(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670291
(24)【登録日】2020年3月3日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】ポリマー−セラミック複合材料
(51)【国際特許分類】
H05K 1/16 20060101AFI20200309BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20200309BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20200309BHJP
C08K 3/22 20060101ALI20200309BHJP
C01G 23/00 20060101ALI20200309BHJP
C01G 23/04 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
H05K1/16 Z
H05K9/00 X
C08L101/00
C08K3/22
C01G23/00 C
C01G23/04 Z
【請求項の数】21
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-501507(P2017-501507)
(86)(22)【出願日】2015年3月26日
(65)【公表番号】特表2017-511426(P2017-511426A)
(43)【公表日】2017年4月20日
(86)【国際出願番号】FR2015050783
(87)【国際公開番号】WO2015145084
(87)【国際公開日】20151001
【審査請求日】2018年2月2日
(31)【優先権主張番号】1452720
(32)【優先日】2014年3月28日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】310009890
【氏名又は名称】サン−ゴバン サントル ドゥ ルシェルシェ エ デトゥードゥ ユーロペン
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】ステファーヌ ラフィ
【審査官】
安田 周史
(56)【参考文献】
【文献】
特開平03−243783(JP,A)
【文献】
特表2010−536702(JP,A)
【文献】
特表2013−535580(JP,A)
【文献】
特開2006−278959(JP,A)
【文献】
特開平04−288337(JP,A)
【文献】
特開平04−270119(JP,A)
【文献】
特表2017−502513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/16
H05K 9/00
C08L 101/00
C08K 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式TiOx(式中のxは1.40超〜1.99である)のチタン亜酸化物の粒子、及び/又は一般式Ba(1−m)SrmTiOy(式中のyは1.50〜2.99であり、そしてmは0〜1である)のチタン酸バリウム及び/又はストロンチウム亜酸化物の粒子を含むポリマー−セラミック複合材料を含むか又はそれからなり、エレクトロニクス用途のための受動部品である、電子機器用の構成要素。
【請求項2】
前記ポリマー−セラミック複合材料が10体積%超の、一般式TiOx(式中のxは1.50〜1.99である)のチタン亜酸化物の粒子を含む、請求項1記載の電子機器用の構成要素。
【請求項3】
前記チタン亜酸化物が主としてTinO2n−1相(式中のnは4〜9である)、すなわちTi4O7、Ti5O9、Ti6O11、Ti7O13、Ti8O15又はTi9O17相あり、当該相が合計で前記粒子の重量の80%を超えている、請求項1又は2記載の電子機器用の構成要素。
【請求項4】
前記ポリマー−セラミック複合材料が、10体積%を超える一般式Ba(1−m)SrmTiOy(式中のyは2.50〜2.99であり、mは0〜1である)のチタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物の粒子を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の電子機器用の構成要素。
【請求項5】
mが0〜0.3である、請求項4記載の電子機器用の構成要素。
【請求項6】
前記ポリマーが前記ポリマー−セラミック複合材料の30〜80体積%である、請求項1〜5のいずれか1項記載の電子機器用の構成要素。
【請求項7】
前記ポリマー−セラミック複合材料のポリマーが、エポキシ、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド、ポリアミド、アクリレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、ベンゾシクロブテン、ビスマレイミド、シアン酸エステル又はポリエステル樹脂、あるいはそれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項1〜6のいずれか1項記載の電子機器用の構成要素。
【請求項8】
前記ポリマー−セラミック複合材料のポリマーが熱硬化性樹脂から選ばれる、請求項1〜7のいずれか1項記載の電子機器用の構成要素。
【請求項9】
前記ポリマー−セラミック複合材料のポリマーが熱可塑性樹脂から選ばれる、請求項1〜7のいずれか1項記載の電子機器用の構成要素。
【請求項10】
チタン亜酸化物の粒子及び/又はチタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物の粒子が一緒になって、前記ポリマー−セラミック複合材料の30〜70体積%に相当している、請求項1〜9のいずれか1項記載の電子機器用の構成要素。
【請求項11】
ポリマー、チタン亜酸化物及びチタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物が一緒になって、前記ポリマー−セラミック複合材料の合計重量の70%超に相当している、請求項1〜10のいずれか1項記載の電子機器用の構成要素。
【請求項12】
前記ポリマー−セラミック複合材料中の無機装填物がチタン亜酸化物TiOx(式中のxは1.40超〜1.99である)の粒子から構成されている、請求項1〜11のいずれか1項記載の電子機器用の構成要素。
【請求項13】
前記ポリマー−セラミック複合材料中の無機装填物が一般式Ba(1−m)SrmTiOyのチタン酸バリウム及び/又はストロンチウム亜酸化物の粒子から構成されている、請求項1〜11のいずれか1項記載の電子機器用の構成要素。
【請求項14】
当該構成要素がコンデンサである、請求項1〜13のいずれか1項記載の電子機器用の構成要素。
【請求項15】
当該構成要素が電磁波の減衰のためのシールドである、請求項1〜13のいずれか1項記載の電子機器用の構成要素。
【請求項16】
一般式Ba(1−m)SrmTiOy(式中のyは1.50〜2.99であり、mは0〜1である)のチタン酸バリウム及び/又はストロンチウム亜酸化物の粒子を含む、エレクトロニクス用途のための受動部品のためのポリマー−セラミック複合材料。
【請求項17】
一般式Ba(1−m)SrmTiOy(式中のyは2.50〜2.99であり、mは0〜1である)のチタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物の粒子を10体積%を超えて含む、請求項16記載のポリマー−セラミック複合材料。
【請求項18】
mが0〜0.3である、請求項16又は17記載のポリマー−セラミック複合材料。
【請求項19】
ポリマーが当該複合材料の30〜80体積%に相当している、請求項16〜18のいずれか1項記載のポリマー−セラミック複合材料。
【請求項20】
チタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物の粒子が一緒になって、当該複合材料の30〜70体積%に相当している、請求項16〜19のいずれか1項記載のポリマー−セラミック複合材料。
【請求項21】
ポリマー及びチタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物が一緒になって、当該複合材料の合計重量の70%超に相当している、請求項16〜20のいずれか1項記載のポリマー−セラミック複合材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チタン亜酸化物の粒子又はバリウムもしくはストロンチウムのチタン酸塩亜酸化物の粒子を含む、特にエレクトロニクス用途のための、ポリマー−セラミック複合材料に関する。チタン亜酸化物は、慣例として、一般式TiO
x(式中のxは1〜2であり、境界値は除外される)のチタン酸化物、特に「マグネリ」相を意味するものと理解される。チタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物は、慣例として、一般式Ba
(1-m)Sr
mTiO
y(式中のyは1.5〜3であり、境界値は除外され、mは0〜1であり、境界値が含まれる)の酸化物を意味するものと理解される。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第047595号明細書(又はその対応米国特許第4422917号明細書)に、電極作製用のTiO
x(式中のxは1.55と1.95の間である)タイプの亜酸化物から構成される材料が提示されている。該材料は、TiO
2粉末から、Ti、TiN、TiSi、C、TiO又はTi
2O
3タイプの還元性化合物と、該還元性化合物の特性に応じて1150℃と1450℃の間の温度で、混合することにより合成される。
【0003】
欧州特許第572559号明細書には、この同一の用途に関して、Ti
nO
2n-1(式中のnは4より大きい)の組成に対応するマグネリ相からもっぱら構成されるチタン亜酸化物を使用することが記載されている。この特許明細書には、欧州特許第047595号明細書に記載されるのと実質的に同一の第一の段階、これに続いてすべてのより低次のチタン酸化物を除去するため1100℃と1300℃の間の温度で水素の存在下にアニーリングする追加の段階を含む、該材料を得るための方法が記載されている。
【0004】
国際公開第2009/024776号には、「マグネリ」結晶相Ti
4O
7、Ti
5O
9及びTi
6O
11の混合物から本質的に構成される同様の材料が記載されている。このような組成物はチタン亜酸化物の粒子の導電性とその耐腐食性とのより良好な歩み寄りを可能にさせることが示され、Ti
4O
7相が最も高い導電性を得るのに最も有利であると記載されている。このような粒子を得るための方法は米国特許第4422917号明細書に記載された方法と同一であると記載されており、そして温度1180℃で8時間のTiO
2粉末の水素による還元からなる。
【0005】
本発明によるポリマー−セラミック複合材料の用途は、特定分野の電子機器部品である。
【0006】
現在の電子装置は、能動部品と受動部品とを含む。後者は抵抗体、誘導デバイス及びコンデンサであって、その数は増加し続けており、一方、その機能は同時に多様化している。例えば、携帯電話における受動部品の能動部品に対する比は20を超える。現在、能動部品の大多数は個別の形態で電子回路の表面に装着されていて、これは回路の微細化を制限しており、そして必要な溶接の量の結果として信頼性の問題を提起することがある。これらの理由で、電子基板に「内蔵された」受動部品が益々関心を集めており、特に、それらが提供することができる非常に多様な機能、すなわち信号の分離、ノイズの抑制又は低減、フィルタリングなどの結果として、「内蔵型コンデンサ」が関心を集めている。内蔵型コンデンサは一般に、2つの導電性プレート又はフィルムの間に積層されたポリマー−セラミック複合材料から構成され、このポリマーは、例えばエポキシ樹脂又はPTFEであることができ、セラミック装填物はチタン酸バリウムBaTiO
3であることができ、導電性電極は多くの場合銅製である。この分野における非常に活発な研究から、「内蔵型コンデンサ」のキャパシタンスを増加させるためには、これらのポリマー−セラミック複合材料の誘電率を上げる必要性が大いにあることが示されている。
【0007】
例えば、国際公開第2010/048297号には、コンデンサなどの電子部品のためのポリマー−セラミック複合材料が記載されている。これらは、セラミック装填物がBaTiO
3及び/又は(Ba,Sr)TiO
3及び/又はTiO
2から構成することができる複合材料である。
【0008】
さらに、電子装置の複雑さが増加し動作速度及び密度がさらに大きくなることで、電磁干渉の危険性が大きく増加しており、そのことで通信の品質にとっての電子装置の正確な動作に脅威が生じている。このため、隣接した電気製品により生じる電磁波から電子部品を絶縁するために、様々なタイプの保護が開発されている。伝統的に、遮蔽システムに到達する電磁波を減衰させることができる3つの現象、すなわち反射、吸収及び多重内部反射が認められている。したがって、デシベルで表される電磁波の完全な減衰は、これらの3つの要素の総計である。
【0009】
最初のシールドは金属で製作され、そして電磁波を効率的に反射した。しかし、金属シールドの重量は、しばしば完全に許容されない欠点を構成する。その後、ポリマー導電性フィラー複合材料が電磁波に対する遮蔽又は保護要素として出現し、特に電磁波干渉を制限することを可能にした。例えば、導電性フィラーは金属繊維であることが可能であった。しかしながら、電磁波を反射するために使用されるこれらの金属フィラーは、その用途を制限する腐食及び酸化に対する低い耐性ならびに高い密度を示す。
【0010】
米国特許第7815820号明細書には、電磁波の減衰を可能にする電磁波に対する保護要素としてのポリマー−セラミック複合材料が記載されている。それは、セラミック装填物をBaTiO
3及び/又はSrTiO
3及び/又は(Ba,Sr)TiO
3から構成することができる複合材料である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
電磁波をより効率的に減衰することができるポリマー装填物の必要性が依然として存在する。より高い誘電率を示す材料により、吸収による減衰を増大させることができる。
【0012】
このため、向上した誘電率を示すポリマー装填物複合材料に巡り合う必要性がある幾つかの分野が存在する。本発明の主題は、この必要性を満たすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、第一の態様によると、一般式TiO
x(式中のxは1.00〜1.99である)のチタン亜酸化物の粒子、及び/又は一般式Ba
(1-m)Sr
mTiO
y(式中のyは1.50〜2.99であり、そしてmは0〜1である)のチタン酸バリウム及び/又はストロンチウム亜酸化物の粒子を含むポリマー−セラミック複合材料を含むか又はそれからなる、電子機器用の構成要素に関する。
【0014】
より詳細には、本発明は、特に電子機器の分野で使用するための、セラミック装填物が分散されているポリマーマトリックスから構成されるポリマー−セラミック複合材料に関する。
【0015】
本発明はまた、一般式Ba
(1-m)Sr
mTiO
y(式中のyは1.50〜2.99であり、mは0〜1である)のチタン酸バリウム及び/又はストロンチウム亜酸化物の粒子を含むポリマー−セラミック複合材料に関する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明による構成要素又は複合材料において:
ポリマーマトリックスは、複合材料の30体積%を超え、実際のところさらには40体積%を超え、実際のところさらには50体積%を超えることができる。ポリマーマトリックスは、複合材料の80体積%以下であることができる。ポリマーマトリックスは、複合材料の70体積%未満、実際のところさらには60体積%未満であるのが好ましい。
【0017】
セラミック装填物(すなわち、セラミック部分)は、総計で、複合材料の10体積%を超え、実際のところさらには20体積%を超え、実際のところさらには30体積%を超えることができる。セラミック装填物は、複合材料の70体積%以下であることができる。それは、好ましくは、60体積%未満、実際のところさらには50体積%未満、又は実際のところさらには40体積%未満であることができる。
【0018】
ポリマーマトリックスは、例えば、エポキシ、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド、ポリアミド、アクリレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、ベンゾシクロブテン、ビスマレイミド、シアン酸エステルもしくはポリエステルタイプの樹脂、又はそれらの混合物から構成することができる。
【0019】
第一の可能な実施形態によると、樹脂は熱硬化性樹脂から選ばれる。
【0020】
第二の可能な実施形態によると、樹脂は熱可塑性樹脂から選ばれる。
【0021】
セラミック装填物は、一般式TiO
x(式中のxは1.40を超え、実際のところさらには1.60を超え、実際のところさらには1.70を超え、及び/又はxは1.99未満、実際のところさらには1.95未満、実際のところさらには1.90未満である)のチタン亜酸化物の粒子を含み又はそれから構成されることができる。
【0022】
1つの実施形態によると、チタン亜酸化物の粒子は、ポリマー−セラミック複合材料の10体積%を超え、実際のところさらには20体積%を超え、実際のところさらには30体積%を超える。
【0023】
具体的には、前記チタン亜酸化物は好ましくは、主としてTi
nO
2n-1相(式中のnは4〜9である)であり、すなわちTi
4O
7、Ti
5O
9、Ti
6O
11、Ti
7O
13、Ti
8O
15又はTi
9O
17相であって、当該相は好ましくは、総計で粒子の重量の80%を超え、実際のところさらには85%を超え、又はさらには90%を超える。具体的に言えば、有利な形態によると、Ti
5O
9及び/又はTi
6O
11相が、総計で粒子の重量の60%を超え、好ましくは粒子の重量の70%を超え、そして非常に好ましくは粒子の重量の80%を超える。
【0024】
セラミック装填物は、それとは別に又はそれに加えて、チタン酸バリウム及び/又はストロンチウム亜酸化物の粒子を含み又はそれから構成されてもよい。これらの粒子は一般式Ba
(1-m)Sr
mTiO
yを示し、この式において、好ましくは、
・yは1.70を超え、実際のところさらには2.00を超え、実際のところさらには2.25を超え、実際のところさらには2.50を超え、及び/又は、yは2.95未満であり、実際のところさらには2.90未満であり、及び/又は、
・mは0.9未満であり、実際のところさらには0.70未満であり、実際のところさらには0.5未満であり、実際のところさらには0.3未満であり、実際のところさらには0.1未満である。
【0025】
好ましい形態によると、mは0と0.3の間である。
【0026】
1つの実施形態によると、チタン酸バリウム及び/又はストロンチウム亜酸化物の粒子は、ポリマー−セラミック複合材料の10体積%を超え、実際のところさらには20体積%を超え、実際のところさらには30体積%を超える。
【0027】
本発明の1つの実施形態によると、チタン亜酸化物の粒子とチタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物の粒子とは一緒になって、ポリマー−セラミック複合材料の10体積%を超え、実際のところさらには20体積%を超え、実際のところさらには30体積%を超え、実際のところさらには40体積%を超える。好ましくは、チタン亜酸化物の粒子とチタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物の粒子とは一緒になって、当該複合材料の70体積%未満であり、好ましくは60体積%未満、実際のところさらには50体積%未満であり、又はさらには40体積%未満である。
【0028】
粒子を構成する種々の相及びその割合は、当該分野で周知の技術により、特にX線回折により測定することができる。Ba
(1-m)Sr
mTiO
y相は少なくとも部分的に六方晶結晶形態で存在し、その一方Ba
(1-m)Sr
mTiO
3は立方晶又は正方晶結晶形態で存在することが観察される。
【0029】
しかしながら、複合材料中のセラミック装填物は、チタン亜酸化物及び/又はチタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物以外の物質、特にシリカ(SiO
2)、又は本質的に酸化物の形態あるいはチタン及び/又はチタン酸塩亜酸化物との固溶体で存在する他の元素、特にAl、Cr、Zr、Y、La、Nb、Ta、Fe、Co、Niや、Ca、Na、K又はLiタイプのアルカリ金属又はアルカリ土類金属、を含むことができる。対応する単純な酸化物を基準として、存在する前記元素の総計量は好ましくは、ポリマー−セラミック複合材料の30重量%未満であり、例えば、ポリマー−セラミック複合材料の20重量%未満、実際のところさらには10重量%未満、実際のところさらには5重量%未満、実際のところさらには4重量%未満、又はさらには3重量%未満である。
【0030】
他方において、本発明によると、ポリマー及びチタン亜酸化物は、通常、複合材料の合計重量の70%を超え、特に80%を超え、90%を超え、又はさらには95%を超え、実際のところさらには96%又はさらには97%を超える。
【0031】
好ましい実施形態によると、セラミック装填物は、80重量%を超えるまで、一般式TiO
xのチタン亜酸化物の粒子及び/又は一般式Ba
(1-m)Sr
mTiO
yのチタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物の粒子から構成される。好ましくは、これらの粒子はセラミック装填物の85重量%超、実際のところさらには90重量%超、実際のところさらには95重量%超、実際のところさらには99重量%超を構成する。
【0032】
可能な形態によると、前記複合材料中の無機装填物は、チタン亜酸化物の粒子から本質的に構成される。
【0033】
別の形態によると、前記複合材料中の無機装填物は、一般式Ba
(1-m)Sr
mTiO
yのチタン酸バリウム及び/又はストロンチウム亜酸化物の粒子から本質的に構成される。
【0034】
可能な実施形態によると、セラミック装填物の粒子は固体状態での反応により得られ、すなわち前駆体反応物質を溶融させることなく焼結することにより得られる。還元性媒体中で(例えば水素分圧下に)反応性焼結を行うことによるか、又は初期反応物質に還元剤(例えば、炭素源、例えばコークス)を添加しそして中性雰囲気下(例えばアルゴン下)に反応性焼結を行うことによるか、又は酸化性雰囲気下に反応性焼結を行い、その後還元性雰囲気下に粒子を後処理することによるか、又は酸化性雰囲気下に反応性焼結を行い、このようにして得られた粒子にその後炭素などの還元性元素を添加しそして中性雰囲気下(例えばアルゴン下)にか焼することのいずれかにより、還元状態が得られる。
【0035】
別の実施形態によると、セラミック装填物は融合粒子を含む。
【0036】
融合粒子は、下記の段階,すなわち、
a)二酸化チタンの粒子を含み、場合により酸化バリウムの粒子、場合により酸化ストロンチウムの粒子、それらの前駆体の粒子を含む初期混合物(又は初期装填物)を、還元性条件下に、1500℃を超える温度、好ましくは1600℃を超え、実際のところさらに1700℃を超える温度で、溶融させる段階、
b)溶融混合物をそれが固体化するまで冷却する段階、
c)固体化した塊を、亜酸化物の融合粒子を得るため粉砕する段階、
を含む製造方法により得られる粒子を意味するものと理解される。
【0037】
本方法の好ましい実施形態によると:
初期混合物は、還元剤として使用されるコークスを含む。
【0038】
初期混合物は、混合物の合計重量に対して1重量%と25重量%の間のコークスを含み、好ましくは10重量%と18重量%の間のコークスを含む。溶融は、空気下で行う。また、コークスを添加することなく溶融を行い、その後融合粒子を還元性雰囲気でか焼するか、さもなければそれを還元剤と混合しそして中性雰囲気下でか焼することも可能である。
【0039】
チタン、バリウム及びストロンチウムの酸化物又はそれらの前駆体は、初期混合物中に存在する総計無機物質質量の90%を超え、そして好ましくは初期混合物中に存在する無機物質質量のすべてに相当する。
【0040】
段階a)の間は、電気アーク炉を使用するのが好ましいが、初期混合物又は装填物を完全に溶融することができるかぎり、誘導炉又はプラズマ炉などのすべての既知の炉を想定することができる。別の形態によると、溶融はプラズマトーチで行うことができる。この場合には、初期混合物においてコークスを使用することは必須ではなく、プラズマの雰囲気を調節することにより還元を行うことができる。段階c)の後に得られる融合粒子はまた、プラズマトーチで再び溶融させることもできる。
【0041】
段階c)において、想定される用途に特有の粒子のサイズが得られるまで、固体化された塊を通常の技術により粉砕する。例えば、粉砕は、ミリメートルサイズ、例えば約0.1〜5ミリメートル、実際のところさらにはマイクロメートルサイズ、例えば約0.1〜50μmのサイズの粒子が得られるまで継続することができる。
【0042】
好ましくは、融合粒子は、合計で92%を超え、実際のところさらには94%を超え、又は95%を超えるチタン亜酸化物及び/又はチタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物を含む。
【0043】
しかしながら、融合粒子は、他の相、特にシリカ(SiO
2)、あるいはチタン亜酸化物とともに酸化物形態で又は固溶体でもって本質的に存在する他の元素、特にAl、Cr、Zr、Y、La、Nb、Ta、Fe、Co、Niや、Ca、Na、K又はLiタイプのアルカリ金属又はアルカリ土類金属、を含むことができる。対応する単純な酸化物基準で、存在する前記元素の総合計量は、好ましくは融合粒子の合計質量の10%未満であり、例えば融合粒子の合計質量の5%未満、実際のところさらには4%未満、又はさらには3%未満である。
【0044】
さらに、融合粒子は微量の窒化物(チタン窒化物、酸窒化物又は炭窒化物)又は炭化物を含むことができる。
【0045】
好ましい形態によると、本発明による融合粒子は前記チタン亜酸化物及び/又はチタン酸塩亜酸化物のみから構成され、他の相は不可避の不純物の形態で存在するのみである。
【0046】
1つの実施形態によると、融合粒子は本質的に、平均の全体としての式TiO
xに対応し、この式中のxは1.50と1.95の間であり、好ましくはxは1.75と1.85の間、より好ましくは1.75と1.80の間である。
【0047】
特に、前記チタン亜酸化物は好ましくは主としてTi
nO
2n-1相であり、この式中のnは4〜9であって、すなわち、Ti
4O
7、Ti
5O
9、Ti
6O
11、Ti
7O
13、Ti
8O
15又はTi
9O
17相であって、前記相は好ましくは、合計で粒子の重量の80%を超え、実際のところさらには85%又はさらには90%を超える。
【0048】
特に、有利な形態によると、Ti
5O
9及び/又はTi
6O
11相が、総計で粒子の重量の60%を超え、好ましくは粒子の重量の70%を超え、そして非常に好ましくは粒子の重量の80%を超えることができる。好ましくは、このような形態によると、粒子は30重量%未満のTi
4O
7を含む。このような融合粒子は比較的低い電気抵抗と、良好な耐腐食性とを示す。
【0049】
しかしながら、別の可能な実施形態によると、ポリマー−セラミック複合材料は、前記相が主としてTi
5O
9もしくはTi
6O
11又はこれらの2つの相の混じったものである式Ti
nO
2n-1に対応するチタン亜酸化物の相から本質的に構成される前記融合粒子であって、当該相Ti
5O
9及び/又はTi
6O
11が合計で粒子の重量の60%を超え、さらに30重量%未満のTi
4O
7を含む前記融合粒子を、含まなくともよい。
【0050】
1つの実施形態によると、セラミック装填物は、80重量%を超えるまで、一般式TiO
xのチタン亜酸化物の粒子及び/又は一般式Ba
(1-m)Sr
mTiO
yのチタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物の粒子から構成される。好ましくは、これらの粒子は、セラミック装填物の85重量%超、実際のところさらには90重量%超、実際のところさらには95重量%超、実際のところさらには99重量%超を構成する。
【0051】
有利には、セラミック装填物は、100を超え、実際のところさらには500を超える十分な誘電率を示し、そして1Ω・cm未満である限られた抵抗率を示す。
【0052】
こうして、このようなセラミック装填物を含む本発明によるポリマー−セラミック複合材料は向上した誘電率を示し、すなわち当該技術の現状の複合材料で得られるよりも大きな誘電率を示し、さもなければセラミック装填物の低下した含有量で同等の誘電率を示す。
【0053】
特に電磁波を減衰させるために使用する、1つの実施形態によると、ポリマー−セラミック複合材料は30体積%以下の磁性装填物、特にセラミック磁性装填物(例えば酸化鉄、特にFe
2O
3又はFe
3O
4の形態のもの)又は金属磁性装填物をさらに含む。
【0054】
1つの実施形態によると、チタン亜酸化物の粒子及び/又はチタン酸塩亜酸化物の粒子は、ポリマーマトリックスとのより良好な結合力及び/又は良好な電気絶縁性をもたらすのを可能にする層によりコーティングされる。この層は、例えば、シリカ、シリケート又はシランから構成することができる。この層は、例えば、表面酸化段階により又は「ゾルゲル」タイプの方法により得ることができる。
【0055】
本発明のポリマー−セラミック複合材料は、
・セラミック装填物を構成するセラミック粉末を、ポリマーマトリックスを構成するポリマーとともに又はポリマーの前駆体とともに混合すること(場合により、混合はポリマーの前駆体の一部分の溶解を可能にする溶媒中で行うことができる)、
・例えば押出し、圧延、プレス加工又は射出成形により、混合物を成形すること、
・場合により熱処理すること、
により得られる。
【0056】
こうして、ポリマー−セラミック複合材料は、特に内蔵型コンデンサ用に、薄いフィルム(一般に10μmと500μmの間の厚さ)の形態で提供することができる。それはまた、特に電磁波の減衰用に、成形品の形態で提供することもできる。
【0057】
本発明はまた、本発明によるポリマー−セラミック複合材料を含む製品にも関する。このような製品は、特に電子機器用の構成要素、例えば、内蔵型コンデンサ、電磁波の減衰のための遮蔽もしくは保護要素、あるいは任意の他の電子機器構成要素又は十分な誘電率が必要とされる電子機器向け構成要素など、である。
【0058】
ここでの説明の不必要な妨げとならないように、上記の種々の形態間の本発明によるすべての可能な組み合わせを提示してはいない。しかしながら、上記の最初の及び/又は好ましい範囲と値のすべての可能な組み合わせ(特に2つ、3つ又はそれ以上の組み合わせ)が、本願の出願時に想定されておりそしてここでの説明に照らして出願人により記載されたもの見なされるべきであることが明らかに理解される。
【実施例】
【0059】
下記の例は、本発明の範囲を限定せず、その利点を説明するものである。
【0060】
第一の工程において、次のように4つのセラミック装填物粉末を調製する。
・チタン酸バリウム亜酸化物の融合粒子を調製し、その後粉砕してメジアン直径d
50が1.55μmに等しい粉末(粉末P1)を得る。
・チタン酸バリウム亜酸化物の融合粒子を調製し、その後粉砕してメジアン直径d
50が1.42μmに等しい粉末(粉末P2)を得る。
・一般式TiO
x(式中のx=1.78である)のチタン亜酸化物の融合粒子を調製し、その後粉砕してメジアン直径d
50が1.35μmに等しい粉末(粉末P3)を得る。
【0061】
粉末P1〜P3は非常に濃い青色を有し、準化学量論的な還元状態にあることが観察される。
【0062】
Sigma−Aldrich社から販売される、白色で、0.93μmのメジアン直径d
50を示すBaTiO
3粉末を対照(Ref.)として使用する。
【0063】
化学組成及び存在する結晶相を、融合粒子から形成された粉末から出発して分析する。結果を下記の表1及び2に示す。
【0064】
続いて、
・種々の粉末Ref.、P1、P2及びP3(セラミック装填物を構成する)を、ESCIL社により供給されるALTSアクリル樹脂(ポリマーマトリックスを構成する)と、セラミック装填物が最終の複合材料混合物の20体積%となるようにそれぞれ混合すること、
・この混合物を、180℃での高温プレス加工により、直径が25mmで厚さが5mmのサンプルの形に成形すること、
によりポリマー−セラミック複合材料を得る。
【0065】
次に、こうして得られたポリマーセラミック複合材料の誘電率を測定する。結果を下記の表3に示す。
【0066】
得られた種々のサンプルの組成及び特性を明らかにするために使用する実験手順は下記のとおりである。
【0067】
1)チタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物(粉末P1及びP2)の粒子の全体としての化学組成を、蛍光X線により測定した。重量%として示される、得られた結果を、下記の表1に示す。
【0068】
2)一般式TiO
x(粉末P3)の粒子の「x」の値を、化学量論のTiO
2に達するまで酸化させる、空気下で1000℃にしたサンプルの重量の増加を測定することからなる試験により求めた。サンプルの重量が安定するまで加熱を継続する。化学量論的な化合物TiO
2と初期組成との差異に対応する重量の最終的な増加が、一般式TiO
xのxの値を計算することを可能にする。不純物の含有量を蛍光X線により測定する。このようにして、試験したサンプルは1重量%と最大で4重量%の間の不純物の合計含有量を示すことが明らかにされる。重量%として示される、得られた結果を、下記の表2に示す。
【0069】
3)融合粒子中に存在する結晶相の特性をX線回折により調べた。得られた結果を下記の表1及び2に示す。これらの表において、MaPは主要相を示し、MiPは少なくとも1つの他の非主要相の存在を示し、「〜」は相が痕跡の形で存在することを意味している。本発明の意味の範囲内で、支配的な相であるとき、好ましくは粒子の合計重量の少なくとも25%、実際のところさらには少なくとも35%に相当するときに、相は「主要」であると見なされる。粒子の重量の5%を超えそして25%未満に相当し、特に粒子の重量の5%を超えそして25%未満に相当するときに、相は「非主要」であると見なされる。相が粒子の合計重量の1%未満であるときに、相は「痕跡」の形にあると見なされる。
【0070】
4)サンプルの誘電率を、標準規格ASTM D150により100ヘルツで測定する。得られた結果を下記の表3に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
このように、上記の表に提示した結果は、本発明によるポリマー−セラミック複合材料が対照のセラミック粉末を用いたポリマー−セラミック複合材料に対して実質的に向上した誘電率を示すことを示している。
本発明の代表的な態様としては、以下を挙げることができる:
《態様1》
一般式TiOx(式中のxは1.00〜1.99である)のチタン亜酸化物の粒子、及び/又は一般式Ba(1−m)SrmTiOy(式中のyは1.50〜2.99であり、そしてmは0〜1である)のチタン酸バリウム及び/又はストロンチウム亜酸化物の粒子を含むポリマー−セラミック複合材料を含むか又はそれからなる、電子機器用の構成要素。
《態様2》
前記ポリマー−セラミック複合材料が10体積%超の、一般式TiOx(式中のxは1.50〜1.99である)のチタン亜酸化物の粒子を含む、態様1記載の電子機器用の構成要素。
《態様3》
前記チタン亜酸化物が主としてTinO2n−1相(式中のnは4〜9である)、すなわちTi4O7、Ti5O9、Ti6O11、Ti7O13、Ti8O15又はTi9O17相あり、当該相が合計で前記粒子の重量の80%を超えている、態様1又は2記載の電子機器用の構成要素。
《態様4》
前記ポリマー−セラミック複合材料が、10体積%を超える一般式Ba(1−m)SrmTiOy(式中のyは2.50〜2.99であり、mは0〜1である)のチタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物の粒子を含む、態様1〜3のいずれか1つに記載の電子機器用の構成要素。
《態様5》
mが0〜0.3である、態様4記載の電子機器用の構成要素。
《態様6》
前記ポリマーが前記ポリマー−セラミック複合材料の30〜80体積%である、態様1〜5のいずれか1つに記載の電子機器用の構成要素。
《態様7》
前記ポリマー−セラミック複合材料のポリマーが、エポキシ、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド、ポリアミド、アクリレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、ベンゾシクロブテン、ビスマレイミド、シアン酸エステル又はポリエステル樹脂、あるいはそれらの混合物からなる群より選ばれる、態様1〜6のいずれか1つに記載の電子機器用の構成要素。
《態様8》
前記ポリマー−セラミック複合材料のポリマーが熱硬化性樹脂から選ばれる、態様1〜7のいずれか1つに記載の電子機器用の構成要素。
《態様9》
前記ポリマー−セラミック複合材料のポリマーが熱可塑性樹脂から選ばれる、態様1〜7のいずれか1つに記載の電子機器用の構成要素。
《態様10》
チタン亜酸化物の粒子及び/又はチタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物の粒子が一緒になって、前記ポリマー−セラミック複合材料の30〜70体積%に相当している、態様1〜9のいずれか1つに記載の電子機器用の構成要素。
《態様11》
ポリマー、チタン亜酸化物及びチタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物が一緒になって、前記ポリマー−セラミック複合材料の合計重量の70%超、好ましくは前記複合材料の重量の90%超に相当している、態様1〜10のいずれか1つに記載の電子機器用の構成要素。
《態様12》
前記ポリマー−セラミック複合材料中の無機装填物がチタン亜酸化物の粒子から本質的に構成されている、態様1〜11のいずれか1つに記載の電子機器用の構成要素。
《態様13》
前記ポリマー−セラミック複合材料中の無機装填物が一般式Ba(1−m)SrmTiOyのチタン酸バリウム及び/又はストロンチウム亜酸化物の粒子から本質的に構成されている、態様1〜11のいずれか1つに記載の電子機器用の構成要素。
《態様14》
当該構成要素がコンデンサであり、好ましくは内蔵型コンデンサである、態様1〜13のいずれか1つに記載の電子機器用の構成要素。
《態様15》
当該構成要素が電磁波の減衰のためのシールドである、態様1〜13のいずれか1つに記載の電子機器用の構成要素。
《態様16》
一般式Ba(1−m)SrmTiOy(式中のyは1.50〜2.99であり、mは0〜1である)のチタン酸バリウム及び/又はストロンチウム亜酸化物の粒子を含む、ポリマー−セラミック複合材料。
《態様17》
一般式Ba(1−m)SrmTiOy(式中のyは2.50〜2.99であり、mは0〜1である)のチタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物の粒子を10体積%を超えて含む、態様16記載のポリマー−セラミック複合材料。
《態様18》
mが0〜0.3である、態様16又は17記載のポリマー−セラミック複合材料。
《態様19》
ポリマーが当該複合材料の30〜80体積%に相当している、態様16〜18のいずれか1つに記載のポリマー−セラミック複合材料。
《態様20》
チタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物の粒子が一緒になって、当該複合材料の30〜70体積%に相当している、態様16〜19のいずれか1つに記載のポリマー−セラミック複合材料。
《態様21》
ポリマー及びチタン酸バリウム/ストロンチウム亜酸化物が一緒になって、当該複合材料の合計重量の70%超、好ましくは当該複合材料の重量の90%超に相当している、態様16〜20のいずれか1つに記載のポリマー−セラミック複合材料。