(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
栄養組成物が、糖質、脂質、アミノ酸、無機塩類、ビタミン及び食物繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する組成物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゼリー。
栄養組成物が、エレンタール(登録商標)配合内用剤、エレンタール(登録商標)P乳幼児用配合内用剤、ヘパンED(登録商標)配合内用剤、メディエフ(登録商標)、ペムベスト(登録商標)、ツインライン(登録商標)配合経腸用液、ツインライン(登録商標)NF配合経腸用液、ラコール(登録商標)配合経腸用液、ラコール(登録商標)NF配合経腸用液、アミノレバン(登録商標)EN配合散、エンシュア・H(登録商標)及びエンシュア・リキッド(登録商標)からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゼリー。
【背景技術】
【0002】
近年、クローン病患者や潰瘍性大腸患者等の栄養管理が困難な患者に対して、経口栄養組成物、経腸栄養剤等による栄養管理が行われている。
栄養補給が必要な低栄養状態の患者では、通常、胃の容量は大きくなく、従って摂取できる食物量が限られている。そのため、摂取量当たりのカロリーが高く、各栄養成分をバランス良く含み、且つビタミン、ミネラル等の成分を高濃度で含んでいる経口栄養組成物は、そのような患者の栄養管理において特に重要なものである。
また、クローン病、潰瘍性大腸炎等は、根治的な治療法が未だ確立されていないため、生涯にわたり経口栄養組成物を摂取する患者も多く、その需要は今後益々増大することが予想される。
【0003】
ところで、粉末状や顆粒状である経口栄養組成物は、通常、水に溶解して摂取されるが、1回の摂取量が比較的多いため、それを溶解するための水も多量となる。そのため、粉末状や顆粒状である経口栄養組成物を摂取する際、同時に多量の水も摂取する必要があり、これらを全て摂取することが患者にとって容易でない場合も少なくなかった。
また、これら経口栄養組成物は、通常、水に溶解させて摂取するため食べ応えがなく、実際に食事を摂っている感覚が得られ難いという問題があった。経口栄養組成物の摂取は1回きりではなく、食事の代替または補助として日常的に摂取されることが多いため、摂取した際に、実際に食事を摂っている感覚が得られることは生活の質の向上に繋がると思われる。
【0004】
そこで、従来、粉末状や顆粒状である経口栄養組成物をゼリー化させ、同時に摂取する水の量を減らすことによって、摂取しやすく、さらに実際に食事を摂っている感覚が得られるようにするためのゼリー化組成物が提案され、経口栄養組成物とセットで提供されている。
【0005】
しかしながら、このような従来のゼリー化組成物は、寒天等を主成分とするものであった。そのため、ゼリーを調製する際、高温のお湯に溶解する必要があり、簡便にゼリーを調製し得るとは言えないのが実情である。また、高温のお湯を扱うことによって火傷等を負う危険性もあった。
【0006】
一方、薬剤の嚥下補助のためのゼリー飲料が報告されている(特許文献1)。当該ゼリー飲料は、ゼリーとして調製された形態で提供されるため、使用する際に、お湯等を用意する手間はかからない。しかしながら、経口栄養組成物のような1回の摂取量が比較的多い薬剤の嚥下補助のために当該ゼリー飲料を使用する場合、当該ゼリー飲料が大量に必要となり、決して携帯に便利とは言えなかった。
また、嚥下困難者の水分補給用のゼリーを調製するためのゼリー化組成物が報告されている(特許文献2)。しかしながら、経口栄養組成物のような1回の摂取量が比較的多い薬剤の嚥下補助のために当該ゼリー化組成物を使用する場合、当該ゼリー化組成物が大量に必要となり、調製されたゼリーの量も大量となるため、摂取することが負担になる場合があった。
また、飲料や流動食を常温でゼリー化させ、摂取しやすくする製品が市販されている。しかしながら、例えば、大塚製薬工場社製の「イージーゲル」(商品名)やキユーピー社製の「かんたんゼリーの素」(商品名)は液状であり、容量及び重量が大きく携帯性に劣ったものであった。
【0007】
そのため、1回の摂取量が比較的多い粉末状や顆粒状である経口栄養組成物を摂取しやすくするためのゼリーを、高温のお湯を使用することなく簡便に調製でき、さらに容量や重量が小さく携帯性に優れる粉末状、細粒状又は顆粒状のゼリー化組成物に関する技術の開発が医療現場等から切望されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、常温の水を使用して簡便にゼリーを製造することができるゼリー化組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
医薬品、飲食品、栄養組成物等は多価カチオンを通常含有している。本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、多価カチオンとのキレート形成による3次元構造体を形成し得るポリアニオンに着目し、経口摂取用ゼリーの製造に最適な多糖類を選定するとともに、遊離多価カチオン濃度をpHによってコントロールすることにより、常温の水にて使い勝手よく、かつ安全にゼリーを調製できることを見出した。
また、増粘剤は、単独で水に添加した場合、ダマ(塊)を生成しやすく、溶解及び/又は分散させるために時間がかかるという課題が知られている。従来は、この問題を解決するために増粘剤の数〜10倍量程度の賦形剤(例、砂糖、デキストリン等)を添加することで増粘剤を希釈する方法が用いられていたが、このようにして製造したゼリー化組成物は容量が著しく増加してしまうという課題があった。本発明者らは、当該課題を解決するために更に検討を重ねた結果、特定のHLB値を有する界面活性剤を少量添加することによって、ゼリー化組成物の容量を増加させることなく増粘剤のダマの生成を抑制し、増粘剤を短時間で水に溶解及び/又は分散させ得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
【0011】
[1]増粘剤、及びHLB値が8以下である界面活性剤を含有する、ゼリー化組成物。
[2]増粘剤が、アルギン酸及びその塩、ペクチン並びにカラギーナンからなる群より選ばれる1種以上である、[1]記載のゼリー化組成物。
[3]界面活性剤の含有量が、増粘剤1質量部に対して0.01〜0.3質量部である、[1]又は[2]記載のゼリー化組成物。
[4]界面活性剤の含有量が、増粘剤1質量部に対して0.01〜0.1質量部である、[1]又は[2]記載のゼリー化組成物。
[5]増粘剤がアルギン酸塩である、[1]〜[4]のいずれかに記載のゼリー化組成物。
[6]アルギン酸塩がアルギン酸ナトリウムである、[5]記載のゼリー化組成物。
[7]界面活性剤のHLB値が5以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載のゼリー化組成物。
[8]界面活性剤が、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム及びプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1種以上である、[1]〜[7]のいずれかに記載のゼリー化組成物。
[9]界面活性剤がグリセリン脂肪酸エステル又はショ糖脂肪酸エステルである、[8]記載のゼリー化組成物。
[10]キレート化剤及び酸性成分をさらに含有する、[1]〜[9]のいずれかに記載のゼリー化組成物。
[11]キレート化剤の含有量が、増粘剤1質量部に対して0.05〜3質量部であり、
酸性成分の含有量が、増粘剤1質量部に対して0.05〜5質量部である、[10]記載のゼリー化組成物。
[12]キレート化剤の含有量が、増粘剤1質量部に対して0.1〜1.5質量部であり、
酸性成分の含有量が、増粘剤1質量部に対して0.2〜2.5質量部である、[10]記載のゼリー化組成物。
[13]キレート化剤が、クエン酸塩、リンゴ酸塩、リン酸塩及びピロリン酸塩からなる群より選ばれる1種以上であり、
酸性成分がラクトンである、[10]〜[12]のいずれかに記載のゼリー化組成物。
[14]キレート化剤がクエン酸三ナトリウムであり、
酸性成分がグルコノデルタラクトンである、[13]記載のゼリー化組成物。
[15]粉末状、細粒状又は顆粒状である、[1]〜[14]のいずれかに記載のゼリー化組成物。
[16]安息角が45°以下である、[15]記載のゼリー化組成物。
[17]多価カチオンを含有する医薬又は飲食品用である、[1]〜[16]のいずれかに記載のゼリー化組成物。
[18]多価カチオンを含有する医薬又は飲食品の1回の摂取量が3g以上である、[17]記載のゼリー化組成物。
[19]多価カチオンを含有する医薬又は飲食品の1回の摂取量が40g以上である、[17]記載のゼリー化組成物。
[20]多価カチオンを含有する医薬又は飲食品が成分栄養剤である、[17]〜[19]のいずれかに記載のゼリー化組成物。
[21][1]〜[20]のいずれかに記載のゼリー化組成物であって、当該ゼリー化組成物が含有する増粘剤1質量部に対して50〜150質量部である水に、溶解及び/又は分散させるためのものである、ゼリー化組成物。
[22][1]〜[20]のいずれかに記載のゼリー化組成物であって、当該ゼリー化組成物が含有する増粘剤1質量部に対して70〜120質量部である水に、溶解及び/又は分散させるためのものである、ゼリー化組成物。
[23][1]〜[22]のいずれかに記載のゼリー化組成物を水に溶解及び/又は分散させた後に、当該溶液又は分散液に多価カチオンを含有する医薬又は飲食品を添加し、混合する工程を含む、ゼリーの製造方法。
[24]水の量が、ゼリー化組成物が含有する増粘剤1質量部に対して50〜150質量部である、[23]記載の方法。
[25]水の量が、ゼリー化組成物が含有する増粘剤1質量部に対して70〜120質量部である、[23]記載の方法。
[26]混合が、ゼリー化組成物、水並びに多価カチオンを含有する医薬又は飲食品が入った容器を、振とうすることで行われる、[23]〜[25]のいずれかに記載の方法。
[27][1]〜[22]のいずれかに記載のゼリー化組成物、並びに多価カチオンを含有する医薬又は飲食品を含有するゼリー。
[28][23]〜[26]のいずれかに記載の方法で製造されるゼリー。
[29]硬さが5000〜20000N/m
2である、[27]又は[28]記載のゼリー。
【発明の効果】
【0012】
本発明のゼリー化組成物は、常温の水に短時間で溶解及び/又は分散し得るため、常温の水を使用する場合であっても、簡便にゼリーを製造することができる。
また、本発明のゼリー化組成物は、ゼリー化するまでの時間を適宜調整し得るため、ゼリーの製造において、意図しない時期にゼリー化してしまう等の不都合を防ぐことができ、取り扱い性が良好である。
また、本発明によれば、安定して包装し得るゼリー化組成物を提供し得る。
また、本発明によれば、程よい硬さであり、摂取感が良好であるゼリー及びその製造方法を提供し得る。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.ゼリー化組成物
本発明のゼリー化組成物は、増粘剤、及びHLB値が8以下である界面活性剤を、必須成分として含有する。本発明のゼリー化組成物は、これらの増粘剤及び特定のHLB値を有する界面活性剤を含有することによって、常温の水に短時間で溶解及び/又は分散させることができる。
本発明において、「ゼリー化組成物」とは、水及びゼリー化させたい対象と共に混合することで、これらをゼリー状にするための組成物をいう。また、「ゼリー化」するとは、溶液または分散液の形態が、液状からゼリー状になることをいい、「ゼリー状」とは、厚生労働省通知「食安発第0212001号 特別用途食品の表示許可等について」の別紙2の項目「4 えん下困難者用食品の試験方法」に記載された「硬さ、付着性及び凝集性の試験方法」に従い硬さを測定したときに、300〜40000N/m
2となる状態をいう。
本発明において、「常温の水」とは、特に加熱処理をしていない水をいい、通常0〜30℃程度の温度のものを意図する。
【0014】
[増粘剤]
本発明のゼリー化組成物が含有する増粘剤は、多価カチオンの存在下でゲル化する性質を有することが好ましい。かかる増粘剤を含有することで、本発明のゼリー化組成物は、常温の水を使用してもゼリーを製造することができる。
【0015】
本発明のゼリー化組成物が含有する増粘剤としては、例えば、アルギン酸及びその塩、ペクチン並びにカラギーナン等が挙げられる。
【0016】
ペクチンは、ポリα(1→4)−D−ガラクツロン酸のカルボキシル基の一部がメチルエステル化された多糖類である。通常、果物類、野菜類等から抽出及び精製することによって得られるが、本発明において使用されるペクチンは、多価カチオンの存在下でゲル化する性質を保持する限り、どのような方法によって製造されたものであってもよい。また市販品を用いてもよい。
【0017】
アルギン酸は、D−マンヌロン酸及びL−グルロン酸を構成糖とする直鎖状の多糖類である。アルギン酸の塩は、医薬又は飲食品として許容される塩であればよく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、トリエタノールアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。アルギン酸及びその塩は、通常、褐藻等の藻類から抽出及び精製することによって得られるが、本発明において使用されるアルギン酸及びその塩は、多価カチオンの存在下でゲル化する性質を保持する限り、どのような方法によって製造されたものであってもよく、また市販品を用いてもよい。本発明において使用されるアルギン酸及びその塩は、水溶性のアルギン酸塩が好ましく、かかる水溶性のアルギン酸塩としては、1%水溶液としたときに、20℃における粘度が、10〜10000mPa・s(より好ましくは20〜5000mPa・s)であるアルギン酸塩が好ましい。この粘度範囲のアルギン酸塩には、例えばキミカ社製のアルギン酸ナトリウムである「キミカアルギン」のIシリーズ(例えば、IL−2、IL−6、I−1、I−3、I−5、I−8等)やULVシリーズ(例えば、ULV−L3、ULV−L5、ULV−3、ULV−5、ULV−20等)が相当する。
【0018】
カラギーナンは、アンヒドロガラクトース及びガラクトースの硫酸エステルを構成糖とする直鎖状の多糖類である。通常、紅藻類から抽出及び精製することによって得られるが、本発明において使用されるカラギーナンは、多価カチオンの存在下でゲル化する性質を保持する限り、どのような方法によって製造されたものであってもよい。また市販品を用いてもよい。
【0019】
本発明のゼリー化組成物が含有する増粘剤は、他の原料と混合しても安定性が良好であるという観点から、好ましくはアルギン酸塩であり、より好ましくはアルギン酸ナトリウムである。
【0020】
本発明のゼリー化組成物が含有する増粘剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0021】
[界面活性剤]
本発明のゼリー化組成物は、HLB値が8以下である界面活性剤を含有する。当該界面活性剤を含有することにより、本発明のゼリー化組成物は、後述の試験例1に示されるように、常温の水に短時間で溶解及び/又は分散し得るものとなる。
【0022】
界面活性剤のHLB値は、通常8以下であり、好ましくは5以下であり、より好ましくは3.5以下である。当該HLB値が8を超えると、本発明のゼリー化組成物は、常温の水に短時間で溶解及び/又は分散しづらいものとなる。
界面活性剤のHLB値の下限は、特に制限されないが、通常0.1であり、好ましくは0.5であり、より好ましくは1である。
本発明において「HLB値」は、親水親油バランス(hydrophile−lipophile balance)を表し、W.C.Griffinによって提唱された計算式(W.C.Griffin,J.Soc.Cosmetic Chemists,1,311(1949)参照)に従って求められるものをいう。
【0023】
本発明のゼリー化組成物が含有する界面活性剤は、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン系界面活性剤のいずれでも良い。中でも非イオン系界面活性剤が好ましく、具体例としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられ、食品添加物として広く使用されているという観点から、好ましくはグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルである。これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0024】
本発明のゼリー化組成物における界面活性剤の含有量は、増粘剤1質量部に対して、通常0.01〜0.3質量部であり、好ましくは0.01〜0.1質量部であり、より好ましくは0.01〜0.07質量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.05質量部であり、最も好ましくは0.015〜0.045質量部である。当該界面活性剤の含有量が、増粘剤1質量部に対して、0.01質量部未満である場合、ゼリー化組成物を短時間で溶解及び/又は分散させる効果が小さくなる。
【0025】
本発明のゼリー化組成物は、上述の増粘剤及び界面活性剤に加え、キレート化剤及び酸性成分をさらに含有してもよい。キレート化剤及び酸性成分を含有させることによって、ゼリー化するまでの時間を適宜調整し得るため、ゼリーの製造において、意図しない時期にゼリー化してしまう等の不都合を防ぐことができ、ゼリー化組成物の取り扱い性が向上する。
【0026】
[キレート化剤]
キレート化剤は、多価カチオンとキレートを形成し得、且つ可食性であれば特に制限されないが、例えば、クエン酸塩、リンゴ酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩等が挙げられ、キレート化能力が高いという観点から、好ましくはクエン酸塩、ピロリン酸塩であり、より好ましくはクエン酸三ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウムである。これらキレート化剤の水分値は通常、20%以下であり、好ましくは15%以下であり、より好ましくは13%以下である。ここでキレート化剤の水分値は、食品添加物公定書の一般試験法「乾燥減量試験法」に記載の方法によって測定される。これらのキレート化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0027】
本発明のゼリー化組成物におけるキレート化剤の含有量は、増粘剤1質量部に対して、通常0.05〜3質量部であり、好ましくは0.1〜1.5質量部であり、より好ましくは0.1〜1.2質量部であり、さらに好ましくは0.1〜0.5質量部であり、最も好ましくは0.3〜0.5質量部である。当該キレート化剤の含有量が、増粘剤1質量部に対して、0.05質量部未満である場合、十分にキレート化せず、ゼリー化が意図した時期よりも早くなる傾向があり、3質量部を超える場合、必要以上にキレート化するためゼリー化が意図した時期よりも遅くなる傾向がある。
【0028】
[酸性成分]
酸性成分は、キレート化剤が添加された水のpHをキレート化した多価カチオンの脱キレート化が促進されるpH(通常7未満、好ましくは2〜5)に変化させ得るものであって、且つ可食性であれば特に制限されないが、例えば、ラクトン、アジピン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、酢酸等が挙げられ、好ましくは経時的にpHを低下させる酸性成分(即ち、経時的に酸を形成する成分)であり、より好ましくはラクトンであり、さらに好ましくはグルコノデルタラクトンである。これら酸性成分の水分値は通常、10%以下であり、好ましくは8%以下であり、より好ましくは5%以下である。ここで酸性成分の水分値は、食品添加物公定書の一般試験法「乾燥減量試験法」に記載の方法によって測定される。これらの酸性成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0029】
本発明のゼリー化組成物における、酸性成分の含有量は、増粘剤1質量部に対して、通常0.05〜5質量部であり、好ましくは0.2〜2.5質量部であり、より好ましくは0.6〜2.2質量部であり、さらにより好ましくは0.6〜1.5質量部であり、最も好ましくは0.6〜1.2質量部である。当該酸性成分の含有量が、増粘剤1質量部に対して、0.05質量部未満である場合、十分に脱キレート化せず、ゼリー化が意図した時期よりも遅くなる傾向があり、5質量部を超える場合、必要以上に脱キレート化するためゼリー化が意図した時期よりも早くなる傾向がある。
【0030】
本発明のゼリー化組成物は、必要に応じ、本発明の目的を著しく損なわない範囲で、医薬、飲食品等に通常使用される添加剤を含有してもよい。当該添加剤としては、例えば、デキストリン、マルトデキストリン、デンプン類、セルロース類、食物繊維等の賦形剤;メントール、リモネン、ペパーミントオイル、レモン油、オレンジ油等の香料;青色1号、赤色106号、黄色203号、赤色504号、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄等の着色料;スクラロース、アスパルテーム、ステビア、サッカリン及びその塩、アセスルファムカリウム、グリチルリチン酸及びその塩等の甘味料;微粒二酸化ケイ素等の固結防止剤;砂糖、ブドウ糖、果糖、グラニュー糖、糖アルコール等の糖類等が挙げられる。
【0031】
本発明のゼリー化組成物は、常法によって製造することができる。具体的には、本発明のゼリー化組成物は、例えば、水平円筒型混合機、V型混合機、二重円錐型混合機、揺動回転型混合機、単軸リボン型混合機、複軸パドル型混合機、回転動型混合機、円錐スクリュー型混合機等を使用して原料を混合することにより、粉末状に製造される。または、本発明のゼリー化組成物は、例えば、高速攪拌造粒機、押出し造粒機、転動造粒機、流動層造粒機、転動流動層造粒機等を使用して原料を造粒することにより、細粒状又は顆粒状に製造される。
【0032】
本発明のゼリー化組成物の形態は特に制限されないが、固形であることが好ましく、水に溶解及び/又は分散しやすいことから、粉末状、細粒状又は顆粒状であることがより好ましい。
ここで、「粉末状」とは、粉状の原料を混和して均質となるよう製したものをいう。また、「細粒状」及び「顆粒状」とは、原料を粒状に造粒して製したものをいう。「細粒状」と「顆粒状」とは、日本薬局方(第十六改正)の製剤総則の顆粒剤の項に記載に準じ、粒度分布によって分類される。すなわち、日本薬局方(第十六改正)の製剤の粒度測定法を行ったとき、18号(850μm)ふるいを全量通過し、30号(500μm)ふるいに残留する量が全量の10質量%以下のものを「細粒状」といい、30号(500μm)ふるいに残留する量が全量の10質量%を超えるものを「顆粒状」という。
【0033】
本発明のゼリー化組成物の形態が粉末状、細粒状又は顆粒状である場合、その安息角は、45°以下であることが好ましく、42°以下であることがより好ましい。安息角が45°以下であると、本発明のゼリー化組成物を、例えばスティックタイプ等の包装袋に充填して個別包装する場合でも、充填量にばらつきがなく安定して包装できる。
本発明において安息角は、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製、PT−N型)を用いて測定される。具体的には、目開き1400μmの篩にサンプルのゼリー化組成物を投入し、ゼリー化組成物がロートに詰まることなく円盤上に継続して落下するように篩を振幅2mm以内で振動させ、この円盤の周囲からサンプルがこぼれ始めたところで振動を止め、円盤上に円錐状に堆積したサンプルの母線と円盤表面とのなす角を分度器で測定することによって安息角が求められる。
【0034】
本発明のゼリー化組成物は、多価カチオンを含有する医薬又は飲食品用であることが好ましい。本発明において「多価カチオンを含有する医薬又は飲食品用ゼリー化組成物」とは、多価カチオンを含有する医薬又は飲食品を含有するゼリーの製造のために用いられるゼリー化組成物をいう。
【0035】
本発明において「多価カチオン」とは、2価以上のカチオンをいう。当該多価カチオンは、有機カチオン及び無機カチオンの何れであってもよい。好ましくは2〜3価のカチオンであり、より好ましくは2価のカチオンである。当該多価カチオンとしては、例えば、アミノ酸、ペプチド、多価金属イオン等が挙げられ、具体例としては、カルシウムイオン(Ca
2+)、マグネシウムイオン(Mg
2+)、バリウムイオン(Ba
2+)、鉄イオン(Fe
2+、Fe
3+)、アルギニン、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、リジン、トリプトファン等が挙げられる。これらの中でも、本発明のゼリー化組成物は医薬品と、あるいは飲食品と一緒に摂取されるということを鑑みると、カルシウムイオン、マグネシウムイオンがもっとも好ましい。
【0036】
多価カチオンを含有する医薬又は飲食品としては、例えば、栄養組成物(例、成分栄養剤、消化態栄養剤、半消化態栄養剤、天然濃厚流動食等)、腸管洗浄剤、粉末イオン飲料、栄養補助剤、ビタミン剤、サプリメント等が挙げられ、好ましくは、栄養組成物(より好ましくは成分栄養剤)である。また、多価カチオンを含有する飲食品は、健康食品であることが好ましい。本発明において、「健康食品」とは、健康増進に役立つとされている飲食品群をいう。
【0037】
本発明において「栄養組成物」とは、糖質、脂質、アミノ酸、タンパク質、無機塩類、ビタミン及び食物繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種の栄養成分を含有する組成物をいう。具体例としては、エレンタール(登録商標)配合内用剤(味の素製薬社製)、エレンタール(登録商標)P乳児用配合内用剤(味の素製薬社製)、ヘパンED(登録商標)配合内用剤(味の素製薬社製)等の成分栄養剤;消化態栄養剤;半消化態栄養剤;メディエフ(登録商標)(味の素社製)、ペムベスト(登録商標)(味の素社製)等の天然濃厚流動食等、その他にツインライン(登録商標)配合経腸用液(大塚製薬工場社製)、ツインライン(登録商標)NF配合経腸用液(大塚製薬工場社製)、ラコール(登録商標)配合経腸用液(大塚製薬工場社製)、ラコール(登録商標)NF配合経腸用液(大塚製薬工場社製)、アミノレバン(登録商標)EN配合散(大塚製薬社製)、エンシュア・H(登録商標)(明治社製)、エンシュア・リキッド(登録商標)(明治社製)等が挙げられ、好ましくは成分栄養剤である。また、腸管洗浄剤の具体例としては、ニフレック(登録商標)配合内用剤(味の素製薬社製)、ムーベン(登録商標)(日本製薬社製)、マグコロール(登録商標)(堀井薬品工業社製)、スクリット(登録商標)(テバ製薬社製)、ニフプラス(登録商標)(大原薬品工業社製)等が挙げられる。
【0038】
栄養組成物は、糖質、脂質、アミノ酸、無機塩類、ビタミン及び食物繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種の栄養成分を含有すれば、タンパク質を含まないものであってもよい。
【0039】
本発明のゼリー化組成物は容量及び重量が小さく、1つの包装形態にまとめることができ、携帯性に優れることから、多価カチオンを含有する医薬又は飲食品が、1回の摂取量が多いものであっても好適に用いられる。かかる観点から、多価カチオンを含有する医薬又は飲食品は、成人の1回の摂取量が、1g以上であるものが好ましく、3g以上であるものがより好ましく、10g以上であるものが特に好ましく、40g以上であるものが最も好ましい。当該成人1回の摂取量の上限は、通常200gであり、好ましくは150gである。当該成人1回の摂取量は、年齢及び症状等に応じて適宜増減するものであってよい。
【0040】
2.ゼリーの製造方法及びゼリー
本発明のゼリーの製造方法は、上述の本発明のゼリー化組成物を水に溶解及び/又は分散させた後に、当該溶液又は分散液に多価カチオンを含有する医薬又は飲食品を添加し、混合する工程を含むものである。本発明のゼリー化組成物が、充分に水に溶解及び/又は分散する前に、多価カチオンを含有する医薬又は飲食品が添加されると、後述の試験例4に示されるように、得られた混合物はゼリー化しづらいものとなる。
【0041】
本発明のゼリーの製造方法において用いられる水は、飲料として適しているものであれば特に制限されず、例えば、水道水、イオン交換水、精製水等が挙げられる。本発明のゼリー化組成物は、常温の水に短時間で溶解及び/又は分散させ得ることから、ゼリーの製造時に用いられる水の温度は、常温(通常0〜30℃)であることが好ましいが、高温のお湯等を使用してもよい。ゼリーの製造時に用いられる水の量は、所望するゼリーの硬さに応じて適宜調整すればよいが、ゼリー化組成物が含有する増粘剤1質量部に対して、通常50〜150質量部であり、製造したゼリーが程よい硬さになるという観点から、好ましくは70〜120質量部であり、特に好ましくは75〜110質量部である。
【0042】
本発明のゼリーの製造方法において用いられる多価カチオンを含有する医薬又は飲食品としては、例えば、上記において例示したものと同様のもの等が挙げられる。ゼリー化組成物を溶解及び/又は分散させた水に添加する、多価カチオンを含有する医薬又は飲食品の量は、通常、多価カチオンを含有する医薬又は飲食品の1回の摂取量と同量であるが、必要に応じて適宜増減してもよい。具体的には、ゼリー化組成物を溶解及び/又は分散させた水に添加する、多価カチオンを含有する医薬又は飲食品の量の上限は特に制限されないが、通常200gであり、好ましくは150gであり、下限も特に制限されないが、通常1gであり、好ましくは3gであり、より好ましくは10gであり、特に好ましくは40gである。
【0043】
本発明のゼリーの製造方法は、ゼリー化組成物を溶解及び/又は分散させた水に、多価カチオンを含有する医薬又は飲食品を添加した後、これらの成分の混合を行うが、当該混合は、これらの成分が入った容器を振とうすることで行われることが好ましい。振とうの回数は、これらの成分が混合すれば特に制限されないが、通常10〜80回であり、好ましくは20〜70回であり、特に好ましくは40〜60回である。振とうの回数が、10回未満であると、充分に混合しない傾向があり、80回を超えると、ゼリーが崩れる傾向がある。また、振とうの幅も特に制限されないが、通常10〜40cmであり、好ましくは20〜30cmである。振とうの時間も特に制限されないが、通常10秒〜1分であり、好ましくは15秒〜30秒である。
【0044】
上記の混合に使用される容器の形状は、容器に入れたゼリー原料が振とうすることによってよく混合し得る形状であれば特に制限されないが、例えば、円筒形(円柱形)、角筒形(角柱形)、円錐形、角錐形、楕円球形、球形等が挙げられ、取り扱い性の観点から、円筒形、角筒形が好ましい。当該容器の容量も特に制限されず、容器に入れるゼリー原料の量等に応じて適宜設定すればよいが、通常300〜1000cm
3であり、好ましくは600〜900cm
3であり、より好ましくは700〜800cm
3である。また、当該容器の容量は、通常水の容量と多価カチオンを含有する医薬又は飲食品の容量との合計の1.5〜5倍であり、好ましくは3〜4.5倍であり、より好ましくは3.5〜4倍である。
【0045】
本発明のゼリーの製造方法は、必要に応じ、本発明の目的を著しく損なわない範囲で、ゼリー化組成物を溶解及び/又は分散させた水に、多価カチオンを含有する医薬又は飲食品以外の他のゼリー原料を添加する工程を含んでも良い。当該他のゼリー原料としては、例えば、各種フレーバー、香料、矯味剤、着色剤等が挙げられる。また、より好ましい食感を得るために、多価カチオン含有物、pH調整剤等を添加しても良い。当該ゼリー原料を添加する時期は特に制限されず、多価カチオンを含有する医薬又は飲食品の添加前及び添加後のいずれであってもよく、また多価カチオンを含有する医薬又は飲食品と同時に添加してもよい。
【0046】
本発明のゼリーの製造方法によって製造されるゼリーは、程よい硬さであり、摂取感が良好である。本発明において「ゼリー」とは、弾性のある半固形状物をいう。本発明のゼリーの製造方法によって製造されるゼリーの硬さの下限は、通常、厚生労働省通知「食安発第0212001号 特別用途食品の表示許可等について」の別添1「特別用途食品の表示許可基準」の項目「第6 えん下困難者用食品たる表示の許可基準」に記載された許可基準IIIの下限である、300N/m
2である。一方、上限は特に制限されないが、通常、40000N/m
2である。この硬さの範囲は、好ましくは1000〜30000N/m
2であり、さらに好ましくは5000〜20000N/m
2である。
本発明においてゼリーの硬さは、テクスチャーアナライザー(Stable Micro System社製、テクスチャーアナライザーTA−XT)を用い、サンプルのゼリーを、底面の直径が40mmである円筒形の容器に15mmの高さになるよう充填した後、直径20mmの円柱プランジャーで、圧縮速度10mm/sにて、底面からの高さが5mmになるまで、サンプルを圧縮し、その時の最大応力を測定することによって求められる。
ゼリーの硬さは、後述する試験例3に示されるように、5000〜20000N/m
2であると、摂取したとき、程よい硬さであると感じられ、摂取感が良好である。
【実施例】
【0047】
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【0048】
[試験例1]
下記の表1に示す組成(単位:g)で各成分をよく混合して、実施例1〜3、比較例1及び2の、粉末状のゼリー化組成物を調製した。これらのゼリー化組成物を、円筒形容器(直径7cm、高さ20cm)に入った水150g(20〜21℃)にそれぞれ添加した後、当該容器の蓋を閉め、振とうの幅を20〜30cmとして、15秒間で40〜50回のペースで30秒〜1分間当該容器を振とうした。振とう後のゼリー化組成物の状態を目視で確認し、下記の基準に従って評価した。
(評価基準)
○:水に溶解及び/又は分散している。
×:容器の底や側面に塊となって付着している。
【0049】
結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
表1に示される結果から明らかな通り、本発明のゼリー化組成物(実施例1〜3)は、いずれも水に溶解及び/又は分散していた。
これに対し、HLB値が8以下である界面活性剤を含有せず、HLB値が11.9である界面活性剤を含有する比較例1のゼリー化組成物、及び、界面活性剤自体を含有しない比較例2のゼリー化組成物は、いずれも容器の底や側面に塊となって付着していた。
【0052】
[試験例2]
下記の表2に示す組成(単位:質量部)で各成分をよく混合して、実施例4〜9の、粉末状のゼリー化組成物を調製した。これらのゼリー化組成物の安息角を下記の方法で測定した後、枡計量型のスティック包装機(三光機会社製、PN600型)を用いてスティックタイプの包装袋に充填し(充填量:5.5〜6.0g)、それぞれのゼリー化組成物につき1000個以上の包装品を製造した。製造した包装品の重さを測定し、下記の基準に従って評価した。
(安息角の測定方法)
パウダーテスター(ホソカワミクロン社製、PT−N型)を用いて測定した。具体的には、目開き1400μmの篩にサンプルのゼリー化組成物を投入し、ゼリー化組成物がロートに詰まることなく円盤上に継続して落下するように篩を振幅2mm以内で振動させ、この円盤の周囲からサンプルがこぼれ始めたところで振動を止め、円盤上に円錐状に堆積したサンプルの母線と円盤表面とのなす角を分度器で測定することによって安息角が求めた。
(評価基準)
○:包装品の重さにばらつきがなく、安定して包装されている。
△:包装品の重さに、ややばらつきが見られる。
【0053】
結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
表2に示される結果から明らかな通り、本発明のゼリー化組成物は、安息角が45°以下であるとき(実施例4〜7)、安定して包装できた。
【0056】
[試験例3]
<ゼリーの硬さと摂取感との関係>
硬さの異なる16種類のゼリーについて、下記の方法で硬さを測定した後、5名のパネラーにより摂取し、下記の基準に従って摂取感の官能評価を行った。
(ゼリーの硬さの測定方法)
テクスチャーアナライザー(Stable Micro System社製、テクスチャーアナライザーTA−XT)を用い、サンプルのゼリーを、底面の直径が40mmである円筒形の容器に15mmの高さになるよう充填した後、直径20mmの円柱プランジャーで、圧縮速度10mm/sにて、底面からの高さが5mmになるまで、サンプルを圧縮し、その時の最大応力を測定した。
(評価基準)
○:程よい硬さであり、摂取感が良好である。
△:やや軟らかく、程ほどの食べ応えである。
【0057】
結果を表3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】
表3に示される結果から、硬さが5000〜20000N/m
2であるゼリーは、摂取した時、程よい硬さであり、摂取感が良好であることが分かった。
【0060】
<本発明のゼリーの硬さの測定>
上記の実施例3のゼリー化組成物を、円筒形容器(直径7cm、高さ20cm)に入った水150gに添加し、溶解及び分散させた後、これに成分栄養剤(味の素製薬社製、エレンタール(登録商標)配合内用剤)80g及び梅味のフレーバー(成分:グラニュー糖、デキストリン、マルトデキストリン、植物油脂、クエン酸、香料、ステビア)6gを添加した。当該容器を、振とうの幅を20〜30cmとして、15秒間で50回振とうして混合することによって、ゼリーを製造した。
得られたゼリーの硬さを上記の方法で測定した結果、15756N/m
2であり、上記の好ましい硬さの範囲内であった。
また、5名のパネラーにより、当該ゼリーを摂取して官能評価を実際に行ったところ、程よい硬さであり、摂取感が良好であった。
【0061】
[試験例4]
下記の表4に示す組成(単位:g)で各成分をよく混合して、粉末状のゼリー化組成物を調製した。
【0062】
【表4】
【0063】
調製したゼリー化組成物5.58gを、円筒形容器(直径7cm、高さ20cm)に入った水150g(3℃)に添加し、溶解及び分散させた後、これに成分栄養剤(味の素製薬社製、エレンタール(登録商標)配合内用剤)80gを添加した。当該容器を、振とうの幅を20〜30cmとして、15秒間で50回振とうして混合した。4分後、混合物はゼリー化した。
【0064】
調製したゼリー化組成物5.58gと成分栄養剤(味の素製薬社製、エレンタール(登録商標)配合内用剤)80gとをよく混合した後、円筒形容器(直径7cm、高さ20cm)に入った水150g(17℃)に添加した。当該容器を、振とうの幅を20〜30cmとして、15秒間で50回振とうして混合した。2時間後、混合物はゼリー化しなかった。
【0065】
[試験例5]
下記の表5に示す組成(単位:g)で各成分をよく混合して、粉末状のゼリー化組成物を調製した。
【0066】
【表5】
【0067】
調製したゼリー化組成物5.96gを、円筒形容器(直径7cm、高さ20cm)に入った水150g(20℃)に添加し、溶解及び分散させた後、これに表6に示す医薬又は飲食品を添加した。当該容器を、振とうの幅を20〜30cmとして、15秒間で50回振とうして混合した。混合後にゼリー化するまでの時間を測定し、下記の基準に従って評価した。
【0068】
結果を表6に示す。
【0069】
【表6】
【0070】
(表6に記載の医薬又は飲食品)
実施例10の「成分栄養剤及びフレーバー」は、エレンタール(登録商標)配合内用剤(味の素製薬社製)80g及びヨーグルト味のフレーバー(成分:グラニュー糖、デキストリン、植物油脂、クエン酸、香料、ステビア)6gである。
実施例11の「成分栄養剤及びフレーバー」は、エレンタール(登録商標)配合内用剤(味の素製薬社製)80g及びマンゴー味のフレーバー(成分:グラニュー糖、マルトデキストリン、植物油脂、マンゴーパウダー、クエン酸、香料、ステビア)6gである。
実施例12の「粉末イオン飲料」は、粉末清涼飲料(商品名:ポカリスエット、大塚製薬社製)74gである。
実施例13の「栄養補助剤1」は、「カロリーメイトブロック(チョコレート味)」(商品名、大塚製薬社製)40gを細かく砕いたものである。
実施例14の「栄養補助剤2」は、「ユンケルローヤル錠」(商品名、サトウ薬品社製)4錠を細かく砕いたものである。
(評価基準)
○:混合後、数分でゼリー化した。
△:混合後、8時間でゼリー化した。
【0071】
表6に示される結果から明らかなように、本発明のゼリー化組成物は、種々の医薬又は飲食品の溶液又は分散液をゼリー化させ得るものであった。