py),7.25(t,J=6.5Hz,1H,Py),4.61−4.31(m,1H,CH
2),4.08−3.79(m,2H,CH
2),3.47−3.12(m,3H,CH
2+NH),2.77(dd,J=18.9,9.4Hz,1H,CH
2),2.04(br,1H,NH),1.39(d,J=13.1Hz,9H,CH
3),1.29(d,J=12.9Hz,9H,CH
3),−16.83(d,J(HP)=19.2Hz,1H,OsH).).
13C{
1H}NMR([d
2]DCM)δ180.35(d,J(CP)=10.3Hz,CO),157.43(s,Py),153.44(s,Py),136.58(s,Py),125.31(s,Py),121.17(s,Py),62.98(s,CH
2),57.22(s,CH
2),46.30(d,J(CP)=3.7Hz,CH
2),43.79(d,J(CP)=22.0Hz,CH
2),39.72(d,J(CP)=39.2Hz,C{tBu}),30.10(d,J(CP)=4.6Hz,CH
3),29.71(d,J(CP)=2.4Hz,CH
3).
31P{
1H}NMR([d
2]DCM)δ 83.63(s)。C
17H
31ClN
3OOsPとしての計算値:C=37.12;H=5.68;N=7.64。実測値:C=37.20;H=5.56;N=7.42。
【0113】
実施例10:OsHCl(CO)[(Ad)
2PNH(CH
2)
2NHCH
2Py](1c)の合成。
【0114】
OsHCl(CO)(AsPh
3)
3(1.036g、0.887ミリモル)およびPyCH
2NH(CH
2)
2NP(Ad)
2(400mg、0.887ミリモル)の15mLのm−キシレン中混合物を含むフラスコを150℃まで予熱した油浴中に入れ、そして2時間撹拌して、暗褐色懸濁液を得た。室温まで冷却した後、混合物を−15℃の冷凍庫中に2時間入れた。沈殿した生成物をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し(3×2mL)、そして真空下で2時間乾燥して、黄色固体を得た。
1H NMR([d
2]DCM)δ 8.98(d,J=2.7Hz,1H,Py),7.68(t,J=7.5Hz,1H,Py),7.30(d,J=7.5Hz,1H,Py),7.24(t,J=6.4Hz,1H,Py),4.45(dd,J=13.7,2.3Hz,1H,CH
2),4.15−3.74(m,2H,CH
2+NH),3.53−3.06(m,3H),2.72(dd,J=19.5,9.9Hz,1H,CH
2),2.57−1.34(m,30H,Ad),−17.01(d,J(HP)=18.8Hz,1H,OsH).
13C{
1H}NMR([d
2]DCM)δ 188.02(d,J(CP)=11.7Hz,CO),157.52(s,Py),153.36(s,Py),136.44(s,Py),125.24(s,Py),121.12(s,Py),62.86(s,CH
2),57.24(s,CH
2),47.66(d,J(CP)=20.9Hz,CH
2),46.48(s,Ad),43.76(d,J(CP)=37.3Hz,Ad),40.20(s,Ad),39.79(s,Ad),37.63(d,J(CP)=14.3Hz,Ad),29.77(d,J(CP)=8.66Hz,Ad),29.66(d,J(CP)=8.33Hz,Ad).
31P{
1H}NMR([d
2]DCM)δ81.55(s)。C
29H
42N
3POClOsとしての計算値:C=49.31;H=6.04;N=5.96。実測値:C=48.20;H=6.04;N=5.74。
【0115】
実施例11.OsHCl(CO)[(iPr)
2PO(CH
2)
2NHCH
2Py] (3)の合成。
【0116】
OsHCl(CO)(AsPh
3)
3(1.74g、1.49ミリモル)および(iPr)
2PO(CH
2)
2NHCH
2Py(400mg、1.49ミリモル)の23mLのm−キシレン中混合物を含むフラスコを150℃まで予熱した油浴中に入れ、そして1時間撹拌して、暗赤色懸濁液を得た。室温まで冷却した後、混合物を−14℃の冷凍庫中に2時間入れた。沈殿した生成物をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し(3×2mL)、そして真空下で1時間乾燥して、灰褐色固体を得た。収率:530mg(68%)。
1H NMR([d
2]DCM)δ 8.94(d,J=5.4Hz,1H,Py),7.72(td,J=7.7,1.1Hz,1H,Py),7.37(d,J=7.8Hz,2H,Py),7.32−7.22(m,1H,Py),4.54(dd,J=13.5,2.9Hz,1H,CH
2),4.13−3.72(m,4H),3.37(dt,J=12.7,J(HP)=3.7Hz,1H,CH
2),2.87(dd,J=21.6,10.8Hz,1H,CH
2),2.77−2.52(m,1H,CH),2.26−2.04(m,1H,CH),1.32(dd,J=15.7,7.4Hz,3H,CH
3),1.23(dd,J=13.7,7.2Hz,3H,CH
3),1.09(dd,J=11.9,J(HH)=3.9Hz,3H,CH
3),1.02(dd,J=14.5,J(HH)=4.3Hz,3H,CH
3),−16.08(d,J=20.4Hz,1H,OsH).
13C{
1H}NMR([d
2]DCM)δ187.94(d,J=10.0Hz,CO),157.14(s,Py),153.31(s,Py),136.96(s,Py),125.28(d,J=1.8Hz,Py),121.48(d,J=2.1Hz,Py),66.92(s,CH
2),62.80(s,CH
2),56.13(s,CH
2),33.28(d,J=29.1Hz,CH),32.40(d,J=46.2Hz,CH),18.82(s,CH
3),18.27(d,J=3.0Hz,CH
3),18.15(d,J=5.8Hz,CH
3),17.16(s,CH
3).
31P{
1H}NMR([d
2]DCM)δ 136.35(s)。
【0117】
実施例12:RuHCl(CO)[(tBu)
2PNH(CH
2)
2NHCH
2Py](4)の合成
【0118】
RuHCl(CO)(AsPh
3)
3(662g、0.677ミリモル)およびPyCH
2NH(CH
2)
2NP(tBu)
2(200mg、0.677ミリモル)の10mLのm−キシレン中混合物を含むフラスコを140℃に予熱した油浴中に入れ、そして1時間撹拌し、暗赤色懸濁液を得た。室温まで冷却した後、混合物を−13℃の冷凍庫中に2時間入れた。沈殿した生成物をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し(3×3mL)、そして真空下で1時間乾燥して、灰褐色固体を得た。収率:271mg(87%)。
1H NMR(399MHz,[d
2]DCM)δ 9.05−8.84(m,1H,Py),7.70(td,J(HH)=7.7,1.5Hz,1H,Py),7.41−7.09(m,2H,Py),4.25(dd,J(HH)=14.0,3.0Hz,1H,CH
2),4.00(dd,J(HH)=25.1,11.4Hz,1H,CH
2),3.93(br,1H,NH),3.46−3.12(m,3H),2.67(m,1H,CH
2),2.07−1.87(br,1H,NHP),1.39(d,J(HP)=13.3Hz,9H,CH
3),1.28(d,J(HP)=13.1Hz,9H,CH
3),−15.11(d,J(HP)=26.5Hz,1H).
13C{
1H}NMR(100MHz,[d
2]DCM)δ 207.67(dd,J(CP)=18.5Hz,CO),157.33(s,Py),153.26(s,Py),136.96(s,Py),124.56(d,J(CP)=1.9Hz,Py),121.23(d,J(CP)=2.1Hz,Py),61.66(d,J(CP)=1.9Hz,CH
2),56.30(s,CH
2),45.35(d,J(CP)=5.0Hz,CH
2),42.35(d,J(CP)=15.7Hz,C
tBu),38.47(d,J(CP)=33.7Hz,C
tBu),29.87(d,J(CP)=5.2Hz,CH
3),29.63(d,J(CP)=4.0Hz,CH
3).
31P{
1H}NMR([d
2]DCM)δ 12.16(s)。C
17H
31ClN
3OPRuとしての計算値:C=44.30;H=6.78;Cl=7.69;N=9.12。実測値:C=43.76;H=6.58;N=8.63。
【0119】
実施例13:OsH
2(CO)[(tBu)
2PNH(CH
2)
2NHCH
2Py](5)の合成
【0120】
75mLの高圧容器に、10mLのTHF中OsHCl(CO)[(tBu)
2PNH(CH
2)
2NHCH
2Py]錯体(200mg、0.363)およびtBuOK(45mg、0.399)を入れた。結果としての暗赤色混合物を10気圧のH
2ガスで加圧し、そして室温にて2時間撹拌した。その後、リアクターを減圧し、グローブボックス中に入れた。結果としての褐色溶液をガラスフリットに通して濾過し、そしてTHFを真空中で50%減少させた。ろ液を次いで6mLのヘキサンと混合し、生成物を冷凍庫中で放置して結晶化させた。OsH
2(CO)[(tBu)
2PNH(CH
2)
2NHCH
2Py]錯体をろ過によって黄色固体として単離し、続いて減圧下で乾燥した(10分間)。収率112mg(60%)。錯体は、THFの溶液中および固体状態での安定性が限定された2つのfacおよびmer異性体の混合物として結晶化した。錯体はゆっくりと分解してOsH(CO)[(tBu)
2PNH(CH
2)
2NCH
2Py]錯体および水素ガスになった。
1H NMR([d
8]THF)δ 主要異性体(mer)9.25(d,J=5.01H,Py),7.49(t,J=7.4Hz,1H,Py),7.23(d,J=7.4Hz,1H,Py),6.95(t,J=5.8Hz,1H,Py),5.15(br,1H,NH),4.38(dd,J=13.4,J=2.5Hz,1H,CH
2),3.80−3.40(m,1H,[d
8]THFとオーバーラップ),3.44−3.10(m,2H),3.10〜2.84(m,2H),2.75−2.40(m,3H),1.35(d,J=12.3Hz,18H,CH
3),−4.45(dd,J=14.2,6.5Hz,1H,OsH),−4.90(dd,J(HP)=13.4,J(HH)=6.6Hz,1H,OsH),副異性体(fac)−4.56(d,J(HH)=6.1Hz,1H),−14.32(dd,J(PH)=17.2,J(HH)=6.7Hz,1H).
31P{
1H}NMR([d
8]THF)δ主要異性体101.53(s)、副異性体86.95(s)。IR(Nujol):νCO=1867(s)。
【0121】
理論によって拘束されないが、錯体(5)は、基質の水素化のための潜在的なプレ触媒または中間錯体として提示される。
【0122】
実施例14:錯体(1b)〜(1c)の結晶構造決定
【0123】
ヘキサンをジクロロメタン中飽和溶液にゆっくりと拡散させることによって、錯体1bおよび1cの単結晶を成長させた。錯体1bについてのデータを、Helios光学素子、Kappa Noniusゴニオメーター、およびPlatinum−135検出器を備えたBruker Microstar発生器で集めた。錯体1cについてのデータを、IμS(商標)X線源発生器、Kappa NoniusゴニオメーターおよびPlatinum135検出器を備えたBruker APEX II QUAZARで集めた。セル精密化(Cell refinement)およびデータ整理は、SAINT[SAINT(1999)Release 6.06;Integration Software for Single Crystal Data.Bruker AXS Inc.,Madison,Wisconsin,USA]を使用して実施した。等しい反射の複数の測定に基づく実験による吸収補正を、プログラムSADABS[Sheldrick,G.M.(1999).SADABS,Bruker AreaDetector Absorption Corrections.Bruker AXS Inc.,Madison,Wisconsin,USA]を使用して適用した。空間群は、SHELXTL[SHELXTL(1997)Release 5.10;The Complete Software Package for Single Crystal Structure Determination.Bruker AXS Inc.,Madison,Wisconsin,USA]のXPREPルーチン[XPREP(1997)Release 5.10;X−ray data Preparation and Reciprocal space Exploration Program.Bruker AXS Inc.,Madison,Wisconsin,USA]によって確認した。構造を直接的方法によって解明し、そして完全行列最小二乗法およびSHELX−2013[(Sheldrick,G.M.(1997).SHELXS97,Program for the Solution of Crystal Structures.Univ.of Gottingen,Germany;Sheldrick,G.M.(1997).SHELXL97,Program for the Refinement of Crystal Structures.University of Gottingen,Germany]をLinXTLツールボックス[LinXTLはローカルプログラムであり、 and was obtained free of charge from http://sourceforge.net/projects/linxtl/から無料で入手した]の一部として使用した差フーリエ(difference Fourier)技術によって精密化した。全ての非水素原子を等方性変位パラメータで精密化した。水素原子を算出された位置にセットし、そして差フーリエマップ(difference Fourier map)における残存ピークから位置決定したNH、OH部分および水素化物のものを除く一般的な熱パラメータでライディング原子(riding atom)として精密化した。すべての公開資料(cifファイル検証およびORTEP描画)を、LinXTLおよびPlatonプログラムを使用して準備した[A.L.Spek,Acta Cryst.2009,D65,148−155]。
図3、および表1〜2を参照のこと。
【0124】
【表5】
【0125】
【表6】
【0126】
実施例15.錯体(1a)、および(3)を用いるエステルの水素化のための典型的な手順
【0127】
触媒1(5.2mg/mL)および塩基(0.2ミリモル)のTHF中溶液を6mLのTHF中0.02モルのエステル基質と混合した。混合物を次いで、磁気撹拌棒を備えた75mLステンレス鋼リアクター(Parr 4740)中に移した。リアクターを2サイクルのH
2での加圧/放出(150psi、10バール)によってパージし、H
2(725psi、50バール)で加圧し、そしてH
2源からの接続を切った。水素化を40〜100℃で実施した。必要とされる反応時間の最後に、リアクターを冷水浴中に入れ、そして周囲温度まで冷却した後に減圧した。
【0128】
下記表3は、錯体(1a)および(3)を使用して得られた結果をまとめる。
【0129】
【化22】
【0130】
【表7】
錯体1a、3
aによって触媒されるエステル、ケトン、イミンの水素化
a反応は、75mLのオートクレーブ中、100℃および50バールのH
2圧力でTHF中20ミリモルの基質を使用して実施した。
b反応は、15mLのTHF中、0.1モルの基質を使用して300mLのオートクレーブ中で実施した。
c3−ノネン−1−オール/1−ノナノール=90/10比。
d10−ウンデセン−1−オール/1−ウンデカノール=82/11比。
e10−ウンデセン−1−オール/1−ウンデカノール=63/24。
f10−ウンデセン−1−オール/1−ウンデカノール=63/13。
gE,E−9,12−オクタデカジエン−1−オール/E,Z−9,11−オクタデカジエン−1−オール/Z,E−10,12−オクタデカジエン−1−オール=57/22/21
【0131】
実施例16:エナール、エノン、エノレートの錯体(1)〜(4)での水素化のための典型的な手順
【0132】
全ての実験について、変換率は、他の溶媒で希釈または混合することなく反応混合物から採取された約0.65mLのサンプルを使用した
1H NMR分光法によって決定された。スペクトルを、0.3μs
1Hパルスおよび10s収集時間を使用して
2Hロックなしで集めて、ピークの正確な積分を確実にした。
【0133】
アルゴングローブボックス中で、必要とされる量の錯体4〜6、および溶媒(THFまたはiPrOH、Parr 75mLについては7mL、Parr 300mLについては50mL)を所望の量の塩基(tBuOK、NaOMe、Na
2CO
3、K
2CO
3またはCs
2CO
3)に添加した。得られた混合物を次いで基質(0.02〜0.10モル)と混合し、磁気撹拌棒を備えたステンレス鋼Parrリアクター(75mLまたは300mL)中に移した。リアクターを閉鎖し、グローブボックスから取り出し、密封し、水素タンクと接続した。ラインをパージした後、リアクターを725psi(50バール)まで加圧し、そしてH
2源からの接続を切断した。次いで、リアクターを100℃まで予熱した油浴中に入れた。反応時間の最後に、リアクターを冷水浴中に5分間移し、減圧した。
【0134】
下記表4は、10−ウンデセン酸メチル水素化についての錯体(1)〜(4)と錯体(I)〜(V)の間の比較結果の概要を示す。下記表5は、錯体(1b)でのエナール、エノン、およびエノレート水素化の結果の概要を示す(
図5〜7を参照のこと)。
【0135】
【表8】
[a]0.1モルのエステル、0.05モル%の触媒、7mLのTHF中1モル%の
tBuOKを使用して、100℃で1.5時間の反応時間;p(H
2)=50バール。錯体2は、PCT/CA2012−050571で以前に開示された。[b]ウンデク−10−エノールおよびウンデカノールへの全変換率。[c]C=C結合水素化がない場合は100%。[d]100×[C−9]/([C−9]+[C−10])としてのC−9オレフィンのパーセンテージ。[e]5モル%NaOMeを使用、[L.A.Saudan,C.M.Saudan,C.Debieux,P.Wyss,Angew.Chem.Inter.Ed.2007,119,7617−7620]からのデータ。[f][L.A.Saudan,C.M.Saudan,C.Debieux,P.Wyss,Angew.Chem.Inter.Ed.2007,119,7617−7620.]で確認されなかった。
【0136】
【表9】
[a]特に断りのない限り、7mLの溶媒中の0.02モルの基質を75mLのParr高圧容器中で水素化した。[b]触媒、モル%。[c]塩基、モル%。[d]選択性(C=C結合水素化がない場合は100%)。[e]NMRスペクトルの定量的積分によって決定されるアルコールへの総(飽和+不飽和)変換率。[d]300mLのParrオートクレーブ中で水素化。
【0137】
考察
上記のとおり、エステル/エノレート水素化において化学選択性を達成することは困難である;効率的な触媒はほとんど知られておらず、知られているものは最近になってようやく利用可能になった。ヒマシ油から誘導される化学物質である10−ウンデセン酸メチルの水素化を、現在利用可能な触媒(I〜V)および本明細書中で開示されているもの(1、3、4)を用いて調査した。10−ウンデセン酸メチル水素化の最も望ましい生成物と考えられる10−ウンデセノールは、香料製品およびポリマー化合物の有益な材料である。水素化触媒I〜V(
図2を参照のこと)を使用する10−ウンデセン酸メチルの水素化の結果を、表4に概略的に記載した。10−ウンデセノールのビニル基は、NMRによって反応混合物中で容易に同定された。C=C結合の水素化によって、それぞれδ0.89および14.1ppmで
1Hおよび
13Cメチル共鳴が生じる一方で、9−エン生成物はδ12.6、123.7、131.0(Z)および17.8、124.8、131.9(E)で異なる
13Cシフトを示した。
【0138】
工業用触媒II(Ru−MACHO, Takasago)、IIIおよびIV(Firmenich)は10−ウンデセン酸メチルのC=OおよびC=C結合を類似した速度で水素化することが見いだされた。C−10からC−9のC=C結合移動も問題であった。Milsteinの触媒Iは、主に飽和生成物を産生し(表4を参照のこと)を産生し、10−ウンデセノールは産生しなかった。オスミウム触媒Vの性能も満足できるものではなかった。
【0139】
錯体1〜4(表4を参照のこと)は、NNXP−R=PyCHNHC
2H
4XPR
2リガンド系(X=NH、CH
2、O)に基づいていた。錯体1〜4のうち、NNNP−tBu錯体1bは10−ウンデセノエート還元のための最も優れた触媒として出現した:その水素化速度および選択性は、溶媒なしでさらに増大した。したがって、10
4の基質対触媒比(8gのニートな10−ウンデセン酸メチルおよび2.2mgの1b)で、水素化は、5時間で定量的であり、98%の選択性であった(表5、E1を参照のこと)。
【0140】
したがって、反応温度、溶媒、塩基、および時間を変えながら、関心対象の基質の大集団に関して錯体1bをさらに試験した(表5、
図5および6を参照のこと)。1bは、優れたカルボニル選択性を有する強固で実際的かつ高効率のH
2水素化触媒であることが立証された。
【0141】
錯体1bはまた、ある基質、特にK4、K5、およびK6について立体選択性を示した(
図6および7を参照のこと)。理論によって拘束されないが、そのような立体選択性は、他のものよりも立体的により遮蔽されている錯体1bの一面に起因し、その結果、基質はあまり立体的に遮蔽されていない面と優先的に相互作用し、立体選択的生成物を生じたとされた。これは、本明細書中で開示される錯体が立体選択的水素化生成物を効果的に生成させることができることを証明した。
【0142】
式(6)および(7)(以下に示す、式中、R
1=iPr)の錯体を上述の一般的方法によって合成した。錯体(6)は、エステル、ケトン、エナール、エノン、エノエート、植物油および種子油、複数のエステル基を有するエステル、ならびにイミン基水素化において錯体(1a〜c)、(3)、および(4)と類似した活性および/または位置選択性を示した。錯体(7)は、エナール、エノン、エノエート水素化において、錯体(1a〜c)、(3)、および(4)と類似した位置選択性を示さなかった。
【0143】
【化23】
【0144】
実施例17:キリ油のエステル交換および水素化
【0145】
100g(約0.114モル)のキリ油(天然源由来)を含む250mLの丸底フラスコに、KOH(300mg)の50mLのエタノール中溶液を添加した。結果としての混合物を激しく撹拌し、90℃で1時間加熱した。その後、200mLのヘキサンを添加し、その後に得られた抽出物を3×100mLのNa
2CO
3(5重量%)水溶液で洗浄した。有機層をMgSO
4上で2時間乾燥し、Al
2O
3の5cm×3cm層を通して濾過し、そしてヘキサンを真空中で除去した。エチルエステルの混合物を淡黄色油67g(64%)として単離した。その組成をNMR分光法によって決定した(
図4を参照のこと)。
【0146】
実施例18:錯体1aでのキリ油およびココナッツ油の水素化
【0147】
錯体1aのTHF溶液(14mgまたは32mg、50mL)をtBuOK(Cs
2CO
3について67mgまたは197mg、3モル%)に添加した。結果としての混合物を1〜2分間撹拌し、次いでココナッツ(またはキリ)油(0.02モル)を添加した。混合物を次いで、磁気撹拌棒を備えた300mLのステンレス鋼リアクター(Parr)中に移した。リアクターを2サイクルのH
2での加圧/放出(150psi、10バール)によってパージし、次いでH
2で加圧し(725psi、50バール)、H
2源との接続を切った。反応を100℃で実施した。必要な量の反応時間の最後に、リアクターを冷水浴中に入れ、そして周囲温度まで冷却した後に減圧した。結果については表6を参照のこと。
【0148】
【表10】
【0149】
本明細書中で言及される全ての刊行物、特許および特許出願は、本発明が属する分野の熟練者の技量レベルを示すものであり、各々の刊行物、特許、または特許出願が参照により援用されることが具体的かつ個別に特定されているかのように同じ程度まで参照により本明細書中で援用される。
【0150】
本発明はこのように記載したが、これをさまざまに変えることができることは明らかであろう。そのような変化は本発明の主旨および範囲から逸脱するものとみなされるべきではなく、そのような修正はすべて、当業者には明らかなように、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。