特許第6670286号(P6670286)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670286
(24)【登録日】2020年3月3日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】電界発光表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/26 20060101AFI20200309BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20200309BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20200309BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20200309BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20200309BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20200309BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
   H05B33/26 Z
   H05B33/14 A
   H05B33/14 Z
   H01L27/32
   H05B33/22 Z
   H05B33/12 B
   G09F9/30 365
   G09F9/30 338
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-238344(P2017-238344)
(22)【出願日】2017年12月13日
(65)【公開番号】特開2018-110109(P2018-110109A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2017年12月14日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0181418
(32)【優先日】2016年12月28日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ペク, スンハン
(72)【発明者】
【氏名】リー, チョンウォン
(72)【発明者】
【氏名】ヨ, ジョンフン
(72)【発明者】
【氏名】リー, ジフン
【審査官】 川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−154169(JP,A)
【文献】 特開2006−260792(JP,A)
【文献】 特開2005−222776(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0151651(US,A1)
【文献】 特開2013−041828(JP,A)
【文献】 特開2013−105546(JP,A)
【文献】 特開2014−183024(JP,A)
【文献】 特開2016−195028(JP,A)
【文献】 特開2007−5056(JP,A)
【文献】 特開2004−281365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/00−33/28
H01L 27/32
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上で発光領域を定義するように設けられた第1バンク層と、
前記第1バンク層上の第2バンク層、
前記基板上の発光領域に設けられた第1電極、
前記第1電極の下面に設けられた第2電極、および
前記第1電極上に設けられた発光層を備え、
前記第1電極の端は、前記第1バンク層の端と向かい合うように設けられ、
前記1バンク層は、前記第2電極の端を覆い、
前記第1電極は、前記第2電極上の発光領域に形成され
前記発光層は、前記第2電極の端を覆う前記第1バンク層の側面と上面の部分に接する電界発光表示装置。
【請求項2】
前記第1電極の端が、前記第1バンク層の端と接する請求項1に記載の電界発光表示装置。
【請求項3】
前記第1電極の上面全体が、前記発光層と接する請求項1に記載の電界発光表示装置。
【請求項4】
前記第1電極が、前記第1バンク層とオーバーラップしないように設けられている請求項1に記載の電界発光表示装置。
【請求項5】
前記第1電極の上面の高さが、前記第1バンク層の上面の高さよりも低い請求項1に記載の電界発光表示装置。
【請求項6】
前記第1電極の下面に設けられた第2電極をさらに含む請求項1に記載の電界発光表示装置。
【請求項7】
前記第2電極の端が、前記第1バンク層とオーバーラップしている請求項6に記載の電界発光表示装置。
【請求項8】
前記第2電極の幅が、前記第1電極の幅よりも広い請求項6に記載の電界発光表示装置。
【請求項9】
前記第2電極が、第1透明導電層、第2透明導電層、及び前記第1透明導電層と第2透明導電層の間に設けられた反射層を備える請求項6に記載の電界発光表示装置。
【請求項10】
前記第2電極の第2透明導電層が、前記第1電極の下面と接して前記第1電極よりも薄い厚さで設けられている請求項9に記載の電界発光表示装置。
【請求項11】
前記第1バンク層上に前記第1バンク層の幅よりも狭い幅を有する第2バンク層がさらに設けられており、
前記第1バンク層が、親水性物質からなり、前記第2バンク層の上部は、疎水性物質からなる請求項1に記載の電界発光表示装置。
【請求項12】
基板と、
前記基板上に設けられ、損傷した一部分を有する第2電極と、
前記第2電極上に設けられた発光層、および
前記第2電極と前記発光層の間に設けられて、前記第2電極の損傷した一部分が、前記発光層と接触することを遮断する第1電極を備え、
前記第2電極が、損傷していない残り部分を有し、
前記損傷していない残り部分を覆う第1バンク層をさらに含み、
前記第1バンク層上に第2バンク層がさらに設けられており、
前記第1バンク層が、親水性物質からなり、前記第2バンク層の上部は、疎水性物質からなりそのほかの部分は親水性の性質を有する電界発光表示装置。
【請求項13】
前記第2電極の損傷した一部分には、ピンホールがあるか、またはフッ素(F)または硫黄(S)が含まれている請求項12に記載の電界発光表示装置。
【請求項14】
前記第1電極の厚さは、前記第2電極の端を覆う前記第1バンク層よりも薄い請求項1に記載の電界発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界発光表示装置に関するものであり、より詳細には、溶液工程を用いて製造し得る電界発光表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電界発光表示装置は、二つの電極の間に発光層が形成された構造からなり、前記二つの電極間の電界により前記発光層が発光することによって画像を表示する装置である。
【0003】
前記発光層は、電子と正孔の結合によりエキシトン(exciton)が生成され、生成されたエキシトンが励起状態(excited state)から基底状態(ground state)に落ちながら発光する有機物からなり得、量子ドット(Quantum dot)のような無機物からもなり得る。
【0004】
以下、図を参照して従来の電界発光表示装置について説明することにする。
【0005】
図1は、従来の電界発光表示装置の概略的な断面図である。
【0006】
図1に示すように、従来の電界発光表示装置は、基板10、電極20に、第1バンク層31、第2バンク層32、および発光層40を備える。
【0007】
前記電極20は、前記基板10上に形成されている。
【0008】
前記第1バンク層31は、前記電極20の端を覆いながら前記基板10上に形成されている。
【0009】
前記第2バンク層32は、前記第1バンク層31上に形成されている。前記第2バンク層32は、前記第1バンク層31よりも狭い幅を有するように形成され、このように前記第1バンク層31と前記第2バンク層32によって2段(step)のバンク構造からなり、前記発光層40の両側面で溶液の広がり性が向上し得、また、前記発光層40が、前記第2バンク層32を越える問題が防止され得る。
【0010】
前記発光層40は、前記電極20上に形成される。前記発光層40は、インクジェット装置などを用いて、溶液工程で形成される。
【0011】
しかし、このような従来の電界発光表示装置は、次のような問題がある。
【0012】
従来の場合、前記2段のバンク構造を得るために、前記第1バンク層31のパターン形成が不可欠である。ここで、前記第1バンク層31のパターン形成のためのエッチング液またはエッチングガスによって前記電極20の表面に損傷が発生し得る。
【0013】
例えば、前記第1バンク層31を湿式エッチング工程でパターン形成する場合には、エッチング液によって前記電極20の表面にピンホール(Pin Hole)が生じ得る。また、前記第1バンク層31をドライエッチング工程でパターン形成する場合には、エッチングガスによって前記電極20の表面にフッ素(F)または硫黄(S)のような不純物が生じ得る。
【0014】
このように、ピンホールまたは不純物によって表面が損傷した前記電極20上に前記発光層40を形成するようになれば、前記電極20のピンホールを通じて前記発光層40に汚染物質が浸透したり、また、前記不純物が前記発光層40に浸透するようになり、それによって電界発光表示装置の寿命が短くなる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、前述した従来の問題点を解決するために考案されたものであり、本発明は、電極の損傷を防止することにより、電界発光表示装置の寿命を延長させることができる電界発光表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するために、本発明は、基板、前記基板上で発光領域を定義するように設けられた第1バンク層、前記基板上の発光領域に設けられた第1電極、及び前記第1電極上に設けられた発光層を備え、前記第1電極の端は、前記第1バンク層の端と向き合うように備えられた電界発光表示装置を提供する。
【0017】
本発明は、また、基板、前記基板上に具備され、損傷した一部分を有する第2電極、前記第2電極上に設けられた発光層、及び前記第2電極と前記発光層との間に備えられて前記第2電極の損傷した一部分が前記発光層と接触することを遮断する第1電極を備える電界発光表示装置を提供する。
【0018】
本発明は、また、基板上に第1バンク層を形成し、前記第1バンク層上にフォトレジストパターンを形成する工程、前記フォトレジストパターンをマスクにして前記第1バンク層の一部を除去して発光領域を設ける工程、前記フォトレジストパターンと前記発光領域上に第1電極を形成する工程、前記フォトレジストパターンおよび前記フォトレジストパターン上の前記第1電極を除去して、前記発光領域上の第1電極を残存させる工程、及び前記第1電極上に発光層を形成する工程を備える電界発光表示装置の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0019】
以上のような本発明によれば、次のような効果がある。
【0020】
本発明の一実施例によると、第1電極が第1バンク層のパターン形成後に形成されるので、前記第1バンク層のパターン形成のためのエッチング液またはエッチングガスによって前記第1電極の表面が損傷されることを防止し得る。
【0021】
また、本発明の一実施例によると、前記第1バンク層のパターン形成のためのフォトレジストパターンを用いて前記第1電極をパターン形成するため、前記第1電極を形成するための別途のマスク工程を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来の電界発光表示装置の概略的な断面図である。
図2】本発明の一実施例による電界発光表示装置の概略的な断面図である。
図3】本発明の他の実施例による電界発光表示装置の概略的な断面図である。
図4図4a〜図4gは、本発明の一実施例による電界発光表示装置の製造工程を示す工程断面図である。
図5図5a〜図5gは、本発明の他の実施例による電界発光表示装置の製造工程を示す工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、異なる多様な形態で具現されるものであり、単に本実施例は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義される。
【0024】
本発明の実施例を説明するために図で開示された形状、大きさ、比率、角度、数などは例示的なものなので、本発明は、図に示された事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照符号は同一の構成要素を指す。また、本発明を説明するにおいて、関連する公知技術に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、その詳細な説明は省略する。本明細書で言及した「備える」、「有する」、「からなる」などが使用されている場合は、「〜だけ」が使用されていない限り、他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現する場合に特に明示的な記載事項がない限り、複数が含まれる場合を含む。
【0025】
構成要素を解釈するに当たり、別の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0026】
位置関係の説明である場合には、例えば、「〜上に」、「〜上部に」、「〜下部に」、「〜隣に」など2つの部分の位置関係が説明されている場合は、「すぐに」または「直接」が使用されていない限り、二つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0027】
時間の関係に関する説明である場合には、例えば、「〜の後」、「〜に続いて」、「〜次の」、「〜前」などで時間的前後関係が説明されている場合は、「すぐに」または「直接」が使用されていない以上連続していない場合も含むことができる。
【0028】
第1、第2などが、さまざまな構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下に記載されている第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であることもある。
【0029】
本発明のいくつかの実施例のそれぞれの特徴が部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、技術的に様々な連動およびと駆動が可能であり、各実施例が互いに独立して実施することも可能であり、連関関係で一緒に実施することもできる。
【0030】
以下、添付の図を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明することにする。
【0031】
図2は、本発明の一実施例による電界発光表示装置の概略的な平面図である。図2は、一つのサブ画素に対してのみ示した図である。
【0032】
図2に示すように、本発明の一実施例による電界発光表示装置は、基板100、回路素子層200、第1電極310、第1バンク層410、第2バンク層420、および発光層500を備える。
【0033】
前記基板100は、ガラスまたは透明なプラスチックからなり得るが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0034】
前記回路素子層200は、前記基板100上に形成されている。
【0035】
前記回路素子層200は、遮光層210、バッファ層220、アクティブ層230、ゲート絶縁膜240、ゲート電極250、層間絶縁膜260は、ソース電極270a、ドレイン電極270bおよび平坦化層280を備える。
【0036】
前記遮光層210は、前記基板100上に形成されて前記アクティブ層230に光が進入することを防止する。したがって、前記遮光層210は、前記アクティブ層230とオーバーラップするように形成され、前記アクティブ層230よりも広い面積で形成し得る。
【0037】
前記バッファ層220は、前記遮光層210上に形成され、前記遮光層210と、前記アクティブ層230を絶縁させる。また、前記バッファ層220は、前記基板100に含まれる物質が上部に向かって広がっていくことを防止する機能も実行し得る。
【0038】
前記アクティブ層230は、前記バッファ層220上に形成されている。前記アクティブ層230は、シリコン系半導体材料または酸化物半導体材料からなり得るが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0039】
前記ゲート絶縁膜240は、前記アクティブ層230上に形成され、前記アクティブ層230と前記ゲート電極250を絶縁させる。
【0040】
前記ゲート電極250は、前記ゲート絶縁膜240上に形成されている。
【0041】
前記層間絶縁膜260は、前記ゲート電極250上に形成され、前記ゲート電極250を、前記ソース電極270a、ドレイン電極270bと絶縁させる。
【0042】
前記ソース電極270aと、前記ドレイン電極270bは、前記層間絶縁膜260上で互いに向かい合いながら離隔されている。前記ソース電極270aと、前記ドレイン電極270bは、それぞれ、前記層間絶縁膜260上に設けられたコンタクトホールを通じて、前記アクティブ層230の一端と他端に接続されている。
【0043】
前記平坦化層280は、前記ソース電極270aと、前記ドレイン電極270b上に形成され、前記基板100の表面を平坦化させる。
【0044】
このような前記回路素子層200は、前記ゲート電極250、前記アクティブ層230、前記ソース電極270a、及び前記ドレイン電極270bを備えた薄膜トランジスタを備える。図2には、ゲート電極250がアクティブ層230の上に形成されるトップゲート(Top Gate)構造の薄膜トランジスタを示したが、必ずしもそれに限定されるものではなく、ゲート電極250がアクティブ層230の下に形成されるボトムゲート(Bottom Gate)構造の薄膜トランジスタを前記回路素子層200に形成することもできる。
【0045】
前記回路素子層200は、スイッチング薄膜トランジスタ、駆動薄膜トランジスタ、センシング薄膜トランジスタ、およびコンデンサからなり得、図2に示した薄膜トランジスタは前記駆動薄膜トランジスタに該当する。
【0046】
前記回路素子層200に具備される薄膜トランジスタおよびコンデンサは、前記発光層500の下部に形成し得るが、前記バンク層410、420の下部に形成することもできる。例えば、本発明に係る電界発光表示装置が上部発光方式の場合には、前記薄膜トランジスタおよびコンデンサが前記発光層500の下部に配置されても、前記薄膜トランジスタおよびコンデンサによって光の放出が影響を受けないので、前記の薄膜トランジスタおよびコンデンサを前記発光層500の下部に配置し得る。ただし、本発明に係る電界発光表示装置が下部発光方式の場合には、前記薄膜トランジスタおよびコンデンサが前記発光層500の下部に配置される場合、前記薄膜トランジスタおよびコンデンサによって光放出に影響を受けるため、前記薄膜トランジスタおよびコンデンサは、前記バンク層410、420の下部に配置し得る。
【0047】
前記第1電極310は、前記回路素子層200上に形成されている。詳細には、前記第1電極310は、前記第1バンク層410によって定義された発光領域(EA)上に形成されている。
【0048】
前記第1電極310は、電界発光表示装置の陽極(Anode)として機能し得る。このような第1電極310は、本発明に係る電界発光表示装置が下部発光方式である場合には、透明電極で構成され、本発明に係る電界発光表示装置が上部発光方式である場合には、反射電極で構成される。
【0049】
前記第1電極310は、前記平坦化層280に設けられたコンタクトホール(CH)を通じて前記回路素子層200のソース電極270aと電気的に接続し得る。ただし、必ずしもそれに限定されるものではなく、場合によっては、前記第1電極310は、前記平坦化層280に設けられたコンタクトホール(CH)を通じて前記回路素子層200のドレイン電極270bと接続することもできる。
【0050】
前記第1電極310は、前記第1バンク層410のパターン形成工程以後に形成することができ、それによって、前記第1バンク層410のパターン形成工程時に使用されるエッチング液またはエッチングガスによって前記第1電極310の表面に損傷が加わる問題を防止され得るが、これについては後述する製造工程を参照すると容易に理解できるだろう。
【0051】
このように前記第1バンク層410のパターン形成工程の後に形成される前記第1電極310は、前記第1バンク層410とオーバーラップしないように設けられ得る。したがって、前記第1電極310の端310aが、前記第1バンク層410によって覆われないようになり、それによって、前記第1電極310の上面310b全体は、前記発光層500と接し得る。
【0052】
また、前記第1電極310の端310aは、前記第1バンク層410の端410aと対向するように形成され得、特に、前記第1電極310の端310aは前記第1バンク層410の端410aと接し得る。
【0053】
また、前記第1電極310の上面310bの高さは、前記第1バンク層410の上面410bの高さよりも低く形成し得る。
【0054】
前記第1バンク層410は、前記回路素子層200上に形成されている。前記第1バンク層410は、前記回路素子層200上で発光領域(EA)を定義するようにパターン形成されている。
【0055】
前記第1バンク層410は、前述したように、前記第1電極310とオーバーラップしないように形成される。また、前記第1バンク層410は、前記第2バンク層420よりも薄い厚さで形成され、前記第2バンク層420よりも広い幅を有するように形成される。それによって、前記第1バンク層410の端410aは、前記発光層500と接するようになる。
【0056】
前記第1バンク層410は、前記発光層500と同じ親水性の性質を有している。前記親水性の性質を有する第1バンク層410は、シリコン酸化物のような無機絶縁物からなり得る。したがって、前記発光層500を形成するための溶液を塗布する際に、前記第1バンク層410上で前記溶液の広がり性が向上し得る。
【0057】
前記第2バンク層420は、前記第1バンク層410上にパターン形成されている。
【0058】
前記第2バンク層420は、前記第1バンク層410より狭い幅を有するように形成される。前記第2バンク層420は、親水性を有する有機絶縁物にフッ素(fluorine)のような疎水性物質を混合した溶液を塗布した後、フォトリソグラフィー工程を経てパターン形成し得る。前記フォトリソグラフィー工程時に照射される光により前記フッ素のような疎水性物質が第2バンク層420の上部420aに移動することができ、それによって前記第2バンク層420の上部420aは、疎水性の性質を有するようになり、そのほかの部分は親水性の性質を有するようになる。即ち、前記第1バンク層410と接する前記第2バンク層420の部分は、親水性の性質を有し、前記第2バンク層420の上部420aは、疎水性の性質を有するようになる。ただし、必ずしもそれに限定されるものではなく、第2バンク層420の全体部分が疎水性の性質を有するように備えることもできる。
【0059】
前記親水性の性質を有する第1バンク層410と第2バンク層420の部分によって、前記発光層500を形成するための溶液の広がり性が向上し得る。特に、前記第1バンク層410が、前記第2バンク層420よりも薄い厚さで広い幅を有するように形成されているので、前記第1バンク層410と前記第2バンク層420の組み合わせによって、親水性性質の2段(step)構造が設けられ、前記発光層500を形成するための溶液がサブ画素の端に向かって容易に広がっていくことができるようになり、それによってサブ画素の端領域において、前記発光層500が厚い厚さに上方にまきあげられる問題が防止され得る。
【0060】
また、前記疎水性の性質を有する第2バンク層420の上部420aによって前記発光層500を形成するための溶液が、互いに隣接するサブ画素に広がっていくことが防止されて、隣接するサブ画素間で、発光層500が互いに混じる問題を防止し得る。
【0061】
したがって、前記バンク層410、420は、隣接するサブ画素間の境界に形成される。特に、前記バンク層410、420は、全体的にマトリックス構造を有し、前記バンク層410、420によって、それぞれのサブ画素内に発光領域(EA)が設けられる。
【0062】
前記発光層500は、前記第1電極310上に形成されている。前記発光層500は、前記発光領域(EA)に形成され、前述したように、前記第2バンク層420の上部420aを越えては形成されない。
【0063】
前記発光層500は、赤色(R)の光を発光したり、緑色(G)の光を発光したり、または青色(B)の光を発光するように設けられ得るが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0064】
前記発光層500は、インクジェット装置などを用いた溶液工程で形成される。
【0065】
前記溶液工程で形成される発光層500は、正孔注入層(Hole Injecting Layer)、正孔輸送層(Hole Transporting Layer)、発光層(Emitting Layer)、電子輸送層(Electron Transporting Layer)、および電子注入層(Electron Injecting Layer)のうち少なくとも一つの有機層を備えることができる。場合によって、前記発光層500は、量子ドット(Quantum dot)と同じ無機物からなり得る。
【0066】
例えば、前記発光層500は、順番に積層された正孔注入層(Hole Injecting Layer)、正孔輸送層(Hole Transporting Layer)、発光層(Emitting Layer)、電子輸送層(Electron Transporting Layer)、および電子注入層(Electron Injecting Layer)の組み合わせからなり得る。
【0067】
場合によって、前記発光層500は、順番に積層された正孔注入層(Hole Injecting Layer)、正孔輸送層(Hole Transporting Layer)、および発光層(Emitting Layer)の組み合わせからなり得、この場合には、前記発光層500の上部には、蒸発法(Evaporation)などの蒸着工程で形成された電子輸送層(Electron Transporting Layer)及び電子注入層(Electron Injecting Layer)を追加で形成することができる。図に示していないが、前記蒸着工程で形成された電子輸送層および電子注入層は、サブ画素ごとに区分されるようにパターン形成せずに、前記発光層500だけでなく、前記第2バンク層420上にも形成し得る。
【0068】
図に示していないが、前記発光層500と前記第2バンク層420上に陰極(Cathode)を追加で形成し得る。前記陰極は、本発明に係る電界発光表示装置が上部発光方式である場合には、透明電極で構成され、本発明に係る電界発光表示装置が下部発光方式である場合には、反射電極で構成される。
【0069】
以上のように、本発明の一実施例によると、前記第1電極310が前記第1バンク層410のパターン形成工程後に形成されるので、前記第1バンク層410のパターン形成工程時に使用されるエッチング液またはエッチングガスによって前記第1電極310の表面に損傷が加わる問題を防止することができ、それによって電界発光表示装置の寿命が延長され得る。
【0070】
図3は、本発明の他の実施例による電界発光表示装置の概略的な断面図である。図3は、一つのサブ画素に対してのみ示したものである。
【0071】
図3に示すように、本発明の他の実施例による電界発光表示装置は、基板100、回路素子層200、第1電極310、第2電極320、第1バンク層410、第2バンク層420、および発光層500を備える。
【0072】
前記基板100と、前記回路素子層200の構成は、前述した実施例と同様であるので反復説明は省略する。
【0073】
前記第1電極310と前記第2電極320は、前記回路素子層200上に形成されている。詳細には、前記第2電極320は、前記回路素子層200上に形成されており、前記第1電極310は、前記第2電極320上に形成されている。すなわち、前記第2電極320は、前記第1電極310の下面に形成されている。
【0074】
このような前記第1電極310と前記第2電極320は、電界発光表示装置の陽極(Anode)として機能し得る。特に、前記第1電極310は、透明電極で構成され、前記第2電極320は、反射電極で構成され、本発明に係る電界発光表示装置が上部発光方式からなり得る。
【0075】
詳細には、前記第1電極310は、ITOからなり得るが、必ずしもそれに限定されるものではない。また、前記第2電極320は、第1透明導電層321、反射層322、及び第2透明導電層323を備え得る。前記第1透明導電層321と前記第2透明導電層323は、ITOからなり得、前記反射層322は、銀(Ag)合金からなり得るが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0076】
前記第1電極310は、前記第2電極320を通じて回路素子層200のソース電極270aまたはドレイン電極270bと電気的に接続される。
【0077】
前述した実施例と同様に、前記第1電極310の端310aは、前記第1バンク層410によって覆われず、前記第1電極310の上面310b全体は、前記発光層500と接し得る。また、前記第1電極310の端310aは、前記第1バンク層410の端410aと向かい合うように形成され得、特に、前記第1電極310の端310aは、前記第1バンク層410の端410aと接し得る。また、前記第1電極310の上面310bの高さは、前記第1バンク層410の上面410bの高さよりも低く形成することができる。
【0078】
前記第2電極320は、前記第1電極310とは異なり、前記第1バンク層410の下に延長されている。それによって、前記第2電極320の端320aは、前記第1バンク層410とオーバーラップしている。また、前記第2電極320の幅は、前記第1電極310の幅よりも大きく形成することができる。
【0079】
前記第2電極320は、前記平坦化層280に設けられたコンタクトホール(CH)を通じて前記回路素子層200のソース電極270aと電気的に接続し得る。ただし、必ずしもそれに限定されるものではなく、場合によっては、前記第2電極320は、前記平坦化層280に設けられたコンタクトホール(CH)を通じて前記回路素子層200のドレイン電極270bと接続することもできる。
【0080】
前記第2電極320は、前記第1バンク層410のパターン形成工程以前に形成することができ、それによって、前記第1バンク層410のパターン形成工程時に使用されるエッチング液またはエッチングガスによって前記第2電極320の表面に損傷を与え得る。
【0081】
詳細には、エッチング液によって前記第2電極320の第2透明導電層323の表面にピンホール(Pin Hole)が生じることもあり、エッチングガスによって前記第2電極320の第2透明導電層323の表面にフッ素(F)または硫黄(S)のような不純物が生じることもある。より詳細には、前記ピンホールまたは不純物が生じた第2透明導電層323の部分は、前記第1バンク層410によって覆われていない部分、すなわち、発光領域(EA)に対応する部分であり、前記第1バンク層410によって覆われた第2透明導電層323の部分は、前記ピンホールまたは不純物が生じない。これは後述する製造工程を参照すると容易に理解できるだろう。
【0082】
一方、前記ピンホールまたは不純物が生じた第2透明導電層323の表面上には、前記第1電極310が形成されている。したがって、前記第1電極310によって前記第2透明導電層323の表面上に存在する汚染物質が前記発光層500に浸透することが防止され得る。
【0083】
ここで、前記第2透明導電層323の厚さ(t1)は、前記第1電極310の厚さ(t2)より薄く形成することが、前記汚染物質の浸透を防止するために好ましい。また、電界発光表示装置のマイクロキャビティ(Micro Cavity)の効果を得るために、前記第1電極310の厚さ(t2)は、適切に調節し得る。
【0084】
前記第1バンク層410は、前述したのと同様に前記回路素子層200上で発光領域(EA)を定義するようにパターン形成されている。また、前記第1バンク層410は、前記第1電極310とは、オーバーラップしないが、前記第2電極320とは、オーバーラップするように形成される。また、前記第1バンク層410は、前記第2バンク層420よりも薄い厚さで形成され、前記第2バンク層420よりも広い幅を有するように形成される。また、前記第1バンク層410は、前記発光層500と同じ親水性の性質を有している。
【0085】
前記第2バンク層420は、前記第1バンク層410上にパターン形成されている。前記第2バンク層420の材料および構造は、前述した実施例と同様であるので反復説明は省略する。
【0086】
前記発光層500は、前記第1電極310上の発光領域(EA)に形成される。前記発光層500の材料および構造は、前述した実施例と同様であるので反復説明は省略する。
【0087】
図に示していないが、前記発光層500と前記第2バンク層420上に陰極(Cathode)が追加で形成され得る。
【0088】
このように、本発明の他の実施例によると、前記第1電極310が、第2電極320と発光層500との間に形成されるので、第1バンク層410のパターン形成時に使用されるエッチング液またはエッチングガスにより前記第2電極320の表面に損傷が加えられても、前記第1電極310によって前記第2電極320の損傷した表面が前記発光層500と接触することが遮断されることにより、前記第2電極320の損傷した表面に残存する汚染物質が前記発光層500に浸透することが防止され得る。
【0089】
図4a〜図4gは、本発明の一実施例による電界発光表示装置の製造工程を示す工程断面図であって、これは前述した図2による電界発光表示装置の製造方法に関するものである。したがって、同一の構成に対して同一の符号を付与し、材料などの反復される部分の説明は省略することにする。
【0090】
まず、図4aに示すように、基板100上に回路素子層200を形成する。
【0091】
前記回路素子層200は、前記基板100上に、当業界に公知された様々な方法を用いて遮光層210、バッファ層220、アクティブ層230、ゲート絶縁膜240、ゲート電極250、層間絶縁膜260は、ソース電極270a、ドレイン電極270bおよび平坦化層280を形成する工程を通じて得られる。
【0092】
ただし、前述したように、前記回路素子層200の具体的な構成は、多様に変更され得、その形成工程もまた、当業界に公知された多様な方法に変更し得る。
【0093】
次に、図4bに示すように、前記回路素子層200上に第1バンク層410を形成し、前記第1バンク層410上にフォトレジストパターン600を形成する。
【0094】
前記第1バンク層410は、前記基板100の全体面上に形成する。
【0095】
次に、図4cに示すように、前記フォトレジストパターン600をマスクにして前記第1バンク層410の一部分を除去して発光領域(EA)を設ける。そうすると、前記エッチングによって除去されずに残存する残り部分により、第1バンク層410のパターンが完成する。
【0096】
前記第1バンク層410の一部分をエッチングすると、前記フォトレジストパターン600の端600aの下にエッチング液またはエッチングガスが浸透するようになってアンダーカット(undercut)現象が発生し得る。それによって、エッチング後に残存する前記第1バンク層410の端410aは、前記フォトレジストパターン600の端600aと一致しなくなり得る。
【0097】
次に、図4dに示すように、前記フォトレジストパターン600と、前記第1バンク層410の一部分が除去されて設けられた前記発光領域(EA)上に第1電極310を形成する。前記第1電極310の一部分は、前記フォトレジストパターン600上に形成され、前記第1電極310の残りの部分は、前記回路素子層200上に形成される。
【0098】
前記第1電極310は、前記平坦化層280にコンタクトホール(CH)を形成した後、前記コンタクトホールを通じて前記ソース電極270a又は前記ドレイン電極270bと接続するように形成する。
【0099】
ここで、前記第1電極310の端310aは、前記第1バンク層410によって覆われないようになり、その代わりに、前記第1バンク層410の端410aと向かい合って接するようになる。また、前記第1電極310の上面310bの高さは、前記第1バンク層410の上面410bの高さよりも低くなり得る。
【0100】
次に、図4eに示すように、前記フォトレジストパターン600および、その上の第1電極310を除去する。そうすると、前記発光領域(EA)に形成された前記第1電極310のパターンのみが残存することになる。
【0101】
ここで、前述した図4d工程で、前記第1電極310の上面310bの高さが前記第1バンク層410の上面410bの高さよりも低く形成されるため、前記フォトレジストパターン600の端600aの下にエッチング液が浸透して前記フォトレジストパターン600および、その上の第1電極310が除去され得る。
【0102】
次に、図4fに示すように、前記第1バンク層410上に第2バンク層420を形成する。
【0103】
前述したように、前記第2バンク層420は、前記第1バンク層410より狭い幅を有するように形成する。前記第2バンク層420は、親水性を有する有機絶縁物にフッ素(fluorine)のような疎水性物質を混合した溶液を塗布した後、フォトリソグラフィー工程を経てパターン形成し得る。前記フォトリソグラフィー工程時に照射される光により前記フッ素のような疎水性物質が第2バンク層420の上部420aに移動することができ、それによって前記第2バンク層420の上部420aは、疎水性の性質を有するようになり、そのほかの部分は親水性の性質を有するようになる。
【0104】
次に、図4gに示すように、前記第1電極310上に発光層500を形成する。前記発光層500は、インクジェット装置などを用いた溶液工程で形成する。前記発光層500は、前記第2バンク層420の上部420aを越えて形成されない。
【0105】
一方、図に示していないが、前記発光層500と前記第2バンク層420上には、陰極(Cathode)を追加で形成し得る。
【0106】
このように、本発明の一実施例によると、前記第1電極310が前記第1バンク層410のパターン形成後に形成されるので、前記第1バンク層410のパターン形成のためのエッチング液またはエッチングガスによって前記第1電極310の表面が損傷されない。
【0107】
また、本発明の一実施例によると、前記第1バンク層410のパターンを形成するためのフォトレジストパターン600を用いて、前記第1電極310をパターン形成するため、前記第1電極310を形成するための別途のマスク工程を必要としない。
【0108】
図5a〜図5gは、本発明の他の実施例による電界発光表示装置の製造工程を示す工程断面図であって、これは、前述した図3による電界発光表示装置の製造方法に関するものである。したがって、同一の構成に対して同一の符号を付与し、材料などの反復される部分の説明は省略することにする。
【0109】
まず、図5aに示すように、基板100上に回路素子層200を形成し、前記回路素子層200上に第2電極320を形成する。
【0110】
前記回路素子層200は、前記基板100上に、当業界に公知された多様な方法を用いて遮光層210、バッファ層220、アクティブ層230、ゲート絶縁膜240、ゲート電極250、層間絶縁膜260、ソース電極270a、ドレイン電極270bおよび平坦化層280を形成する工程を通じて得ることができる。
【0111】
ただし、前述したように、前記回路素子層200の具体的な構成は、多様に変更され得、その形成工程もまた、当業界に公知された多様な方法で変更し得る。
【0112】
前記第2電極320は、前記平坦化層280にコンタクトホール(CH)を形成した後、前記コンタクトホールを通じて前記ソース電極270a又は前記ドレイン電極270bと接続するように形成する。
【0113】
前記第2電極320は、前記平坦化層280上に順に設けられた第1透明導電層321、反射層322、及び第2透明導電層323を備えることができる。
【0114】
次に、図5bに示すように、前記回路素子層200と前記第2電極320上に第1バンク層410を形成し、前記第1バンク層410上にフォトレジストパターン600を形成する。
【0115】
前記第1バンク層410は、前記基板100の全体面上に形成する。
【0116】
次に、図5cに示すように、前記フォトレジストパターン600をマスクにして前記第1バンク層410の一部分を除去して発光領域(EA)を設ける。そうすると、前記エッチングによって除去されずに残存する残り部分によって、第1バンク層410のパターンが完成する。このように残存する第1バンク層410によって前記第2電極320の端320aが覆われる。
【0117】
また、前記発光領域(EA)で前記第2電極320が露出する。ここで、前記第1バンク層410の一部分をエッチングする工程を実行するときにエッチング液またはエッチングガスにより前記第2電極320の露出した表面に損傷が発生し得る。
【0118】
例えば、前記第1バンク層410の一部分をウェットエッチング工程で除去する場合には、エッチング液によって、前記露出する第2電極320の表面にピンホール(Pin Hole)が生じ得る。また、前記第1バンク層410の一部分をドライエッチング工程で除去する場合には、エッチングガスによって、前記露出する第2電極320の表面にフッ素(F)または硫黄(S)のような不純物が生じ得る。
【0119】
本明細書全体において、前記第2電極320の一部または表面に損傷が発生するということは、前記第2電極320の一部または表面にピンホールが生じたり、不純物が生じることを意味する。
【0120】
一方、前記第1バンク層410の一部分をエッチングすると、前記フォトレジストパターン600の端600aの下にエッチング液またはエッチングガスが浸透するようになってアンダーカット(undercut)現象が発生し得る。それによって、エッチング後の残存する前記第1バンク層410の端410aは、前記フォトレジストパターン600の端600aと一致しなくなり得る。
【0121】
次に、図5dに示すように、前記フォトレジストパターン600と前記第2電極320上に第1電極310を形成する。前記第1電極310の一部分は、前記フォトレジストパターン600上に形成され、前記第1電極310の残りの部分は、前記第2電極320上の発光領域(EA)に形成される。
【0122】
ここで、前記第2電極320上に形成される前記第1電極310の端310aは、前記第1バンク層410によって覆われないようになり、その代わりに、前記第1バンク層410の端410aと向かい合いながら接するようになる。また、前記第2電極320上に形成される前記第1電極310の上面310bの高さは、前記第1バンク層410の上面410bの高さよりも低くなり得る。
【0123】
次に、図5eに示すように、前記フォトレジストパターン600および、その上の第1電極310を除去する。そうすると、前記第2電極320上の発光領域(EA)に形成された前記第1電極310のパターンのみが残存することになる。
【0124】
次に、図5fに示すように、前記第1バンク層410上に第2バンク層420を形成する。
【0125】
前記第2バンク層420の形成工程は、前述した実施例と同様であるので反復説明は省略する。
【0126】
次に、図5gに示すように、前記第2電極320上に発光層500を形成する。前記発光層500の形成工程は、前述した実施例と同様であるので反復説明は省略する。
【0127】
一方、図には示していなが、前記発光層500と前記第2バンク層420上には、陰極(Cathode)を追加で形成し得る。
【0128】
以上、添付した図を参照して、本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本発明は、必ずしもこのような実施例に限定されるわけではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で多様に変形実施し得る。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例により、本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。従って、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり限定的ではないと理解されなければならない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0129】
100:基板
200:回路素子層
310:第1電極
320:第2電極
410:第1バンク層
420:第2バンク層
500:発光層
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図4g
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図5f
図5g