特許第6670168号(P6670168)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670168
(24)【登録日】2020年3月3日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】物品の移送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/248 20060101AFI20200309BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20200309BHJP
   B65G 47/53 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
   B65G47/248 J
   B65G47/52 B
   B65G47/53 G
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-97886(P2016-97886)
(22)【出願日】2016年5月16日
(65)【公開番号】特開2017-206325(P2017-206325A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2019年4月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000141886
【氏名又は名称】株式会社京都製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100103241
【弁理士】
【氏名又は名称】高崎 健一
(72)【発明者】
【氏名】藤本 晃司
(72)【発明者】
【氏名】山田 一憲
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−072231(JP,A)
【文献】 特開2006−213525(JP,A)
【文献】 実開平01−140330(JP,U)
【文献】 実開平05−049731(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/248
B65G 47/52
B65G 47/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の搬送方向に物品を搬送する第1のコンベアと、前記第1のコンベアの下方に間隔を隔てて配設されかつ前記第1の搬送方向と交差する第2の搬送方向に物品を搬送する第2のコンベアとの間に設けられ、前記第1のコンベアの第1の搬送面上の物品を上下反転させつつ前記第2のコンベアの第2の搬送面上に移送するための移送装置であって、
前記第1のコンベアの前記第1の搬送面の側方から前記第2のコンベアの前記第2の搬送面の上方にかけて配設された半割状の円筒状外周面を有し、移送中に物品の前記第1の搬送面側の面を支持する内周側シュートと、
前記内周側シュートの半径方向外方に配設された円筒状内周面を有し、移送中に物品の前記第2の搬送面側の面を支持する外周側シュートと、
前記内周側および外周側シュート間の内部空間において前記内周側シュートの円筒状外周面の母線と交差する方向に螺旋状に配設されたレールを有し、移送中に物品を幅方向の両側方から案内するガイドと、
を備えた物品の移送装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記内周側シュートが上下に分割された半割状の円筒状部材であって、前記円筒状外周面がその上端において前記第1のコンベアの前記第1の搬送面と実質的に面一に配置されている、
ことを特徴とする物品の移送装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記外周側シュートの前記円筒状内周面がその下端において前記第2のコンベアの前記第2の搬送面の直近近傍位置に配置されている、
ことを特徴とする物品の移送装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記ガイドが半割状の円筒状部材であって、レールが当該ガイドの円筒面の一端に形成されている、
ことを特徴とする物品の移送装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記ガイドが、物品の幅方向の一側方に配置された第1のガイドと、物品の幅方向の他側方に配置され、第1のガイドと別個に設けられた第2のガイドとから構成されている、
ことを特徴とする物品の移送装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記内周側シュートの外周側を開放する開放位置を採り得るように、前記外周側シュートが前記内周側シュートに対して離反可能に設けられている、
ことを特徴とする物品の移送装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記外周側シュートの離反時には、前記ガイドが前記外周側シュートの動きに連動するようになっている、
ことを特徴とする物品の移送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の移送装置に関し、詳細には、上下に離隔配置されかつ平面視交差する(つまり立体交差する)2つのコンベア間に設けられ、一方のコンベアから他方のコンベアに向けて物品を上下反転させつつ移送するための移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上下方向に間隔を隔てて配設されて立体交差する上側および下側コンベア間で上側のコンベアから下側のコンベアに向けて物品を移送する移送装置として、例えば特表2013−539434号公報には、立体交差する上側コンベアの搬送面から下側コンベアの搬送面にかけてスパイラルシュートが配設されたものが記載されている(同公報の図7図15参照)。また、スパイラルシュートとして、実開昭62−71106号公報には、物品が滑走する滑走ガイド部を有するシュート本体と、その側面に固定された側面ガイド部とからなるものが記載されている(同公報の第4頁第11〜15行および第1図〜第4図参照)。再公表WO2013/062006号公報には、円筒容器を反転させるスパイラルシュートが記載されている(同公報の第16頁第8〜9行、20〜21行、24〜25行、32〜33行および図5図10図12参照)。特開2002−357633号公報には、トランジスタの表裏を反転させるスパイラルシュートが記載されている(同公報の第21欄第30〜31行および図22参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した特表2013−539434号公報、実開昭62−71106号公報および再公表WO2013/062006号公報のいずれにも、移送される物品の上下の向きを反転させる点は記載されていない。再公表WO2013/062006号公報には、円筒容器を90度反転させる点は記載されているが、180度反転(つまり上下に反転)させる点は記載されていない。また、特開2002−357633号公報には、「スパイラルシュートがトランジスタの表裏を反転させる」と記載されているだけであって、トランジスタの表裏を反転させるためのスパイラルシュートの具体的構成は全く記載されていない。このように、上述した各公報には、移送される物品の上下の向きを反転させる点またはそのための具体的構成が記載されていない。
【0004】
その一方、実用新案登録第2584056号公報には、ガイドレールを用いて物品の上下を反転させる点が記載されており(同公報の第7欄第41〜42行、第8欄第22行および図5図7参照)、実開昭60−193319号公報には、環状ダクトを用いて物品の上下を反転させる点が記載されている(同公報の第6頁第1〜7行および第1図参照)。
【0005】
上記実用新案登録第2584056号公報に記載のものでは、物品の一部にガイドレールを係止させて物品をガイドレールに沿って移動させることで物品の上下を反転させており、上記実開昭60−193319号公報に記載のものでは、物品を筒状の環状ダクト内を通過させることで物品の上下を反転させているが、いずれの場合においても、上側の搬送面と下側の搬送面とは立体交差していない。すなわち、実用新案登録第2584056号公報に記載のものでは、上側および下側の各搬送面は上下に平行に配設され、実開昭60−193319号公報に記載のものでは、上側および下側の各搬送面は上下に角度をなして配設され、いずれの場合も上側および下側の各搬送面は同一の鉛直面内に配置されており、そのため、平面視交差しておらず立体交差していない。
【0006】
既述の特表2013−539434号公報に示すように上側および下側の各搬送面を立体交差させた状態で、スパイラルシュートにより物品の上下を反転させるためには、上下反転中の物品の飛出しや滑落を防止するために、実開昭60−193319号公報に示すように内周壁に加えて外周壁をスパイラルシュートに設ける必要があり、その際、内周壁のみならず外周壁についても螺旋状に捩じれた形状にする必要がある。そのため、実開昭60−193319号公報に記載の技術を特表2013−539434号公報に記載のスパイラルシュートに単に適用しただけでは、スパイラルシュートの製作が面倒であり、製造・組立コストがアップすることになる。
【0007】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、構造を簡略化でき、コストを低減できる物品の移送装置を提供しようとしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る物品の移送装置は、第1の搬送方向に物品を搬送する第1のコンベアと、第1のコンベアの下方に間隔を隔てて配設されかつ第1の搬送方向と交差する(つまり立体交差する)第2の搬送方向に物品を搬送する第2のコンベアとの間に設けられ、第1のコンベアの第1の搬送面上の物品を上下反転させつつ第2のコンベアの搬送面上に移送するための装置である。本装置は、第1のコンベアの第1の搬送面の側方から第2のコンベアの第2の搬送面の上方にかけて延設された半割状の円筒状外周面を有し、移送中に物品の第1の搬送面側の面を支持する内周側シュートと、内周側シュートの半径方向外方に配設された円筒状内周面を有し、移送中に物品の第2の搬送面側の面を支持する外周側シュートと、内周側および外周側シュート間の内部空間において内周側シュートの円筒状外周面の母線と交差する方向に螺旋状に配設されたレールを有し、移送中に物品を幅方向の両側方から案内するガイドとを備えている(請求項1参照)。
【0009】
本発明において、第1のコンベアから第2のコンベアに物品が移送される際には、物品は、第1のコンベアの第1の搬送面上から内周側および外周側シュート間の内部空間に向かって移動して第2のコンベアの第2の搬送面上に移動する。このとき、移送中の物品はガイドの螺旋状のレールに沿って案内されつつ、移送の前半段階では、物品の第1の搬送面側の面が内周側シュートの円筒状外周面により支持され、移送の後半段階では、物品の第2の搬送面側の面が外周側シュートの円筒状内周面により支持されており、内周側および外周側シュート間の内部空間を移動中に物品の上下が反転する。
【0010】
本発明では、内周側シュートが円筒状外周面を有する部材であり、外周側シュートが円筒状内周面を有する部材であって、ガイドのレールのみが螺旋状の配設部分から構成されている。すなわち、レールについては螺旋状に捩じれた形状にする必要があるものの、内周側シュートおよび外周側シュートについては螺旋状に捩じれることなく円弧状に形成されている。これにより、移送装置の製作および組立てを容易に行え、コストを低減できる。
【0011】
本発明では、内周側シュートが上下に分割された半割状の円筒状部材であって、円筒状外周面がその上端において第1のコンベアの第1の搬送面と実質的に面一に配置されている(請求項2参照)。ここで、「実質的に」という文言を用いたのは、内周側シュートの上端の円筒状外周面と第1のコンベアの第1の搬送面との間に全く段差がない場合のみならず、移送中の物品が乗り越えることができる程度のわずかな段差をも含める趣旨である。
【0012】
本発明では、外周側シュートの円筒状外周面がその下端において第2のコンベアの第2の搬送面の直近近傍位置に配置されている(請求項3参照)。
【0013】
本発明では、ガイドが半割状の円筒状部材であって、レールがガイドの円筒面の一端に形成されている(請求項4参照)。
【0014】
本発明では、ガイドが、物品の幅方向の一側方に配置された第1のガイドと、物品の幅方向の他側方に配置され、第1のガイドと別個に設けられた第2のガイドとから構成されている(請求項5参照)。
【0015】
本発明では、外周側シュートが内周側シュートの外周側を開放する開放位置を採り得るように、外周側シュートが内周側シュートに対して離反可能に設けられている(請求項6参照)。
【0016】
本発明では、外周側シュートの離反時には、ガイドが外周側シュートの動きに連動するようになっている(請求項7参照)。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、円筒状外周面を有する部材から内周側シュートを構成し、円筒状内周面を有する部材から外周側シュートを構成するとともに、ガイドのレールのみを螺旋状の配設部分から構成するようにしたことにより、ガイドのレールについてのみ螺旋状に捩じれた形状にすればよく、内周側シュートおよび外周側シュートについては螺旋状に捩じることなく単に円弧状に形成すればよいので、移送装置の製作および組立てを容易に行えるようになって、コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例による移送装置の全体斜視図である。
図2】前記移送装置(図1)の平面概略図である。
図3】前記移送装置(図1)から外周側シュートおよびガイドを取り除いた状態(つまり内周側シュートのみを残した状態)の平面概略図である。
図4図3のIV矢視図(ただし斜め上方から見た斜視図)である。
図5図4のV矢視図である。
図6】前記移送装置(図1)における外周側シュートの平面概略図である。
図7】前記移送装置(図1)における外周側シュートの正面概略図である。
図8図7のVIII矢視図である。
図9図2のIX矢視図である。
図10図2のX矢視図である。
図11】前記移送装置(図1)におけるガイドの平面概略図である。
図12】前記移送装置(図1)におけるガイドの正面概略図である。
図13】前記ガイド(図11図12)を構成する一対の第1のガイドの全体斜視図である。
図14】前記各第1のガイド(図13)の平面概略図である。
図15】左端の図および中央の図が前記各第1のガイド(図13)の正面概略図であり、右端の図がその側面図である。
図16】前記ガイド(図11図12)を構成する第2のガイドの全体斜視図である。
図17】前記第2のガイド(図16)の平面概略図である。
図18】左側の図が前記第2のガイド(図16)の正面概略図であり、右側の図がその側面図である。
図19】前記移送装置(図1)における外周側シュートおよびガイドのスライド機構を説明するための図であって、外周側シュートおよびガイドが一点鎖線位置から実線位置まで移動した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図19は、本発明の一実施例による物品移送装置を示している。ここでは、物品として、例えばゼリー等の食品が充填されたカップ状容器を例にとる。
【0020】
図1および図2に示すように、移送装置1は、矢印a方向(第1の搬送方向)に物品Pを搬送する第1のコンベア10と、第1のコンベア10の下方に間隔を隔てて配設されかつ矢印a方向と平面視直交する矢印b方向(第2の搬送方向)に物品Pを搬送する第2のコンベア11との間に設けられており、第1のコンベア10の第1の搬送面10A上の物品Pを第2のコンベア11の第2の搬送面11A上に移送する際に物品Pの上下を反転させるための装置である(移送中の物品Pの移動方向は図1図2中の曲線状の矢印参照)。
【0021】
この例では、第1のコンベア10の延長線上に第1’のコンベア10’が設けられており、第1’のコンベア10’は、矢印a’方向(第1’の搬送方向)に物品P’を搬送している。矢印a’方向は矢印a方向と同一直線状にあって逆向きであり、矢印b方向とは平面視直交している。移送装置1は、第1’のコンベア10’と第2のコンベア11との間にも配設されており、第1’のコンベア10’の第1’の搬送面10’A上の物品P’を第2のコンベア11の第2の搬送面11A上に物品P’の上下を反転させつつ移送している(移送中の物品P’の移動方向は図1図2中の曲線状の矢印参照)。ここでは、説明および図示の便宜上、第1’のコンベア10’の第1’の搬送面10’A上の物品を物品P’と呼称するが、物品P’は物品Pと同じものである。移送装置1による移送後、物品Pは第2のコンベア11の第2の搬送面11A上において一側端寄りの位置に配置され、物品P’は第2のコンベア11の第2の搬送面11A上において他側端寄りの位置に配置されている。
【0022】
第1、第1’のコンベア10、10’による搬送中には、例えば、カップ状容器にゼリー等の食品を充填した後の加熱殺菌工程が実施されており、第2のコンベア11による搬送中には、例えば、図示しないハンドリング装置でカップ状容器をケースに移載する移載工程が実施されている。
【0023】
移送装置1は、移送中に物品P、P’の第1の搬送面10A、10’A側の面を支持する内周側シュート2と、内周側シュート2の半径方向外方に配設され、移送中に上下反転した物品P、P’の第2の搬送面11A側の面を支持する外周側シュート3と、内周側シュート2および外周側シュート3間の内部空間に配設され、移送中の物品P、P’を幅方向の両側方から案内するガイド4とを備えている。なお、図2においては、図示の便宜上、外周側シュート3を二点鎖線で表すとともに、ガイド4を太い実線で表している。
【0024】
内周側シュート2は、図3ないし図5に示すように、長手方向に延びかつ上下に分割された半割状の円筒状部材であって、第1、第1’のコンベア10、10’の一側方において第1、第1’のコンベア10、10’に並設されており、長手方向の一端が第1のコンベア10の搬送方向下流端と水平方向にオーバラップし、他端が第1’のコンベア10’の搬送方向下流端と水平方向にオーバラップしている。内周側シュート2は、半割状の円筒状外周面20を有している。円筒状外周面20の上端は、第1、第1’のコンベア10、10’の第1の搬送面10A、10’Aの側方に配置され、下端は、第2のコンベア11の第2の搬送面11Aの上方に配置されている(図5参照)。好ましくは、円筒状外周面20は、その上端において第1、第1’のコンベア10、10’の第1、第1’の搬送面10A、10’Aと実質的に面一に配置されている(図5参照)。ここで、「実質的に」という文言を用いたのは、内周側シュート2の上端の円筒状外周面10と、第1、第1’のコンベア10、10’の第1、第1’の搬送面10A、10’Aとの間に全く段差がない場合のみならず、移送中の物品P、P’が乗り越えることができる程度のわずかな段差をも含める趣旨である。
【0025】
移送中の物品P、P’は、その上下が反転するまでの移送の前半段階においては、物品P、P’の第1の搬送面10A、10’A側の面が内周側シュート2の円筒状外周面20で支持されている(図5参照)。言い換えれば、移送の前半段階においては、物品P、P’は、第1の搬送面10A、10’A側の面を介して円筒状外周面20の上を滑走しつつ下方に移動する。なお、このとき、移動中の物品P、P’は、ガイド4の作用によって(詳細は後述)、内周側シュート2の円筒状外周面20の母線方向(図3上下方向、図4左右方向および図5紙面垂直方向と斜めに交差する方向に螺旋状に進む(図3および図4中の矢印参照)。すなわち、移動中の物品P、P’は、内周側シュート2の円筒状外周面20の周りを回転しつつ母線方向に進む。
【0026】
外周側シュート3は、図6ないし図9に示すように、長手方向に延びかつ上下に分割された半割状の円筒状部材であって、内周側シュート2の半径方向外方において、内周側シュート2を覆うように設けられている(図2参照)。外周側シュート3は、略半割状の円筒状内周面30を有している。外周側シュート3の円筒状内周面30の上端には、円筒状内周面30の接線方向に直線状に延びる平坦状内周面30’が形成されている。これは、内周側シュート2および外周側シュート3で画成される内部空間の開口部を大きくすることで、第1、第1’のコンベア10、10’からの物品P、P’が当該開口部にスムーズに導入されるようにするためである(図9参照)。外周側シュート3の円筒状内周面30の下端は、第2のコンベア11の第2の搬送面11Aの上方において第2の搬送面11Aの直近近傍位置に配置されている(図9参照)。外周側シュート3の両端には、略半円状の側壁部31がそれぞれ設けられている(図1図8図9参照)。また、外周側シュート3の外周面31には、把手33が設けられている。
【0027】
移送中の物品P、P’は、その上下が反転した後の移送の後半段階においては、物品P、P’の第2の搬送面11A側の面が外周側シュート3の円筒状内周面30で支持されている(図9参照)。言い換えれば、移送の後半段階においては、物品P、P’は、第2の搬送面11A側の面を介して円筒状内周面30の上を滑走しつつ下方に移動する。なお、このとき、移動中の物品P、P’は、ガイド4の作用によって(詳細は後述)、外周側シュート3の円筒状内周面30の母線方向(図6図7左右方向および図8紙面垂直方向)と斜めに交差する方向に螺旋状に進む(図2参照)。すなわち、移動中の物品P、P’は、外周側シュート3の円筒状内周面30の周りを回転しつつ母線方向に進む。
【0028】
ガイド4は、図2に示すように、内周側シュート2および外周側シュート3間の内部空間において、内周側シュート2の円筒状外周面20の母線方向(同図上下方向)と斜めに交差する方向に螺旋状に延びるレール40s、41sおよび40’s、41’sを有している。レール40s、41sは、移送中の物品Pを幅方向の両側方から案内するための部材であり、同様に、レール40’s、41’sは、移送中の物品P’を幅方向の両側方から案内するための部材である。
【0029】
図2および図10ないし図12に示すように、ガイド4は、物品Pの幅方向の一側方に配置された第1のガイド40と、物品Pの幅方向の他側方に配置され、第1のガイド40と別個に設けられた第2のガイド41とを有している。レール40sは第1のガイド40の一端に形成され、レール41sは第2のガイド41の一端に形成されている。同様に、ガイド4は、物品P’の幅方向の一側方に配置された第1’のガイド40’と、物品P’の幅方向の他側方に配置され、第1のガイド40’と別個に設けられた第2’のガイド41’とを有している。レール40’sは第1’のガイド40’の一端に形成され、レール41’sは第2’のガイド41’の一端に形成されている。第2のガイド41および第2’のガイド41’は一体に連設されているが、第2のガイド41は物品Pを案内するためのものであり、第2’のガイド41’は物品P’を案内するためのものであるため、説明の便宜上、以下の説明文では2つのガイド41、41’に分けて説明する。
【0030】
第1、第1’のガイド40、40’は、図13ないし図15に示すように、いずれも半割状の円筒状部材であって(とくに図15中の右端の図参照)、レール40sは第1のガイド40の円筒面の一端に螺旋状に形成され、レール40’sは第1’のガイド40’の円筒面の一端に螺旋状に形成されている。
【0031】
第2のガイド41、41’は、図16ないし図18に示すように、同様に、半割状の円筒状部材であって(とくに図18中の右側の図参照)、レール41sは第2のガイド41の円筒面の端部に形成され、レール41’sは第2’のガイド41’の円筒面の端部に形成されている。また、第2のガイド41、41’の円弧状部分の上端には、円弧状部分の接線方向に直線状に延びる延設部41e、41’eが形成されている(図18参照)。延設部41e、41’eは、第1のコンベア10、10’の第1の搬送面10A、10’Aの上方に配設される(図9参照)。
【0032】
移送装置1には、図19に示すように、外周側シュート3およびガイド4を内周側シュート2に対して接近・離反可能に構成するための左右一対のスライドユニット5が設けられている。各スライドユニット5は、内周側シュート2の長手方向の各端部にそれぞれ設けられている(図19では一方のスライドユニット5のみ図示)。各スライドユニット5は、第1、第1’のコンベア10、10’にそれぞれ一端が固定されかつ内周側シュート2の軸線と直交する方向に延びる一対の固定ガイド50と、各固定ガイド50にそれぞれスライド自在に支持された一対のスライドレール51とを有している。各スライドレール51は、外周側シュート3の両側壁部31に固定された各取付板34にそれぞれ取り付けられている。また、ガイド4は外周側シュート3に係止されている。
【0033】
この構成により、外周側シュート3およびガイド4は、内周側シュート2の外周側および長手方向両端側を遮蔽する遮蔽位置(図19一点鎖線位置および図1図2参照)と、内周側シュート2から離反して内周側シュート2の外周側および長手方向両端側を開放する開放位置(図19実線位置)とを採り得るようになっている。その結果、移送装置内部の清掃等のメンテナンス時の作業性を向上できるとともに、万一、移送装置内部で物品Pが停止した場合においてスタックした物品Pを容易に取り出せるようになる。
【0034】
次に、本実施例の作用効果について説明する。
第1、第1’のコンベア10、10’により搬送されてきた物品P、P’が第2のコンベア11に移送される際には、物品P、P’は、第1、第1’のコンベア10、10’の第1、第1’の搬送面10A、10’A上から移送装置1の内周側シュート2および外周側シュート3間の内部空間に入り、当該内部空間内を移動して第2のコンベア10の第2の搬送面11A上に移動する(図1参照)。
【0035】
このとき、移送中の物品Pはガイド4の螺旋状のレール40s、41sに沿って案内されつつ(図1図2参照)、移送の前半段階では、物品Pの第1の搬送面10A側の面が内周側シュート2の円筒状外周面20により支持され、移送の後半段階では、物品Pの第2の搬送面11A側の面が外周側シュート3の円筒状内周面30により支持されており、内周側および外周側シュート2、3間の内部空間を移動中に物品Pの上下が反転する(図9参照)。
【0036】
同様に、移送中の物品P’はガイド4の螺旋状のレール40’s、41’sに沿って案内されつつ(図1図2参照)、移送の前半段階では、物品P’の第1の搬送面10’A側の面が内周側シュート2の円筒状外周面20により支持され、移送の後半段階では、物品P’の第2の搬送面11A側の面が外周側シュート3の円筒状内周面30により支持されており、内周側および外周側シュート2、3間の内部空間を移動中に物品P’の上下が反転する。
【0037】
本実施例においては、内周側シュート2が円筒状外周面20を有する部材であり、外周側シュート3が円筒状内周面30を有する部材であって、ガイド4のレール40s、41s、40’s、41’sのみが螺旋状の配設部分から構成されている。すなわち、各レールについては螺旋状に捩じれた形状にする必要があるものの、内周側シュート2および外周側シュート3については螺旋状に捩じれることなく円弧状に形成されている。これにより、移送装置1の製作および組立てを容易に行え、コストを低減できるようになる。
【0038】
以上、本発明に好適な実施例について説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、本発明には種々の変形例が含まれる。以下に変形例のいくつかの例を挙げておく。
【0039】
<第1の変形例>
前記実施例では、レール40s、40’sが、半割状の円筒状部材である第1、第1’のガイド40、40’のそれぞれの円筒面の一端に螺旋状に形成され、同様に、レール41s、41’sが、半割状の円筒状部材である第2、第2’のガイド41、41’のそれぞれの円筒面の端部に螺旋状に形成された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。半割状の円筒状部材を用いることなく、螺旋状に延びる帯状のレールを用いることで、各レールを構成するようにしてもよい。
【0040】
<第2の変形例>
前記実施例では、第1、第1’のガイド40、40’に複数の貫通孔40n、40’nがそれぞれ形成され、同様に第2、第2’のガイド41、41’に複数の貫通孔41n、41’nがそれぞれ形成されて肉抜きされた例を示したが(図13図16参照)、これらの貫通孔は必須のものではない。
【0041】
<第3の変形例>
前記実施例では、第1のコンベア10の搬送方向(矢印a方向)と第2のコンベア11の搬送方向(矢印b方向)とが平面視直交している例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。第1、第2のコンベア10、11の各搬送方向は、90度以外の角度で平面視交差していてもよい。すなわち、第1、第2のコンベア10、11は、任意の角度で立体交差していてよい。第1’のコンベア10’と第2のコンベア11との位置関係についても同様である。
【0042】
<第4の変形例>
前記実施例では、第1のコンベア10に加えて第1’のコンベア10’を設けた例を示したが、これらのうちいずれか一方のコンベアは省略してもよい。その場合、移送装置1の長手方向長さは、前記実施例に示した長さの半分で足りる。とくにガイド4に関していえば、第1、第1’のガイド40、40’のいずれか一方を省略できるとともに、それに対応する第2、第2’のガイド41、41’のいずれか一方を省略できる。第2、第2’のガイド41、41’のいずれか一方を省略する際には、図1中の二点鎖線で示す中央位置で分断するようにすればよい。
【0043】
<第5の変形例>
前記実施例では、外周側シュート3およびガイド4が内周側シュート2に対してスライド機構を介して接近・離反可能に設けられた例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。スライド機構の代わりに回動機構や開閉機構等を用いることにより、外周側シュート3およびガイド4を開閉可能に構成することで、外周側シュート3およびガイド4を内周側シュート2に対して接近・離反可能にするようにしてもよい。また、外周側シュート3の移動時には、ガイド4が連動することなく、外周側シュート3のみを移動可能に構成してもよい。
【0044】
<第6の変形例>
前記実施例では、カップ状容器である物品P、P’が、第1、第1’のコンベア10、10’による搬送中は蓋を下にした状態で搬送され、第2のコンベア11による搬送中は蓋を上にした状態で搬送された例を示したが(図1参照)、本発明の適用はこれに限定されない。前記実施例とは逆に、第1、第1’のコンベア10、10’による搬送中は蓋を上にした状態で搬送し、第2のコンベア11による搬送中は蓋を下にした状態で搬送するようにしてもよい。なお、その場合、第1、第1’のコンベア10、10’による搬送中は、ラインプレッシャーや搬送経路の影響で物品Pが転倒したり、他の物品Pに乗り上げたりする恐れがあるため、物品P、P’を上方からガイドする天面ガイドを設けた方が好ましい。
【0045】
<第7の変形例>
前記実施例では、物品としてカップ状容器を例にとって説明したが、本発明はその他の容器を含む種々の物品に適用可能である。
【0046】
<その他の変形例>
上述した実施例および各変形例はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施例を構築し得る。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上のように、本発明は、立体交差する一方のコンベアから他方のコンベアに対して物品を上下反転させつつ移送するための移送装置に有用である。
【符号の説明】
【0048】
1: 移送装置

2: 内周側シュート
20: 円筒状外周面

3: 外周側シュート
30: 円筒状内周面

4: ガイド
40: 第1のガイド
40s: レール
41: 第2のガイド
41s: レール

10: 第1のコンベア
10A: 第1の搬送面
11: 第2のコンベア
11A: 第2の搬送面

P: 物品
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】
【特許文献1】特表2013−539434号公報(図7図15参照)
【特許文献2】実開昭62−71106号公報(第4頁第11〜15行および第1図〜第4図参照)
【特許文献3】再公表WO2013/062006号公報(第16頁第8〜9行、20〜21行、24〜25行、32〜33行および図5図10図12参照)
【特許文献4】特開2002−357633号公報(第21欄第30〜31行および図22参照)
【特許文献5】実用新案登録第2584056号公報(第7欄第41〜42行、第8欄第22行および図5図7参照)
【特許文献6】実開昭60−193319号公報(第6頁第1〜7行および第1図参照)
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