【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ほとんどすべての従来の塗料吹付け機の他の重大な欠点は、過剰スプレーである。例えば、塗料粒子の霧が、噴霧化処理によって生成され、これが部屋全体を、任意の表面に張り付く小さな液滴で充満させる。過剰スプレーは危険でもある:ほとんどの吹付け塗料は、生命に危険性を及ぼし得る。塗料の液滴の吸入を防ぐために、マスクを装着している間に塗布をしなくてはならない。出荷時設定において、吹付け塗料は通常、換気用の特別なブロワーを用いて、密封された箱または小さな部屋内で塗布される。私的家庭で塗布される吹付け塗料は、塗装が所望されないすべての表面を、プラスチックシートの気密層で覆うことによって保護することが要求される。隣接する部屋でさえも、このように保護されねばならない。過剰スプレーはしばしば、スプレーされた全塗料の30%を超えるまでに達する塗料の浪費をもたらし、これは特に、塗装および洗浄に要するかなりのコストを考慮すると、相当の損失である。
【0009】
従来の吹付け塗装方法のさらなる欠点は、跳ね返りである。特に、噴霧化処理はしばしば、塗料液滴の周囲を移動する空気の高速突風を生成する。突風の気流は、塗布標的から反射し、標的へ向かう途中の他の液滴を、標的から完全に押し出す。跳ね返りの副作用として、多くの現在の塗料吹付け機は、幅が2mm程度以下の小さなクラックを、任意の塗料で任意の深さまで充填することができない。跳ね返りを引き起こす高速気流のさらなる欠点は、高速で液滴を吹きつけて、それらが標的に当たる前にそれらを乾燥させてしまう可能性があることである。
【0010】
さらに、加圧式塗装システムの多くは、多数の部品で複雑化しており、したがって、清掃および修理が難しい。吹付け機の清掃は、最も高価なものでさえ、時間を要し、一晩中の浸漬さえも必要となり得る。塗布プロジェクトの途中で塗料の色を変更することは、従来の機器では採用可能ではない。さらに、典型的な従来のシステムは、1つのタイプの液体、すなわち塗料にのみ適合する。したがって、ユーザーは、殺虫剤や空気清浄剤などのような、他の液体を供給するためには、完全に異なる装置を購入する必要が生じるであろう。
【0011】
さらに、現在の加圧式塗装システムは、相当量のエネルギー、高圧、電気コード、バッテリーパック、または、表面に塗料を供給するためのポンプを必要とする。
【0012】
水の蒸発による冷却は、噴霧装置の別の一般的な適用であり、それに特有の範囲の課題をもたらす。廉価の冷却ミストは、良好に噴霧されず、不快かつ不十分な吹付けを生成する。例えば、これらの廉価な噴霧化装置によって生成される大きな液滴は、噴霧化経路および気流経路に直接乗ることが事実上できないので、非常に不快である。次に、従来の噴霧化装置は、非常に大きなサイズの粒子を生成し、それらのうちの多数は全く蒸発しないので、冷却効果を生むことができない。
【0013】
より高価なミスト冷却システムは、高品質の噴霧を生成する。しかしながら、噴霧の生成に必要な高圧が、装置環境内の湿度を上昇させるという、望まれない効果をもたらす。例えば、最小の4つのノズル装置からの水の流れが、1分当たり0.116ガロン未満となるのはまれであり、通常はそれ以上である。水の量は、1分間に装置が、ほぼ2000立方フィートの空気の湿度を50%から70%かそれ以上まで増加させるほどに多い。そのようなレベルでは、蒸発冷却システムは著しく効率が悪くなる。さらに、この追加される湿度が、システムのユーザーにとって不快であるので、典型的には、彼ら自身を冷却するためにシステムを使用することになる。言いかえれば、従来のシステムは、ユーザーが冷却の直接的な利益を受けるのを拒み、全面的に湿度を大幅に上昇させる。典型的な冷却システムのさらなる欠点は、最少の冷却装置と比較して、装置の高コストをもたらすことである。さらに、冷却装置は典型的には、コンプレッサーの動作から、ハイレベルのミストを操作するのに十分な大きさのファンの動作により、および、ノズルからの非常に大きな摩擦により、60デシベル以上の不快な大音量の雑音を生成する。さらに、現在の冷却装置は典型的には、一度に1つのスプレーノズルからミストを生成するのみであり、冷却能力を増大させるには、複数ノズルが必要である。結局、噴霧化は、液滴すべてが噴出されるごく小さな点のまわりのごく狭い領域に、全ての液滴を集中させるものであるから、最良の噴霧化装置は、邪魔であり、不快であり、および平滑表面上で容易に再凝縮する重い霧を生成するという、追加的な欠点を有する。
【0014】
従って、使用中の適応性と同様に、容易なメンテナンス性および清掃性をシステムがもたらすような比較的簡単な構造および組み付け状態を備え、定常的な態様で静かに噴霧を供給する装置に対する要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願の開示は、噴霧装置を実施するための装置および方法を提供する。装置および方法の様々な実施例は、本明細書で提供される。
【0016】
開示される装置は、先行技術の装置と比較して、究極的に小さな粒子から成る微細なミストを提供する。微細なミストは、少なくとも一部が、装置の設計の結果であり、これは、2つの処理の組合せに依存する:第1は、フィラメント上への液体の限定的付着、および第2は、各振動ごとに1つの液滴を放出するように制御されたフィラメントの振動、である。液体は、ストリーム中のフィラメントから、フィラメントがはね返った後、放出され、続いて振動処理を受け、そこでフィラメントは、フィラメントの中立位置を通って前後に曲がる。特に、開示される装置は、ブラシと接触プレートを含み、接触プレートは、複数の毛細管状の開口部を含む。毛細管が、外力を付加することなく、液体を毛細管状の開口部内へ吸収するために、液体は、毛細管状の開口部の下のキャビティまたは空間に供給される。装置の動作において、毛細管は液体を「枯渇」させることが可能であり、毛管現象が可能な限界まで毛細管を充満させるのに十分な液体は決して提供されない。代わりに、チューブ最頂部におけるメニスカスは、上方から接触する液体の小さな端部のみを表示するために、誇張された双曲線の形態に湾曲することが可能である。ブラシが接触プレートに接すると、そのフィラメントは、毛細管状の開口部上で一つずつ引っ張られ、そこにおいて、毛細管状の開口部内の少量の液体(0.00001立方センチメートル単位)が、ブラシの個々のフィラメントに付着する。ブラシの回転が継続すると、フィラメントはプレートとの接触を維持し、それによって、この液体を搬送する。その後、液体は、フィラメントが、接触プレートとの接触から離脱して振動するときに、均等な小さな部分に分割されてフィラメントから放出され、フィラメントの方向変化のたびごとに1つの液滴が放出される。ブラシが軸方向に回転する場合、液体は、接触プレートから約180度で放出される。接触プレートは、扁平形態であってもよく、そこにおいて、フィラメントは連続的な湾曲が及ぼされ、放出動作によってフィラメントが待機状態から変形し、フィラメントから任意の液体を放出の前に脱落させるような衝撃を全く生成せずに、それらの弾性力による位置エネルギーを蓄積して放出する。扁平形態は、蓄積された液体の過剰分が、放出点に集中するのを防ぐ。
【0017】
水と同じ粘度の液体が使用される場合、接触プレート下部の囲まれたキャビティの深さは約1‐2ミリメートルに固定され、液体を毛細管状の開口部へ、それらを溢れさせることなく連続的に供給するという、重要で、非常に簡単であり、かつ低廉である方法を提供する。毛細管およびこれが規定する狭い空間内の液体に作用する他の外力によって、空間は液体に作用して、仮にフィラメントに付着した場合、噴霧品質を損なうような大型の液滴を形成させることなく、液体自体を毛細管の下部領域の全体にわたり均等に分散させる、これは、可動部を持たない簡単な機械的構造で達成される。さらに、この小空間内で機能する水様の液体の各種特性に依存して、キャビティは、装置が任意の向きで使用されることを可能にし、重力によって、液体が任意の1箇所に過度に集中して、フィラメントを溢れさせるのを防止する。装置が水の粘度の液体を噴霧化するために使用される場合、空間の深さは1‐2mmでよく、その距離において、元来の粘度、毛細管作用および液体の粘着力に従って、水が分散され、空間を充満させる。過剰の液体が空間に入ることが防止される場合、これらの自然力は、空間の内部に液体を強固に維持して、フィラメントが付着して少量を引っ張り出さない限り、液体が毛細管の頂部を離れるのを防止し、装置を任意の配置で、たとえば上下逆さまでも、フィラメントの付着力以外の外力によって液体を空間内から離脱させることなく、利用することを可能する。
【0018】
本願装置の特定の設計は、吸収した液体をフィラメント上に放出するか、または、接触プレートからおよそ180度逆立てて、そこで、接触プレートがフィラメントに液体を供給する。これに対し、一動作(flicking)に依存する最も一般的な霧噴装置は、スナップバーから約90°で噴霧吹付けを生成する。
【0019】
液体のストリーム内への放出は、フィラメントが接触プレートから弾かれてから約100分の3秒後に開始し、これは、最初の振動に要する時間でもある。ストリームは、その後、10分の2秒まで継続する。これに対し、従来の霧噴装置は、フィラメントが離れたときに、より大きなサイズの液滴を、バーから直接弾きだす。言いかえれば、本願システムは、振動機能を含まない従来の低い回転数(rpm)の装置よりも、はるかに小さな液滴を生成する振動機能を含んでいる。
【0020】
ブラシが接触プレートに接触すると、毛細管状の開口部内のごく少量の液体が、ブラシのフィラメントの先端部に付着する。この装置の限定的付着特性は、毛細管状の開口部上に引っ張られるときの各フィラメントに利用可能な液体の量が、約0.00001立方センチメートルであるようなものである。これに対し従来の装置は、この時点で、フィラメントがはるかに大量の液体に接することを容認しており、その際、自然力によって、フィラメントは、本願装置より何倍も多くの液体を吸収し、続いて放出される粒子のサイズを劇的に増大させ、噴霧品質を低下させる。非常に高い回転数(rpm)によってのみ、液体のこのような量を有効に噴霧化することが可能であり、これには、エネルギーの高コストと騒音とを伴わざるを得ない。限定的な付着処理の結果として、本願装置は、800rpm、または400rpmにおいてさえも、微細なミスト、すなわち、良質の噴霧を得るための、他の装置では数千Rmが必要とされる細片を生成する。
【0021】
装置からの液体の噴霧は、湾曲させたフィラメントを接触プレートから離脱させた結果であり、その位置で、フィラメントは、待機位置または通常の直線位置に戻る。特に、離脱後、フィラメントは、その通常の直線位置を通過して、その通常の直線位置へ戻る前に、前方に湾曲した位置へ移動する。振動から生成される加速が、3500rpmで回転するスピニングディスク噴霧化システムの加速に匹敵するので、この振動が噴霧を生成する。フィラメントが離脱した後も振動が継続するので、およびフィラメントは軸回転構造であるので、液体は、接触プレートから180度の範囲で放出される。さらに、この振動工程は、フィラメント頂部のごく小量の液体をさらに少量へ粉砕することによって、噴霧化を格段に増強する:フィラメントの各振動につき1つの液滴だけが放出される。振動が液体を噴霧化するのに十分な外力を与える場合に、振動の数および強度の決定は、フィラメントを離脱前に湾曲させる要因であるフィラメント材料、厚さ、長さおよび量などの多数の特性の理解に依存する。振動による噴霧化は、過剰スプレーを防止する:粒子はすべて、平行な前方への運動量と、振動周期の末端における同一の前進速度とを持って放出される。したがって、それらは、従来の加圧吹付け機の生成物のように、ストリームから離れて浮遊したり漂流したりすることがない。さらに振動は、噴霧化した粒子の高度に拡散した一噴きという利点を有し、1度に1つの粒子が放出されることにより、自動的に相互に分離される。
【0022】
フィラメントの長さは、任意の適当な長さでよい。例えば、より短いフィラメント長さは、フィラメントから液体を放出するための、より高速のスナップ(snap)を生成する。より短いフィラメントは、塗料のような、より高粘度の液体を放出するのに特に適している。回動速度を大きくしても、スナップ力が増大する。フィラメントは、変形時に弾性エネルギーを蓄える任意の物質で製造され得る。これには、ステンレススチール、ばね鋼および他の物質を含む。
【0023】
跳ね返り防止:
フィラメントを回転させることにより生成される気流はほとんど無視できるので、装置は、液滴を伴う気流をほぼ生成しない。同時に装置は、スナップの速度にブラシの回転速度が加わるので、フィラメントの回転によって生成される前方への運動量よりも高速の速度で射出される液体の粒子または液滴を生成し得る。例えば、ブラシが約900rpmで回転する場合、2m/sの前進速度が生成され、接触プレートから離れた時のフィラメントのスナップによって、液滴の射出速度にさらに2m/sが加わる。速い気流速度を有する液滴と、液滴を囲む非常に低い速度を有する大気との組合せは、「跳ね返り」の代わりに、液滴が、荷重のない気流よりも、実際に先へ進んでいることを意味する。結果として、装置は、基材上の幅1mm程度の細く、かつ深さ10mmのクラックの内部を被覆するための塗料のミストを提供するのに適している。
【0024】
本願の開示は、上部プレートと下部プレートとを含む接触プレートを含む噴霧化装置であって、上部プレートと下部プレートとは、それらの間に空間を規定するための距離だけ離されている噴霧化装置を提供する。上部プレートは、天面から底面まで上部プレートを通じて伸びる複数の毛細管状の開口部を含む。装置はさらに、空間と流体流通可能に連絡する液体源であって、空間および複数の毛細管状の開口部に、限定された量の液体を供給する液体源と、ブラシであって、回転する回転ブラシの中心軸から放射状(radial)に延びる複数のフィラメントを含むブラシ、とを含む。
【0025】
ブラシは、第1の放射方向へ回転すると、フィラメントが、接触プレートに接したときに湾曲し、接触プレートとの接触を離脱したときに解放されて、フィラメントから液体を射出させるものである。フィラメントが接触する接触プレートの部分は、螺旋状に湾曲した表面を含み、半径は、第1の放射方向に続く経路に沿って減少している。
【0026】
実施例において、装置は筒状のハウジングを含み、ハウジングは、接触プレートと回転ブラシを含み、ハウジングは、開口部を含み、ブラシが回転すると、フィラメントからの液体が、開口部を通じて射出される。ハウジングは、上方部と下方部とを含み、接触プレートは下方部内に配置され、開口部は上方部内に配置される。
【0027】
他の実施例において、装置は、接触プレートの下側から伸び、ブラシの部分を囲むアーチ形の障壁を含み、アーチ形の障壁は、フィラメントから放出される液体の一部を収集し、障壁は、液体源と流体連絡している。障壁は、フィラメントによって接触プレートから即座に放出されて噴霧化されなかったより大きな液滴を収集してもよい。大型の液滴は、多くの従来の噴霧化装置の唯一の生成物である。これに対し本願装置は、ミストの形状において所望されるより小さな液滴サイズを維持するために、大型の液滴をストリームから除去する。さらに障壁は、フィラメントの振動によって後方へ投げつけられた液滴を捕捉し得る。言いかえれば、振動から順方向にフィラメントから射出された液体のみが、結果的にミストを生成する。後方への振動動作から射出された液体は、障壁によって収集され得る。
【0028】
ブラシの回転は、モータによって、または手動で駆動されてもよい。実施例において、装置は、毎時600mLの液体をミストに変換するように構成される。
【0029】
実施例において、装置は、フィラメントからの液体を供給することができ、液体は、液体粒子の形態で射出され得るものであり、液体粒子の少なくとも50%は、100ミクロン以下の径寸法を有する。装置は、20μm以上350μm以下の間の寸法を有する液体粒子を生成するのに適している。装置は、20μm以上100μm以下の間の寸法を有する液体粒子を生成するのに適している。
【0030】
毛細管状の開口部の直径は、0.5mm以上2.0mm以下である。実施例において、毛細管状の開口部の直径は、1mm、1.5mm、2mmまたは2.5mmである。
【0031】
毛細管状の開口部は、液体を含む得るものであって、フィラメントによって運ばれる液体の一部は、接触プレートから約180度の範囲でフィラメントから放出される。約180度は、回転するブラシの放射経路に沿って測定されるものである。
【0032】
液体源は、液体が上部プレートの頂面から溢れださないよう、毛細管状の開口部における液体量を維持するために、液体の放出を制御し得る。実施例において、液体源は正圧源を含み、正圧によって、上部プレートと下部プレートとの間の液体量が維持される。
【0033】
本願の開示は、前述のように、噴霧化装置を提供する工程を含む、噴霧化方法を提供する。方法はさらに、フィラメントが接触プレートと接触するように、ブラシを回転させることを含み、フィラメントは、毛細管状の開口部内からフィラメントへ供給される液体の一部を吸収する。ブラシが第1の放射方向に回転すると、フィラメントは、接触プレートに接しているときに湾曲し、接触プレートとの接触を離脱したときに解放されて、フィラメントから液体を射出し、フィラメントが接触する接触プレートの一部は、螺旋状に湾曲した表面を含み、半径は、第1の放射方向に続く経路に沿って減少する。
【0034】
方法は、接触プレートとの接触を離脱したときに、フィラメントが、直線位置を通って、前方湾曲位置と後方湾曲位置との間で振動することを含み、フィラメントは、フィラメントが、前方位置および後方位置とで方向を変化させるたびごとに、液体を射出させる。
【0035】
本明細書で提供される装置の利点は、高rpmのディスクまたはブラシ、または液体を供給するための高圧を使用する装置と比べて、よりコスト効率が良く、エネルギー効率のよい霧噴装置を提供することである。本願装置では、噴霧化が生じるときのみ、エネルギーが消費される。これに対し従来の装置は、装置が必要とするエネルギーの大部分は、たとえ電力の大部分が実際の噴霧化に使用されなくても、装置に対する電力の一定供給を維持することに消費される。
【0036】
装置の他の利点は、静かであるということである:フィラメントを振動させることによる噴霧化は、きわめて小さいノイズしか発生させないので、居住環境内で快適に利用することが可能である。装置は、室内生活圏に対し推奨される、ユニットから6フィートの距離で50デシベル未満という音圧範囲内で動作することができる、例えば、多くの現在のミスト冷却システムの音は、これより10倍大きく、60デシベル以上である。
【0037】
本願が提供する装置の他の利点は、1タイプの物質だけを吹付けるように設計された現在のミスト化または吹付け装置とは対照的に、塗料、殺虫剤、空気清浄剤、他の物質を供給するためにも装置を使用し得ることである。本願装置は、使用される物質または液体のタイプに依存して選択され得る、交換可能な回転ブラシおよび障壁を含み得る。例えば、ユーザーは、水と共に使用する場合よりもラテックス系塗料と使用する場合に、異なる回転ブラシを使用することが有利であると感じるかもしれない。例えば、装置が塗料と共に使用される場合、より堅い剛毛状であるものが有用であり得る。
【0038】
さらに装置の他の利点は、他の従来装置と比べて、より穏やかな吹付け速度を生成することである。結果として、装置のユーザーは、l/16インチの正確なトリムラインを描くための1インチ/秒のより扱いやすい速度で、吹付けを行い得る。したがって、本願装置は、専門家のみならず、任意の一般人によっても容易に操作され得る。
【0039】
ミスト冷却に使用された場合の装置の他の利点は、装置が、ユーザーに対し、快適に微細化され高度に拡散された冷却ミストを生成し、ストリームが、ユーザーを直接的に指向し得るということである。さらに、直接的ストリームが不快であるために、対象の周囲の全雰囲気の冷却に頼らねばならないような他のシステムと比べて、そのような直接的ストリームは、よりはるかに効率的に水を使用する、広範な冷却を提供することが可能である。
非常に少量の水しか蒸発に使用しないので、本願装置は、そのようなシステムほどには、環境湿度を増加させることがない。
【0040】
さらに、装置の他の利点は、1点でだけでなく、ブラシの全長にわたり、吹付けを生じさせるということである。液体の拡散は、塗料のより均等な被覆を生成する。
【0041】
本明細書で提供される装置の他の利点は、大抵の商用霧噴装置とは対照的に、本装置は閉塞を起こさないということである。水のミスト化の場合は約1ミリメートル未満、塗料吹付けの場合は約2ミリメートル未満を通過させないことにより、閉塞せずに通過する通常の液体内のすべての一般的な異物用の広い部屋が提供される。さらに、ラテックス塗料を供給する例において、装置は、供給前の塗料の希釈を必要としない。
【0042】
本明細書で提供される装置のさらなる利点は、装置が、分解清掃するのに便利かつ容易であるということである。
【0043】
さらに本明細書に開示される装置の他の利点は、使用中の間でも、装置から噴出されたミストの一噴きサイズを容易に変更できるように設計されているということである。例えば、多数のノズルを使用せずに、他の従来のシステムによって典型的には達成できなかった、20フィートよりも長い1噴きの吹付けを生成し得る。さらに本願装置によって生成される一噴きのサイズは、装置の使用中に変更し得る。
【0044】
本発明の他の利点は過剰スプレーの大幅な低減である。言いかえれば、本願装置は、廃棄物として犠牲にされる超過吹付けの損失を防止する。過剰スプレーが無くなることにより、本願装置は、ユーザーの使用に対し、より安全である。本装置は、ユーザーが吸引を回避すべきミストの雲を生成する従来の吹付け装置のようには、すべての方向に液滴を射出しないので、装置は過剰スプレーを生成しない。その代わりに本願装置は、塗料液滴の直線的な吹付けを生成する。
【0045】
本願装置のさらなる利点は、いくつかの構造において、それが任意の向きで使用され得るということである。これに対し従来の吹付け機は、ただ1つの向きにしか使用されない。本願装置は、使用中に、傾斜状態、および天地逆さまの状態にさえもなし得る。
【0046】
実施例の追加の目的、利点および新規の特徴は、後続の記載中で一部述べられる。一部は、後続の記載および添付図面を検討することで当業者に明白になり、あるいは、実施例を製造または操作することによって理解され得る。本概念の目的および利点は、添付の特許請求の範囲で特に指摘される方法、手段および組合せによって実現および達成され得る。