特許第6670316号(P6670316)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670316
(24)【登録日】2020年3月3日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】飲料注出用ストップコック
(51)【国際特許分類】
   B67D 3/04 20060101AFI20200309BHJP
   F16K 5/04 20060101ALI20200309BHJP
   F16K 5/18 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
   B67D3/04 B
   F16K5/04 E
   F16K5/18
   F16K5/04 H
【請求項の数】13
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-538291(P2017-538291)
(86)(22)【出願日】2016年1月19日
(65)【公表番号】特表2018-502788(P2018-502788A)
(43)【公表日】2018年2月1日
(86)【国際出願番号】EP2016050969
(87)【国際公開番号】WO2016116422
(87)【国際公開日】20160728
【審査請求日】2018年12月13日
(31)【優先権主張番号】15151899.0
(32)【優先日】2015年1月21日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501486176
【氏名又は名称】アンハイザー−ブッシュ インベブ エセ.アー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペアースマン、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ファンデケルコーブ、スティユン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ロンペイ、ヨハン
【審査官】 角田 貴章
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭50−013499(JP,B1)
【文献】 特開2001−233398(JP,A)
【文献】 特開平03−014498(JP,A)
【文献】 実開昭61−103397(JP,U)
【文献】 特公昭47−003940(JP,B1)
【文献】 実開昭52−086021(JP,U)
【文献】 特開平07−293715(JP,A)
【文献】 特開2005−343488(JP,A)
【文献】 特開2002−087498(JP,A)
【文献】 特開平09−292040(JP,A)
【文献】 特公昭47−037363(JP,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0084437(US,A1)
【文献】 特公昭59−022109(JP,B2)
【文献】 特開平10−318383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 5/00−5/22
31/44−31/62
B67D 1/00−3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注出チューブ(13)を通る加圧液体の流動を許容または停止するためのストップコックであって、前記注出チューブは、いずれも前記ストップコックによって離間して接続される下流部分(13d)および上流部分(13u)を備え、前記ストップコックは、
(a)長手方向z軸の周囲のハウジング周壁によって画定されるチャンバ(11c)を備えるハウジング部分(11)であって、前記ハウジング周壁は、前記長手方向z軸を中心とした周回の内表面を備え、前記ハウジング周壁は、前記注出チューブ(13)の前記上流部分(13u)に接続可能なハウジング入口開口部を備える、ハウジング部分(11)と、
(b)前記注出チューブの前記下流部分(13d)に接続可能であるかまたはそれを形成し、かつ出口開口部を備える、出口コネクタ(11d)と、
(c)前記ハウジング周壁の前記周回の内表面にぴったりと嵌合するプラグ外周壁によって画定されるプラグ(21)であって、その結果、前記プラグは、前記長手方向z軸を中心に前記チャンバ(11c)内で回転できるようになる、プラグと、を備え、前記プラグは、
(d)前記長手方向z軸に少なくとも部分的に直交し、前記プラグ外周壁に配置される上流開口部(23u)から下流開口部(23d)まで延在し、その結果、前記プラグは、前記上流開口部(23u)が前記ハウジング入口開口部と流体連通にあり、かつ前記下流開口部(23d)が前記出口コネクタ(11d)の前記出口開口部と流体連通にある、前記プラグ(21)の流動位置から、前記上流開口部(23u)も前記下流開口部(23d)も前記ハウジングの入口開口部と流体連通にない封鎖位置へと、前記長手方向z軸を中心に回転できるようになる、スルーチャネル(23)を備え、
(e)前記プラグ外周壁は、リッジが付いており、かつ前記プラグ外周壁のブランク領域(23s)を画定する閉鎖ループを形成する、封止突出部(22s)を備え、その結果、前記封位置において、前記ハウジング周壁の前記ハウジング入口開口部が、前記ブランク領域(23s)に対向し、前記封止突出部(22f)内に包囲された状態となり、
前記プラグ外周壁は、前記上流開口部(23u)を包囲するリッジが付いた流動突出部(22f)をさらに備え、その結果、前記流動位置において、前記円筒形チャンバ周壁の前記入口開口部は、前記流動突出部(22f)によって包囲された状態となり、前記流動突出部(22f)は、好ましくは、前記封止突出部(22s)と共通の突出部(22fs)を共有し、前記流動突出部(22f)は、円形または楕円形の幾何形状を有し、前記封止突出部(22s)は、流動突出部に収められた「C字」形状を有し、前記「C字」の開放端部が前記流動突出部と接触していることを特徴とする、ストップコック。
【請求項2】
前記出口コネクタ(11d)は、前記ハウジング周壁で開放状態にある出口開口部を備え、前記出口コネクタは、前記長手方向z軸に直交して外側方向に延在する、請求項1に記載のストップコック。
【請求項3】
前記プラグ外周壁は、前記下流開口部(23d)を包囲するリッジが付いた下流突出部(22d)をさらに備え、その結果、前記流動位置において、前記ハウジング周壁の前記出口開口部は、前記下流突出部(22d)によって包囲される、請求項2に記載のストップコック。
【請求項4】
前記スルーチャネル(23)は、前記上流開口部(23u)から前記下流開口部(23d)まで直線形に延在し、好ましくは、前記長手方向z軸に垂直に延在し、それを遮断する、請求項1〜3のいずれかに記載のストップコック。
【請求項5】
前記スルーチャネル(23)は、前記上流開口部(23u)と前記下流開口部(23d)との間で曲線形に延在する、請求項1〜3のいずれかに記載のストップコック。
【請求項6】
前記スルーチャネルの前記下流開口部(23u)は、前記ハウジング周壁に直交する前記プラグの一方の壁部で開放状態にあり、前記出口コネクタ(11d)は、前記長手方向z軸に実質的に平行に、好ましくはそれと同軸方向に延在する、請求項5に記載のストップコック。
【請求項7】
前記ハウジング入口開口部は、前記注出チューブ(13)の前記上流部分(13u)に接続され、好ましくは、入口コネクタ(11u)を用いて、前記出口コネクタ(11d)は、好ましくは、前記液体注出チューブ(13)の前記下流部分(13d)に連結されるか、または前記注出チューブ(13)の前記下流部分(13d)を形成するかのいずれかである、請求項1〜のいずれかに記載のストップコック。
【請求項8】
前記液体注出チューブ(13)の前記上流部分(13u)は、飲料容器(5)、好ましくは、ビールまたは他の麦芽ベースの発酵飲料を収容する加圧容器に連結される、飲料注出装置のぎ口カラム(30c)に配設される請求項に記載のストップコック。
【請求項9】
前記ハウジング部分(11)および前記プラグ(21)は、異なる材料でできており、好ましくは、強化されているかにかかわらずポリマーからできており、より好ましくはPE、PP、PA、POM、PC、ABS、またはPETから選択され、前記ハウジング周壁の前記内表面の材料は、前記封止突出部(22s)の材料のものよりも低い、ASTM D2240によって測定したショアA硬度を有する、請求項1〜のいずれかに記載のストップコック。
【請求項10】
前記封止突出部は、前記プラグ(21)に一体として成形され、かつ、前記プラグ周壁と同じ材料でできている、請求項1〜のいずれかに記載のストップコック。
【請求項11】
容器(5)に収容された飲料を注出するための飲料注出ユニットであって、前記飲料注出ユニットは、
(a)飲料容器(5)を保持するためのコンパートメントと、
(b)飲料容器(5)に接続可能な加圧ガス源(40)と、
(c)注出チューブであって、
(iii)飲料容器(5)に接続可能な第1の端部と、請求項1〜1のいずれかに記載のストップコックの入口開口部と流体連通して接続される第2の端部とを備える、上流部分(23u)と、
(iv)前記ストップコックの前記出口コネクタに接続されるか、またはそれによって形成される、下流部分(23d)と、を備える、注出チューブと、
(d)前記プラグ(21)を前記ストップコックの前記封止位置から前記流動位置へ回転させ、戻すための作動手段(30L)を備える、注出注ぎ口と、を備える、飲料注出ユニット。
【請求項12】
請求項1〜1のいずれかに記載のストップコックを製造するためのプロセスであって、以下の:
(a)請求項1(c)および(d)に定義されるプラグ(21)を射出成形するステップと、
(b)そうして射出成形した前記プラグに、封止突出部(22s)が前記ハウジング周壁の前記入口開口部から離れるような位置で、請求項1(a)に定義されるハウジング部分(11)を導入するステップと、
(c)前記スルーチャネル(23)の前記ブランク領域(23s)または前記上流開口部(23u)を、前記ハウジング周壁の前記ハウジング入口開口部に対面させるように、前記長手方向z軸を中心に前記プラグを回転させるステップと、を含む、プロセス。
【請求項13】
請求項1〜1のいずれかに記載のストップコックを製造するためのプロセスであって、以下の:
(a)請求項1(a)に定義されるハウジング部分(11)を射出成形するステップと、
(b)そうして射出成形した前記ハウジング部分の前記チャンバ(11c)に、前記封止突出部(22s)が前記ハウジング周壁の入口開口部から離れるような位置で、請求項1(c)および(d)に定義されるプラグ(21)を導入するステップと、
(c)前記スルーチャネル(23)の前記ブランク領域(23s)または前記上流開口部(23u)を、前記ハウジング周壁の前記ハウジング入口開口部に対面させるように、前記長手方向z軸を中心に前記プラグを回転させるステップと、を含む、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注出チューブを通る加圧液体の流動を制御するためのストップコックに関し、特に、ビールおよび他の発酵飲料を注出するための飲料注出装置に関する。本発明のストップコックは、使い捨てであり得、したがって、単純で、信頼でき、生産が安価でなければならない。
【背景技術】
【0002】
ビールまたは麦芽を使用した発酵飲料(本明細書において集合的に「ビール」と称される)ならびにリンゴ酒などの一般的な発酵飲料が、瓶および金属の缶に収容されて広く流通される場合、生ビールと称される樽から注ぎ口へ直接供給されるビールは、大衆に非常に好まれている。生ビールは、従来的に、パブリックハウス(パブ)およびレストランで大量に供給されていたため、大容量の金属製の樽、典型的には50lの樽(=11英国ガロン)が使用されていた。しかしながら、近年では、市場に供給される樽の容量の減少が確認されている。この傾向を説明する2つの主要な要因がある。
【0003】
1つは、醸造者が、特別に設計した家電機器とともに、個別に生ビールを供給するための様々な解決手段を開発したことである。50lの樽がパブでほどほどの速さで空になり得るとすれば、これが家電機器には適さないことは明らかである。したがって、より小さな5〜15lの容量の樽が開発された。かかる家電機器は、テーブルまたは台の上に置けるほどに十分に小さいため、「卓上型(table top)注出装置」または「台上型(counter top)注出装置」と称されることが多い。
【0004】
第2に、パブにおいてでさえも、客の嗜好は、従来的なラガービールから、より特別な風味を有する特別なビールに移行している。パブでの消費用に提供されるビールの種類が多様化したことにより、醸造者は容量がより小さな樽、8〜25lの範囲の樽に特別なビールを収容せざるを得なくなった。台上型注出装置は最大15lの容量の樽と一緒に使用されることが多いが、容量がそれよりも大きな最大約18〜25lの樽は、台の上に置くには大きすぎ、また、注ぎ口から離れた地下で保管する理由となるにはおそらく小さすぎるため、樽は、通常冷蔵庫の中にある注ぎ口カラムのすぐ下に保管されることが多い。この理由のため、また「卓上型抽出装置」という表現とは逆に、パブで使用されているそのような注出システムは、「台下型注出装置」と称されることが多い。
【0005】
しかしながら、樽の容量が減少したことで、パッケージの費用(すなわち、販売されるビール1リットル当たりの樽の費用)はそれに伴って増加した。金属製の樽に代わる解決策を開発する必要があったが、金属製の樽は、例えばPETから作られたポリマー製の樽で置き換えられることが多かった。さらに、生ビールは、樽からのビールの注出を駆動するのに加圧ガスが必要であり、パブで使用される加圧COの瓶は、家電機器用には容易に入手可能でも実用的でもないため、加圧ガスの供給源の代わりとして、エアコンプレッサを用いる解決策が提案された。空気とビールとのあらゆる接触を回避するために、容器入りの注出バッグが使用されており、ビールは、外側の剛性容器に入った内側の可撓性バッグに収容され、内側のバッグをしぼませ、バッグからビールを出すための加圧ガスが、内側のバッグと外側の容器との間の空間に注入されている。例示の実施例として、一体的に吹込成形したポリマー製の容器入り注出バッグが、WO2008129018、WO2008129016、WO2008129012、WO2008129015、またはWO2008129013に開示されており、これらの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
そのサイズに関係なく、ビール樽は、使用前に、注出ラインおよび加圧ガス源に接続する必要がある。家電機器は、注出ラインおよびガス源を樽の内部に迅速に接続するための独自の解決手段を伴って設計されている(例えば、WO2012056018を参照されたい)。一部の場合では、加圧ガス源は樽そのものの中に保管されているが、この解決手段は、幾分高価であり、現在のところ、非常に小さな樽にのみ実装可能となっている(例えば、WO9947451、WO2007/108684を参照されたい)。しかしながら、パブの場合、樽の設計が上述のように劇的に変化したにもかかわらず、樽コネクタ、注出チューブ、注出バルブ、ガスダクト、ならびに生ビール用のカラムおよび注ぎ口を含め、樽の下流では50lの樽と同じ機器が依然として使用されていることが多い。
【0007】
より小さな樽が様々なビールに利用可能となったため、ビール注出機器には、従来的なラガーの樽よりも高い頻度で、異なる種類のビールを収容した樽が装填される可能性が高いであろう。注出チューブ、注出バルブ、および場合によっては樽コネクタを含む、ビールと接触し樽の下流に配置される、注出機器のすべての要素は、結果として、2種類のビール間で味が混ざるのを回避するために、より頻繁に交換する必要がある。注出チューブは、それぞれの新しい樽とともに提供されることが多く、そのため、使用後には空の樽と一緒に廃棄しなければならない。一部の場合には、樽は、樽に不可逆的に連結された注出チューブと伴って販売されているか、あるいは、注出チューブは、樽コネクタを用いて樽に連結されてもよい。従来的な樽コネクタは、金属製である。WO2014057099に開示されるもの等、より安価で単純、かつポリマー製であることの多い新しい樽コネクタが現在開発されており、欧州出願第14161266号および同第14181401号に開示されるものといった一部の樽コネクタは、使い捨てである。
【0008】
樽に収容されたビールは、加圧ガスを、樽のビールの高さよりも上の上部空間かまたは容器入りバッグの場合は外側容器と内側バッグとの間の空間のいずれかに注入することによって加圧される。加圧された液体は、注出チューブを通って流動する。注出チューブから出る液体の流動を制御するために、注出バルブが使用される。一般に、これは、当該技術分野で周知のように、注ぎ口カラムの端部にあるレバーの回転によって作動される。現在、様々な種類の注出バルブが使用されている。
【0009】
良い評価を受けている種類のバルブは、ピンチバルブであり、ここで、注出チューブの弾性部分は2つのジョー部の間に挿入されており、このジョー部は、互いに向かって、また互いから離れて移動し、そうして挟まれた注出チューブの弾性部分を通る液体の流動の遮断または許容を行う。この種類のバルブは、バルブの機械的要素が決して注出チューブを通る液体に接触しないため、非常に評価されている。そのようなピンチバルブの例は、WO2013164258およびWO2012062609に開示されている。ピンチバルブの欠点は、注出チューブに使用される材料の選択肢が、ピンチバルブとともに正しく機能するための十分な可撓性および弾性を有する材料に限定され、また、流速があまり正確でないことである。
【0010】
代替として、ストップコック(またはプラグバルブ)が、注出チューブを通るビールの流動を制御するのに用いられてもよい。ストップコックには、注出チューブの入口部分および出口部分に連結されたハウジングに回転可能に載置されるスルーチャネルが提供される。プラグの回転により、スルーチャネルは、注出チューブの入口部分および出口部分との流体連通の切り替えが行われる。ガラス製のストップコックは、液体の流動の正確な制御を提供することができるため、研究室で広く使用されている。液体がプラグのスルーチャネルを通って流動するため、ストップコックは、使用後に十分に洗浄するか、または新しい種類のビールが注出装置に装填されるたびに毎回、もしくは注出装置が使用されておらず注出チューブに汚染が生じた時にはいつも、注出チューブと一緒に交換しなければならない。飲料注出装置に実装するには、ストップコックの生産費用を実質的に低減する必要がある。
【0011】
WO2004018915は、医療手術用排液システム(medico−surgical drainage system)で使用されるストップコックを開示している。ハウジングは、各端部に糸巻きのように直径が広がった面取りされた円錐形部分が隣接する中央の円筒形部分を画定する周壁を備えて、射出成形されている。プラグは、円筒形チャンバに射出成形され、ハウジングよりも収縮するようになっており、それによって、ハウジング周壁の面取りされた円錐形部分は、プラグが不均一に収縮することを防止している。冷却した後、プラグの断面は、真円形ではなくなる。円形ではないプラグがハウジングの円筒形中央部分内で回転することにより、プラグの壁部とハウジングの周壁との強力な接触を形成し、それによってストップコックを封止する。WO2004018915に開示されているストップコックは、飲料注出装置で試験されているが、このストップコックは、医療手術用排液システムと関連するものよりも高い、飲料注出機器に使用される、大気圧よりも約0.5〜1.5バール高い圧力、ならびにプラグとハウジングの周壁との間の液体速度には耐えられなかった。
【0012】
FR1290315は、入口オリフィスおよび出口オリフィスを備えるチャンバに回転可能に載置されるプラグを備える、ストップコックを開示している。プラグは、1つの入口開口部から出口開口部(いずれの開口部も前記プラグの周壁に配置されている)まで延在するスルーチャネルを備えており、プラグの回転により、プラグの入口開口部および出口開口部と、それぞれ、チャンバの入口オリフィスおよび出口オリフィスとの位置整合が切り替えられる。プラグの周壁は、さらに、プラグの周壁の2つのブランク領域を画定する2つの閉鎖ループ形をした突出部を備えており、その結果、プラグの入口開口部および出口開口部がチャンバの入口オリフィスおよび出口オリフィスと位置が整合しなくなると、後者のチャンバの2つのオリフィスが、プラグの周壁のブランク領域に対向し、それによって、閉鎖位置におけるプラグとチャンバとの流体密封接触を確実にする。この解決策は興味深いが、問題は、ブランク領域を画定する突出部があるために、前記突出部がプラグの回転対称を歪めるため、前記突出部がチャンバの入口オリフィスおよび出口オリフィスに接触しない任意の位置では、流体密封性が悪化することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、信頼でき、かつその生産費用が使い捨てバルブと適合するものである、典型的に飲料注出機器で使用される圧力で信頼がおけるストップコックに対する必要性が残っている。本発明は、そのようなストップコックを提案する。本発明のこれらおよび他の利点を、次の節で提示する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、添付の独立請求項において定義される。好ましい実施形態は、従属請求項において定義される。具体的には、本発明は、注出チューブを通る加圧液体の流動を許容または停止するためのストップコックであって、注出チューブは、いずれも前記ストップコックによって離間して接続される下流部分および上流部分を備え、前記ストップコックは、
(a)長手方向z軸の周囲のハウジング周壁によって画定されるチャンバを備えるハウジング部分であって、前記ハウジング周壁は、前記長手方向z軸を中心とした周回の内表面を備え、前記ハウジング周壁は、注出チューブの上流部分に接続可能なハウジング入口開口部を備える、ハウジング部分と、
(b)注出チューブの下流部分に接続可能であるかまたはそれを形成し、かつ出口開口部を備える、出口コネクタと、
(c)ハウジング周壁の周回の内表面にぴったりと嵌合するプラグ外周壁によって画定されるプラグであって、その結果、プラグは、前記長手方向z軸を中心にチャンバ内で回転できるようになる、プラグと、を備え、前記プラグは、
(d)長手方向z軸に少なくとも部分的に直交し、プラグ外周壁に配置される上流開口部から下流開口部まで延在し、その結果、プラグは、上流開口部がハウジング入口開口部と流体連通にあり、かつ下流開口部が出口コネクタの出口開口部と流体連通にある、プラグの流動位置から、上流開口部も下流開口部もハウジングの入口開口部と流体連通にない封止位置へと、長手方向z軸を中心に回転できるようになる、スルーチャネルを備え、
プラグ外周壁は、リッジが付いており、かつプラグ外周壁のブランク領域を画定する閉鎖ループを形成する、封止突出部を備え、その結果、封止位置において、ハウジング周壁のハウジング入口開口部が、ブランク領域に対向し、封止突出部内に包囲された状態となる、ストップコックに関する。
【0015】
ストップコックを流動位置でさらに密封するために、プラグ外周壁は、上流開口部を包囲するリッジが付いた流動突出部をさらに備え、その結果、流動位置において、円筒形チャンバ周壁の入口開口部が、流動突出部によって包囲された状態となる。流動突起部は、好ましくは、封止突出部と共通の部分を共有し、その結果、ハウジング周壁の入口開口部が、流動突出部または封止突出部のいずれかによって常に包囲された状態となる。例えば、流動突出部は、円形または楕円形の幾何形状を有し、かつ封止突出部は、「C字」形状を有し、「C字」の開放端部が流動突出部に接触していることが好ましい。
【0016】
出口コネクタは、出口開口部を備え、この出口開口部は、本発明の実施形態において、ハウジング周壁で開放状態にあり得る。出口コネクタは、その結果、好ましくは、長手方向z軸に直交して外側方向に(例えば、放射状に)延在する。出口開口部がハウジング周壁に配置されており、プラグ外周壁は、下流開口部を包囲するリッジが付いた下流突出部をさらに備え、その結果、流動位置において、ハウジング周壁の出口開口部は、下流突出部内に包囲された状態となる。入口開口部および出口開口部の両方がハウジング周壁に配置されており、スルーチャネルは、直線形のスルーチャネルとして、または代替的に曲線部を備えるスルーチャネルとして、上流開口部から下流開口部に延在してもよい。ハウジング周壁の内表面の入口開口部および出口開口部の中心は、長手方向z軸に垂直な面に配設されてもよく、または代替として、z軸方向で2つの異なるレベルに配設されてもよい。
【0017】
代替的な実施形態において、スルーチャネルの下流開口部は、ハウジング周壁に直交するプラグの一方の壁部で開放状態にあり、この実施形態では、スルーチャネルは、直線形であってもよいが、通常は、その上流開口部および下流開口部に流体接続するような曲部を備える。出口コネクタは、その結果、好ましくは、長手方向z軸に実質的に平行に、好ましくはそれと同軸方向に延在する。出口コネクタが長手方向z軸と実質的に同軸方向に延在する場合、前記z軸を中心とするプラグの回転は、外側コネクタを変位させるのではなく、単純にそれを同じz軸を中心に回転させる。
【0018】
注出装置において使用する際、ハウジング入口開口部は、好ましくは入口コネクタによって、注出チューブの上流部分に接続され得る。出口コネクタは、好ましくは、液体注出チューブの下流部分に連結されるか、または注出チューブの下流部分を形成するかのいずれかである。ストップコックおよび液体注出チューブは、飲料注出装置の注ぎ口カラムに配設されてもよく、ここで、液体注出チューブの上流部分は、飲料容器、好ましくは、ビールまたは他の麦芽ベースの発酵飲料を収容する加圧容器に連結される。
【0019】
本発明によるストップコックを製造するのに使用されるプロセスに応じて、ハウジング部分およびプラグは、異なる材料からできていてもよい。強化されているかどうかにかかわらずポリマー、例えば、PE、PP、PA、POM、PC、ABS、PETなどが好ましい。ハウジング周壁の内表面の材料は、好ましくは、封止突出部の材料のものよりも低い、ASTM D2240に従って測定したショアA硬度を有する。製造の容易さのため、封止突出部は、プラグに一体として成形され、かつ、プラグ周壁と同じ材料でできていることが好ましい。
【0020】
本発明はまた、容器に収容された飲料を注出するための飲料注出ユニットに関し、前記飲料注出ユニットは、
(a)飲料容器を保持するためのコンパートメントと、
(b)飲料容器に接続可能な加圧ガス源と、
(c)注出チューブであって、
(i)飲料容器に接続可能な第1の端部と、上記に定義されるストップコックの入口開口部と流体連通して接続される第2の端部とを備える、上流部分と、
(ii)ストップコックの出口コネクタに接続されるか、またはそれによって形成される、下流部分と、を備える、注出チューブと、
(d)プラグをストップコックの封止位置から流動位置へ回転させ、戻すための作動手段を備える、注出注ぎ口と、を備える。
【0021】
本発明によるストップコックは、2つの代替的なプロセスによって費用効果的に製造することができる。第1の実施形態において、本プロセスは、以下の:
(a)上記に定義されるプラグを射出成形するステップと、
(b)そうして射出成形したプラグに、封止突出部がハウジング周壁の入口開口部から離れるような位置で、上記に定義されるハウジング部分を導入するステップと、
(c)スルーチャネルのブランク領域または上流開口部を、ハウジング周壁のハウジング入口開口部に対面させるように、長手方向z軸を中心にプラグを回転させるステップと、を含む。
【0022】
第2の実施形態において、本プロセスは、以下の:
(a)請求項1(a)に定義されるハウジング部分(11)を射出成形するステップと、
(b)そうして射出成形したハウジング部分のチャンバ(11c)に、封止突出部(22s)がハウジング周壁の入口開口部から離れるような位置で、請求項1(c)および(d)に定義されるプラグ(21)を導入するステップと、
(c)スルーチャネル(23)のブランク領域(23s)または上流開口部(23u)を、ハウジング周壁のハウジング入口開口部に対面させるように、長手方向z軸を中心にプラグを回転させるステップと、を含む。
【0023】
本発明の特性のより完全な理解のために、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明への参照がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明によるストップコックを備える飲料注出機器である(a)台上型注出装置、(b)台下型抽出装置を示す。
図2】本発明によるストップコックの外観図を示す。
図3】先行技術(例えば、FR1290315)によるストップコックの(a)ハウジングおよび(b)プラグの上面切り欠き図を示す。
図4図3の先行技術のストップコックにおける封止突出部によって画定されるブランク領域に対するプラグのスルーチャネルの上流開口部の相対位置を示す。
図5】本発明によるストップコックの第2の実施形態の(a)ハウジングおよび(b)プラグの上面切り欠き図を示す。
図6図5の実施形態における封止突出部および流動突出部に対するプラグのスルーチャネルの上流開口部の相対位置を示す。
図7】直線形スルーチャネルを備えるプラグの回転による、(a)流動位置および(b)封止位置にある本発明によるストップコックの上面切り欠き図を示す。
図8】曲線形スルーチャネルを備えるプラグの回転による、(a)流動位置および(b)封止位置にある本発明によるストップコックの上面切り欠き図を示す。
図9】長手方向z軸と同軸方向に配向された下流開口部を有する曲線形スルーチャネルを備えるプラグの(a)流動位置および(b)封止位置にある本発明によるストップコックの側面切り欠き図を示す。
図10】プラグの(a)ハウジング部分、(b)ハウジング部分のチャンバに射出成形されたプラグの製造のためのプロセスステップ、および(c)プラグの回転を示す。
図11】(a)プラグ、(b)プラグの上に射出成形されたハウジング部分の製造のためのプロセスステップ、および(c)プラグの回転を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に図示されるように、本発明のストップコックを使用することができる飲料注出ユニットは、飲料容器(5)を保持するためのコンパートメントを備える。コンパートメントのサイズは、その中に封入するように設計されている容器(5)のサイズに依存する。台上型注出装置の場合、コンパートメントは、図1(a)に図示されるように台またはテーブルの上に直接置かれる。大容量容器または複数の容器を離れて保管する場合、コンパートメントが図1(b)に図示されるように台またはテーブルの下に配置される台下型抽出装置がより好適である。コンパートメントは、容器(5)に収容されている飲料を最適な供給温度にするための冷蔵手段(8)を備えてもよく、この温度は、大半の飲料では室温(室温=20〜23℃)よりも低い。
【0026】
本発明の注出ユニットは、加圧ガス源(40)を備える。加圧ガス源は、図1(b)に図示されるような二酸化炭素もしくは窒素等の加圧ガスの瓶、または図1(a)に図示されるようなエアコンプレッサ(もしくはエアポンプ)であり得る。エアポンプは、空気との接触に敏感すぎない飲料、または容器入りバッグ型の容器でのみ用いられ得る。加圧ガス源(40)は、コンパートメント内に保管されても外側に保管されてもよい。これは、当該技術分野で既知の任意の樽コネクタを用いて容器に連結されたガスチューブ(40t)によって容器に接続される。
【0027】
注出チューブ(23)は、当該技術分野で既知の任意の樽コネクタを用いて飲料容器(5)に接続可能な第1の末端部と、本発明によるストップコック(1)の入口開口部と流体連通して接続された第2の末端部とを有する、上流部分(23u)を備える。注出チューブは、下流部分(23d)を備え、出口コネクタによって形成されるか、そこに接続されるかのいずれかであり、容器に収容された液体を注出するための開放端部を有する。注出チューブ(13)の上流部分と下流部分とを接続するストップコック(1)は、プラグ(21)をストップコックの封止位置から流動位置へ回転させ、戻すための作動手段(30L)を備える、注出注ぎ口に係合される。作動手段は、好ましくは、パブで一般的に使用されている生ビール注ぎ口で周知のように回転させることができるレバー(30L)の形態をしている。回転ノブなどの他の作動手段が代わりに用いられてもよい。
【0028】
本発明によるストップコック(1)は、長手方向z軸を包囲するハウジング周壁によって画定されるチャンバ(11c)を備えるハウジング部分(11)を備える。ハウジング周壁は、前記長手方向z軸を中心とした周回の内表面から外表面を分離する厚さを有する。小さな突出部、陥凹部、または開口部など、わずかな構造上の特性を無視すると、周壁の周回の内表面の少なくとも中央部分によって、円筒形、円錐形、または面取りされた円錐形が画定され得る。前記中央部分は、片側または両側により大きな直径の末端部分、次いで中央部分の隣接部が隣接してもよく、例えば、糸巻き様の幾何形状の逆の形が形成され得る。ハウジング周壁はまた、外表面から内表面までハウジング周壁の厚さを通るハウジング入口開口部を備える。前記入口開口部は、注出チューブ(13)の上流部分(13u)に接続され得るか、または接続されている。本ストップコックはまた、注出チューブの下流部分(13d)に接続可能であるかまたはそれを形成し、かつ出口開口部を備える、出口コネクタ(11d)を備える。入口開口部と同様に、出口開口部がハウジング周壁に配置され得、図3〜8に図示されるように周壁の内表面から外表面を通っているが、これは、必ずしも、図9に図示される事例には当てはまらない。
【0029】
ストップコック(1)は、ハウジング周壁の周回の内表面の少なくとも一部分にぴったりと嵌合するプラグ外周壁によって画定されるプラグ(21)を備え、その結果、プラグは、前記長手方向z軸を中心としてチャンバ(11c)内で回転できるようになる。プラグは、長手方向z軸に少なくとも部分的に直交するスルーチャネル(23)を備え、このチャネルは、プラグ外周壁に配置される上流開口部(23u)から下流開口部(23d)に延在し、結果として、プラグは、
・上流開口部(23u)がハウジングの入口開口部と流体連通にあり、下流開口部(23d)が出口コネクタ(11d)の出口開口部と流体連通にある、プラグ(21)の流動位置から、
・上流開口部(23u)も下流開口部(23d)もハウジング入口開口部と流体連通にないプラグの封止位置へ、長手方向z軸を中心に回転できるようになっている。
【0030】
大気圧よりも約0.5〜1.5バール高い、飲料注出ユニットで使用される圧力において、封止位置でのストップコックの液体密封性を確実にするために、プラグ外周壁は、図3〜6に図示されるように、リッジが付いており、かつ周壁のブランク領域(23s)を画定する閉鎖ループを形成する、封止突出部(22s)を備えており、その結果、封止位置において、ハウジング周壁のハウジング入口開口部は、ブランク領域(23s)に対向し、封止突出部内に包囲された状態となる。封止突出部(22s)は、ハウジング周壁の入口開口部を完全に包囲することができる限り、任意の閉鎖ループ幾何形状を有し得る。これは、円形、楕円形、多角形、または前述の幾何形状の組み合わせであってもよい。
【0031】
リッジが封止突出部に付いていることは、ハウジング周壁の内表面により高い応力を適用し、それによって封止効果を向上させるため、有利である。以下で取り上げられる製造上の理由から、プラグおよびハウジングは、異なる材料で作製されるか、または少なくとも異なる融解温度を有する材料で作製されることが有利な場合がある。プラグおよびハウジング周壁は、射出成形するのに好適な任意のポリマーでできていてもよい。使い捨てストップコックでは重要な再利用の理由から、それらは、ポリマー、特に、PE、PP、PA、POM、PC、PS、PETなどの熱可塑性ポリマーでできていることが好ましい。使用される材料は、異なる融解温度を有する、異なるポリマー種または同じ材料の別のグレードであってもよい。図10図に示される一実施形態において、ハウジング周壁の材料は、封止突出部のリッジがハウジング周壁の内表面をわずかに変形させ、それによってストップコックの液体密封性をさらに強化できるように、封止突出部(22s)よりも低い硬度を有することが有利である。さらに好ましい実施形態では、封止突出部(22s)は、プラグ(21)と一体として成形され、かつ、それと同じ材料でできている。この場合、プラグは、ハウジング周壁よりも硬いことが好ましい。ハウジング周壁およびプラグの硬度は、例えば、ASTM D2240によるショアA試験を行うことによって特徴付けることができるが、任意の認識された硬度試験を用いて、プラグまたはハウジング周壁のどちらがより高い硬度を有するかを判定してもよい。
【0032】
本発明によるストップコック(1)は、非常に単純で、信頼でき、かつ使い捨てにできる程に製造コストが低い。ストップコックは、注出チューブの上流部分および下流部分の流体連通を切り替えるために使用される。ストップコックは、注出チューブの上流部分および/または下流部分が、ストップコックのエンドユーザによって可逆的に接続され得るように設計することができる。使い捨て用途については、しかしながら、注出チューブの上流部分および下流部分が工場でストップコックに不可逆的に接続され、容器の使用後に、ストップコックが注出チューブと一緒に廃棄されることが好ましい。注出チューブの下流部分が短い場合、チューブ状コネクタ(11d)として、ストップコックハウジングまたはプラグの一体型部品として成形することができる。それ以外では、注出チューブ(23)の下流部分および上流部分は、それぞれ、下流コネクタおよび上流コネクタ(11d、11u)に接着または溶着されてもよい。
【0033】
本発明によるストップコックのプラグ外周壁は、上流開口部(23u)を包囲するリッジが付いた流動突出部(22f)をさらに備え、その結果、流動位置において、円筒形チャンバ周壁の入口開口部が、流動突出部(22f)によって包囲された状態となる。流動突出部(22f)は、必ずしも必須ではない。それは、プラグ周壁に直交する、プラグのハウジング部分と端部表面との間のOリングで置き換えてもよいか、または、圧力が低い場合は全く必要でない場合があり、これは、プラグ周壁とハウジング周壁の内壁との間に形成される非常に狭い切り込みを通るよりも、スルーチャネル(23)を通る方が、液体が流動しやすいためである。図5および6は、本発明によるストップコックを示し、一方で図3および4は、FR1290315などの先行技術によるストップコックを示しており、この先行技術のストップコックは、図5および6に図示されている流動突出部(22f)が欠けており、この流動突出部により、本発明のストップコックには、さらにはストップコックの開放流動位置においても、先行技術のストップコックと比べて向上した流体密封性が確実なものとなっている。
【0034】
流動突出部(22f)および封止突出部(22s)は、互いに離間していてもよい。しかしながら、図5および6に図示されるように、流動突出部(22f)は、封止突出部(22s)と共通部分(22fs)を共有することが好ましい。これは、そうすれば、プラグが封止位置、流動位置、またはこれら2つの間の任意の位置にあるかに関係なく、入口開口部は封止突出部(22s)または流動突出部(22f)のいずれかによって常に包囲されている状態となるため、有利である。例えば、図6に示されるように、流動突出部(22f)は、円形または楕円形の幾何形状を有してもよく、封止突出部(22s)は、流動突出部に収められた「C字」形状を有し、「C字」の開放端部が流動突出部に接触していてもよい。共通部分(22fs)は、C字形状の封止突出部の開放端部の間に構成された、円形または楕円形の流動突出部(22f)の部分である。いずれの場合も、互いに接触しているか離間しているかにかかわらず、封止突出部(22s)および流動突出部(22f)は、長手方向z軸を中心としたプラグの回転により、ハウジング周壁の入口開口部が、交互に、
・ブランク領域(23s)に対向し、封止突出部(22s)内に包囲される(=封止位置)、または
・スルーチャネル(23)の上流開口部(23u)に対向し、流動突出部(23f)内に包囲される(=流動位置)ように、プラグの外周壁に配設される。
【0035】
一実施形態において、出口コネクタの出口開口部は、ハウジング外周壁で開放状態にある。これは、図3、5、7、および8で図示されている。この実施形態では、プラグが流動突出部(22f)を備える場合、下流開口部(23d)を包囲するリッジが付いた下流突出部(22d)を提供することも有利であり、その結果、流動位置において、ハウジング周壁の出口開口部は、下流突出部(22d)によって包囲された状態となる。スルーチャネル(23)は、上流開口部(23u)から下流開口部(23d)まで直線形に延在し得る。この事例では、これは、図3、5、および7に示されるように、長手方向z軸に垂直に延在し、それを横切ることが好ましい。あるいは、スルーチャネル(23)は、図8に図示されるように、上流開口部(23u)と下流開口部(23d)との間で曲線形に延在してもよい。スルーチャネル(23)の幾何形状にかかわらず、図7および8において(a)および(b)を比較することによって、プラグ(21)を回転させることにより、スルーチャネル(23)の上流開口部および下流開口部(23u、23d)は、それぞれ、ハウジング周壁の入口開口部および出口開口部との位置整合を切り替え、それによって、流動位置から封止位置に移行することを理解することができる。
【0036】
図9に図示される好ましい実施形態において、スルーチャネルの下流開口部(23u)は、ハウジング周壁に直交するプラグの端壁で開放状態にある。下流開口部(23u)が、長手方向z軸と同軸である場合、出口コネクタ(11d)は、長手方向z軸と実質的に同軸方向に延在し、プラグの該直交端壁に恒久的に固定され得る。好ましい実施形態において、出口コネクタ(11d)は、プラグ(23)と一体として成形される。この実施形態は、当然ながら、スルーチャネル(23)と出口コネクタ(11d)との間、したがって、注出チューブ(23)の下流部分(23d)に、密封性の問題がないため、非常に有利である。下流突出部(22d)は必要ない。
【0037】
ハウジング入口開口部は、入口コネクタ(11u)を用いて、注出チューブ(13の上流部分(13u)に接続され得る。注出チューブ(13)の上流部分(13u)がエンドユーザによってストップコックに連結されるか、工場でそこに連結されるかに応じて、入口コネクタ(11u)は、異なる幾何形状を有してもよい。それは、通常、長手方向z軸に直交して、周壁のハウジング外表面から外側に向かって延在するチューブ状の幾何形状を有するであろう。出口コネクタ(11d)は、液体注出チューブ(13)の下流部分(13d)に連結されるか、または注出チューブ(13)の下流部分(13d)を形成するかのいずれかであり得る。
【0038】
図1に示されるように、本発明によるストップコックは、台上型抽出装置または台下型抽出装置のいずれかである飲料注出装置の注ぎ口カラム(30c)に配設するのに特に好適である。液体注出チューブ(13)の上流部分(13u)は、飲料容器(5)、好ましくは、ビールまたは麦芽ベースの発酵飲料を収容している加圧容器に連結される。上述のように、この容器は、容器入りバッグであることが有利であり得る。これにより、容器を加圧し、それによって中に収容された液体の注出を駆動するための、単純な空気ポンプの使用が可能となる。
【0039】
本発明によるストップコックは、以下のプロセスのうちの1つによって製造することができる。図10に図示される第1の実施形態において、本プロセスは、以下の:
(a)上述のプラグ(21)を射出成形するステップ(図10(a)を参照されたい)、
(b)そうして射出成形したプラグに、封止突出部(22s)がハウジング周壁の入口開口部から離れるような位置で、上述のハウジング部分(11)を導入するステップ(図10(b)を参照されたい)、ならびに
(c)スルーチャネル(23)のブランク領域(23s)または上流開口部(23u)を、ハウジング周壁のハウジング入口開口部に対面させるように、長手方向z軸を中心にプラグを回転させるステップ(図10(c)を参照されたい)を含む。
【0040】
そうして射出成形したストップコックは、ステップ(b)と(c)との間、またはステップ(c)の後のいずれかに、ツールから取り出される。この実施形態において、プラグ(21)は、ハウジング周壁のポリマーのものよりも高い融解温度または軟化温度を有するポリマーからできていることが好ましい。入口開口部および出口開口部の両方が、ハウジング周壁の内表面に配置される場合、すなわち、換言すると、図7および8に図示されるように、スルーチャネル(23)の上流開口部(23u)および下流開口部(23d)の両方がプラグ周壁に配置される場合、前述のプロセスのステップ(b)において、ハウジング部分(11)は、スルーチャネル(23)の上流開口部(23u)が、チューブ状の出口コネクタ(11d)と流体連通するようにプラグ(21)上に射出成形され、ステップ(d)において、プラグは、スルーチャネルの上流開口部(23u)をチューブ状の入口コネクタ(11u)と流体連通させるように回転される(図10(c)を参照されたい)。図7にあるような直線形スルーチャネルの場合、プラグは、180°の角度で回転される。図8にあるような曲部を備えるスルーチャネルの場合には、回転角度は、ストップコックの幾何形状に依存するであろう。
【0041】
図11に図示される代替的なプロセスにおいて、本発明によるストップコックは、まずハウジングを射出成形し、その後でハウジングのチャンバ内に、以下の:
(a)ハウジング部分(11)を射出成形するステップ(図11(a)を参照されたい)、
(b)そうして射出成形したハウジング部分のチャンバ(11c)に、封止突出部(22s)がハウジング周壁の入口開口部から離れた状態となるような位置で、上述のプラグ(21)を導入するステップ(図11(b)を参照されたい)、ならびに
(c)スルーチャネル(23)のブランク領域(23s)または上流開口部(23u)を、ハウジング周壁のハウジング入口開口部に対面させるように、長手方向z軸を中心にプラグを回転させるステップ(図11(c)を参照されたい)により、プラグを射出成形することによって、製造することができる。
【0042】
前述の実施形態と同様に、そうして射出成形したストップコックは、ステップ(b)と(c)との間、またはステップ(c)の後のいずれかに、ツールから取り出される。この実施形態において、プラグ(21)は、ハウジング周壁のポリマーのものよりも低い融解温度または軟化温度を有するポリマーからできていることが好ましい。
【符号の説明】
【0043】
1 ストップコック
5 液体容器、飲料樽
8 冷蔵手段
11 バルブのハウジング部分
11c バルブのハウジング部分のチャンバ
11d バルブのハウジング部分の出口コネクタ
11u バルブのハウジング部分の入口コネクタ
12d バルブのハウジング部分を成形した時に下流突出部(22d)によって生じる溝
12f バルブのハウジング部分を成形した時に流動突出部(22f)によって生じる溝
12s バルブのハウジング部分を成形した時に封止突出部(22s)によって生じる溝
13 液体注出チューブ
13d 液体注出チューブの(バルブに対する)下流部分
13u 液体注出チューブの(バルブに対する)上流部分
21 バルブの回転式プラグ
22d プラグチャネル(23)の出口開口部(23d)の周囲の流動突出部
22f プラグチャネル(23)の入口開口部(23u)の周囲の流動突出部
22fs 流動および封止突出部に共通な突出部分
22s ブランク領域を囲む封止突出部
23 バルブプラグを通って延在するスルーチャネル
23d バルブプラグチャネルの下流開口部
23s 封止突出部によって画定されるブランク領域
23u バルブプラグチャネルの上流開口部
30c 注ぎ口カラム
30L ストップコックの開閉を作動するレバー
40 加圧ガス源
40t ガスチューブ
50 射出成形用ネジ
50c バルブのコア部分の成形型
50h バルブのハウジング部分の成形型
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4(a)】
図4(b)】
図5(a)】
図5(b)】
図6(a)】
図6(b)】
図7
図8
図9
図10
図11