(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記試験室には内部を覗くことが可能な窓があり、当該窓は透明板が複数設けられた多重構造であって、前記透明板同士の間に乾燥気体が導入されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の環境試験装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の試験装置10は、複合試験装置であり、より詳細には複合型の引っ張り試験装置である。
試験装置10は、環境試験装置1と、外力付与装置200によって構成されている。また試験装置10は、補助器材として外力付与装置載置台300と、恒温槽用架台301及び光学式伸び検知装置220を有している。
【0032】
環境試験装置1は、小型の環境試験装置の前扉(空調部の開閉扉)に試験室として機能する断熱箱13を取り付けたものであると言える。
すなわち環境試験装置1は、空調部として機能する本体部11と、本体部11の前扉(以下、大扉12)に取り付けられた断熱箱13によって構成され、断熱箱13の内部が
図5、
図6の様に試験室15として機能する。なお断熱箱13はユニット化されており、既設、あるいは市販の環境試験装置1に取り付けることができる。
すなわち環境試験装置1の本体部(空調部)11内には断熱壁28で覆われた空気室16があり、断熱箱13内には断熱壁32で覆われた試験室15がある。両者は連通しており、一体として断熱領域7を形成している。
断熱箱13は本体部11に比べて大きさ(容積)が小さく、本体部11から水平方向に突出した突出部となっている。
【0033】
環境試験装置1の本体部11は、空調部として機能するものであり、内部に空気室16を有し、当該空気室16内に所望の環境を作ることができる。
環境試験装置1の本体部11の基本構成は、公知の環境試験装置と大差ない。
環境試験装置1の本体部11は、
図5、
図6に示すように断熱壁28によって覆われた断熱槽17を有している。そして当該断熱槽17の一部に空気室16が形成されている。環境試験装置1の本体部11は単独で環境試験装置として使用することもでき、その際には空気室16は、被試験物(図示せず)を設置する空間となる。
【0034】
本体部11は、公知の環境試験装置と同様に、さらに空調手段48を有している。本実施形態では、空調手段48は空調機器18と送風機20を備えている。空調機器18は、加湿装置21、冷却装置22及び加熱ヒータ(加熱装置)23によって構成されている。
本体部11には、空気室16と環状に連通する空調通風路25があり、当該空調通風路25に前記した空調機器18と送風機20が内蔵されている。
【0035】
空調通風路25は、断熱槽17の一部に形成され、空気吹き出し部26と空気導入部27で空気室16と連通している。なお本実施形態では、空気吹き出し部26は一か所であるが、空気導入部27は2箇所に設けられている。空気吹き出し部26は断熱槽17の高さ方向中央部にあり、空気導入部27は空気吹き出し部26を挟んで上下にある。
すなわち本実施形態では、空調通風路25は空気吹き出し部26と空気導入部27で空気室16側と連通しており、空調通風路25は空気室16側に空気の出入り口がある。
【0036】
そのため送風機20を起動すると、空気室16内の空気が上下の空気導入部27から空調通風路25内に導入される。そして空調通風路25が通風状態となり、空調機器18に空気が接触して熱交換や湿度調整がなされ、中央の空気吹き出し部26から空気室16内に調整後の空気が吹き出される。
また空調通風路25の空気吹き出し部26の近傍に、図示しない温度センサーと湿度センサーが設けられている。
環境試験装置1を使用する際には、送風機20を運転して空調通風路25内を通風状態とし、温度センサー及び湿度センサーの検出値が、設定環境の温度及び湿度に近づく様に空調機器18を制御する。
【0037】
また、本体部11を仕切る断熱壁28には、外部から乾燥空気を導入する乾燥空気導入管3が設けられている。乾燥空気導入管3は、環境試験装置1(本体部11)の外部に設けられた図示しない乾燥空気生成装置と繋がっており、乾燥空気を本体部11内に導くことができる。乾燥空気生成装置は、圧縮空気をシリカゲル等の吸湿剤で処理して露点がマイナス50〜70度(好ましくはマイナス55度〜65度)の乾燥空気を生成する機能を有するものである。
【0038】
本体部11の空気室16には大扉12が設けられている。ただし本実施形態では、大扉12には大きな開口30が設けられている。
大扉12は図示しないヒンジを介して空気室16側の本体部11に取り付けられており、揺動可能である。
本実施形態で採用する本体部11では、空気室16内にダクト55が設けられている。ダクト55は、空調通風路25の空気吹き出し部26と大扉12の開口30の間に設けられている。
ダクト55は、空調手段48側から大扉12側へ延びており、上流側(空気吹き出し部26側)端部の開口が比較的大きく、下流側(試験室15側)端部の開口が比較的小さい。すなわち、ダクト55の上流側端部の開口は、下流側端部の開口よりも大きい。
ダクト55は、容易に空気室16から取り外すことができることが望ましい。
【0039】
ダクト55の基端側は、空調通風路25の空気吹き出し部26と接しているか、あるいは空気吹き出し部26の近傍にあり、ダクト55の基端側の開口は空調通風路25の空気吹き出し部26を覆っている。
ダクト55は、本体部11の内壁に図示しない支持部材によって固定されている。
ダクト55の先端側には、
図4の様にフランジ57が設けられている。ダクト55の先端側に設けられたフランジ57は、外フランジであり、ダクト55の開口端の外側に設けられている。
ダクト55の先端側の開口端の位置は、本体部11の大扉12の裏面側近傍である。
【0040】
本実施形態では大扉12の外側に断熱箱13が固定されている。
断熱箱13は、本体部11と一体となるものであり、両者の間は気密性が確保されている。本実施形態では、断熱箱13の容積は、本体部11の容積よりも小さい。
【0041】
断熱箱13は断熱壁32で覆われた筐体であり、筐体部33と、小扉31を有している。
筐体部33は、
図5に示す様に天面壁35、底面壁36、左右側面壁37,38(
図11)を有しており、前面側及び背面側が開口している。
背面側の開口は、本体部11の大扉12の開口30と連通している。
【0042】
断熱箱13には、後記する遮蔽部材51を挟む位置に一対の整流部材2,14が設けられている。一対の整流部材2,14は、いずれも断熱箱13に固定されており、双方とも大半は筐体部33内に配されている。
前記した様に、一対の整流部材2,14はいずれも断熱箱13側に属し、両者は軸方向に配置されている。
一対の整流部材2,14の内、遮蔽部材51よりも試験室15側の位置に設けられた整流部材14を試験室側整流部材14と称し、遮蔽部材51よりも本体部11側に設けられた整流部材2を空気室側整流部材2と称する。
【0043】
空気室側整流部材2は、
図9に示す様に格子状の通風路73を複数有している。
各格子状の通風路73は、平行に配列されている。各格子状の通風路73は、空気室側整流部材2の全長に渡っていて延びており、ある程度の長さを有している。
【0044】
空気室側整流部材2の空気室16側の端部(基端側)には、
図4の様にフランジ58が設けられている。空気室側整流部材2の基端側に設けられたフランジ58は、外フランジであり、空気室側整流部材2の開口端の外側に設けられている。
空気室側整流部材2は断熱箱13に固定されている。前記した様に断熱箱13は、本体部11の大扉12に固定されており、さらに大扉12は本体部11に揺動可能に取り付けられている。そのため空気室側整流部材2は、
図10、
図11の様に大扉12の揺動に伴って姿勢変更する。
【0045】
図11の様に大扉12が、本体部11の空気室16を閉じた状態においては、空気室側整流部材2の基端側が、ダクト55の先端側と接する。
より具体的には、大扉12が閉じられて、断熱箱13内の空間が本体部11の空気室16と一体の空間を形成する状態となった際には、ダクト55の先端側に設けられたフランジ57に、空気室側整流部材2の基端側に設けられたフランジ58が合致し、空気室側整流部材2とダクト55が連続した状態となる。そのためダクト55と空気室側整流部材2とが一体となって一連の空気流路が形成される。
その一方、
図10の様に大扉12を開くと、空気室側整流部材2は大扉12と共に揺動し、ダクト55から分離される。
【0046】
図9に示すように、空気室側整流部材2の試験室15側の端部の両側面には、切欠部2a,2aが形成されている。切欠部2a,2aは、空気室側整流部材2の端部の側壁を欠落させたものであり、空気室側整流部材2の上端から下端に渡って形成されている。すなわち、切欠部2a,2aを設けたことによって、空気室側整流部材2の端部の両側部分に開口があり、送風が開口部分(切欠部2a,2a)からも排出される構造となっている。
切欠部2a,2aによって、両側部分の通風路73の長さが、中央部分の通風路73の長さよりも若干短くなっているとも言える。換言すると、空気室側整流部材2の空気流れ方向下流側の端部は、両側部分の方が中央部分よりも上流側に退避している。
【0047】
後記する様に、遮蔽部材51によって本体部11の空気室16と断熱箱13の間が閉じられるが、このとき、ダクト55及び空気室側整流部材2を通じて吹き出された送風は、空気室側整流部材2の切欠部2a,2aを通って空気室16側に戻ることができる。
一方、遮蔽部材51が開かれて本体部11の空気室16と断熱箱13の間が連通した状態の場合は、空気室側整流部材2の作用によって、無駄が少なく試験室15側に風が送られる。
【0048】
筐体部33内には、試験室側整流部材14が設けられている。試験室側整流部材14は、空気室側整流部材2と同様の格子状の通風路75(
図9)を有している。試験室側整流部材14の通風路75は、4面が平行な壁で囲まれている。各格子状の通風路75は、平行に配列されている。各格子状の通風路75は、試験室側整流部材14の全長に渡って延びており、ある程度の長さを有している。
試験室側整流部材14の通風路75の上流側の部位は、空気室側整流部材2の下流側の部位と近接対向している。すなわち、試験室側整流部材14と空気室側整流部材2の間には後記する遮蔽部材51が設置される隙間が形成されている。試験室側整流部材14と空気室側整流部材2は、この隙間を挟んで対向しており、両者の通風路73,75の中心軸は略一致する。
試験室側整流部材14の下流側の部位は、後述の被試験物210を配置する部位に近接している。
【0049】
筐体部33の右側面壁37にはスリット50(
図2)がある。スリット50は断熱箱13の内外を連通している。スリット50は、上下方向に延びるものである。スリット50にはシール50a(
図11)が設けられており、スリット50は気密性を保っている。
また、天面壁35、底面壁36の内面側には、それぞれ溝35a、36a(
図5)が設けられている。さらに、左側面壁38の内面側には溝38a(
図11)が設けられている。
溝35a、36a、38aは、スリット50と同一鉛直面内に設けられている。
溝35a、36a、38aとスリット50は、試験室側整流部材14よりも空気室16側に設けられている。
【0050】
図9の様に遮蔽部材51は薄板状の四角形の部材であり、上端部61、下端部62、取っ手側側部63、先端側側部64を有している。
取っ手側側部63付近には取っ手用孔51aが設けられている。作業者は、取っ手用孔51aに手を入れて遮蔽部材51を把持することができる。すなわち、遮蔽部材51に取っ手用孔51aを設けることによって、作業者が遮蔽部材51を容易に操作し、遮蔽部材51をスライド移動させることができるようになっている。
本実施形態では、遮蔽部材51は単なる板であり、断熱性についてはあまり期待できないものであるが、断熱性を有するものであってもよい。遮蔽部材51は、実質的に通気性を持たない。
【0051】
スリット50から断熱箱13内に遮蔽部材51を挿入すると、遮蔽部材51の上端部61は天面壁35の溝35aに嵌まり、下端部62は底面壁36の溝36aに嵌まり、先端側側部64が左側面壁38の溝38aに嵌まる。
換言すると、遮蔽部材51は、断熱箱13の入口であるスリット50から断熱箱13内に入り、上端部61及び下端部62が溝35a、36aに沿って移動し、先端側側部64が溝38aに嵌まる。先端側側部64が溝38aに嵌まると、
図11に示す様に、遮蔽部材51が空気室16と試験室15の間に配置され、両室の通気が遮断される。
遮蔽部材51は、先端側側部64が溝38aに嵌まった状態で、取っ手用孔51a部分が断熱箱13(スリット50)の外部に露出している。すなわち、作業者は、取っ手用孔51a部分を把持して常に遮蔽部材51を操作可能である。
【0052】
また、溝35a、36a、38aには、図示しないパッキンが設けられており、溝35a、36a、38aと遮蔽部材51の間の気密性の向上が図られている。すなわち、遮蔽部材51が、空気室側整流部材2と試験室側整流部材14の間に配置されると、空気室16と試験室15の通気が遮断される。
【0053】
小扉31は、
図2, 5の様に小扉本体部31aと窓部31bを有している。小扉31は、小扉本体部31aに窓部31bが嵌め込まれて一体化された構造を有している。
【0054】
窓部31bは、
図7、
図8に示す様に、透明な板状のガラス42a、42b、42c(透明板)と、枠状部材76によって構成されている。枠状部材76は、
図8の様に、4片の枠片43a,b,c,dが組み合わされたものである。
ガラス42a、42b、42cは、4片の枠片43a,b,c,dで構成される枠状部材76に間隔を開けて装着された構造を有している。すなわち、窓部31bは、複数のガラスが間隔をあけて積層された多重構造を有している。
【0055】
枠状部材76を構成する枠片43a,b,c,dは、いずれも
図8の様に一面に3条の溝77を有している。各溝77は、一定の間隔を開けて平行に形成されている。
枠状部材76は、4片の枠片43a,b,c,dが、溝77を内側にして長方形に組み合わされたものである。そのため枠状部材76の内周面には、3条の溝77が設けられている。各溝77は、それぞれ環状に繋がっている。
【0056】
本実施形態では、各溝77にガラス42a、42b、42cの4辺が嵌入され、ガラス42a、42b、42cが枠状部材76に間隔をあけて積層されている。そのため、各ガラス42a乃至42cは離間しており、窓部31b内には、ガラス42a乃至42cと枠状部材76の溝77間によって空間44a、44b(
図8)が形成されている。
なお、各溝77にはコーキング剤が充填されて封止されており、ガラス42a、42b、42cと枠状部材76の間の気密性が確保されている。
【0057】
枠状部材76の上辺を構成する枠片43aには貫通孔6a,6bが設けられている。また枠状部材76の下辺を構成する枠片43cにも貫通孔8a,8bが設けられている。
上辺を構成する枠片43aに設けられた貫通孔6a,6bは、ガラス42a、42b、42cによって挟まれた空間44a、44bに開口している。具体的には、貫通孔6aは、ガラス42aとガラス42bの間に形成される空間44aに開口し、貫通孔6bは、ガラス42bとガラス42cの間に形成される空間44bに開口する。
同様に、下辺を構成する枠片43cに設けられた貫通孔8a,8bは、ガラス42a、42b、42cによって挟まれた空間44
a、44bに開口している。具体的には、貫通孔8aは、ガラス42aとガラス42bの間に形成される空間44aに開口し、貫通孔8bは、ガラス42bとガラス42cの間に形成される空間44bに開口する。
【0058】
枠状部材76の上辺部の二つの貫通孔6a、6bは、管部材19を介して接続されている。すなわち、管部材19の一方の端部が貫通孔6aに接続されており、他方の端部が貫通孔6bに接続されている。そのため、空間44a、44bはガラス42bで仕切られているが、管部材19を介して通気可能に連通している。
【0059】
枠状部材76の下辺部の貫通孔8aには、可撓性を有する供給配管9aが接続されており、空間44aは供給配管9aを介して図示しない乾燥空気生成装置と接続されている。また、枠状部材76の下辺部のもう一つの貫通孔8bには、可撓性を有する排出管9bが接続されており、空間44bは排出管9bを介して大気解放されている。
【0060】
窓部31bのガラス42c側が試験室15側に位置する様に、窓部31bが小扉本体部31aに嵌め込まれている。
【0061】
小扉31は、筐体部33の前面側開口部分に図示しないヒンジを介して揺動可能に取り付けられている。
小扉31を閉じることによって筐体部33の前面が閉塞される。
断熱箱13の筐体部33は、前記した様に背面側(上流側)が開口しており、断熱箱13内に形成される試験室15は、本体部11の空気室16と連通している。
【0062】
断熱箱13には、
図5に示す様に、外部と連通する貫通孔105が上下2か所に設けられている。貫通孔105は断熱壁28,32で囲まれた断熱領域7の内外を連通するものである。貫通孔105は、外力付与装置200の一部又はその付属品を挿通するものである。本実施形態では、外力付与装置200のロッド205,207を貫通孔105に挿通する。
すなわち本実施形態の環境試験装置1では、断熱箱13の天面壁35部分と底面壁36部分に貫通孔105が設けられている。
本実施形態では、天面壁35と底面壁36に、直方体の空洞部45,46が設けられ、当該空洞部45,46にブロック体100(
図3参照)が内蔵されており、ブロック体100に貫通孔105が設けられている。空洞部45,46の内壁はブロック体100と接し、気密性が確保されている。そのためブロック体100に設けられた貫通孔105が、実質的に断熱箱13を貫通する開口であり、断熱領域7内と環境試験装置1外とを連通するものである。
【0063】
天面壁35の空洞部45及びブロック体100の構造と、底面壁36の空洞部46及びブロック体100の構造は同一であるから、代表して天面壁35側の構造を説明する。
筐体部33の天面壁35の端部には
図3の様に切り欠き部52がある。
切り欠き部52は、断熱壁32を欠落させたものであり、その形状は長方形である。切り欠き部52の断熱箱13の内外面(上下面)には、覆い板56が設けられている。
【0064】
図5に示すように筐体部33の断熱壁32内には配管47が埋設されており、筐体部33の切り欠き部52と外部が当該配管47で繋がっている。また配管47は外部に設置された負圧発生装置112及び窒素ボンベ113に接続されている。負圧発生装置112は、送風機であり、送風機の吸い込み側が配管47に接続されている。
負圧発生装置112及び窒素ボンベ113と、切り欠き部52との間には切り替え弁(電磁三方弁)115が設けられており、負圧発生装置112と窒素ボンベ113とを切り換えることができる。
【0065】
窒素ボンベ113は、乾燥気体供給源の一例である。乾燥気体としては、窒素ガス以外に圧縮空気を乾燥処理した低露点のドライエアーを採用することも可能である。すなわち窒素ボンベ113に代わって、コンプレッサと乾燥装置を使用することもできる。
本実施形態では、乾燥気体供給源(窒素ボンベ113)と負圧発生装置112を配管47に接続し、両者を切り換えることができる構成を採用しているが、いずれか一方だけであってもよい。また乾燥気体供給源(窒素ボンベ113等)及び負圧発生装置112は必須ではない。
以上、天面壁35の空洞部45について説明したが、底面壁36の空洞部46についても同様である。
【0066】
ブロック体100は、シリコン樹脂等の比較的軟質の樹脂を素材とする発泡体である。ブロック体100には断熱効果がある。
そして
図3に示すように筐体部33にブロック体100が上下一対ずつ収納されている。
【0067】
次に外力付与装置200について説明する。
外力付与装置200は、引っ張り試験機である。外力付与装置200は、
図1に示すように基台部201と、門型フレーム202を有している。
門型フレーム202には、図示しないガイドレールがあり、門型フレーム202のガイドレールに昇降桟(駆動部)203が係合している。
そして昇降桟203の下部に上ロッド205が設けられており、当該上ロッド205の先端に上側掴み具(保持部材)206が設けられている。すなわち駆動部たる昇降桟203に、上ロッド205を介して保持部材たる上側掴み具206が取り付けられている。
【0068】
また基台部201には、下ロッド207が設けられており、当該下ロッド207の先端に下側掴み具(保持手段)208が設けられている。
外力付与装置200には、公知の引っ張り試験機と同様に、上側掴み具206を上方に移動させる移動装置と、掴み具の移動量を検知する伸び量計と、引っ張り荷重を検知する荷重計を有している(いずれも図示せず)。ただし本実施形態では、外力付与装置200に付属する伸び量計は使用せず、別途用意の光学式伸び検知装置220を使用することが望ましい。もちろん外力付与装置200に付属する伸び量計を使用してもよく、他の方法によって伸びを測定してもよい。
【0069】
次に外力付与装置載置台300(
図1)について説明する。外力付与装置載置台300は、単なるテーブルであり、外力付与装置200を載せる載置板302と、載置板302を中空に支持する脚部303とを有している。
【0070】
恒温槽用架台301は、台座部305と、テレスコピックガイド306を有している。台座部305は、略立方体であり、ある程度の重量を有している。台座部305には高さ調整手段310が設けられている。高さ調整手段310は、公知のものである。
【0071】
テレスコピックガイド306は、各伸縮棹311の固定側部材が台座部305の上面に固定されている。そして伸縮棹311の全長を伸ばすと、可動側部が台座部305から片持ち状に張り出す。
【0072】
光学式伸び検知装置220はビデオカメラであり、被試験物210を撮影し、被試験物210の伸びを記録するものである。前記した様に光学式伸び検知装置220についても必須ではなく、他の代替手段を採用することもできる。
【0073】
次に試験装置10を構成する各部材間の関係について説明する。
本実施形態の試験装置10は、前記した様に環境試験装置1と、外力付与装置200によって構成されている。
外力付与装置200は、
図1の様に、外力付与装置載置台300の載置板302上に載置されている。
環境試験装置1は、突出部たる断熱箱13が外力付与装置200の門型フレーム202に囲まれた空間に入る様に設置されている。
より詳細には、
図1の様に、外力付与装置200の背面側に恒温槽用架台301が配置されており、恒温槽用架台301のテレスコピックガイド306の可動側部によって環境試験装置1が恒温槽用架台301の台座部305から張出した状態で支持されている(張出すことは必須ではない)。そして環境試験装置1は、恒温槽用架台301のテレスコピックガイド306で片持ち状に支持され、環境試験装置1の突出部たる断熱箱13が外力付与装置200の門型フレーム202内に差し入れられている。
特に本実施形態では、試験を行う試験室15(断熱箱13)が本体部11から水平方向に突出していて本体部11から中空に張り出しているから、断熱箱13は外力付与装置200の基台部201とは接せず、断熱箱13と外力付与装置200には広い空間222が確保される。
【0074】
そして外力付与装置200の上ロッド205が断熱箱13を貫通し、上側掴み具(保持部材)206は、断熱箱13の中にある。
また外力付与装置200の下ロッド207側も同様であり、外力付与装置200の下ロッド207が断熱箱13を貫通し、下側掴み具(保持部材)208は、断熱箱13の中にある。
【0075】
断熱箱13の試験室15と、外力付与装置200とは設置の際に芯合わせが行われている。すなわち外力付与装置200の上ロッド205と下ロッド207を結ぶ線に、断熱箱13の上下の貫通孔105の中心が完全に一致する様に調整されている。
【0076】
試験室15の中における被試験物210の位置は、
図5、
図6、
図12の通りであり、試験室側整流部材14の下流側の開口の前に被試験物210の被試験領域215があるように設置される。
【0077】
光学式伸び検知装置220たるビデオカメラは、
図1の様に試験室15の小扉31の前に設置され、小扉31のガラス42a、42b、42c越しに試験室15内の被試験物210を撮影することができる。
【0078】
次に、本実施形態の試験装置10を使用して引っ張り試験を行う際の手順について説明する。以下に示す引っ張り試験は、被試験物210を低温環境にさらして引っ張り試験を行うものである。以下の試験においては、環境要因は気温だけであり、湿度については管理しないものとする。
従って、空調部として機能する本体部11は、空調手段48の冷却装置22及び加熱ヒータ(加熱装置)23を使用して空調し、加湿装置21は使用しない。
また引っ張り試験は、多数の被試験物210に対して連続的に実施することとする。
【0079】
第一回目の引っ張り試験においては、遮蔽部材51を断熱箱13のスリット50に挿入した状態であっても引き抜いた状態であってもよい。また予め空調部として機能する本体部11の空調手段48を駆動していても良いし、停止状態で準備を進めてもよい。
一例として、遮蔽部材51は挿入した状態であり、冷却装置22等は停止した状態で試験の準備を行うこととする。
【0080】
本実施形態の試験装置10を使用して引っ張り試験を行う場合、まず被試験物210を試験室15内に設置する。
具体的には、最初に環境試験装置1の小扉31を開く。
【0081】
そして被試験物210を掴み具206,208で挟む。
その後、小扉31を閉じて試験室15を略密閉状態とする。
【0082】
その後、空調手段48を起動して、所定の温度に調整された空気を空気室16内と、試験室15に循環させ、断熱領域7内を所定の温度環境に維持する。
【0083】
また、図示しない乾燥空気生成装置を駆動し、乾燥空気導入管3を介して空気室16内に乾燥空気を導入する。その結果、空気室16内は正圧傾向を呈する。
さらに供給配管9aを介して断熱箱13の窓部31bの空間44aに乾燥空気を供給する。
空調手段48の起動、乾燥空気生成装置の起動、窓部31bに対する乾燥空気の供
給の順序は任意であり、いずれが先でもよく、同時でもよい。
【0084】
さらに、遮蔽部材51を外部に引っ張って、大半が外部に引き出された位置とする。なお遮蔽部材51には図示しない抜け止めストッパーがあり、遮蔽部材51を外に引き出すと、遮蔽部材51の大半が外部に引き出され、本体部11の空気室16と試験室15が障壁なく連通された状態で止まる。
【0085】
遮蔽部材51を引き抜き方向に移動させると、空気室16と試験室15とが連通し、空気室側整流部材2と試験室側整流部材14とが若干の隙間を隔てて近接対向する。
その結果、送風機20によってダクト55から空気室側整流部材2に沿って送風された空気が、前述の若干の隙間を渡って試験室側整流部材14に入り込み、被試験物210に向かって吹き付けられる。
【0086】
試験中における環境試験装置1内の空気の流れは、
図5の矢印の通りである。すなわち空調手段48の送風機20を起動することにより、空気室16内の空気が空気導入部27から空調通風路25内に導入される。そして空調通風路25が通風状態となり、空調機器18に空気が接触して熱交換や温度調整がなされ、空気吹き出し部26から空気室16内のダクト55に調整後の空気が吹き出される。
そのため空気吹き出し部26から吹き出された送風は、ダクト55、空気室側整流部材2、試験室側整流部材14を介して試験室15に吹き込まれ、被試験物210の被試験領域215に直接的に当てられる。
被試験物210の設置領域を通過した送風は、ダクト55の外を回り込んで、空気室16側に戻り、空気導入部27から空調通風路25内に再導入される。
【0087】
前記した様に、空気室側整流部材2は、
図9に示す様に格子状の通風路73を複数有している。また各格子状の通風路73は、平行に配列されており、ある程度の長さを有している。
そのため送風機20から吹き出した直後の送風は、乱流状態であるが、空気室側整流部材2の通風路73を通過する内に、整流され、層流状態となる。
そのため空気室側整流部材2から吹き出された送風は、平行状態に噴射され、広がり難い。
そして空気室側整流部材2の吐出側に近接し、且つ対向して試験室側整流部材14が設けられているから、平行状態に放出された送風は、広がることなく、試験室側整流部材14に入り、被試験物210に向かって吹き付けられる。
【0088】
すなわち、本体部11の空調手段48で所定の温度に調整された空気が、送風機20によって送風されて、ダクト55、空気室側整流部材2、試験室側整流部材14を介して良好に被試験物210に到達し、被試験物210の試験実施環境が速やかに整う。
【0089】
そして外力付与装置200を起動し、上ロッド205を一定の速度で上昇させて被試験物210に引っ張り荷重を掛け、被試験物210の被試験領域215を破断する。そしてその間の試料の伸びと荷重の関係を記録する。
すなわち被試験物210に引っ張り荷重を掛け、その間の外形変形状態を光学式伸び検知装置220で撮影する。そして被試験物210の伸びと、被試験物210に付加された荷重とを関連付けて記録する。
【0090】
光学式伸び検知装置220で被試験物210を撮影する場合には、
図1の様に断熱箱13の側面に設けられた小窓41の外にライト221を置き、小窓41から入光して被試験物210を照らすことが望ましい。
断熱箱13の側面から被試験物210を照らして撮影すると、試験室15の小扉31のガラス42a、42b、42cの反射による影響を受けにくく、鮮明な映像を得ることができる。
【0091】
本実施例では、一つの被試験物210を破断した後、再度他の被試験物210を対象として試験を行う。その際には、遮蔽部材51をスライドさせてその略全体を断熱箱13の中に押し込む。遮蔽部材51は、断熱箱13の筐体部33に設けられたスリット50に沿って移動し、断熱箱13の筐体部33に差し入れられる。
遮蔽部材51は、
図6、
図11の様に試験室15と空気室16の間に入り、試験室15側と空気室16側との通気を遮断する。すなわち遮蔽部材51は、空気室16と試験室15の間を一時的に遮蔽する。
空調通風路25から排出された空気は、遮蔽部材51に衝突して空調通風路25に戻る。すなわち空気は空気室16と空調通風路25の間だけで循環し、試験室15には至らない。
【0092】
ここで、遮蔽部材51は、空気室側整流部材2の下流側端部と近接しているが、空気室側整流部材2の側部には切欠部2a、2a(
図9、
図11)が設けられており、空気室側整流部材2を通った空気は、切欠部2a、2aを介して良好に空調通風路25に戻ることができる。すなわち、切欠部2a、2aは、空気室側整流部材2を通った空気の逃げ道として機能する。
【0093】
また、遮蔽部材51と筐体部33の内壁に設けられた溝35a,36a(
図6)及び溝38a(
図11)の間には、図示しないパッキンが設けられているが、仮に空気が漏れたとしても、空気室16には乾燥空気導入管3を介して乾燥空気が導入されていて正圧傾向であるので、空気は空気室16側から外部に漏れるだけであり、空気室16には外気が侵入しにくい。そのため、空気室16及び空調通風路25内の空気は、空調手段48によって所定の温度に調整された状態を維持することができる。
また外部に漏れる空気は低温であるが、その空気は露点が低いので、結露を発生させにくい。
【0094】
こうして遮蔽部材51を断熱箱13に挿入した状態にして、試験室15側と空気室16側との通気を遮断し、本体部11の空気室16と空調通風路25の間だけで空気を循環させる。そして遮蔽部材51を断熱箱13に挿入したままの状態で、断熱箱13の小扉31を開き、試験室15を開放する。
環境試験装置1の本体部(空調部)11内においては、空調手段48及び送風機20が運転を続けており、空気室16と空調通風路25で構成される密閉空間内に空気が循環し続けている。しかしながら試験室15側と空気室16側との間には遮蔽部材51が挟み込まれており、遮蔽部材51によって両室の間の通気が遮断されている。
加えて、空気室16内には乾燥空気導入管3を介して乾燥空気が導入され、空気室16内は正圧傾向となっている。
そのため仮に低温低湿環境で引っ張り試験を行った後に小扉31を開いた場合でも、外気が本体部(空調部)11に流れ込むことは少なく、外気が空調通風路25に侵入することが防止され、空調機器18の冷却装置22に過度に霜や結露が発生することが防止される。
また空気室16から漏れた空気は、露点が低いので、結露の原因にはなりにくい。
【0095】
そして小扉31を開いた後、被試験物210を取り出す。
その後に、前述の手順で新たな被試験物210を試験室15内に入れ、試験を繰り返す。
すなわち新たな被試験物210を試験室15内に入れ、その後に小扉31を閉じて試験室15を略密閉状態とする。
さらに、遮蔽部材51を外部に引き抜いて試験室15と本体部11の空気室16とを連通させる。その結果、本体部11内で循環していた設定環境の雰囲気の空気が、ダクト55等を経由して試験室15側に流れ込み、試験室15の環境を大気開放環境から低温の試験環境に変化させる。
【0096】
ここで本実施形態では、空気室16の容積が、試験室15の容積よりも大きいので、試験室15内の空気が所定の温度に調整されるまでの時間が短くて済む。
すなわち、試験室15内の被試験物210を取り換える際には、断熱箱13の小扉31が開かれて試験室15内は外気に晒されるので、試験室15内は試験実施環境が保たれなくなる。その一方で、試験室15と空気室16は遮蔽部材51で遮断されているため、空気室16内の空気は空調手段48で所定の温度に調整された状態に保持されている。
試験室15内の被試験物210の取り換えが完了すると、小扉31が閉鎖され、さらに遮蔽部材51が引き抜かれて試験室15と空気室16とが連通し、両室内の空気が混合する。その際、空気室16の容積が試験室15の容積よりも大きい程、所定の温度に調整された空気の量が相対的に多くなり、逆に大気にさらされた空気の量が相対的に少なくなり、試験室15内の空気が所定の温度に調整されるまでの時間が短くて済む。よって、速やかに環境試験を実施することができる。
【0097】
また、断熱箱13の小扉31の窓部31bには、図示しない乾燥空気生成装置から供給配管9aを介して乾燥空気が供給されている。乾燥空気は、
図8に示す貫通孔8a、空間44a、貫通孔6a、管部材19、貫通孔6b、空間44b、貫通孔8b、排出管9bの順で移動し、大気開放される。
すなわち、空間44a、44bには乾燥空気が通過しているため、試験室15内の空気と外気の間に温度差や湿度差があっても結露が抑制される。
【0098】
ここで、窓部31bにおいて、乾燥空気を、供給配管9aから試験室15の外側にある空間44aに供給し、空間44aから試験室15側にある空間44bに移動させて排出管9bから放出すると、結露防止効果が高く好ましい。
また、本実施形態では、三枚のガラス42a、42b、42cを使用し、二つの空間44a、44bを形成したが、ガラスを四枚以上設け、空間を三以上形成し、各空間を乾燥空気が順に移動する様に構成してもよい。また、二枚のガラスを使用し、空間を一つのみとしても、結露防止の一定の効果は得られる。
【0099】
また以上説明した実施形態は、小型の環境試験装置1の大扉12に試験室15を取り付けたものであって、試験室15が本体部11から突出した位置にある。
この構成によると、試験室15の上下や左右に空間ができ、他の物を配置しやすい。
【0100】
また上記した実施形態では、空気室16を使用して通常の環境試験を行うこともでき、汎用性に富む。すなわち本体部11には大扉12があり、大扉12を開くことによって空気室16を開くことができる。そして空気室16に被試験物を置いて環境試験を実施することができる。なおこの際には、空気室16のダクト55を外すと共に大扉12の開口30を板等で塞いでおくことが推奨される。すなわち、空気室16と試験室15とを遮断し、空気室16内の空気のみを試験実施環境に調整するのが好ましい。
また上記した実施形態は、通常の小型の環境試験装置を改造して作ることができ、部品の汎用性が高い。また量産性に富む。
【0101】
以上説明した実施形態では、環境試験装置1は、温度環境を調整する機能と湿度環境を調整する機能を有しているが、本発明で採用可能な環境試験装置は、上記のものに限定されず、温度と湿度のいずれかを調整することができるものであればよい。
【0102】
上記した実施形態は、いずれも複合型の引っ張り試験機であるが、本発明は、引っ張り試験機に限定されるものではなく、圧縮試験機、剪断試験機、硬さ試験機、衝撃試験機、クリープ試験機等の他の試験機にも応用することができる。
さらに本発明は、外力付与装置を有しない環境試験装置に適用することもできる。本発明は、ロッド用の貫通孔を有さない通常の環境試験装置にも応用できる。
以上説明した実施形態では、上下の掴み具206,208をいずれも試験室15の中に配置したが、上下の掴み具206,208の一方又は双方を試験室15の外に配置してもよい。
上下の掴み具206,208の一方又は双方を試験室15の外に配置する場合には、被試験物210の一部又はその付属品、外力付与装置200と被試験物210を繋ぐ部材の少なくともいずれかを断熱箱13の貫通孔105に挿通させることとなる。
【0103】
また以上説明した実施形態は、被試験物に外力を加える機器を試験室15の近傍に配する例を示したが、本発明は、この構成に限定されるものではなく、被試験物に特定の光や電磁波等を照射する装置や、被試験物を連続的に試験室15に供給する装置を試験室15の近傍に設けてもよい。
【0104】
本発明の環境試験装置1は、内部で材料や製品の性能等を試験する用途に利用するものとして開発されたが、所定の環境下で、部材を加工する用途に使用することもできる。
【0105】
以上説明した試験装置10は、環境試験装置1(本体部11)に断熱箱13(試験室15)をネジ等で外付けしたものであるが、大扉12と断熱箱13を不可分一体に成形してもよい。
【0106】
また、環境試験装置1は、空調通風路25、ダクト55、空気室側整流部材2、空気室16で構成される循環路を持たず、空気室16内の空気を攪拌するものであってもよい。すなわち、空気室16内の空気が攪拌されると、空気室16内の空気の温度及び湿度が一様になる。さらに説明すると、空気室16内には空調手段48(空調機器18)が設けられており、空調手段48によって空気室16内の空気は所定の温度、湿度に調整される。そして、空気室16内が攪拌部材(図示せず)で攪拌されると、最終的には空気室16内の全ての空気が設定された所定の試験実施環境の温度、湿度に調整される。
【0107】
以上説明した環境試験装置1では、遮蔽部材51は、手動によって操作されるが、アクチェータによって動作させてもよい。
また以上説明した環境試験装置1では、遮蔽部材51は、水平方向に移動するものであるが、垂直方向に移動するものであってもよい。
また以上説明した環境試験装置1では、遮蔽部材51は一枚の板であるが、多数枚の板で構成されていてもよい。またバタフライ弁やダンパーのごとく、揺動するものであってもよい。
【0108】
以上説明した環境試験装置1は、空調部に市販の環境試験装置1を利用した。この構成によると、部品の互換性が高まるだけでなく、空気室16内のダクト55を取り外すことによって、空気室16内においても環境試験を行うことができる。この場合には、空気室16の大扉12を開き、空気室16に被試験物を載置して環境試験を行う。
しかしながら本発明はこの構成に限定されるものではなく、
図13の様に一つの断熱槽内に空気室16と試験室15が形成され、両者の間に遮蔽部材51が設けられたものであってもよい。