(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した絶縁層の形成に際しては、磁極部96と、これに巻線するコイルとの絶縁性確保の観点から、最低限必要な絶縁層の厚みを確保しておく必要がある。しかし、ボルト孔とスロット部91との相対位置には、微小(例えば、数十μm程度)のずれが生じるため、中子92を常に同じ位置に配置しても、スロット部91と中子92の相対位置がずれてしまい、必要な絶縁層の厚みを確保できなくなるおそれがあった。このため、この位置ずれ分を考慮して、形成する絶縁層の厚みを僅かに厚く設定する必要があった。
これにより、巻線の占積率が低下するため、トルク、出力、効率の低下や、樹脂の使用量増加によるコストの上昇を招くという問題が生じていた。
なお、ボルト孔が形成されていない位相においては、上記した治具94の力を受ける部位が存在しないため、樹脂漏れが生じ易いという問題もあった。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、磁極部の周囲に形成する絶縁層の厚みを適正な厚みに確保可能な積層鉄心の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う
第1の発明に係る積層鉄心の製造方法は、帯状材から複数の鉄心片を打抜き積層して積層鉄心本体を形成するA工程と、
前記積層鉄心本体の半径方向一端面側に、周方向に間隔をあけて形成された複数の位置決め部に固定部材をそれぞれ配置して、前記積層鉄心本体の位置決めを行うB工程と、
前記積層鉄心本体のスロット部の周壁部に樹脂充填を行い、隣り合う前記スロット部で形成される磁極部の周囲に絶縁層を形成するC工程とを有する積層鉄心の製造方法であって、
前記A工程で、前記積層鉄心本体の前記位置決め部を構成する前記各鉄心片の位置決め片部と、前記積層鉄心本体の前記スロット部を構成する前記各鉄心片のスロット片部とを、前記帯状材から同時に打抜き形成し、
前記C工程で、前記スロット部に樹脂を注入する前に、前記積層鉄心本体の半径方向他端面側に閉塞部材を配置し、前記固定部材と前記閉塞部材とで前記積層鉄心本体を半径方向両側から挟み込
み、
前記位置決め部は、前記積層鉄心本体の半径方向一端面に開口した切欠き部であり、前記位置決め片部は、前記切欠き部を構成する前記各鉄心片の切欠き片部である。
【0007】
前記目的に沿う第
2の発明に係る積層鉄心の製造方法は、帯状材から複数の鉄心片を打抜き積層して積層鉄心本体を形成するA工程と、
前記積層鉄心本体の半径方向一端面側に、周方向に間隔をあけて形成された複数の位置決め部に固定部材をそれぞれ配置して、前記積層鉄心本体の位置決めを行うB工程と、
前記積層鉄心本体のスロット部の周壁部に樹脂充填を行い、隣り合う前記スロット部で形成される磁極部の周囲に絶縁層を形成するC工程とを有する積層鉄心の製造方法であって、
前記A工程で、前記積層鉄心本体の前記位置決め部を構成する前記各鉄心片の位置決め片部と、前記積層鉄心本体の前記スロット部を構成する前記各鉄心片のスロット片部とを、前記帯状材から同時に打抜き形成し、
前記C工程で、前記スロット部に樹脂を注入する前に、前記積層鉄心本体の半径方向他端面側に閉塞部材を配置し、前記固定部材と前記閉塞部材とで前記積層鉄心本体を半径方向両側から挟み込み、
前記位置決め部は、前記積層鉄心本体の半径方向一端面に開口した切欠き部と、前記積層鉄心本体の積層方向に貫通したボルト孔で構成され、前記位置決め片部は、前記切欠き部を構成する前記各鉄心片の切欠き片部と、前記ボルト孔を構成する前記各鉄心片の貫通孔で構成されている。
【0008】
第1
又は第2の発明に係る積層鉄心の製造方法において、前記A工程では、前記鉄心片の半径方向他端面を形成する前記帯状材の打抜きを、前記位置決め片部及び前記スロット片部の打抜きと同時に行うこともできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る積層鉄心の製造方法は、A工程において、各鉄心片の位置決め片部とスロット片部とを、帯状材から同時に打抜き形成するので、従来発生していた積層鉄心本体の位置決め部とスロット部との相対位置のずれを低減、更には防止できる。
このため、C工程において、固定部材と閉塞部材とで積層鉄心本体を半径方向両側から挟み込み、例えば、中子が配置されたスロット部に樹脂充填を行い、磁極部の周囲に絶縁層を形成することで、絶縁層の厚みを適正な厚みに確保できる。
これにより、巻線の占積率を従来よりも向上できるため、トルク、出力、効率の向上や、樹脂の使用量減少によるコストの低減が図れる。また、位置決め片部とスロット片部を同時に打抜くことで、鉄心片の打抜き工程数も減らすことができ、例えば、金型装置の小型化も図れる。
【0010】
また、A工程において、鉄心片の半径方向他端面を形成する帯状材の打抜きを、位置決め片部及びスロット片部の打抜きと同時に行う場合、積層鉄心本体の位置決め部とスロット部と半径方向他端面との相対位置のずれを低減、更には防止できる。
これにより、C工程において、固定部材と閉塞部材とで積層鉄心本体を半径方向両側から挟み込む際の位置ずれも抑制、更には防止できるため、絶縁層の厚みを更に精度よく形成できる。また、鉄心片の打抜き工程数も更に減らすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
まず、
図1、
図2を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る積層鉄心の製造方法を用いて製造した積層鉄心10について説明する。
【0013】
積層鉄心10は、環状の複数の鉄心片11を積層して形成された積層鉄心本体12を有する固定子鉄心(ステータ)である。
鉄心片11は、環状の一体構造のものであるが、複数の円弧状の鉄心片部を環状に連結できる分割構造のものや、複数の円弧状の鉄心片部の周方向の一部が連結部で繋がり、この連結部を折曲げて環状にできる構造のものでもよい。また、それぞれ環状の複数の鉄心片を積層して形成した複数のブロック鉄心を、順次転積することで形成したものでもよい。なお、複数のブロック鉄心は、全て同一形状であってもよく、また、一部のブロック鉄心が異なる形状であってもよい。
【0014】
鉄心片11は、厚みが、例えば、0.025〜1.0mm程度の電磁鋼板やアモルファス等からなる帯状材(薄板条材)13から打抜き形成されるものである。なお、鉄心片は、1枚の帯状材から打抜いたものや、帯状材を複数枚(例えば、2枚、更には3枚以上)重ねた状態で打抜いたものでもよい。
積層方向に隣り合う鉄心片11同士は、かしめ14で連結されているが、かしめ、接着剤、及び、溶接のいずれか1又は2以上を用いて、連結することもできる。なお、
図2においては、かしめ14を省略している(後述する
図3、
図4も同様)。
【0015】
積層鉄心本体12は、環状のヨーク部15と、このヨーク部15の内周側(半径方向他端面側)に一体的に連接した複数の磁極部16とを有している。この周方向に隣り合う磁極部16は、周方向に隣り合うスロット部17によって形成されている。
ヨーク部15と磁極部16は、ヨーク片部18と磁極片部19を有する鉄心片11を複数積層することで、それぞれ形成されている。この磁極片部19は、帯状材13に対してスロット片部20を打抜くことで形成され、この磁極片部19が積層されることで磁極部16が形成され、周方向に隣り合う磁極部16間にスロット部17が形成される(即ち、複数のスロット片部20でスロット部17が形成される)。
【0016】
また、積層鉄心本体12には、ヨーク部15の外周側(半径方向一端面側)に位置決め手段21が設けられている。
この位置決め手段21は、複数(ここでは3個)のボルト孔(位置決め部の一例)22と、複数(ここでは3個)の切欠き部(位置決め部の一例)23で構成され、このボルト孔22と切欠き部23が、ヨーク部15の周方向に間隔を有して交互に等ピッチ(積層鉄心本体12の軸心を中心として等角度)で設けられている。使用にあっては、各ボルト孔22と各切欠き部23に、積層鉄心本体12を載置する載置台(図示しない)に立設された位置決めピン(固定部材の一例)24、25をそれぞれ配置することで、載置台上での積層鉄心本体12の位置決めが行われる。
【0017】
上記したボルト孔22は、積層鉄心10をボルト締めする際に使用するものであり、ヨーク部15の外周側に一体的に連接した複数のボルト耳26に、積層方向に貫通した状態で形成されている。詳細には、ボルト孔22は、貫通孔(位置決め片部の一例)27が形成されたボルト耳片部28を有する鉄心片11を、複数積層することで形成される(即ち、複数のボルト耳片部28でボルト耳26が形成され、複数の貫通孔27でボルト孔22が形成される)。
なお、ボルト耳26は、ヨーク部15の半径方向外側に突出し、周方向に間隔を有して複数(ここでは3個)設けられている。
【0018】
また、切欠き部23は、ヨーク部15の外周面に開口した平面視してV字状のものであり、積層方向に渡って形成されている。詳細には、切欠き部23は、切欠き片部(位置決め片部の一例)29が形成された鉄心片11を、複数積層することで形成される(即ち、複数の切欠き片部29で切欠き部23が形成される)。
この切欠き部23の形状は、平面視してV字状にしているが、これに限定されるものではなく、ヨーク部の外周面に開口した、例えば、円弧状、楕円弧状、U字状、矩形状等にすることもできる。
【0019】
上記したように、積層鉄心本体12に形成されるボルト孔22の個数は3個であるが、積層鉄心10の種類等によって種々変更でき、例えば、0個でもよく、2個又は4個以上の複数個でもよい。また、切欠き部23の個数も3個であるが、例えば、2個又は4個以上の複数個でもよい。
例えば、
図3に示す、位置決め手段を複数の切欠き部23のみ(ボルト孔が0個)で構成した積層鉄心本体12aがある。この積層鉄心本体12aには、複数(ここでは6個)の切欠き部23が、ヨーク部15a(ヨーク部15と略同様の構成)の周方向に間隔を有して等ピッチ(積層鉄心本体12aの軸心を中心として等角度)で設けられている。
【0020】
積層鉄心本体12の磁極部16の周囲(即ち、上面、下面、両側面、及び、基端面)には絶縁層(図示しない)が形成されている。この絶縁層は、スロット部17の周壁部に、樹脂(熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)や熱可塑性樹脂)を充填(注入)し硬化させることで形成される。なお、積層方向に隣り合う鉄心片同士の連結に樹脂を用いる場合は、上記した樹脂を使用できる。
積層鉄心本体12の磁極部16は、その先端部が拡幅しているが、
図4に示す積層鉄心本体12bのように、先端部が拡幅していない(例えば、先端へ向けて先細りや径方向の幅が同一幅の)磁極部16bを有してもよい。この積層鉄心本体12bは、上記した積層鉄心本体12と略同様の構成であるため、同一部材には同一符号を付している。
【0021】
続いて、本発明の一実施の形態に係る積層鉄心の製造方法について、
図1、
図2を参照しながら説明する。
積層鉄心の製造方法は、金型(図示しない)を用いて、厚みが0.025〜1.0mm程度の帯状材13から打抜いた複数の鉄心片11を順次積層して積層鉄心本体12を形成するA工程と、積層鉄心本体12の位置決めを行うB工程と、複数のスロット部17の周壁部に樹脂を充填(注入)し硬化させて、磁極部16の周囲(ここでは、磁極部16の上面、下面、両側面、及び、基端面)に絶縁層を形成するC工程とを有している。以下、詳しく説明する。
【0022】
(A工程)
まず、
図1に示すように、帯状材13に対し、パイロット孔31の打抜きを行う。
これにより、帯状材13の幅方向両側にパイロット孔31が所定ピッチで形成される。
このとき、帯状材13の鉄心片11を形成する領域に対し、鉄心片11の内径の打抜きと、その外側周囲に等ピッチで複数のかしめ14の形成も行う。
これにより、鉄心片11の複数の磁極片部19の先端面を形成する内周面(半径方向他端面)32が形成される。
【0023】
続いて、帯状材13の鉄心片11を形成する領域に対し、周方向に渡って複数のスロット片部20の打抜きを行う。これにより、複数の磁極片部19が環状に所定ピッチで形成される。
ここでは、上記したスロット片部20の打抜きと同時に、貫通孔27と切欠き片部29の打抜きも行う。これにより、貫通孔27及び切欠き片部29と、スロット片部20との相対位置のずれを低減、更には防止できる。
【0024】
なお、
図4に示す積層鉄心本体12bのように、先端部が拡幅していない磁極部16bを有する場合は、貫通孔27及び切欠き片部29とスロット片部20bの打抜きを、上記した磁極部16bを構成する磁極片部19bの先端面を形成する内周面32bの打抜きと同時に行うこともできる。この場合は、
図4の斜線部分で示すように、貫通孔27及び切欠き片部29と、スロット片部20bと、内周面32bを形成する内径の打抜きを、1つの金型で同時に行うことができる。なお、
図4中の符号30は、切欠き片部29を形成するための帯状材に対する打抜き領域(三角形状)を示している(
図1も同様)。
【0025】
そして、
図1に示すように、帯状材13の鉄心片11を形成する領域(打抜き領域30の径方向外側を通過し、ボルト耳片部28の外周面を形成する領域)に対し、鉄心片11の外径の打抜きを行う。
これにより、鉄心片11のヨーク片部18を形成する外周面(半径方向一端面)33が形成される。
なお、上記した各打抜き等は、その輪郭形状に対応したダイとパンチを備えた金型により行う。
【0026】
上記した方法で、帯状材13から打抜いた複数の鉄心片11を順次積層して、
図2に示す積層鉄心本体12を製造する。
この積層鉄心本体12は、環状のヨーク部15と、このヨーク部15の内周側に一体的に連接した複数の磁極部16とを有し、この磁極部16は、周方向に隣り合うスロット部17で形成される。この時点では、磁極部15の周囲に、前記した絶縁層は形成されていない。
【0027】
(B工程)
積層鉄心本体12の積層方向両端面にそれぞれプレート(図示しない)を当接させ、スロット部17の積層方向開口部を閉じた後、これを載置台上に配置する。なお、各プレートには、後述する中子部材を挿通可能な開口部が形成され、積層鉄心本体12上に載置したプレートの開口部と中子部材との間に、樹脂の供給路が形成されている。
この載置台には、各スロット部17内に配置する中子部材が、周方向に渡って複数立設配置されている。この中子部材の周囲側面は、スロット部17の内周面(スロット周壁)とは僅少の隙間(形成する絶縁層の厚みに対応)を有している。
【0028】
また、載置台には、複数のボルト孔22にそれぞれ挿通可能な位置決めピン24と、複数の切欠き部23に配置可能な位置決めピン25が、周方向に渡って等ピッチに複数(ここでは合計6本)立設配置されている。なお、中子部材と位置決めピン24、25は、載置台に設けることなく、上記したプレートに設けることもできる。
これにより、各中子部材がスロット部17内にそれぞれ配置され、各位置決めピン24がボルト孔22にそれぞれ挿通され、各位置決めピン25が各切欠き部23にそれぞれ配置されるため、載置台に対する積層鉄心本体12の位置決めが行われる。
【0029】
上記したように、A工程では、貫通孔27及び切欠き片部29と、スロット片部20との相対位置のずれを抑制、更には防止しているため、スロット部17内における中子部材の配置位置は、常に同じ位置にできる。
このため、中子部材をスロット部17内に配置した際、積層鉄心本体12の周方向における、中子部材の側面とスロット部17の内周面との各隙間は、略均等にできる(
図5参照)。
【0030】
(C工程)
載置台上に配置した積層鉄心本体12上のプレートの上面に、スロット部17に樹脂を注入可能なモールド型(上型)を載置する。
そして、磁極部16の先端面で形成される積層鉄心本体12の内周面(磁極部16の先端面)に閉塞部材34を当接させて、スロット部17の径方向開口部35を閉じる。
【0031】
この閉塞部材34は、逆円錐台状の昇降手段と、この昇降手段の周囲に複数(ここでは6個)設けられた拡縮部36とを有し、昇降手段を昇降させることで、各拡縮部36を径方向に拡縮可能にするものであるが、径方向開口部35を閉じることができれば、この構成に限定されるものではない。なお、各拡縮部36の積層鉄心本体12との当接部(当接面)は、弾性部材(例えば、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂等)で構成されていることが好ましい。
【0032】
上記したように、閉塞部材34の各拡縮部36を、平面視して半径方向に拡がる方向に移動させて、積層鉄心本体12の内周面に当接させた場合、積層鉄心10は、閉塞部材34によって、半径方向の内側から外側に向けて応力の影響を受けることになる。
しかし、上記したように、閉塞部材34とは反対側に位置する積層鉄心本体12の外周面側に位置決め手段21(複数のボルト孔22と切欠き部23)を設け、位置決めピン24、25と閉塞部材34の各拡縮部36とで、積層鉄心本体12を半径方向両側から挟み込んでいるため、閉塞部材34による応力に対する対抗力を働かせることができる。
【0033】
そして、プレート、中子部材、及び、閉塞部材34によって閉空間としたスロット部17に、前記した樹脂の供給路を介して樹脂を注入する。この樹脂は、中子部材とスロット周壁との間に注入される。
次に、スロット部17に注入された樹脂を硬化させることで、磁極部16の上面、下面、両側面、及び、基端面に、絶縁層を形成できる。
そして、各拡縮部34の当接面を積層鉄心本体12の内周面から離した後、積層鉄心本体12からプレートと中子部材を取外すことで、各磁極部16の周囲に絶縁層が形成された積層鉄心10が得られる。
【0034】
なお、上記した閉空間としたスロット部17への樹脂の注入は、モールド型により積層鉄心本体12に対し、積層方向に一定荷重(例えば、1つの積層鉄心本体12あたり5〜100kN程度)を加えた状態で行う。
このように、積層鉄心本体12の積層方向両端面にプレートをそれぞれ当接させ、積層鉄心本体の内周面に閉塞部材34を当接させて、スロット部17の開口した部分を閉塞するので、スロット部17に注入する樹脂の漏れ出しを防止できる。特に、閉塞部材34が積層鉄心本体
12の半径方向に拡縮可能であるため、積層鉄心本体12の寸法精度に影響されることなく、スロット部17に注入する樹脂の漏れ出しを防止できる。
【0035】
以上のように、本発明の積層鉄心の製造方法を適用することで、磁極部の周囲に形成する絶縁層の厚みを適正な厚みに確保できる。
【0036】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の積層鉄心の製造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、積層鉄心が固定子鉄心の場合について説明したが、スロット部が設けられた回転子鉄心でもよい。なお、積層鉄心としては、スロット部が、半径方向の内側端部に開口したものに限定されるものではなく、半径方向の外側端部に開口したものでもよい。
【0037】
また、前記実施の形態においては、スロット部のみに樹脂を注入した場合について説明したが、積層鉄心の構成に応じて、例えば、磁石挿入孔が形成されている場合や、複数の鉄心片を連結するための連結用孔が形成されている場合には、スロット部へ樹脂を注入すると共に、磁石挿入孔や連結用孔にも樹脂を注入(同時注入)することができる。
更に、前記実施の形態においては、スロット部への樹脂の注入を、積層鉄心本体全体に対して一度に行った場合について説明したが、例えば、積層鉄心本体を予め設定した角度回動させながら、各スロット部に順次樹脂の注入を行うこともできる。
なお、樹脂の注入は、積層鉄心本体の上方から行うことに限定されるものではなく、下方から行うこともできる。