(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記導電性シリコーンゴム層及び前記電気絶縁性シリコーンゴム層の界面は、接着剤を介さず直接接合により一体化されている請求項1〜4のいずれかに記載の積層タイプコネクタ。
前記導電性シリコーンゴム層及び前記電気絶縁性シリコーンゴム層の厚みは、それぞれ0.01mm以上である請求項6〜10のいずれかに記載の積層タイプコネクタの製造方法。
前記導電性シリコーンゴム層及び前記電気絶縁性シリコーンゴム層の界面は、接着剤を介さず直接接合により一体化されている請求項6〜11のいずれかに記載の積層タイプコネクタの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明方法で得られる積層タイプコネクタは、導電性シリコーンゴム層と電気絶縁性シリコーンゴム層が積層され、異方導電性を有する。ここで異方導電性とは、例えば厚み方向にのみ導電性であり、面方向は電気絶縁性であることをいう。このため、導電性シリコーンゴム層と電気絶縁性シリコーンゴム層を積層して電気コネクタとする。本明細書において、導電性シリコーンゴム層は導電層ともいい、電気絶縁性シリコーンゴム層は電気絶縁層ともいう。
【0011】
通常の付加反応硬化型シリコーンゴムは、A液とB液に分かれており、どちらか一方に架橋成分が添加され、他方には硬化触媒、例えば白金系触媒が添加されており、この状態で市販されている。通常は、このA液とB液を混合し、必要であれば他の成分も加えて混合し、成形し、硬化させる。硬化は架橋又は加硫ともいう。これに対して本発明は、導電性シリコーンゴム層と電気絶縁性シリコーンゴム層の2つの層のうちいずれか一方の層に架橋成分を添加し、他方の層には他方には硬化触媒、例えば白金系触媒を添加し、前記2つの層を未硬化状態で別々に作成しておき、前記2つの層を積層して加圧することにより、前記架橋成分及び白金系触媒を
互いに他の層に拡散させて付加反応により硬化させる。これにより、室温又は室温に近い温度で硬化でき、硬化時間を管理でき、各層の厚みがファインピッチであっても層の歪の少ない積層タイプコネクタを得ることができる。すなわち、加熱による線膨張の影響で層に歪が出ることを防ぎ、緩やかな硬化反応をすることで各層の厚みを制御でき、層の歪の少ない積層タイプコネクタを得ることができる。また、導電層と電気絶縁層との界面も自己架橋し、接着剤を介さず直接接合により一体化することができる。
【0012】
前記付加反応による硬化時の温度は50℃以下であるのが好ましい。より好ましくは、室温(25℃)〜35℃である。前記の温度範囲であれば、硬化時間は2〜4日、好ましくは3日程度であり、緩やかな硬化反応となり、熱による歪は起こりにくい。
【0013】
前記付加反応による硬化時において、導電層と電気絶縁層の積層体に対して、加圧力を徐々に高めるのが好ましい。例えば1日ごとに積層体の厚みを1〜10%程度薄くするような加圧力とすることができる。
【0014】
前記導電性シリコーンゴム層には導電性フィラーをシリコーンゴム100質量部に対して10〜60体積%添加するのが好ましい。これにより、導電層の電気抵抗値は、厚み2.2mm、5%圧縮時で200Ω/mm
2以下とすることができる。また、電流容量を5mA/mm
2以上とすることができる。前記電気絶縁性シリコーンゴム層の電気抵抗値は、厚み2.2mm、20%圧縮時で200MΩ/mm
2以上であるのが好ましい。
【0015】
前記導電性シリコーンゴム層及び前記電気絶縁性シリコーンゴム層の厚みは、それぞれ0.01mm以上であるのが好ましく、さらに好ましくはそれぞれ0.01〜0.1mm、とくに好ましくは0.02〜0.1mmである。前記の厚みであれば実用的なコネクタの機能として問題ない。
【0016】
本発明で得られるコネクタは、ショアA硬度の硬さが50以上であり、かつ使用温度−40〜100℃となる。
【0017】
本発明のコネクタは、下記の(A)+(C)、(B)+(D)とするか又は(A)+(D)、(B)+(C)の組み合わせとする。
(A)導電性シリコーンゴム:マトリックス樹脂100体積%に対して、導電性フィラーを10〜60体積%添加する。導電性フィラーとしてカーボンブラックと導電金属粒子では比重が異なるため、質量比では正確に表現できない場合があり、体積%とする。導電性シリコーンゴム層の電気抵抗値は、厚み2.2mm、5%圧縮時で200Ω/mm
2以下が好ましい。
(B)電気絶縁性シリコーンゴム:マトリックス樹脂100体積%又はこれにシリカ粉末などを加えて作成する。電気絶縁性シリコーンゴム層の電気抵抗値は、厚み2.2mm、20%圧縮時で200MΩ/mm
2以上が好ましい。
(C)架橋成分:1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、前記(A)又は(B)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、1モル未満の量
(D)硬化触媒:(A)又は(B)のシリコーンゴム成分に対して質量単位で0.01〜1000ppm
【0018】
(1)導電性シリコーンゴム(A)
導電性シリコーンゴム(A)は、一例としてベースポリマー成分に導電性フィラーを加えて作成する。ベースポリマー成分は、一分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するオルガノポリシロキサンであり、アルケニル基を2個含有するオルガノポリシロキサンは本発明のシリコーンゴム組成物における主剤(ベースポリマー成分)である。このオルガノポリシロキサンは、アルケニル基として、ビニル基、アリル基等の炭素原子数2〜8、特に2〜6の、ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に2個有する。粘度は25℃で10〜1000000mPa・s、特に100〜100000mPa・sであることが作業性、硬化性などから望ましい。具体的には、下記一般式(化1)で表される1分子中に平均2個以上かつ分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンを使用する。側鎖はトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状オルガノポリシロキサンである。25℃における粘度は10〜1000000mPa・sのものが作業性、硬化性などから望ましい。なお、この直鎖状オルガノポリシロキサンは少量の分岐状構造(三官能性シロキサン単位)を分子鎖中に含有するものであってもよい。
【0020】
式中、R
1は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換一価炭化水素基であり、R
2はアルケニル基であり、kは0又は正の整数である。ここで、R
1の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換の一価炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、並びに、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基、シアノエチル基等が挙げられる。R
2のアルケニル基としては、例えば炭素原子数2〜6、特に2〜3のものが好ましく、具体的にはビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。一般式(1)において、kは、一般的には0≦k≦10000を満足する0又は正の整数であり、好ましくは5≦k≦2000、より好ましくは10≦k≦1200を満足する整数である。
【0021】
オルガノポリシロキサンとしては一分子中に例えばビニル基、アリル基等の炭素原子数2〜8、特に2〜6のケイ素原子に結合したアルケニル基を3個以上、通常、3〜30個、好ましくは、3〜20個程度有するオルガノポリシロキサンを併用しても良い。分子構造は直鎖状、環状、分岐状、三次元網状のいずれの分子構造のものであってもよい。好ましくは、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、25℃での粘度が10〜1000000mPa・s、特に100〜100000mPa・sの直鎖状オルガノポリシロキサンである。
【0022】
アルケニル基は分子のいずれかの部分に結合していればよい。例えば、分子鎖末端、あるいは分子鎖非末端(分子鎖途中)のケイ素原子に結合しているものを含んでも良い。なかでも下記一般式(化2)で表される分子鎖両末端のケイ素原子上にそれぞれ1〜3個のアルケニル基を有し(但し、この分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基が、両末端合計で3個未満である場合には、分子鎖非末端(分子鎖途中)のケイ素原子に結合したアルケニル基を、(例えばジオルガノシロキサン単位中の置換基として)、少なくとも1個有する直鎖状オルガノポリシロキサンであって、上記でも述べた通り25℃における粘度が10〜1,000,000mPa・sのものが作業性、硬化性などから望ましい。なお、この直鎖状オルガノポリシロキサンは少量の分岐状構造(三官能性シロキサン単位)を分子鎖中に含有するものであってもよい。
【0024】
式中、R
3は互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基であって、少なくとも1個がアルケニル基である。R
4は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換一価炭化水素基であり、R
5はアルケニル基であり、l,mは0又は正の整数である。ここで、R
3の一価炭化水素基としては、炭素原子数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基やシアノエチル基等が挙げられる。
【0025】
また、R
4の一価炭化水素基としても、炭素原子数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、上記R
1の具体例と同様のものが例示できるが、但しアルケニル基は含まない。R
5のアルケニル基としては、例えば炭素数2〜6、特に炭素数2〜3のものが好ましく、具体的には前記式(化1)のR
2と同じものが例示され、好ましくはビニル基である。
【0026】
l,mは、一般的には0<l+m≦10000を満足する0又は正の整数であり、好ましくは5≦l+m≦2000、より好ましくは10≦l+m≦1200で、0<l/(l+m)≦0.2、好ましくは、0.0011≦l/(l+m)≦0.1を満足する整数である。
【0027】
導電性フィラーは、カーボンブラック等の炭素粉末又は金属粉末が好ましく、とくに炭素粉末が好ましい。導電層には、電極部間の電気的接続を行う異方導電性圧接コネクタとしての用途から、低電気抵抗のものを用いる。このために、金属粉末の場合は表面抵抗が1Ω/□以下の物がよく、具体的には金、銀、白金、銅、ニッケル、鉄、パラジュウム、コバルト、クロム等の金属類やステンレス等の合金類からなる粉末、又は電気抵抗を低減する為に表面を金、銀、等の貴金属で被覆した金属粉末を用いるのが好ましい。導電性フィラーの好ましい重量平均粒子径は1〜30μmの範囲である。粒子径の測定はレーザ回折光散乱法により、50%粒子径を測定する。この測定器としては、例えば堀場製作所レーザ回折粒度測定器(LA920)、島津製作所レーザ回折粒度測定器(SALD2100)がある。
【0028】
以上説明した導電性シリコーンゴムは、シリコーンゴム材料メーカーから市販されており、これを使用できる。
【0029】
(2)電気絶縁性シリコーンゴム(B)
電気絶縁性シリコーンゴム(B)は、導電性シリコーンゴム(A)で説明したベースポリマー成分のシリコーン成分を使用できる。このシリコーン成分質量に補強性充填材として煙霧法で作成されたシリカ微粉末を添加して得られた絶縁性シリコーンゴムコンパウンドを使用するのが好ましい。増量充填材として、例えば珪藻土を添加しても良い。添加量は、シリコーン生ゴム100質量部に対して、補強性充填材は10〜35質量部の範囲、増量充填材は10〜40質量部の範囲である。またその他の成分として、各層又はどちらか一方の層に硬化遅延剤を添加することもできる。これにより、硬化をさらに遅らせることができる。硬化遅延剤の添加量は0.01〜5質量%が好ましい。電気絶縁性シリコーンゴム層の電気抵抗値は、厚み2.2mm、20%圧縮時で200MΩ/mm
2以上が好ましい。
【0030】
電気絶縁性シリコーンゴムは、シリコーンゴム材料メーカーから市販されており、これを使用できる。
【0031】
(3)架橋成分
架橋成分としては、一例としてオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用する。この成分中のSiH基とA成分中のアルケニル基とが付加反応(ヒドロシリル化)することにより硬化物を形成する。かかるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を2個以上有するものであればいずれのものでもよく、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、一分子中のケイ素原子の数(即ち、重合度)は2〜1000、特に2〜300程度のものを使用することができる。水素原子が結合するケイ素原子の位置は特に制約はなく、分子鎖の末端でも非末端(途中)でもよい。また、水素原子以外のケイ素原子に結合した有機基としては、前記一般式(化1)のR
1と同様の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換一価炭化水素基が挙げられる。
B成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては下記構造のものが例示できる。
【0035】
上記の式中、Phはフェニル基、エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、アルコキシ基の少なくとも1種を含む有機基である。Lは0〜1,000の整数、特には0〜300の整数であり、Mは1〜200の整数である。)
【0036】
(4)硬化触媒成分
硬化触媒成分は、本組成物の硬化を促進させる成分である。硬化触媒成分としては、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として公知の触媒を用いることができる。例えば白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類やビニルシロキサンとの錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族金属触媒が挙げられる。C成分の配合量は、硬化に必要な量であればよく、所望の硬化速度などに応じて適宜調整することができる。A成分に対して金属原子質量として0.01〜1000ppm添加する。
【0037】
以下図面により説明する。以下の図面において、同一符号は同一物を示す。
図1は本発明の一実施形態における積層タイプコネクタの模式的斜視図、
図2は同、導電層と電気絶縁層の部分拡大正面図である。この積層タイプコネクタ1の主要部は、導電層2と電気絶縁層3が一体化されており、厚み方向に導電性を有する。側部にはサポート部4a,4bが一体化されていても良い。
【0038】
この積層タイプコネクタ1の製造方法は、導電層2と電気絶縁層3を別々に作成する。このとき、導電層2と電気絶縁層3のうち、どちらか一方の層に架橋成分を添加し、他方の層には硬化触媒を添加しておく。導電層2と電気絶縁層3とは、圧延法又はフィルムキャスト法により作成する。フィルムキャスト法は、一例としてポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にそれぞれのコンパウンドを薄膜に成形し、この薄膜を所定の形状にカットし、このカット品を相互に積層して加圧することにより、架橋成分及び硬化触媒の少なくとも一方を他の層に拡散させて付加反応により硬化させる。このとき硬化が進むごとに加圧力を高くしても良い。
【実施例】
【0039】
以下実施例を用いて説明する。本発明は実施例に限定されるものではない。
<測定方法>
(1)体積抵抗
JIS−K−6249に従う。
(2)電気抵抗及び導電性の測定方法
JIS−K−6249に従う。
(3)ゴム硬度
JIS−K−6249に従う。
【0040】
(実施例1)
1.材料
(1)導電性ゴム+架橋成分
シリコーンゴム材料メーカーから市販されている導電性シリコーンコンパウンドを使用した。この導電性シリコーンコンパウンドは、硬さ(JIS タイプA)が73、体積抵抗が8Ω・cmである。この導電性シリコーンコンパウンド100質量部に、架橋剤(SiH
官能性シロキサン)2質量部、遅延剤(シロキサン誘導体)0.4質量部を均質に混練りした。次に、圧延ロールで圧延して厚さ6.7mmの圧延シートを作製した。
(2)電気絶縁性ゴム+硬化触媒
シリコーンゴム材料メーカーから市販されている電気絶縁性シリコーンコンパウンドを使用した。この電気絶縁性シリコーンコンパウンドは、硬さ(JIS タイプA)が70、体積抵抗が10
14Ω・cmである。この電気絶縁性シリコーンコンパウンド100質量部に
、白金触媒0.4質量部を均質に混練りした。次に、圧延ロールで圧延して厚さ6.7mmの圧延シートを作製した。
【0041】
2.積層体の成形加工方法
前記のようにして得られた導電性ゴムと電気絶縁ゴムの圧延シートを交互に貼り合せた後、圧延ロールを用い、厚さ13.4mmの貼り合わせシートを厚さ6.7mmに圧延した。さらに圧延後のシートを2等分し重ねて13.4mmの厚さになるように重ね、さらに同様の圧延を繰返し、最終的に導電層の厚さ0.05mm、電気絶縁層の厚さ0.05mmとなるまで数回繰り返した。すなわち、2層を4層、4層を8層、8層を16層、16層を32層・・・となるように繰り返し圧延した。
前記のようにして作製した導電性ゴム層と電気絶縁性ゴム層の未硬化の積層体を、複数層積み重ねて35℃環境下で硬化反応させた。得られたブロックの硬さ(JIS タイプA)が50以上になるまでのおよそ3日間放置させ、積層体を得た。
【0042】
3.評価
硬化させたブロックを端からスライスし、ブロックの歪(スキュー)を確認した。ブロックの端は歪が大きく、中心へ向かうほど歪が小さくなる。歪の発生具合によりブロックの使用可能エリアを判断した。
歪の大きさの判断方法はブロックからスライスしたシートで行った。スライスしたシートを、導電層と電気絶縁層を交互に積層方向のブロック端から直角になるようにカットし、5mm幅の短冊を作製した。作製した短冊から層の歪測定した。歪が無ければ、短冊内の導電層と電気絶縁層は直線状になる(
図3A)。歪が発生した場合は、導電層と電気絶縁層が斜線状になる(
図3B)。歪の規格は5mm幅の内で0.2mm以内とする。
実施例の製造方法で作られたブロックは端から15mmまで導電層、電気絶縁層の歪が発生した(
図4A−B)。
本発明の実施例の製造方法では、比較例1に示す従来の製造方法より1,100cm
3大きいブロックを作製することが出来た。
本実施例のブロックは、導電性ゴムと電気絶縁性ゴムの未硬化の積層体を25枚積み重ね、170mmx220mmx160mmのブロックを作製するが、その際、室温硬化ブロックでは有効範囲は140mmx190mmx160mmとなり、4,256cm
3となる。
これに対して従来法の金型成型ブロックでは110mmx160mmx160mmとなり、2,816cm
3となる。その差は1,440cm
3になり、本実施例のブロックは、歩留りが1.5倍に増えた。
得られたブロックの硬さ(JIS タイプA)は55であった。サンプルを−40℃、100℃の各環境下において1000時間経過後の電気抵抗値は、厚み2.2mm、5〜20%圧縮時で200Ω/mm
2以下であった。
【0043】
(比較例1)
導電性ゴム材料は、硬さ(JIS タイプA)が73で体積抵抗が8Ω・cmである市販のシ
リコーンコンパウンド:100質量部に、プレス成型用加硫剤:3質量部を均質に混練りした。次に、圧延ロールで圧延して厚さ6.4mmの圧延シートを作製した。
電気絶縁ゴム材料は、硬さ(JIS タイプA)70で体積抵抗が10
14Ω・cmである市
販のシリコーンコンパウンド:100質量部とプレス成型用加硫剤3質量部を均質に混練りした。
次に、圧延ロール間で圧延して厚さ6.4mmの圧延シートを作製した。
前記のようにして得られた導電性ゴムと電気絶縁性ゴムの圧延シートを交互に貼り合せた後、圧延ロールを用い、厚さ12.8mmの貼り合わせシートを、厚さ6.4mmに圧延した。さらに圧延後のシートを2等分し重ねて12.8mmの厚さになるように重ね、さらに同様の圧延を繰返し、最終的に導電層の厚さ0.05mm、電気絶縁層の厚さ0.05mmとなるまで数回繰り返した。すなわち、2層を4層、4層を8層、8層を16層、16層を32層・・・となるように繰り返し圧延した。
前記のようにして作製した導電性ゴムと電気絶縁性ゴムの未硬化の積層体を、複数層積み重ねて金型内に挿入し、積み重ね、高さ方向に圧縮をしながら加熱加硫を行い、硬化した積層体を得た。
従来の製造方法で作られたブロックは端から30mmまで導電層、電気絶縁層の歪が発生した(
図5A-B)。