(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670321
(24)【登録日】2020年3月3日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】手動インフレータ用インジケータ
(51)【国際特許分類】
B63C 9/18 20060101AFI20200309BHJP
【FI】
B63C9/18 Z
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-549694(P2017-549694)
(86)(22)【出願日】2016年3月23日
(65)【公表番号】特表2018-509340(P2018-509340A)
(43)【公表日】2018年4月5日
(86)【国際出願番号】US2016023795
(87)【国際公開番号】WO2016154324
(87)【国際公開日】20160929
【審査請求日】2019年2月26日
(31)【優先権主張番号】62/136,684
(32)【優先日】2015年3月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513044256
【氏名又は名称】ハルキー−ロバーツ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Halkey−Roberts Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】ライマン・ダブリュー・フォーセット
【審査官】
福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06422420(US,B1)
【文献】
欧州特許出願公開第00803433(EP,A1)
【文献】
特開2013−078353(JP,A)
【文献】
米国特許第05029367(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0073466(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63C 9/18 − 9/19
B63C 9/08
B63C 9/11 − 9/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁によって互いに結合された長辺側壁と短辺側壁とを組み合わされて、概ねU字形状を形成し、前記長辺側壁が、インフレータの発射レバーの直立アームを覆い隠すように構成されて、寸法決めされており、前記底壁が、前記発射レバーの下脚部を覆い隠すように構成されて、寸法決めされる、インフレータ用インジケータ。
【請求項2】
前記長辺側壁の底部と前記底壁の左側部分とを相互接続するコーナ壁と、前記底壁の右側部分と前記短辺側壁とを相互接続するコーナ壁とをさらに含む、請求項1に記載のインジケータ。
【請求項3】
前記長辺側壁、前記底壁および前記短辺側壁の前側縁部は、前記インフレータを完全に巻き付け、前記インジケータを前記インフレータに載せるように構成されて、寸法決めされた弓状の縁部壁を含む、請求項2に記載のインジケータ。
【請求項4】
前記長辺側壁および前記短辺側壁が、前記インフレータにスナップ嵌めし、前記インフレータをより強く把持するために、前記長辺側壁および前記短辺側壁を広げなければならない程度を大きくするように、前記長辺側壁および前記短辺側壁がわずかに収縮した形状で射出成形される、請求項2に記載のインジケータ。
【請求項5】
前記長辺側壁および前記短辺側壁の間の距離を掛け渡すように延びるブリッジをさらに備える、請求項1に記載のインジケータ。
【請求項6】
前記ブリッジは、前記発射レバーがその発射位置に移動したときに破断する薄い材料で構成された、請求項5に記載のインジケータ。
【請求項7】
前記ブリッジは、前記インジケータの射出成形中において一体的に形成される、請求項6に記載のインジケータ。
【請求項8】
前記ブリッジは、前記インフレータにおける対応するスロットと整列して、前記スロットに延びている、請求項5に記載のインジケータ。
【請求項9】
前記ブリッジは、部分的に形成された切欠きを備えて、前記ブリッジがスロットから飛び出るように前記発射レバーが外方に旋回したとき、前記切欠きで前記ブリッジが強制的に破断するよう構成される、請求項5に記載のインジケータ。
【請求項10】
インジケータが前記インフレータにより確実に保持されるために、前記インフレータにおける対応するスロットに嵌合する少なくとも1つのタブをさらに含む、請求項1に記載のインジケータ。
【請求項11】
前記タブが前記長辺側壁に配置されている、請求項10に記載のインジケータ。
【請求項12】
前記タブが前記短辺側壁に配置されている、請求項10に記載のインジケータ。
【請求項13】
前記タブが前記底壁に配置されている、請求項10に記載のインジケータ。
【請求項14】
前記タブは、前記底壁のコーナに配置され、下側凹部に形成されたリップに引っ掛けられるフックを含む、請求項10に記載のインジケータ。
【請求項15】
前記タブが挿入を容易にする角度を有する、請求項10に記載のインジケータ。
【請求項16】
前記ブリッジは、スロット内に嵌合する内側に延びるタブを備えて、前記スロット内のセンタリングを容易にし、前記ブリッジが破断するのを容易にする、請求項5に記載のインジケータ。
【請求項17】
前記発射レバーが赤色であり、インジケータが緑色であり、前記赤色の発射レバーを覆い隠すように前記緑色のインジケータが前記インフレータにスナップ嵌めされたとき、前記インジケータは、全方向から視覚的に「作動可能」または「準備完了」の状態を示し、前記発射レバーを旋回させるために前記インフレータが発射すると、前記インジケータが前記インフレータを飛び出し「作動不能」または「発射された」状態を示すように構成された、請求項1に記載のインジケータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年3月23日に出願された仮出願、出願番号第62/136,684号の利益を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、救命胴衣、救命ボート、浮き(ブイ)、および緊急信号装置などの物品を膨らませるためのインフレータに関する。より詳細には、本発明は、インフレータが以前に発射されて、もはや膨張可能な物品を膨らませることができないことを示す、インフレータ用安全インジケータに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、救命胴衣(ライフベスト、浮き輪、および馬蹄形浮き袋)、救命ボート、浮き(ブイ)及び緊急信号装置のような膨張可能な物品を膨らませるように設計された多くの形式のインフレータがある。インフレータは、典型的には、二酸化炭素のような圧縮ガスのカートリッジのネックを装着するための本体を含む。往復動する穿孔ピンは、インフレータの本体内に配置され、カートリッジの破れやすいシールを突き刺して、圧縮されたガスを膨張物品に流れ込ませることを可能にする。典型的には、手動の発射レバーが穿孔ピンに動作可能に接続されており、ボール/ジャーク・ストラップ(JERK LANYARD)の動いたとき、穿孔ピンがカートリッジの破れやすいシールを突き刺す。米国特許第5,080,402号、同第5,058,933号、同第5,058,932号、同第4,216,182号、同第3,809,288号、
および同第3,754,731
号は、それぞれの開示が参照により本明細書に組み込まれ、発射時に、ガスカートリッジからのガスがインフレータを通り、次にマニホールドを通って膨張可能物品に流れることを可能とするように、膨張可能物品に接続する膨張マニホールドを用いた手動のインフレータの特定の一実施形態を示している。米国特許第7,475,711号、第5,564,478号および第4,894,036号は、それぞれの開示が参照により本明細書に組み込まれ、膨張可能物品に直接ヒートシールされ、それにより膨張マニホールドが必要の無い手動のインフレータの他の実施形態を示している。
【0004】
水で活性化するアクチュエータは、手動のインフレータに組み込まれており、墜落した飛行士、負傷者または船外の人などの緊急事態において、インフレータが自動的に作動して、接続されている膨張可能物品を膨らませる。インフレータ用の代表的な自動アクチュエータは、米国特許に開示されている。第3,059,814号、第3,091,782号、第3,426,942号、第3,579,964号、第3,702,014号、第3,757,371号、第3,910,457号、第3,997,079号、第4,260,075号、第4,267,944号、第4,260,075号、第4,382,231号、第4,436,159号、第4,513,248,4627,823号、第5,502,310号、第5,076,468号、第5,400,922号、第5,509,576号および5,601,124号のそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
インフレーターが発射のための「準備完了」状態にあるのか、または以前に発射されたか、または不足しているガスカートリッジに起因して作動不能であるかどうか、または不注意な発射を防止するために、状態インジケータまたは安全装置(GUARDS)が開発されている。米国特許第4,416,393号、第5,694,986号、第5,775,358号、第6,589,087号、第8,360,276号は、インフレータの作動状態を示す様々な形式のインジケータ/安全装置を開示している。米国特許第7,475,711号および第5,564,478号は、ヒートシール可能なインフレータの発射レバーをインフレータの側部と実質的に同一面で通常の非発射位置に保持して、発射レバーがそこから突出しておらず、不注意で掴んだり、邪魔されることがない構成を開示している。米国特許第7,475,711号は、さらに、ハンドルを動かすことによって発射すると、発射レバーが旋回して安全クリップを飛ばして、ガスカートリッジが発射したことを示す赤色のフラッグを露出させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
米国特許第7,475,711号および第5,564,478号の安全クリップは、インフレータの発射状態を示すために業界で広く受け入れられている。しかし、そのような安全クリップは小さく、発射状態またはインフレータの状態を示すために、一方向からかろうじて見ることができる。したがって、現在、すべての角度から目ることができ、さらに良く見える状態インジケータの必要性が存在する。
【0007】
本発明の他の目的は、インフレータが以前に発射された状態を示すために、インフレータのためのポップオフ(POP−OFF)インジケータを提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、あらゆる角度から見ることができるインフレータの状態インジケータを提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、発射レバー、好ましくは赤色の発射レバーを完全に覆い、好ましくは緑色の状態インジケータを提供することであり、準備完了の「緑色」状態において、緑色の状態インジケータが赤色の発射レバーを隠し、「ゴー(GO)」又は「緑色(GREEN)」の発射状態を表示するように、容易に見ることができ、そして発射後に、緑色の状態インジケータが赤色の発射レバーを露出させるように飛び出して、そこで作動不能な「ノーゴー(NO−GO)」又は「赤色」の状態を容易に見ることができる。
【0010】
本発明の他の目的は、膨張物品にヒートシールされた米国特許第7,475,711号および第5,564,478号に示されるような手動インフレータ用ポップオフ(POP−OFF)インジケータを提供することである。
【0011】
上記は、本発明の関連する目的のいくつかを概説したものである。
【0012】
これらの目的は、意図された発明のより顕著な特徴および用途のいくつかを単に例示すると解釈されるべきである。本開示の範囲内で開示された発明を異なる方法で適用するか、または本発明を変更することによって、多くの他の有益な結果が達成され得る。したがって、添付の図面と併せて請求項によって定義される本発明の範囲に加えて、他の目的は、本発明と好ましい実施形態の詳細な説明の十分な理解である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明を要約する目的で、本発明は、インフレータが以前に発射されたかどうかを表示するためのインフレータ用インジケータを備える。より具体的には、本発明は、好ましくは緑色で「準備完了」状態を示すインジケータを備え、そのインジケータは、インフレータの筐体に適合し、好ましくは赤色の発射レバーを包み込み、隠すように寸法決めされ、構成されている。インフレータを発射するためにジャークハンドルを引っ張ると、発射レバーが外側に旋回し、インジケータが筐体から飛び出し、それにより、インフレータが発射されたことを示す赤色の発射レバーが露出する。
【0014】
インジケータは、インフレータの発射時に砕ける破断可能なブリッジによってインフレータの筐体の所定位置に保持されてもよい。破断可能なブリッジは、一度使用された後に使用済みインジケータの再使用を試みることを妨げることを意図している。
【0015】
破断可能なブリッジに代えて、またはそれに加えて、インジケータは、インフレータの筐体に装着されたとき、広げられたり、広がったりして、そこでインフレータの筐体に単にスナップ嵌めされて、インジケータを構成する材料の固有の弾力性により更に厳密な位置に保持される。
【0016】
いずれの実施形態においても、インジケータの内側表面から出ているタブは、筐体にスナップ嵌めされたときにより確実な係合を提供するために、インフレータにおける対応するギャップまたはスロットに係合するように設けられている。
【0017】
特に、本発明の状態インジケータは、あらゆる角度から見たときに容易に視認可能である。さらに、緑色の状態インジケータは、赤色の発射レバーを完全に覆っているので、「緑色」状態の準備完了状態において、緑色の状態インジケータが赤色の発射レバーを隠して、「ゴー」又は「緑色」発射状態を容易に見ることができる。発射レバーを引っ張ることにより発射した後、インジケータはポップオフされて赤い発射レバーを再度表示し、それにより動作不能な「ノー・ゴー」または「赤色」状態を容易に視認可能に表示する。
【0018】
前述のことは、以下の本発明の詳細な説明がよりよく理解されるように、本発明のより適切、かつ重要な特徴をかなり広範に概説しているので、当該技術への現在の貢献をより完全に理解することができる。本発明の特許請求の範囲の主題を形成する本発明の追加の特徴を以下に説明する。開示された概念および具体的な実施形態は、本発明の同じ目的を実行するための他の構造を変更または設計するための基礎として容易に利用され得ることは、当業者には理解されるべきである。また、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲からその等価な構成が逸脱しないことも理解されるべきである。
【0019】
本発明の本質および目的を完全に理解するために、添付の図面に関連して以下の詳細な説明を参照すべきである。図面における同じ参照符号は、図面のいくつかの図を通して同様の部分に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】
図1Aは、インフレータに取り付けられたインジケータを示す頂部右斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、インジケータが取り付けられていないインフレータを示す頂部右斜視図である。
【
図1C】
図1Cは、インフレータに取り付けられていないインジケータのみを示す頂部右斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、インフレータに取り付けられたインジケータを示す底部左斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、インジケータが取り付けられていないインフレータを示す底部左斜視図である。
【
図2C】
図2Cは、インフレータに取り付けられていないインジケータのみを示す底部左斜視図である。
【
図3】
図3は、排気口を示すインフレータの背面図である。
【
図10A】
図10Aは、インジケータの後方斜視図であって、インジケータをインフレータにより確実に保持するタブを示す。
【
図10B】
図10Bは、インジケータの後方斜視図であって、インジケータをインフレータにより確実に保持するタブを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明のインジケータ10は、インフレータ12の「準備完了」動作状態を示すためにインフレータ12にスナップ嵌めされるように意図されている。発射レバー24を回動させるようにジャークハンドル22を引っ張ることによって起動させると、発射レバー24はインジケータ10をインフレータ12から飛び出し、それにより、「発射された」作動不能な動作状態を示す。
【0022】
インフレータ12は様々な形状とサイズで提供される。しかし、本発明のインジケータ10は、特定のスタイルのインフレータ12に適合するように適切に構成され、寸法決めされてもよいことが理解されであろう。したがって、本発明のインジケータ10に関するこの詳細な説明のために、米国特許第7,475,711号に開示されているヒートシール可能なインフレータ12が、例示的に参照され、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれ、概ね矩形状の筐体14を含んでいる。したがって、インジケータ10は、そのようなインフレータ12の概ね矩形状の筐体14の周りに適合するように構成され、寸法決めされる。
【0023】
より具体的には、ヒートシール可能なインフレータ12は、典型的には、側壁14Wを備え、救命胴衣、救命ボート(図示せず)等のような膨張可能な物品にヒートシールされ得るポリウレタンのようなヒートシール可能な材料からなる一体的な周縁フランジ16を有する、概ね長方形の筐体14を備えている。インフレータ12は、ガスシリンダ18(
図1Aにおいて破線で示されている)の螺刻されたネックが装着されるように構成されており、発射時に、ガスカートリッジ18からのガスがインフレータ12を通って、その排出口20(
図3参照)から膨張可能な物品内に流れ込む。
【0024】
インフレータ12の発射は、ストラップ(LANYARD)26によりジャークハンドル24に繋がれた発射レバー22(
図2B参照)によって実現される。発射レバー22は、ストラップ26が挿入され、ステーキング(繋ぐ)などによってしっかりと永久に固定される直立アーム28を有する概ねL形状の構成を備える。発射レバー22の下脚部30は、ジャークハンドル24を引っ張る時に発射レバー22が旋回ピン32を中心に旋回することを可能にするように、旋回ピン32が挿入される旋回孔を備える。発射レバー22の下脚部30は、内部の穿孔ピンアセンブリの発射ピンに対して作動可能に設計されたカム面を含み、ガスカートリッジ18の破れやすいシールを破り、そこでガスカートリッジ18からのガスがインフレータ12を通り、排出口20から膨張物品に流れ込む。
【0025】
インフレータの筐体14は、直立アーム28と下脚部30とが筐体の対応する側壁および底壁と実質的に同一平面になるように、発射レバー22の直立アーム28と下脚部30がそれぞれ入り込んでいる直立側凹部22SRと下側凹部22LRとを含んでもよい。
【0026】
ここで、
図1C、
図2Cおよび
図4−11に示すように、本発明のインジケータ10の明細書を検討すると、インジケータ10は、筐体14の矩形状に対応する概ね矩形の形状を有する。より詳細には、インジケータ10は、U字形の構成を形成するために底壁38によって互いに接合された長辺側壁34と短辺側壁36とによって画定された概ねU字形の構成を備えている。好ましくは、長辺側壁34は、インフレータの発射レバー22の直立アーム28を完全に覆い、そして隠すように構成されて、寸法決めされている。同様に、インジケータ10の底壁38は、発射レバー22の下脚部30を覆い、そして隠すように適切に構成されて、寸法決めされている。
【0027】
コーナ壁34/38は、長辺側壁34の底部と底壁38の左側部分とを相互接続し、コーナ壁38/36は、底壁38の右側部分と短辺側壁36とを相互接続する。長辺側壁34、底壁38、および短辺側壁36の前側端部は、弓状の縁部壁34E、38Eおよび36Eをそれぞれ含んでもよい。同様に、コーナ壁34/38および38/36は、それぞれ弓状の縁部壁34/38Eおよび38/36Eを含んでもよい。弓形の縁部壁34/38E、38/36E、34E、38Eおよび36Eに連結されたコーナ壁34/38および38/36は、インフレータ12の概ね矩形状の筐体14における対応する丸い縁部の周りをより完全に包囲して、発射レバー22を下に更に完全に隠している。
【0028】
相互接続しているコーナ壁34/38および38/36および弓状の縁部壁34/38E、38/36E、34E、38Eおよび36Eを有する側壁34、36および38は、インジケータ10を筐体14上に更に確実に載せている。なお、任意に、インジケータ10の側壁34および36は、筐体
14の対応する側壁にスナップ嵌めし、筐体14に対してより強く把持するように、側壁34および36を広げなければならない程度が増大するように、わずかに収縮した構成で射出成形されてもよい。
【0029】
インジケータ10の射出成形において、側壁34および36の縁部壁34Eおよび36Eの間の距離を掛け渡すように、薄い材料からなる任意のブリッジ40を一体的に形成してもよい。ブリッジ40は、インフレータ12の筐体14の対応する側壁における側壁34および36をよりしっかりと保持する。ブリッジ40は、インフレータの本体における対応するスロット40Sと整列しており、好ましくは実質的に同一面上に延びてもよい。使用中において、インフレータ12の発射時において、発射レバー22は、旋回ピン32の周りに外向きに旋回し、インジケータ10がインフレータの筐体14から飛び出したときに、ブリッジ40をスロット40Sから強制的に飛び出させる。
【0030】
好ましくは、ブリッジ40は、薄い材料で構成されているか、または部分的に形成された切欠き40Nを有することにより、破断可能であり、その結果、ブリッジ40は、発射レバー22が旋回ピン32の周りに外方に旋回してブリッジ40がスロット40Sから外に出るとき、切欠き40Nで強制的に、そして潜在的に薄く弱い点40Pで強制的に破断する。以前に使用されたインジケータ10の破断したブリッジ40は、それを再使用しないように視覚的に示すことを提供する。再使用が試みたとしても、発射レバー22が筐体14の凹部22SR、22LRに押し込まれた準備状態にリセットされない限り、以前に使用されたインジケータ10を取り付けることができない。
【0031】
インジケータ10の側壁34,36およびブリッジ40には、インジケータ10を筐体14上により確実に保持するために、インフレータ12における対応する既存のまたは特別に構成されたスロット44に適合するように適切に整列され、寸法決めされた一体的に成型されたタブ42を設けてもよい。
【0032】
例えば、
図10A、
図10Bおよび
図11に最もよく示されているように、インジケータ10の長辺側壁34上のタブ42Lは、発射レバー22の直立アーム28の上端部の間の凹部22SRに適合する内向きのタブ42Lを含んでもよい。タブ42Lは、凹部22SRへの挿入を容易にする角度42LAが設けられている。対応して、インジケータ10の短辺側壁36は、筐体14の側面に形成された対応する凹部14Rに適合するように適切に整列しており、寸法決めされた内向きのタブ42Sを含んでもよい。タブ42Sは、同様に、凹部22LRへの挿入を容易にするために角度42SAを含んでもよい。また対応して、インジケータ10の底壁38は、発射レバー22の下脚部30の間で下側凹部22LRに適合するように適切に整列して、寸法決めされた内向きのタブ42Bを含んでもよい。同様に、タブ42Bは、凹部22LRへの挿入を容易にするために角度42BAを含んでもよい。
【0033】
下脚部30が曲がり始める位置に発射レバー22の下脚部30の間のスペースを下側凹部22LRに適合するように、筐体14の角部と整列したタブ42Cのような追加のタブを設けてもよい。タブ42Cは、凹部22LRへの挿入を容易にするための角度42CAを含んでもよい。また、タブ42Cは、下側凹部22LRに形成されたリップ14Lに引っ掛けられ、挿入を容易にするために、上方に延びるフック42CH、また角度42CHAを備えたものを含んでもよい。
【0034】
内側に延びるタブ42B1および42B2は、スロット402内のセンタリングを容易にするため、筐体14の前面に形成されたスロット40Sに嵌まるように、そしてブリッジ40が切欠き40Nで破断され安さを増大させるために、ブリッジ40に沿って設けてもよい。
【0035】
インジケータ10を構成する材料の固有の弾力性と結合されたタブ42は、側壁34および36が筐体14の対応する側壁に嵌め込まれるように別々に広がる程度に増大させているが、インジケータ10は、すなわち、側壁34および36がインフレータ12の発射時に発射レバー22によって別々に押し付けられるまで、より確実に定位置に保持されることを保証する。
【0036】
好ましくは、発射レバー22は赤色であり、インジケータ10は緑色である。インジケータ12が緑色のインジケータ10が筐体14にスナップ嵌めされて赤色の発射レバー22を完全に覆い隠すとき、インジケータ
10はあらゆる方向から視覚的に「作動可能(ARMED)」または「準備完了(READY)」の動作可能状態を示す。発射レバー22を旋回させるためにジャークハンドル24を引っ張ることによって起動すると、ブリッジ40が破断し、インジケータ10がインフレータ12の筐体14から飛び出す。この「作動不能(UNARMED)」状態または「発射された(FIRED)」状態の間、赤い発射レバー22は、全方向から、インフレータ12が作動不能であることを視覚的に示す。
【0037】
本開示は、添付の特許請求の範囲に含まれるもの、および前述の説明のものを含む。本発明はある程度の特殊性をもって好ましい形態で記載されてきたが、好ましい形態の本開示は例としてであり、構造の詳細および部分的な組合せおよび配置における多くの変更が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、行われることが理解できる。