【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明の課題は、主請求項の特徴を備えた電気化学的エネルギー貯蔵装置によって、並びに下位の請求項に従うこのようなエネルギー貯蔵装置の複数の作動方法によって解決される。
【0031】
前記エネルギー貯蔵装置、並びにこのようなエネルギー貯蔵装置の作動方法の有利な形態は、それぞれそれらを引用する請求項に記載される。
【0032】
本発明による再充電可能なエネルギー貯蔵装置は、金属−空気電池をベースとし、
図3でに従来技術として示したものと類似して、ガス電極が使用され、かつイオンまたはプロトン伝導性膜が電解質として使用される。ガス電極の機能は、ガスからイオン(別の形態の場合にはプロトン)が発生し、これが電解質を通して案内されるようにガス空間からのガス分子と反応させることである。この反応の時に電荷が流れる必要があるため、ガス電極は導電性である必要がある。可逆的に作動する電池の場合の逆反応でも同様に挙動する:電解質からのイオン(またはプロトン)は、ガス電極のところで電荷を受け取ってまたは放出して電気化学的に中性のガス粒子へと変換され、これがガス空間へと放出される。この際、ガス電極は一般的に化学的に反応しない。
【0033】
既知の金属−空気電池とは異なり、本発明によるエネルギー貯蔵装置では、活性成分は、ガス電極に対し反対の電解質膜側に液状媒体の形で存在する。基本的に二つの実施形態がある:
(i)液状活性材料が、固体の電解質と直接接触している。この場合、活性材料は、電解質からの荷電した粒子を貯蔵するだけでなく、必要な電荷流との電気化学的部分反応も行う。
(ii)液状活性材料が、固体触媒層の上にあり、この固体触媒層は、それと接触している電解質上にある。極端な場合、この触媒層は、部分反応の加速を担うだけでなく、ガス電極について上述したのと同様に、荷電の取り込みまたは放出を伴って完全な電極部分反応を担い、この際、液状活性材料は、部分反応生成物(電解質からの粒子からなる生成物)を取り入れる。この場合、活性材料はもはや必ずしも導電性である必要はない。
【0034】
第一のケースでは、液状活性材料が、第二のケースでは触媒層(常に固体)と液状活性材料との組み合わせが、以下に対電極と呼称される。
【0035】
これらの液状活性成分は、完全に電気化学的反応に関与し得る。活性材料は、少なくとも、還元型及び酸化型(レドックス対)の形で存在し得る。この際、原則的に、二つの作動様式が区別できる。
(i)ガス電極のところに存在するガスまたは構成分またはそれらのイオンが酸化的に作用する(例えば酸素):エネルギー貯蔵装置の充電の間は、還元された形で存在する液状活性材料(例えば金属)の少なくとも一部が酸化型(例えば金属酸化物)に転化され、これも同様に液状に存在することができる。同時に、該反応に必要な酸化剤(例えば空気)が、ガス電極のところのガス空間から取り出される。
(ii)ガス電極のところに存在するガスまたは構成分またはそれらのイオンが還元的に作用する:エネルギー貯蔵装置の充電の間は、酸化された形で存在する液状活性材料は、同様に液状に存在し得る還元型に転化され、他方で、反応に必要な還元剤が、ガス電極のところのガス空間から取り出される。
【0036】
以下、本発明による可逆性エネルギー貯蔵装置を、液状媒体−ガス電池とも称する。
【0037】
図4は、空気、特に酸素がガスとして使用される本発明による液状媒体−ガス電池の実施形態を示す。
【0038】
本発明による液状媒体−ガス電池の大きな利点は、液状活性材料が各々の充電または放電サイクルの時に、すなわち各々の還元または酸化の時に、その液状の形の故に、新たに組織化または構造化し得ることにある。還元及び酸化された状態で存在する活性材料の異なる比密度は、ハウジング内での層の形成を有利にもたらす。
【0039】
酸化の時の固体電極材料のこれまで有害であった体積増加、または更なる望ましいレドックス反応を顕著に遅らせる非導電性相の形成は、そうして有利に回避し得る。
【0040】
液状媒体−ガス電池の本発明による形態は、電池の作動温度で液状の形の媒体を活性材料として含む容器を有する。このような材料としては、中でも次のものが適している:作動温度で液状の形で存在する限り、金属、半金属、酸素含有化合物(単純なもしくは複雑な酸化物を包含する)、窒素含有化合物(硝酸塩、窒化物を包含する)、炭素含有化合物(炭化物、炭酸塩を包含する)、水素含有化合物(水素化物を包含する)、リン含有化合物(リン化物、リン酸塩を包含する)、ハロゲン含有化合物(ハロゲンは、元素周期律表の第7主族の元素と定義される)、他のカルコゲン含有化合物(カルコゲンは、元素周期律表の第6主族の元素と定義される)(硫化物、硫酸塩を包含する)、ケイ素含有化合物(ケイ酸塩を包含する)、ゲルマニウム含有化合物またはホウ素化合物、特に一種もしくは複数種の金属若しくは半金属を有する化合物(酸化物からホウ素化合物までの全リストをベースにする)、またはこれらの混合物。
【0041】
本発明による液状媒体−ガス電池の典型的な作動温度は、使用した活性材料及び電解質に依存して、例えば500℃と1000℃の間である。しかし、活性材料が比較的低い温度において既に液状に存在する場合(レドックス対の相のうちの少なくとも一方)、より低い作動温度も選択できる。
【0042】
この際、該液状媒体−ガス電池の必要な作動温度への加熱は、慣用的に、すなわち外部手段、例えば加熱装置またはそれ以外の熱源によって行うことができる。
【0043】
有利には、該活性材料は一種の金属または複数種の金属の混合物(合金含む)を含み、そして更に、例えば共晶の形成によって反応生成物の融点、すなわち酸化されて存在する活性材料の融点を下げる追加的な物質を含む。これと類似して、活性材料としてのガラスの場合には、軟化点を低める更に別の物質を同様に添加できる。
【0044】
本発明による液状媒体−ガス電池の作動時は、活性材料は、通常のケースでは、電解質からのイオンとの反応の前に液状であるべきである。この活性材料は、電解質からのイオンまたはプロトンと(電気)化学的に反応できるものでなければならない。液状活性材料中での電子及び/もしくはイオンの高い可動性または電子及びイオンの高い伝導性が、該電池の作動にとって有利である。それによって、電池の内部抵抗が有利に最小化される。
【0045】
更に、膜と活性材料の液状相との間の非常に低い付着または非常に大きな濡れ角が有利である。というのも、これは、作動中はできるだけ良好に膜から解放されそして空間的に離れるべきであるからである。
【0046】
基本的に、該エネルギー貯蔵装置は、一部の必要な付属装置、例えばガス電極及び/または対電極側の圧力−もしくは体積補償装置または電流導入端子などは除いて、閉鎖的な容器として設計できる。
【0047】
この容器は、通常は、完全に活性材料で満たされている。完全にとは、本発明の枠内において、この際に活性材料の酸化または還元によって起こり得る体積変化が全て考慮されていることを意味する。アノード材料の最大体積では、容器中に圧力は発生するべきではない。比較的高い体積のアノード材料が比較的小さなアノード材料に変わる時に、相応して空隙が生じる。
【0048】
液状媒体−ガス電池のこの容器は、液状活性材料または同様に液状であることができる対応する反応生成物によっては持続的に腐食されない材料からできている。加えて、これは、液状媒体−ガス電池の必要な作動温度、すなわち約1000℃までの作動温度でも安定している。適当な容器材料の一つは例えば酸化ジルコニウムである。
【0049】
更に、該容器は、追加的に、電解質としてイオンもしくはプロトン伝導性膜、例えば固体イオン導体を含む。
【0050】
この膜も同様に、液状活性材料または同様に液状であることができる対応する酸化された反応生成物によって、並びにガス空間に使用されたガスによって持続的に腐食されない材料でできている必要がある。これもまた、必要な作動温度において十分に長期安定性に構築されている必要がある。
【0051】
この膜に適した材料としては、ポリマー、ガラスまたは固体を挙げ得る。固体という名称は、ここでは、結晶格子中に長距離秩序を持つ材料、すなわちX線回折図において、結晶格子の格子面でのX線回折での干渉のために反射を確認できる材料を記載する。ここでガラスとは、ただの非晶質であるかまたは結晶格子中にせいぜい近距離秩序しか持たない材料、すなわちX線回折図において、結晶格子の格子面でのX線の回折での干渉のための反射を確認できない材料のことと、極一般的に解釈される。粘度は、典型的には、10
10Pa
*sのオーダーより大きい。特に、セラミック(多結晶)もしくは単結晶、またはポリマー、ガラスもしくは固体の三種の材料の部類の少なくとも二つの組み合わせを使用できる。部分結晶性セラミック、いわゆるガラスセラミックも同様に、電解質用の好適な材料として包含される。
【0052】
有利な形態の一つでは、電解質は酸素イオン導体である。例えば、電解質は、例えばイットリウム(Y)またはスカンジウム(Sc)で置換されかつ置換率が0モル%と16モル%との間の部分置換ZrO
2−δを含むことができる。CeO
2−δからなる電解質も有利であり、この際、Ceの場所で0モル%と約30モル%の間が、任意に、ガドリウム(Gd)、サマリウム(Sm)、ネオジム(Nd)または他の希土類元素、または周期律表の第二主族の元素、例えばストロンチウム(Sr)で部分置換されていてもよい。
【0053】
しかし、電解質は、有利には、任意選択的にLaの場所で他の希土類元素で部分置換されたランタン−タングステンをベースとするプロトン導体として構成してもよい。
【0054】
前記耐腐食性の壁材料及びイオンもしくはプロトン伝導性膜の材料は、場合により同一であってもよい。
【0055】
この気密の膜は、薄い電解質層として存在することができ、それ故、イオン伝導性が高いという利点を持ち、これは液体−ガス電池の比較的低い内部抵抗をもたらす。これに関連して、薄層とは、500マイクロメーター未満、特に10マイクロメーター未満の層厚を有する層のことと解される。
【0056】
該イオンもしくはプロトン伝導性膜は、接合材料またはシール材料によってあるいはラビリンスシールによって容器中にはめ込み得るか、または単に押圧することができる。該容器は、代替的に、完全に一つの同じ材料(イオンまたはプロトン伝導性材料)から作製することもでき、その時は、本質的に追加のシールは必要ではない。
【0057】
電解質としてのイオンまたはプロトン伝導性膜の上には、それの活性材料の方を向いた側上に、界面反応(触媒作用/触媒活性)、特に液状活性材料と、輸送されたイオンもしくはプロトンとの間の界面反応の向上に役立つ層を設けることが有利である。この層は、以下活性材料−触媒層と言う。
【0058】
電解質としてのイオンもしくはプロトン伝導性膜の反対側には、ガス電極が配置され、このガス電極に、上記膜とは反対側でガス空間が連絡しており、このガス空間は、一部は必要な付属装置、例えばガス供給手段及びガス導出手段、及び必要な電流導入端子は除いて、基本的に閉鎖していることもできる(
図4参照)。ガス電極またはガス空間は、酸化性ガスばかりでなく還元性ガスも供給できまたはこれらで作動させることができる。
【0059】
この際、ガス電極は、電気化学反応を予定されたガス空間からのガスまたはそれの成分をイオンに変換する層として上記膜上に設けることができる。ガスまたはそれの成分をイオンに変換するこの層は、緻密であることができ、または多孔性であってもよい。この層は導電性である。
【0060】
本発明によるエネルギー貯蔵装置のガス電極のためのガスとしては、酸素キャリアとしての空気が特に有利に使用され得る。更に別の適したガスは、一般的に酸素、窒素、水、水素、二酸化炭素、一酸化炭素またはハロゲン(化学元素の周期表の第7主族の元素)を含むかまたはこれらの物質の混合物を含み、及び酸化剤としてまたは還元剤として使用されるガスである。
【0061】
本発明の有利な形態の一つでは、ガス電極層の隣に、機械的安定性を保証するガス透過性キャリアが追加的に配置される。この際、キャリアは、ガス電極と同じ材料からなることができる。
【0062】
本発明による電池の基本原則は、還元された形の液状活性材料と、ガスまたはそれの一部で酸化された形の液状活性材料との間の異なる化学ポテンシャルをベースとする。還元された活性材料及びガスを用いて酸化された活性剤材料との間の異なる化学ポテンシャルの一例は、還元された状態で存在する活性材料としての銅(Cu)及び酸素を用いて酸化された状態で存在する活性材料としての酸化銅(Cu
2+O
2−)である:
Cu→Cu
2++2e
−、付随する電圧−0.34ボルト [非特許文献1]
この際、電池中での全体的な反応は、放電時に以下のように進行する。
【0063】
前提条件は、ガス電極のところに存在するガス及び液状活性材料が、反応生成物とは異なる化学ポテンシャルを有することである。例えば、酸素は金属−空気電池中で、触媒作用するガス電極のところで少なくとも部分的に化学的に反応させ、この際、この反応は、荷電した粒子が発生しそしてこれらが、化学ポテンシャルの勾配による推進力の結果、イオン伝導性膜を通って液状媒体に、ここでは具体的には金属に拡散するように行われる。これらはそこで液状金属と反応し、そして反応生成物として第二の層の金属酸化物(これも同様に液状であることができる)を形成する。
【0064】
反応が、液状活性材料と電解質/膜との間の界面で、望むよりもゆっくりと進行する場合には、任意に、追加的な触媒層を、活性材料と、イオンもしくはプロトン伝導性膜との間に設けることができる。触媒が化学的にのみに作用するのではなく、触媒がそれに加えて少なくとも部分的に電極の機能を担う場合には(すなわち、電子が取り込まれるか放出される)、この触媒は、電子伝導性にも構成されるべきである。この場合、有利には、後での電流輸送のための電流タップを、外部の回路を介して直接触媒層に取り付ける。
【0065】
ガス電極のところのガス空間中での必要な電荷交換のための電荷は、ガス電極及びそれに接続する電流タップを通って、または液状媒体と電気的に接触している導電体を通って流れる。ガス電極は、応じて電気伝導性に構成されていなければならない。本発明と同様に構想される高温燃料電池からのガス電極は、1cm当たり100ジーメンスを超える範囲の材料伝導率を有する、または他の表現では、電気抵抗が最大0.01Ohm・cmである。
【0066】
液状金属は、基本的に非常に良好な導電体であり、そして塩溶融物も、イオンの運動の故に、それによる電流の放出を保証するのに十分に良好な電気伝導性を大抵有する。抵抗損を最小化するための最大限許容可能な抵抗は、容器の実際の設計に大きく依存する。最も単純なケースとして活性材料としての立方体から出発しそして公称電圧と比べて最大で1%の電圧損を許容する場合には10
−3Ohm・cmのオーダーの最大比抵抗が生ずる。
【0067】
電流の放出のためには、固体の状態でも十分な電気伝導性を有する液状活性材料の場合には、本発明の特に簡単な形態では、容器と同じ液状活性材料が充填された管が適している。液状活性材料を含む管は外部に案内され、そして液状媒体の融点よりも明らかに低く、それ故作動温度よりも低い温度にされる。このようにして、エネルギー負荷が、固体電気伝導体に接触できる。それによって、電流タップのところの、特に電流タップと液状媒体との界面の所の腐食現象を有利に最小化できる。
【0068】
電流の放出は、代替的にまたはそれを補完して、イオン伝導性膜に隣接して配置された電気化学的に作用する触媒層を介しても行うことができる。この形態では、不所望な反応を最小化するために、電流タップとして触媒材料を素材として使用することもできる。
【0069】
本発明によるエネルギー貯蔵装置の特徴の一つは、このタイプの電池が、液状活性材料の構造及び性質の故に、作動中に優先方向を有することである。この場合、該エネルギー貯蔵措置の格別な形態は、以下に記載するように格別な利点を有する。
【0070】
例えば、ハウジング内での電解質及び負のガス電極の配置は、本発明の有利な形態の一つではy−z平面に行われるように定められ(
図4参照)、これは、この時は電解質が本発明のエネルギー貯蔵層中では地表に対して垂直に配置されることを意味する。それに対して、還元及び酸化された形の液状活性材料は、重力のために整然と水平な層を形成して、可能な限り最深の(すなわち地表近く)の点から始まって、これらは可能な限りx−y平面に広がっている。
【0071】
本発明の汎用性を限定することなく、該エネルギー貯蔵装置の有利な構造の意味及びそれによって達成される電池の空間的位置の説明のためまたはより良好な理解のために、
図5に示されるような、酸化剤としての酸素及び液状の還元された状態の活性材料としての金属の特別のケースに依拠する。液状活性材料は、重力のためにx−y平面に整然とした層を形成し、この際、還元されて存在する金属の密度は、金属酸化物の場合では、酸化された活性材料の密度よりも通常は高い。すなわち、液状金属は通常ハウジングの底にたまる。
【0072】
本発明によるエネルギー貯蔵装置のこのような有利な配置は、放電サイクルの時に、膜を通して移動してきた負の粒子が、放電プロセスがどの程度進行したかには関係なく、液状に存在する活性成分との直接的な接触をも少なくとも常に持つという結果を有利にもたらす。放電過程中は、還元されて存在する活性成分の体積は減少し(
図5中の小さな矢印で示される)、そのため膜とのこの層の接着面も減少する。それにもかかわらず、活性材料の酸化は何時でも直接起こすことができ、そして既に酸化した状態の活性材料の層によって不利に妨げられることはない。
【0073】
しかし、他の面では、この本発明による配置は、充電サイクルの時でも(
図5右参照)、活性材料の反応で放出された粒子が、充電プロセスがどの程度進行したかには関係なく、電解質との直接的な接触をも少なくとも常に持つという結果を有利にもたらす。充電過程中は、酸化されて存在するアノード材料の体積は減少し(
図5中の小さな矢印で示される)、そのため膜とのこの層の接着面も減少する。
【0074】
三次元空間でハウジングを変化(例えば回転)させることによって(
図6〜8参照)、電池をx−z平面で回転させることにより、詳しくは、電解質(膜)と還元されて存在する活性材料との間の接触面が最大になるように回転させることにより、例えば放電過程を有利に援助できる。この際、極端なケースでは、電池をx−z平面で90℃回転させることができ、これは、ガス電極及び電解質がほぼ底にあり、そして液状活性材料の層がその上に直に存在することを意味する。充電プロセスの間に形成する比較的軽い酸化された活性材料は、形成されると直ぐに上方に浮かび、そして還元されて存在する活性材料上に第二の層を形成する。それによって、全放電過程の間、膜との全境界面上には、有利なことに、常に、還元されて存在する活性材料しか存在しない。場合によっては、この形態では、集電体が、電解質近くのアノードに配置されるように注意を払う必要がある。
【0075】
他の面では、三次元空間でのハウジングの配置変更は、今度は電解質(膜)と酸化されて存在する活性材料との接触面が最大化されるように電池がx−z平面で回転されることによって、充電過程をも有利に援助することができる。この形態では、集電体が、むしろ電解質からは離して液状相付近に配置されるのが有利であろう。
【0076】
電池の置き方の変更の利点を充電プロセスだけでなく放電プロセスにも最適に利用するためには、該電池の特別の形態では、可変のまたは対応して大面積の集電体が対電極のために設け得る。
【0077】
酸化剤の代わりに例えば水素などの還元性ガスが使用される場合では、上記の化学反応は、充電及び放電過程において、逆の符合の電流でガス電極及び対電極のところで進行する。
【0078】
安全性の理由のため、本発明による液状媒体−ガス電池は、不活性ガス(保護ガス)を充填したハウジング内でまたは排気したハウジング(真空)内で作動させることができる。ここで不活性とは、液状活性材料も、ガス空間からの(反応のための)ガスも保護ガスとは反応しないことを意味する。漏れの場合には、一方では、化学反応に必要まガスの供給が中断され、他方では、不活性ガスまたは真空のために、液状活性材料または反応に予定されたガスのための反応パートナーが存在しない。
【0079】
纏めると、可逆性エネルギー貯蔵装置としての本発明よる液状媒体−ガス電池の利点は以下のように述べることができる:
・この構造は、比較的簡単にまた大規模でも製造できる少ない部材からなる。
・膜と液状活性材料との組み合わせには、伝導性、融点もしくは軟化点、密度、粘度及び腐食特性についての全ての要求を満たすために、多数の潜在的に適した材料を頼ることができる。膜及び液状活性材料に応じて、該電池は、通常の周囲温度または数百度(℃)までの高められた温度において作動する。
・該電池の構造は、電解質が、酸化された形態の活性材料ばかりでなく、還元された形の活性材料といつでも接触しているようにする。
・該電池の特別な構造は、更に、該電池の置き方の変更によって、充電または放電プロセスを有利に援助し得るようすることを可能にする。
・該電池の部材は、基本的に簡単に互いから再び分解することができる。そのために、該電池はリサイクルに有利に適している。
・該電池のエネルギー含量は、(壁の腐食現象は除いて)漏出でしか、すなわち液状活性材料の材料損失でしか減少しない。容器を一杯に満たすことによって、再びフルの初期エネルギー含量が得られる。ガス側でも同様になる。
・万一生じ得る腐食現象は除いて、漏出によるガス損失だけがエネルギー含量を減少し得る。本発明は、ガスとしては空気、酸素のいずれも明示的に含む。この場合、ガス損失は、これが外部への損失であって、液状活性材料に向いたものでない限りは、一般的に些細なものであって、この場合、容量の損失は起こらない。
・作動状態での活性材料の相は液状で存在するため、熱的または化学的要因の体積変化の結果としての機械的応力は重要ではない。破損による活性材料の損傷は起こり得ない。
・活性材料として液体、及びガスが使用されるため、これらは、イオン伝導性膜と常に良好な接触を持つ(例えば、液体の静水圧またはガスの外部からの所与ガス圧)。
・例えば慣用のレドックスフロー電池で使用されるような、腐食性媒体のためのポンプは有利に無しで済ませることができる。
・活性材料は、例えばリチウムイオン電池とは異なり、実際上100%まで利用できる。
・ガスの供給を比較的簡単に止められるため、不具合があった場合、例えば電解質膜が破損した場合には、反応を停止できる。
【0080】
本発明のエネルギー貯蔵装置において場合によっては考慮するべき制約としては、もし活性材料が室温ではまだ液状に存在しない場合の必要な作動温度の調節、及び場合によっては、作動中の該エネルギー貯蔵装置の変わり得る方向付けの考慮のみが挙げられる。