(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670267
(24)【登録日】2020年3月3日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】レンズモジュール
(51)【国際特許分類】
G03B 11/04 20060101AFI20200309BHJP
G03B 15/00 20060101ALI20200309BHJP
G02B 7/02 20060101ALI20200309BHJP
G03B 9/02 20060101ALI20200309BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
G03B11/04 B
G03B15/00 G
G02B7/02 H
G02B7/02 C
G03B9/02 A
G02B7/02 Z
H04N5/225 400
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-68698(P2017-68698)
(22)【出願日】2017年3月30日
(65)【公開番号】特開2018-87955(P2018-87955A)
(43)【公開日】2018年6月7日
【審査請求日】2018年6月26日
(31)【優先権主張番号】105218246
(32)【優先日】2016年11月29日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】516308467
【氏名又は名称】麗寶大數據股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 大和
(72)【発明者】
【氏名】羅 登男
(72)【発明者】
【氏名】▲蔡▼ 東凱
【審査官】
高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−293340(JP,A)
【文献】
実公昭38−004542(JP,Y1)
【文献】
特開2007−094074(JP,A)
【文献】
特開平08−328084(JP,A)
【文献】
特開2015−232667(JP,A)
【文献】
特開2015−203838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 11/04
G02B 7/02
G03B 9/02
G03B 15/00
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベース上に配置されたレンズと、
前記ベース及び前記レンズの上方に回転可能に配置され、前記レンズに対応して配置された第1通し穴を有する前面カバーと、
前記ベース上で旋回する第1組の遮光板と、
前記ベース上で旋回する第2組の遮光板と、
前記前面カバーの第1通し穴内に固定されたガスケットとを具えたレンズモジュールであって、
前記第1組の遮光板は、前記ベースと前記第2組の遮光板との間に配置され、前記第1組の遮光板と前記第2組の遮光板とは互いに干渉し合い、
前記第2組の遮光板は、前記ガスケットと前記第1組の遮光板との間に配置され、前記ガスケットと前記第2組の遮光板とは互いに結合され、前記ガスケットは、前記レンズに対応して配置された第2通し穴を有し、前記ベースと前記前面カバーとが相対的に回転すると、前記ガスケットが前記前面カバーと共に回転して、互いに干渉し合う前記第1組の遮光板及び前記第2組の遮光板を駆動して前記ベースに対して限定的に振れ動かし、これにより、前記第1組の遮光板及び前記第2組の遮光板が前記第2通し穴内に移動して前記レンズの少なくとも一部分を覆い、あるいは、前記第2通し穴から離れるように移動して前記レンズを露出させる、レンズモジュール。
【請求項2】
前記ベースが少なくとも1つの第1ガイド部を有し、前記前面カバーが少なくとも1つの第2ガイド部を有し、前記第1ガイド部と前記第2ガイド部とが互いに結合され、前記第1ガイド部及び前記第2ガイド部は前記レンズの周囲に配置されている、請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項3】
前記第1ガイド部が摺動ブロックであり、前記第2ガイド部が摺動スロットである、請求項2に記載のレンズモジュール。
【請求項4】
前記第1組の遮光板が2枚の第1遮光板を具え、該第1遮光板の各々が第3ガイド部を有し、前記第2組の遮光板が2枚の第2遮光板を具え、該第2遮光板の各々が第4ガイド部を具え、前記第1遮光板と前記第2遮光板とは対をなして配置され、前記第1遮光板の各々と、それに対応する前記第2遮光板とは、それぞれに対応する前記第3ガイド部及び前記第4ガイド部により互いに結合されている、請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項5】
前記第3ガイド部の各々が摺動ピンであり、前記第4ガイド部の各々が摺動スロットである、請求項4に記載のレンズモジュール。
【請求項6】
前記第2遮光板の各々が第5ガイド部を有し、前記ガスケットが2つの第6ガイド部を有し、前記第5ガイド部のそれぞれが、前記2つの第6ガイド部のそれぞれと互いに結合され、前記第5ガイド部の各々、及びそれに対応する前記第4ガイド部は、それらに対応する前記第2遮光板の対向する2つの側部に配置されている、請求項4に記載のレンズモジュール。
【請求項7】
前記第5ガイド部の各々が摺動ピンであり、前記第6ガイド部の各々が摺動スロットである、請求項6に記載のレンズモジュール。
【請求項8】
前記第1遮光板の各々が第1片方側端を有し、前記第2遮光板の各々が第2片方側端を有し、前記ベースと前記前面カバーとが相対的に回転すると、前記ガスケットが前記前面カバーと共に回転して、前記第2遮光板を前記ベースに対して限定的に振れ動かし、前記第1遮光板が当該第1遮光板に対応する前記第2遮光板によって駆動されて、前記ベースに対して限定的に振れ動き、2つの前記第1片方側端が互いに結合され、2つの前記第2片方側端が互いに結合された後に、前記第1組の遮光板及び前記第2組の遮光板が前記レンズを覆う、請求項4に記載のレンズモジュール。
【請求項9】
前記2枚の第1遮光板のそれぞれが、前記ベースの一対の対向する隅部のそれぞれに旋回可能に接続され、前記2枚の第2遮光板のそれぞれが、前記ベースの一対の対向する隅部のそれぞれに旋回可能に接続されている、請求項4に記載のレンズモジュール。
【請求項10】
前記ガスケットが少なくとも1つのスロットをさらに有し、前記前面カバーが少なくとも1つのフックをさらに有し、前記スロットと前記フックとが互いに係合し合う、請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項11】
前記前面カバーが、前記ガスケットを支持するように構成された少なくとも1つの支持部を有し、これにより、前記ガスケット及び前記ベースが、前記第1組の遮光板及び前記第2組の遮光板を収容する空間を規定する、請求項1に記載のレンズモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本願は、台湾特許出願第105218246号、2016年11月29日出願に基づいて優先権を主張する。上記特許出願の全文は、参照することにより本明細書に含め、本明細書の一部を構成する。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明はレンズモジュールに関するものであり、特に、調整可能な視野を有するレンズモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
レンズモジュールは、携帯電話、ノート型コンピュータ、タブレット・コンピュータ、カメラ、ビデオカメラ、あるいはモニタにおいて、画像を捕捉しビデオを記録するために一般に用いられている。一般に、固定焦点距離を有するレンズモジュールは固有の視野を有する。従って、撮影される対象物とレンズモジュールとの間の距離は、視野内の周囲の背景に対する対象物の割合(対象物対背景比)に影響し得る。より具体的には、対象物がレンズモジュールに比較的近い場合、対象物が視野内に占める面積の割合は相対的に高くなる。レンズモジュールは静止しているが対象物はレンズモジュールから離れるように移動する場合、対象物が視野内に占める面積の割合は減少し、周囲の背景が視野内に占める面積の割合は増加する。
【0004】
こうした条件下では、写真撮影者は、撮影後に、生成された画像中の背景を画像処理ソフトウェアによって除去する必要がある。しかし、上述した画像撮影後の段階後に得られる画像中の対象物のエッジは、より粗く不明瞭になりがちである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、固定焦点距離を有するが視野を調整することができるレンズモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ベース、レンズ、前面カバー、第1組の遮光板、第2組の遮光板、及びガスケットを含むレンズモジュールを提案する。レンズはベース上に配置されている。前面カバーはベース及びレンズの上方に配置され、前面カバーはレンズに対応して配置された第1通し穴(スルーホール)を有する。第1組の遮光板はベース上で旋回する。第2組の遮光板はベース上で旋回し、第1組の遮光板はベースと第2組の遮光板との間に配置され、第1組の遮光板と第2組の遮光板とは互いに干渉し合う。ガスケットは、前面カバーの第1通し穴内に固定され、第2組の遮光板はガスケットと第1組の遮光板との間に配置され、ガスケットと第2組の遮光板とは互いに結合されている。ガスケットはレンズに対応して配置された第2通し穴を有し、ベースと前面カバーとが相対的に回転すると、ガスケットが前面カバーと共に回転して、互いに干渉し合う第1組の遮光板及び第2組の遮光板を駆動して、ベースに対して限定的に振れ動かし、これにより第1組の遮光板及び第2組の遮光板は、第2通し穴内に移動してレンズの少なくとも一部分を覆い、あるいは、第2通し穴から離れるように移動してレンズを露出させる。
【0007】
本発明の一好適例では、ベースが少なくとも1つの第1ガイド部を有し、前面カバーが少なくとも1つの第2ガイド部を有し、第1ガイド部と第2ガイド部とは互いに結合され、第1ガイド部及び第2ガイド部はレンズの周囲に配置されている。
【0008】
本発明の一好適例では、第1ガイド部が摺動(スライディング)ブロックであり、第2ガイド部が摺動スロットである。
【0009】
本発明の一好適例では、第1組の遮光板が2枚の第1遮光板を含み、第1遮光板の各々が第3ガイド部を有する。第2組の遮光板は2枚の第2遮光板を含み、第2遮光板の各々が第4ガイド部を有する。第1遮光板と第2遮光板とは対をなして配置され、第1遮光板の各々とそれに対応する第2遮光板とは、それぞれに対応する第3ガイド部及び第4ガイド部により互いに結合されている。
【0010】
本発明の一好適例では、第3ガイド部の各々が摺動ピンであり、第4ガイド部の各々が摺動スロットである。
【0011】
本発明の一好適例では、第2遮光板の各々が第5ガイド部を有し、ガスケットが2つの第6ガイド部を有する。2つの第5ガイド部のそれぞれは、2つの第6ガイド部のそれぞれと互いに結合されている。第5ガイド部の各々、及びそれに対応する第4ガイド部は、それらに対応する第2遮光板の互いに対向する側部に配置されている。
【0012】
本発明の一好適例では、第5ガイド部の各々が摺動ピンであり、第6ガイド部の各々が摺動スロットである。
【0013】
本発明の一好適例では、第1遮光板の各々が第1片方側端を有し、第2遮光板の各々が第2片方側端を有する。ベースと前面カバーとが相対的に回転すると、ガスケットが前面カバーと共に回転し、第2遮光板の各々を駆動してベースに対して限定的に振れ動かし、第1遮光板の各々がそれに対応する第2遮光板によって駆動されてベースに対して限定的に振れ動き、2つの第1片方側端が互いに結合され、2つの第2片方側端が互いに結合された後に、第1組の遮光板及び第2組の遮光板がレンズを覆う。
【0014】
本発明の一好適例では、2枚の第1遮光板のそれぞれが、ベースの一対の対向する隅部(コーナー)のそれぞれに旋回可能に接続され、2枚の第2遮光板のそれぞれが、ベースの他の一対の対向する隅部のそれぞれに旋回可能に接続されている。
【0015】
本発明の一好適例では、ガスケットが少なくとも1つのスロットをさらに有し、前面カバーが少なくとも1つのフックをさらに有し、これらのスロットとフックとは互いに係合し合う。
【0016】
本発明の一好適例では、前面カバーが、ガスケットを支持するように構成された少なくとも1つの支持部を有し、これによりガスケット及びベースが、第1組の遮光板及び第2組の遮光板を収容する空間を規定する。
【0017】
以上に基づいて、本発明の固定焦点距離を有するレンズモジュールでは、レンズの上方に配置された第1組の遮光板及び第2組の遮光板が手動で制御されて、レンズモジュールの視野を調整するように移動する。
【0018】
本発明の上述した特徴及び利点、及び他の特徴及び利点をより分かり易くするために、図面を添付したいくつかの好適な実施形態を以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態によるレンズモジュールの概略分解図である。
【
図2】
図1のレンズモジュールの第1状態における概略組立図である。
【
図3】第1状態から第2状態へ転換中の
図2のレンズモジュールの概略図である。
【
図4】第2状態から第3状態へ転換中の
図3のレンズモジュールの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施形態の説明
図1は、本発明の一実施形態によるレンズモジュールの概略分解図である。
図2は、
図1のレンズモジュールの第1状態における概略組立図である。説明を明瞭にし容易にするために、
図2では、第2組の遮光板150及びガスケット160を透明に描画し、
図2に示す第1状態を全閉状態と称することがある。
図1〜2を参照すれば、本実施形態では、レンズ100は、携帯電話、ノート型コンピュータ、タブレット・コンピュータ、カメラ、ビデオカメラ、あるいはモニタに応用可能である。例えば、レンズモジュール100は制御部(図示せず)に電気結合することができ、制御部(図示せず)は無線(または有線)送信部(図示せず)に電気結合することができる。従って、ユーザは信号を無線(または有線)送信部(図示せず)に遠隔的に送信することができ、無線(または有線)送信部(図示せず)は、受信した信号を制御部(図示せず)へ送信する。この時、制御部(図示せず)は、レンズモジュール100を制御して、この信号に応じて画像を捕捉しビデオを記録する。他の実施形態では、レンズモジュールを本体(図示せず)と組み合わせることができ、対応する物理的または仮想的なボタンが本体(図示せず)上に設けられ、ユーザは物理的または仮想的なボタンを押すかこれらのボタンに触れて、レンズモジュールを制御して画像を捕捉しビデオを記録することができる。本発明における、レンズモジュールを制御して画像を捕捉しビデオを記録する方法は、限定的なものではない。
【0021】
レンズモジュール100は、ベース110、レンズ120、前面カバー130、第1組の遮光板140、第2組の遮光板150、及びガスケット160を含む。これに加えて、レンズ120はベース110上に配置され、ベース110内に埋め込まれている。ベース110は、レンズ120の少なくとも一部分を露出させるように構成された窓領域111を有する。前面カバー130は、ベース110及びレンズ120の上方に回転可能に配置され、前面カバー130は、レンズ120に対応して配置された第1通し穴131を有する。より具体的には、第1通し穴131は、レンズ120の直上に位置して、窓領域111及びレンズ120と整列している。
【0022】
第1組の遮光板140及び第2組の遮光板150の各々は、ベース110上で旋回し、第1組の遮光板140は、ベース110と第2組の遮光板150との間に配置されている。より具体的には、第1組の遮光板140と第2組の遮光板150とは互いに干渉し合い、第1組の遮光板140は2枚の第1遮光板141を含み、第2組の遮光板150は2枚の第2遮光板151を含み、2枚の第1遮光板141のそれぞれは、ベース110の一対の対向する隅部のそれぞれに旋回可能に接続され、2枚の第2遮光板151のそれぞれは、ベース110の一対の対向する隅部のそれぞれに旋回可能に接続されている。第1遮光板141及び第2遮光板151は対をなして配置され、一対の第1遮光板141と一対の第2遮光板151とは互いに干渉し合う。ガスケット160は前面カバー130の第1通し穴131内に固定され、第2組の遮光板150は、ガスケット160と第1組の遮光板140との間に配置され、ガスケット160と第2遮光板151の各々とは互いに結合されている。例えば、ガスケット160は少なくとも1つのスロット161を有することができ、前面カバー130は少なくとも1つのフック132を有することができ、フック132は第1通し穴131の内側に配置された突起であり、スロット161とフック132とは互いに係合し合って、ガスケット160を第1前面カバー130の第1通し穴131内に固定する。他の実施形態では、これらのスロット及びフックの位置を入れ替えることができる。例えば、フックをガスケット上に配置し、スロットを前面カバーの第1通し穴の内側に配置することができる。
【0023】
本実施形態では、ガスケット160が、レンズ120に対応して配置された第2通し穴162を有し、第2通し穴162は、レンズ120の直上に配置されて、第1通し穴131、レンズ120、及び窓領域111と整列する。一方、前面カバー130は、ガスケット160を支持するように構成された少なくとも1つの支持部を有し、これにより、ガスケット160とベース110との間のギャップが、第1組の遮光板140及び第2組の遮光板150を収容するための空間を規定するように維持される。
図2は、レンズ120が第1組の遮光板140及び第2組の遮光板150によって覆われていることを表す第1状態(全閉状態)を例示し、第1遮光板141の各々は第1の片方側端141aを有し、第2遮光板151の各々は第2の片方側端151aを有する。
図2の第1状態(全閉状態)では、2つの第1片方側端141aが互いに結合され、2つの第2片方側端151aが互いに結合され、これにより、レンズ120が第1組の遮光板140及び第2組の遮光板150によって覆われる。
【0024】
図3は、第1状態から第2状態へ転換中の
図2のレンズモジュールの概略図である。
図4は、第2状態から第3状態へ転換中の
図3のレンズモジュールの概略図である。説明を明瞭にし容易にするために、
図3〜4では、ガスケット160及び第2組の遮光板150を透明に描画し、
図3に示す第2状態は半開状態と称することがあり、
図4に示す第3状態は全開状態と称することがある。
図2〜4を参照すれば、本実施形態では、前面カバー130とベース110とが相対的に回転すると、ガスケット160が前面カバー130と共に回転して、第2組の遮光板150を駆動してベース110に対して限定的に振れ動かし、第1組の遮光板140は第2組の遮光板150によって駆動されてベース110に対して限定的に振れ動き、これにより、第1組の遮光板140及び第2組の遮光板150が第2通し穴162内に移動してレンズ120の少なくとも一部分を覆い、あるいは、第2通し穴162から離れるように移動してレンズ120を露出させる。
【0025】
詳細には、ベース110は少なくとも1つの第1ガイド部112を有し、前面カバー130は少なくとも1つの第2ガイド部134を有する。第1ガイド部112は弧形摺動ブロックとすることができ、第2ガイド部134は弧形摺動スロットとすることができ、第1ガイド部112と第2ガイド部134とは互いに結合され(即ち、弧形摺動ブロックは弧形摺動スロット内に摺動可能に配置され)、第1ガイド部112及び第2ガイド部134はレンズ120の周囲に配置されている。第1ガイド部112及び第2ガイド部134の案内により、ベース110と前面カバー130とは相対的に回転することができる。他の実施形態では、弧形摺動ブロックと弧形摺動スロットとを入れ替えることができる。例えば、弧形摺動スロットをベース上に配置することができ、弧形摺動ブロックを前面カバーの内側に配置することができる。
【0026】
一方、2枚の第1遮光板141のそれぞれは、ベースの一対の対向する隅部のそれぞれに旋回可能に接続され、2枚の第2遮光板151のそれぞれは、ベースの一対の対向する隅部のそれぞれに旋回可能に接続されている。従って、2枚の第1遮光板141及び2枚の第2遮光板151は、ベース110に対して、4本の平行な異なる軸のそれぞれの周りに限定的に振れ動く。換言すれば、2枚の第1遮光板141及び2枚の第2遮光板151は、ベース110上に偏心して配置されている。第1遮光板141の各々は第3ガイド部141bを有し、第2遮光板151の各々は第4ガイド部151bを有し、第1遮光板141と第2遮光板151とは、対をなして、それぞれに対応する第3ガイド部141b及び第4ガイド部151bにより互いに結合されている。本実施形態では、第3ガイド部141bの各々が摺動ピンであり、第4ガイド部151bの各々が摺動スロットであり、摺動ピンの各々が、それに対応する直線状の摺動スロット内に配置され、直線状の摺動スロットは、閉じ側死点151c、及び閉じ側死点151cに対応する広がり側死点151dを有する。第1状態(全閉状態)では、第3ガイド部141bの各々が、それに対応する第4ガイド部151bの閉じ側死点151cに位置する。
【0027】
第2遮光板151の各々は第5ガイド部151eを有し、第5ガイド部151eの各々、及びそれに対応する第4ガイド部151bは、それらに対応する遮光板151の対向する2つの側部に配置されている。ガスケット160は2つの第6ガイド部163を有し、2つの第5ガイド部151eのそれぞれは、2つの第6ガイド部163のそれぞれと互いに結合され、第5ガイド部151eの各々は摺動ピンであり、第6ガイド部163の各々は摺動スロットであり、摺動ピンの各々は、それに対応するスロット内に摺動可能に配置されている。他の実施形態では、第5ガイド部を摺動スロットとすることができ、第6ガイド部を摺動ピンとすることができる。
【0028】
ユーザが手動でベース110と前面カバー130とを相対的に回転させると(即ち、ベース110が前面カバー130に対して回転方向Rに回転すると)、第2ガイド部134が、それに対応する第1ガイド部112に対して回転方向Rに沿って摺動し、これによりガスケット160が前面カバー130と共に回転する。この時、2つの第5ガイド部151eのそれぞれが、2つの第6ガイド部163のそれぞれによって案内され、これにより2枚の第2遮光板151が、ベース110に対して、それぞれの異なる振れ方向に限定的に振れ動く。2つの第3ガイド部141bのそれぞれは、2つの第4ガイド部151bのそれぞれによって案内され、これにより、2枚の第1遮光板141のそれぞれが、ベース110に対して、それぞれの異なる振れ方向に沿って限定的に振れ動く。2枚の第2遮光板151及び2枚の第1遮光板141が、ベース110に対して、それぞれの異なる振れ方向に沿って限定的に振れ動いた後に、第3ガイド部141の各々は、それに対応する第4ガイド部151bの閉じ側死点151cから離れ、2つの第1片方側端141aが互いに離れ、2つの第2片方側端151aも互いに離れる。従って、レンズモジュール100は第1状態(全閉状態)から第2状態(半開状態)へ転換し、これによりレンズ120の一部分が第1組の遮光板140及び第2組の遮光板150によって覆われる。なお、ここでは、2枚の第1遮光板141及び2枚の第2遮光板151のそれぞれが、旋回軸端及びこの旋回軸端に対応する可動端を有するので、ベース110と前面カバー130とが相対的に回転すると、2枚の第1遮光板141及び2枚の第2遮光板151のそれぞれは、2つの第6ガイド部163によって案内される2つの第5ガイド部151eのそれぞれ、及び2つの第4ガイド部151bによって案内される2つの第3ガイド部のそれぞれにより限定的に振れ動く。
【0029】
ベース110が前面カバー130に対して回転方向Rに沿って回転し続けると、2つの第6ガイド部163によって案内される2つの第5ガイド部、及び2つの第4ガイド部151bによって案内される2つの第3ガイド部141bにより、2枚の第1遮光板141及び2枚の第2遮光板151は、第2通し穴162から離れるように移動してレンズ120を露出させ、
図4は第3状態(全開状態)を示す。この時、第3ガイド部141bの各々は、それに対応する第4ガイド部151bの広がり側死点151dに位置する。より具体的には、レンズ120が第1組の遮光板140及び第2組の遮光板150によって覆われる度合いは、
図2に示す第1状態(全閉状態)、
図3に示す第2状態(半開状態)、及び
図4に示す第3状態(全開状態)の相互間で調整することができる。従って、レンズが第1組の遮光板140及び第2組の遮光板150によって覆われる度合いは、レンズ120が固定焦点距離を有していても制御することができ、これによりレンズモジュール100の視野を調整することができる。例えば、対象物とレンズモジュール100との間の距離が固定であれば、レンズ120が第1組の遮光板140及び第2組の遮光板150によって覆われる度合いを調整することによって、対象物が視野内に占める面積の割合が増加して、対象物の周囲の背景を除去する効果が得られる。
【0030】
なお、ここでは、ユーザが第1組の遮光板140及び第2組の遮光板150でレンズ120を完全に覆う場合、レンズモジュール100を
図2に示す第1状態(全閉状態)に戻すためには、ベース110を前面カバー130に対して回転方向Rとは逆方向に回転させるだけでよい。
【0031】
要約すれば、本発明における固定焦点距離を有するレンズモジュールは、手動で制御して、前面カバーとベースとを相対的に回転させて、第1組の遮光板及び第2組の遮光板を駆動してベースに対して限定的に振れ動かすことができ、レンズが第1組の遮光板及び第2組の遮光板によって覆われる度合いは、レンズモジュールの視野を調整するように制御可能である。例えば、対象物とレンズモジュールとの間の距離が固定であれば、レンズが第1組の遮光板及び第2組の遮光板によって覆われる度合いを調整することによって、対象物が視野内に占める面積の割合が増加して、対象物の周囲の背景を除去する効果が得られる。
【0032】
本発明の精神及び範囲から逸脱することなしに、本発明の構造に種々の変更及び変形を加えることができることは、当業者にとって明らかである。以上のことを考慮すれば、本発明の変更及び変形が以下の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内に入るのであれば、本発明はこれらの変更及び変形をカバーする。