(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670269
(24)【登録日】2020年3月3日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】キャンセル座席の即時補充システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20200309BHJP
【FI】
G06Q50/12
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-84384(P2017-84384)
(22)【出願日】2017年4月21日
(65)【公開番号】特開2018-181241(P2018-181241A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2019年3月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】516172536
【氏名又は名称】三井住友トラストクラブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090114
【弁理士】
【氏名又は名称】山名 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100174207
【弁理士】
【氏名又は名称】筬島 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】井上 聡
【審査官】
塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】
特表2016−532972(JP,A)
【文献】
特開2016−015162(JP,A)
【文献】
特開2003−308446(JP,A)
【文献】
特開2014−071550(JP,A)
【文献】
特開2002−150088(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0307019(US,A1)
【文献】
特開2014−160443(JP,A)
【文献】
特開2014−6569(JP,A)
【文献】
特開2002−74149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予約サーバ装置を備え、飲食店の座席の予約が直前にキャンセルされて空席が生じた際、チャット型即時通信アプリを通じて会員にその空席情報が即時通知され、即時予約して空席が補充される即時補充システムであって、
前記予約サーバ装置は、直前のキャンセルにより生じた空席情報を飲食店から買い取った買取情報を記録する買取データベースと、同買取データベースに連携される前記会員のデータベース及び予約データベースを管理する機能を含み、前記会員は、前記チャット型即時通信アプリに予めユーザー登録されていると共に、前記予約サーバ装置と情報伝達自在に接続されており、飲食店で予約が直前にキャンセルされた際、飲食店から予約サーバ装置に空席情報が伝達され、チャット型即時通信アプリを通じて会員の端末機器にその空席情報のメッセージが即時通知され、所望の空席情報を閲覧した前記会員によって予約サーバ装置の店舗ページ上で予約され、即時的に空席が補充自在に構成されていることを特徴とするキャンセル座席の即時補充システム。
【請求項2】
会員サーバ装置と予約サーバ装置を備え、飲食店の座席の予約が直前にキャンセルされて空席が生じた際、チャット型即時通信アプリを通じて会員にその空席情報が即時通知され、即時予約して空席が補充される即時補充システムであって、
前記会員サーバ装置は、前記会員の情報に関するデータベースを記録する会員データベースと、飲食店の予約の情報に関するデータベースを記録する予約データベースを管理する機能と、インターネットに接続するWebサーバを含んでいること、
前記予約サーバ装置は、直前のキャンセルにより生じた空席情報を飲食店から買い取った買取情報を記録する買取データベースを管理する機能と、予約ページを設定する機能を含み、前記会員サーバ装置における会員データベースと予約データベースが前記買取データベースと連携されて、前記予約ページが設定自在であること、
前記会員は、前記チャット型即時通信アプリに予めユーザー登録されていると共に、前記会員サーバ装置と情報伝達自在に接続されていること、
飲食店で予約が直前にキャンセルされた際、飲食店から前記予約サーバ装置に空席情報が伝達され、その空席情報が予約サーバ装置から会員サーバ装置に伝達されると共に、チャット型即時通信アプリを通じて会員の端末機器にその空席情報のメッセージが即時通知され、所望の空席情報を閲覧した前記会員によって予約サーバ装置の店舗ページ上で予約され、即時的に空席が補充自在に構成されていること、
を特徴とするキャンセル座席の即時補充システム。
【請求項3】
直前にキャンセルされて空席が生じた飲食店から予約サーバ装置に空席情報が伝達され、その空席情報が予約サーバ装置から会員サーバ装置に伝達された後、前記飲食店に適した会員がリスト抽出され、そのリスト抽出された会員の端末機器にのみチャット型即時通信アプリを通じて前記空席情報のメッセージが即時通知されることを特徴とする、請求項1又は2に記載したキャンセル座席の即時補充システム。
【請求項4】
チャット型即時通信アプリを通じて会員の端末機器に飲食店の空席情報のメッセージが即時通知され、会員が所望の前記空席情報を閲覧し、予約サーバ装置の店舗ページ上で予約する際、既に満席となっていた場合、同日に予約可能な他の飲食店が表示される構成であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載したキャンセル座席の即時補充システム。
【請求項5】
チャット型即時通信アプリを通じて会員の端末機器に飲食店の空席情報のメッセージが即時通知され、所望の前記空席情報を閲覧した会員によって予約サーバ装置の店舗ページ上で予約され、即時的に空席が補充された後、前記会員のスコアリングが行われ、その会員の情報が前記予約された飲食店の情報に紐付けされる構成であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載したキャンセル座席の即時補充システム。
【請求項6】
飲食店が、予約の取りにくい優良な飲食店であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載したキャンセル座席の即時補充システム。
【請求項7】
チャット型即時通信アプリが、LINE(登録商標)であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載したキャンセル座席の即時補充システム。
【請求項8】
会員が、ダイナースクラブ(登録商標)等の優良な会員であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載したキャンセル座席の即時補充システム。
【請求項9】
予約サーバ装置の予約・決済ページ上での予約時に、クレジットカードによってオンライン決済される構成であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載したキャンセル座席の即時補充システム。
【請求項10】
オンライン決済のクレジットカードが、ダイナース(登録商標)カードであることを特徴とする、請求項9に記載したキャンセル座席の即時補充システム。
【請求項11】
飲食店の予約のキャンセルが、直前ではなく行われた場合であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載したキャンセル座席の即時補充システム。
【請求項12】
飲食店の座席の予約に代えて、ゴルフ、美容院、理髪店、マッサージ店、列車、飛行機、船舶、自動車、映画館、劇場、コンサート会場、花見会場、アトラクション、スタジアム、競技場、花火会場、祭り、パレードの各座席の予約であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載したキャンセル座席の即時補充システム。
【請求項13】
飲食店の座席の予約に代えて、ホテル、旅館、病院、公営又は私営の施設の各部屋の予約であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載したキャンセル座席の即時補充システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、キャンセル座席の即時補充システムに関し、特には、予約のとりにくい優良飲食店で既に予約されていた座席が、直前若しくはそれ以前にキャンセルされた場合、特定の会員にその空席情報が即時的に通知され、即時予約を可能にし、空席を可及的速やかに補充する即時補充システムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、グルメ志向はより一層高まり、有名な飲食レストランを予約するのは至難な業となっている。しかも、外国人客の来訪も相俟って、高級店の予約は非常に激化している。
一方、予約で埋まる飲食店にとって、避けることのできないリスクは、通称「ドタキャン」とも言われる「直前のキャンセル」である。そのような予約済みの座席が直前にキャンセルされると、店側としては、予約の人数、内容等に応じて仕入れた食材のロスなど、直前のキャンセルによるダメージは、高級店になればなるほど甚大である。
【0003】
このような飲食店の予約に関連し、例えば下記特許文献1(請求項1)には、「利用者が利用する利用者端末に対して、日時やシーンに応じたプランの情報をネットワークを介して提供可能な飲食店プラン提供システムであって、前記飲食店プラン提供システムは、前記飲食店の属性情報と前記飲食店が提供する日時やシーンに応じたプランに関する情報とを記憶する飲食店情報記憶手段と、前記プランに対する利用者からの予約に関する情報を記憶する予約情報記憶手段と、前記飲食店が設定したプランに関する情報を前記飲食店端末から受信し、前記飲食店情報記憶手段に記憶するプラン受付手段と、前記プランの検索条件を前記利用者端末から受信し、前記飲食店情報記憶手段から前記検索条件に一致するプランがあるか否かを検索し、その検索結果を前記利用者端末に送信するプラン検索手段と、前記利用者が選択した一のプランに対する予約に関する情報を前記利用者端末から受信し、前記予約情報記憶手段に記憶することで予約を登録する予約受付手段と、を有することを特徴とする飲食店プラン提供システム。」が開示されている。
【0004】
また、同特許文献1の請求項2には、「前記飲食店プラン提供システムは、更に、予約済みのプランに対するキャンセル申込の情報を前記利用者端末から受信し、前記飲食店情報記憶手段に記憶する前記プランに関する情報を参照することでキャンセル可能か否かを判定し、キャンセル可能ならば前記予約をキャンセル扱いとしてキャンセルしたことを前記利用者端末に送信し、キャンセル不可能ならばその旨を前記利用者端末に送信する予約内容確認手段、を有することを特徴とする請求項1に記載の飲食店プラン提供システム。」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−338075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1の飲食店プラン提供システムは、飲食店の売上げを向上させるために、閑散期や繁忙期など日時やシーンに応じたプランを提供し、それに対する予約を受け付けることで、飲食店の売上げを向上させる上では一定の効果があるかもしれない(同文献の請求項1)。しかし、それはあくまでより多くの予約を確保するためで、その予約がキャンセルされた場合の措置を講じるものではない。
また、同文献の請求項2にかかるシステムは、予約済みのプランに対しキャンセル可能か否かを判定し、キャンセル可能ならば、キャンセルしたことを利用者端末に送信できるが、キャンセルされた後の手立てはない。そのため、キャンセルされた飲食店の損害を埋めることはできない。
【0007】
一方、上記のような飲食店で直前のキャンセルが生じた場合に、クーポンサイト等を通じたディスカウントによって安易な緊急の集客を行えば、それは、いたずらなプライスシーカー層の誘店を招くだけである。かくして、直前キャンセルによるリスクは、高級店においては極めて解決が困難な問題となっている。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、とりわけ、予約のとりにくい優良飲食店で、予約されていた座席が直前等にキャンセルされた際、特定の者の端末機器にその空席情報が即時的に通知され、即時予約ができて空席が補充され、優良店にとっても、来店したい者にとってもお互い利益のある、全く新しい飲食プラットフォームを実現するキャンセル座席の即時補充システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明にキャンセル座席の即時補充システムは、予約サーバ装置2を備え、飲食店3の座席の予約が直前にキャンセルされて空席が生じた際、チャット型即時通信アプリ4を通じて会員5にその空席情報6が即時通知され、即時予約して空席が補充される即時補充システムであって、
前記予約サーバ装置2は、直前のキャンセルにより生じた空席情報6を飲食店3から買い取った買取情報7を記録する買取データベース8と、同買取データベース8に連携される前記会員5のデータベース10及び予約データベース11を管理する機能を含み、前記会員5は、前記チャット型即時通信アプリ4に予めユーザー登録されていると共に、前記予約サーバ装置2と情報伝達自在に接続されており、飲食店3で予約が直前にキャンセルされた際、飲食店3から予約サーバ装置2に空席情報6が伝達され、チャット型即時通信アプリ4を通じて会員5の端末機器30にその空席情報6のメッセージが即時通知され、所望の空席情報6を閲覧した前記会員5によって予約サーバ装置2の店舗ページ20上で予約され、即時的に空席が補充自在に構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載した発明のキャンセル座席の即時補充システムは、会員サーバ装置1と予約サーバ装置2を備え、飲食店3の座席の予約が直前にキャンセルされて空席が生じた際、チャット型即時通信アプリ4を通じて会員5にその空席情報6が即時通知され、即時予約して空席が補充される即時補充システムであって、
前記会員サーバ装置1は、前記会員5の情報に関するデータベースを記録する会員データベース10と、飲食店3の予約の情報に関するデータベースを記録する予約データベース11を管理する機能と、インターネットに接続するWebサーバ12を含んでいること、
前記予約サーバ装置2は、直前のキャンセルにより生じた空席情報6を飲食店3から買い取った買取情報7を記録する買取データベース8を管理する機能と、予約自在な予約ページ9を設定する機能を含み、前記会員サーバ装置1における会員データベース10と予約データベース11が前記買取データベース8と連携されて、前記予約ページ9が設定自在であること、
前記会員5は、前記チャット型即時通信アプリ4に予めユーザー登録されていると共に、前記会員サーバ装置1と情報伝達自在に接続されていること、
飲食店3で予約が直前にキャンセルされた際、飲食店3から前記予約サーバ装置2に空席情報6が伝達され、その空席情報6が予約サーバ装置2から会員サーバ装置1に伝達されると共に、チャット型即時通信アプリ4を通じて会員5の端末機器30にその空席情報6のメッセージが即時通知され、所望の空席情報6を閲覧した前記会員5によって予約サーバ装置2の店舗ページ20上で予約され、即時的に空席が補充自在に構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載した発明のキャンセル座席の即時補充システムは、前記直前にキャンセルされて空席が生じた飲食店3から予約サーバ装置2に空席情報6が伝達され、その空席情報6が予約サーバ装置2から会員サーバ装置1に伝達された後、前記飲食店3に適した会員5がリスト抽出され、そのリスト抽出された会員5の端末機器30にのみチャット型即時通信アプリ4を通じて前記空席情報6のメッセージが即時通知されることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載した発明のキャンセル座席の即時補充システムは、前記チャット型即時通信アプリ4を通じて会員5の端末機器30に飲食店3の空席情報6のメッセージが即時通知され、会員5が所望の前記空席情報6を閲覧し、予約サーバ装置2の店舗ページ20上で予約する際、既に満席となっていた場合、同日に予約可能な他の飲食店3が表示される構成であることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載した発明のキャンセル座席の即時補充システムは、前記チャット型即時通信アプリ4を通じて会員5の端末機器30に飲食店3の空席情報6のメッセージが即時通知され、所望の前記空席情報6を閲覧した会員5によって予約サーバ装置2の店舗ページ20上で予約され、即時的に空席が補充された後、前記会員5のスコアリングが行われ、その会員5の情報が前記予約された飲食店3の情報に紐付けされる構成であることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載した発明のキャンセル座席の即時補充システムは、前記飲食店3が、予約の取りにくい優良な飲食店であることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載した発明のキャンセル座席の即時補充システムは、前記チャット型即時通信アプリ4が、LINE(登録商標)であることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載した発明のキャンセル座席の即時補充システムは、前記会員5が、ダイナースクラブ(登録商標)等の優良な会員であることを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載した発明のキャンセル座席の即時補充システムは、前記予約サーバ装置2の予約・決済ページ21上での予約時に、クレジットカード15によってオンライン決済される構成であることを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載した発明のキャンセル座席の即時補充システムは、前記オンライン決済のクレジットカード15が、ダイナース(登録商標)カードであることを特徴とする。
【0019】
請求項11に記載した発明のキャンセル座席の即時補充システムは、前記飲食店3の予約のキャンセルが、直前ではなく行われた場合であることを特徴とする。
【0020】
請求項12に記載した発明のキャンセル座席の即時補充システムは、前記飲食店3の座席の予約に代えて、ゴルフ、美容院、理髪店、マッサージ店、列車、飛行機、船舶、自動車、映画館、劇場、コンサート会場、花見会場、アトラクション、スタジアム、競技場、花火会場、祭り、パレードの各座席の予約であることを特徴とする。
【0021】
請求項13に記載した発明のキャンセル座席の即時補充システムは、前記飲食店3の座席の予約に代えて、ホテル、旅館、病院、公営又は私営の施設の各部屋の予約であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明のキャンセル座席の即時補充システムは、飲食店の座席の予約がとりわけ直前にキャンセルされて空席が生じた際、LINE(登録商標)等のチャット型即時通信アプリを通じて、会員の端末機器にその空席情報が即時通知されるので、その空席情報を受領し興味のある会員はすぐに予約ができ、通常予約のとりにくい優良レストランに出向くことができる。飲食店にとっても、予約に応じて仕入れた食材のロスを必要最小限に留められて営業できる。しかも直前に予約した当該会員を、その後も当該優良店に送客できる利便性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明のフローチャートを含むシステム構成図である。
【
図2】チャット型即時通信アプリでユーザー登録後に会員情報を入力する端末機器の画面である。
【
図3】会員への空席情報の端末機器における通知画面である。
【
図4】空席情報にかかる飲食店の端末機器の詳細情報画面である。
【
図6】満席情報と予約可能な他店の端末機器の表示画面である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明のキャンセル座席の即時補充システムの好適な実施形態を、以下図面にしたがって説明する。本実施形態では、飲食店3の予約のキャンセルが、予約当日等のいわゆる直前に行われた場合について説明するが、直前ではなく、予約日の数日前若しくはそれ以上前にキャンセルされたような場合にも同様に適用される。
【0025】
図1は本発明のシステム構成図を示している。
このキャンセル座席の即時補充システムは、会員サーバ装置1と予約サーバ装置2を備えており、特に予約がとりにくい高級飲食店3の座席の予約が直前にキャンセルされ、空席が生じた際に、チャット型即時通信アプリ4を通じて、会員5の端末機器30にその空席情報6が即時的に通知された後に、すぐに予約されて、可及的速やかに空席が補充される構成である。
【0026】
チャット型即時通信アプリ4たるメッセンジャーとしては、LINE(登録商標)が好適である。LINE(登録商標)は、スマートフォン、タブレット、パソコン等の端末機器30で、いつでも利用できるアプリケーションである。特にはスマートフォンベースなので、手元に端末機器30があれば、会員5がどこにいてもすぐに情報を入手して閲覧できる。また、シンプルな操作性、チャット型サービスによる即時性に優れるほか、通知が画面31に表示されるプッシュ型アプリなので、会員5が通知内容を容易に把握できる。会員5は、このLINE(登録商標)を予めインストールしてユーザー登録し(S1:
図1中の符号で、ステップを意味する。以下同様)、所定の「友だち」になっていれば、後述する会員サーバ装置1から情報伝達自在である。以下、チャット型即時通信アプリ4として、LINE(登録商標)を利用した実施形態について説明する。
【0027】
会員サーバ装置1は、前記会員5の情報(
図2参照)を記録するデータベースを管理する会員データベース10と、飲食店3の予約の情報(
図4参照)を記録するデータベースを管理する予約データベース11、及びインターネットに接続するためのWebサーバ12とより成る。
会員データベース10には、会員5のメールアドレス、生年月日、性別、居住エリア、趣味趣向といった情報が記録される(
図2)。LINE(登録商標)4を通じて、会員5が直接的には端末機器30を介して会員サーバ装置1に入力したデータである。会員サーバ装置1(LINE(登録商標)4における「友だち」)は、例えば、ダイナースクラブ(登録商標)が主体となって、ダイナースクラブ(登録商標)会員を中心に、LINE(登録商標)4の「友だち」が収集され、「友だち」となった当該会員5は、会員サーバ装置1との間で、飲食店3の空席情報6を即座に送受信できる。
【0028】
また、
図1中点線の枠で示した部分は、本キャンセル座席の即時補充システムにおけるCRM(顧客管理)システムを示している。友だちデータベース40と、リスト抽出部41と、送受信サーバ4とより成る。この友だちデータベース40は、会員5が予めLINE(登録商標)4で「友だち」に登録・記録された者であることが前提で、上述した会員サーバ装置1との間でデータ連携されている。リスト抽出部41は、前記友だちデータベース40に記録されている会員5の中から、空席情報6を伝達して当該飲食店3に送客するのにふさわしい者を抽出してリストアップする機能を備えている。送受信サーバ4は、LINE(登録商標)4等のメッセンジャーを指し、前記リスト抽出部41でリストアップされた会員5に、空席情報6を伝達する手段である。
【0029】
予約サーバ装置2は、直前キャンセルにより生じた空席情報6を飲食店3から買い取った買取情報7を記録する買取データベース8を管理する機能と、予約ページ9の設定機能を含んでいる。具体的には、買取データベース8は、飲食店3の座席の予約が直前にキャンセルされた場合、飲食店3は、予め定められた買取価格表70に基づき、買取依頼フォーム7に必要事項を端末機器30上で入力する。そうすると、上記した会員サーバ装置1における会員データベース10と予約データベース11が、前記買取データベース8と連携されて(S3参照)、予約ページ9が設定される機能が備わっている。設定された予約ページ9の一例として、「×××の空席情報が出ました。URLをクリックして予約ができます。」との文言と、×××の店名、来店可能日時、当該飲食店の写真(
図3参照)が、後述する会員5の端末機器30の画面31に表示される仕組みである。
【0030】
また、この予約サーバ装置2には、ある飲食店3の空席情報6を閲覧した会員5が予約するとき、既に満席となっていて予約ができない場合に、同日に予約可能な他の複数の飲食店3・・・の情報を、端末機器30に表示する機能も備えている。これにより、感心のある優良な会員5を他の優良レストランに送客でき、新たな顧客が獲得される。
【0031】
会員5は、上記のように、前記LINE(登録商標)4に予めユーザー登録され(S1参照)、会員サーバ装置1たる「友だち」と情報伝達自在に接続されている必要がある。なお、当該会員5は、例えばダイナースクラブ(登録商標)等の優良な会員であることが望ましい。高級飲食店3にとっても好ましいからである。
【0032】
以下に、キャンセル座席の即時補充システムの具体例について、
図1を中心に時系列で説明する。
予約のとりにくい優良な飲食店3で、予約されていた座席が直前にキャンセルされた場合、当該飲食店3から予約サーバ装置2に空席情報6が伝達され(S2)、当該空席情報6に基づいて予約ページ9が設定されると共に、空席情報6は予約サーバ装置2から会員サーバ装置1に伝達される(S3)。つづいて、友だちデータベース40から、前記飲食店3に適した会員5がリスト抽出部41からリストアップされ、そのリストアップされた会員5の端末機器30にのみ、会員サーバ装置1はLINE(登録商標)4を通じて前記空席情報6を配信する(S4)。すると、前記抽出された会員5は、その空席情報6のメッセージを端末機器30で即時的に受信する(S5)。必要に応じて、会員5は、LINE(登録商標)4のチャット機能(トーク画面)で、会員サーバ装置1側と空席情報6のやりとりを行う(図示は省略)。
【0033】
そして、
図3に例示した空席情報6のメッセージを端末機器30で受信し、画面31で閲覧した会員5は、そこに記載された飲食店3の店舗ページ20へ来訪する(S6)。
図4はその店舗ページの一例を示している。次に、当該飲食店3の現在の予約状況を確認する(S7)。会員5が
図5の予約・決済ページ21にしたがって予約しようとしたが、既に満席となっていた場合は、
図6に示したように、同日に予約可能な他の複数の飲食店3の空席情報6・・・が画面31に併せて表示される(S8)。
【0034】
空席が未だあって予約できる場合は、
図5の店舗表示画面でログインする(S9)。ログインできない場合は、上記した
図6の他店表示画面に進む(S8)。ログインできた場合は、予約と決済を行う(S10)。
図5に示した予約・決済ページ21上で予約する際、例えばダイナース(登録商標)カード等のクレジットカード15によってオンライン決済する。
かくして、直前にキャンセルされた飲食店3の座席は、即時的に補充される。飲食店3には予約した時間に会員5が来店されることとなる(S11)。
【0035】
上述したデータは飲食店3にとって有益である。そのため、事後的に会員5のスコアリングが行われる。すなわち、会員5の店舗ページ20への訪問、予約完了の有無等が分析され、その会員5の情報が前記予約された飲食店3の情報に紐付けされる。
【0036】
なお、上述した実施形態のほか、会員サーバ装置1を別途設けず、予約サーバ装置2が会員データベース10と予約データベース11を含む構成で、会員5は、LINE(登録商標)4を通じて、直接予約サーバ装置2から飲食店3の空席情報6が即時通知される実施形態も採用可能である。
【0037】
また、上述した当該キャンセル座席の即時補充システムは、前記飲食店3の座席の予約に限らず、例えば、ゴルフ、美容院、理髪店、マッサージ店、列車、飛行機、船舶、自動車、映画館、劇場、コンサート会場、花見会場、アトラクション、スタジアム、競技場、花火会場、祭り、パレード、その他の予約が生じる各座席の予約にも同様に実施できる。さらに、上記した飲食店3の座席の予約が、ホテル、旅館、病院、公営又は私営の施設、その他の各種部屋を予約するケースであっても同様に実施される。
【0038】
以上に本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
【符号の説明】
【0039】
1 会員サーバ装置
2 予約サーバ装置
3 飲食店
4 チャット型即時通信アプリ
5 会員
6 空席情報
7 買取情報
8 買取データベース
9 予約ページ
10 会員データベース
11 予約データベース
12 Webサーバ
15 クレジットカード
20 店舗ページ
21 予約・決済ページ
30 端末機器