特許第6670270号(P6670270)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6670270薬液注入器及び薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670270
(24)【登録日】2020年3月3日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】薬液注入器及び薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/315 20060101AFI20200309BHJP
【FI】
   A61M5/315 550A
   A61M5/315 550P
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-110799(P2017-110799)
(22)【出願日】2017年6月5日
(65)【公開番号】特開2018-201860(P2018-201860A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2019年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】594163420
【氏名又は名称】金井 秀樹
(73)【特許権者】
【識別番号】517196960
【氏名又は名称】伊藤 謙二
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】金井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 謙二
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−519074(JP,A)
【文献】 実開平05−011258(JP,U)
【文献】 特開平11−290360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/315
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に注射針が設けられ薬液を収納する薬液収納部を具備した筒状本体部に、前記薬液を前記筒状本体部から押し出す薬液押出し部が設けられ、この薬液押出し部は前記筒状本体部に設けられた押し込み操作部により押し込まれることで可動して前記薬液を押し出すように構成されており、また、前記筒状本体部には軸回転自在の回転部が設けられ、この回転部の一方向への軸回転量により前記薬液押出し部の可動量が設定されるように構成され、更に、前記回転部の前記一方向への軸回転量は、前記筒状本体部に設けた軸回転制限部により制限されるように構成されており、前記回転部は、前記筒状本体部に対して軸回転しながら該筒状本体部の長さ方向に移動する螺旋移動部材に設けられており、また、前記軸回転制限部は、前記回転部に設けられる係止部と、前記筒状本体部に設けられる被係止部とから成り、前記回転部を所定の始点位置から所定の終点位置まで一方向へ回転させ該回転部が前記筒状本体部に対して所定の突出位置に位置した際、前記被係止部に前記係止部が係止して前記回転部の一方向への軸回転が制限されるように構成されており、前記係止部には凹部が設けられ、この凹部により前記所定の終点位置まで前記被係止部に前記係止部が係止せず前記回転部の一方向への軸回転が制限されないように構成されていることを特徴とする薬液注入器。
【請求項2】
請求項1記載の薬液注入器において、前記係止部は前記回転部に着脱自在に設けられ、前記被係止部は前記筒状本体部に着脱自在に設けられていることを特徴とする薬液注入器。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の薬液注入器において、前記係止部と前記被係止部との係止は、両者の当接であることを特徴とする薬液注入器。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項に記載の薬液注入器において、前記被係止部は、前記筒状本体に設けられる第二部材の周方向任意の位置に移動自在に設けられ、前記係止部が係止する位置が可変自在に構成されていることを特徴とする薬液注入器。
【請求項5】
先端に注射針が設けられ薬液を収納する薬液収納部を具備した筒状本体部に、前記薬液を前記筒状本体部から押し出す薬液押出し部が設けられ、この薬液押出し部は前記筒状本体部に設けられた押し込み操作部により押し込まれることで可動して前記薬液を押し出すように構成されており、また、前記筒状本体部には軸回転自在の回転部が設けられ、この回転部の一方向への軸回転量により前記薬液押出し部の可動量が設定されるように構成され、前記回転部は、前記筒状本体部に対して軸回転しながら該筒状本体部の長さ方向に移動する螺旋移動部材に設けられており、また、前記回転部の前記一方向への軸回転量を制限する軸回転制限部を有し、この軸回転制限部は、前記回転部に設けられる係止部と、前記筒状本体部に設けられる被係止部とから成り、前記回転部を所定の始点位置から所定の終点位置まで一方向へ回転させ該回転部が前記筒状本体部に対して所定の突出位置に位置した際、前記被係止部に前記係止部が係止して前記回転部の一方向への軸回転が制限されるように構成された薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具であって、前記回転部に着脱自在に設けられる第一部材と前記筒状本体に着脱自在に設けられる第二部材とから成り、前記第一部材には前記係止部が設けられ、一方、前記第二部材には前記被係止部が設けられ、前記回転部を前記所定の始点位置から前記所定の終点位置まで一方向へ回転させ該回転部が前記筒状本体部に対して所定の突出位置に位置した際、前記被係止部に前記係止部が係止して前記回転部の一方向への軸回転が制限されるように構成され、更に、前記係止部には凹部が設けられ、この凹部により前記所定の終点位置まで前記被係止部に前記係止部が係止せず前記回転部の一方向への軸回転が制限されないように構成されていることを特徴とする薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具。
【請求項6】
請求項載の薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具において、前記係止部と前記被係止部との係止は、両者の当接であることを特徴とする薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具。
【請求項7】
請求項5,6いずれか1項に記載の薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具において、前記被係止部は、前記第二部材の周方向任意の位置に移動自在に設けられ、前記係止部が係止する位置が可変自在に構成されていることを特徴とする薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液注入器及び薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、糖尿病患者が薬液(インスリン)を摂取するための薬液注入器として、例えば特表2013−543751号に開示されるような薬液注入器(以下、従来例)が提案されている。
【0003】
この従来例は、図1に図示したように先端に注射針1が設けられインスリンMを収納する薬液収納部2aを具備した筒状本体部2に、インスリンMを筒状本体部2から押し出す薬液押出し部3が設けられ、この薬液押出し部3は筒状本体部2に設けられた押し込み操作部4により押し込まれることで可動してインスリンMを押し出すように構成されており、また、筒状本体部2には軸回転自在の回転部6が設けられ、この回転部6の一方向への軸回転量により薬液押出し部3の可動量が設定されるように構成されたものである。
【0004】
従って、回転部6を回転してインスリンMの吐出量を設定し、注射針1を身体の腹部や臀部などの決められた位置に刺し、この状態で押し込み操作部4を押し込むと、注射針1から設定量のインスリンMが吐出され、体内に摂取されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2013−543751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このインスリンMの摂取は、医師から指示された摂取量を患者自らの手で従来例を用いて打つ場合が多いが、このインスリンMを摂取しようとする際、インスリンMの吐出量の設定を誤ってしまう、即ち、回転部6を多く回し過ぎてインスリンMの吐出量を多く設定してしまう場合がある(例えば認知症を患っている人であればこの誤操作の可能性が高くなる。)。
【0007】
本発明は、前述した問題点を解消する、従来にない商品価値の高い画期的な薬液注入器及び薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
先端に注射針1が設けられ薬液Mを収納する薬液収納部2aを具備した筒状本体部2に、前記薬液Mを前記筒状本体部2から押し出す薬液押出し部3が設けられ、この薬液押出し部3は前記筒状本体部2に設けられた押し込み操作部4により押し込まれることで可動して前記薬液Mを押し出すように構成されており、また、前記筒状本体部2には軸回転自在の回転部6が設けられ、この回転部6の一方向への軸回転量により前記薬液押出し部3の可動量が設定されるように構成され、更に、前記回転部6の前記一方向への軸回転量は、前記筒状本体部2に設けた軸回転制限部10により制限されるように構成されており、前記回転部6は、前記筒状本体部2に対して軸回転しながら該筒状本体部2の長さ方向に移動する螺旋移動部材11に設けられており、また、前記軸回転制限部10は、前記回転部6に設けられる係止部7aと、前記筒状本体部2に設けられる被係止部8aとから成り、前記回転部6を所定の始点位置P3から所定の終点位置P4まで一方向へ回転させ該回転部6が前記筒状本体部2に対して所定の突出位置に位置した際、前記被係止部8aに前記係止部7aが係止して前記回転部6の一方向への軸回転が制限されるように構成されており、前記係止部7aには凹部7bが設けられ、この凹部7bにより前記所定の終点位置P4まで前記被係止部8aに前記係止部7aが係止せず前記回転部6の一方向への軸回転が制限されないように構成されていることを特徴とする薬液注入器に係るものである。
【0010】
また、請求項1記載の薬液注入器において、前記係止部7aは前記回転部6に着脱自在に設けられ、前記被係止部8aは前記筒状本体部2に着脱自在に設けられていることを特徴とする薬液注入器に係るものである。
【0011】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の薬液注入器において、前記係止部7aと前記被係止部8aとの係止は、両者の当接であることを特徴とする薬液注入器に係るものである。
【0012】
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の薬液注入器において、前記被係止部8aは、前記筒状本体2に設けられる第二部材8の周方向任意の位置に移動自在に設けられ、前記係止部7aが係止する位置が可変自在に構成されていることを特徴とする薬液注入器に係るものである。
【0013】
また、先端に注射針1が設けられ薬液Mを収納する薬液収納部2aを具備した筒状本体部2に、前記薬液Mを前記筒状本体部2から押し出す薬液押出し部3が設けられ、この薬液押出し部3は前記筒状本体部2に設けられた押し込み操作部4により押し込まれることで可動して前記薬液Mを押し出すように構成されており、また、前記筒状本体部2には軸回転自在の回転部6が設けられ、この回転部6の一方向への軸回転量により前記薬液押出し部3の可動量が設定されるように構成され、前記回転部6は、前記筒状本体部2に対して軸回転しながら該筒状本体部2の長さ方向に移動する螺旋移動部材11に設けられており、また、前記回転部6の前記一方向への軸回転量を制限する軸回転制限部10を有し、この軸回転制限部10は、前記回転部6に設けられる係止部7aと、前記筒状本体部2に設けられる被係止部8aとから成り、前記回転部6を所定の始点位置P3から所定の終点位置P4まで一方向へ回転させ該回転部6が前記筒状本体部2に対して所定の突出位置に位置した際、前記被係止部8aに前記係止部7aが係止して前記回転部6の一方向への軸回転が制限されるように構成された薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具であって、前記回転部6に着脱自在に設けられる第一部材7と前記筒状本体2に着脱自在に設けられる第二部材8とから成り、前記第一部材7には前記係止部7aが設けられ、一方、前記第二部材8には前記被係止部8aが設けられ、前記回転部6を前記所定の始点位置P3から前記所定の終点位置P4まで一方向へ回転させ該回転部6が前記筒状本体部2に対して所定の突出位置に位置した際、前記被係止部8aに前記係止部7aが係止して前記回転部6の一方向への軸回転が制限されるように構成され、更に、前記係止部7aには凹部7bが設けられ、この凹部7bにより前記所定の終点位置P4まで前記被係止部8aに前記係止部7aが係止せず前記回転部6の一方向への軸回転が制限されないように構成されていることを特徴とする薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具に係るものである。
【0014】
また、請求項載の薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具において、前記係止部7aと前記被係止部8aとの係止は、両者の当接であることを特徴とする薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具に係るものである。
【0015】
また、請求項5,6いずれか1項に記載の薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具において、前記被係止部8aは、前記第二部材8の周方向任意の位置に移動自在に設けられ、前記係止部7aが係止する位置が可変自在に構成されていることを特徴とする薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具に係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上述のように構成したから、注射針から吐出される薬液の吐出量が必要以上の吐出量に設定されることを防止することができ、しかも、簡易構造故にコスト安にして量産性に秀れるなど、従来にない商品価値の高い画期的な薬液注入器及び薬液注入器に付設する薬液吐出量増大防止具となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】薬液注入器の斜視図である。
図2】薬液注入器の要部の説明断面図である。
図3図2のA−A断面図である。
図4】薬液注入器の要部の概略動作説明断面図である。
図5】薬液注入器の要部の概略動作説明断面図である。
図6】実施例1の分解斜視図である。
図7】実施例1の説明断面図である。
図8】実施例1の説明断面図である。
図9】実施例1の説明断面図である。
図10】実施例1に係る第1の別例の説明図である。
図11】実施例1に係る第1の別例の説明図である。
図12】実施例1に係る第2の別例の説明図である。
図13】実施例1に係る第2の別例の説明図である。
図14】実施例1に係る第2の別例の説明図である。
図15】実施例1に係る第2の別例の説明図である。
図16】実施例1に係る第2の別例の説明図である。
図17】実施例1に係る第2の別例の説明図である。
図18】実施例2の分解斜視図である。
図19】実施例2の説明断面図である。
図20】実施例2の説明断面図である。
図21】実施例2の説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0019】
注射針1からの薬液Mの吐出量は、筒状本体部2に軸回転自在に設けられる回転部6を一方向へ軸回転させることで設定される薬液押出し部3の可動量で決まり、また、回転部6の一方向への軸回転量は、軸回転制限部10により制限される。
【0020】
この回転部6の軸回転量が制限される位置を、予め薬液Mを吐出させたい量となる位置としておくことで、常に同じ位置で回転部6を停止させて注射針1から吐出させたい量の薬液Mが吐出されるよう設定することができ、確実に設定された吐出量の薬液Mを吐出させることができる。
【実施例】
【0021】
<実施例1>
施例1について図面に基づいて説明する。
【0022】
本実施例は、薬液を摂取するための薬液注入器X(所謂医療用注射器)である。
【0023】
尚、本実施例は、薬液Mとしてのインスリンを摂取するための薬液注入器Xを対象としているが、本実施例の構成を発揮し得るものであれば適宜採用し得るものである。
【0024】
以下、本実施例に係る薬液注入器Xについて説明する。
【0025】
薬液注入器Xは、図1に図示したように先端に注射針1が設けられ薬液Mを収納する薬液収納部2aを具備した筒状本体部2に、薬液Mを筒状本体部2から押し出す薬液押出し部3が設けられ、この薬液押出し部3は筒状本体部2に設けられた押し込み操作部4により押し込まれることで可動して薬液Mを押し出すように構成されており、また、筒状本体部2には軸回転自在の回転部6が設けられ、この回転部6の一方向への軸回転量により薬液押出し部3の可動量が設定されるように構成された公知構造のものである。
【0026】
筒状本体部2は、図1,2に図示したように第一円筒体2’と、この第一円筒体2’の基端部に連設される第二円筒体2”とで構成されている。
【0027】
第一円筒体2’には、所定量の薬液Mが収納される筒状の薬液収納部2aが設けられ、この薬液収納部2a内には後述する薬液押出し部3が摺動自在に設けられており、この薬液収納部2aの基端側に位置する薬液押出し部3を先端側に摺動させることで薬液Mを先端側に押し出すように構成されている。
【0028】
また、第一円筒体2’の先端部には注射針1が設けられている。
【0029】
本実施例では、注射針1は第一円筒体2’とは別体で設けられ、第一円筒体2’の先端部に装着可能に設けられており、第一円筒体2’の先端部に注射針1を装着した際、この注射針1と液体収納部2aとは通液状態で連設される。
【0030】
従って、この第一円筒体2’に注射針1を装着した状態において、薬液押出し部3を先端側に摺動させると、この摺動させた分だけ注射針1から薬液Mが吐出される。尚、注射針1は筒状本体部2と一体構造でも良い。
【0031】
第二筒体2”は、その内面基端部位に該第二筒体2”の長さ方向に一本の螺旋凸条2bが設けられ、この螺旋凸条2bは後述する螺旋移動部材11の螺旋凹条11aと螺合するように構成されている。
【0032】
また、第二筒体2”の周面所定位置には孔2cが設けられており、螺旋移動部材11の周面に設けられたメモリ11bを表示する表示窓2cとして構成されている。
【0033】
また、筒状本体部2には、図2に図示したように薬液Mを押し出す薬液押出し部3と、この薬液押出し部3を押し込み操作し得る押し込み操作部4が設けられている。
【0034】
薬液押出し部3は、第二筒体2”の先端部に設けられる螺子孔部2dに螺着される螺子軸部3bの先端部にゴム部材3aを設けて構成されている。
【0035】
また、螺子軸部3bには、後述する第一環状部16の凸部16aが摺動自在に係合する一対の凹条3b’が設けられている(図3参照)。
【0036】
また、押し込み操作部4は、第一筒状部12の基端部に設けられる押し込みボタンであり、第一筒状部12が連設する第二筒状部13及び第一環状部16を介して螺子軸部3bに連設されている。
【0037】
また、筒状本体部2には軸回転自在の回転部6が設けられ、この回転部6の一方向への軸回転量により薬液押出し部3の可動量が設定されるように構成されている。
【0038】
具体的には、第二筒体2”の内側に相対軸回転自在に嵌挿される筒状の螺旋移動部材11と、この螺旋移動部材11の内側に相対軸回転自在に嵌挿される第一筒状部12と、この第一筒状部12の内側に相対軸回転不能に嵌挿される第二筒状部13とを有する。
【0039】
螺旋移動部材11は、外周面に前述した第二筒体2”の螺旋凸条2bに螺合する螺旋凹条11aが設けられており、また、基端部には環状の回転部6が設けられている。
【0040】
従って、螺旋移動部材11は、回転部6を正逆方向に軸回転させることで第二筒体2”(
状本体部2)に対して軸回転しながら該第二筒体2”の長さ方向に移動(螺旋移動)することになる。
【0041】
また、螺旋移動部材11は、周面に数字から成るメモリ11bが設けられており、このメモリ11bは薬液Mの吐出量(薬液押出し部3の移動量)を表示するものであり、各数字が螺旋状に並設されている。
【0042】
第一筒状部12は、基端部に押し込み操作部4が設けられ、また、第一筒状部12の内面長さ方向には後述する第二筒状部13の凸条13aに相対スライド自在に係合する一対の凹条(図示省略)が設けられている。
【0043】
また、この第一筒状部12の基端部と螺旋移動部材11の基端部との間には第一ラチェット部14が設けられており、一方向(右軸回転方向)の相対軸回転を係合制限し、他方向(左軸回転方向)のみ相対軸回転を許容する。
【0044】
また、第一筒状部12の先端部と螺旋移動部材11の先端部との間には、該螺旋移動部材11を基端側へ付勢する付勢部材15(コイルバネ)が設けられている。
【0045】
従って、この付勢部材15の付勢により第一ラチェット部14が圧接するように構成されている。
【0046】
第二筒状部13は、周面長さ方向に一対の凸条13aが設けられ、この凸条13aに第一筒状部12の凹条が摺動することで第二筒状部13の長さ方向に第一筒状部12はスライド移動自在となる。
【0047】
また、第二筒状部13は、第二筒体2”の軸受孔部2eで相対軸回転自在に設けられており、また、第二筒状部13の基端部は螺子軸部3bに被嵌する第一環状部16に第二ラチェット部17を介して連設されている。
【0048】
この第二ラチェット部17は、一方向(右軸回転方向)のみ相対軸回転を許容し、他方向(左軸回転方向)の相対軸回転を係合制限する。
【0049】
第一環状部16は、螺子軸部3bに被嵌状態に設けられ、螺子軸部3bに設けられた凹条3b’に摺動自在に係合する一対の凸部16aが設けられている。
【0050】
また、第一環状部16の先端側には第二環状部18が設けられている。
【0051】
この第二管状部材は、螺子軸部3bに被嵌状態に設けられるとともに、筒状本体部2(第二円筒体2”)の長さ方向にスライド自在に設けられ、第一環状部16と第三ラチェット部19を介して連設されている。
【0052】
この第三ラチェット部19は、前述した第一ラチェット部14と同様、一方向(右軸回転方向)の相対軸回転を係合制限し、他方向(左軸回転方向)のみ相対軸回転を許容する。
【0053】
但し、この第三ラチェット部19は、回転部6を左軸回転方向へ回転させた際、第一ラチェット部14が優先的に機能する(第一筒状部12が左軸回転しないようにする)ように構成されている。
【0054】
また、第二環状部18の先端側には付勢部材20が設けられている。
【0055】
従って、この付勢部材18の付勢により第二ラチェット部17及び第三ラチェット部19が圧接するように構成されている。
【0056】
以上の構成から成る薬液注入器Xの作動について説明する。
【0057】
薬液Mの吐出量を設定する際、回転部6を表示窓2cから見えるメモリ11b分だけ一方向(右軸回転方向)に軸回転させると、螺旋移動部11,第一筒状部12及び第二筒状部13が一方向(右軸回転方向)に軸回転するとともに、螺旋移動部11及び第一筒状部12は基端側へ筒状本体部2から突出移動して螺旋移動する(図4参照)。この際、第一環状部16は第二環状部18と第三ラチェット部19で係合しており軸回転が制限されている。
【0058】
続いて、押し込み操作部4を押し込むと、螺旋移動部11,第一筒状部12及び第二筒状部13が他方向(左軸回転方向)に軸回転するとともに、螺旋移動部11及び第一筒状部12は先端側へ筒状本体部2から突出移動した分だけ螺旋移動する(図5参照)。この際、第二ラチェット部17の係合により第二筒状部13と共に第一環状部16は他方向(左軸回転方向)に軸回転し、この第一環状部16の軸回転により螺子軸部3bも軸回転することで先端側へ移動し、薬液押出し部3が先端側へ移動して注射針1から薬液Mが吐出される。
【0059】
ところで、前述したように薬液Mの吐出量を設定すべく、回転部6を一方向(右軸回転方向)に軸回転させた後、回し過ぎたので少し戻したい或いは元の位置まで戻したい場合がある。
【0060】
この場合、回転部6を他方向(左軸回転方向)に軸回転させると、螺旋移動部11は他方向(左軸回転方向)に軸回転するとともに、螺旋移動部11及び第一筒状部12は先端側へ筒状本体部2から突出移動した分だけ螺旋移動する。この螺旋移動部11が筒状本体部2から突出移動した分だけ該筒状本体部2の長さ方向に移動することに伴い第一筒状部12も移動するが、他方向(左軸回転方向)に軸回転はしない。これは、第一ラチェット部14の係合が第三ラチェット部19の係合よりも弱い係合力に設定されており、第二筒状部材13が他方向(左軸回転方向)に軸回動しないからである。従って、この際、第一環状部16は他方向(左軸回転方向)に軸回転しない為、螺子軸部3bが軸回転することもなく先端側へ移動することはない(薬液Mが吐出することはない。)。
【0061】
また、本実施例に係る薬液注入器Xの回転部6の一方向への軸回転を、任意の軸回転量に制限する軸回転制限部10が設けられている。
【0062】
この軸回転制限部10は、回転部6に設けられる係止部7aと、筒状本体部2に設けられる被係止部8aとから成り、回転部6を所定の始点位置P1から所定の終点位置P2まで一方向へ回転させた際、被係止部8aに前記係止部7aが係止して回転部6の一方向への軸回転が制限されるように構成されている。
【0063】
具体的には、回転部6に設けられる第一部材7と、筒状本体部2に設けられる第二部材8とを有する。
【0064】
第一部材7は、図6に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成した環状体であり、回転部6に被嵌連結される。
【0065】
また、第一部材7の基端部には棒状の係止部7aが突設されている。
【0066】
この係止部7aは、第二部材8を筒状本体部2(第二円筒体2”)の基端部に被嵌連結した状態で回転部6に被嵌連結した際、第二部材8の内周面に添設状態となる位置に設けられており、この第二部材8の内周面に添設状態で移動する第一部材7の係止部7aの軸回転軌道上に第二部材8の被係止部8aが設けられている。
【0067】
具体的には、第一部材7と第二部材8は筒状本体部2の長さ方向に並設され、第一部材7に設けられる係止部7aは第二部材8へ向けて突設される棒状体であり、回転部6を所定の始点位置P1から所定の終点位置P2まで一方向へ回転させた際、筒状本体部2の所定位置から基端側へ螺旋回転移動した係止部7aが被係止部8aに当接係止するように構成されている。
【0068】
従って、回転部6を軸回転させて係止部7aが被係止部8aに係止することで、当該回転部6の軸回転が制限されることになる。
【0069】
また、係止部7aは、回転部6を一方向へ軸回転させた際、被係止部8aと凹凸係止する形状(鉤形状)に設けられている。
【0070】
第二部材8は、図6に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成した筒状体であり、筒状本体部2(第二円筒体2”)の基端部に被嵌連結される。
【0071】
また、第二部材8の内周面(上部開口部)には突棒状の被係止部8aが設けられている。
【0072】
この被係止部8aは、回転部6を所定の始点位置P1から所定の終点位置P2まで一方向(右軸回転方向)へ軸回転させた際、前述した第一部材7に設けられた係止部7aが係止して該回転部6の一方向(右軸回転方向)への軸回転を制限する。
【0073】
また、被係止部8aは、回転部6を一方向へ軸回転させた際、係止部7aが凹凸係止する形状(鉤形状)に設けられている。
【0074】
また、第二部材8の周面所定位置には孔8bが設けられており、この孔8bは、筒状本体部2(第二円筒体2”)の基端部に被嵌連結した際、表示窓2cが隠蔽されないようにするための窓孔である。
【0075】
また、本実施例では、360度未満の範囲で回転部6の軸回転が規制されることになる。
【0076】
図10,11は、実施例1に係る第1の別例であり、丁度360度で回転部6の軸回転が規制される係止部7a及び被係止部8aの形状を図示している。
【0077】
また、図12〜17は、実施例1に係る第2の別例であり、被係止部8aは、筒状本体2に設けられる第二部材8の周方向任意の位置に移動自在に設けられ、係止部7aが係止する位置が可変自在に構成されている。
【0078】
具体的には、図12に図示したように第二部材8の上端部には周方向に多数の螺子孔から成る取付部8cが並設されており、この取付部8cにイモネジから成る被係止部8aが着脱自在に貫通状態で取り付けられる。
【0079】
この被係止部8aを螺着装着することで第二部材8の内面に突出する部分に係止部7aが係止することになる(図13,14参照)。
【0080】
また、図15に図示した第二部材8は、筒状本体部2(第二円筒体2”)の基端部に被嵌連結する内側筒状部8’と、この内側筒状部8’に間隔を介して被嵌状態となる外側筒状部”とで構成され、係止部7aは、第二部材8(内側筒状部8’)を筒状本体部2(第二円筒体2”)の基端部に被嵌連結した状態で回転部6に被嵌連結した際、第二部材8(内側筒状部8’)の外周面に添設状態となる位置に設けられており、この第二部材8(内側筒状部8’)の外周面に添設状態で移動する第一部材7の係止部7aの軸回転軌道上に第二部材8の被係止部8aが設けられている。
【0081】
また、第二部材8(内側筒状部8’)の上端部には周方向に多数の螺子孔から成る取付部8cが並設されており、この取付部8cにイモネジから成る被係止部8aが着脱自在に貫通状態で取り付けられる。
【0082】
この被係止部8aを螺着装着することで第二部材8(内側筒状部8’)の外面に突出する部分に係止部7aが係止することになる(図16,17参照)。
【0083】
符号21は止着部材(イモネジ)である。
【0084】
以上の構成から成る軸回転制限部10を構成する第一部材7及び第二部材8を薬液注入器Xに組み付ける際には、図7に図示したように薬液注入器Xの回転部6をメモリ11bが設定したい吐出量となる位置まで一方向(右軸回転方向)へ軸回転させ、この状態で第二部材8を筒状本体部2に設けるとともに、第一部材7を回転部6に設ける。この際、第一部材7の係止部7aが第二部材8aの被係止部8aに軸回転方向に係止した状態で組み付ける(図8参照)。
【0085】
その後、回転部6をメモリ11bが0となる位置まで他方向(左軸回転方向)へ軸回転させる。
【0086】
本実施例は上述のように構成したから、注射針1からの薬液Mの吐出量は、筒状本体部2に軸回転自在に設けられる回転部6を一方向へ軸回転させることで設定される薬液押出し部3の可動量で決まり、また、回転部6の一方向への軸回転量は、軸回転制限部10により制限される。
【0087】
この回転部6の軸回転が制限される位置を、予め薬液Mを吐出させたい量となる位置としておくことで、常に同じ位置で回転部6を停止させて注射針1から吐出させたい量の薬液Mが吐出されるよう設定することができ、確実に設定された吐出量の薬液Mを吐出させることができる。
【0088】
よって、本実施例によれば、注射針1から吐出される薬液Mの吐出量が必要以上の吐出量に設定されることを防止することができ、しかも、簡易構造故にコスト安にして量産性に秀れることになる。
【0089】
また、本実施例は、係止部7aは回転部6に着脱自在に設けられ、被係止部8aは筒状本体部2に着脱自在に設けられているから、任意の薬液注入器Xに付け替えて使用することができる。
【0090】
また、本実施例は、係止部7aと被係止部8aとの係止は、両者の当接であるから、簡易且つ確実に回転部6の軸回転を制限することができる。
【0091】
<実施例2>
施例2について図18〜21に基づいて説明する。
【0092】
本実施例は、係止部7aには凹部7bが設けられ、回転部6を所定の始点位置P3から一方向へ軸回転させた際、この凹部7bにより所定の終点位置P4まで被係止部8aに係止部7aが係止せず回転部6の一方向への軸回転が制限されないように構成されており、即ち、回転部6は、360度よりも多く軸回転してその軸回転が規制される構成である(図19〜21参照)。
【0093】
従って、係止部7a(凹部7b)及び被係止部8aの形状や大きさや位置を適宜設定することで、回転部6の軸回転を2周で規制したり3周で規制したりすることができる。
【0094】
その余は実施例1と同様のものである
【符号の説明】
【0095】
M 薬液
P3 所定の始点位置
P4 所定の終点位置
1 注射針
2 筒状本体部
2a 薬液収納部
3 薬液押出し部
4 押し込み操作部
6 回転
7 第一部材
7a 係止部
7b 凹部
8 第二部材
8a 被係止部
10 回転阻止部
11 螺旋移動部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21