特許第6670217号(P6670217)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670217
(24)【登録日】2020年3月3日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】切削工具用収納ケース
(51)【国際特許分類】
   B23Q 13/00 20060101AFI20200309BHJP
【FI】
   B23Q13/00
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-195883(P2016-195883)
(22)【出願日】2016年10月3日
(65)【公開番号】特開2018-58134(P2018-58134A)
(43)【公開日】2018年4月12日
【審査請求日】2018年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115120
【氏名又は名称】ユニオンツール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 英人
(72)【発明者】
【氏名】拜野 賢太
【審査官】 久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−071488(JP,U)
【文献】 特開2003−220581(JP,A)
【文献】 実開昭63−141179(JP,U)
【文献】 特開2004−115085(JP,A)
【文献】 実開平03−114764(JP,U)
【文献】 実開昭62−159415(JP,U)
【文献】 特開2003−226386(JP,A)
【文献】 実開平02−135468(JP,U)
【文献】 特開2006−346796(JP,A)
【文献】 特開2009−136957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 55/06
B65D 85/00− 85/28
B23Q 13/00
B25H 1/00− 5/00
G09F 3/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削工具のシャンク部を保持するシャンク保持部が設けられた第一部材とこの第一部材と連結され前記シャンク保持部に保持された切削工具に被嵌される第二部材とで構成された切削工具用収納ケースであって、前記第一部材及び前記第二部材の対向端部外周縁には前記第一部材及び前記第二部材の外面から内方に減寸する減寸部が全周に亘って設けられ、この減寸部は、前記第一部材及び前記第二部材の対向端部を面取りすることで形成される該対向端部側へ下り傾斜した面取り部であり、前記第一部材及び前記第二部材夫々の前記対向端部同士を突き合わせて両者を連結した場合、前記減寸部により境界全周に亘って凹部が形成されるように構成され、前記切削工具の情報が表示されたラベルが前記第一部材及び前記第二部材の表面に前記凹部を跨いで設けられ、前記凹部の幅及び深さは、前記ラベルを切断する際、カッターなどの刃がガイドされる幅及び深さに設定されていることを特徴とする切削工具用収納ケース。
【請求項2】
請求項記載の切削工具用収納ケースにおいて、前記ラベルは、前記第二部材の表面から、この表面と隣接し前記シャンク保持部の底面側に位置する前記第一部材の底端面に至るように設けられていることを特徴とする切削工具用収納ケース。
【請求項3】
請求項記載の切削工具用収納ケースにおいて、前記ラベルの前記第二部材の表面に設けられる表面部及び前記底端面に設けられる底端面部には、夫々、収納される前記切削工具の情報が表示されていることを特徴とする切削工具用収納ケース。
【請求項4】
請求項記載の切削工具用収納ケースにおいて、前記ラベルは、前記第二部材の表面から、この表面と隣接し前記シャンク保持部の底面側に位置する前記第一部材の底端面を経由して前記第一部材の裏面に至るように設けられていることを特徴とする切削工具用収納ケース。
【請求項5】
請求項記載の切削工具用収納ケースにおいて、前記ラベルの表面部、前記底端面部及び記裏面部には、夫々、収納される前記切削工具の情報が表示されていることを特徴とする切削工具用収納ケース。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか1項に記載の切削工具用収納ケースにおいて、前記第二部材は半透明の合成樹脂製であることを特徴とする切削工具用収納ケース。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか1項に記載の切削工具用収納ケースにおいて、前記凹部の幅は0.05mm以上2mm以下に設定されていることを特徴とする切削工具用収納ケース。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか1項に記載の切削工具用収納ケースにおいて、前記凹部の深さは0.05mm以上2mm以下に設定されていることを特徴とする切削工具用収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削工具用収納ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドリルやエンドミル等の切削工具を収納する収納ケースとしては、例えば特許文献1に開示されるように、切削工具のシャンク部を保持するシャンク保持部が設けられた第一部材(キャップ)と、前記シャンク保持部から突出する部分に被嵌して該突出する部分を保護する第二部材(カバー)とから成る構成のものが用いられている。
【0003】
ところで、切削工具収納ケースには、収納した切削工具の情報(名称等)が表示されたラベルが貼着されている。このラベルは、未開封か否かを示す封止シールとしての役割も有するため、通常、前記キャップと前記カバーとの境界部に跨って貼着されている。
【0004】
従って、収納ケースを開封して切削工具を取り出すには、ラベルを剥がすかカッター等でラベルを切断する必要がある。ラベルを手で剥がすのは手間がかかり、また、一般に一度剥がしたラベルは粘着力が低下して再度貼着することが困難であり、一度使用した切削工具を再度利用するために一旦元の収納ケースに戻して切削工具の種類等をラベルにより容易に識別できるように保管することが厄介になる。このため、通常はキャップとカバーとの境界部でカッター等でラベルを切断している。
【0005】
しかしながら、キャップとカバーとの境界部は通常、それらの外周面同士(外側側面同士)に段差のない面一形状とされており、また、キャップとカバーとの間に隙間もない。即ち、キャップの縁とカバーの縁とはピッタリ合致してそれらの外周面(外側側面)が面一状態である。
【0006】
従って、キャップとカバーとの合わせ目に沿ってカッター等でラベルを切断しようとしても、カッター等の刃をガイドするものがないことから、合わせ目に対して刃が斜行し易く、刃がキャップとカバーとの合わせ目から外れてラベルを切断する場合が往々にして生じる。特に、多数の収納ケースを整列させ、まとめてキャップとカバーとの合わせ目にカッター等を走らせ、ラベルを切断しようとする際に前記斜行が生じ易い。
【0007】
この場合、キャップとカバーとの合わせ目で真っ直ぐにラベルが切断されず、一部が前記境界部に跨った状態で切断されてしまい、キャップを、ラベルの前記境界部に跨った部分を引き剥がしながらカバーから分離させなければならず、厄介である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−346796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたもので、第一部材の縁及び第二部材の縁の少なくともいずれか一方に減寸部を設け、第一部材と第二部材とを連結した際の境界部に前記減寸部により凹部を形成することで、この凹部に沿って第一部材及び第二部材の外面に跨って貼着されたラベルを容易に切断でき、それだけ開封作業を効率的に行うことが可能となる実用的な収納ケースを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0011】
切削工具7のシャンク部8を保持するシャンク保持部9が設けられた第一部材1とこの第一部材1と連結され前記シャンク保持部9に保持された切削工具7に被嵌される第二部材2とで構成された切削工具用収納ケースであって、前記第一部材1及び前記第二部材2の対向端部外周縁には前記第一部材1及び前記第二部材2の外面20,21から内方に減寸する減寸部15,16が全周に亘って設けられ、この減寸部15,16は、前記第一部材1及び前記第二部材2の対向端部17,18を面取りすることで形成される該対向端部17,18側へ下り傾斜した面取り部であり、前記第一部材1及び前記第二部材2夫々の前記対向端部17,18同士を突き合わせて両者を連結した場合、前記減寸部15,16により境界全周に亘って凹部6が形成されるように構成され、前記切削工具7の情報が表示されたラベル4が前記第一部材1及び前記第二部材2の表面に前記凹部6を跨いで設けられ、前記凹部6の幅w及び深さdは、前記ラベル4を切断する際、カッターなどの刃がガイドされる幅及び深さに設定されていることを特徴とする切削工具用収納ケースに係るものである。
【0012】
また、請求項記載の切削工具用収納ケースにおいて、前記ラベル4は、前記第二部材2の表面から、この表面と隣接し前記シャンク保持部9の底面側に位置する前記第一部材1の底端面に至るように設けられていることを特徴とする切削工具用収納ケースに係るものである。
【0013】
また、請求項記載の切削工具用収納ケースにおいて、前記ラベル4の前記第二部材2の表面に設けられる表面部10及び前記底端面に設けられる底端面部11には、夫々、収納される前記切削工具7の情報が表示されていることを特徴とする切削工具用収納ケースに係るものである。
【0014】
また、請求項記載の切削工具用収納ケースにおいて、前記ラベル4は、前記第二部材2の表面から、この表面と隣接し前記シャンク保持部9の底面側に位置する前記第一部材1の底端面を経由して前記第一部材1の裏面に至るように設けられていることを特徴とする切削工具用収納ケースに係るものである。
【0015】
また、請求項記載の切削工具用収納ケースにおいて、前記ラベル4の表面部10、前記底端面部11及び記裏面部12には、夫々、収納される前記切削工具7の情報が表示されていることを特徴とする切削工具用収納ケースに係るものである。
【0016】
また、請求項1〜5いずれか1項に記載の切削工具用収納ケースにおいて、前記第二部材2は半透明の合成樹脂製であることを特徴とする切削工具用収納ケースに係るものである。
【0017】
また、請求項1〜6いずれか1項に記載の切削工具用収納ケースにおいて、前記凹部の幅wは0.05mm以上2mm以下に設定されていることを特徴とする切削工具用収納ケースに係るものである。
【0018】
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の切削工具用収納ケースにおいて、前記凹部の深さdは0.05mm以上2mm以下に設定されていることを特徴とする切削工具用収納ケースに係るものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上述のように構成したから、凹部に沿って第一部材及び第二部材の外面に跨って貼着されたラベルを容易に切断でき、それだけ開封作業を効率的に行うことが可能となる実用的な収納ケースとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施例の概略説明斜視図である。
図2】本実施例の分解説明斜視図である。
図3】本実施例のラベル切断時の概略説明斜視図である。
図4図3の要部の拡大概略説明側面図である。
図5】別例1の概略説明側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0022】
第一部材1と第二部材2とを連結すると、その境界部5に第一部材1と第二部材2の縁に設けられた減寸部15,16により凹部6が形成される。
【0023】
従って、収納ケースを開封するためにラベル4をカッター等で切断する際、カッター等の刃の先端を凹部6に入れれば、カッター等の刃がこの凹部6にガイドされ、ラベル4は、第一部材1と第二部材2との境界部5で確実に切断される。
【実施例】
【0024】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0025】
本実施例は、第一部材1と該第一部材1と連結される第二部材2とから成る収納ケースであって、前記第一部材1の縁及び前記第二部材2の縁のいずれか一方には当該部材の外面20,21から内方に減寸する減寸部15,16が設けられ、前記第一部材1と前記第二部材2とを連結した際の境界部5には前記減寸部15,16により凹部6が形成され、収納物の情報が表示されたラベル4が前記第一部材1及び前記第二部材2に前記凹部6を跨いで設けられているものである。
【0026】
具体的には、図1,2に図示したように、第一部材1(キャップ)にはエンドミルやドリル等の切削工具7のシャンク部8を保持するシャンク保持部9が設けられ、切削工具7の前記シャンク保持部9から突出する刃部等が第二部材2(カバー)に納まるように構成された切削工具収納用のものである。
【0027】
カバーは、断面視矩形状で一端が開口した筒状体であり、半透明の合成樹脂製である。また、本実施例のシャンク保持部9は、一対の挟持片部でシャンク部8を挟持状態で保持する構成としている。この挟持片部はカバー内面に嵌合する形状であり、シャンク部8を一対の挟持片部の間に挿入すると、この挟持片部は僅かに外方に撓んだ状態となるように構成されている。また、この状態で挟持片部をカバー内に挿入することで、挟持片部の外面がカバー内面に若干押し付けられるように挟持片部及びカバーが構成されている。従って、一対の挟持片部をカバー内に挿入し、カバーとキャップの対向端部同士が当接するまで押し込むことで、カバー内面により一対の挟持片部が内方に押し付けられてシャンク部8を一層強く挟持し切削工具7を安定的に収納することができる。
【0028】
また、ラベル4は、第一部材1及び第二部材2の外面20,21にして表面に凹部6を跨いで設けられ、この表面から、この表面と隣接し前記シャンク保持部9の底面側に位置する第一部材1の底端面及びこの底端面に隣接し前記表面の裏側に位置する第一部材1の裏面に至るように設けられている。なお、本実施例においては第一部材1及び第二部材2に凹部6を跨いでラベル4が設けられる前記第一部材1及び前記第二部材2の外面20,21を「表面」と表現し、その反対側(裏側)の外面20,21を「裏面」と表現している。本実施例においては、ラベル4は第一部材1及び第二部材2に貼着されて設けられている。
【0029】
そして、ラベル4の第一部材1及び第二部材2の表面に貼着される表面部10、第一部材1の底端面に貼着される底端面部11及び第一部材1の裏面に貼着される裏面部12には、夫々、収納される切削工具7の情報が表示されている。切削工具7の情報としては、名称、型番、寸法、製造番号等がある。また、携帯端末等で読み取ることで前記各情報にアクセスできるバーコードやQRコード(登録商標)を表示しても良い。ラベル4の表面部10、底端面部11及び裏面部12には、同じ情報を表示しても良いし、夫々異なる情報を表示しても良い。なお、ラベル4は前記表面部10及び底端面部11のみを有する構成としても良い。
【0030】
また、本実施例のラベル4の裏面部12は、第一部材1のみに設けられている(ラベル4が第二部材2の裏面まで設けられていない。)。従って、ラベル4を切断するのは表面部10だけで良い。例えば、ラベル4の面積の小さい裏面部12にはQRコードを表示し、面積の大きい表面部10にはバーコードと各種情報を表示する。
【0031】
また、本実施例においては、ラベル4は前述したように、凹部6を跨いで、第一部材1及び第二部材2の表面、第一部材1の底端面及び第一部材1の裏面の全てに貼着されて設けられているが、必ずしもそれら全ての面に貼着されていなくても良く、第一部材1と第二部材2の夫々一部の面に貼着されて設けられる構成としても良い。
【0032】
例えば、ラベル4が第二部材2の表面に貼着され、凹部6を跨いで第一部材1の表面に貼着され、第一部材1の底端面には貼着されずに、第一部材1の裏面に貼着されて設けられる構成としても良い。この場合、ラベル4の第一部材1の底端面との対向面は、この第一部材の底端面に固定されないが、その前後(ラベル4の第二部材2の表面との対向面、第一部材1の表面との対向面及び第一部材1の裏面との対向面)が固定されることで、第一部材1の底端面を覆うように該底端面に沿って設けられる。
【0033】
また、ラベル4が第一部材1の裏面に設けられない構成においては、ラベル4が第二部材2の表面に貼着され、凹部6を跨いで第一部材1の表面には貼着されずに、第一部材1の底端面に貼着されて設けられる構成としても良い。この場合も、ラベル4の第一部材1の表面との対向面は、この第一部材1の表面に固定されないが、その前後(ラベル4の第二部材2の表面との対向面及び第一部材1の底端面との対向面)が固定されることで、第一部材1の表面を覆うように該表面に沿って設けられる。
【0034】
凹部6は、少なくとも、第一部材1及び第二部材2の外面20,21にしてラベル4が貼着される面における前記第一部材1と前記第二部材2とを連結した際の境界部5の長手方向全域にわたって設けられていれば良い。即ち、本実施例においては、少なくとも、第一部材1及び第二部材2の表面における合わせ目に沿って、その合わせ目の全域に設けられていれば良い。
【0035】
本実施例においては、凹部6は、第一部材1と第二部材2とを連結した際の境界部5の全周を囲繞するように設けられている。具体的には、第一部材1及び第二部材2の合わせ目に沿って全周に設けられている。
【0036】
なお、凹部6を、前記境界部5の全周ではなく、一部を囲繞するように設けても良い。
【0037】
凹部6は、境界部5の長手方向と直交する方向における幅wが0.05mm以上2mm以下に設定されている。0.05mm未満であるとカッター等の刃が入り難く、また、2mmを超えると刃のガイド作用が発揮され難く、凹部6内で刃が蛇行し易くなる。
【0038】
また、凹部6の(最大)深さdは0.05mm以上2mm以下に設定されている。0.05mm未満であるとカッター等の刃のガイド作用が発揮され難く、また、2mm以下で十分なガイド作用が発揮される。なお、2mmを超えるとその分収納ケースの剛性が低下し、更にその剛性不足を補うために収納ケースを肉厚にして大型化する必要が生じてしまうため、2mm以下に設定することが好ましい。
【0039】
また、本実施例においては、凹部6は第一部材1の縁及び第二部材2の縁に夫々設けられている減寸部15,16により形成されている。具体的には、第一部材1及び第二部材2の対向端部外周縁の全周に前記減寸部15,16として面取りを施した面取り部を設けた構成としている。即ち、第一部材1及び第二部材2の対向端部外周縁の全周に前記減寸部15,16として傾斜面13,14(面取り部)を夫々設けている。減寸部15,16の外形寸法(若しくは減寸部15,16を一部に含む外形寸法)は、減寸部15,16を含まない外面20,21の外形寸法より小さくなる。
【0040】
従って、第一部材1及び第二部材2の対向端部17,18を突き合せて第一部材1で第二部材2の開口部3を閉塞した状態では、各傾斜面13,14により断面視V字状の凹部6が形成され、この凹部6が第一部材1及び第二部材2の合わせ目に沿って全周に形成されるように構成している。
【0041】
よって、ラベル4を切断する際、図3,4に図示したように、カッター等の刃Aの先端は凹部6(傾斜面13,14)によってガイドされ、ラベル4を第一部材1及び第二部材2の合わせ目に沿って容易に切断することが可能となる。
【0042】
なお、前記減寸部は傾斜面に限らず第一部材1及び第二部材2の対向端部外周縁に段差面を形成し、第一部材1及び第二部材2の対向端部17,18を突き合せて各段差面により断面視U字状の凹部6若しくは凹部6の底面に複数の角を有する断面視角U字状の凹部6が形成されるように構成しても良く、その他の断面形状を成す凹部6としても良い。
【0043】
また、本実施例は、減寸部を第一部材1及び第二部材2の双方に設けているが、第一部材1若しくは第二部材2の一方の対向端部外周縁にのみ、減寸部として上述のような傾斜面若しくは段差面を形成することで凹部6を設けても良い。
【0044】
図5に、断面視角U字状の凹部6が形成された別例1を示す。この別例1は具体的には、第一部材1の対向端部外周縁にのみ減寸部15として段差面を形成しており、第二部材2には減寸部を設けていない。前記第一部材1の対向端部17と前記第二部材2の対向端部18とを突き合せて断面視角U字状の凹部6を形成している。
【0045】
また、ラベル4は凹部6内にも貼着される構成としても良いし、図4に図示したような凹部6内にはラベル4が貼着されない構成(ラベル4が凹部6内に落ち込まない構成)としても良い。ラベル4が凹部6内に落ち込まず貼着されない構成とした場合、貼着された状態のラベル4を切断するよりもラベル4を切断し易くなる。
【0046】
本実施例は上述のように構成したから、収納ケースを開封するためにラベル4をカッター等で切断する際、カッター等の刃の先端を凹部6に入れれば、カッター等の刃がこの凹部6にガイドされ、ラベル4は、第一部材1と第二部材2との境界部5で確実に切断される。
【0047】
よって、本実施例は、凹部に沿って第一部材及び第二部材の外20,21に跨って貼着されたラベルを容易に切断でき、それだけ開封作業を効率的に行うことが可能となる実用的なものとなる。
【符号の説明】
【0048】
1 第一部材
2 第二部材
4 ラベル
6 凹部
7 切削工具
8 シャンク部
9 シャンク保持部
10 表面部
11 底端面部
12 裏面部
15 減寸部
16 減寸部
17 対向端部
18 対向端部
20 外
21 外
w 幅
d 深さ
図1
図2
図3
図4
図5