(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記給紙トレイが前記開閉ユニットに対して閉じた状態で、前記開閉ユニットを前記装置本体に対して閉状態となるとき、前記連結部材は前記当接部と離間することを特徴とする請求項1又は2に記載の給紙装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(A)主たる実施形態
以下では、本発明に係る給紙装置としての画像形成装置の主たる実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
この実施形態では、本発明を利用して、LED方式を採用した電子写真プリンタに適用する場合を例示する。
【0011】
(A−1)実施形態の構成
図1は、実施形態に係る画像形成装置の主な内部構成の概略を示す内部構成図である。
【0012】
図2は、実施形態に係る画像形成装置及び給紙トレイを示す外観構成図である。
【0013】
図2において、実施形態に係る画像形成装置100は、本体装置としてのプリンタ部101、記録紙スタック部210、画像形成装置100の操作部としての操作パネル218、画像形成装置100の状態を表示する表示部としてのLCD219、プリンタ部101に対して開閉自在の開閉ユニットとしての給紙トレイユニット102、給紙トレイとしてのマルチパーパストレイ(MPT)211、記録紙収納部201を有する。
【0014】
図2に示すように、画像形成装置100は、ユーザが利用する操作パネル218を設けた側(以下、フロント側とも呼ぶ。)に、当該画像形成装置100の本体装置としてのプリンタ部101に対して、回転軸103を中心に開閉自在な開閉ユニットとしての給紙トレイユニット102を有する。給紙トレイユニット102は、画像形成装置100本体の内部をメンテナンス等する際に、ユーザにより開けられる。
【0015】
また、給紙トレイユニット102には、当該給紙トレイユニット102に対して、開閉自在なマルチパーパストレイ211が設けられている。例えば、ユーザが記録紙を手差しにより給紙する場合には、ユーザがマルチパーパストレイ211を開き、開いた状態のマルチパーパストレイ211の平面上に記録紙が載置されて、当該記録紙の手差し給紙を行なう。
【0016】
図1において、実施形態に係る画像形成装置100は、プリンタ部101、記録紙収納部201、開閉ユニットとしての給紙トレイユニット102、給紙トレイとしてのマルチパーパストレイ211、手差し記録紙212、記録紙収納部201から記録紙を搬送する記録紙給紙ローラ202、記録紙給紙ローラ202により搬送された記録紙を搬送する1対の第1レジストローラ203、マルチパーパストレイ211若しくは第1レジストローラ203から搬送された記録紙を搬送する1対の第2レジストローラ204、マルチパーパストレイ211上の手差し記録紙212を搬送する記録紙搬送ローラ216、マルチパーパストレイ211上の手差し記録紙212を分離する記録紙分離ローラ217、マルチパーパストレイ211に載置されている手差し記録紙212のうち最上位の手差し記録紙212をピックアップするピックアップローラ220、ピックアップローラ220により送り出された手差し記録紙212を検出するINセンサ213、記録紙への印刷タイミングを検出するため記録紙を検出してWriteセンサ214、トナー潜像画像形成と転写を行う印刷プロセス部205、トナーを記録紙に定着させる定着器206、トナーが定着した記録紙を搬送、排出する1対の第1イジェクトローラ207及び1対の第2イジェクトローラ208、排出記録紙209を載置する記録紙スタック部210を有する。
【0017】
図1及び
図2において、給紙トレイとしてのマルチパーパストレイ211に載置された手差し記録紙212は、例えば上位装置(図示しない)からの印刷指令(印刷コマンド)を取得すると、例えば駆動モータ等の駆動部によりピックアップローラ220が回動し、マルチパーパストレイ211上に載置された手差し記録紙212がピックアップされ、手差し記録紙212は、記録紙搬送ローラ216及び記録紙分離ローラ217により分離搬送されて給紙方向Xに給紙される。
【0018】
第2レジストローラ204に手差し記録紙212が突き当たった時点で、画像形成装置100の制御部(図示しない)は一旦駆動部を停止する。このとき、画像形成装置100の制御部は、INセンサ213からの検知情報に基づいて、手差し記録紙212の先端位置が第2レジストローラ204に到達したことを検出して、一時的に駆動部を停止する。そして、制御部は、再度駆動部を駆動し、第2レジストローラ204を回転させて、手差し記録紙212の搬送を再開する。
【0019】
画像形成装置100の制御部は、Writeセンサ214からの検知情報に基づいて、手差し記録紙212の先端位置を検出し、印刷プロセス部205によるトナー潜像画像形成処理及び転写処理を実行する。そして、手差し記録紙212上にトナーが転写されると、定着器206がトナーを熱溶融し、手差し記録紙212上にトナーを定着させる。そして、第1イジェクトローラ207、第2イジェクトローラ208により、手差し記録紙212は搬送されて記録紙スタック部210に排出される。
【0020】
図3(A)は、実施形態に係る給紙装置の構造分解図であり、
図3(B)は、マルチパーパストレイ211の側部構造を示す拡大図である。
【0021】
以下では、
図3(A)及び
図3(B)を用いて、給紙トレイユニット102の詳細な構造を説明する。
【0022】
図3(A)に示すように、給紙トレイユニット102は、給紙トレイフレーム104と、給紙トレイフレーム104に取り付けられた操作パネル218を有するカバー部材105とを有する。給紙トレイフレーム104は、マルチパーパストレイ211から手差し記録紙
212の給紙を可能とするために中央部に開口部を有しており、この開口部(中央部)を囲むように、上部、下部、両端部を有する構造となっている。
【0023】
図3(A)に示すように、給紙トレイフレーム104には、第1の回動中心としての給紙トレイフレーム回転軸103と、第2の回動中心としての給紙トレイ回転軸117とが形成されている。より具体的には、給紙トレイフレーム104の給紙方向と直交する方向における両端部の下部外側に、給紙トレイフレーム回転軸103が設けられている。また、給紙トレイフレーム104の開口部の下部の長手方向(給紙方向と直交する方向)に亘って、給紙トレイ回転軸117が設けられている。
【0024】
給紙トレイフレーム回転軸103は、
図1に示す開閉ユニットとしての給紙トレイユニット102が画像形成装置100の本体に対して回動するための軸部である。
【0025】
給紙トレイ回転軸117は、給紙トレイとしてのマルチパーパストレイ211を回動するための軸部である。マルチパーパストレイ211の端部には、給紙トレイ回転軸受部106があり、このマルチパーパストレイ211の給紙トレイ回転軸受部106が給紙トレイ回転軸117と嵌合し、マルチパーパストレイ211が給紙トレイ回転軸117を中心に回動する。
【0026】
マルチパーパストレイ211の記録紙を給紙する方向と直交する方向における両端部のうち一方の端部(
図3(A)、
図3(B)の例の場合、手前側(左端部))には、バンド作用点111、バンドフック部112、第2固定部としてのバンド固定ボス113(113a及び113b)が形成されている。これらバンド作用点111、バンドフック部112、バンド固定ボス113(113a及び113b)は、給紙トレイフレーム104とマルチパーパストレイ211とを連結する連結部材としてのバンド107を接続及び固定する接続固定手段として機能する。
【0027】
バンド作用点111は、例えば円柱形状の部材であり、連結部材としてのバンド107の一方の端部に形成されている環状部と係合するものである。
【0028】
バンドフック部112は、バンド107の抜けを防止するため、バンド107を抑えるものである。
【0029】
バンド固定ボス113(113a及び113b)は、バンド107の一方の端部に設けられているバンド固定孔115と嵌合するものである。バンド固定ボス113(113a及び113b)が、バンド107のバンド固定孔115に嵌められることによりバンド107を固定できる。
【0030】
バンド固定ボス113a及び113bは、
図3(B)に示すように、バンドフック部112を挟むように設けられており、マルチパーパストレイ211がほぼ水平状態の姿勢である開いた状態のときに、バンド107の2つのバンド固定孔115のそれぞれがバンドフック部112の下部に位置するよう、バンド固定ボス113a及び113bに嵌合される。つまり、バンド107の環状部がバンド作用点111に引っ掛けられ、バンドフック部112の下部にバンド107を配置した状態で、バンド107のバンド固定孔115がバンド固定ボス113a及び113bに嵌合される。このような構造とすることで、マルチパーパストレイ211が開閉するときでも、バンド107の抜けを防止できる。
【0031】
また、記録紙が給紙される方向と直交する方向におけるマルチパーパストレイ211の一方の端部(
図3(A)、
図3(B)の左端部)には、連結部材としてのバンド107と当接可能なバンド当接部114が形成されている。
【0032】
バンド当接部114は、バンド107が取りまわされるルートにおいて、バンド107の一方の端部を給紙トレイフレーム104側で固定するバンド固定穴部118(第1の固定部とも呼ぶ。)の位置と、バンドの他方の端部をマルチパーパストレイ211側で固定するバンド固定ボス113a及び113b(第2の固定部とも呼ぶ。)の位置の間に設けられる。つまり、両端部が固定されて設けられたバンド107の存在領域(取りまわされるルート)上に、バンド当接部114が設けられている。
【0033】
バンド当接部114は、曲面状のバンド当接面114aを有する。後述するように、マルチパーパストレイ211の開いた状態での給紙トレイユニット102の開閉動作に応じて、バンド107に当接したり又は当接しなくなったり(非当接)する部分である。バンド当接部114がバンド107と当接しているとき、バンド当接部114はバンド107に対して張力を作用させてマルチパーパストレイ211の姿勢を保持することができる。
【0034】
バンド107は、本体装置としてのプリンタ部101とマルチパーパストレイ211とを連結する連結部材である。バンド107は、一方の端部をプリンタ部101側に固定され、他方の端部をマルチパーパストレイ211側に固定され、プリンタ部101とマルチパーパストレイ211との間を連結して、マルチパーパストレイ211が開けられたときに、マルチパーパストレイ211の姿勢を保持するものである。
【0035】
バンド107は、例えば、平板状の面を有する細長い部材を適用できる。また、バンド107の材質は、特に限定されるものではないが、例えば、プラスチック材料等により形成されている。
【0036】
バンド107は、プリンタ部101側と固定するために、バンド107の一方の端部には、フレーム固定部としてのバンド固定穴部118を有しており、マルチパーパストレイ211側と固定するために、他方の端部には、2個のバンド固定孔115を有している。バンド107の上記他方の端部は、外側に曲げて環状部を形成し、この環状部を維持するために固定している。
【0037】
バンド107の上記他方の端部に形成されている2個のバンド固定孔115はそれぞれ、マルチパーパストレイ211の端部に設けられたバンド固定ボス113a及び113bと嵌合する。また、バンド107の上記他方の端部に形成した環状部は、マルチパーパストレイ211の端部に設けられたバンド作用点111に掛けられる。
【0038】
また、バンド107の上記一方の端部に形成されているバンド固定穴部118は、
図3(A)及び
図4〜
図8に示すように、バンド被固定部108を介して、バンド固定金具109とバンド固定ネジ110により本体装置としてのプリンタ部101にネジ止めされている。
【0039】
給紙トレイフレーム104は、
図3(A)に示すように、給紙トレイフレームカバー105及び操作パネル218が取り付けられ、
図1に示す給紙トレイユニット102の体を成している。
【0040】
給紙トレイユニット102は、画像形成装置100の本体装置としてのプリンタ部101に対して、図示しないロック部により保持され、ユーザによる任意の操作でロック部が解除し、給紙トレイユニット102が給紙トレイフレーム回転軸103を中心に回動する。
【0041】
また、マルチパーパストレイ211の未使用のときには、マルチパーパストレイ211に形成された給紙トレイフック119と、給紙トレイフレーム104に形成された給紙トレイ固定爪120とが嵌合している。マルチパーパストレイ211が使用されるときには、給紙トレイフック119と給紙トレイ固定爪120との嵌合が解かれ、マルチパーパストレイ211が給紙トレイ回転軸117を中心に回動する。
【0042】
(A−2)実施形態の動作
次に、実施形態に係る画像形成装置100の給紙装置の動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0043】
図4は、実施形態において、マルチパーパストレイ211と給紙トレイユニット102とがともに閉状態のときの画像形成装置100の構造を示す側面断面図である。
【0044】
図5は、実施形態において、マルチパーパストレイ211が開状態であって、給紙トレイユニット102が閉状態のときの画像形成装置100の構造を示す側面断面図である。
【0045】
図6は、実施形態において、マルチパーパストレイ211が開状態で、給紙トレイユニット102が15°開いたときの画像形成装置100の構造を示す側面断面図である。
【0046】
図7は、実施形態において、マルチパーパストレイ211が開状態で、給紙トレイユニット102が25°開いたときの画像形成装置100の構造を示す側面断面図である。
【0047】
図8は、マルチパーパストレイ211が閉状態で、給紙トレイユニット102が全開したときの画像形成装置100の構造を示す側面断面図である。
【0048】
図4は、マルチパーパストレイ211の給紙トレイフック119が給紙トレイフレーム104の給紙トレイ固定爪120に嵌合し、マルチパーパストレイ211が閉状態となっている。このとき、連結部材であるバンド107はたるんだ状態にあるため、バンド107はバンド当接部114と当接していない状態となっている。ここで、バンド107の長さは、製造バラツキを考慮し、
図4(B)のように、バンド当接部114から離れるよう配置される。
【0049】
図5は、ユーザが記録紙を手差しで供給するため、マルチパーパストレイ211を開状態とし、マルチパーパストレイ211に手差し記録紙212を載置する際の状態を示す。給紙トレイ211の給紙トレイフック119に対し、給紙トレイフレーム104の給紙トレイ固定爪120が撓むことにより嵌合が解かれ、マルチパーパストレイ211の給紙方向下流側の端部が、保持部としての給紙トレイストッパ116と当接して、マルチパーパストレイ211が給紙トレイユニット102のフロント面(ここで、画像形成装置100の設置面に対する垂直面を、垂直面Pとも呼ぶ。)に対して傾き角度θ1で静止している。なお、マルチパーパストレイ211の開状態時の傾き角度θ1は例えば75°程度とする場合を例示する。
【0050】
このとき、マルチパーパストレイ211は給紙トレイストッパ116により保持されるため、バンド107による保持は不要であり、バンド107をたるんだ状態にあり、バンド107とバンド当接部114との当接もしない状態とする。
図5(B)中の2点鎖線の如く、バンド107はバンド当接部114と当接しておらず、バンド107にはバンド当接部114との当接による張力が発生していない。
【0051】
図5(B)に示す状態から、例えば画像形成装置100の内部メンテナンス等のために、給紙トレイユニット102を開くことが必要となる場合がある。
【0052】
このように、マルチパーパストレイ211が開いた状態で、給紙トレイユニット102を開く場合、
図6(B)に示すように、給紙トレイユニット102は給紙トレイフレーム回転軸103を中心に回動する。
【0053】
このとき、バンド107はバンド当接部114に当接する状態となる。つまり、バンド107が
バンド当接面114aに当接するため、バンド当接面114aとの当接によりバンド107には張力が発生し、マルチパーパストレイ211の姿勢を保持できる。また、バンド107の面と曲面状のバンド当接面114aとが当接するので、繰り返し当接と非当接を行なった場合でも張力によるバンド107の伸びを低減できる。
【0054】
ここで、
図6(B)において、マルチパーパストレイ211側でバンド107を固定するバンド固定ボス113a又はバンドフック部112がバンド107に作用する作用点の位置と、本体装置としてのプリンタ部101側でバンド107を固定するバンド固定穴部118の位置とを結ぶ仮想的な直線LIに対して鉛直上方の位置に、バンド当接部114は存在する。
【0055】
そのため、バンド当接部114はバンド107と当接することで、バンド107には張力が作用し、プリンタ部101に対してのマルチパーパストレイ211の姿勢を保持できる。例えば、画像形成装置100の設置面に対する垂直面Pに対して、マルチパーパストレイ211は角度θ2で静止する。この角度θ2は、おおよそ90°程度とすることができる。
【0056】
このようにすることで、マルチパーパストレイ211上に手差し記録紙212が載置されていたとしても、状態が保持され、マルチパーパストレイ211から手差し記録紙212の滑り落ちを防止できる。
【0057】
図6(B)の状態から、給紙トレイユニット102を更に開くと、
図7(B)に示す状態となる。
【0058】
この場合も、マルチパーパストレイ211側でバンド107を固定するバンド固定ボス113a又はバンドフック部112がバンド107に作用する作用点の位置と、プリンタ部101側でバンド107を固定するバンド固定穴部118の位置とを結ぶ仮想的な直線LIに対して鉛直上方の位置に、バンド当接部114は存在する。
【0059】
そのため、バンド107が
バンド当接面114
aに当接し、バンド107には張力が発生し、マルチパーパストレイ211の姿勢を保持できる。このとき、画像形成装置100の設置面に対する垂直面に対して、マルチパーパストレイ211は角度θ3で静止する。
【0060】
ここで、
図7(B)の状態の場合、マルチパーパストレイ211の傾き角度θ3は、例えば85°程度となり、
図6(B)の状態の場合の傾き角度θ2よりも小さくなる。
【0061】
このように、マルチパーパストレイ211の傾き角度θ3(
図7(B)参照)が、傾き角度θ2(
図6(B)参照)よりも小さくなる理由を説明する。
【0062】
図5〜
図7において、バンド107の実装上の長さ(バンド固定穴部118とバンド作用点111の間を取りまわされるバンド107の実際の長さ)をL
Aとする。
図5において、バンド固定穴部118とバンド作用点111との間の直線距離をL
1とする。同様に、
図6では上記直線距離L
2、
図7では上記直線距離L
3とする。
【0063】
図5(B)に示すように、バンド107がバンド当接部114に当接していない状態の場合、バンド107の実装上の長さL
Aと距離L
1との差は差分L
A−1となる(
図5(B)参照)。
【0064】
これに対して、
図6(B)に示すように、バンド107がバンド当接部114により当接して、バンド107に張力が作用するため、バンド107の実装上の長さL
Aと距離L
2との差分L
A−2は、差分L
A−1よりも小さくなる。
【0065】
さらに、
図7(B)に示すように、給紙トレイユニット102が開方向に回動すると、バンド固定穴部118とバンド作用点111との間の距離が大きくなるため、上記直線距離L
3が上記直線距離L
2より大きくなるため、差分L
A−3は、差分L
A−2より小さくなる。そのため、マルチパーパストレイ211の姿勢保持は、給紙トレイストッパ116による保持から、バンド107のバンド当接部114による当接による保持に移行し、給紙トレイユニット102が開くこととマルチパーパストレイ211の傾き角度とは連動せず、マルチパーパストレイ211の姿勢を制御することができる。
【0066】
換言すると、給紙トレイストッパ116は、例えば
図5(B)に示すように、給紙トレイフレーム104のマルチパーパストレイ211の記録紙が載置される面の給紙方向の下流端の下部に設けられている。給紙トレイフレーム104は、所定の傾斜面を持つものであり、マルチパーパストレイ211の端部が給紙トレイフレーム104の傾斜面に当接することで、マルチパーパストレイ211の傾きを保持している。給紙トレイストッパ116は、給紙トレイフレーム104のマルチパーパストレイ211の記録紙が載置される面の給紙方向の下流端の下部に設けられているため、給紙トレイユニット102の開方向への回動に伴い、給紙トレイストッパ116の位置は垂直面Pから離れると共に、給紙トレイストッパ116の傾斜面の角度は大きくなる。
【0067】
従来のように、給紙トレイストッパ116のみによりマルチパーパストレイ211の姿勢を保持している場合、給紙トレイストッパ116の傾斜面が大きくなるため、マルチパーパストレイ211の載置面の姿勢を水平状態に保持できなかった。
【0068】
これに対して、この実施形態では、連結部材としてのバンド107を用いることにより、バンド当接部114との当接によりバンド107に張力が作用するため、給紙トレイストッパ116の位置が垂直面Pから離れ、かつ給紙トレイストッパ116の傾斜面の角度は大きくなっても、マルチパーパストレイ211の載置面の姿勢を水平状態に保持できる。
【0069】
さらに、
図8(B)に示すように、給紙トレイユニット102を全開にすると、マルチパーパストレイ211の傾き角度θ4は、垂直面Pに対して45°程度となり、
図6(B)の傾き角度θ2よりも小さくなる。
【0070】
このとき、マルチパーパストレイ211側でバンド107を固定するバンド固定ボス113a又はバンドフック部112がバンド107に作用する作用点の位置と、プリンタ部101側でバンド107を固定するバンド固定穴部118の位置とを結ぶ仮想的な直線LIに対して鉛直下方の位置に、バンド当接部114のバンド当接面114aは存在しており、バンド当接部114はバンド107と当接していない。
【0071】
つまり、バンド107の実装上の長さL
Aとバンド固定穴部118とバンド作用点111との間の直線距離L
4とは等しくなり、バンド107とバンド当接部114の当接は解除される。
【0072】
また、給紙トレイユニット102とマルチパーパストレイ211の角度θ4もほぼ同じとなる。この状態で、給紙トレイユニット102の開き動作は終了し、マルチパーパストレイ211上の手差し記録紙212は、給紙トレイフレームカバー105と挟持される。
【0073】
図5〜
図8に例示するマルチパーパストレイ211及び給紙トレイユニット102の開閉動作状態について換言すると、給紙トレイユニット102が回動する給紙トレイフレーム回転軸103は、マルチパーパストレイ211側でバンド107を固定するバンド固定ボス113(113a及び113b)の位置と、プリンタ部101側でバンド107を固定するバンド固定穴部118の位置とを結ぶ仮想的な直線LIに対して鉛直下方の位置にする。
【0074】
そして、マルチパーパストレイ211が回動する給紙トレイ回転軸117が、マルチパーパストレイ211側でバンド107を固定するバンド固定ボス113a又はバンドフック部112がバンド107に作用する作用点の位置と、プリンタ部101側でバンド107を固定するバンド固定穴部118の位置とを結ぶ仮想的な直線LIに対して鉛直上方に位置するとき、バンド当接部がバンド107と当接して、マルチパーパストレイ211の姿勢を保持する。
【0075】
一方、マルチパーパストレイ211が回動する給紙トレイ回転軸117が、マルチパーパストレイ211側でバンド107を固定するバンド固定ボス113a又はバンドフック部112がバンド107に作用する作用点の位置と、給紙トレイフレーム104側でバンド107を固定するバンド固定穴部118の位置とを結ぶ仮想的な直線LIに対して鉛直下方に位置するとき、バンド当接部がバンド107と当接しない。
【0076】
なお、給紙トレイユニット102を閉じる際は、
図7、
図6、
図5と逆手順で行うことにより、マルチパーパストレイ211の傾き角度θも90°を超えることなく、開方向の動作と同様に動作する。
【0077】
(A−3)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、装置本体に対して開閉自在な開閉ユニットと、開閉ユニットに保持されており、開閉ユニットに対して開閉自在な給紙トレイと、装置本体と給紙トレイとを連結する連結部材とを備え、給紙トレイは、給紙トレイが開閉ユニットに対して開いた状態で、開閉ユニットが装置本体に対して開状態となるときに、連結部材と当接する当接部を有することにより、給紙トレイに媒体が載置されている状態で開閉ユニットが開閉されても、給紙トレイに載置されている記録紙の滑り落ちを防止することが出来る。
【0078】
(B)他の実施形態
本発明は電子写真プリンタの給紙装置(MPT)に適用した例を述べたが、その他各種印刷方式を使用して記録紙上に画像を形成する複写機、ファクシミリ、プリンタ、MFP等の画像形成装置の自動媒体給紙装置や手差し記録紙給紙装置、また原稿読み取り手段を持つ複写機、ファクシミリ、MFP,イメージスキャナ、OCR等の画像読み取り装置の原稿手差し記録紙212給紙装置にも利用可能である。