(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光学センサの動作を指示し、前記選択可能な変換回路のうちの少なくとも一つを選択して前記デジタル出力を得るよう構成されたセンサコントローラをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のマルチモード設定可能スペクトロメータ。
前記センサコントローラは、前記光学センサの操作モードを設定してその動作を指示するよう構成され、前記操作モードに基づいて、前記選択可能な変換回路のうちの少なくとも一つを選択するよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載のマルチモード設定可能スペクトロメータ。
前記センサコントローラは、前記操作モードを動的に設定し、前記選択可能な変換回路のうちの少なくとも一つを動的に選択するよう構成されていることを特徴とする請求項3に記載のマルチモード設定可能スペクトロメータ。
前記センサコントローラは、前記操作モードを動的に設定し、前記光学センサが受け取った前記光入力に基づいて、前記選択可能な変換回路のうちの少なくとも一つを動的に選択するよう構成されていることを特徴とする請求項4に記載のマルチモード設定可能スペクトロメータ。
前記センサコントローラは、前記光学センサの前記操作モードを設定するよう構成されたプログラマブル集積回路を備えていることを特徴とする請求項3に記載のマルチモード設定可能スペクトロメータ。
前記センサコントローラは、前記デジタル出力を処理するよう構成されたプロセッサを備えていることを特徴とする請求項3に記載のマルチモード設定可能スペクトロメータ。
前記結合回路には、加算回路、差分回路、除算回路、乗算回路、又は、インターリーブ回路が含まれることを特徴とする請求項8に記載のマルチモード設定可能スペクトロメータ。
前記複数のアクティブ画素領域のうちの少なくとも一つは、別々に処理されて前記デジタル出力を決定する複数の列を有することを特徴とする請求項1に記載のマルチモード設定可能スペクトロメータ。
前記光入力には複数の光信号が含まれ、前記センサコントローラは、前記複数の光信号のうちの少なくとも一つのタイプに基づいて、前記操作モードを設定するよう構成されていることを特徴とする請求項3に記載のマルチモード設定可能スペクトロメータ。
前記光入力には複数の光信号が含まれ、前記センサコントローラは、前記複数の光信号のうちの少なくとも一つの特徴に基づいて、前記操作モードを設定するよう構成されていることを特徴とする請求項3に記載のマルチモード設定可能スペクトロメータ。
前記特徴には、信号レベル、信号対雑音比、サンプリングレート、パルスレート又は波長領域が含まれることを特徴とする請求項17に記載のマルチモード設定可能スペクトロメータ。
前記光入力には複数の光信号が含まれ、前記センサコントローラは、前記複数の光信号のうちの一つのタイプがOESであることに基づいて、前記操作モードを設定するよう構成されていることを特徴とする請求項3に記載のマルチモード設定可能スペクトロメータ。
前記光入力には複数の光信号が含まれ、前記センサコントローラは、前記複数の光信号のうちの一つのタイプがIEPであることに基づいて、前記操作モードを設定するよう構成されていることを特徴とする請求項3に記載のマルチモード設定可能スペクトロメータ。
前記光入力には複数の光信号が含まれ、前記センサコントローラは、前記複数の光信号のうちの一つのタイプがOESとIEPを結合したものであることに基づいて、前記操作モードを設定するよう構成されていることを特徴とする請求項3に記載のマルチモード設定可能スペクトロメータ。
前記光学センサは、前記複数のアクティブ画素領域のそれぞれに対して複数の出力をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のマルチモード設定可能スペクトロメータ。
前記センサコントローラは、前記アクティブ画素領域のうちのいずれか一つの少なくとも一部に対して、電子シャッターを用いて前記光学センサの動作を指示するよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載のマルチモード設定可能スペクトロメータ。
前記光入力のタイプには、連続光信号、パルス光信号、発光分光法(OES)信号、光干渉型エンドポイント(IEP)信号、OES信号とIEP信号の結合信号、連続光信号とパルス光信号の結合信号が含まれることを特徴とする請求項30に記載の方法。
前記センサコントローラは、前記プロセスチャンバに関連付けられた外部システムから、前記操作モードの選択と、前記選択可能な変換回路のうちの一つの選択を受け取るよう構成されていることを特徴とする請求項33に記載の光学監視システム。
前記センサコントローラは、前記光を生成する前記プロセスチャンバでの半導体プロセスに従って、前記操作モードと前記選択可能な変換回路を選択することを特徴とする請求項34に記載の光学監視システム。
前記センサコントローラは、前記半導体プロセス中に、異なる操作モードと、前記選択可能な変換回路のうちの異なる変換回路を動的に選択することを特徴とする請求項35に記載の光学監視システム。
前記操作モードと前記選択可能な変換回路は、前記プロセスチャンバで得られた前記光のタイプに応じて選択されることを特徴とする請求項34に記載の光学監視システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明において、本明細書の一部を形成し本開示の特徴が実施され得る特定の態様を例示している添付の図面を参照する。これらの実施形態は、 当業者が本開示の特徴を実施できる程度に十分に詳細に説明される。また、他の実施形態を用いることもでき、本発明の範囲から逸脱することなく構造的、方法的かつシステム的な変更が可能であることを理解されたい。それゆえ、以下の詳細な説明は、限定する意図ではないものとされたい。説明を分かりやすくするために、添付の図面に示す類似の特徴は類似の符号で示され、他の実施例に示す同様の特徴は同様の符号で示される。本開示の他の特徴は、添付の図面及び以下の詳細な説明により明らかとなる。なお、説明を分かりやすくするために、図面における特定の要素は、正確な縮尺では描かれていないこともある。
【0014】
プロセスツール内での半導体プロセスの状態の監視及び評価に関して、
図1は、プロセスツール内でのプラズマ又は非プラズマ処理の状態の監視及び/又は制御を行うOES及び/又はIEPを利用するプロセスシステム100を示すブロック図である。半導体プロセスツール105は、通常、さまざまなプロセスガスが含まれることもある通常部分的に真空にされた容積内に、ウエハ110と、場合によっては、プロセスプラズマ115を含む。プロセスツール105は、さまざまな位置及び方向でチャンバ内を監視できるようにする一つ又は複数の光インタフェース120、121、122を備えていてもよい。この光インタフェース120、121、122には、光学フィルタ、レンズ、窓、開口部、光ファイバなどの複数の種類の光学素子が含まれてもよいが、これらに限定されるものではない。
【0015】
IEP用途では、光源130は、光インタフェース120と直接又は光ファイバケーブルアセンブリ133を介して接続されてもよい。この構成に示すように、光インタフェース120は、ウエハ110の表面に対して垂直に配向され、多くの場合、それに対して中心に置かれている。光源130からの光は、コリメートビーム状にプロセスツール105の内部容積へと進入してもよい。このコリメートビーム135は、ウエハから反射すると、再び光インタフェース120に受光されてもよい。一般的な用途では、光インタフェース120は、光コリメータであってもよいし、集束システムであってもよく、その場合、コリメートビーム135はコリメートされるのではなく、集束されることになる。光インタフェース120に受光された光は、光ファイバケーブルアセンブリ137を介してマルチモード設定可能スペクトロメータ140へと送られ、光学センサ142によって検出と変換が行われてもよい。光源130は、例えば、DUVからNIRの波長範囲の光を発生させるフラッシュランプであってもよく、対象波長がその内の任意の波長域から選択されてもよい。大型の基板や、ウエハの不均一性の理解が懸念となる場合、不図示の垂直に配向されたさらなるインタフェースを用いてもよい。
【0016】
OES用途では、光インタフェース122は、プラズマ115から放出された光を集光するよう配向されていてもよい。この光インタフェース122は、単にビューポートであってもよいし、レンズ、ミラー、光学波長フィルタなどの他の光学素子をさらに含んでいてもよい。光ファイバケーブルアセンブリ139は、集光された光をマルチモード設定可能スペクトロメータ140とその中の光学センサ142へ誘導してもよい。複数のインタフェースを別々に又は同時に用いてOESに関連する光信号を収集してもよい。例えば、
図1に示すように、光インタフェース121は、ウエハ110の表面付近からの発光を収集するよう配置されていてもよく、光インタフェース122は、プラズマの束を眺めるよう配置されていてもよい。プラズマ/ウエハインタフェースの上流側/下流側には、その他の不図示のインタフェースが配置されていてもよい。個々の光ファイバケーブルアセンブリには複数のインタフェースが接続され、マルチモード設定可能スペクトロメータ140と光学センサ142へ複数の光信号を結合光入力として送り込んでもよい。また、光インタフェースは、
図1に示すものから簡素化されてもよく、基本的には、マルチモード設定可能スペクトロメータ140をプロセスツール105に直接取り付けることにより排除してもよい。
【0017】
半導体プロセスの用途の多くでは、スペクトロメータに対してOES及びIEP両方の光信号を収集し供給することが一般的である。通常、各信号タイプに対して複数のスペクトロメータを支持することは、数ある要因の中でも、コスト、複雑性、信号タイミング同期の不便さ、キャリブレーション、パッケージングの理由から好ましくない。しかしながら、これらの両タイプの光信号を受信及び処理することにより、単一のスペクトロメータに対して複数の問題を生じさせる場合がある。通常、OES信号は、時間的に連続したものであるのに対し、IEP信号は、時間的に連続したもの及び/又は離散したものであってもよい。プロセス制御はOES及びIEP両方の信号における小さな変化の検出を必要とすることが多く、一方の信号に固有の変化が他方の変化を気付かなくする場合もあるので、これらの信号が混在することで数多くの問題が生じる。このような光信号検出の問題点と本開示によるその軽減については、
図6A乃至
図7Cを参照して以下にさらに説明する。
【0018】
光ファイバケーブルアセンブリ137、139それぞれを介して転送されたOES及びIEP光信号は、マルチモード設定可能スペクトロメータ140で光学センサ142によって光入力として受信されてもよいことが好ましい。一般的に、光入力には、上述のOES及びIEP信号や、その他の連続又は不連続信号などの一つ又は複数の光信号が含まれてもよい。さらに、そのような光信号は、他の光信号から独立していても、それらと結合していてもよいことに留意すべきである。光学センサ142は、その光入力を電気信号に変換する複数のアクティブ画素領域を備えていてもよい。そして、各アクティブ画素領域によって一つ又は複数の光信号を受信してもよい。光学センサ142内の電気信号は、光学センサ142の正確な構成によって、電荷信号、電流信号及び/又は電圧信号のいずれかであればよいことを理解されたい。一般に、光入力は、まずは電荷に変換され、その後、電圧に変換されて、光学センサ142の外部にある装置が出力増幅器を介して利用可能となる。
【0019】
また、マルチモード設定可能スペクトロメータ140には、複数の選択可能変換回路を有し、選択された一つ又は複数の選択可能変換回路に従って、電気信号146を受信してデジタル出力148に変換するよう構成された変換回路144を備えていてもよい。このマルチモード設定可能スペクトロメータ140は、光学センサ142の動作を指示し、変換回路144の選択可能変換回路から少なくとも一つを選んでデジタル出力148を得るよう構成されたセンサコントローラ150をさらに備えていてもよい。このデジタル出力148は、さらになる処理、格納などを行うためにセンサコントローラ150に転送されてもよく、及び/又は、さらなる利用のために外部システム160に直接/間接的に転送されてもよい。
【0020】
例えば、外部システム160は、一つ又は複数のアルゴリズムを用いて、例えば、特定波長の強度、2つの波長帯域の比率、又は、膜厚値を表すアナログ又はデジタル制御値などの出力170を生成する工業用PC、PLC、又は、その他のシステムであってもよい。また、この外部システム160は、マルチモード設定可能スペクトロメータ140と一体化して全体的によりコンパクトなシステムを提供してもよい。OESアルゴリズムにより、一つ又は複数の所定の波長における発光強度信号の分析と、プロセスの状態に関連し、その状態、例えば、エンドポイント検出、エッチング深さなどへのアクセスを行うのに利用可能な制御値の決定とが行われる。IEP用途では、アルゴリズムによってスペクトル全体の分析を行って膜厚制御値を決定する。例えば、参照により本明細書に組み込まれる特許文献2の「膜厚及びトレンチ深さの現場監視及び制御を行うシステム及び方法」を参照のこと。出力170は、プロセスツール105内で行われる製造プロセスの監視及び/又は変更を行うイーサネット(登録商標)などのデジタル又はアナログ通信リンクを介して、プロセスツール105に転送されてもよい。
図1には単一のプロセスツール105の単一のプロセスチャンバを具体的に示しているが、マルチモード設定可能スペクトロメータ140は、単一のプロセスツール105の複数のプロセスチャンバとの併用又は異なるプロセスツールの一つ又は複数のプロセスチャンバとの併用も有利であることを理解されたい。
【0021】
図2は、本開示の原理に係る、マルチモード設定可能スペクトロメータ210を備えたシステム200の実施例を示すブロック図である。このマルチモード設定可能スペクトロメータ210には、半導体プロセスからの光信号の測定に有利となるよう、
図3に示す一実施例に従って説明した、本明細書に開示した光学センサが組み込まれていてもよい。このマルチモード設定可能スペクトロメータ210は、
図1に示す光ファイバケーブルアセンブリ137、139などの外部光学素子230から一つ又は複数の光信号を受信し、その光信号の結合及び変換を行なった後、外部システム220にデジタル出力を送ってもよい。外部システム220は、例えば、操作モードを選択する、又は、本明細書に記載の結合タイミングなどの操作モードの内容を制御することによって、マルチモード設定可能スペクトロメータ210を制御するのにも用いられてもよい。
【0022】
マルチモード設定可能スペクトロメータ210は、SMA又はFC光ファイバコネクタやその他の光学機械インタフェースなどの光インタフェース240を備えていてもよい。スリット、レンズ、フィルタ、回折格子などのさらなる光学素子245が、受信した光信号の形成、誘導、彩色的分離を行い、それらを光学センサ250に送って結合及び変換を行うよう機能してもよい。この光学センサ250の下位機能は、共に
図1のセンサコントローラ150と関連付けられた又はその一部であるプログラマブル集積回路260やプロセッサ270などの構成要素によって制御されてもよい。このプログラマブル集積回路260は、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)であってもよく、以下、本開示及び図面では、FPGA260という。このFPGA260は、A/D変換回路280のための変換制御信号と、光学センサ250のための光学センサクロック信号を生成することができる。また、プロセッサ270もその変換制御信号と光学センサクロック信号を生成することができる。このプロセッサ270は、縮小命令セットコンピューティングアーキテクチャを有するコンピュータプロセッサを含むさまざまな種類のプロセッサであればよい。使用可能なプロセッサの他の例としては、インテルプロセッサや、BlackFinなどのデジタル信号プロセッサ(DSP)が挙げられる。光学センサ250において光信号から電気信号へと変換された信号は、A/D変換回路280へと送られ、電気信号からデジタル信号に変換されてもよい。A/D変換回路280は、
図1の変換回路144内の複数の変換回路のうちの一つとして含まれていてもよく、
図3の変換回路に関連して以下にさらに詳しく説明する。
【0023】
その後、A/D変換回路280からのデジタル信号は、すぐに又は後で利用するためにメモリ290に格納し、外部システム220(
図1の外部システム160など)に送信してもよい。マルチモード設定可能スペクトロメータ210は、該マルチモード設定可能スペクトロメータ210内の要素の動作に必要な電圧を供給する電源295をさらに備えていてもよい。このシステム200の構成要素とマルチモード設定可能スペクトロメータ210との間の接続は、従来どおり行われればよい。いくつかのインタフェースや関係性が矢印で示されているが、マルチモード設定可能スペクトロメータ210には、さらなる相互作用や制御関係が含まれてもよい。デジタル信号には、光学センサ250への光入力に含まれる一つ又は複数の光信号を表す一つ又は複数の値が含まれてもよい。通常、スペクトロメータとしては、デジタル信号には、一般的に、スペクトルのデジタル表現が含まれる。例えば、スペクトルには、符号なし16ビット整数などの各デジタルタイプについて、1024個の要素が含まれてもよい。
【0024】
従来技術のスペクトロメータや集積画像光学センサの制限に対処するためには、新しい光学センサの構成が必要となる。
図3は、本開示の原理に係る、分光法や半導体プロセス制御に有用な新規光学センサ300及びそれに関連する変換回路399の一実施例の機能要素の概要を示す模式図である。光学センサ300は、通常、従属的に又は独立して制御し得る複数のアクティブ画素領域を有する。
図3では、分かりやすくするために、2つの領域しか図示及び言及されていないが、本明細書に記載の利点を達成するには、より多くの領域を用いてもよい。
【0025】
本明細書において、一つ又は複数の「横の」及び「縦の」列という用語は、光学センサ300の内部形態を説明するのに用いられる。光学センサのより「長い」又は大きな要素数軸は、通常、「水平」方向として示されるものとすることを理解されたい。分光法用途では、光学センサの長軸/水平軸は、波長分散の方向と一致することが一般的である。光学センサ300のアクティブ画素領域310、311には、それぞれ、一つの横の列に、多数(例えば、約3000)の長い画素(約2000ミクロン)が含まれる。この構成は、多数のより短い画素列、例えば、高さ24ミクロンの画素列を128個含む、典型的な従来の光学センサとは異なる。約1000から4000ミクロンの長い画素は、イメージングスペクトロメータシステムでの利用に適し、スリット高さや1に近いイメージングシステム倍率との適合性が良い。限られた数の画素列(例えば、2から10)を用いてもよいが、さらなる縦方向のクロック動作をさらに必要とする場合があり、それによって、光学センサ300の動作が遅くなってしまうことがある。列を追加することにより、各アクティブ画素領域の空間的な細分化を可能にし、さらなる多重化(1つのアクティブ画素領域につき2つ以上の光信号)や、各アクティブ画素領域への光信号の制御(各アクティブ画素領域のすべての又は一部の画素列を読み取る能力)に対するサポートを提供し得る。
【0026】
必須ではないが、光学センサ300のアクティブ画素領域310、311の間には、さらなる画素領域又は物理的ギャップ315を配置し、それらの領域310、311間を光学的かつ電気的に分離することが好ましい。物理的ギャップ315は、領域310、311間の光学的分離が行えるよう、約数十から100ミクロンの幅を有していればよい。さらに、アクティブ画素領域310、311には、暗電流/信号やDCオフセット補償に用いられる光学的に不透明な領域312、313がそれぞれ含まれていてもよい。このような領域は、NIR波長を透過させるシリコンの厚い層によって光学的に不透明とされていてもよいので、領域312、313は、UV波長が照らすとされる光学センサ300の端部付近に配置されることが最も効果的である。この領域312、313には、例えば、平均電気オフセットレベルの判定を支援する2つから4つ又はそれ以上の画素が含まれてもよい。
図3では、アクティブ画素領域の変換回路との接続とは反対側の端部に領域312、313が示されている。これらの不透明領域の配置や変換回路との接続の方向は、光学センサ300の実際の半導体設計のピン配列などの要件ごとに変更されてもよい。
【0027】
各領域310、311が画素列を1列含む場合、単一の縦シフトによって、結合電気信号がアクティブ画素領域310、311からそれぞれのシフトレジスタ320、321へと移動する。一方の領域を「上」へ、他方の領域を「下」へシフトすることは、図面を単純化することであって、場合によっては、実際の半導体アーキテクチャである。全てを一方向にシフトできるようにするには、信号ルーティングはもっと複雑なものとなる。3つの領域が存在する場合、中央領域からの信号は、他の2つの領域の下又はそれらの周りを通らなければならなくなる。さらに、それぞれ又はいずれかの領域310、311が複数の画素列を有する場合、シフトも複数必要となる。また、複数のアクティブ画素領域又はその個々の列それぞれの縦シフトは、同期されていても、インターリーブされていても、もしくは、同時であってもよい。既存のCCDと比べて、光学センサ構成によれば、より高速でシンプルなクロッキングが行われ、重複する結合領域間で電荷をシフトする必要がなくなるので、光信号の汚染の主な原因を防ぐことになる。一例では、光学センサ300のアクティブ画素領域と水平シフトレジスタを結合することにより、電子量が30万から40万の十分な容量、5%以下の信号直線性、14,000を上回る信号ダイナミックレンジに対応する。
【0028】
上記縦シフトの後、水平シフトレジスタ320、321の電気信号は、矢印340、341に示すように、関連変換回路399に配置された各高速A/D変換器350、351及び/又は各低速A/D変換器352、353へと、それぞれ水平方向にシフトされてもよい。低速及び高速A/D変換器を設け、その選択を行うことができることで、速い読み出し速度(高速A/D)か低雑音(低速A/D)かどちらかを選択することができる。各高速及び低速A/D変換器には、複数のクロック速度と画素サンプリング技術が利用できる。さらに、クロック速度は、動的に変更することにより、特定の操作モードに対して、光学センサ300からの電気信号の変換を最適化してもよい。一般に、光学センサ300と変換回路399を組み合わせることにより、データ速度(例えば、1秒当たりのスペクトル)、追加デジタル分解能、信号対雑音比性能の間におけるトレードオフに対応する操作モードが得られる。つまり、変換回路399は、通常、「DC/基準レベル」及び「信号レベル」と定義される領域において、シフトレジスタからの電気信号波形をマルチサンプリング又はオーバーサンプリングして、A/D変換器クロック速度、所望の信号対雑音比性能、データサンプリングレートに応じて、差動デジタル信号を生成するよう構成されてもよい。
【0029】
また、光学センサ300は、高速A/D変換器350、351及び/又は各低速A/D変換器352、353に関連して、各水平シフトレジスタに対してデュアル出力を有していてもよい。つまり、出力324は、シフトレジスタ320に関連する低速及び低雑音出力であって、変換器352に接続されていてもよい。一方、出力325は、シフトレジスタ321に関連する低速及び低雑音出力であって、変換器353に接続されていてもよい。さらに、出力326は、シフトレジスタ320に関連する高速出力であって、変換器350に接続されていてもよい。そして、出力327は、シフトレジスタ321に関連する低速及び低雑音出力であって、変換器351に接続されていてもよい。結合部370が出力326、327に接続されて示されているが、出力324、325を代わりに用いてもよい。水平シフトレジスタ320、321及び変換回路399の関連する要素は、同期的又は非同期的にクロッキングが行われてもよく、各変換器は、個別の選択可能なクロック速度で動作を行ってもよい。同期クロッキングによって各アクティブ画素領域から同時並列信号が得られるのに対し、非同期クロッキングは、該アクティブ画素領域からの信号のインターリービングをサポートするのに用いられてもよい。光学センサ300及び変換回路399は、適切な18ビットA/D変換器を用いて、1つのアクティブ画素領域につき、1スペクトル当たり1ミリ秒の高速動作を行ってもよく、それにより、高ダイナミックレンジ、例えば、100dBのデジタル信号が生じる。このような高いデータサンプリングレート(例えば、1秒当たりのスペクトル)に対応するため、
図2のFPGA260やプロセッサ270は、データ圧縮及び他の高速信号処理を行うことができる。これは、例えば、外部システム220によって、さらなる処理のためにデータが送信される前に行うことができる。典型的に、高速運転は、非常に強い光信号の測定を可能にし、低雑音(低速)運転は、非常に弱い光信号の測定を可能にする。よって、それらを組み合わせることにより、システム全体のダイナミックレンジを向上させる。
【0030】
変換が行われたデジタル信号は、ポート360、361、362、363にて利用可能となり、
図2に示すメモリ290、プロセッサ270、FPGA260などの要素に送信されてもよい。また、水平シフトレジスタからの信号は、結合部、例えば、結合回路370に送られ、A/D変換器375によって変換されて、ポート380にて利用可能とされてもよい。このA/D変換器375は、低速又は高速タイプの変換器であってもよく、もしくは、結合回路370から生じる信号に対して選択可能な低速/高速A/D変換器が変換回路399に含まれていてもよい。この結合回路370には、加算回路、差分回路、除算回路、乗算回路、又は、インターリーブ回路が含まれても良く、これらの結合回路の機能を実現するよう構成された単一の要素であってもよい。
【0031】
水平シフトレジスタ320、321から各A/D変換器への信号経路は、生成された変換制御信号や、例えば、FPGA260又はプロセッサ270から得られた光学センサクロック信号の要求どおりに選択されてもよい。変換制御信号による選択は、例えば、回路を電気的に動作させたり、その動作を停止させたり、もしくは、スイッチを開閉することにより行うことができる。このように光学センサ300や変換回路399を設定可能とすることにより、高いダイナミックレンジ又は平均化のための信号加算、共通モード補正や変更検出のための信号差分、並列独立信号など、センサのマルチモードに適応性のある使用が可能となる。このようなさまざまなA/D変換器や結合回路370は、
図3では変換回路399の一部として示しているが、光学センサ300と一体化されていてもよい。例えば、結合回路370は、光学センサ300内又は変換回路399内のアナログ領域で実行されてもよい。最高の信号性能は、光学センサ300で結合が行われることにより達成されてもよい。さらに、結合回路370は、例えば、
図1のセンサコントローラ150内におけるデジタル領域で実行されてもよいが、その場合、A/D量子化やデジタル数学的エラーの対象となる。
図3では、すべての変換器及び出力が光学センサの水平シフトレジスタ320、321の一つの端部に接続された状態で示されているが、変換器や出力は、シフトレジスタのいずれか又は両端部にも好都合に配置され得ることを理解されたい。いくつかのレイアウトでは、シフトレジスタ320、321の各端部に異なる出力を設けることにより、光学センサの内部の構成要素を切り替える必要がなくなるという利点が得られ、電気信号出力を単にクロック信号の位相整合を変更することにより光学センサ300へ送ってもよい。変換回路399は、
図1の変換回路144と同様に、
図1のセンサコントローラ150など、マルチモード設定可能スペクトロメータのサブシステムの指示を受けるものであってもよい。このセンサコントローラ150は、例えば、外部システム220から受け取ることができる選択操作モードに基づいて、変換制御信号や光学センサクロック信号を生成することができる。FPGA260又はプロセッサ270は、例えば、変換制御信号や光学センサクロック信号を生成して、異なる操作モードや光学センサ300及び変換回路399の構成を有効にしたり無効にしたりするようプログラミング可能である。
【0032】
光学センサ300のアクティブ画素領域310、311には、高速(ミリ秒タイミング)電子シャッター機能の統合がさらに含まれていてもよい。この機能390は、
図3では、アクティブ画素領域310にわたってドット状の「X」で示されている。この電子シャッター機能390は、光学センサ300のアクティブ画素領域全体又はその一部におけるセンサの露光により、電荷の結合を阻害/許可してもよい。例えば、シャッター制御は、光学センサ300の水平軸に沿って独立して変化し得る。光学センサ300と、マルチモード設定可能スペクトロメータ140などの関連するスペクトロメータの操作モードの一部としてシャッター機能390を空間的かつ時間的に制御することで、ダイナミックレンジの向上、利得平坦化、パルスプラズマなどの外部制御からの光信号の高速同期、移動又は一過性システム、変調された高周波や、エイリアシングなしに急速に変化するソースの放出を監視する能力に対応してもよい。電子シャッター機能390の制御は、例えば、
図1のマルチモード設定可能スペクトロメータ140のセンサコントローラ150などのコントローラを介して行われてもよい。
【0033】
図4は、
図3に示すような光学センサ及び変換回路を備えたマルチモード設定可能スペクトロメータからの光学データの読み取り処理400の一例を示すフローチャートである。本明細書において、光学データは、光信号及び変換された電気/デジタル信号を含む、スペクトロメータへの光入力の複数の状態のいずれかに関連付けられていてもよい。この処理400は、操作モード、半導体プロセスタイプ、統合時間、その他の初期パラメータをあらかじめ決める準備ステップ410から開始する。次に、ステップ420では、このスペクトロメータやそれに含まれる光学センサ及び変換回路の所定の操作モードを選択してもよい。操作モードには、例えば、回路選択、統合機能選択、アクティブ領域光信号統合時間、ダイナミックレンジを最大化するためのデジタル化スキーム、シャッター機能タイミングを変更するための設定及びパラメータが含まれていてもよい。操作モードは、
図1の外部システム160などの外部システム内で定められ、
図1のマルチモード設定可能スペクトロメータ140のセンサコントローラ150などのマルチモード設定可能コントローラへ送られた後、
図2のFPGA260やプロセッサ270などのコントローラによって具体的な制御が行われてもよい。操作モードは、特定の半導体プロセスの条件及び要件や、以下に表1を参照して説明するようなデータ要件に対して定められてもよい。例えば、操作モードには、光コネクタのタイプ、光信号タイプ(OES/IEP)、レベル(明/暗)、時間的変動(連続/パルス)に基づく設定及びパラメータが含まれていてもよい。また、操作モードは、各ソースに対して独立した非同期デジタル信号を生じさせる別々のソースからの光学データに対応するなど、処理システムの最適化に基づくものであってもよい。
【0034】
次に、ステップ430では、
図1乃至
図3を参照して説明するように、上記操作モードで定められた光学センサ、変換回路、マルチモード設定可能スペクトロメータからデータが読み取られてもよい。ステップ420、430は、複数回(1…N)繰り返し行うことで、プロセス応用に有用な特徴を有する光学データが得られるようにしてもよい。例えば、特定の操作モードでは、光学データを読み取って、OESデータの2つのデジタル信号のデジタル出力を得るよう指示が行われてもよい。ここで、第1デジタル信号は、アクティブ画素領域310から収集され、第2デジタル信号は、アクティブ画素領域311から収集されてもよい。この操作モードのさらなるパラメータとしては、結合回路370を加算回路として選択したり、信号対雑音比性能を向上させるために低速A/D変換器を選択したりすることが含まれてもよい。アクティブ画素領域310への光入力がアクティブ画素領域311への光入力よりもはるかに大きい、若干変更した操作モードでは、統合期間の一部において、アクティブ画素領域310にシャッター機能や他のタイミング制御を適用して、蓄積された電気信号量を軽減させてもよい。ステップ430は、この処理400がステップ420に戻る前に複数回繰り返し行われてもよい。さらに、ステップ420での操作モードの選択は、デジタル信号のいくつかのパラメータや、外部から供給された命令に基づき、光入力を生成する半導体プロセス中にリアルタイムで動的に適応させてもよい。例えば、デジタル信号が光学センサの飽和状態を示す場合、操作モードを調整して関連するアクティブ画素領域が受信する光信号の統合時間を削減するようにしてもよい。このような削減は、アクティブ画素領域の統合時間を直接変更したり、関連するシャッター機能の時間を調整したりすることによって行われる。動作モード調整は、例えば、
図2のプロセッサ270や、
図1の外部システム160によって指示されてもよい。さらに、操作モードの動的な調整には、調整が行われる前に、この処理400のステップ420から470までの1サイクルを少なくとも実行する必要がある場合がある。
【0035】
次に、ステップ440では、マルチモード設定可能スペクトロメータや光学センサにおける操作モードに従って、収集された光学データの処理を行ってもよい。例えば、マルチモード設定可能スペクトロメータが、交互照明が行われるフラッシュランプを用いた動作モードで使用される場合、処理には、光学データ照明がオンの場合とオフの場合との違いを判定する工程が含まれてもよい。この処理は、例えば、
図3の結合回路370、
図2のプロセッサ270、又は、
図1の外部システム160によって行われてもよい。続いて、ステップ450では、この光学データの処理を行い、ステップ460でプロセスツールに送られる制御値出力の削減と抽出を行ってもよい。この制御値出力の判定は、例えば、
図2のプロセッサ270又は
図1の外部システム160によって行われてもよい。ステップ450で生成され、
図1のプロセスツール105などのプロセスツールによって受け取られた一つ又は複数の出力は、ステップ470では、該ツール内で行われ、ウエハに作用するプロセスの実行に適応するのに用いられる。この処理400は、ステップ480で終端し、光学データ及び算出された値は、後々の検索などのために格納されてもよい。この処理400により、通常、数秒から数十分であり、1ミリ秒の頻度かつ数分間隔で収集された光学データを含む監視/制御プロセスの長さにわたる時系列のポイント又はスペクトルとして光学データが定義されてもよい。
【0036】
図5は、本開示の一実施例に係る、
図3に示すような光学センサを備えたマルチモード設定可能スペクトロメータからの変換された光学データの読み取り処理500を示す第2フローチャートである。この処理500は、マルチモード設定可能スペクトロメータとその光学センサ及び変換回路の内部動作に関する処理400に対してさらに詳細を加えたものとなる。この処理500は、FPGA機能の制御などの動作を定義又は設定したり、マルチモード設定可能スペクトロメータの初期チェックを行う準備ステップ510から開始する。ステップ520では、光学センサの複数の出力の結合モードが選択されてもよい。ステップ530では、光学センサのシャッターの状態及びタイミングが選択されてもよい。シャッター機能は、例えば、いずれかのアクティブ画素領域に適用し、各アクティブ画素領域からのスペクトル全体の(デジタル信号)データ速度を一貫して使用しつつ、異なる明るさの光源間の露光を個別に制御してもよい。シャッター状態の選択後、ステップ540では、光信号の統合を所定の期間行ってもよい。この統合時間は、光学センサの各アクティブ画素領域で同じであっても異なっていてもよい。さらに、いくつかの操作モードでは、各アクティブ画素領域の統合時間と信号処理は、マルチモード設定可能スペクトロメータ及び光学センサが複数の独立したプロセスツール又はプロセスチャンバと併用される場合に必要とされるようなインターリービングや完全に独立した光学データ収集に対応するよう非同期的であってもよい。
【0037】
次に、ステップ550では、統合された電荷が隣接する独立した水平シフトレジスタへ垂直方向にシフトされてもよい。その後、ステップ560では、水平シフトレジスタの電気信号が水平方向にシフトされ、事前に選択された統合モード及び操作モードのデータサンプリングレート設定に従って変換されてもよい。ステップ570では、選択された変換回路及び変換サンプリングレート、並びに、変換回路のオーバーサンプリングに従って、収集されたスペクトルを定めるデジタル信号へ電気信号を変換してもよい。この処理500は、例えば、処理400及び/又は
図1に関連して説明したように、光学データの格納又は適用が行われるステップ580で終了する。
【0038】
表1では、本開示の原理に従って、光学センサ、変換回路、マルチモード設定可能スペクトロメータのいくつかの操作モードの信号タイプに基づく利点に注目する。マルチモード設定可能スペクトロメータの操作モードは、監視対象の半導体信号タイプと密接に関連していてもよい。つまり、これらの上述の信号タイプは、OES及びIEP信号である。それらの例としては、
図6A乃至
図7Cを参照して図示し説明する。2つのアクティブ画素領域を有する、
図3のセンサ300などの光学センサを考慮し、該アクティブ画素領域から光学データを独立して並列に読み出す操作モードと、総括/区別して読み出す操作モードとをさらに考慮した場合、既存のスペクトロメータシステムにわたって特定の利点が見て取れる場合がある。
【0039】
次に、OES及びIEP光学データの代表的な図表に目を向ける。
図6Aは、ウエハに反射したキセノンフラッシュランプからの一般的なIEP光信号(スペクトル)620を示す図表である。本明細書に説明するように、IEP信号は、フラッシュランプにより生成されるようなパルス又は離散光信号と見なされるが、IEP信号は時間的に連続した又は離散した信号であってもよいことを理解されたい。パルス光信号は、50%のデューティサイクルで、数秒間につき10回などの規定のパルス繰り返し数とデューティサイクルで、2つ以上の光レベル間で異なっていてもよい。本明細書では、一般に、対象期間にわたって一定の光信号レベルを維持する通常時間的に連続したOES光信号との対比が重要視される。フラッシュランプから生じるパルス光信号は、通常、大抵数マイクロ秒の非常に短いデューティサイクル又は期間であり、100%の変調度を有することが多いが、パルスプラズマから生じるパルス光信号は、より変化しやすく、光信号の変調度が100%ではないことが多い。また、IEPのフラッシュランプ信号は、通常、波長が広帯域であり、その波長範囲にわたって大幅に変化することがある。
図6Bは、複数の代表的なOES光信号(スペクトル)630、640を示す図表である。スペクトル630は、分子発光(400nmに近い広帯域構造)と原子発光(全体的にピークが狭い)の両方に特有の特徴を示している。スペクトル640は、もっぱら原子発光だけの特徴を示し、波長に応じた信号レベルがゼロに近い値から70,000近くまで変化するのが分かる。
【0040】
スペクトロメータ内の光学センサの単一のアクティブ画素領域の複数領域で収集されたIEP及びOESスペクトルは、その振幅が大きく変化してもよく、異なるチャンバ又は同一チャンバ内の異なる位置から生じるものであってもよい。現時点での多くの半導体プロセスへの応用では、小さい信号(又は小さい信号変化)の検出が重要であり、現時点での光学センサ及びスペクトロメータ技術には、汚染、クロストーク、限られたダイナミックレンジ及びその他の問題が存在するため、重要な光信号の特徴が既存のスペクトロメータを読み取る際に隠されている場合がある。
【0041】
前述の特許文献1で言及したように、このような既存の光学センサやスペクトロメータの使用には複数の問題が存在する。主要な問題としては、アクティブ画素領域が円形バッファとして作用し、そのアクティブ画素領域のさまざまな部分に統合された信号は、通常、シフト中も露光されたままとなって汚染されてしまう他の部分を通らなければならない。結果的に得られる光信号は、シフト率などに基づき、さまざまな比率で異なる部分に入射する信号を組み合わせたものである。さらに、一つの部分から別の部分へと列がシフトするにつれて、センサの元の部分が露光され続けてもよく、不要信号を結合させてもよい。この場合も同様に、前述の特許文献1で言及したように、複雑化したり、データ速度が低下し、信号読み出しが増大するという代償を払って、これらの問題などに取り組むのに相当な努力が費やされている。特に、特許文献1の
図12に注目すると、複数の結合信号の特定の汚染を回避するため、光学センサのアクティブ領域の一部を見えなくして、複雑な列シフト及び水平読み出しの構成を行い、既存のイメージングスペクトロメータの限界に対応してもよい。
【0042】
上記問題は、IEP及びOES信号が観察された際に結合する半導体プロセス応用の検討により示されてもよい。
図7Aは、代表的なIEP光信号620とOES光信号640とを結合したものを示す図表700である。ここでは、所望のIEP信号がOES信号による汚染に影響されるが、IEPの全体的な特徴的形態が明らかであることが示されている。
図7Bは、同じく代表的なIEP光信号620と第2OES光信号630とを結合したものを示す図表610である。ここでは、所望のIEP光信号のより大幅な汚染と、ダイナミックレンジの分割により元の信号を区別する能力の低下が示されている。OES信号のフリンジ状の波長強度パターンの形状は、汚染されたIEP信号において、物質層からの反射率を示すものとして解釈できることが重要である。
【0043】
フラッシュランプは、フラッシュランプパルスを交互にオンオフする「デュアル読み出し」モード(例えば、参照により本明細書に組み込まれる特許文献3参照)で使用して信号汚染を大幅に除去してもよいが、この操作モードは、十分にゆっくりと変化するOES信号を想定したものである。OES信号が十分に静的なものではない場合、汚染されずにIEP信号の決定を行うことは既存のシステムでは不可能である。本開示の光学センサとスペクトロメータを用いることで、パルス状のIEPフラッシュランプ信号を受信するアクティブ画素領域は、シャッター機能又は他の操作モード設定により開閉し、光パルスの数マイクロ秒以外の期間から、受け取った光入力の統合を排除してもよい。
【0044】
図7Cは、第1の代表的なOES光信号630と第2OES光信号640とを結合したものを示す図表である。これらの信号は、例えば、
図1の光インタフェース121、122から生じるものであってもよい。ここでは、信号640の特徴が信号630の存在によってほとんど見えなくなっていることが分かる。OES信号は、通常、時間的に連続しているので、既存のスペクトロメータや光学センサの物理的な読み出し構造の限界により、信号汚染が常に発生している。この場合も同様に、処理に開放された領域は非常に低いので、特定の処理を実行不可能にするには1%未満のレベルの汚染で十分である。例えば、1%の開放領域による半導体エッチング処理では、1%のエンドポイント検出精度が必要となる場合がある。これらの要件を組み合わせると、約1:10,000の変化を検出することが必要であることを意味し、光信号汚染は、この量未満である必要がある。本開示の光センサとマルチモード設定可能スペクトロメータの動作により、結合OES信号の読み出しの汚染を大幅に低減又は完全に排除され、光信号630、640を個別に決定することができる。
【0045】
本開示のマルチモード設定可能スペクトロメータによれば、光信号観測位置、単一/複数のチャンバの統合、単一/複数のプロセスツールの統合、単一/複数のプロセスばらつき、信号タイプのばらつき、これらのうちいずれかの相対的なタイミング/同期に関する操作の柔軟性が得られる。いくつかの特定の例を表1に示す。表1に記載したモード及び利点の説明は、包括的であることを意図したものではなく、特定の操作モード又は信号タイプに関連する利点は、その他の操作モード又は信号タイプと関連していてもよい。
【0047】
表1に記載の信号タイプや利点は、本開示の光学センサ及びマルチモード設定可能スペクトロメータの特定の構造及び機能に関連するものであってもよい。例えば、デュアルOESモード(表1の第1列)では、信号のクロストークと汚染がデュアルシフトレジスタと別々の電気信号出力及び変換回路が存在することにより低減されている。その他の関連性についても本明細書の説明から引き出されてもよく、そのいくつかを以下にさらに詳しく説明する。
【0048】
別の例では、本開示のマルチモード設定可能スペクトロメータによれば、一つ以上のOES信号、IEP信号又はIEP信号とOES信号を結合させたものを監視する操作モードでの全体の光レベルが非常に高い場合の性能が向上する。現在実施されているのは、光学センサからの信号の読み出しが可能な最短の統合時間を用いて、アクティブ画素領域の一部が小さくなるようにアクティブ画素領域の列の読み取りを細分化することである。これにより、信号の読み出しが複数回行われるスペクトロメータの動作が複雑かつ遅くなり、信号の読み出しは行われるが、飽和状態のために利用されないという状態が生じる。本開示のマルチモード設定可能スペクトロメータによれば、シャッター機能によって、電荷蓄積時間を飽和状態が生じないようにするのに十分なほど短縮することができる。一方、データサンプリングレートは、データの高品質なデジタル化を可能にするのに十分なほど低いままとなり、全体の信号対雑音比を向上させて、小さい信号の検出能を高めてもよい。
【0049】
これに関連して、2つのことなる光信号に対してそれぞれ異なる統合時間を使用できることが望ましい場合、シャッター機能とアクティブ画素領域の独立した読み出しとを組み合わせることが有利である。OESの一例では、アルゴン及びハロゲンによる発光では、スペクトル域が700から800nmの高強度な信号が発生するのに対し、副産物による発光は通常弱く、UVからVIS域に含まれる。マルチモード設定可能スペクトロメータは、データサンプリングレート(例えば、1秒当たりのスペクトル)は一定であるが、異なるアクティブ画素領域で個別の統合時間に対して構成されていてもよく、すべての所望の信号にふさわしい振幅信号が得られる。これらの各信号の一部を結合して、プロセス制御用途の対象となるさまざまな個別の波長に対して実用性とダイナミックレンジを向上させた複合スペクトルが得られるようにしてもよい。さらに、各独立したアクティブ画素領域ごとに積分時間を設定することにより、自動かつ独立した利得制御が可能となる。
【0050】
また、開示されたマルチモード設定可能スペクトロメータは、低光検出を重視した設計である。本光学センサの波長分散方向に長い画素と長いセンサ寸法とを組み合わせることで、同等の波長分解能を有するより広い光スリットを使用可能にする。本開示のマルチモード設定可能スペクトロメータと併用した場合、光学センサの長い画素により、長いスリットが使用可能となり、ひいては全体的な光収集を拡大することができる。さらなる併用では、アクティブ画素領域のシャッター機能とアクティブ画素領域の高さを用いることで、非常に広範囲なダイナミックレンジの光収集が可能となる。可変幅のスリットを含むマルチモード設定可能スペクトロメータの場合、マルチモード設定可能スペクトロメータの操作モードの一部として、スリット幅を制御してもよい。
【0051】
パルスプラズマチャンバへの適用時は、本開示の光学センサとマルチモード設定可能スペクトロメータのさらなる操作モードが有利となる。このようなモードには、a)パルスプラズマへの光信号収集の同期、b)シャッターによる同期、c)パルスプラズマOESの時間分解分光法が含まれるが、これらに限定されるものではない。同期操作モードについては、パルス周波数がそのデータ間隔にふさわしいものではなかったとしても、データ間隔を都合の良い数値(例えば、20Hz)に維持することが有用な場合もある。このパルスプラズマ周波数は、データ間隔ではなく、光学センサや変換回路の電子シャッターや他の機能にロックされていてもよい。エイリアシングは発生せず、異常な統合時間をあらかじめ定めたり、データ間隔にふさわしくない統合時間を用いたりする必要性もない。この操作モードは、例えば、
図1の半導体プロセスツール105とセンサコントローラ150間の低遅延通信によってサポートされていてもよい。
【0052】
パルスプラズマOESの時間分解分光法については、電子シャッターによって、パルス周期に比べて露光時間を短くしてもよく、プラズマのパルス発生器と電子シャッターの起動との間で適切なタイミングの遅延により、パルス周期のさまざまな部分のサンプリングを行ってもよい。例えば、アクティブ画素領域の露光時間がプラズマパルス周期の10分の1である場合、光信号の相対的に時間的にずらした10回の読み出しにより、その周期の異なる部分におけるOES傾向を表してもよい。この光学データは、10分の1周期ずつ、その周期内で露光時間の位置を繰り返しスキャンすることによって収集されてもよい。
【0053】
パルス幅が非常に短いフラッシュランプ光パルスによりワークピースの監視を行うIEP処理では、スペクトロメータシステムは、通常、OES光の存在下でIEP信号を分離するのに用いられる対になった差分測定値を有する。通常、IEP光パルスは数マイクロ秒であればよく、一般的な統合時間は最小限でも数ミリ秒であり、IEP及びOES信号のかなりの汚染につながる。本開示のマルチモード設定可能スペクトロメータにより、1つのアクティブ画素領域につきタイミング及び統合を選択的に行うことで、電子シャッター機能をIEP光パルスに同期させて、全体のデータ間隔に影響を与えずに、非常に短いパルス幅としてもよい。IEP光パルスのゲーティングにより、IEP及びOESの結合信号を非常に大幅に削減し、対になった差分測定値の必要性をなくすことができる。この変更によって、測定サンプルレートを2倍にすることができる。
【0054】
本開示のマルチモード設定可能スペクトロメータの光学センサの独立したアクティブ画素領域からの電気信号を個別にデジタル化することにより、波長分解能の相対的な調整や、それに関連する信号対雑音比の向上を図ることができる。例えば、アクティブ画素領域からの第1光信号は、スペクトルの1201個の波長値を読み出すよう構成されてもよい(200から800nm、0.5nm分解能)が、アクティブ画素領域からの第2光信号は、デジタル化の前に複数の隣接画素をビニング(電気信号を加算)し、その結果、低い分解能のスペクトルを得ることによって、信号対雑音比を向上させてもよい。さらに、個別にデジタル化を行うことにより、フルスペクトルのデータを有するアクティブ画素領域からは第1光信号を、ほんのいつくかの値しか保持されていないアクティブ画素領域からは第2光信号を得ることができ、その他を除去することで余分な不要データの処理や格納を回避することができる。
【0055】
本明細書に記載の光学測定システム及びそのサブシステムにおいて、その範囲から逸脱することなく上記の変更やその他の変更を行ってもよい。例えば、いくつかの例は半導体ウエハ処理装置に関連して説明されているが、本明細書に記載の光学測定システムは、ロール・ツー・ロール薄膜処理、太陽電池製造、又は、高精度な光学測定を要する用途など、他のタイプの処理装置にも適用可能であることが理解されよう。さらに、本明細書では、本開示の態様を説明する場合に「ウエハ」という用語を使用しているが、水晶板、位相シフトマスク、LED基板及びその他の半導体処理とは関係のない基板、固体、気体及び液体ワークピースを含むワークピースなど、他のタイプのワークピースを用いてもよいことを理解されたい。
【0056】
本明細書に記載の実施例は、本開示の原理および実用的な適用例を最もよく説明するため、並びに他の当業者が企図された特定の用途に適したさまざまな変更を含むさまざまな実施例について本開示を理解できるようにするために、選択され、記載されている。本明細書に記載の特定の実施例は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、本開示の範囲及び意図から逸脱することなくさまざまな変形例や環境において実施されてもよい。従って、本開示は、図示の実施例に限定されることを意図されるものではなく、本明細書で説明する原理及び特徴と一致する最も広い範囲を許容すべきものである。
【0057】
図面におけるフローチャートおよびブロック図は、本開示のさまざまな実施例に従ったシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実施のアーキテクチャ、機能性、及び動作を例示する。この点で、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、一つ又は複数の規定された論理機能を実施するための1つ以上の実行可能命令を含むコードのモジュール、セグメント、又は一部を表すことができる。また、いくつかの代替的な実施において、ブロックに明記した機能は、図面に明記した順序通りでなく発生する場合があることに留意すべきである。例えば、関与する機能性に応じて、連続して示した2つのブロックは実際には実質的に同時に実行されることがあり、もしくは、ブロックは時に逆の順序で実行される場合がある。また、ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、及び、ブロック図及び/又はフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、規定された機能や行為を実行する特殊目的ハードウェア・ベースのシステム、又は、特殊目的ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせによって実施可能であることに留意すべきである。
【0058】
当業者であれば理解するように、本開示又はその一部は、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として具現化され得る。従って、本明細書に開示された特徴は、すべてハードウェアの実施形態、すべてソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、又はソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせた実施形態の形態を取る可能性があり、これらのすべてが本明細書において概して「回路」又は「モジュール」と呼ばれることがある。開示された特徴の一部は、デジタルデータプロセッサやコンピュータなどのさまざまなプロセッサにおいて具現化されたり、それらによって実行されたりすることもある。このコンピュータは、プログラミングされていたり、方法の一つ以上のステップを実行する一連のソフトウェア命令の実行可能プログラムを格納する。さらに、本明細書に開示された特徴の少なくとも一部は、コンピュータ可読プログラムコードをその中に具現化した非一時的コンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態を取ることがある。上記プログラムのソフトウェア命令は、アルゴリズムを表し、非一時的デジタルデータ記憶媒体に機械実行可能な形でエンコードすることができる。
【0059】
従って、開示したいくつかの実施例は、装置やシステムの一部を具現化したり、本明細書に記載の方法のステップを実行するさまざまなコンピュータ実行処理を行うプログラムコードを有する非一時的コンピュータ可読媒体を備えたコンピュータストレージ製品にも関連する。本明細書で用いる非一時的媒体とは、一時的な信号伝搬を行うものを除くすべてのコンピュータ可読媒体を指す。非一時的コンピュータ可読媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープなどの磁気媒体、CD−ROMディスクなどの光記録媒体、フロプティカルディスクなどの磁気−光媒体、プログラムコードを格納して実行するように特別に構成された、ROM及びRAM装置などのハードウェア装置を含むがこれらに限定されるものではない。プログラムコードの例としては、コンパイラが生成するような機械コードと、コンピュータが解釈プログラムを用いて実行し得る上位レベルコードを含むファイルとが含まれる。
【0060】
本明細書において用いた用語は、特定の実施例を記載する目的のためだけのものであり、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書において用いたように、単数形「1つの(a)、(an)、(the)」は、文脈によって明らかに他の場合が示されない限り、複数形も含むことを意図している。また、「含む」及び/又は「含んでいる」という表現は、本明細書において用いられた場合、述べた特性、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を規定するが、一つ以上の他の特性、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を除外するものではないことが理解されよう。
【0061】
本出願が関連する当業者は、他の及びさらなる追加、削除、置換、及び変形を、上記説明した実施例に行うことが可能であることを認識するであろう。
【0062】
本開示のさまざまな態様によれば、本明細書に開示したような装置、システム及び方法を含むことを主張することができる。本明細書に開示された態様は、以下を含む。
【0063】
A.マルチモード設定可能スペクトロメータは、(1)光入力を受け取り、該光入力を電気信号に変換するよう構成され、光入力を電気信号に変換する複数のアクティブ画素領域を有する光学センサと、(2)複数の選択可能な変換回路を有し、該選択可能な変換回路から選択した一つの変換回路に従って、電気信号を受信してデジタル出力に変換するよう構成された変換回路とを備えている。
【0064】
B.マルチモード設定可能スペクトロメータの操作方法。一実施例では、この方法は、(1)光学センサの複数のアクティブ画素領域のうちの少なくとも一つを用いて、光入力を電気信号に変換する工程と、(2)複数の選択可能な変換回路を有する変換回路に電気信号を供給する工程と、(3)選択可能な変換回路のうちの一つを介して、電気信号をデジタル出力に変換する工程とを備えている。
【0065】
C.光学監視システムは、(1)プロセスチャンバから得られた光を送るよう構成された光インタフェースと、(2)光インタフェースからの光を光入力として受け取るよう構成されたマルチモード設定可能スペクトロメータとを備えている。このマルチモード設定可能スペクトロメータは、(2A)光入力を電気信号に変換するよう構成され、光入力を電気信号に変換する複数のアクティブ画素領域を有する光学センサと、(2B)複数の選択可能な変換回路を有し、該選択可能な変換回路から選択した一つの変換回路に従って、電気信号を受信してデジタル出力に変換するよう構成された変換回路と、(2C)光入力に基づき、光学センサの操作モードを選択し、選択可能な変換回路のうちの一つを選択してデジタル出力を得るよう構成されたセンサコントローラとを備えている。
【0066】
D.(1)光入力を電気信号に変換する、それぞれ別々に制御可能な複数のアクティブ画素領域と、複数のアクティブ画素領域のそれぞれに対してシフトレジスタを備えた光学センサと、(2)選択可能変換回路を有し、該選択可能な変換回路のうちの選択された変換回路に従って、電気信号を受信してデジタル出力に変換するよう構成された変換回路であって、少なくとも4つの異なる選択可能な変換回路からなる固有の一連の回路が各シフトレジスタに接続され、前記少なくとも4つの異なる選択可能な変換回路には、高速アナログ・デジタル変換器を有する回路と、低速アナログ・デジタル変換器を有する回路と、結合回路とが含まれる、変換回路と、(3)光入力のタイプに基づき、光学センサの操作モードと、選択可能な変換回路のうちの一つの選択された回路を変更し、デジタル出力を得るよう構成されたセンサコントローラとを備えたマルチモード設定可能スペクトロメータ。
【0067】
上記各態様A、B、C、Dは、以下のさらなる要素のうちの一つ又は複数を組み合わせて有していてもよい。
【0068】
要素1:光学センサの動作を指示し、前記選択可能な変換回路のうちの少なくとも一つを選択して前記デジタル出力を得るよう構成されたセンサコントローラをさらに具備する。
要素2:センサコントローラは、光学センサの操作モードを設定してその動作を指示するよう構成され、その操作モードに基づいて、選択可能な変換回路のうちの少なくとも一つを選択するよう構成されている。
要素3:センサコントローラは、操作モードを動的に設定し、選択可能な変換回路のうちの少なくとも一つを動的に選択するよう構成されている。
要素4:センサコントローラは、操作モードを動的に設定し、光学センサが受け取った光入力に基づいて、選択可能な変換回路のうちの少なくとも一つを動的に選択するよう構成されている。
要素5:センサコントローラは、光学センサの前記操作モードを設定するよう構成されたプログラマブル集積回路を備えている。
要素6:センサコントローラは、前記デジタル出力を処理するよう構成されたプロセッサを備えている。
要素7:選択可能な変換回路のうちの少なくとも一つは、複数のアクティブ画素領域のうちの少なくとも2つの領域から信号を受信し、デジタル出力に変換するよう構成された結合回路である。
要素8:結合回路には、加算回路、差分回路、除算回路、乗算回路、又は、インターリーブ回路が含まれる。
要素9:複数のアクティブ画素領域の各アクティブ画素領域に対してシフトレジスタをさらに具備し、各シフトレジスタには、選択可能な変換回路のうちの少なくとも2つの異なる変換回路が接続されている。
要素10:選択可能な変換回路のうちの少なくとも2つの異なる変換回路には、高速アナログ・デジタル変換器を有する選択可能な変換回路と、低速アナログ・デジタル変換器を有する選択可能な変換回路が含まれる。
要素11:複数のアクティブ画素領域のうちの少なくとも一つは、別々に処理されて前記デジタル出力を決定する複数の列を有する。
要素12:光入力には複数の光信号が含まれる。
要素13:複数の光信号には、異なる種類の光信号が含まれる。
要素14:光信号は、連続光信号、パルス光信号、発光分光法(OES)信号、光干渉型エンドポイント(IEP)信号、OES信号とIEP信号の結合信号、連続光信号とパルス光信号の結合信号、からなるリストから選択された一つのタイプの光信号である。
要素15:光入力には複数の光信号が含まれ、前記センサコントローラは、複数の光信号のうちの少なくとも一つのタイプに基づいて、前記操作モードを設定するよう構成されている。
要素16:光入力には複数の光信号が含まれ、前記センサコントローラは、複数の光信号のうちの少なくとも一つの特徴に基づいて、操作モードを設定するよう構成されている。
要素17:特徴には、信号レベル、信号対雑音比、サンプリングレート、パルスレート又は波長領域が含まれる。
要素18:光入力には複数の光信号が含まれ、センサコントローラは、複数の光信号のうちの一つのタイプがOESであることに基づいて、操作モードを設定するよう構成されている。
要素19:光入力には複数の光信号が含まれ、センサコントローラは、複数の光信号のうちの一つのタイプがIEPであることに基づいて、操作モードを設定するよう構成されている。
要素20:光入力には複数の光信号が含まれ、前記センサコントローラは、複数の光信号のうちの一つのタイプがOESとIEPを結合したものであることに基づいて、前記操作モードを設定するよう構成されている。
要素21:光学センサは、複数のアクティブ画素領域のそれぞれに対して複数の出力をさらに有する。
要素22:デジタル出力には、複数のデジタル信号が含まれる。
要素23:センサコントローラは、アクティブ画素領域のうちのいずれか一つの少なくとも一部に対して、電子シャッターを用いて前記光学センサの動作を指示するよう構成されている。
要素24:監視された半導体プロセスから光入力を受け取る工程と、監視された半導体プロセスに関連付けられた外部システムから操作モードの選択を受け取る工程とをさらに具備する。
要素25:操作モードの選択を受け取る工程は、監視された半導体プロセスが開始する前に行われる。
要素26:光学センサの操作モードを選択する工程と、選択可能な変換回路のうちの一つを選択する工程とをさらに具備する。
要素27:モードを選択する工程と選択可能な変換回路の一つを選択する工程のうちの少なくとも一つが動的に行われる。
要素28:モードを選択する工程と前記選択可能な変換回路の一つを選択する工程の基準は、光入力のタイプ、光入力の特徴、デジタル出力の信号対雑音比値、データ速度、からなるリストから選択される。
要素29:光入力のタイプには、連続光信号、パルス光信号、発光分光法(OES)信号、光干渉型エンドポイント(IEP)信号、OES信号とIEP信号の結合信号、連続光信号とパルス光信号の結合信号が含まれる。
要素30:選択可能な変換回路の一つを選択する工程には、高速アナログ・デジタル変換器を有する回路と、低速アナログ・デジタル変換器を有する回路と、結合回路と、からなるリストから回路を選択する工程が含まれる。
要素31:センサコントローラは、プロセスチャンバに関連付けられた外部システムから、操作モードの選択と、選択可能な変換回路のうちの一つの選択を受け取るよう構成されている。
要素32:センサコントローラは、光を生成するプロセスチャンバでの半導体プロセスに従って、操作モードと選択可能な変換回路を選択する。
要素33:センサコントローラは、半導体プロセス中に、異なる操作モードと、選択可能な変換回路のうちの異なる変換回路を動的に選択する。
要素34:操作モードと選択可能な変換回路は、プロセスチャンバで得られた前記光のタイプに応じて選択される。
要素35:光のタイプは、連続光信号、パルス光信号、発光分光法(OES)信号、光干渉型エンドポイント(IEP)信号、OES信号とIEP信号の結合信号、連続光信号とパルス光信号の結合信号からなるリストから選択される。
要素36:マルチモード設定可能スペクトロメータは、複数のアクティブ画素領域のそれぞれに対してシフトレジスタをさらに備え、各シフトレジスタには、選択可能な変換回路のうちの少なくとも2つの異なる変換回路が接続されている。
要素37:選択可能な変換回路のうちの少なくとも2つの異なる変換回路には、高速アナログ・デジタル変換器を有する選択可能な変換回路と、低速アナログ・デジタル変換器を有する選択可能な変換回路が含まれる。
要素38:選択可能な変換回路には、シフトレジスタのうちの少なくとも2つに接続された結合回路がさらに含まれる。