特許第6670341号(P6670341)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670341
(24)【登録日】2020年3月3日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】メモリデバイス及び多数検出器
(51)【国際特許分類】
   G11C 7/10 20060101AFI20200309BHJP
   G11C 11/4093 20060101ALI20200309BHJP
   G11C 11/4096 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
   G11C7/10 150
   G11C7/10 400
   G11C7/10 460
   G11C11/4093 150
   G11C11/4096 550
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-100101(P2018-100101)
(22)【出願日】2018年5月25日
(65)【公開番号】特開2019-204569(P2019-204569A)
(43)【公開日】2019年11月28日
【審査請求日】2018年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】512167426
【氏名又は名称】華邦電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Winbond Electronics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】中岡 裕司
【審査官】 木村 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0274245(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0121360(US,A1)
【文献】 特開2000−099218(JP,A)
【文献】 特開平10−093424(JP,A)
【文献】 特開2004−015434(JP,A)
【文献】 米国特許第06584572(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0227403(US,A1)
【文献】 米国特許第05838166(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0115733(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 7/00− 8/20、11/00−11/56
14/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出期間の前に、制御信号に基づき、第一ノード及び第二ノードに第一電圧を提供するように配置される引き上げ回路と、
第二電圧及び前記第一ノードの間に結合され、前記検出期間において、前記制御信号に基づき、前記第一電圧より大きい前記第二電圧を前記第一ノードに提供するように配置される第一スイッチと、
前記第二電圧及び前記第二ノードの間に結合され、前記検出期間において、前記制御信号に基づき、前記第二電圧を前記第二ノードに提供するように配置される第二スイッチと、
前記第一ノード及び第三ノードの間に結合され、その制御端がそれぞれデータ信号の複数の値のうちの一つを受信し、前記第三ノードは、前記検出期間において、前記第一電圧より小さい第三電圧に結合される複数の第一トランジスタと、
前記第二ノード及び前記第三ノードの間に結合され、その制御端がそれぞれ前記複数の値のうちの一つの反転値を受信する複数の第二トランジスタと、
前記第一ノード及び前記第二ノードに結合され、前記検出期間において、前記第一ノード及び前記第二ノードの間の電圧差に基づき、前記複数の値において多数を占める値を指摘する検出結果を生成する検出増幅回路と、を含む多数検出器。
【請求項2】
前記第三ノード及び前記第三電圧の間に結合され、前記検出期間において、導通されるように配置される第三スイッチと、をさらに含み、
前記複数の第一トランジスタ及び前記複数の第二トランジスタはいずれも同じN型トランジスタで構成され、前記第三スイッチの電流駆動能力は、前記複数の第一トランジスタ及び前記複数の第二トランジスタのいずれか一つの電流駆動能力より大きい請求項1に記載の多数検出器。
【請求項3】
前記第二ノード及び前記第三ノードの間で、前記複数の第二トランジスタのうちの一つと並列結合され、その制御端が操作電圧を受信する第三トランジスタ、をさらに含む請求項1又は2に記載の多数検出器。
【請求項4】
前記引き上げ回路は、
前記第一電圧及び前記第一ノードの間に結合され、その制御端が前記制御信号を受信する第四トランジスタと、
前記第一電圧及び前記第二ノードの間に結合され、その制御端が前記制御信号を受信する第五トランジスタと、
前記第一ノード及び前記第二ノードの間に結合され、その制御端が前記制御信号を受信する第六トランジスタと、を含み、
前記第四トランジスタ、前記第五トランジスタ及び前記第六トランジスタはいずれもN型トランジスタであり、前記第一スイッチ及び前記第二スイッチはP型トランジスタである請求項1〜3のいずれか一項に記載の多数検出器。
【請求項5】
前記検出増幅回路は、
前記第一ノード及び前記第二ノードの間の前記電圧差を比較及び増幅して、検出値を生成する比較増幅回路と、
前記比較増幅回路に結合され、前記検出値を受信し、ラッチして前記検出結果を生成するラッチ回路と、を含む請求項2に記載の多数検出器。
【請求項6】
前記検出増幅回路は、
受信し、第一イネーブル信号に基づき、前記第一ノード及び前記第二ノードの電圧を前記比較増幅回路に伝送するか否かを決定する伝送回路をさらに含む請求項5に記載の多数検出器。
【請求項7】
前記第一ノード及び前記比較増幅回路の第一入力端の間に結合され、前記第一イネーブル信号に基づき、導通又は切断される第一伝送ゲートと、
前記第二ノード及び前記比較増幅回路の第二入力端の間に結合され、前記第一イネーブル信号に基づき、導通又は切断される第二伝送ゲートと、を含み、
前記検出期間において、前記第一伝送ゲート及び前記第二伝送ゲートが同時に導通されて、前記第一ノード及び前記第二ノードの電圧を前記比較増幅回路に伝送する請求項6に記載の多数検出器。
【請求項8】
前記比較増幅回路は、
一方は操作電圧及び前記第一ノードの間に結合され、他方は前記操作電圧及び前記第二ノードの間に結合される第一交差結合トランジスタ対と、
一方は基準接地電圧及び前記第一ノードの間に結合され、他方は前記基準接地電圧及び前記第二ノードの間に結合される第二交差結合トランジスタ対と、を含む請求項6に記載の多数検出器。
【請求項9】
前記比較増幅回路は、
前記第一交差結合トランジスタ対が前記操作電圧の経路に直列接続され、前記第一イネーブル信号に基づき、導通又は切断される第四スイッチと、
前記第二交差結合トランジスタ対が前記基準接地電圧の経路に直列接続され、前記第一イネーブル信号に基づき、導通又は切断される第五スイッチと、をさらに含み、
前記第四スイッチ及び前記第五スイッチの導通又は切断状態は同じである請求項8に記載の多数検出器。
【請求項10】
前記ラッチ回路は、
前記比較増幅回路に結合され、前記検出値及び第二イネーブル信号を受信して、演算結果を生成する論理回路と、
その制御端が前記論理回路に結合され、前記演算結果を受信し、前記検出結果を生成するインバータ回路と、
前記インバータ回路の出力端に結合され、前記検出結果をラッチするラッチと、を含む請求項5〜8のいずれか一項に記載の多数検出器。
【請求項11】
前記第一電圧は前記第二電圧の半分である請求項1〜9のいずれか一項に記載の多数検出器。
【請求項12】
前記第二電圧は操作電圧であり、前記第三電圧は、基準接地電圧である請求項1に記載の多数検出器。
【請求項13】
各前記第二トランジスタの電流駆動能力は、各前記第一トランジスタの電流駆動能力より大きい請求項1に記載の多数検出器。
【請求項14】
複数の請求項1に記載の多数検出器と、
前記多数検出器によって生成された前記検出結果に基づき、前記複数の値の反転値によって構成される反転データ信号を出力するデータバス反転回路と、を含むメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメモリデバイス及び多数検出器に関し、特に、データバス反転機能(Data Bus Inversion, DBI)を有するメモリデバイス及び多数検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
DRAMの技術分野において、データ信号を伝送するインターフェースは、基準接地電圧に終端され(terminated)、したがって、伝送されるデータ信号の論理ハイレベルのビット数は多いほど、生じる消費電力は大きくなる。消費電力を低減するために、周知のダイナミックメモリは、データバス反転(Data Bus Inversion, DBI)技術を用いて、論理ハイレベルのビット数が多数を占める時(例えば、一つのバイト(Byte)の8つの値の半分以上が1である時)、データ信号の各ビットの論理レベルを反転させて伝送する。
【0003】
論理ハイレベルのビット数が多数を占めるか否かについての検出動作において、周知技術が提供するのは、多数検出器に多くのトランジスタによって、大きな配置面積を占める必要があり、メモリデバイスの消費電力を多くし、動作効率は低減し、且つ、生産コストは増加する。したがって、如何にして多数検出器の消費電力、必要なトランジスタ数及び配置面積を低減するかは、本分野の設計者の重要課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、データ信号の多数を占める値を指摘するためのメモリデバイス及び検出器を提供する。メモリデバイスのデータバス反転回路は、多数検出器によって生じる検出結果に基づき、反転データ信号を出力する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の多数検出器は、引き上げ回路と、第一スイッチと、第二スイッチと、複数の第一トランジスタと、複数の第二トランジスタと、検出増幅回路と、を含む。引き上げ回路は、検出期間の前に、制御信号に基づき、第一ノード及び第二ノードに第一電圧を提供するように配置される。第一スイッチは、第二電圧及び第一ノードの間に結合され、検出期間において、制御信号に基づき、第一電圧より大きい第二電圧を前記第一ノードに提供するように配置される。第一トランジスタは、第一ノード及び第三ノードの間に結合され、その制御端がそれぞれデータ信号の複数の値のうちの一つを受信し、第三ノードは、検出期間において、第一電圧より小さい第三電圧に結合される。第二トランジスタは、第二ノード及び第三ノードの間に結合され、その制御端がそれぞれ前記複数のうちの一つの反転値を受信する。検出増幅回路は、第一ノード及び第二ノードに結合され、検出期間において、第一ノード及び第二ノードの間の電圧差に基づき、前記複数の値において多数を占める値を指摘する検出結果を生成する。
【0006】
本発明のメモリデバイスは、複数の前述の多数検出器と、前述の多数検出器が生成した該検出結果に基づき、前記複数の値の反転値によって構成される反転データ信号を出力するデータバス反転回路を含む。
【発明の効果】
【0007】
上述に基づき、本発明が提供する多数検出器は、第一ノード及び第三ノードの間に結合される複数の第一トランジスタと、第二ノード及び第三ノードの間に結合される複数の第二トランジスタと、を備え、引き上げ回路によって、第一ノード及び第二ノードの検出期間の前において、第二電圧より小さい第一検出電圧に引き上げられ、検出期間において、第一ノードと第二ノードは、第二電圧に結合され、第三ノードは第一電圧より小さい第三電圧に結合され、検出増幅回路によって、第一ノード及び第二ノードの間の電圧差に基づき検出結果を生成する。このように、大量のトランジスタを使用する必要が無い前提の下、多数検出器が必要とする消費電力を効果的に低減でき、多数検出器の検出速度を速くし、メモリデバイスの動作効率を向上させる。
【0008】
本発明の上述した特徴と利点を更に明確化するために、以下に、実施例を挙げて図面と共に詳細な内容を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例の多数検出器の模式図を図示する。
図2】本発明の実施例の検出増幅回路を図示する実施方式の模式図。
図3】本発明の実施例の検出器の読取り操作期間の各信号のタイミング図を図示する。
図4】本発明の別の実施例の多数検出器の模式図を図示する。
図5】本発明の図4の実施例の検出増幅回路を図示する実施方式の回路図。
図6A】本発明の異なる実施例のメモリデバイスの模式図をそれぞれ図示する。
図6B】本発明の異なる実施例のメモリデバイスの模式図をそれぞれ図示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照すると、図1は本発明の実施例の検出器の模式図を図示する。多数検出器100はデータバス反転回路を有するメモリデバイスに設けられてもよく、検出結果をデータバス反転回路に提供することに適する。メモリデバイスは、DRAMであってもよく、例えば、低消費電力DDR4 SDRAM(Low Power Double−Data−Rate Fourth Generation Synchronous Dynamic Random Access Memory, LPDDR4)である。多数検出器100は、第一トランジスタQN1〜QN8と、インバータINV1〜INV8と、第二トランジスタQN9〜QN16と、引き上げ回路130と、検出増幅回路140と、第一スイッチQP1と、第二スイッチQP2と、第三スイッチQN18と、第三トランジスタQN17と、を含む。第一トランジスタQN1〜QN8の第一端は第一ノードSBに共通結合され、第二端は第三ノードSNに共通結合され、制御端はそれぞれデータ信号IDQiの複数の値IDQ0i〜IDQ7iのうちの一つを受信する。また、第二トランジスタQN9〜QN16の第一端は第二ノードSTに共通結合され、第二端は第三ノードSNに共通結合され、制御端はそれぞれインバータINV1〜INV8の出力端に結合される。インバータINV1〜INV8の入力端は、データ信号IDQiの複数の値IDQ0i〜IDQ7iを受信し、出力端は、これらの値IDQ0i〜IDQ7iの反転値を生成する。
【0011】
これらの値IDQ0i〜IDQ7iが、論理ハイレベル(1)である数に基づき、第一トランジスタQN1〜QN8が導通される数を決定して、第三ノードSN及び第一ノードSBの間の等価インピーダンスを決定することができる。同様に、これらの値IDQ0i〜IDQ7iが、論理ローレベル(0)である数に基づき、第二トランジスタQN9〜QN16が導通される数を決定して、第三ノードSN及び第二ノードSTの間の等価インピーダンスを決定することができる。
【0012】
引き上げ回路130は、検出期間の前に、制御信号DE0Bに基づき、第一ノードSB及び第二ノードSTの電圧を第一電圧に引き上げるように配置される。第一スイッチQP1は第二電圧及び第一ノードSBの間に結合され、第二スイッチQP2は第二電圧及び第二ノードSTの間に結合される。第一スイッチQP1と第二スイッチQP2は検出期間に配置され、制御信号DE0Bに基づき同時に導通されて、第一ノードSB及び第二ノードSTの電圧を第一電圧から第二電圧に引き上げさせる。 第一電圧は第二電圧より小さい。本発明の実施例において、第一電圧は、第二電圧の半分であってもよい。第二電圧は操作電圧VDDであってもよく、第一電圧は、操作電圧の半分HFVDDであってもよい。本発明は、引き上げ回路130によって、検出期間の第二電圧に引き上げるのに必要な時間を低減して、検出速度を向上させる。さらに、第一ノードSB及び第二ノードSTは、非検出期間において、第一電圧に維持するだけであることから、メモリデバイスの消費電力を低減できる。
【0013】
引き上げ回路130はトランジスタQN19〜QN21を含み、その制御端は、いずれも制御信号DE0Bを受信する。トランジスタQN19は第一ノードSB及び第一電圧の間に結合される。トランジスタQN20は第二ノードST及び第一電圧の間に直列接続される。トランジスタQN21は第一ノードSB及び第二ノードSTの間に直列接続される。
【0014】
トランジスタQN19〜QN21はいずれもN型トランジスタであり、第一スイッチQP1及び第二スイッチQP2はいずれもP型トランジスタである。トランジスタQN19〜QN21、第一スイッチQP1及び第二スイッチQP2は同じ制御信号DE0Bによって制御され、トランジスタQN19〜QN21は導通する時、第一スイッチQP1及び第二スイッチQP2は切断される。反対に、トランジスタQN19〜QN21は切断される時、第一スイッチQP1及び第二スイッチQP2は導通される。これによって、第一スイッチQP1及び第二スイッチQP2の電圧の引き上げ動作、及び引き上げ回路130の電圧引き上げ動作は、同時に起こらない。
【0015】
検出増幅回路140は第一ノードSB及び第二ノードSTに結合され、検出期間において、第一ノードSB及び第二ノードSTの間の電圧差に基づき、検出結果A0iを生成し、検出結果A0iはこれらの値IDQ0i〜IDQ7iの多数を占める値を指摘する。データバス反転回路は、検出結果A0iを受信して、検出結果A0iに基づき、これらの値IDQ0i〜IDQ7iの反転値によって構成される反転データ信号を出力するか否か決定できる。検出増幅回路140の動作時間はイネーブル信号DE1及びDE2に基づき決定される。
【0016】
第三スイッチQN18は第三ノードSN及び第三電圧の間に結合され、検出期間において、導通されるように配置される。実施例において、第三スイッチQN18は、制御信号DE0Bの反転信号によって制御される。本実施例において、インバータINV9は制御信号DE0Bを受信し、制御信号DE0Bの反転信号を第三スイッチQN18の制御端に提供する。第三電圧は第一電圧より小さく、本実施例の第三電圧は、基準接地電圧VSSであってもよい。
【0017】
第三スイッチQN17が第二トランジスタQN16の一つと並列に設けられる。第一トランジスタQN1〜QN8、第二トランジスタQN9〜QN16、第三トランジスタQN17は、いずれも同じN型トランジスタであってもよい。第三トランジスタQN17の制御端は操作電圧VDDを受信し、常に導通しており、検出期間において、第二トランジスタQN9〜QN16が、第三電圧に結合されるバイパス(Bypass)経路を提供するように配置される。これによって、これらの値IDQ0i〜IDQ7iが、論理ハイレベル(1)である数が半分を占める時、第二ノードSTの電圧降下は、第一ノードSBの電圧降下より大きく、即ち、第一ノードSBの電圧は、第二ノードSTの電圧より高く、検出増幅回路140に論理ローレベルに等しい検出結果A0iを生成させる。
【0018】
本実施例において、トランジスタQN1〜QN17の電流駆動能力は同じであってもよく、第三スイッチQN18を構成するN型トランジスタは相対的に大きな電流駆動能力を有してもよい。
【0019】
本実施例の不図示の変形実施例に基づくと、多数検出器に第三トランジスタQN17を設けておらず、第二トランジスタの電流駆動能力は、第一トランジスタの電流駆動能力より大きい。例えば、第二トランジスタの電流駆動能力は、第一トランジスタの電流駆動能力の1.2倍であってもよい。これによって、データ信号のこれらの値IDQ1i〜IDQ7iの4つの値が論理ハイレベルである時、第一ノードSBの電圧は第二ノードSTの電圧より高く、検出増幅回路140に、論理ローレベルに等しい検出結果A0iを生成させることもできる。
【0020】
検出図2は、本発明の実施例の検出増幅回路を図示する模式図である。検出増幅回路140は、伝送回路210と、比較増幅回路220と、ラッチ回路230と、を含む。伝送回路210は、トランジスタQP3、QN22から構成される第一伝送ゲートと、トランジスタQP4、QN23から構成される第二伝送ゲートと、インバータIVN10及びIVN11と、を含む。インバータIVN10及びIVN11は相互に直列接続され、イネーブル信号DE1に基づき、トランジスタQP3、QN22、QP4、QN23の制御信号を生成する。第一伝送ゲート及び第二伝送ゲートは同時に導通されてもよい、又は同時に切断されてもよい。第一伝送ゲート及び第二伝送ゲートは検出期間においていずれも導通されるように配置され、第一ノードSB及び第二ノードSTの電圧は比較増幅回路220の2つの入力端に伝送される。
【0021】
比較増幅回路220は二つの交差結合トランジスタ対を含む。トランジスタQP6、QP7は交差結合(cross coupled)接続によって第一交差結合トランジスタ対を形成し、トランジスタQN24、QN25は交差結合接続によって第二交差結合トランジスタ対を形成する。トランジスタQP6は操作電圧VDD及び第一ノードSBの間に結合され、トランジスタQP7は操作電圧VDD及び第二ノードSTの間に結合され、導通された第四スイッチQP5によって操作電圧VDDを受信する。トランジスタQN24は基準接地電圧VSS及び第一ノードSBの間に結合され、トランジスタQN25は基準接地電圧VSS及び第二ノードSTの間に結合され、導通された第五スイッチQN26によって基準接地電圧VSSに結合される。
【0022】
本実施例において、第四スイッチQP5の制御端は、インバータINV10の出力に結合され、イネーブル信号DE1の反転信号によって制御され、第五スイッチQN26はイネーブル信号DE1によって制御される。このように、イネーブル信号DE1は論理ハイレベルである時、第四スイッチQP5及び第五スイッチQN26はいずれも導通され、第一ノードSB及び第二ノードSTの間の電圧差は、比較増幅回路220を介して比較及び増幅されて、検出値を生成する。
【0023】
比較増幅回路220はが生成する検出値はラッチ回路230に伝送される。本実施例において、ラッチ回路230は、論理ゲートNAND1及びNOR1から構成される論理回路と、トランジスタQP8及びQN27から構成されるインバータ回路と、インバータINV13、INV14から構成されるラッチと、を含む。論理ゲートNAND1はNANDゲート(NAND gate)であり、検出値及びイネーブル信号DE2を受信し、演算結果を生成してトランジスタQP8の制御信号とする。論理ゲートNOR1はNORゲート(NOR gate)であり、検出値及びイネーブル信号DE2の反転信号(インバータINV12によって生成される)を受信し、演算結果を生成してトランジスタQN27の制御信号をとする。論理回路によって、イネーブル信号DE2は論理ハイレベルである時、インバータ回路は検出値と同じ論理レベルの検出結果A0iを生成することができる。
【0024】
インバータINV14の入力端は検出結果A0iを受信し、インバータINV14の出力端はインバータINV13の入力端に結合され、インバータINV13の出力端はインバータINV14の入力端に結合される。このように、検出結果A0iはラッチに効果的にラッチされる。
【0025】
以下、図1及び図3を参照すると、図3は本発明の実施例の多数検出器の読取り操作期間の各信号のタイミング図を図示する。図3において、クロック信号CLKは基本クロック信号である。タイミングT1の前において、多数検出器100のプリチャージ期間を含み、この時、制御信号DE0Bは、論理ハイレベルであり、引き上げ回路130のトランジスタQN19〜QN21を導通させ、第一スイッチQP1と第二スイッチQP2は切断して、第一ノードSB及び第二ノードSTを第一電圧に引き上げる。タイミングT1において、多数検出器100は検出期間に入り、この時、制御信号DE0Bは論理ローレベルであり、第一スイッチQP1、第二スイッチQP2及び第三スイッチQN18を導通させ、引き上げ回路130のトランジスタQN19〜QN21を切断し、第一ノードSB及び第二ノードSTを第一電圧から第二電圧に引き上げる。データ信号IDQjiの複数の値は、それぞれ複数の第一トランジスタの制御端に伝送され、これらの値の反転値はそれぞれ複数の第二トランジスタの制御端に伝送される。これらの値の反転値が論理ハイレベルである数に基づき、これらの第一トランジスタ及びこれらの第二トランジスタの導通される数を決定し、第一ノードSB及び第二ノードSTの電圧が引き下げられる程度を決定する。本実施例において、これらの値IDQ0i〜IDQ7iの論理ハイレベルである数が5以上である時、第一ノードSBの電圧は第二ノードSTの電圧より低い。反対に、これらの値IDQ0i〜IDQ7iの論理ハイレベルである数が5未満である時、第一ノードSBの電圧は第二ノードSTの電圧より高い。タイミングT2において、イネーブル信号DE1は論理ハイレベルであり、検出増幅回路140は始動されて、第一ノードSB及び第二ノードSTの間の電圧差を比較及び増幅し、検出値を生成する。タイミングT3の時、検出増幅回路140は検出結果A0iを出力する。本実施例において、これらの値IDQ0i〜IDQ7iの論理ハイレベルである数が5以上である時、検出結果A0iは論理ハイレベルである。反対に、これらの値IDQ0i〜IDQ7iの論理ハイレベルである数が5未満である時、検出結果A0iは論理ローレベルである
【0026】
検出結果A0iに基づき、メモリデバイスは、出力するためのデータ信号DQjを生成するために、データバス反転回路を始動するか否か決定できる。検出結果A0iが論理ハイレベルに等しい時、データバス反転回路は始動して、データ信号のこれらの値IDQjiを反転して、出力するためのデータ信号DQjを生成することができる。また、論理ハイレベルのデータマスキング反転(Data mask inversion)信号DMIを生成することもできる。反対に、検出結果A0iが論理ローレベルに等しい時、データバス反転回路は始動せず、データ信号のこれらの値IDQjiに等しいデータ信号DQjを出力し、論理ローレベルのデータマスキング反転信号DMIを生成する。
【0027】
注意すべきこととして、メモリデバイスのデータ伝送インターフェースの終点が基準接地電圧VSSに接続されることから、論理ハイレベルの値を出力する時にだけ、電流を消費する。本実施例において、8ビット(8つの値)のデータ信号を例にすると、入力されたデータ信号の5つ以上の値が論理ハイレベルである時、メモリデバイスのデータバス反転回路は、始動されて、入力されたデータ信号のこれらの値の反転値を出力するデータ信号とする。これによって、電流の消費を低減できる。この時、データマスキング反転信号DMIは、データ信号の論理レベルの反転の発生の有無についての情報を通知する。
【0028】
図4を参照すると、図4は本発明の別の実施例の多数検出器の模式図を図示する。多数検出器400と多数検出器100の同じ又は相似する部分は同じ符号で表し、ここでは繰り返さない。検出本実施例の多数検出器400と前述の実施例の検出器100と異なる部分を以下に説明する。本実施例の多数検出器400の検出増幅回路440はイネーブル信号DSAP、DSAN及びDE2を受信し、イネーブル信号DSAP、DSAN及びDE2に基づき始動されて、これによって第一ノードSB及び第二ノードSTの間の電圧差を検出し、検出結果A0iを生成することである。図6Bに示されるように、イネーブル信号DSAP、DSANは前述の実施例のイネーブル信号DE1に基づき生成される。イネーブル信号DE1が有効にされる時間区間に対応して、イネーブル信号DSAP、DSANはそれぞれ操作電圧及び基準接地電圧を検出増幅回路440に提供して、検出増幅回路440を正常に動作させる。このような設置方式によって、検出増幅回路440において必要なトランジスタ数を低減させ、回路のコストを下げることができる。
【0029】
変形実施例において、トランジスタQN17は省略でき、且つ、第二トランジスタQN9〜QN16の電流駆動能力は、第一トランジスタQN1〜QN8の電流駆動能力より大きい。このようにすることで、検出期間において、データ信号の8つの値IDQ0i〜IDQ7iのうち、4つが論理ハイレベルである時、第二ノードSTの電圧を、第一ノードSBの電圧より僅かに低くして、検出増幅回路440に、論理ローレベルに等しい検出結果A0iを生成させることができる。
【0030】
図4の検出増幅回路440の実施詳細について、図5に図示する検出増幅回路の模式図を参照すると、図5において、検出増幅回路440は、インバータINV51と、インバータINV52と、比較増幅回路510と、ラッチ回路520と、を含む。図2の比較増幅回路210に対して、比較増幅回路510は、交差結合接続するトランジスタQP51、QP52と、交差結合接続するトランジスタQN51、QN52と、だけを含む。トランジスタQP51、QP52はイネーブル信号DSAPを直接受信し、トランジスタQN51、QN52はイネーブル信号DSANを直接結合し、検出期間において、イネーブル信号DSAPは操作電圧VDDに等しく、且つ、イネーブル信号DSANは基準接地電圧VSSに等しく、これによって、比較増幅回路510を始動する。ちなみに、比較増幅回路510は無効にされて動作を実行しない時、イネーブル信号DSAP及びDSANの少なくとも一つは高インピーダンス(high impedance)信号であってもよい。ラッチ回路520は前述の実施例のラッチ回路230と類似しており、ここでは繰り返さない。インバータINV51は、イネーブル信号DE2を受信し、インバータINV52は、インバータINV51の出力を受信し、論理ゲートNAND1は、検出値とインバータINV52の出力を受信し、演算結果を生成して、トランジスタQN8の制御信号とする。
【0031】
以下、図6A及び図6Bを参照すると、図6A及び図6Bは本発明の異なる実施例のメモリデバイスの模式図をそれぞれ図示する。図6において、メモリデバイス601は複数の多数検出器611〜61Nを含む。多数検出器611〜61Nはイネーブル信号DE1、DE2及び制御信号DE0Bを共通して受信し、それぞれデータ信号IDQj1〜IDQj16を受信して、それぞれ検出結果A01〜A016を生成する。本実施例において、メモリデバイス601は16個の多数検出器611〜61Nが配置されてもよく、メモリデバイス601の操作はバーストモード(burst mode)において、16組の8ビットのデータ信号の0、1の状態を同時に判断することができる。
【0032】
当然ながら、上述の説明からわかるように、メモリデバイス601に設けられた多数検出器の個数は、メモリデバイス601が提供するバーストモードの設定に基づき変更してもよく、固定された制限は無い。
【0033】
一方、本発明の実施例の多数検出器611〜61Nは、本発明の図1の実施例の多数検出器100によって実施されてもよい。
【0034】
図6Bにおいて、メモリデバイス602は、複数の多数検出器621〜62Nと、トランジスタQP61、QN61と、インバータINV61と、を含む。多数検出器621〜62Nはイネーブル信号DE1、DSAP、DSAN、DE2及び制御信号DE0Bを共通して受信し、それぞれデータ信号IDQj1〜IDQj16を受信して、それぞれ検出結果A01〜A016を生成する。本実施例において、トランジスタQP61は操作電圧VDD及びイネーブル信号DE1の反転信号を受信する。トランジスタQP61はイネーブル信号DE1の反転信号に基づき、導通又は切断され、トランジスタQP61が導通の状態下では、多数検出器621〜62Nは、操作電圧VDDに等しいイネーブル信号DSAPを受信する。インバータINV61はイネーブル信号DE1を受信して、イネーブル信号DE1の反転信号をトランジスタQP61の制御端に出力する。トランジスタQN61はイネーブル信号DE1に基づき、導通又は切断され、トランジスタQN61が導通の状態下では、多数検出器621〜62Nは、基準接地電圧VSSに等しいイネーブル信号DSANに結合される。
【0035】
本実施例において、トランジスタQN61はN型トランジスタであり、トランジスタQP61はP型トランジスタである。したがって、トランジスタQN61及びQP61は同時に導通されてもよい(又は切断されてもよい)。イネーブル信号DSAP、DSANがそれぞれ操作電圧VDD及び基準接地電圧VSSに等しい時、多数検出器621〜62Nは有効にされて第一ノードSB及び第二ノードSTの間の電圧差を検出する、反対に、イネーブル信号DSAP、DSANがいずれも高インピーダンス状態である時、多数検出器621〜62Nは無効にされる。
【0036】
上述したように、本発明の多数検出器は、第一ノード及び第三ノードの間に結合される複数の第一トランジスタと、第二ノード及び第三ノードの間に結合される複数の第二トランジスタと、を備え、引き上げ回路によって、第一ノード及び第二ノードの検出期間の前において、第二電圧より小さい第一電圧に引き上げられる。これによって、検出期間において、第一ノード及び第二ノードを第二電圧に引き上げる時間を加速する。検出期間において、第三ノードは第一電圧より小さい第三電圧に結合され、第一ノードと第二ノードを、データ信号及び反転データ信号に基づき、対応する程度の電圧効果をそれぞれ発生させ、第一ノード及び第二ノードの電圧差を検出することで、データ信号の多数を占める値を指摘する。このように、大量のトランジスタを使用する必要が無い前提の下、多数検出器が必要とする消費電力を効果的に低減でき、検出速度を速くし、メモリデバイスの全体的な効率を向上させる。
【0037】
本文は以上の実施例のように示したが、本発明を限定するためではなく、当業者が本発明の精神の範囲から逸脱しない範囲において、変更又は修正することが可能であるが故に、本発明の保護範囲は専利請求の範囲で限定したものを基準とする。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明が提供する多数検出器は、配置面積が小さく、消費電力が低く、検出速度が速く、メモリデバイス全体の効率が、効果的に向上する。
【符号の説明】
【0039】
100、611〜61N、621〜62N:多数検出器
130:引き上げ回路
140:検出増幅回路
210:伝送回路
220:比較増幅回路
230:ラッチ回路
601、602:メモリデバイス
NAND1、NOR1:論理ゲート
QP1:第一スイッチ
QP2:第二スイッチ
QN1〜QN27、QP3〜QP8、QN51〜QN52、QP51〜QP52:トランジスタ
IDQ0i〜IDQ7i、IDQj1〜IDQj16、IDQij、DQj:データ信号
SN:第三ノード
SB:第一ノード
ST:第二ノード
INV1〜INV14、INV51〜INV52、INV61:インバータ
A0i、A01〜A016:検出結果
DE0B:制御信号
DE1、DE2、DEAN、DEAP:イネーブル信号
HFVDD:操作電圧の半分
VDD:操作電圧
VSS:基準接地電圧
T1〜T4:タイミング
CLK:クロック信号
DMI:データマスキング逆方向信号

図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B