(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
インクジェットヘッドを主走査方向または副走査方向に移動させる移動手段を備え、基材のサイズより大きい画像データにおける吐出対象の画素数に対して実際に吐出させる画素数の割合を示す吐出割合に基づいて、前記基材とインクジェットヘッドとを主走査方向に相対的に移動しながら前記インクジェットヘッドからインクを吐出するインク吐出動作と、主走査方向のインク吐出が完了後に副走査方向に前記インクジェットヘッドを移動させる副走査移動動作とを交互に繰り返し、前記画像データに対して前記インクジェットヘッドを4パスさせることで、前記基材に対して縁なし印刷を実行するインクジェット印刷装置であって、
前記副走査方向のインクジェットヘッド移動の各ピッチの画像データに基づいて、前記各ピッチを4つに分割した各分割ピッチに対応する画像データとして、前記主走査方向に沿った移動方向において、吐出しない吐出禁止領域と、吐出を行う吐出領域と、前記吐出禁止領域と前記吐出領域の間に配置され前記吐出領域の吐出割合まで階調的に吐出割合を上げて吐出を行う階調吐出領域から構成され、各分割ピッチの吐出領域を4回重ねると各ピッチの吐出領域の吐出割合となるように、画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記画像データに基づく縁なし印刷を行う際に、前記移動手段により、主走査方向に沿って、前記インクジェットヘッドが前記基材の外側から端部に近づくように移動するとき、前記吐出禁止領域に対しては前記インクジェットヘッドからインクの吐出を停止し、前記階調吐出領域、前記吐出領域の順に前記インクジェットヘッドからインクの吐出を行った後、前記インクジェットヘッドを前記分割ピッチだけ移動させる制御手段を備え、
前記吐出領域は、主走査方向にある前記吐出禁止領域と前記階調吐出領域とを合わせた領域より広いこと
を特徴とするインクジェット印刷装置。
インクジェットヘッドを主走査方向または副走査方向に移動させる移動手段を備え、基材のサイズより大きい画像データにおける吐出対象の画素数に対して実際に吐出させる画素数の割合を示す吐出割合に基づいて、前記基材とインクジェットヘッドとを主走査方向に相対的に移動しながら前記インクジェットヘッドからインクを吐出するインク吐出動作と、主走査方向のインク吐出が完了後に副走査方向に前記インクジェットヘッドを移動させる副走査移動動作とを交互に繰り返し、前記画像データに対して前記インクジェットヘッドを4パスさせることで、前記基材に対して縁なし印刷を実行するインクジェット印刷装置であって、
前記副走査方向のインクジェットヘッド移動の各ピッチの画像データに基づいて、前記各ピッチを4つに分割した各分割ピッチに対応する画像データとして、前記主走査方向に沿った移動方向において、吐出しない吐出禁止領域と、第1吐出割合まで吐出を行う第1吐出領域と、前記第1吐出割合より大きい第2吐出割合まで吐出を行う第2吐出領域と、前記吐出禁止領域と前記第1吐出領域の間に配置され前記第1吐出領域の前記第1吐出割合まで階調的に吐出割合を上げて吐出を行う第1階調吐出領域と、前記第1吐出領域と前記第2吐出領域の間に配置され前記第2吐出領域の前記第2吐出割合まで階調的に吐出割合を上げて吐出を行う第2階調吐出領域と、から構成され、各分割ピッチの吐出領域を4回重ねると各ピッチの吐出領域の吐出割合となるように、画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記画像データに基づく縁なし印刷を行う際に、前記移動手段により、主走査方向に沿って、前記インクジェットヘッドが前記基材の外側から端部に近づくように移動するとき、前記吐出禁止領域に対しては前記インクジェットヘッドからインクの吐出を停止し、前記第1階調吐出領域、前記第1吐出領域、前記第2階調吐出領域、前記第2吐出領域の順に前記インクジェットヘッドからインクの吐出を行った後、前記インクジェットヘッドを前記分割ピッチだけ移動させる制御手段を備えた
ことを特徴とするインクジェット印刷装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
【0024】
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成を示す斜視図である。
図2は、
図1に示すインクジェット印刷装置の要部正面図である。
図3は、
図1に示すインクジェット印刷装置の制御ブロック図である。なお、以下の説明において、
図1の矢印で示す上下左右前後を上下左右前後方向とする。
【0026】
図1〜
図3に示すように、第1実施形態に係るインクジェット印刷装置1は、シャトルベースユニット2と、フラットベッドユニット3と、シャトルユニット4と、制御部5とを備える。
【0027】
シャトルベースユニット2は、シャトルユニット4を支持するとともに、前後方向にシャトルユニット4を移動させる。シャトルベースユニット2は、架台部11と、副走査駆動モータ12とを備える。
【0028】
架台部11は、シャトルユニット4を支持する。架台部11は、矩形枠状に形成されている。架台部11の左右の枠上には、前後方向に延びる副走査駆動ガイド13A,13Bがそれぞれ形成されている。副走査駆動ガイド13A,13Bは、前後方向(副走査方向)に移動するシャトルユニット4をガイドする。
【0029】
副走査駆動モータ12は、シャトルユニット4を前後方向に移動させる。
【0030】
フラットベッドユニット3は、用紙や建材等からなる印刷媒体である基材15を保持する。フラットベッドユニット3は、シャトルベースユニット2の架台部11の内側に配置されている。フラットベッドユニット3は、載置台16と、複数の脚部17と、吸着ポンプ18と、昇降駆動部19とを備える。
【0031】
載置台16は、基材15が載置される台である。載置台16は、中空状の直方体形状に形成されており、上面は水平面になっている。載置台16の上面には、図示しないが、複数の吸引穴が形成されている。
【0032】
そして、吸着ポンプ18の駆動により吸引穴から空気を吸引することにより、載置台16の上面に載置された基材15を吸着保持する。
【0033】
また、載置台16は、伸縮可能に構成された脚部17により支持されている。昇降駆動部19は、油圧昇降機構等からなっており、昇降駆動部19の駆動により脚部17が伸縮することで載置台16が昇降する。
【0034】
シャトルユニット4は、基材15に画像を印刷する。シャトルユニット4は、筐体21と、ヘッドユニット22と、主走査駆動ガイド23A,23Bと、主走査駆動モータ24とを備える。
【0035】
筐体21は、ヘッドユニット22および主走査駆動ガイド23A,23Bを収容する。筐体21は、フラットベッドユニット3を左右方向に跨ぐ門型に形成されている。筐体21は、その左右の脚部25A,25Bが、シャトルベースユニット2の架台部11に支持され、副走査駆動ガイド13A,13Bに沿って移動可能になっている。筐体21の脚部25A,25B間の水平部26は、ヘッドユニット22から基材15へインクを吐出するため、下側が開口されている。
【0036】
ヘッドユニット22は、4つのインクジェットヘッド27を有する。4つのインクジェットヘッド27は、左右方向に並列して配置されている。インクジェットヘッド27は、その下面であるノズル面に開口する、前後方向に沿って配列された複数のノズル(図示せず)を有し、ノズルからインクを基材15へ吐出して印刷する。4つのインクジェットヘッド27は、それぞれ異なる色(例えば、シアン、ブラック、マゼンタ、イエロー)のインクを吐出する。ヘッドユニット22は、筐体21内に配置され、左右方向に移動可能になっている。
【0037】
主走査駆動ガイド23A,23Bは、左右方向(主走査方向)に移動するヘッドユニット22をガイドする。主走査駆動ガイド23A,23Bは、筐体21内において、脚部25A,25B間に水平に架け渡されている。ここで、左右方向(主走査方向)において、ヘッドユニット22が主走査駆動ガイド23A,23B上を右方向に移動するときの経路を往路といい、ヘッドユニット22が主走査駆動ガイド23A,23B上を左方向に移動するときの経路を復路という。
【0038】
主走査駆動モータ24は、ヘッドユニット22を左右方向に移動させる。
【0039】
制御部5は、インクジェット印刷装置1の各部の動作を制御する。制御部5は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。また、制御部5は、画像分割手段および制御手段として機能する。
【0040】
次に、本発明の第1実施形態に係るインクジェット印刷装置1における作用について説明する。
【0041】
図4は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット印刷装置1の作用を模式的に説明した説明図である。
【0042】
図4に示すように、縁なし印刷を行うためには、基材15のサイズより大きいサイズの画像データ101が用いられる。
【0043】
制御部5は、印刷動作を行う前に、まず画像分割手段として機能して、画像データ101を左右方向(主走査方向)に2分割し、往路側画像データ102と復路側画像データ103とを生成する。
【0044】
制御部5は、往路においては、主走査駆動ガイド23A,23Bに沿ってヘッドユニット22を右方向に移動させながら、復路側画像データ103を用いることなく主走査方向下流側の往路側画像データ102のみを用いて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。ここで、往路においては、ヘッドユニット22は左から右に向かって移動しているので、左側が上流側であり右側が下流側となり、復路においては、ヘッドユニット22は右から左に向かって移動しているので、右側が上流側であり左側が下流側となる。
【0045】
これにより、ヘッドユニット22の往路において、下流側である基材15の右半分15aが印刷されるが、上流側である基材15の左半分15bは印刷されない。そのため、インクジェットヘッド27の往路における基材15の上流側の側面15cに印刷されることがないので、基材15の上流側の側面15cの汚れを防止することができる。なお、インクジェットヘッド27から吐出されたインクは、インクジェットヘッド27の搬送方向における下流側に慣性力が働くので、下流側である基材15の右半分15aの側面15dにインクが着弾することはない。
【0046】
しかしながら、往路においては、基材15の右半分15aしか印刷されておらず、基材15の左半分15bは印刷されていないので、この基材15の左半分15bを補完するように印刷する必要がある。
【0047】
そこで、ヘッドユニット22が主走査駆動ガイド23A,23Bの右端部に到達すると、ヘッドユニット22を副走査方向に移動させることなく復路で基材15の左半分15bを補完するように印刷を行う。
【0048】
復路においては、主走査駆動ガイド23A,23Bに沿ってヘッドユニット22を左方向に移動させながら、往路側画像データ102を用いることなく主走査方向下流側である復路側画像データ103のみを用いて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。これにより、インクジェットヘッド27の復路において、下流側である基材15の左半分15bが印刷されるが、上流側である基材15の左半分15bは印刷されない。そのため、インクジェットヘッド27の往路における基材15の上流側の側面15dに印刷されることがないので、基材15の上流側の側面15dの汚れを防止することができる。この場合においても、インクジェットヘッド27から吐出されたインクは、インクジェットヘッド27の搬送方向における下流側に慣性力が働くので、下流側である基材15の左半分15bの側面15cにインクが着弾することはない。
【0049】
このように、ヘッドユニット22が主走査駆動ガイド23A,23Bに沿って、往路で基材15の右半分15aを印刷し、復路で基材15の右半分15aを印刷するので、1往復することにより、基材15の側面15c,15dを汚すことなく、復走査方向における1ヘッド分の印刷を行うことができる。そして、復走査方向における1ヘッド分だけインクジェットヘッド27を移動させた後、再度、主走査方向に1往復しながら、復走査方向における1ヘッド分の印刷を行う。これを繰り返すことにより、画像データ101が印刷された基材15Aを得ることができる。
【0050】
(第2実施形態)
本発明の第1実施形態では、画像データを主走査方向に2分割し、2分割された画像データのうち、下流側の画像データに基づいて印刷するインクジェット印刷装置1を例に挙げて説明した。この本発明の第1実施形態では、画像を分割した位置で印刷画像のつなぎ目が目立つことがある。
【0051】
本発明の第2実施形態では、画像データを主走査方向に3領域に分割し、3領域の中央は階調画像として3領域に分割された画像データに基づいて印刷するインクジェット印刷装置1を例に挙げて説明する。なお、本発明の第2実施形態に係るインクジェット印刷装置1のハードウェア構成は、
図1〜
図3に示した本発明の第1実施形態に係るインクジェット印刷装置1のハードウェア構成と同一であるので、説明を省略する。
【0052】
図5は、本発明の第2実施形態に係るインクジェット印刷装置1の作用を模式的に説明した説明図である。
図5(a)は、3領域に分割された画像データを説明した図であり、(b)は、
図5(a)の3領域に分割された画像データを用いて印刷する様子を示した図である。
【0053】
図5(a)に示すように、画像データから、左右方向(主走査方向)におけるヘッドユニット22の往路について、上流側から吐出禁止領域と、階調吐出領域と、吐出領域との3領域に分割した往路側画像データ201と、ヘッドユニット22の復路について、上流側から吐出禁止領域と、階調吐出領域と、吐出領域との3領域に分割した復路側画像データ202とが生成される。
【0054】
ここで、吐出禁止領域とは、インクジェットヘッド27がインクを吐出しない領域であり、吐出領域とは、インクジェットヘッド27がインクを吐出する領域であり、階調吐出領域とは、吐出禁止領域の吐出割合(吐出ゼロ)から、吐出領域の吐出割合まで階調的に吐出割合を上げて吐出を行う領域である。
【0055】
往路側画像データ201は、ヘッドユニット22を左から右方向へ移動させる往路における上流側から順に、吐出禁止領域201aと、階調吐出領域201bと、吐出領域201cとの3領域に分割されている。なお、ここでは、吐出禁止領域201a,202a,吐出領域201c,202cが全て同一のL1となっているが吐出禁止領域201a(202a)と、これを補完する吐出領域202c(201c)が同一であれば良く、吐出禁止領域201aと吐出禁止領域202aは異なる量であってもよい。
【0056】
また、復路側画像データ202は、ヘッドユニット22を右から左方向へ移動させる復路における上流側から順に、吐出禁止領域202aと、階調吐出領域202bと、吐出領域202cとの3領域に分割されている。ここでは、吐出禁止領域202aの左右方向(主走査方向)における長さL1は、吐出領域202cの左右方向(主走査方向)における長さL3と同一である。そして、吐出禁止領域202aの左右方向(主走査方向)における長さL1は、吐出禁止領域202aを補完する吐出領域203cの左右方向(主走査方向)における長さL3と同一である。
【0057】
図6は、吐出割合を説明した説明図である。(a)は、階調吐出領域の中心部にある3×3画素の元画像データを示している。(b)は、往路側画像データ201の階調吐出領域201bのうち(a)に示した3×3画素の画像データを示している。ここでは、階調吐出領域は0%〜100%まで階調するので、階調吐出領域の中心部では、
図6(a)の元画像を100%としたとき50%の吐出割合とする。(c)は、復路側画像データ202の階調吐出領域202bのうち(a)に示した3×3画素の画像データを示している。ここでは、階調吐出領域の中心部なので、往路側画像データ201と同様に50%の吐出割合とする。なお、ここでは、ハーフトーン処理により、0〜255のRGBデータから、0〜7のCMYKデータに変換されたデータとして表示しており、
図6では、例えばKについて表示している。
【0058】
図6(a)に示すように、階調吐出領域の中心部にある3×3画素の元画像データでは、9つの画素のうち画素601〜604の4つの画素について、5,4,4,2のドロップ数が割り当てられている。この割り当てによって、3×3画素の元画像データがこの領域について全画素の各々に対応する値を表現している。
【0059】
元データでは4画素が吐出画素として割り当てられているのに対し、
図6(b)に示すように、往路側画像データ201の階調吐出領域201bのうち元画像の4画素に対して半分の画素である画素601〜602の2つの画素についてのみ、5,4のドロップ数が割り当てられている。このように、画像データにおける吐出対象の画素数に対して実際に吐出させる画素数を半分に間引くことを、
図6(a)の元画像を100%としたときの50%吐出割合としている。
【0060】
また、
図6(c)に示すように、復路側画像データ202の階調吐出領域202bのうち(a)に示した3×3画素の画像データでは、元画像の4画素に対して画素603〜604の2つの画素についてのみ、3,2のドロップ数が割り当てられている。同様に、画像データにおける吐出対象の画素数に対して実際に吐出させる画素数を半分に間引くことを、
図6(a)の元画像を100%としたときの50%吐出割合としている。
【0061】
そして、制御部5は、往路においては、主走査駆動ガイド23A,23Bに沿ってヘッドユニット22を右方向に移動させながら、上流側から吐出禁止領域201aの画像データ(吐出禁止領域画像データ)と、階調吐出領域201bの画像データ(階調吐出領域画像データ)と、吐出領域201cの画像データ(吐出領域画像データ)に基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。このとき、
図5(b)に示すように、副走査方向における1/2ヘッド分だけ、インクジェットヘッド27からインクを吐出している。これにより、インクジェットヘッド27の往路において、下流側である基材15の副走査方向1/2ヘッド分である領域203cが印刷されるが、上流側である基材15の領域203aは印刷されない。そして、基材15の領域203aから領域203cまでの領域203bでは、その境界を目立たなくするように、階調吐出領域201bの画像データにおいて吐出割合が階調的に高くなるように印刷されている。そのため、インクジェットヘッド27の往路における基材15の上流側の側面15cに印刷されることがないので、基材15の上流側の側面15cの汚れを防止することができる。
【0062】
しかしながら、往路においては、基材15の領域203cは印刷されているものの、基材15の領域203aは印刷されておらず、基材15の領域203bも吐出ゼロから吐出領域の吐出割合まで階調的な吐出割合で印刷されているので、この基材15の領域203aと領域203bとを補完するように印刷する必要がある。
【0063】
そこで、ヘッドユニット22が主走査駆動ガイド23A,23Bの右端部に到達すると、ヘッドユニット22を副走査方向に1/2ヘッド分だけ移動させて復路で基材15の領域203aと領域203bとを補完するように印刷を行うと共に、領域204aと領域204bについて印刷を行う。
【0064】
復路においては、主走査駆動ガイド23A,23Bに沿ってヘッドユニット22を左方向に移動させながら、上流側から吐出禁止領域202aの画像データ(吐出禁止領域画像データ)と、階調吐出領域202bの画像データ(階調吐出領域画像データ)と、吐出領域202cの画像データ(吐出領域画像データ)に基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。このとき、
図5(b)に示すように、副走査方向において1ヘッド分のインクジェットヘッド27からインクを吐出している。
【0065】
これにより、インクジェットヘッド27の復路において、往路印刷で不足していた基材15の領域203aと領域203bとが補完するように印刷されるので、領域203a〜領域203cは、ヘッドユニット22が1往復(2パス)することにより、副走査方向1/2ヘッドのライン領域については領域の境界が目立たないように画像を再現することができる。
【0066】
また、インクジェットヘッド27の復路において、下流側である基材15の領域204aの副走査方向1/2ヘッド分が印刷されるが、上流側である基材15の領域204cは印刷されない。そして、基材15の領域204cから領域203aまでの領域203bでは、その境界を目立たなくするように、階調吐出領域202bの画像データにおいて吐出割合が階調的に高くなるように印刷されている。そのため、インクジェットヘッド27の復路における基材15の上流側の側面15dに印刷されることがないので、基材15の上流側の側面15dの汚れを防止することができる。
【0067】
そして、ヘッドユニット22が主走査駆動ガイド23A,23Bの左端部に到達すると、以降は、ヘッドユニット22を副走査方向に1/2ヘッド分だけ移動させて、繰り返しヘッドユニット22を往復させながら、上流側から吐出禁止領域の画像データ(吐出禁止領域画像データ)と、階調吐出領域の画像データ(階調吐出領域画像データ)と、吐出領域の画像データ(吐出領域画像データ)に基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。そして、最後は、画像の副走査方向の最後の1/2ライン領域のみ印字するようにインクジェットヘッド27を走査することにより画像形成が完成する。
【0068】
このように、ヘッドユニット22が主走査駆動ガイド23A,23Bに沿って、往路で基材15の上流側である領域203aについて印刷することなく、領域203bと領域203cとについて印刷を行い、復路で基材15の上流側である領域203cについて印刷することなく、領域203aと領域203bとについて印刷を行うので、基材15の上流側の側面の汚れを防止すると共に、画像の分割位置でつなぎ目が階調画像となっているので、実施例1のように目立つことなく画像性も良好にできる。
【0069】
(第3実施形態)
本発明の第2実施形態では、基材15の領域に対してヘッドユニット22を主走査方向に1往復(2パス)することにより、画像を再現したがこれに限らない。
【0070】
本発明の第3実施形態では、基材15の領域に対してヘッドユニット22を主走査方向に2往復(4パス)することにより、画像を再現するインクジェット印刷装置1を例に挙げて説明する。
【0071】
図7A,7Bは、本発明の第3実施形態に係るインクジェット印刷装置1の作用を模式的に説明した説明図である。
【0072】
上述したように、インクジェットヘッド27は、その下面であるノズル面に開口する、前後方向に沿って配列された複数のノズルを有し、ノズルからインクを基材15へ吐出して印刷する。そのため、例えば、あるノズルにインク詰まりが生じたとすると、そのノズルからインクを吐出することができないので、白スジが入ったような印刷画像となる場合がある。
【0073】
そこで、本発明の第3実施形態に係るインクジェット印刷装置1では、基材15の領域に対してヘッドユニット22を主走査方向に2往復(4パス)することにより、ノズルの閉塞が生じた場合においても白スジを目立たなくすると共に、実施形態1または2と同様に、基材15の側面の汚れを防止する。
【0074】
図7A(a)に示すように、画像データから、左右方向(主走査方向)におけるヘッドユニット22の往路について、上流側から吐出禁止領域と、階調吐出領域と、吐出領域との3領域に分割した副走査方向における1/4ヘッド分(分割ピッチ分)の往路側画像データ301が生成される。ここで、吐出禁止領域とは、インクジェットヘッド27がインクを吐出しない領域であり、吐出領域とは、インクジェットヘッド27がインクを最高25%の吐出割合で吐出する領域であり、階調吐出領域とは、吐出禁止領域の吐出割合(吐出ゼロ)から、吐出領域の吐出割合(最高25%の吐出割合)まで階調的に吐出割合を上げて吐出を行う領域である。
【0075】
往路側画像データ301は、ヘッドユニット22を左から右方向へ移動させる往路における上流側から順に、吐出禁止領域301aと、階調吐出領域301bと、吐出領域301cとの3領域に分割されている。
【0076】
そして、制御部5は、往路においては、主走査駆動ガイド23A,23Bに沿ってヘッドユニット22を右方向に移動させながら、上流側から吐出禁止領域301aの画像データ(吐出禁止領域画像データ)と、階調吐出領域301bの画像データ(階調吐出領域画像データ)と、吐出領域301cの画像データ(吐出領域画像データ)に基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。このとき、
図7A(a)に示すように、副走査方向において1/4ヘッド分だけ、インクジェットヘッド27からインクを吐出している。これにより、インクジェットヘッド27の往路における基材15の上流側の側面に印刷されることがないので、基材15の上流側の側面の汚れを防止することができる。
【0077】
ヘッドユニット22が主走査駆動ガイド23A,23Bの右端部に到達すると、ヘッドユニット22を副走査方向に1/4ヘッド分だけ移動させる。
【0078】
そして、
図7A(b)に示すように、制御部5は、復路において、主走査駆動ガイド23A,23Bに沿ってヘッドユニット22を左方向に移動させながら、上流側から吐出禁止領域302a,303aの画像データ(吐出禁止領域画像データ)と、階調吐出領域302b,303bの画像データ(階調吐出領域画像データ)と、吐出領域302c,303cの画像データ(吐出領域画像データ)に基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。このとき、
図7A(b)に示すように、副走査方向において1/2ヘッド分だけ、インクジェットヘッド27からインクを吐出している。これにより、インクジェットヘッド27の復路における基材15の上流側の側面に印刷されることがないので、基材15の上流側の側面の汚れを防止することができる。
【0079】
図8(a)は、
図7A(a)に示した往路および
図7A(b)に示した復路において、印刷された画像の吐出割合を示した図である。
【0080】
図8(a)に示すように、制御部5は、ヘッドユニット22を副走査方向に1/4ヘッドずつ移動させて、インクジェットヘッド27からインクを吐出するので、往路側画像データ301と復路側画像データ302とが重なり合って画像351が印刷される。
【0081】
これにより、画像351は、画像351a〜画像351eの領域が形成される。
【0082】
画像351aは、吐出禁止領域301aの画像データと吐出領域302cの画像データとが重なり合う領域であり、25%の吐出割合となる。画像351bは、階調吐出領域301bの画像データと吐出領域302cの画像データとが重なり合う領域であり、25%〜50%の吐出割合となる。画像351cは、吐出領域301cの画像データと吐出領域302cの画像データとが重なり合う領域であり、50%の吐出割合となる。画像351dは、吐出領域301cの画像データと階調吐出領域302bの画像データとが重なり合う領域であり、25%〜50%の吐出割合となる。画像351eは、吐出領域301cの画像データと吐出禁止領域302aの画像データとが重なり合う領域であり、25%の吐出割合となる。
【0083】
画像352は、復路側画像データ303にのみ基づいて印刷されているので、最高で25%の吐出割合となっている。
【0084】
ヘッドユニット22が主走査駆動ガイド23A,23Bの左端部に到達すると、ヘッドユニット22を副走査方向に1/4ヘッド分だけ移動させる。
【0085】
そして、制御部5は、
図7A(c)に示すように、再度、往路において、主走査駆動ガイド23A,23Bに沿ってヘッドユニット22を右方向に移動させながら、上流側から吐出禁止領域304a,305a,306aの画像データ(吐出禁止領域画像データ)と、階調吐出領域304b,305b,306bの画像データ(階調吐出領域画像データ)と、吐出領域304c,305c,306cの画像データ(吐出領域画像データ)に基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。このとき、
図7A(c)に示すように、副走査方向において3/4ヘッド分だけ、インクジェットヘッド27からインクを吐出している。これにより、インクジェットヘッド27の復路における基材15の上流側の側面に印刷されることがないので、基材15の上流側の側面の汚れを防止することができる。
【0086】
図8(b)は、
図7A(a)に示した往路、
図7A(b)に示した復路、および
図7A(c)に示した往路において、印刷された画像の吐出割合を示した図である。
【0087】
図8(b)に示すように、制御部5は、ヘッドユニット22を副走査方向に1/4ヘッドずつ移動させて、インクジェットヘッド27からインクを吐出するので、往路側画像データ301と復路側画像データ302と往路側画像データ304とが重なり合って画像353が印刷される。
【0088】
これにより、画像353は、画像353a〜画像353eの領域が形成される。
【0089】
画像353aは、吐出禁止領域301aの画像データと吐出領域302cの画像データと吐出禁止領域304aの画像データとが重なり合う領域であり、25%の吐出割合となる。画像353bは、階調吐出領域301bの画像データと吐出領域302cの画像データと階調吐出領域304bの画像データとが重なり合う領域であり、25%〜75%の吐出割合となる。画像353cは、吐出領域301cの画像データと吐出領域302cの画像データと吐出領域304cの画像データとが重なり合う領域であり、75%の吐出割合となる。画像353dは、吐出領域301cの画像データと階調吐出領域302bの画像データと吐出領域304cの画像データとが重なり合う領域であり、50%〜75%の吐出割合となる。画像353eは、吐出領域301cの画像データと吐出禁止領域302aの画像データと吐出領域304cの画像データとが重なり合う領域であり、50%の吐出割合となる。
【0090】
画像354は、復路側画像データ303と往路側画像データ305とが重なり合って、画像351と同様に、画像354a〜画像354eの領域が形成される。
【0091】
画像354は、往路側画像データ306にのみ基づいて印刷されているので、最高で25%の吐出割合となっている。
【0092】
ヘッドユニット22が主走査駆動ガイド23A,23Bの右端部に到達すると、さらにヘッドユニット22を副走査方向に1/4ヘッド分だけ移動させる。
【0093】
そして、制御部5は、
図7A(d)に示すように、復路において、主走査駆動ガイド23A,23Bに沿ってヘッドユニット22を左方向に移動させながら、上流側から吐出禁止領域307a,308a,309a,310aの画像データ(吐出禁止領域画像データ)と、階調吐出領域307b,308b,309b,310bの画像データ(階調吐出領域画像データ)と、吐出領域307c,308c,309c,310cの画像データ(吐出領域画像データ)に基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。このとき、
図7A(d)に示すように、4パス目(2往復目)において初めて副走査方向において1ヘッド分についてインクジェットヘッド27からインクを吐出している。これにより、インクジェットヘッド27の復路における基材15の上流側の側面に印刷されることがないので、基材15の上流側の側面の汚れを防止することができる。
【0094】
図8(c)は、
図7A(a)に示した往路、
図7A(b)に示した復路、
図7A(c)に示した往路、および
図7A(d)に示した復路において、印刷された画像の吐出割合を示した図である。
【0095】
図8(b)に示すように、制御部5は、ヘッドユニット22を副走査方向に1/4ヘッドずつ移動させて、インクジェットヘッド27からインクを吐出するので、往路側画像データ301と復路側画像データ302と往路側画像データ304と復路側画像データ307とが重なり合って画像356が印刷される。
【0096】
これにより、画像356は、画像356a〜画像356eの領域が形成される。
【0097】
画像356aは、吐出禁止領域301aの画像データと吐出領域302cの画像データと吐出禁止領域304aの画像データと吐出領域307cの画像データとが重なり合う領域であり、50%の吐出割合となる。画像356bは、階調吐出領域301bの画像データと吐出領域302cの画像データと階調吐出領域304bの画像データと吐出領域307cの画像データとが重なり合う領域であり、25%〜75%の吐出割合となる。画像356cは、吐出領域301cの画像データと吐出領域302cの画像データと吐出領域304cの画像データと吐出領域307cの画像データとが重なり合う領域であり、100%の吐出割合となる。画像356dは、吐出領域301cの画像データと階調吐出領域302bの画像データと吐出領域304cの画像データと階調吐出領域307bの画像データが重なり合う領域であり、50%〜100%の吐出割合となる。画像356eは、吐出領域301cの画像データと吐出禁止領域302aの画像データと吐出領域304cの画像データと吐出禁止領域307aの画像データとが重なり合う領域であり、50%の吐出割合となる。
【0098】
画像357は、復路側画像データ303と往路側画像データ305と復路側画像データ308が重なり合って、画像357a〜画像357eの領域が形成される。
【0099】
画像358は、往路側画像データ306と復路側画像データ309とが重なり合って、5つの領域が形成される。
【0100】
画像359は、往路側画像データ310にのみ基づいて印刷されているので、最高で25%の吐出割合となっている。
【0101】
これ以降、制御部5は、
図7B(e)〜
図7B(f)に示すように、ヘッドユニット22を副走査方向に1/4ヘッドずつ移動させながら、往路および復路それぞれについて、副走査方向に1ヘッド分の上流側から吐出禁止領域の画像データ(吐出禁止領域画像データ)と、階調吐出領域の画像データ(階調吐出領域画像データ)と、吐出領域の画像データ(吐出領域画像データ)に基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。
【0102】
そして、副走査方向における基材15の端部が近づくと、制御部5は、副走査方向におけるインクジェットヘッド27からインクを吐出する領域を、1/4ヘッドずつ減少させていく。
【0103】
具体的には、
図7B(g)に示すように、往路において、主走査駆動ガイド23A,23Bに沿ってヘッドユニット22を右方向に移動させながら、副走査方向における3/4ヘッド分の上流側から吐出禁止領域319a,320a,321aの画像データ(吐出禁止領域画像データ)と、階調吐出領域319b,320b,321bの画像データ(階調吐出領域画像データ)と、吐出領域319c,320c,321cの画像データ(吐出領域画像データ)に基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。
【0104】
そして、
図7B(h)に示すように、副走査方向における1/2ヘッド分の上流側から吐出禁止領域322a,323aの画像データ(吐出禁止領域画像データ)と、階調吐出領域322b,323bの画像データ(階調吐出領域画像データ)と、吐出領域322c,323cの画像データ(吐出領域画像データ)に基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出し、
図7B(i)に示すように、副走査方向における1/4ヘッド分の上流側から吐出禁止領域324aの画像データ(吐出禁止領域画像データ)と、階調吐出領域324bの画像データ(階調吐出領域画像データ)と、吐出領域324cの画像データ(吐出領域画像データ)に基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。
【0105】
このように、往路および復路それぞれについて、上流側から吐出禁止領域画像データと、階調吐出領域画像データと、吐出領域画像データに基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出するので、インクジェットヘッド27の復路における基材15の上流側の側面に印刷されることがないので、基材15の上流側の側面の汚れを防止することができる。
【0106】
また、基材15の領域に対してヘッドユニット22を主走査方向に2往復(4パス)することにより印刷するので、インクジェットヘッド27のノズルに閉塞が生じた場合においても印刷画像の白スジを目立たなくすることができる。
【0107】
(第4実施形態)
本発明の第3実施形態では、画像データを3領域に分割し、この3分割した画像データに基づいて、基材15の領域に対してヘッドユニット22を主走査方向に2往復(4パス)しながらインクを吐出することにより、画像を再現するインクジェット印刷装置1を例に挙げて説明した。この場合、白スジは目立たないが、両端の領域や階調領域の画像の吐出割合が低下してしまう。そのため、これらの領域についても吐出割合低下させることなく適切な吐出割合で印刷できる方が好ましい。
【0108】
そこで、本発明の第4実施形態では、画像データを5領域に分割し、この5分割した画像データに基づいて、基材15の領域に対してヘッドユニット22を主走査方向に2往復(4パス)しながらインクを吐出することにより、画像を再現するインクジェット印刷装置1を例に挙げて説明する。
【0109】
図9A,9Bは、本発明の第4実施形態に係るインクジェット印刷装置1の作用を模式的に説明した説明図である。
【0110】
図9A(a)に示すように、画像データから、左右方向(主走査方向)におけるヘッドユニット22の往路について、上流側から吐出禁止領域401aと、第1階調吐出領域401bと、第1吐出領域401cと、第2階調吐出領域401dと、第2吐出領域401eとの5領域に分割した副走査方向における1/4ヘッド分の往路側画像データ401が生成される。ここで、吐出禁止領域とは、インクジェットヘッド27がインクを吐出しない領域であり、第1吐出領域とは、インクジェットヘッド27がインクを最高25%の吐出割合で吐出する領域であり、第1階調吐出領域とは、吐出禁止領域の吐出割合(吐出ゼロ)から、第1吐出領域の吐出割合(最高25%吐出割合)まで階調的に吐出割合を上げて吐出を行う領域であり、第2吐出領域とは、インクジェットヘッド27がインクを最高50%の吐出割合で吐出する領域であり、第2階調吐出領域とは、吐出禁止領域の吐出割合(吐出ゼロ)から、第2吐出領域の吐出割合(最高50%吐出割合)まで階調的に吐出割合を上げて吐出を行う領域である。
【0111】
そして、制御部5は、往路においては、主走査駆動ガイド23A,23Bに沿ってヘッドユニット22を右方向に移動させながら、上流側から吐出禁止領域401aの画像データ(吐出禁止領域画像データ)と、第1階調吐出領域401bの画像データ(第1階調吐出領域画像データ)と、第1吐出領域401cの画像データ(第1吐出領域画像データ)と、第2階調吐出領域401dの画像データ(第2階調吐出領域画像データ)と、第2吐出領域401eの画像データ(第2吐出領域画像データ)とに基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。
【0112】
このとき、
図9A(a)に示すように、副走査方向において1/4ヘッド分だけ、インクジェットヘッド27からインクを吐出している。
【0113】
ヘッドユニット22が主走査駆動ガイド23A,23Bの右端部に到達すると、ヘッドユニット22を副走査方向に1/4ヘッド分だけ移動させる。
【0114】
そして、
図9A(b)に示すように、制御部5は、復路において、主走査駆動ガイド23A,23Bに沿ってヘッドユニット22を左方向に移動させながら、上流側から吐出禁止領域402a,403aの画像データ(吐出禁止領域画像データ)と、第1階調吐出領域402b,403bの画像データ(階調吐出領域画像データ)と、第1吐出領域402c,403cの画像データ(吐出領域画像データ)と、第2階調吐出領域402d,403dの画像データ(階調吐出領域画像データ)と、第2吐出領域402e,403eの画像データ(吐出領域画像データ)に基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。このとき、
図9A(b)に示すように、副走査方向において1/2ヘッド分だけ、インクジェットヘッド27からインクを吐出している。
【0115】
図10(a)は、
図9A(a)に示した往路および
図9A(b)に示した復路において、印刷された先頭の分割ピッチで重なり合う画像の吐出割合を示した図である。なお、
図10において、先頭以外の分割ピッチで重なり合う画像については説明を省略する。
【0116】
図10(a)に示すように、制御部5は、ヘッドユニット22を副走査方向に1/4ヘッドずつ移動させて、インクジェットヘッド27からインクを吐出するので、往路側画像データ401と復路側画像データ402とが重なり合って画像451が印刷される。
【0117】
これにより、画像451は、画像451a〜画像451eの領域が形成される。
【0118】
画像451aは、吐出禁止領域401aの画像データと吐出領域402eの画像データとが重なり合う領域であり、50%の吐出割合となる。
画像451bは、階調吐出領域401bの画像データと階調吐出領域402dの画像データとが重なり合う領域であり、25%〜50%の吐出割合となる。
画像451cは、吐出領域401cの画像データと吐出領域402cの画像データとが重なり合う領域であり、50%の吐出割合となる。
画像451dは、階調吐出領域401dの画像データと階調吐出領域402bの画像データとが重なり合う領域であり、50%の吐出割合となる。
画像451eは、吐出領域401eの画像データと吐出禁止領域402aの画像データとが重なり合う領域であり、50%の吐出割合となる。
【0119】
ヘッドユニット22が主走査駆動ガイド23A,23Bの左端部に到達すると、ヘッドユニット22を副走査方向に1/4ヘッド分だけ移動させる。
【0120】
そして、制御部5は、
図9A(c)に示すように、再度、往路において、主走査駆動ガイド23A,23Bに沿ってヘッドユニット22を右方向に移動させながら、上流側から吐出禁止領域404a,405a,406aの画像データ(吐出禁止領域画像データ)と、第1階調吐出領域404b,405b,406bの画像データ(階調吐出領域画像データ)と、第1吐出領域404c,405c,406cの画像データ(吐出領域画像データ)と、第2階調吐出領域404d,405d,406dの画像データ(階調吐出領域画像データ)と、第2吐出領域404e,405e,406eの画像データ(吐出領域画像データ)に基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。このとき、
図9A(c)に示すように、副走査方向において3/4ヘッド分だけ、インクジェットヘッド27からインクを吐出している。
【0121】
図10(b)は、
図9A(a)に示した往路、
図9A(b)に示した復路、および
図9A(c)に示した往路において、印刷された先頭の分割ピッチで重なり合う画像の吐出割合を示した図である。
【0122】
図10(a)に示すように、制御部5は、ヘッドユニット22を副走査方向に1/4ヘッドずつ移動させて、インクジェットヘッド27からインクを吐出するので、往路側画像データ401と復路側画像データ402と往路側画像データ404とが重なり合って画像452が印刷される。
【0123】
これにより、画像452は、画像452a〜画像452eの領域が形成される。
【0124】
画像452aは、吐出禁止領域401aの画像データと吐出領域402eの画像データと吐出禁止領域404aの画像データとが重なり合う領域であり、50%の吐出割合となる。
画像452bは、階調吐出領域401bの画像データと階調吐出領域402dの画像データと階調吐出領域404bの画像データとが重なり合う領域であり、50%〜75%の吐出割合となる。
画像452cは、吐出領域401cの画像データと吐出領域402cの画像データと吐出領域404cの画像データとが重なり合う領域であり、75%の吐出割合となる。
画像452dは、階調吐出領域401dの画像データと階調吐出領域402bの画像データと階調吐出領域404dの画像データが重なり合う領域であり、75%〜100%の吐出割合となる。
画像452eは、吐出領域401eの画像データと吐出禁止領域402aの画像データと吐出領域404eの画像データとが重なり合う領域であり、100%の吐出割合となる。
【0125】
ヘッドユニット22が主走査駆動ガイド23A,23Bの右端部に到達すると、さらにヘッドユニット22を副走査方向に1/4ヘッド分だけ移動させる。
【0126】
そして、制御部5は、
図9A(d)に示すように、復路において、主走査駆動ガイド23A,23Bに沿ってヘッドユニット22を左方向に移動させながら、上流側から吐出禁止領域407a,408a,409a,410aの画像データ(吐出禁止領域画像データ)と、第1階調吐出領域407b,408b,409b,410bの画像データ(階調吐出領域画像データ)と、第1吐出領域407c,408c,409c,410cの画像データ(吐出領域画像データ)と、第2階調吐出領域407d,408d,409d,410dの画像データ(階調吐出領域画像データ)と、第2吐出領域407e,408e,409e,410eの画像データ(吐出領域画像データ)とに基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。このとき、
図9A(d)に示すように、4パス目(2往復目)において初めて副走査方向において1ヘッド分についてインクジェットヘッド27からインクを吐出している。
【0127】
図10(c)は、
図9A(a)に示した往路、
図9A(b)に示した復路、
図9A(c)に示した往路、および
図9A(d)に示した復路において、印刷された先頭の分割ピッチで重なり合う画像の吐出割合を示した図である。
【0128】
図10(c)に示すように、制御部5は、ヘッドユニット22を副走査方向に1/4ヘッドずつ移動させて、インクジェットヘッド27からインクを吐出するので、往路側画像データ401と復路側画像データ402と往路側画像データ404と復路側画像データ407とが重なり合って画像452が印刷される。
【0129】
これにより、画像453は、画像453a〜画像453eの領域が形成される。往路側画像データ401と復路側画像データ402と往路側画像データ404と復路側画像データ407とが重なり合い、全ての領域で100%の吐出割合となる。
【0130】
そして、これ以降、制御部5は、
図9B(e)〜
図9B(f)に示すように、ヘッドユニット22を副走査方向に1/4ヘッド分だけ移動させながら、往路および復路それぞれについて、副走査方向に1ヘッド分の上流側から吐出禁止領域の画像データ(吐出禁止領域画像データ)と、第1階調吐出領域の画像データ(階調吐出領域画像データ)と、第1吐出領域の画像データ(吐出領域画像データ)と、第2階調吐出領域の画像データ(階調吐出領域画像データ)と、第2吐出領域の画像データ(吐出領域画像データ)に基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。
【0131】
そして、副走査方向における基材15の端部が近づくと、
図9B(g)〜
図9B(i)に示すように、制御部5は、副走査方向におけるインクジェットヘッド27からインクを吐出する領域を、1/4ヘッドずつ減少させていく。
【0132】
このように、往路および復路それぞれについて、上流側から吐出禁止領域画像データと、第1階調吐出領域画像データと、第1吐出領域画像データと、第2階調吐出領域画像データと、第2吐出領域画像データとに基づいて、インクジェットヘッド27からインクを吐出するので、インクジェットヘッド27の復路における基材15の上流側の側面に印刷されることがないので、基材15の上流側の側面の汚れを防止することができると共に、基材15の端部まで吐出割合を低下させることなく良好な仕上がり状態を実現することができる。
【0133】
また、基材15の領域に対してヘッドユニット22を主走査方向に2往復(4パス)することにより印刷するので、インクジェットヘッド27のノズルに閉塞が生じた場合においても印刷画像の白スジを目立たなくすることができる。
【0134】
また、実施例3に対して、全ての領域について画像の吐出割合の低下を防止し、100%の吐出割合で印刷することができ画像性が良好となる。
【0135】
(第5実施形態)
本発明の第1実施形態〜第4実施形態では、凹凸のない平板状の基材15に対してインクを吐出するインクジェット印刷装置1を例に挙げて説明したが、基材15は凹凸のない平板に限らない。
【0136】
本発明の第5実施形態では、厚み方向に貫通穴が設けられた基材15に対してインクを吐出するインクジェット印刷装置1を例に挙げて説明する。
【0137】
図11(a)は、本発明の第5実施形態に係るインクジェット印刷装置1が印刷を行う基材の斜視図であり、
図11(b)は、本発明の第5実施形態に係るインクジェット印刷装置1により縁なし印刷された印刷済みの基材の平面図である。
【0138】
図11(a)に示すように、基材15Aは、円形の貫通穴151,152,153が設けられている。そのため、本発明の第5実施形態に係るインクジェット印刷装置1では、基材15Aの側面154や、貫通穴151,152,153の側面155,156,157に印刷することなく、基材15Aの表面に縁なし印刷を行うことで、
図11(b)に示すような印刷済みの基材15Aを得る。
【0139】
縁なし印刷を行うためには、
図12(a)(b)に示すように、制御部5は、印刷動作を行う前に、まず画像分割手段として機能して、基材15Aのサイズより大きいサイズの画像データを、往路側画像データ501と復路側画像データ502との2つの画像データに分割する。
【0140】
制御部5は、往路においては、主走査駆動ガイド23A,23Bに沿ってヘッドユニット22を右方向に移動させながら、復路側画像データ502を用いることなく主走査方向下流側の往路側画像データ501のみを用いて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。これにより、ヘッドユニット22の往路において、上流側である基材15の左部分15hや、貫通穴151,152,153の基材15Aの表面における右側部分15i,15j,15kは印刷されない。そのため、基材15Aの上流側の側面の汚れを防止することができる。
【0141】
しかしながら、往路においては、上流側である基材15の左部分15hや、貫通穴151,152,153の右側部分15i,15j,15kは印刷されていないので、この部分を補完するように印刷する必要がある。
【0142】
そこで、ヘッドユニット22が主走査駆動ガイド23A,23Bの右端部に到達すると、ヘッドユニット22を副走査方向に移動させることなく復路で、基材15の左部分15hや、貫通穴151,152,153の右側部分15i,15j,15kを補完するように印刷を行う。
【0143】
復路においては、主走査駆動ガイド23A,23Bに沿ってヘッドユニット22を左方向に移動させながら、主走査方向下流側である復路側画像データ502のみを用いて、インクジェットヘッド27からインクを吐出する。これにより、インクジェットヘッド27の復路において、下流側である基材15の左部分15hや、貫通穴151,152,153の右側部分15i,15j,15kの副走査方向1ヘッド分が印刷される。
【0144】
このように、ヘッドユニット22が主走査駆動ガイド23A,23Bに沿って、往路では、往路側画像データ501に基づいて印刷し、復路では、復路側画像データ502に基づいて印刷するので、1往復することにより、基材15の側面や貫通穴151,152,153の側面を汚すことなく印刷を行うことができる。