(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した二次電池は、例えばはんだ付け等によって外部基板に実装される。
しかしながら、充電状態(電池電圧がある状態)の二次電池を外部基板に実装すると、リフロー時に電極体が高温に晒されることで、電極体が劣化するおそれがある。
一方、未充電状態(電池電圧がない状態)の二次電池を外部基板に実装すると、動作確認の際に別途充電を行ったり、外部から給電を行ったりする必要がある。そのため、製造工数や製造設備の増加に繋がる。
また、時計等の小型機器の外部基板に二次電池を実装する場合には、実装スペースを確保することが難しい。
【0006】
また、二次電池をはんだ付けにより実装する構成に替えて、二次電池が接続される電極端子を二次電池に配設する構成も考えられる。しかしながら、この場合には、部品点数の増加やそれに伴う製造コストの増加に繋がる。
【0007】
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、電極体の劣化を抑制した上で、簡単かつ低コストで外部基板に実装できる電気化学セルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明の一態様に係る電気化学セルは、第1電極層及び第2電極層が固体電解質を介して第1方向に交互に積層された電極体と、セラミックス材料からなる第1基板を含む複数の基板が前記第1方向に積層され、前記電極体を収容するキャビティが形成された外装体と、前記外装体に形成され、前記第1電極層及び外部基板間を接続する第1電極接続配線と、前記外装体に形成され、前記第2電極層及び前記外部基板間を接続する第2電極接続配線と、を備え、少なくとも前記第1電極接続配線は、前記第1基板に形成され、前記第1基板には、少なくとも前記第1電極接続配線を前記外部基板に実装するための締結部材が取り付けられる取付部が形成され
、前記締結部材は、前記外部基板にねじ締結される。
【0009】
本態様によれば、電気化学セルを外部基板に実装する際に、電気化学セルが高温に晒されるのを抑制できるので、仮に充電状態の電気化学セルを外部基板に実装したとしても、電極体の劣化を抑制できる。その結果、充電状態の電気化学セルを外部基板に実装できるので、未充電状態の電気化学セルを外部基板に実装する場合に比べて、製造工数や製造設備の増加を抑えることができる。その結果、簡単かつ低コストで外部基板への実装を実現できる。
また、締結部材によって外部基板に電気化学セルを固定するだけなので、リフローはんだ付けによって電気化学セルを外部基板に実装する場合に比べ、外部基板上での実装スペースの削減を図ることができる。
【0010】
上記態様において、前記第1基板には、前記第1電極接続配線及び前記第2電極接続配線がそれぞれ形成され、前記取付部は、前記第1電極接続配線を前記外部基板に実装するための締結部材が取り付けられる第1電極取付部と、前記第2電極接続配線を前記外部基板に実装するための締結部材が取り付けられる第2電極取付部と、を有していてもよい。
本態様によれば、第1電極及び第2電極それぞれについて取付部が設けられているため、上述した作用効果がより奏功される。
特に、電気化学セル自体に第1電極及び第2電極双方の取付部を設けることで、例えば外部基板に設けられた電極端子を用いて第2電極接続配線を接続する構成に比べ、外部基板側を含めた部品点数の削減や低コスト化を図ることができる。
【0011】
上記態様において、前記第1基板は、前記電極体が実装された実装部を備え、前記取付部は、前記第1方向から見た平面視において、前記実装部から前記第1方向に交差する方向に突出していてもよい。
本態様によれば、実装部の一部から突出して取付部が形成されているため、取付部を確保するために第1基板の全体を大型化する場合に比べて外装体の平面視外形の大型化を抑制できる。その結果、外部基板上での実装面積の削減を図ることができる。
【0012】
上記態様において、前記取付部には、前記締結部材を前記第1方向に挿通可能な切欠き部が形成されていてもよい。
本態様によれば、締結部材を第1方向に挿通可能な切欠き部が取付部に形成されているため、電気化学セルと締結部材との位置ずれを抑制できる。
【0013】
上記態様において、前記切欠き部の内面には、少なくとも前記第1電極接続配線が露出していてもよい。
本態様によれば、接続配線のうち、切欠き部の内面に露出している部分と、締結部材と、が接触することで、締結部材と第1電極接続配線との導通性を確保できる。
【0014】
上記態様において、前記切欠き部は、前記締結部材の頭部を収容する頭部収容部と、前記締結部材の軸部が挿通されるとともに、前記頭部収容部よりも小径とされた軸部収容部と、を備え、前記第1電極接続配線は、前記頭部収容部のうち、前記締結部材と前記第1方向で対向する面に露出していてもよい。
本態様によれば、第1電極接続配線が、頭部収容部のうち、締結部材と第1方向で対向する面に露出しているため、締結部材と第1電極接続配線との導通性をより確保できる。
【0015】
上記態様において、前記第1電極接続配線は、前記第1基板のうち前記外部基板を向く面に露出していてもよい。
本態様によれば、第1電極接続配線が第1基板のうち、外部基板を向く面に露出しているため、電気化学セルを外部基板上に固定するだけで、接続配線と外部基板上に形成された外部配線との導通を図ることができる。
【0016】
上記態様において、前記第2電極接続配線は、前記外部基板に設けられた弾性変形可能な電極端子に接続可能に構成されていてもよい。
本態様によれば、電気化学セル自体に第1電極及び第2電極双方の取付部を設ける構成に比べて外装体の平面視外形の大型化を抑制できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電極体の劣化を抑制した上で、簡単かつ低コストで外部基板に実装できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、本発明に係る電気化学セルとして、全固体型の電極体を有する二次電池について説明する。以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
[二次電池]
図1は
図2のI−I線に沿う二次電池1の断面図である。
図1に示すように、本実施形態の二次電池1は、電極体2と、電極体2を収納するキャビティCを有する外装体3と、を備えている。
【0020】
<電極体>
電極体2は、いわゆる全固体型の電極体2である。具体的に、電極体2は、正極層11及び負極層12が固体電解質層13を介して交互に積層された積層体10を有している。
正極層11は、固体電解質層13間に配置された正極接続層15と、電極体2における積層方向(第1方向)の一端部(最下層)で露出する正極集電層16と、を有している。
正極接続層15には、正極接続層15を積層方向に貫通する正極逃げ孔21が、積層方向に直交する面内方向で間隔をあけて形成されている。各正極接続層15において、対応する正極逃げ孔21同士は、積層方向から見た平面視で重なり合っている。
【0021】
なお、正極層11は、正極活物質や固体電解質、導電助剤等を含んでいる。
正極活物質としては、例えばNASICON型のLiV
2(PO
4)
3、オリビン型のLi
xJ
yMtPO
4(但し、JはAl、Mg、Wから選ばれる少なくとも1種以上であり、MtはNi、Co、Fe、Mnから選ばれる1種以上、0.9≦x≦1.5、0≦y≦0.2)、層状酸化物、又はスピネル型酸化物であることが好ましい。その中でも特に、LiMtO
2及び/又はLiMt2O
4(但し、MtはFe、Ni、Co及びMnの中から選ばれる1種以上)からなることがより好ましい。これにより、正極活物質がリチウムイオンを吸蔵し易くなるため、全固体型の二次電池1の放電容量をより高めることができる。正極活物質の具体例としては、例えばLiCoPO
4、LiCoO
2、LiMn
2O
4を用いることができる。
【0022】
固体電解質としては、リチウムイオン伝導性のガラスや結晶が好適に用いられる。そのうち、リチウムイオン伝導性の結晶としては、例えばNASICON型や、β−Fe
2(SO
4)
3型、及びペロブスカイト型から選ばれる酸化物の結晶が挙げられる。より具体的には、Li
6BaLa
2Ta
2O
12や、LiN、La
0.55Li
0.35TiO
3、Li
1+XAl
x(Ti,Ge)
2-X(PO
4)
3、LiTi
2P
3O
12、Li
1.5Al
0.5Ge
1.5(PO
4)
3、Li
1+x+yZr
2−x(Al,Y)
xSi
yP
3−yO
12(但し、0.05≦x≦0.3、0.05≦y≦0.3)等を挙げることができる。その中でも特に、Li
1+x+zE
yG
2−jSi
zP
3−yO
12(但し、j、x、y、zは0≦x≦0.8、0≦z≦0.6、yは0≦y≦0.6、jは0≦j≦0.6を満たし、EはAl、Ga、Y、Sc、Ge、Mg、Ca、Ce、Smから選ばれる1種以上、GはTi、Zrから選ばれる1種類以上)が好ましい。
【0023】
また、リチウムイオン伝導性のガラスとしては、例えばLiPO
3、70LiPO
3−30Li
3PO
4、Li
2O−SiO
2、Li
2O−SiO
2−P
2O
5−B
2O
5−BaO系の、非晶質又は多晶質のガラスが挙げられる。その中でも特に、Li
2O−P
2O
5系ガラス及びLi
2O−P
2O
5−M’
2O
3系のガラス(PがSiに置換されたものも含む。M’はAl、Bである。)から選択される1種以上が好ましい。
【0024】
導電助剤としては、炭素、並びにNi、Fe、Mn、Co、Mo、Cr、Ag及びCuの少なくとも1種以上からなる金属及びこれらの合金を用いることできる。また、チタンやステンレス、アルミニウム等の金属や、白金、銀、金、ロジウム等の貴金属を用いてもよい。このような電子伝導性の高い材料を導電助剤として用いることで、正極層11中に形成された狭い電子伝導経路を通じて伝導できる電流量が増大するため、集電体を用いなくても内部抵抗の小さい二次電池1を形成できる。
【0025】
負極層12は、固体電解質層13間に配置された負極接続層22と、電極体2における積層方向の他端部(最上層)で露出する負極露出層23と、電極体2の最下層で露出する負極集電層24と、を有している。
負極接続層22は、正極接続層15に対して積層方向の両側に固体電解質層13を介して積層されている。負極接続層22には、負極接続層22を積層方向に貫通する負極逃げ孔25が上述した面内方向で間隔をあけて形成されている。各負極接続層22において、対応する負極逃げ孔25同士は、積層方向から見た平面視で重なり合っている。
【0026】
本実施形態において、正極接続層15及び負極接続層22の逃げ孔21,25は、それぞれ同等の内径とされている。また、異極の接続層15,22の逃げ孔21,25は、積層方向から見た平面視で互いに重なり合わない位置に配置されている。なお、以下の説明では、電極体2の積層方向の一端側を下方といい、他端側を上方という場合がある。
【0027】
なお、負極層12は、負極活物質や上述した固体電解質、導電助剤等を含んでいる。
負極活物質としては、NASICON型、オリビン型、スピネル型の結晶を含む酸化物、ルチル型酸化物、アナターゼ型酸化物、若しくは非晶質金属酸化物、又は金属合金等から選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。その中でも特に、Li
1+x+zAl
yTi
2Si
zP
3−zO
12(但しx、y、zは0≦x≦0.8、0≦z≦0.6、yは0≦y≦0.6を満たす)、Li
4Ti
5O
12、TiO
2からなることがより好ましい。これにより、負極活物質がリチウムイオンを吸蔵し易くなるため、二次電池1の放電容量をより高めることができる。負極活物質の具体例としては、例えばLi
2V
2(PO
4)
3、Li
2Fe
2(PO
4)
3、LiFePO
4、Li
4Ti
5O
12、SiO
x(0.25≦x≦2)、Cu
6Sn
5を用いることができる。
【0028】
固体電解質層13は、正極層11及び負極層12間に介在して、正極層11及び負極層12を隔離する。なお、本実施形態の固体電解質層13は、上述した各接続層15,22の逃げ孔21,25にも形成されている。
【0029】
ここで、上述した正極集電層16には、正極集電層16を積層方向に貫通する露出孔26が形成されている。露出孔26は、積層方向から見た平面視において、上述した正極逃げ孔21のうち、何れかの正極逃げ孔21に重なり合っている。
【0030】
上述した負極集電層24は、上述した露出孔26内に配置されている。負極集電層24は、平面視外形が露出孔26よりも小さくなっている。負極集電層24は、露出孔26内において、固体電解質層13を介して正極集電層16と隔離されている。したがって、本実施形態の各集電層16,24は、電極体2の下面でそれぞれ露出している。
【0031】
電極体2は、各正極層11(正極接続層15及び正極集電層16)同士を並列接続する正極ビア31と、各負極層12(負極接続層22、負極露出層23及び負極集電層24)同士を並列接続する負極ビア32と、を有している。
【0032】
正極ビア31は、電極体2の積層方向に沿って延設されている。正極ビア31は、負極逃げ孔25を通って各正極接続層15同士及び正極集電層16間を接続している。なお、正極ビア31の外径は、負極逃げ孔25の内径よりも小さくなっている。したがって、正極ビア31は、負極逃げ孔25内で固体電解質層13を介して負極接続層22と隔離されている。
【0033】
負極ビア32は、電極体2の積層方向に沿って延設されている。負極ビア32は、正極逃げ孔21を通って各負極接続層22、負極露出層23及び負極集電層24間を接続している。なお、負極ビア32の外径は、正極逃げ孔21の内径よりも小さくなっている。したがって、負極ビア32は、正極逃げ孔21内で固体電解質層13を介して正極接続層15と隔離されている。また、上述した各逃げ孔21,25は、対応するビア31,32が通過可能でさえいれば、積層方向に加えて面内方向に開口していても構わない。なお、本実施形態では、ビア31,32が電極体2の外周面上で露出する構成について説明しているが、ビア31,32が電極体2の外周面上に露出しない構成としても構わない。これにより、正極層11及び負極層12の短絡等を抑制できる。
【0034】
<外装体>
外装体3は、ベース基板(第1基板)41と、リッド基板42と、を備えている。なお、本実施形態の外装体3は、積層方向から見た平面視形状が円形状に形成されている。
ベース基板41は、例えばセラミックス材料(アルミナ等)により形成されている。ベース基板41は、積層方向を厚さ方向とする板状に形成されている。ベース基板41は、電極体2が実装される実装部45と、実装部45から突設された一対の取付部(正極取付部46及び負極取付部47)と、を有している。
【0035】
図2は二次電池1の底面図である。
図1、
図2に示すように、実装部45は、積層方向から見た平面視外形が電極体2よりも大きい円形状に形成されている。実装部45の上面における外周部分には、接合膜43が形成されている。接合膜43は、平面視で環状に形成され、電極体2の周囲を取り囲んでいる。
取付部46,47は、実装部45の外周面のうち面内方向の一方向(積層方向に交差する方向)で対向する位置から、一方向の両側に向けてそれぞれ突設されている。なお、取付部46,47は、実装部45の一部からそれぞれ突出していれば、互いの延在方向が交差していても構わない。
【0036】
ベース基板41には、電極体2と外部基板80とを接続する接続配線(正極接続配線51及び負極接続配線52)が形成されている。正極接続配線51は、ベース基板41を貫通する正極貫通配線54と、ベース基板41の下面に形成された正極引出配線55と、を有している。
正極貫通配線54は、平面視において実装部45の中心に対して上述した一方向の正極取付部46寄りの位置に形成されている。正極貫通配線54は、ベース基板41(実装部45)の上下面でそれぞれ露出している。
正極引出配線55は、ベース基板41の下面を一方向に沿って延在している。具体的に、正極引出配線55のうち、延在方向における第1端部は、実装部45の下面において正極貫通配線54に接続されている。正極引出配線55の第2端部は、正極取付部46の下面に位置している。
【0037】
負極接続配線52は、ベース基板41を貫通する負極貫通配線61と、ベース基板41の下面に形成された負極引出配線62と、を有している。
負極貫通配線61は、平面視において実装部45の中心に対して上述した一方向の負極取付部47寄りの位置に形成されている。負極貫通配線61は、ベース基板41(実装部45)の上下面でそれぞれ露出している。
負極引出配線62は、ベース基板41の下面を一方向に沿って延在している。具体的に、負極引出配線62のうち、延在方向における第1端部は、実装部45の下面において負極貫通配線61に接続されている。負極引出配線62の第2端部は、負極取付部47の下面に位置している。
【0038】
上述した各取付部46,47には、各取付部46,47及び各引出配線55,62を積層方向に貫通する切欠き部48,49(正極切欠き部48及び負極切欠き部49)がそれぞれ形成されている。各切欠き部48,49は、二次電池1を外部基板80に実装するための締結部材50が挿通可能とされている。
【0039】
図1に示すように、各切欠き部48,49は、下方に向かうに従い段々と縮径する段付き孔とされている。具体的に、各切欠き部48,49は、締結部材50の頭部50aが収容される頭部収容部48a,49aと、締結部材50の軸部50bが挿通される軸部収容部48b,49bと、をそれぞれ有している。軸部収容部48b,49bは、頭部収容部48a,49aよりも小径に形成されている。軸部収容部48b,49bの内周面には、上述した引出配線55,62が各別に露出している。なお、切欠き部48,49の内径は、積層方向の全体に亘って一様であっても構わない。また、切欠き部48,49は、積層方向に貫通するのに加え、取付部46,47の外周面上で面内方向に開口しても構わない。
【0040】
上述した電極体2は、各集電層16,24を下方に向けた状態でベース基板41の実装部45上に実装されている。電極体2の正極集電層16は、実装部45の上面において、はんだ付け等によって正極貫通配線54上に実装されている。電極体2の負極集電層24は、実装部45の上面において、はんだ付け等によって負極貫通配線61上に実装されている。すなわち、本実施形態の電極体2は、各集電層16,24が同一面(電極体2の下面)上で各貫通配線54,61に実装されている。なお、各集電層16,24と、各貫通配線54,61と、は例えば熱硬化性の導電性接着剤によって実装しても構わない。
【0041】
リッド基板42は、熱膨張係数がベース基板41に近い材料(例えば、コバール等の金属材料)により形成されている。リッド基板42は、積層方向に沿う断面視形状がハット型に形成されている。具体的に、リッド基板42は、天壁部65と、天壁部65の外周縁から下方に延設された囲繞壁66と、囲繞壁66の下端縁から外側に張り出すフランジ部67と、を有している。
【0042】
天壁部65は、積層方向から見た平面視外形が電極体2よりも大きい円形状に形成されている。天壁部65は、電極体2を間に挟んで積層方向でベース基板41の実装部45に対向している。
囲繞壁66は、電極体2の周囲を取り囲んでいる。そして、ベース基板41の実装部45、リッド基板42の天壁部65及び囲繞壁66で囲まれた空間は、電極体2を収納するキャビティCを構成している。
【0043】
フランジ部67は、外径が実装部45の外径と同等以下に形成された環状に形成されている。フランジ部67の下面は、接合膜43を介して実装部45の上面に接合されている。本実施形態において、フランジ部67は、銀ロウ等のロウ材やはんだ材等による焼付けによって実装部45上に接合されている。これにより、上述したキャビティCが気密封止されている。
【0044】
このように構成された二次電池1は、上述したように締結部材50によって外部基板80に実装される。具体的に、二次電池1は、ベース基板41を下方に向けた状態で外部基板80に載置されている。外部基板80のうち、各取付部46,47と積層方向で重なる部分には、図示しない正極外部配線及び負極外部配線が形成されている。そして、締結部材50は、各取付部46,47の切欠き部48,49内に挿通された状態で、外部基板80側の図示しない雌ねじ部に締結されている。
これにより、正極引出配線55及び正極外部配線と、負極引出配線62及び負極外部配線と、がそれぞれ電気的接続された状態で、二次電池1が外部基板80に固定される。具体的に、本実施形態では、正極引出配線55及び正極外部配線と、負極引出配線62及び負極外部配線と、がそれぞれ締結部材50を介して電気的に接続されていても構わない。この場合、締結部材50は、外部基板80との締結部分において、外部配線に電気的に接続される。一方、締結部材50は、各引出配線55,62のうち、切欠き部48,49の内面に露出している部分に接触することで、各引出配線55,62に電気的に接続される。
【0045】
また、ベース基板41が平板状に形成されているため、セラミックスシート(グリーンシート)を積層してベース基板41を形成する場合に、例えばベース基板が凹部を有する構成(例えば、
図10参照)に比べてセラミックスシートの積層数を削減できる。これにより、低コスト化を図ることができる。
【0046】
なお、対応する引出配線55,62と、外部配線と、が直接接続される構成であれば、締結部材50は各種配線に電気的に接続されていなくても構わない。この場合、本実施形態では、各引出配線55,62が切欠き部48,49に積層方向で重なる位置に形成された構成について説明したが、これに限られない。
【0047】
[二次電池の製造方法]
次に、上述した二次電池1の製造方法について説明する。
本実施形態の二次電池1の製造方法は、電極体形成工程と、外装体3により電極体2を封止する封止工程と、を有している。
【0048】
<電極体形成工程>
電極体形成工程は、正極シート作製工程及び負極シート作製工程と、積層工程と、熱プレス工程と、を主に有している。
【0049】
(正極シート作製工程)
正極シート作製工程では、正極層11の原料組成物を基材上に塗布して正極グリーンシートを形成する。正極グリーンシートのうち、正極接続層15となる正極グリーンシートには、正極逃げ孔21を形成する一方、負極グリーンシートの負極逃げ孔25に対応する部分を除く領域に固体電解質層13の原料組成物を塗布する。また、正極グリーンシートのうち、正極集電層16となる正極グリーンシートには、露出孔26を形成する一方、負極グリーンシートの負極逃げ孔25に対応する部分を除く領域に固体電解質層13の原料組成物を塗布する。なお、上述したグリーンシートとは、薄板状に形成されたガラス粉末、結晶(セラミックス又はガラスセラミックス)粉末の未焼成体を指す。具体的に、本実施形態のグリーンシートは、各電極層(正極層11及び負極層12)や固体電解質層13の原料組成物が、有機バインダや溶剤等に混合されてスラリーやペースト状をなし、薄板状に成形されたものを指す。また、本実施形態のグリーンシートには、他のグリーンシート又は他のグリーンシートの焼成体に原料組成物が塗布されたものも含む。
【0050】
(負極シート作製工程)
負極シート作製工程では、負極層12の原料組成物を基材上に塗布して負極グリーンシートを形成する。負極グリーンシートのうち、負極接続層22となる負極グリーンシートには、負極逃げ孔25を形成する一方、正極グリーンシートの正極逃げ孔21に対応する部分を除く領域に固体電解質層13の原料組成物を塗布する。
【0051】
(積層工程)
積層工程では、正極シート作製工程で作製された正極シートと、負極シート作製工程で作製された負極シートと、を積層する。このとき、正極接続層15となる正極シート、及び負極接続層22となる負極シートは、正極逃げ孔21同士が積層方向で重なり、かつ負極逃げ孔25同士が積層方向で重なるように交互に積層する。また、正極集電層16となる正極シートは、積層方向における最下層に位置し、かつ露出孔26と正極接続層15の対応する正極逃げ孔21とが積層方向で重なり合うように積層する。
【0052】
(脱脂工程)
次に、積層工程で作製された正極シート及び負極シートのシート積層体を加熱し、シート積層体に含まれる有機バインダ成分をガス化させて除去する脱脂工程を行う。これにより、後の熱プレス工程後に固体電解質に残留する炭素が低減し、短絡(固体電解質における電子導通)を防止できる。
【0053】
(熱プレス工程)
熱プレス工程では、正極シート及び負極シートのシート積層体を積層方向に加圧しながら加熱することで、シート積層体を焼成する。すると、シート積層体のうち、負極シートを挟んで隣り合う正極シート同士が負極逃げ孔25を通して積層方向で接触する。一方、シート積層体のうち、正極シートを挟んで隣り合う各負極シート同士が正極接続層15の正極逃げ孔21を通して積層方向で接触する。すなわち、正極シートのうち、負極逃げ孔25内を通して隣り合う正極シート同士を接続する部分が正極ビア31となる。一方、負極シートのうち、正極逃げ孔21内を通して隣り合う負極シート同士を接続する部分が負極ビア32となる。
また、シート積層体のうち、最も下方に位置する負極シートが正極集電層16の露出孔26を通して下面に露出する。すなわち、負極シートのうち露出孔26を通してシート積層体の下面に露出した部分が負極集電層24となる。
【0054】
<封止工程>
封止工程は、下地膜形成工程と、はんだ塗布工程と、セット工程と、接合工程と、を有している。
【0055】
(下地膜形成工程)
図3は、下地膜形成工程を説明するための工程図であって、電極体2の底面図である。
図3に示すように、下地膜形成工程では、電極体2の下面のうち、各集電層16,24が露出している部分に下地膜81を形成する。下地膜81は、例えばCrやNi等からなる第1下地膜上にAu等からなる第2下地膜が積層されて構成されている。なお、下地膜81は、例えば蒸着やスパッタリング等のドライプロセスによって形成されている。
【0056】
(はんだ塗布工程)
図4は、はんだ塗布工程を説明するための工程図であって、ベース基板41の平面図である。
図4に示すように、はんだ塗布工程では、ベース基板41の上面のうち、貫通配線54,61上及び接合膜43上にクリームはんだ等のはんだペーストPを塗布する。
【0057】
(セット工程)
図5は、セット工程を説明するための工程図であって、電極体2及びベース基板41の平面図である。
図5に示すように、セット工程では、まずベース基板41上に電極体2をセットする。具体的には、ベース基板41の上面と電極体2の下面とを積層方向で対向させ、対応する集電層16,24及び貫通配線54,61同士が接続されるように、ベース基板41上に電極体2を配置する。
続いて、ベース基板41上にリッド基板42をセットする。具体的に、電極体2を上方から覆い、かつ接合膜43上にフランジ部67が配置されるように、ベース基板41上にリッド基板42を配置する。
【0058】
(接合工程)
接合工程では、電極体2及びベース基板41同士と、ベース基板41及びリッド基板42同士をそれぞれ接合する。本実施形態では、リフローはんだ付けを行うことで、ベース基板41への電極体2の実装、及び外装体3の封止を同時に接合する。なお、ベース基板41への電極体2の実装、及び外装体3の封止を別工程で行っても構わない。また、外装体3の封止は、ろう付け等であっても構わない。
以上により、上述した二次電池1が完成する。その後、上述したように締結部材50を用いて二次電池1を外部基板80に実装する。
【0059】
このように、本実施形態では、二次電池1を外部基板80に実装するための締結部材50が取り付けられる取付部46,47がベース基板41に設けられている構成とした。
この構成によれば、二次電池1を外部基板80に実装する際に、二次電池1が高温に晒されるのを抑制できるので、仮に充電状態の二次電池1を外部基板80に実装したとしても、電極体2の劣化を抑制できる。その結果、充電状態の二次電池1を外部基板80に実装できるので、未充電状態の二次電池1を外部基板80に実装する場合に比べて、製造工数や製造設備の増加を抑えることができる。その結果、簡単かつ低コストで外部基板80への実装を実現できる。
また、本実施形態では、締結部材50によって外部基板80に二次電池1を固定するだけなので、リフローはんだ付けによって二次電池1を外部基板80に実装する場合に比べ、外部基板80上での実装スペースの削減を図ることができる。
【0060】
本実施形態では、正極及び負極それぞれについて取付部46,47が設けられているため、上述した作用効果がより奏功される。
特に、二次電池1(ベース基板41)自体に正極及び負極双方の取付部46,47を一体で設けることで、正極及び負極の何れか一方の電極を例えば外部基板80に設けられた電極端子を用いて接続する構成に比べ、外部基板80側を含めた部品点数の削減や低コスト化を図ることができる。
【0061】
本実施形態では、ベース基板41の一部が突出して取付部46,47が形成されているため、締結部材50の取付部を確保するためにベース基板41の全体を大型化する場合に比べて外装体3の平面視外形の大型化を抑制できる。その結果、外部基板80上での実装面積の削減を図ることができる。
【0062】
本実施形態では、取付部46,47を積層方向に貫通する切欠き部48,49内に締結部材50が挿通されているため、二次電池1と締結部材50との位置ずれを抑制できる。
【0063】
本実施形態では、接続配線51,52(引出配線55,62)がベース基板41の下面に露出しているため、二次電池1を外部基板80上に固定するだけで、接続配線51,52と外部基板80上に形成された外部配線との導通を図ることができる。
【0064】
本実施形態では、ベース基板41への電極体2の実装、及び外装体3の封止をリフローはんだ付けによって同時に行うことで、製造効率の向上を図ることができる。
【0065】
なお、集電層16,24のレイアウトは、適宜変更が可能である。例えば
図6に示す例では、電極体2の下面における面内方向の中央部に正極集電層16が配置されている。また、電極体2における正極集電層16の周囲には、複数の負極集電層24が配置されている。
また、各集電層16,24のレイアウトに応じて、接続配線51,52のレイアウトも適宜変更が可能である。例えば
図7に示す例では、ベース基板41の上面における面内方向の中央部に正極接続配線51が配置されている。また、ベース基板41における正極接続配線51の周囲には、正極接続配線51を取り囲む環状の負極接続配線52が配置されている。
【0066】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。
図8は、第2実施形態における二次電池100の平面図である。
図9は、
図8のIX−IX線に沿う断面図である。
図8、
図9に示すように、本実施形態では、電極体2と外部配線とを接続する接続配線101,102がベース基板41内に埋設されている点で、上述した第1実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明する。
【0067】
図9に示す二次電池100において、正極接続配線101はベース基板41内を上述した一方向に沿って延在している。正極接続配線101の第1端部は、ベース基板41内を上方に延び、ベース基板41の上面で露出している。上述した電極体2の正極集電層16は、ベース基板41の上面において、正極接続配線101に実装されている。一方、正極接続配線101の第2端部は、正極取付部46内で終端している。正極接続配線101の第2端部は、正極取付部46における切欠き部49の内面のうち、頭部収容部48aの底面及び軸部収容部48bの内周面に亘って露出している。なお、正極接続配線101のうち、切欠き部48の内面に露出している部分には、Au等からなる図示しないめっき膜が形成されていることが好ましい。
【0068】
負極接続配線102は、ベース基板41内を一方向に沿って延在している。負極接続配線102の第1端部は、ベース基板41内を上方に延び、ベース基板41の上面で露出している。上述した電極体2の負極集電層24は、ベース基板41の上面において、負極接続配線102に実装されている。一方、負極接続配線102の第2端部は、負極取付部47内で終端している。負極接続配線102の第2端部は、負極取付部47における切欠き部49の内面のうち、頭部収容部49aの底面及び軸部収容部49bの内周面に亘って露出している。なお、負極接続配線102のうち、切欠き部49の内面に露出している部分には、Au等からなる図示しないめっき膜が形成されていることが好ましい。
【0069】
本実施形態によれば、締結部材50を介して各接続配線101,102と外部配線との導通を図ることができる。すなわち、本実施形態において、締結部材50は、外部基板80との締結部分において、外部配線に電気的に接続される。一方、締結部材50は、各接続配線101,102のうち、切欠き部48,49の内面に露出している部分に接触することで、各接続配線101,102に電気的に接続される。
特に、本実施形態では、頭部収容部48a,49aの底面に接続配線101,102が露出しているため、締結部材50と接続配線101,102との導通性をより確保できる。
【0070】
また、本実施形態では、各接続配線101,102がベース基板41に覆われているため、各接続配線101,102と例えば外部基板上の各種配線等との間の短絡を防止できる。
【0071】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態について説明する。
図10は、第3実施形態に係る二次電池200の断面図である。
本実施形態では、外装体201の構成が上述した第1実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明する。
図10に示す二次電池200において、外装体201は、電極体2に対して積層方向の両側に配置されたベース基板210及びリッド基板211と、各基板210,211間に配置されたシールリング212と、を備えている。
【0072】
ベース基板210は、上方に向けて開口する凹部215を有する箱型に形成されている。凹部215の底面上には、各接続配線101,102の第2端部がそれぞれ露出している。
【0073】
シールリング212は、電極体2の周囲を取り囲む枠状に形成されている。シールリング212の下面は、ベース基板210の上面に接合されている。具体的に、シールリング212は、銀ろう等のろう材やはんだ材等による焼付けによってベース基板210上に接合されている。
なお、シールリング212の材料としては、例えばニッケル基合金等が挙げられ、具体的にはコバール、エリンバー、インバー、42−アロイ等から選択すれば良い。特に、シールリング212の材料としては、セラミックス製とされているベース基板210に対して熱膨張係数が近いものを選択することが好ましい。例えば、ベース基板210として熱膨張係数6.8×10
−6/℃のアルミナを用いる場合には、シールリング212として熱膨張係数5.2×10
−6/℃のコバールや、熱膨張係数4.5〜6.5×10
−6/℃の42−アロイを用いることが好ましい。
【0074】
リッド基板211は、熱膨張係数がベース基板210やシールリング212に近い材料(例えば、コバール等)により形成されている。リッド基板211は、抵抗シーム溶接やレーザシーム溶接等によってシールリング212上に接合されている。これにより、リッド基板211は、ベース基板210の凹部215を気密に封止している。そして、ベース基板210、リッド基板211及びシールリング212により画成された空間は、気密封止されたキャビティCを構成する。なお、リッド基板211とシールリング212との接合は、シーム溶接に限らず、はんだ付けやろう付け、レーザ溶接等であっても構わない。
【0075】
本実施形態においても、上述した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0076】
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態について説明する。
図11は、第4実施形態に係る二次電池300の断面図である。
本実施形態では、電極体301の上下面で集電を行う点で上述した各実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明する。
図11に示す二次電池300において、電極体301の正極層310は、電極体301における最下層を構成する正極集電層321と、固体電解質層13間に配置された正極接続層322と、を有している。正極集電層321及び正極接続層322は、正極ビア31を介して互いに接続されている。
【0077】
電極体301の負極層311は、電極体301における最上層を構成する負極集電層325と、固体電解質層13間に配置された負極接続層326と、を有している。負極集電層325及び負極接続層326は、負極ビア32を介して互いに接続されている。
また、負極集電層325の上面とリッド基板211の下面との間には、導電性緩衝層329が介在している。導電性緩衝層329は、図示しない導電性接着剤を介して負極集電層325及びリッド基板211にそれぞれ接合されている。なお、導電性緩衝層329は、例えばグラファイト繊維等により構成されている。
【0078】
負極接続配線330は、外装体201の外周面上を下方に向けて延在した後、ベース基板210内を上述した一方向に延在している。負極接続配線330の第1端部は、シールリング212に接続されている。すなわち、負極接続配線330は、シールリング212、リッド基板211及び導電性緩衝層329を介して負極集電層325に接続されている。また、負極接続配線330の第2端部は、負極取付部47内で終端している。
【0079】
本実施形態においても、上述した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、リッド基板211と電極体301との間に導電性緩衝層329が介在しているため、充放電に伴う電極体301の体積変化、また電極体301及び外装体201の公差を導電性緩衝層329により吸収できる。これにより、電極体301に割れが生じるのを抑制できるとともに、電極体301のサイクル特性を向上させることができる。
【0080】
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、電気化学セルの一例として、二次電池を例に挙げて説明したが、キャパシタや一次電池であってもよい。また、正極層や負極層、固体電解質層13に用いる材料や、正極層や負極層の積層数、ビア31,32のレイアウト等については、適宜変更が可能である。
【0081】
上述した実施形態では、平面視形状が円形状の二次電池について説明したが、これに限らず、種々の形状を採用することが可能である。この場合、例えば
図12に示す二次電池400のように平面視矩形状としても構わない。
また、上述した実施形態では、締結部材50を挿通可能な切欠き部48,49を取付部46,47に形成した場合について説明したが、ベース基板を締結部材によって外部基板80に固定できる構成であれば、適宜変更が可能である。例えば、締結部材50の頭部50aと外部基板80との間に取付部46,47を挟持する構成であっても構わない。
【0082】
上述した実施形態では、ベース基板の一部から突出した取付部46,47を形成した場合について説明したが、これに限らず、実装部45の外周部分において、リッド基板よりも外側に位置する部分を取付部としても構わない。
【0083】
上述した実施形態では、正極接続配線及び負極接続配線の双方を締結部材50によって実装する構成について説明したが、これに限らず、少なくとも一方の接続配線が締結部材によって実装される構成であれば構わない。この場合、外部基板80に設けられた弾性変形可能な電極端子を、他方の接続配線に接触させることで、電極端子と他方の接続配線との電気的な導通を図っても構わない。
この構成によれば、電気化学セル自体に正極接続配線及び負極接続配線の双方の取付部を設ける構成に比べて外装体の平面視外形の大型化を抑制できる。なお、電極端子は、弾性を有する金属に、ニッケルめっきや金めっきを施すことで形成することができる。
【0084】
上述した実施形態では、各接続配線がベース基板の下面やベース基板内に形成された構成について説明したが、これに限らず、ベース基板の上面に形成されていても構わない。
【0085】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせても構わない。
【0086】
なお、上述した実施形態では、「外部基板」として、電子部品における様々な基板を適用可能であるが、例えば時計のムーブメントにおいては、各種電子素子を駆動・制御するためのプリント基板(PCB)のみならず、このプリント基板に接続されている金属部(金属基板)も「外部基板」に含まれるものとする。即ち、時計のムーブメントにおける金属部に対して、締結部材50を用いて上述した電気化学セルを取り付けてもよい。