(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2スプロケットは、前記自転車用リアスプロケット組立体の回転中心軸心に関する軸方向において前記第1スプロケットと前記第2スプロケットとの間に他のスプロケットを有することなく前記第1スプロケットに隣接する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の自転車用リアスプロケット組立体。
前記第2スプロケットの前記少なくとも10本の内側スプライン歯の少なくとも1本は、前記少なくとも10本の内側スプライン歯の他の歯の第2スプライン形状とは異なる第1スプライン形状を有する、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の自転車用リアスプロケット組立体。
前記第2スプロケットの前記少なくとも10本の内側スプライン歯の少なくとも1本は、前記少なくとも10本の内側スプライン歯の他の歯の第2スプラインサイズとは異なる第1スプラインサイズを有する、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の自転車用リアスプロケット組立体。
前記第2スプロケットの前記少なくとも10本の内側スプライン歯のうちの少なくとも2本の内側スプライン歯は、前記自転車用リアスプロケット組立体の回転中心軸心に関する周方向に第1内側ピッチ角で配置され、
前記第1内側ピッチ角は、5度〜36度の範囲内にある、
請求項1〜31のいずれか1項に記載の自転車用リアスプロケット組立体。
前記第2スプロケットの前記少なくとも10本の内側スプライン歯のうちの少なくとも2本の他の内側スプライン歯が、前記回転中心軸心に関する周方向に第2内側ピッチ角で配置され、
前記第2内側ピッチ角は、前記第1内側ピッチ角とは異なる、
請求項32〜34のいずれか1項に記載の自転車用リアスプロケット組立体。
前記第2スプロケットの前記少なくとも10本の内側スプライン歯のうちの少なくとも1本は、前記回転中心軸心から前記少なくとも10本の内側スプライン歯のうちの少なくとも1本の径方向最外周端部の周方向中心点まで前記回転中心軸心に関する径方向に延びる基準線に対して周方向に対称である、
請求項1〜47のいずれか1項に記載の自転車用リアハブ組立体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願に開示される技術の課題は、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面によれば、自転車用リアスプロケット組立体は、自転車用リアハブ組立体のスプロケット支持体に取り付けられるように構成される。自転車用リアスプロケット組立体は、複数の自転車用スプロケットを備える。複数の自転車用スプロケットは、第1スプロケットと第2スプロケットとを備える。第1スプロケットは、自転車用リアハブ組立体のスプロケット支持体の最小外径よりも小さい第1最小直径を有する第1開口を含む。第2スプロケットは、第2開口と、少なくとも10本の内側スプライン歯と、を有する。第2開口は、自転車用リアハブ組立体のスプロケット支持体の最小外径以上である第2最小直径を含む。少なくとも10本の内側スプライン歯は、自転車用リアハブ組立体のスプロケット支持体と係合するように構成される。
【0006】
第1側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、第1最小直径により、第1スプロケットのピッチ円直径をより小さくできる。これにより、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現できる。さらに、9本以下の内側スプライン歯を含むスプロケットに比べて、第2スプロケットの少なくとも10本の内側スプライン歯により、少なくとも10本の内側スプライン歯のそれぞれに作用する回転力が低減される。これにより、第2スプロケットの耐久性が向上する、および/または、第2スプロケットの耐久性を低下させることなく第2スプロケットの材料を選択する自由度が高まる。
【0007】
本発明の第2側面によれば、第1側面に係る自転車用リアスプロケット組立体は、ロック部材をさらに備える。ロック部材は、筒状部と、雄ネジ部と、径方向突起と、を含む。筒状部は、自転車用リアスプロケット組立体が自転車用リアハブ組立体に装着される状態で第1スプロケットの第1開口を通って延びる。筒状部は、第1軸方向端部と第2軸方向端部とを含む。第2軸方向端部は、自転車用リアスプロケット組立体の回転中心軸心に関する軸方向において第1軸方向端部の反対側に配置される。第1軸方向端部は、自転車用リアスプロケット組立体が自転車用リアハブ組立体に装着される状態で第2軸方向端部よりも自転車用リアハブ組立体の軸方向中心面に近い位置に配置される。雄ネジ部は、自転車用リアスプロケット組立体が自転車用リアハブ組立体に装着される状態で自転車用リアハブ組立体のスプロケット支持体の雌ネジ部と係合するように第1軸方向端部に設けられる。径方向突起は、自転車用リアスプロケット組立体が自転車用リアハブ組立体に装着される状態で自転車用リアハブ組立体のスプロケット支持体に対する第1スプロケットの軸方向移動を規制するように第2軸方向端部から回転中心軸心に関する径方向の外側に延びる。
【0008】
第2側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、より小さいスプロケットを自転車用リアハブ組立体に取り付けることができる。これにより、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現できる。
【0009】
本発明の第3側面によれば、第2側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、第1スプロケットは、第1内方側面と、軸方向において第1内方側面の反対側の第1外方側面と、を含む。径方向突起は、第1外方側面において第1スプロケットに接触するように構成される。
【0010】
第3側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、より小さいスプロケットを自転車用リアハブ組立体に取り付けることができる。これにより、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現できる。
【0011】
本発明の第4側面によれば、第1〜第3側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、第2スプロケットは、自転車用リアスプロケット組立体の回転中心軸心に関する軸方向において第1スプロケットと第2スプロケットとの間に他のスプロケットを有することなく第1スプロケットに隣接する。
【0012】
第4側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、より小さいスプロケットを自転車用リアハブ組立体に取り付けることができる。これにより、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現できる。
【0013】
本発明の第5側面によれば、第1〜第4側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、第1スプロケットは、第1内方側面と、自転車用リアスプロケット組立体の回転中心軸心に関する軸方向において第1内方側面の反対側の第1外方側面と、を含む。第1スプロケットは、ペダリングトルクをスプロケット支持体に直接的または間接的に伝達するように第1内方側面に設けられる第1トルク伝達構造を含む。
【0014】
第5側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、より小さいスプロケットを自転車用リアハブ組立体に取り付けることができる。これにより、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現できる。
【0015】
本発明の第6側面によれば、第5側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、第1トルク伝達構造は少なくとも10本の第1トルク伝達歯を含む。
【0016】
第6側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、9本以下の内側スプライン歯を含むスプロケットに比べて、第1スプロケットの少なくとも10本の第1トルク伝達歯により、少なくとも10本の第1トルク伝達歯のそれぞれに作用する回転力が低減される。これにより、第1スプロケットの耐久性が向上する、および/または、第1スプロケットの耐久性を低下させることなく第1スプロケットの材料を選択する自由度が高まる。
【0017】
本発明の第7側面によれば、第6側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、少なくとも10本の第1トルク伝達歯の総数は20本以上である。
【0018】
第7側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、第1スプロケットの耐久性を向上させることができる。
【0019】
本発明の第8側面によれば、第1〜第7側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、第2スプロケットの少なくとも10本の内側スプライン歯の総数は20本以上である。
【0020】
第8側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、第2スプロケットの耐久性を向上させることができる。
【0021】
本発明の第9側面によれば、第8側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、第2スプロケットの少なくとも10本の内側スプライン歯の総数は28本以上である。
【0022】
第9側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、第2スプロケットの耐久性を向上させることができる。
【0023】
本発明の第10側面によれば、第1〜第9側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、第2スプロケットの少なくとも10本の内側スプライン歯は、第1内側ピッチ角と、第1内側ピッチ角とは異なる第2内側ピッチ角と、を有する。
【0024】
第10側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、正確な周方向位置において自転車用リアスプロケット組立体を自転車用リアハブ組立体に容易に取り付けることができる。
【0025】
本発明の第11側面によれば、第1〜第10側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、第2スプロケットの少なくとも10本の内側スプライン歯の少なくとも1本は、少なくとも10本の内側スプライン歯の他の第2スプライン形状とは異なる第1スプライン形状を有する。
【0026】
第11側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、正確な周方向位置において自転車用リアスプロケット組立体を自転車用リアハブ組立体に容易に取り付けることができる。
【0027】
本発明の第12側面によれば、第1〜第11側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、第2スプロケットの少なくとも10本の内側スプライン歯の少なくとも1本が少なくとも10本の内側スプライン歯の他の第2スプラインサイズとは異なる第1スプラインサイズを有する。
【0028】
第12側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、正確な周方向位置において自転車用リアスプロケット組立体を自転車用リアハブ組立体に容易に取り付けることができる。
【0029】
本発明の第13側面によれば、第1〜第12側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、第1スプロケットの総歯数は10本以下となるように構成される。
【0030】
第13側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、より小さいスプロケットを自転車用リアハブ組立体に取り付けることができる。これにより、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現できる。
【0031】
本発明の第14側面によれば、第1〜第13側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、第1スプロケットは自転車用リアスプロケット組立体における最小スプロケットとなる。
【0032】
第14側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、より小さいスプロケットを自転車用リアハブ組立体に取り付けることができる。これにより、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現できる。
【0033】
本発明の第15側面によれば、第1〜第14側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体は、自転車用リアハブ組立体のスプロケット支持体と係合するように構成される少なくとも10本の内側スプライン歯を含むスプロケット支持部材をさらに備える。複数の自転車用スプロケットは、スプロケット支持部材に取り付けられるように構成される追加スプロケットを有する。
【0034】
第15側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、自転車用リアスプロケット組立体の軽量化を図ることができる。
【0035】
本発明の第16側面によれば、第15側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、追加スプロケットの総歯数は46本以上である。
【0036】
第16側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、追加スプロケットにより、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現できる。
【0037】
本発明の第17側面によれば、第15側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、追加スプロケットの総歯数は50本以上である。
【0038】
第17側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、追加スプロケットにより、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現できる。
【0039】
本発明の第18側面によれば、第1〜第17側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、複数の自転車用スプロケットは第2スプロケットとして設けられる複数の第2スプロケットを有する。複数の第2スプロケットのそれぞれは、自転車用リアハブ組立体のスプロケット支持体と係合するように構成される少なくとも10本の内側スプライン歯を含む。
【0040】
第18側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、複数の第2スプロケットの耐久性を向上させることができる。
【0041】
本発明の第19側面によれば、第18側面に係る自転車用リアスプロケット組立体は、自転車用リアハブ組立体のスプロケット支持体と係合するように構成される少なくとも10本の内側スプライン歯を含むスプロケット支持部材をさらに備える。複数の自転車用スプロケットは、スプロケット支持部材に取り付けられるように構成される追加スプロケットを含む。
【0042】
第19側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、自転車用リアスプロケット組立体の軽量化を図ることができる。
【0043】
本発明の第20側面によれば、第1〜第19側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、複数の自転車用スプロケットの総数は10本以上である。
【0044】
第20側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、自転車用リアスプロケット組立体の変速段を増加させることができる。
【0045】
本発明の第21側面によれば、第1〜第20側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、複数の自転車用スプロケットの総数は11本以上である。
【0046】
第21側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、自転車用リアスプロケット組立体の変速段をさらに増加させることができる。
【0047】
本発明の第22側面によれば、第1〜第21側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、複数の自転車用スプロケットの総数は12本以上である。
【0048】
第22側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、自転車用リアスプロケット組立体の変速段をさらに増加させることができる。
【0049】
本発明の第23側面によれば、第1〜第22側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、複数の自転車用スプロケットは最大歯先直径を有する追加スプロケットを有する。第2スプロケットの少なくとも10本の内側スプライン歯は、内側スプライン谷径を有する。最大歯先直径に対する内側スプライン谷径の比は、0.15〜0.18の範囲内にある。
【0050】
第23側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現しつつ、第2スプロケットの耐久性を向上させることができる。
【0051】
本発明の第24側面によれば、第1〜第23側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、追加スプロケットをさらに備える。追加スプロケットは、自転車用チェーンが追加スプロケットから隣接小スプロケットにシフトする第1変速動作を促進するための少なくとも1つの第1変速促進領域と、自転車用チェーンが隣接小スプロケットから追加スプロケットにシフトする第2変速動作を促進するための少なくとも1つの第2変速促進領域と、を含む。
【0052】
第24側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、第1変速動作および第2変速動作を円滑に行うことができる。
【0053】
本発明の第25側面によれば、第2または第3側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、筒状部は27mm以下である第1外径を有する。
【0054】
第25側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、ロック部材によって自転車用リアスプロケット組立体を自転車用リアハブ組立体に対して保持することができ、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現できる。
【0055】
本発明の第26側面によれば、第25側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、第1外径は26mm以上である。
【0056】
第26側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現しつつ、ロック部材の強度を維持または向上させることができる。
【0057】
本発明の第27側面によれば、第2、第3、第25または第26側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、径方向突起は32mm以下である第2外径を有する。
【0058】
第27側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、ロック部材によって自転車用リアスプロケット組立体を自転車用リアハブ組立体に対して保持することができ、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現できる。
【0059】
本発明の第28側面によれば、第27側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、第2外径は30mm以上である。
【0060】
第28側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現しつつ、ロック部材の強度を維持または向上させることができる。
【0061】
本発明の第29側面によれば、第2、第3および第25〜第28側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、ロック部材が工具係合部を有する。
【0062】
第29側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、工具係合部を使用することによって容易にロック部材を取り付けることができる。
【0063】
本発明の第30側面によれば、第1〜第29側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、複数の自転車用スプロケットが、第1スプロケットとして設けられる複数の第1スプロケットと、第2スプロケットとして設けられる複数の第2スプロケットと、を有する。複数の第1スプロケットのそれぞれは、第1開口を含む。複数の第2スプロケットのそれぞれは、第2開口と、自転車用リアハブ組立体のスプロケット支持体と係合するように構成される少なくとも10本の内側スプライン歯と、を含む。
【0064】
第30側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、複数の第1スプロケットおよび複数の第2スプロケットにより、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現できる。
【0065】
本発明の第31側面によれば、第15側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、追加スプロケットは接着剤によってスプロケット支持部材に取り付けられる。
【0066】
第31側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、金属製固定具を使用しないので、自転車用リアスプロケット組立体の軽量化を図ることができる。
【0067】
本発明の第32側面によれば、第15または第31側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、スプロケット支持部材は樹脂材料を含む非金属材料から構成される。
【0068】
第32側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、自転車用リアスプロケット組立体のさらなる軽量化を図ることができる。
【0069】
本発明の第33側面によれば、第1〜第32側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、第2スプロケットの少なくとも10本の内側スプライン歯のうちの少なくとも2本の内側スプライン歯が自転車用リアスプロケット組立体の回転中心軸心に関する周方向に第1内側ピッチ角で配置される。第1内側ピッチ角は、5度〜36度の範囲内にある。
【0070】
第33側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、第2スプロケットの耐久性を向上させることができる。
【0071】
本発明の第34側面によれば、第33側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、第1内側ピッチ角は10度〜20度の範囲内にある。
【0072】
第34側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、第2スプロケットの耐久性をさらに向上させることができる。
【0073】
本発明の第35側面によれば、第34側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、第1内側ピッチ角は15度以下である。
【0074】
第35側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、第2スプロケットの耐久性をさらに向上させることができる。
【0075】
本発明の第36側面によれば、第33〜第35側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、第2スプロケットの少なくとも10本の内側スプライン歯のうちの少なくとも他の2本の内側スプライン歯は、回転中心軸心に関する周方向に第2内側ピッチ角で配置される。第2内側ピッチ角は、第1内側ピッチ角とは異なる。
【0076】
第36側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、正確な周方向位置において自転車用リアスプロケット組立体を自転車用リアハブ組立体に容易に取り付けることができる。
【0077】
本発明の第37側面によれば、第1〜第36側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、第2スプロケットの少なくとも10本の内側スプライン歯は、34mm以下の内側スプライン谷径を有する。
【0078】
第37側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現しつつ、第2スプロケットの耐久性を向上させることができる。
【0079】
本発明の第38側面によれば、第37側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、第2スプロケットの内側スプライン谷径は33mm以下である。
【0080】
第38側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現しつつ、第2スプロケットの耐久性を向上させることができる。
【0081】
本発明の第39側面によれば、第37または第38側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、第2スプロケットの内側スプライン谷径は29mm以上である。
【0082】
第39側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、第2スプロケットの耐久性を向上させることができる。
【0083】
本発明の第40側面によれば、第1〜第39側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、第2スプロケットの少なくとも10本の内側スプライン歯は、32mm以下の内側スプライン山径を有する。
【0084】
第40側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、内側スプライン谷径により、少なくとも1つの内側スプライン歯の駆動面の径方向長さを長くできる。これにより、第2スプロケットの強度が向上する。
【0085】
本発明の第41側面によれば、第40側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、内側スプライン山径は31mm以下である。
【0086】
第41側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、内側スプライン谷径により、少なくとも1本の内側スプライン歯の駆動面の径方向長さを長くできる。これにより、第2スプロケットの強度が向上する。
【0087】
本発明の第42側面によれば、第40または第41側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、内側スプライン山径は28mm以下である。
【0088】
第42側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、スプロケット支持体の必要な強度を得ることができる。
【0089】
本発明の第43側面によれば、第1〜第42側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、少なくとも10本の内側スプライン歯は、ペダリング中に自転車用リアハブ組立体からの駆動回転力を受けるための複数の内側スプライン駆動面を含む。複数の内側スプライン駆動面のそれぞれは、径方向最外周縁と、径方向最内周縁と、径方向最外周縁から径方向最内周縁までの定義される径方向長さと、を含む。複数の内側スプライン駆動面の径方向長さの合計は、7mm以上である。
【0090】
第43側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、複数の内側スプライン駆動面の径方向長さを長くできる。これにより、第2スプロケットの強度が向上する。
【0091】
本発明の第44側面によれば、第43側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、径方向長さの合計は10mm以上である。
【0092】
第44側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、複数の内側スプライン駆動面の径方向長さをさらに増加させることができる。これにより、第2スプロケットの強度が向上する。
【0093】
本発明の第45側面によれば、第43側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、径方向長さの合計は15mm以上である。
【0094】
第45側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、複数の内側スプライン駆動面の径方向長さをさらに増加させることができる。これにより、第2スプロケットの強度が向上する。
【0095】
本発明の第46側面によれば、第43〜第45側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、径方向長さの合計は36mm以下である。
【0096】
第46側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、自転車用リアスプロケット組立体の生産性をさらに向上させることができる。
【0097】
本発明の第47側面によれば、第1〜第46側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、少なくとも10本の内側スプライン歯のうちの少なくとも1本は、内側スプライン駆動面と、自転車用リアスプロケット組立体の回転中心軸心から内側スプライン駆動面の径方向最外周縁まで延びる第1径方向線と、の間に定義される第1内側スプライン面角を有する内側スプライン駆動面を含む。第1内側スプライン面角は、0度〜6度の範囲内にある。
【0098】
第47側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、内側スプライン駆動面の強度を向上させることができる。
【0099】
本発明の第48側面によれば、第47側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、少なくとも10本の内側スプライン歯のうちの少なくとも1本は、内側スプライン非駆動面と、自転車用リアスプロケット組立体の回転中心軸心から内側スプライン非駆動面の径方向最外周縁まで延びる第2径方向線と、の間に定義される第2内側スプライン面角を有する内側スプライン非駆動面を含む。第2内側スプライン面角は、0度〜6度の範囲内にある。
【0100】
第48側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、内側スプライン歯の対称形状のために自転車用リアスプロケット組立体の生産性を向上させることができる。
【0101】
本発明の第49側面によれば、第1〜第48側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体において、第2スプロケットの少なくとも10本の内側スプライン歯のうちの少なくとも1本は、回転中心軸心から少なくとも10本の内側スプライン歯のうちの少なくとも1本の径方向最外周端部の周方向中心点まで回転中心軸心に関する径方向に延びる基準線に対して周方向に対称である。
【0102】
第49側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、内側スプライン歯の対称形状により自転車用リアスプロケット組立体の生産性を向上させることができる。
【0103】
本発明の第50側面によれば、自転車用ドライブトレインは、第1〜第49側面のいずれか1つに係る自転車用リアスプロケット組立体と、自転車用リアハブ組立体と、を備える。自転車用リアハブ組立体は、13mm以上の最小内径を有するアクスル貫通孔を含むハブアクスルと、自転車用リアハブ組立体の回転中心軸心回りにハブアクスルに回転可能に取り付けられるハブ体と、回転中心軸心回りにハブアクスルに回転可能に取り付けられるスプロケット支持体と、を有する。
【0104】
第50側面に係る自転車用ドライブトレインでは、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現しつつ、後輪まわりの自転車用ドライブトレインの強度を向上させることができる。
【0105】
本発明の第51側面によれば、第50側面に係る自転車用ドライブトレインにおいて、アクスル貫通孔の最小内径は14mm以上である。
【0106】
第51側面に係る自転車用ドライブトレインでは、後輪まわりの自転車用ドライブトレインの強度をさらに向上させることができる。
【0107】
本発明の第52側面によれば、第50または第51側面に係る自転車用ドライブトレインにおいて、アクスル貫通孔の最小内径は21mm以下である。
【0108】
第52側面に係る自転車用ドライブトレインでは、自転車用リアハブ組立体の設計自由度を向上させることができる。
【0109】
本発明の第53側面によれば、第6側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、少なくとも10本の第1トルク伝達歯の総数は、22本〜24本の範囲内にある。
【0110】
第53側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、少なくとも10本の第1トルク伝達歯の総数により、自転車用リアスプロケット組立体の生産性を向上させつつ、第2スプロケットの耐久性が向上する。
【0111】
本発明の第54側面によれば、第1側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、第2スプロケットの少なくとも10本の内側スプライン歯の総数は、22本〜24本の範囲内にある。
【0112】
第54側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、少なくとも10本の第1トルク伝達歯の総数により、自転車用リアスプロケット組立体の生産性を向上させつつ、第2スプロケットの耐久性が向上する。
【0113】
本発明の第55側面によれば、第33側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、第1内側ピッチ角は13度〜17度の範囲内にある。
【0114】
第55側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、第1内側ピッチ角により、自転車用リアスプロケット組立体の生産性を向上させつつ、第2スプロケットの耐久性が向上する。
【0115】
本発明の第56側面によれば、第36側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、第2内側ピッチ角は28度〜32度の範囲内にある。
【0116】
第56側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、正確な周方向位置において自転車用リアスプロケット組立体を自転車用リアハブ組立体に容易に取り付けることができる。
【0117】
本発明の第57側面によれば、第36側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、第1内側ピッチ角は第2内側ピッチ角の半分である。
【0118】
第57側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、正確な周方向位置において自転車用リアスプロケット組立体を自転車用リアハブ組立体に容易に取り付けることができる。
【0119】
本発明の第58側面によれば、第43側面に係る自転車用リアスプロケット組立体において、複数の内側スプライン駆動面の径方向長さの合計は11mm〜14mmの範囲内にある。
【0120】
第58側面に係る自転車用リアスプロケット組立体では、内側スプライン谷径により、少なくとも1本の内側スプライン歯の駆動面の径方向長さを長くできる。これにより、自転車用リアスプロケット組立体の生産性が向上する範囲で第2スプロケットの強度が向上する。
【発明の効果】
【0121】
本願に開示される技術であれば、より広いギアレンジの自転車用リアスプロケット組立体を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0123】
ここでは、添付の図面を参照して実施形態を説明する。種々の図面中、同様の参照符号は対応するまたは同一の要素を示す。
【0124】
図1に示すように、実施形態に係る自転車用ドライブトレイン10は、自転車用リアハブ組立体12および自転車用リアスプロケット組立体14を備える。自転車用リアハブ組立体12は、自転車用フレームBFに固定される。自転車用リアスプロケット組立体14は、自転車用リアハブ組立体12に取り付けられる。自転車用ブレーキロータ16は、自転車用リアハブ組立体12に取り付けられる。
【0125】
自転車用ドライブトレイン10は、クランク組立体18および自転車用チェーン20をさらに備える。クランク組立体18は、クランク軸22と、右側クランクアーム24と、左側クランクアーム26と、フロントスプロケット27と、を含む。右側クランクアーム24および左側クランクアーム26は、クランク軸22に固定される。フロントスプロケット27は、クランク軸22および右側クランクアーム24のうちの少なくとも一方に固定される。自転車用チェーン20は、フロントスプロケット27から自転車用リアスプロケット組立体14へとペダリング力を伝達するようにフロントスプロケット27および自転車用リアスプロケット組立体14と係合する。クランク組立体18は、図示する実施形態においては単一スプロケットとしてフロントスプロケット27を含む。しかし、クランク組立体18が複数のフロントスプロケットを含んでいてもよい。自転車用リアスプロケット組立体14は、リアスプロケット組立体である。しかし、自転車用リアスプロケット組立体14の構造は、フロントスプロケットに適用可能である。
【0126】
本願において、以下の方向を示す用語「前(フロント)」、「後ろ(リア)」、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「横」、「上方」および「下方」並びに任意の他の類似の方向を示す用語は、ハンドルバー(図示せず)を向いた自転車のサドル(図示しない)によってユーザ(例えば、ライダ)に基づいて決定されるそれらの方向を指す。したがって、自転車用ドライブトレイン10、自転車用リアハブ組立体12、または自転車用リアスプロケット組立体14を説明するために利用されるようなこれらの用語は、水平面における直立乗車位置において使用されるように、自転車用ドライブトレイン10、自転車用リアハブ組立体12、または自転車用リアスプロケット組立体14を備える自転車に対して解釈される。
【0127】
図2に示すように、自転車用リアハブ組立体12および自転車用リアスプロケット組立体14は、回転中心軸心A1を有する。自転車用リアスプロケット組立体14は、回転中心軸心A1回りに自転車用フレームBFに対して自転車用リアハブ組立体12によって回転可能に支持される(
図1)。自転車用リアスプロケット組立体14は、ペダリング中に自転車用チェーン20と自転車用リアスプロケット組立体14との間において駆動回転力F1を伝達するように自転車用チェーン20と係合するように構成される。自転車用リアスプロケット組立体14は、ペダリング中に駆動回転方向D11において回転中心軸心A1回りに回転する。駆動回転方向D11は、自転車用リアハブ組立体12または自転車用リアスプロケット組立体14の周方向D1に沿って定義される。逆回転方向D12は、駆動回転方向D11の反対方向であり、周方向D1に沿って定義される。
【0128】
図2に示すように、自転車用リアハブ組立体12は、スプロケット支持体28を備える。自転車用リアスプロケット組立体14は、自転車用リアハブ組立体12のスプロケット支持体28に取り付けられるように構成される。自転車用リアスプロケット組立体14は、スプロケット支持体28と自転車用リアスプロケット組立体14との間において駆動回転力F1を伝達するようにスプロケット支持体28に取り付けられる。自転車用リアハブ組立体12は、ハブアクスル30を有する。スプロケット支持体28は、回転中心軸心A1回りにハブアクスル30に回転可能に取り付けられる。自転車用リアスプロケット組立体14は、ロック部材32をさらに備える。ロック部材32は、回転中心軸心A1に関する軸方向D2においてスプロケット支持体28に対して自転車用リアスプロケット組立体14を保持するようにスプロケット支持体28に固定される。
【0129】
図3に示すように、自転車用リアハブ組立体12は、車輪固定機構WSによって自転車用フレームBFに固定される。ハブアクスル30は、アクスル貫通孔30Aを含む。車輪固定機構WSの固定ロッドWS1は、ハブアクスル30のアクスル貫通孔30Aを通って延びる。ハブアクスル30は、第1アクスル端部30Bおよび第2アクスル端部30Cを含む。ハブアクスル30は、回転中心軸心A1に沿って第1アクスル端部30Bと第2アクスル端部30Cとの間に延びる。第1アクスル端部30Bは、自転車用フレームBFの第1フレームBF1の第1凹部BF11に設けられる。第2アクスル端部30Cは、自転車用フレームBFの第2フレームBF2の第2凹部BF21に設けられる。ハブアクスル30は、車輪固定機構WSによって第1フレームBF1と第2フレームBF2との間に保持される。車輪固定機構WSは、自転車分野において公知の構造を含む。したがって、簡略化のため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0130】
本実施形態において、アクスル貫通孔30Aは、13mm以上の最小内径BD1を有する。アクスル貫通孔30Aの最小内径BD1は、好ましくは、14mm以上である。アクスル貫通孔30Aの最小内径BD1は、好ましくは、21mm以下である。本実施形態において、アクスル貫通孔30Aの最小内径BD1は、15mmである。しかし、最小内径BD1は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0131】
ハブアクスル30は、17mm以上の最大外径BD2を有する。ハブアクスル30の最大外径BD2は、好ましくは、20mm以上である。ハブアクスル30の最大外径BD2は、好ましくは、23mm以下である。本実施形態において、ハブアクスル30の最大外径BD2は、21mmである。しかし、ハブアクスル30の最大外径BD2は、本実施形態および上記範囲に限定されない。ハブアクスル30は、15mm以上の最小外径BD3を有する。最小外径BD3は、好ましくは、17mm以上である。最小外径BD3は、好ましくは、19mm以下である。本実施形態において、ハブアクスル30の最小外径BD3は、17.6mmである。しかし、最小外径BD3は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0132】
ハブアクスル30は、アクスルチューブ30X、第1アクスル部30Y、および第2アクスル部30Zを含む。アクスルチューブ30Xは、筒形状を有し、回転中心軸心A1に沿って延びる。第1アクスル部30Yは、アクスルチューブ30Xの第1端部に固定される。第2アクスル部30Zは、アクスルチューブ30Xの第2端部に固定される。第1アクスル部30Yおよび第2アクスル部30Zのうちの少なくとも一方は、アクスルチューブ30Xと一体に設けられていてもよい。
【0133】
図3および
図4に示すように、自転車用リアハブ組立体12は、ブレーキロータ支持体34をさらに備える。ブレーキロータ支持体34は、回転中心軸心A1回りに回転可能にハブアクスル30に取り付けられる。ブレーキロータ支持体34は、自転車用ブレーキロータ16からブレーキロータ支持体34へと制動回転力を伝達するように自転車用ブレーキロータ16(
図1)に連結される。
【0134】
図4に示すように、自転車用リアハブ組立体12は、ハブ体36を備える。ハブ体36は、自転車用リアハブ組立体12の回転中心軸心A1回りに回転可能にハブアクスル30に取り付けられる。本実施形態において、スプロケット支持体28は、ハブ体36とは別個の部材である。ブレーキロータ支持体34は、1つの単一部材としてハブ体36と一体に設けられる。しかし、スプロケット支持体28がハブ体36と一体に設けられていてもよい。ブレーキロータ支持体34がハブ体36とは別個の部材であってもよい。例えば、ハブ体36は、アルミニウムを含む金属材料から構成される。
【0135】
図5に示すように、自転車用リアスプロケット組立体14は、複数の自転車用スプロケットを備える。複数の自転車用スプロケットは、第1スプロケットおよび第2スプロケットを有する。本実施形態において、複数の自転車用スプロケットは、第1スプロケットとして設けられる複数の第1スプロケットSP1およびSP2を有する。また、複数の自転車用スプロケットは、第2スプロケットとして設けられる複数の第2スプロケットSP3およびSP4を有する。複数の自転車用スプロケットは、追加スプロケットを有する。本実施形態において、複数の自転車用スプロケットは、複数の追加スプロケットSP5〜SP12を有する。しかし、第1スプロケットの総数は、本実施形態に限定されない。第2スプロケットの総数は、本実施形態に限定されない。追加スプロケットの総数は、本実施形態に限定されない。さらに、本実施形態では、第1スプロケットSP1は第1スプロケットSP2とは別個のスプロケットであるが、第1スプロケットSP1およびSP2は1つの単一部材として一体に形成されていてもよい。同様に、本実施形態では、第2スプロケットSP3は第2スプロケットSP4とは別個のスプロケットであるが、第2スプロケットSP3およびSP4は、1つの単一部材として一体に形成されていてもよい。
【0136】
例えば、複数の自転車用スプロケットの総数は、10枚以上である。複数の自転車用スプロケットの総数は、11枚以上であってもよい。複数の自転車用スプロケットの総数は、12枚以上であってもよい。本実施形態において、複数の自転車用スプロケットの総数は12枚である。しかし、複数の自転車用スプロケットの総数は、本実施形態に限定されない。例えば、複数の自転車用スプロケットの総数は、13本、14本、または15本以上であってもよい。
【0137】
本実施形態において、第1スプロケットSP1は、自転車用リアスプロケット組立体14における最小スプロケットである。追加スプロケットSP12は、自転車用リアスプロケット組立体14における最大スプロケットである。第1スプロケットSP2は、自転車用リアスプロケット組立体14におけるトップギアに対応する。追加スプロケットSP12は、自転車用リアスプロケット組立体14におけるローギアに対応する。
【0138】
図5に示すように、第1スプロケットSP1は、ピッチ円直径PCD1を有する。第1スプロケットSP2は、ピッチ円直径PCD2を有する。第2スプロケットSP3は、ピッチ円直径PCD3を有する。第2スプロケットSP4は、ピッチ円直径PCD4を有する。追加スプロケットSP5は、ピッチ円直径PCD5を有する。追加スプロケットSP6は、ピッチ円直径PCD6を有する。追加スプロケットSP7は、ピッチ円直径PCD7を有する。追加スプロケットSP8は、ピッチ円直径PCD8を有する。追加スプロケットSP9は、ピッチ円直径PCD9を有する。追加スプロケットSP10は、ピッチ円直径PCD10を有する。追加スプロケットSP11は、ピッチ円直径PCD11を有する。追加スプロケットSP12は、ピッチ円直径PCD12を有する。
【0139】
第1スプロケットSP1は、ピッチ円直径PCD1を有するピッチ円PC1を有する。第1スプロケットSP2は、ピッチ円直径PCD2を有するピッチ円PC2を有する。第2スプロケットSP3は、ピッチ円直径PCD3を有するピッチ円PC3を有する。第2スプロケットSP4は、ピッチ円直径PCD4を有するピッチ円PC4を有する。追加スプロケットSP5は、ピッチ円直径PCD5を有するピッチ円PC5を有する。追加スプロケットSP6は、ピッチ円直径PCD6を有するピッチ円PC6を有する。追加スプロケットSP7は、ピッチ円直径PCD7を有するピッチ円PC7を有する。追加スプロケットSP8は、ピッチ円直径PCD8を有するピッチ円PC8を有する。追加スプロケットSP9は、ピッチ円直径PCD9を有するピッチ円PC9を有する。追加スプロケットSP10は、ピッチ円直径PCD10を有するピッチ円PC10を有する。追加スプロケットSP11は、ピッチ円直径PCD11を有するピッチ円PC11を有する。追加スプロケットSP12は、ピッチ円直径PCD12を有するピッチ円PC12を有する。
【0140】
第1スプロケットSP1のピッチ円PC1は、第1スプロケットSP1と係合される自転車用チェーン20(
図2)のピンの中心軸によって定義される。ピッチ円PC2〜PC12は、ピッチ円PC1と同様に定義される。したがって、簡略化のため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0141】
本実施形態において、ピッチ円直径PCD1は、ピッチ円直径PCD2よりも小さい。ピッチ円直径PCD2は、ピッチ円直径PCD3よりも小さい。ピッチ円直径PCD3は、ピッチ円直径PCD4よりも小さい。ピッチ円直径PCD4は、ピッチ円直径PCD5よりも小さい。ピッチ円直径PCD5は、ピッチ円直径PCD6よりも小さい。ピッチ円直径PCD6は、ピッチ円直径PCD7よりも小さい。ピッチ円直径PCD7は、ピッチ円直径PCD8よりも小さい。ピッチ円直径PCD8は、ピッチ円直径PCD9よりも小さい。ピッチ円直径PCD9は、ピッチ円直径PCD10よりも小さい。ピッチ円直径PCD10は、ピッチ円直径PCD11よりも小さい。ピッチ円直径PCD11は、ピッチ円直径PCD12よりも小さい。
【0142】
ピッチ円直径PCD1は、自転車用リアスプロケット組立体14における最小ピッチ円直径である。ピッチ円直径PCD12は、自転車用リアスプロケット組立体14における最大ピッチ円直径である。第1スプロケットSP1は、自転車用リアスプロケット組立体14におけるトップギアに対応する。追加スプロケットSP12は、自転車用リアスプロケット組立体14におけるローギアに対応する。しかし、第1スプロケットSP1は、自転車用リアスプロケット組立体14における他のギアに対応していてもよい。追加スプロケットSP12は、自転車用リアスプロケット組立体14における他のギアに対応していてもよい。
【0143】
図6に示すように、第1スプロケットSP2は、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する軸方向D2において第1スプロケットSP1とSP2との間に他のスプロケットを有することなく第1スプロケットSP1に隣接している。第2スプロケットSP3は、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する軸方向D2において第1スプロケットSP2と第2スプロケットSP3との間に他のスプロケットを有することなく第1スプロケットSP2に隣接している。第2スプロケットSP4は、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する軸方向D2において第2スプロケットSP3と第2スプロケットSP4との間に他のスプロケットを有することなく第2スプロケットSP3に隣接している。第1スプロケットSP1およびSP2、第2スプロケットSP3、第2スプロケットSP4、および追加スプロケットSP5〜SP12は、この順序で軸方向D2に並んで配置される。
【0144】
図7に示すように、第1スプロケットSP1は、スプロケット体SP1Aと、複数のスプロケット歯SP1Bと、を含む。複数のスプロケット歯SP1Bは、スプロケット体SP1Aから自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する径方向の外側に延びる。第1スプロケットSP1の総歯数(少なくとも1つのスプロケット歯SP1Bの総数)は、10本以下である。本実施形態において、第1スプロケットSP1の少なくとも1つのスプロケット歯SP1Bの総数は10本である。しかし、第1スプロケットSP1の複数のスプロケット歯SP1Bの総数は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0145】
図8に示すように、第1スプロケットSP2は、スプロケット体SP2Aと、複数のスプロケット歯SP2Bと、を含む。複数のスプロケット歯SP2Bは、スプロケット体SP2Aから自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する径方向の外側に延びる。本実施形態において、少なくとも1つのスプロケット歯SP2Bの総数は12本である。しかし、第1スプロケットSP2の複数のスプロケット歯SP2Bの総数は、本実施形態に限定されない。
【0146】
第1スプロケットSP2は、自転車用チェーン20が第1スプロケットSP2から第1スプロケットSP1にシフトする第1変速動作を促進するための少なくとも1つの第1変速促進領域SP2F1を含む。第1スプロケットSP2は、自転車用チェーン20が第1スプロケットSP1から第1スプロケットSP2にシフトする第2変速動作を促進するための少なくとも1つの第2変速促進領域SP2F2を含む。本実施形態において、第1スプロケットSP2は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進領域SP2F1を含む。第1スプロケットSP2は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進領域SP2F2を含む。しかし、第1変速促進領域SP2F1の総数は、本実施形態に限定されない。第2変速促進領域SP2F2の総数は、本実施形態に限定されない。本明細書において使用される場合、用語「変速促進領域」は、その領域内で1つのスプロケットから軸方向に隣接する他のスプロケットへの自転車用チェーンの変速動作を促進するように意図的に設計された領域を意図している。
【0147】
本実施形態において、第1スプロケットSP2は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進凹部SP2R1を含む。第1スプロケットSP2は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進凹部SP2R2を含む。第1変速促進凹部SP2R1は、第1変速促進領域SP2F1に設けられる。しかし、第1変速促進領域SP2F1は、第1変速促進凹部SP2R1の代わりにまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。第2変速促進領域SP2F2は、第2変速促進凹部SP2R2の代わりにまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。
【0148】
図9に示すように、第2スプロケットSP3は、スプロケット体SP3Aと、複数のスプロケット歯SP3Bと、を含む。複数のスプロケット歯SP3Bは、スプロケット体SP3Aから自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する径方向の外側に延びる。本実施形態において、少なくとも1つのスプロケット歯SP3Bの総数は14本である。しかし、第2スプロケットSP3の複数のスプロケット歯SP3Bの総数は、本実施形態に限定されない。
【0149】
第2スプロケットSP3は、自転車用チェーン20が第2スプロケットSP3から第1スプロケットSP2(
図6)への第1変速動作を促進するための少なくとも1つの第1変速促進領域SP3F1を含む。第2スプロケットSP3は、自転車用チェーン20が第1スプロケットSP2(
図6)から第2スプロケットSP3への第2変速動作を促進するための少なくとも1つの第2変速促進領域SP3F2を含む。本実施形態において、第2スプロケットSP3は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進領域SP3F1を含む。第2スプロケットSP3は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進領域SP3F2を含む。しかし、第1変速促進領域SP3F1の総数は、本実施形態に限定されない。第2変速促進領域SP3F2の総数は、本実施形態に限定されない。
【0150】
本実施形態において、第2スプロケットSP3は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進凹部SP3R1を含む。第2スプロケットSP3は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進凹部SP3R2を含む。第1変速促進凹部SP3R1は、第1変速促進領域SP3F1に設けられる。しかし、第1変速促進領域SP3F1は、第1変速促進凹部SP3R1の代わりにまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。第2変速促進領域SP3F2は、第2変速促進凹部SP3R2に代えてまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。
【0151】
図10に示すように、第2スプロケットSP4は、スプロケット体SP4Aおよび複数のスプロケット歯SP4Bを含む。複数のスプロケット歯SP4Bは、スプロケット体SP4Aから自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する径方向の外側に延びる。本実施形態において、少なくとも1つのスプロケット歯SP4Bの総数は16本である。しかし、第2スプロケットSP4の複数のスプロケット歯SP4Bの総数は、本実施形態に限定されない。
【0152】
第2スプロケットSP4は、自転車用チェーン20が第2スプロケットSP4から第2スプロケットSP3への第1変速動作を促進するための少なくとも1つの第1変速促進領域SP4F1を含む。第2スプロケットSP4は、自転車用チェーン20が第2スプロケットSP3から第2スプロケットSP4への第2変速動作を促進するための少なくとも1つの第2変速促進領域SP4F2を含む。本実施形態において、第2スプロケットSP4は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進領域SP4F1を含む。第2スプロケットSP4は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進領域SP4F2を含む。しかし、第1変速促進領域SP4F1の総数は、本実施形態に限定されない。第2変速促進領域SP4F2の総数は、本実施形態に限定されない。
【0153】
本実施形態において、第2スプロケットSP4は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進凹部SP4R1を含む。第2スプロケットSP4は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進凹部SP4R2を含む。第1変速促進凹部SP4R1は、第1変速促進領域SP4F1に設けられる。しかし、第1変速促進領域SP4F1は、第1変速促進凹部SP4R1の代わりにまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。第2変速促進領域SP4F2は、第2変速促進凹部SP4R2の代わりにまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。
【0154】
図11に示すように、追加スプロケットSP5は、スプロケット体SP5Aおよび複数のスプロケット歯SP5Bを含む。複数のスプロケット歯SP5Bは、スプロケット体SP5Aから自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する径方向の外側に延びる。本実施形態において、少なくとも1つのスプロケット歯SP5Bの総数は18本である。しかし、追加スプロケットSP5の複数のスプロケット歯SP5Bの総数は、本実施形態に限定されない。
【0155】
追加スプロケットSP5は、自転車用チェーン20が追加スプロケットSP5から隣接小スプロケットSP4へとシフトする第1変速動作を促進するための少なくとも1つの第1変速促進領域SP5F1を含む。追加スプロケットSP5は、自転車用チェーン20が隣接小スプロケットSP4から追加スプロケットSP5へとシフトする第2変速動作を促進するための少なくとも1つの第2変速促進領域SP5F2を含む。隣接小スプロケットSP4は、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する軸方向D2において追加スプロケットSP5と隣接小スプロケットSP4との間に他のスプロケットを有することなく追加スプロケットSP5に隣接する。本実施形態において、追加スプロケットSP5は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進領域SP5F1を含む。追加スプロケットSP5は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進領域SP5F2を含む。しかし、第1変速促進領域SP5F1の総数は、本実施形態に限定されない。第2変速促進領域SP5F2の総数は、本実施形態に限定されない。
【0156】
本実施形態において、追加スプロケットSP5は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進凹部SP5R1を含む。追加スプロケットSP5は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進凹部SP5R2を含む。第1変速促進凹部SP5R1は、第1変速促進領域SP5F1に設けられる。第2変速促進凹部SP5R2は、第2変速促進領域SP5F2に設けられる。しかし、第1変速促進領域SP5F1は、第1変速促進凹部SP5R1の代わりにまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。第2変速促進領域SP5F2は、第2変速促進凹部SP5R2に代えてまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。
【0157】
図12に示すように、追加スプロケットSP6は、スプロケット体SP6Aと、複数のスプロケット歯SP6Bと、を含む。複数のスプロケット歯SP6Bは、スプロケット体SP6Aから自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する径方向の外側に延びる。本実施形態において、少なくとも1つのスプロケット歯SP6Bの総数は21本である。しかし、追加スプロケットSP6の複数のスプロケット歯SP6Bの総数は、本実施形態に限定されない。
【0158】
追加スプロケットSP6は、自転車用チェーン20が追加スプロケットSP6から隣接小スプロケットSP5へとシフトする第1変速動作を促進するための少なくとも1つの第1変速促進領域SP6F1を含む。追加スプロケットSP6は、自転車用チェーン20が隣接小スプロケットSP5から追加スプロケットSP6へとシフトする第2変速動作を促進するための少なくとも1つの第2変速促進領域SP6F2を含む。隣接小スプロケットSP5は、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する軸方向D2において追加スプロケットSP6と隣接小スプロケットSP5との間に他のスプロケットを有することなく追加スプロケットSP6に隣接している。本実施形態において、追加スプロケットSP6は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進領域SP6F1を含む。追加スプロケットSP6は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進領域SP6F2を含む。しかし、第1変速促進領域SP6F1の総数は、本実施形態に限定されない。第2変速促進領域SP6F2の総数は、本実施形態に限定されない。
【0159】
本実施形態において、追加スプロケットSP6は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進凹部SP6R1を含む。追加スプロケットSP6は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進凹部SP6R2を含む。第1変速促進凹部SP6R1は、第1変速促進領域SP6F1に設けられる。第2変速促進凹部SP6R2は、第2変速促進領域SP6F2に設けられる。しかし、第1変速促進領域SP6F1は、第1変速促進凹部SP6R1の代わりにまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。第2変速促進領域SP6F2は、第2変速促進凹部SP6R2に代えてまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。
【0160】
図13に示すように、追加スプロケットSP7は、スプロケット体SP7Aと、複数のスプロケット歯SP7Bと、を含む。複数のスプロケット歯SP7Bは、スプロケット体SP7Aから自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する径方向の外側に延びる。本実施形態において、少なくとも1つのスプロケット歯SP7Bの総数は24本である。しかし、追加スプロケットSP7の複数のスプロケット歯SP7Bの総数は、本実施形態に限定されない。
【0161】
追加スプロケットSP7は、自転車用チェーン20が追加スプロケットSP7から隣接小スプロケットSP6へとシフトする第1変速動作を促進するための少なくとも1つの第1変速促進領域SP7F1を含む。追加スプロケットSP7は、自転車用チェーン20が隣接小スプロケットSP6から追加スプロケットSP7へとシフトする第2変速動作を促進するための少なくとも1つの第2変速促進領域SP7F2を含む。隣接小スプロケットSP6は、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する軸方向D2において追加スプロケットSP7と隣接小スプロケットSP6との間に他のスプロケットを有することなく追加スプロケットSP7に隣接している。本実施形態において、追加スプロケットSP7は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進領域SP7F1を含む。追加スプロケットSP7は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進領域SP7F2を含む。しかし、第1変速促進領域SP7F1の総数は、本実施形態に限定されない。第2変速促進領域SP7F2の総数は、本実施形態に限定されない。
【0162】
本実施形態において、追加スプロケットSP7は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進凹部SP7R1を含む。追加スプロケットSP7は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進凹部SP7R2を含む。第1変速促進凹部SP7R1は、第1変速促進領域SP7F1に設けられる。第2変速促進凹部SP7R2は、第2変速促進領域SP7F2に設けられる。しかし、第1変速促進領域SP7F1は、第1変速促進凹部SP7R1の代わりにまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。第2変速促進領域SP7F2は、第2変速促進凹部SP7R2に代えてまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。
【0163】
図14に示すように、追加スプロケットSP8は、スプロケット体SP8Aと、複数のスプロケット歯SP8Bと、を含む。複数のスプロケット歯SP8Bは、スプロケット体SP8Aから自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する径方向の外側に延びる。本実施形態において、少なくとも1つのスプロケット歯SP8Bの総数は28本である。しかし、追加スプロケットSP8の複数のスプロケット歯SP8Bの総数は、本実施形態に限定されない。
【0164】
追加スプロケットSP8は、自転車用チェーン20が追加スプロケットSP8から隣接小スプロケットSP7へとシフトする第1変速動作を促進するための少なくとも1つの第1変速促進領域SP8F1を含む。追加スプロケットSP8は、自転車用チェーン20が隣接小スプロケットSP7から追加スプロケットSP8へとシフトする第2変速動作を促進するための少なくとも1つの第2変速促進領域SP8F2を含む。隣接小スプロケットSP7は、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する軸方向D2において追加スプロケットSP8と隣接小スプロケットSP7との間に他のスプロケットを有することなく追加スプロケットSP8に隣接している。本実施形態において、追加スプロケットSP8は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進領域SP8F1を含む。追加スプロケットSP8は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進領域SP8F2を含む。しかし、第1変速促進領域SP8F1の総数は、本実施形態に限定されない。第2変速促進領域SP8F2の総数は、本実施形態に限定されない。
【0165】
本実施形態において、追加スプロケットSP8は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進凹部SP8R1を含む。追加スプロケットSP8は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進凹部SP8R2を含む。第1変速促進凹部SP8R1は、第1変速促進領域SP8F1に設けられる。第2変速促進凹部SP8R2は、第2変速促進領域SP8F2に設けられる。しかし、第1変速促進領域SP8F1は、第1変速促進凹部SP8R1の代わりにまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。第2変速促進領域SP8F2は、第2変速促進凹部SP8R2の代わりにまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。
【0166】
図15に示すように、追加スプロケットSP9は、スプロケット体SP9Aと、複数のスプロケット歯SP9Bと、を含む。複数のスプロケット歯SP9Bは、スプロケット体SP9Aから自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する径方向の外側に延びる。本実施形態において、少なくとも1つのスプロケット歯SP9Bの総数は33本である。しかし、追加スプロケットSP9の複数のスプロケット歯SP9Bの総数は、本実施形態に限定されない。
【0167】
追加スプロケットSP9は、自転車用チェーン20が追加スプロケットSP9から隣接小スプロケットSP8へとシフトする第1変速動作を促進するための少なくとも1つの第1変速促進領域SP9F1を含む。追加スプロケットSP9は、自転車用チェーン20が隣接小スプロケットSP8から追加スプロケットSP9へとシフトする第2変速動作を促進するための少なくとも1つの第2変速促進領域SP9F2を含む。隣接小スプロケットSP8は、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する軸方向D2において追加スプロケットSP9と隣接小スプロケットSP8との間に他のスプロケットを有することなく追加スプロケットSP9に隣接している。本実施形態において、追加スプロケットSP9は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進領域SP9F1を含む。追加スプロケットSP9は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進領域SP9F2を含む。しかし、第1変速促進領域SP9F1の総数は、本実施形態に限定されない。第2変速促進領域SP9F2の総数は、本実施形態に限定されない。
【0168】
本実施形態において、追加スプロケットSP9は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進凹部SP9R1を含む。追加スプロケットSP9は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進凹部SP9R2を含む。第1変速促進凹部SP9R1は、第1変速促進領域SP9F1に設けられる。第2変速促進凹部SP9R2は、第2変速促進領域SP9F2に設けられる。しかし、第1変速促進領域SP9F1は、第1変速促進凹部SP9R1の代わりにまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。第2変速促進領域SP9F2は、第2変速促進凹部SP9R2の代わりにまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。
【0169】
図16に示すように、追加スプロケットSP10は、スプロケット体SP10Aと、複数のスプロケット歯SP10Bと、を含む。複数のスプロケット歯SP10Bは、スプロケット体SP10Aから自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する径方向の外側に延びる。本実施形態において、少なくとも1つのスプロケット歯SP10Bの総数は39本である。しかし、追加スプロケットSP10の複数のスプロケット歯部SP10Bの総数は、本実施形態に限定されない。
【0170】
追加スプロケットSP10は、自転車用チェーン20が追加スプロケットSP10から隣接小スプロケットSP9へとシフトする第1変速動作を促進するための少なくとも1つの第1変速促進領域SP10F1を含む。追加スプロケットSP10は、自転車用チェーン20が隣接小スプロケットSP9から追加スプロケットSP10へと第2変速動作を促進するための少なくとも1つの第2変速促進領域SP10F2を含む。隣接小スプロケットSP9は、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する軸方向D2において追加スプロケットSP10と隣接小スプロケットSP9との間に他のスプロケットを有することなく追加スプロケットSP10に隣接している。本実施形態において、追加スプロケットSP10は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進領域SP10F1を含む。追加スプロケットSP10は、第2変速動作を促進するための第2変速促進領域SP10F2を含む。しかし、第1変速促進領域SP10F1の総数は、本実施形態に限定されない。第2変速促進領域SP10F2の総数は、本実施形態に限定されない。
【0171】
本実施形態において、追加スプロケットSP10は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進凹部SP10R1を含む。追加スプロケットSP10は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進凹部SP10R2を含む。第1変速促進凹部SP10R1は、第1変速促進領域SP10F1に設けられる。第2変速促進凹部SP10R2は、第2変速促進領域SP10F2に設けられる。しかし、第1変速促進領域SP10F1は、第1変速促進凹部SP10R1の代わりにまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。第2変速促進領域SP10F2は、第2変速促進凹部SP10R2に代えてまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。
【0172】
図17に示すように、追加スプロケットSP11は、スプロケット体SP11Aと、複数のスプロケット歯SP11Bと、を含む。複数のスプロケット歯SP11Bは、スプロケット体SP11Aから自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する径方向の外側に延びる。本実施形態において、少なくとも1つのスプロケット歯SP11Bの総数は45本である。しかし、追加スプロケットSP11の複数のスプロケット歯部SP11Bの総数は、本実施形態に限定されない。
【0173】
追加スプロケットSP11は、自転車用チェーン20が追加スプロケットSP11から隣接小スプロケットSP10へとシフトする第1変速動作を促進するための少なくとも1つの第1変速促進領域SP11F1を含む。追加スプロケットSP11は、自転車用チェーン20が隣接小スプロケットSP10から追加スプロケットSP11へとシフトする第2変速動作を促進するための少なくとも1つの第2変速促進領域SP11F2を含む。隣接小スプロケットSP10は、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する軸方向D2において追加スプロケットSP11と隣接小スプロケットSP10との間に他のスプロケットを有することなく追加スプロケットSP11に隣接している。本実施形態において、追加スプロケットSP11は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進領域SP11F1を含む。追加スプロケットSP11は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進領域SP11F2を含む。しかし、第1変速促進領域SP11F1の総数は、本実施形態に限定されない。第2変速促進領域SP11F2の総数は、本実施形態に限定されない。
【0174】
本実施形態において、追加スプロケットSP11は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進凹部SP11R1を含む。追加スプロケットSP11は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進凹部SP11R2を含む。第1変速促進凹部SP11R1は、第1変速促進領域SP11F1に設けられる。第2変速促進凹部SP11R2は、第2変速促進領域SP11F2に設けられる。しかし、第1変速促進領域SP11F1は、第1変速促進凹部SP11R1の代わりにまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。第2変速促進領域SP11F2は、第2変速促進凹部SP11R2に代えてまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。
【0175】
図18に示すように、追加スプロケットSP12は、スプロケット体SP12Aと、複数のスプロケット歯SP12Bと、を含む。複数のスプロケット歯SP12Bは、スプロケット体SP12Aから自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する径方向の外側に延びる。追加スプロケットSP12の総歯数は、46本以上である。追加スプロケットSP12の総歯数は、50本以上であってもよい。本実施形態において、追加スプロケットSP12の総歯数は51本である。しかし、追加スプロケットSP12の少なくとも1つのスプロケット歯SP12Bの総数は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0176】
追加スプロケットSP12は、自転車用チェーン20が追加スプロケットSP12から隣接小スプロケットSP11へとシフトする第1変速動作を促進するための少なくとも1つの第1変速促進領域SP12F1を含む。追加スプロケットSP12は、自転車用チェーン20が隣接小スプロケットSP11から追加スプロケットにSP12へとシフトする第2変速動作を促進するための少なくとも1つの第2変速促進領域SP12F2を含む。隣接小スプロケットSP11は、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する軸方向D2において追加スプロケットSP12と隣接小スプロケットSP11との間に他のスプロケットを有することなく追加スプロケットSP12に隣接している。本実施形態において、追加スプロケットSP12は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進領域SP12F1を含む。追加スプロケットSP12は、第2変速動作を促進するための第2変速促進領域SP12F2を含む。しかし、第1変速促進領域SP12F1の総数は、本実施形態に限定されない。第2変速促進領域SP12F2の総数は、本実施形態に限定されない。
【0177】
本実施形態において、追加スプロケットSP12は、第1変速動作を促進するための複数の第1変速促進凹部SP12R1を含む。追加スプロケットSP12は、第2変速動作を促進するための複数の第2変速促進凹部SP12R2を含む。第1変速促進凹部SP12R1は、第1変速促進領域SP12F1に設けられる。第2変速促進凹部SP12R2は、第2変速促進領域SP12F2に設けられる。しかし、第1変速促進領域SP12F1は、第1変速促進凹部SP12R1の代わりにまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。第2変速促進領域SP12F2は、第2変速促進凹部SP12R2の代わりにまたはそれに加えて他の構造を含んでいてもよい。
【0178】
図19に示すように、スプロケットSP1〜SP12は、互いに別個の部材である。しかし、スプロケットSP1〜SP12のうちの少なくとも1つは、スプロケットSP1〜SP12のうち他のスプロケットと少なくとも部分的に一体に設けられていてもよい。スプロケットSP1〜SP12の全ては、1つの単一ユニットとして互いに一体に形成されていてもよい。そのような場合、スプロケットSP3〜SP12のうちの少なくとも1つは、少なくとも10本の内側スプライン歯を含んでいてもよい。
【0179】
自転車用リアスプロケット組立体14は、スプロケット支持部材37と、複数のスペーサ38と、第1リング39Aと、第2リング39Bとをさらに備える。第1リング39Aは、軸方向D2において第2スプロケットSP3と第2スプロケットSP4との間に設けられる。第2リング39Bは、軸方向D2において第2スプロケットSP4と追加スプロケットSP5との間に設けられる。追加スプロケットは、スプロケット支持部材37に取り付けられるように構成される。本実施形態において、追加スプロケットSP5〜SP12は、スプロケット支持部材37に取り付けられるように構成される。
【0180】
図6に示すように、例えば、追加スプロケットは、接着剤37Aによってスプロケット支持部材37に取り付けられる。本実施形態において、追加スプロケットSP5〜SP12は、接着剤37Aによってスプロケット支持部材37に取り付けられる。したがって、金属製固定具を削減するかまたは金属製固定具をなくすことによって自転車用リアスプロケット組立体14の軽量化を図ることができる。しかし、追加スプロケットSP5〜SP12のうちの少なくとも1つは、接着剤37A以外の他の構造(金属製固定具を含む)によってスプロケット支持部材37に取り付けられていてもよい。追加スプロケットSP5〜SP12のうちの少なくとも1つは、スプロケット支持部材37を有することなくスプロケット支持体28と係合していてもよい。スプロケット支持部材37は、自転車用リアスプロケット組立体14から省略することができる。さらに、第2スプロケットSP3およびSP4のうちの少なくとも一方は、スプロケット支持部材37に取り付けられていてもよい。
【0181】
図4に示すように、ロック部材32は、筒状部32Aと、雄ネジ部32Bと、径方向突起32Cと、を含む。筒状部32Aは、第1軸方向端部32Dおよび第2軸方向端部32Eを含む。第2軸方向端部32Eは、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する軸方向D2において第1軸方向端部32Dの反対側に配置されている。
図6に示すように、第1軸方向端部32Dは、自転車用リアスプロケット組立体14が自転車用リアハブ組立体12に装着される状態で第2軸方向端部32Eよりも自転車用リアハブ組立体12の軸方向中心面CPLに近い位置に配置される。軸方向中心面CPLは、回転中心軸心A1に対して垂直である。
図3に示すように、軸方向中心面CPLは、軸方向D2において自転車用リアハブ組立体12の軸方向長さを二等分するように定義される。
【0182】
図6に示すように、雄ネジ部32Bは、自転車用リアスプロケット組立体14が自転車用リアハブ組立体12に装着される状態で自転車用リアハブ組立体12のスプロケット支持体28の雌ネジ部28Aと係合するように第1軸方向端部32Dに設けられる。径方向突起32Cは、自転車用リアスプロケット組立体14が自転車用リアハブ組立体12に装着される状態で自転車用リアハブ組立体12のスプロケット支持体28に対する第1スプロケットSP2の軸方向移動を制限するように第2軸方向端部32Eから回転中心軸心A1に関する径方向の外側に延びる。
【0183】
第1スプロケットSP1は、第1内方側面SP1Gおよび第1外方側面SP1Hを含む。第1外方側面SP1Hは、軸方向D2において第1内方側面SP1Gと反対側に配置される。径方向突起32Cは、第1外方側面SP1Hにおいて第1スプロケットSP1に接触するように構成される。第1スプロケットSP1およびSP2は、軸方向において径方向突起32Cと第2スプロケットSP3との間に配置される。第1スプロケットSP1およびSP2、第2スプロケットSP3、第2スプロケットSP4、並びに第1リング39Aは、軸方向D2において径方向突起32Cとスプロケット支持部材37との間に保持される。
【0184】
図4に示すように、ロック部材32は、工具係合部32Fを有する。工具係合部32Fは、固定具(図示しない)と係合されるように筒状部32Aの内周面32A1に設けられる。本実施形態において、工具係合部32Fは、ロック部材32が雄ネジ部32Bおよび雌ネジ部28Aによってスプロケット支持体28に螺合されたときに固定具と係合されるように複数の係合溝32Gを含む。
【0185】
図20および
図21に示すように、スプロケット支持体28は、自転車用リアスプロケット組立体14(
図6)と係合するように構成される少なくとも1つの外側スプライン歯40を含む。スプロケット支持体28は、自転車用リアスプロケット組立体14(
図6)と係合するように構成される少なくとも10本の外側スプライン歯40を含む。すなわち、少なくとも1つの外側スプライン歯40は、複数の外側スプライン歯40を含む。
【0186】
スプロケット支持体28は、筒形状を有するベース支持部41を含む。ベース支持部41は、回転中心軸心A1に沿って延びる。外側スプライン歯40は、ベース支持部41から径方向外側に延びる。スプロケット支持体28は、大径部42と、フランジ44、複数の外側ヘリカルスプライン歯46と、を含む。大径部42およびフランジ44は、ベース支持部41から径方向外側に延びる。大径部42は、軸方向D2において複数の外側スプライン歯40とフランジ44との間に設けられる。大径部42およびフランジは、軸方向D2において複数の外側スプライン歯40と複数の外側ヘリカルスプライン歯46との間に設けられる。
図6に示すように、自転車用リアスプロケット組立体14は、軸方向D2において大径部42とロック部材32の径方向突起32Cとの間に保持される。大径部42は、ワンウェイクラッチ機構などの駆動機構を内部空洞内に収容できるように内部空洞を有してもよい。大径部42は、必要に応じて自転車用リアハブ組立体12から省略することができる。
【0187】
図22に示すように、少なくとも10本の外側スプライン歯40のうちの少なくとも1本は、スプライン歯軸方向長さSL1を有する。複数の外側スプライン歯40のそれぞれは、スプライン歯軸方向長さSL1を有する。スプライン歯軸方向長さSL1は、27mm以下である。スプライン歯軸方向長さSL1は、22mm以上である。本実施形態において、スプライン歯軸方向長さSL1は、24.9mmである。しかし、スプライン歯軸方向長さSL1は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0188】
図23に示すように、少なくとも10本の外側スプライン歯40の総数は、20本以上である。少なくとも10本の外側スプライン歯40の総数は、好ましくは、25本以上である。少なくとも10本の外側スプライン歯40の総数は、好ましくは、28本以上である。外側スプライン歯40の総数は、好ましくは、72本以下である。本実施形態において、外側スプライン歯40の総数は29本である。しかし、外側スプライン歯40の総数は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0189】
少なくとも10本の外側スプライン歯40は、第1外側ピッチ角PA11および第2外側ピッチ角PA12を有する。少なくとも10本の外側スプライン歯40のうちの少なくとも2本の外側スプライン歯は、回転中心軸心A1に関する周方向に第1外側ピッチ角PA11で配置される。言い換えると、複数の外側スプライン歯40のうちの少なくとも2つは、自転車用リアハブ組立体12の回転中心軸心A1に関する周方向に第1外側ピッチ角PA11で配置される。少なくとも10本の外側スプライン歯40のうちの少なくとも2本の外側スプライン歯は、自転車用リアハブ組立体12の回転中心軸心A1に関する周方向に第2外側ピッチ角PA12で配置される。言い換えると、複数の外側スプライン歯40のうちの少なくとも2つは、自転車用リアハブ組立体12の回転中心軸心A1に関する周方向に第2外側ピッチ角PA12で配置される。本実施形態において、第2外側ピッチ角PA12は、第1外側ピッチ角PA11とは異なる。しかし、第2外側ピッチ角PA12は、第1外側ピッチ角PA11と実質的に同じであってもよい。
【0190】
本実施形態において、複数の外側スプライン歯40は、周方向D1において第1外側ピッチ角PA11で配置される。複数の外側スプライン歯40のうちの2本の外側スプライン歯は、周方向D1において第2外側ピッチ角PA12で配置される。しかし、複数の外側スプライン歯40のうちの少なくとも2本の外側スプライン歯は、周方向D1において他の外側ピッチ角で配置されていてもよい。
【0191】
第1外側ピッチ角PA11は、5度〜36度の範囲内にある。第1外側ピッチ角PA11は、好ましくは、10度〜20度の範囲内にある。第1外側ピッチ角PA11は、好ましくは、15度以下である。本実施形態において、第1外側ピッチ角PA11は12度である。しかし、第1外側ピッチ角PA11は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0192】
第2外側ピッチ角PA12は、5度〜36度の範囲内にある。本実施形態において、第2外側ピッチ角PA12は24度である。しかし、第2外側ピッチ角PA12は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0193】
複数の外側スプライン歯40のうちの少なくとも1つは、複数の外側スプライン歯40の他の第2スプライン形状とは異なる第1スプライン形状を有していてもよい。少なくとも10本の外側スプライン歯40のうちの少なくとも1つは、少なくとも10本の外側スプライン歯40の他の第2スプラインサイズとは異なる第1スプラインサイズを有していてもよい。複数の外側スプライン歯40のうちの少なくとも1つは、回転中心軸心A1に沿って見た場合に複数の外側スプライン歯40の他の輪郭とは異なる輪郭を有する。本実施形態において、外側スプライン歯40Xは、複数の外側スプライン歯40の他の第2スプライン形状とは異なる第1スプライン形状を有する。外側スプライン歯40Xは、複数の外側スプライン歯40の他の第2スプラインサイズとは異なる第1スプラインサイズを有する。しかし、
図24に示すように、少なくとも10本の外側スプライン歯40は、互いに同じスプライン形状を有していてもよい。少なくとも10本の外側スプライン歯40は、互いに同じスプラインサイズを有していてもよい。少なくとも10本の外側スプライン歯40は、互いに同じ輪郭を有していてもよい。
【0194】
図25に示すように、少なくとも10本の外側スプライン歯40のそれぞれは、外側スプライン駆動面48および外側スプライン非駆動面50を有する。複数の外側スプライン歯40は、ペダリング中に自転車用リアスプロケット組立体14(
図6)からの駆動回転力F1を受けるための複数の外側スプライン駆動面48を含む。複数の外側スプライン歯40は、複数の外側スプライン非駆動面50を含む。外側スプライン駆動面48は、ペダリング中に自転車用リアスプロケット組立体14(
図6)からの駆動回転力F1を受けるための自転車用リアスプロケット組立体14と接触可能である。外側スプライン駆動面48は、逆回転方向D12を向いている。外側スプライン駆動面48は、自転車用リアスプロケット組立体14が自転車用リアハブ組立体12に装着される状態で自転車用リアスプロケット組立体14の内側スプライン駆動面66を向いている。外側スプライン非駆動面50は、周方向D1において外側スプライン駆動面48の反対側に設けられる。外側スプライン非駆動面50は、ペダリング中に自転車用リアスプロケット組立体14から駆動回転力F1を受けないよう駆動回転方向D11を向いている。外側スプライン非駆動面50は、自転車用リアスプロケット組立体14が自転車用リアハブ組立体12に装着される状態で自転車用リアスプロケット組立体14の内側スプライン非駆動面68と向かい合っている。
【0195】
少なくとも10本の外側スプライン歯40のそれぞれは、周方向最大幅MW1を有する。複数の外側スプライン歯40のそれぞれは、周方向最大幅MW1を有する。周方向最大幅MW1は、外側スプライン歯40に作用するスラスト力F2を受けるように最大幅として定義される。周方向最大幅MW1は、外側スプライン駆動面48に基づく直線距離として定義される。
【0196】
複数の外側スプライン駆動面48のそれぞれは、径方向最外周縁48Aおよび径方向最内周縁48Bを含む。外側スプライン駆動面48は、径方向最外周縁48Aから径方向最内周縁48Bまで延びる。第1基準円RC11は、径方向最内周縁48B上に定義され、回転中心軸心A1を中心とする。第1基準円RC11は、外側スプライン非駆動面50と交差し、基準点50Rを有する。周方向最大幅MW1は、周方向D1において径方向最内周縁48Bから基準点50Rまで直線的に延びる。
【0197】
複数の外側スプライン非駆動面50のそれぞれは、径方向最外周縁50Aおよび径方向最内周縁50Bを含む。外側スプライン非駆動面50は、径方向最外周縁50Aから径方向最内周縁50Bまで延びる。本実施形態において、基準点50Rは、径方向最内周縁50Bと一致する。しかし、基準点50Rは、径方向最内周縁50Bからずれていてもよい。
【0198】
周方向最大幅MW1の合計は、55mm以上である。周方向最大幅MW1の合計は、好ましくは、60mm以上である。周方向最大幅MW1の合計は、好ましくは、70mm以下である。本実施形態において、周方向最大幅MW1の合計は60.1mmである。しかし、周方向最大幅MW1の合計は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0199】
図26に示すように、少なくとも1つの外側スプライン歯40は、34mm以下の外側スプライン山径DM11を有する。外側スプライン山径DM11は、33mm以下である。外側スプライン山径DM11は、29mm以上である。本実施形態において、外側スプライン山径DM11は32.6mmである。しかし、外側スプライン山径DM11は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0200】
少なくとも1つの外側スプライン歯40は、外側スプライン谷径DM12を有する。少なくとも1つの外側スプライン歯40は、外側スプライン谷径DM12を有する外側スプライン歯底円RC12を有する。しかし、外側スプライン歯底円RC12は、外側スプライン谷径DM12とは異なる他の直径を有していてもよい。外側スプライン谷径DM12は、32mm以下である。外側スプライン谷径DM12は、31mm以下である。外側スプライン谷径DM12は、28mm以上である。本実施形態において、外側スプライン谷径DM12は、30.2mmである。しかし、外側スプライン谷径DM12は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0201】
大径部42は、外側スプライン山径DM11よりも大きい外径DM13を有する。外径DM13は、32mm〜40mmの範囲内にある。本実施形態において、外径DM13は35mmである。しかし、外径DM13は、本実施形態に限定されない。
【0202】
図25に示すように、複数の外側スプライン駆動面48のそれぞれは、径方向最外周縁48Aから径方向最内周縁48Bまで定義される径方向長さRL11を含む。複数の外側スプライン駆動面48の径方向長さRL11の合計は、7mm以上である。径方向長さRL11の合計は、10mm以上である。径方向長さRL11の合計は、15mm以上である。径方向長さの合計は、36mm以下である。本実施形態において、径方向長さRL11の合計は、16.6mmである。しかし、径方向長さRL11の合計は、本実施形態に限定されない。
【0203】
複数の外側スプライン歯40は、追加径方向長さRL12を有する。追加径方向長さRL12のそれぞれは、外側スプライン歯底円RC12から複数の外側スプライン歯40の径方向最外周端部40Aまで定義される。追加径方向長さRL12の合計は、20mm以上である。本実施形態において、追加径方向長さRL12の合計は、31.2mmである。しかし、追加径方向長さRL12の合計は、本実施形態に限定されない。
【0204】
少なくとも10本の外側スプライン歯40のうちの少なくとも1つは、基準線CL1に対して周方向に対称である。基準線CL1は、回転中心軸心A1に関する径方向において少なくとも10本の外側スプライン歯40の少なくとも1つの径方向最外周端部40Aの回転中心軸心A1から周方向中心点CP1まで延びる。しかし、複数の外側スプライン歯40のうちの少なくとも1つは、基準線CL1に対して非対称形状を有していてもよい。少なくとも10本の外側スプライン歯40のうちの少なくとも1つは、外側スプライン駆動面48および外側スプライン非駆動面50を備える。
【0205】
複数の外側スプライン駆動面48のうちの少なくとも1つの面は、第1外側スプライン面角AG11を有する。第1外側スプライン面角AG11は、外側スプライン駆動面48と第1径方向線L11との間に定義される。第1径方向線L11は、自転車用リアハブ組立体12の回転中心軸心A1から外側スプライン駆動面48の径方向最外周縁48Aまで延びる。第1外側ピッチ角PA11または第2外側ピッチ角PA12は、隣接する第1径方向線L11の間に定義される(例えば、
図23を参照)。
【0206】
外側スプライン非駆動面50のうちの少なくとも1つは、第2外側スプライン面角AG12を有する。第2外側スプライン面角AG12は、外側スプライン非駆動面50と第2径方向線L12との間に定義される。第2径方向線L12は、自転車用リアハブ組立体12の回転中心軸心A1から外側スプライン非駆動面50の径方向最外周縁50Aまで延びる。
【0207】
本実施形態において、第2外側スプライン面角AG12は、第1外側スプライン面角AG11に等しい。しかし、第1外側スプライン面角AG11は、第2外側スプライン面角AG12とは異なっていてもよい。
【0208】
第1外側スプライン面角AG11は、6度以下である。第1外側スプライン面角AG11は、0度以上である。第2外側スプライン面角AG12は、6度以下である。第2外側スプライン面角AG12は、0度以上である。本実施形態において、第1外側スプライン面角AG11は5度である。第2外側スプライン面角AG12は5度である。しかし、第1外側スプライン面角AG11および第2外側スプライン面角AG12は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0209】
図27および
図28に示すように、ブレーキロータ支持体34は、自転車用ブレーキロータ16(
図1)と係合するように構成される少なくとも1つの追加外側スプライン歯52を含む。本実施形態において、ブレーキロータ支持体34は、追加ベース支持部54と、複数の追加外側スプライン歯52と、を含む。追加ベース支持部54は、筒形状を有し、回転中心軸心A1に沿ってハブ体36から延びる。追加外側スプライン歯52は、追加ベース支持部54から径方向外側に延びる。追加外側スプライン歯52の総数は、52本である。しかし、追加外側スプライン歯52の総数は、本実施形態に限定されない。
【0210】
図28に示すように、少なくとも1つの追加外側スプライン歯52は、追加外側スプライン山径DM14を有する。
図29に示すように、追加外側スプライン山径DM14は、外側スプライン山径DM11よりも大きい。追加外側スプライン山径DM14は、大径部42の外径DM13に実質的に等しい。しかし、追加外側スプライン山径DM14は、外側スプライン山径DM11以下であってもよい。追加外側スプライン山径DM14は、大径部42の外径DM13とは異なっていてもよい。
【0211】
図29に示すように、ハブ体36は、第1スポーク取付部36Aと、第2スポーク取付部36Bと、を含む。複数の第1スポークSK1は、第1スポーク取付部36Aに連結される。複数の第2スポークSK2は、第2スポーク取付部36Bに連結される。本実施形態において、第1スポーク取付部36Aは、複数の第1取付孔36A1を含む。第1スポークSK1は、第1取付孔36A1を通って延びる。第2スポーク取付部36Bは、複数の第2取付孔36B1を含む。第2スポークSK2は、第2取付孔36B1を通って延びる。本明細書において使用される場合、用語「スポーク取付部」は、
図29に示すようにスポーク取付部が自転車用リアハブ組立体の回転中心軸心に関する径方向外側に延びるようにスポーク取付開口がフランジ状形状を有する構成、およびスポーク取付部がハブ体の径方向外周面上に直接形成された開口である構成を包含する。
【0212】
第2スポーク取付部36Bは、軸方向D2において第1スポーク取付部36Aから離間している。第1スポーク取付部36Aは、軸方向D2においてスプロケット支持体28と第2スポーク取付部36Bとの間に設けられる。軸方向D2において第2スポーク取付部36Bは、第1スポーク取付部36Aとブレーキロータ支持体34との間に設けられる。
【0213】
第1スポーク取付部36Aは、第1軸方向最外部36Cを有する。第2スポーク取付部36Bは、第2軸方向最外部36Dを有する。第1軸方向最外部36Cは、自転車用リアハブ組立体12が自転車用フレームBFに装着される状態で軸方向D2において第1フレームBF1の方を向く面を含む。第2軸方向最外部36Dは、自転車用リアハブ組立体12が自転車用フレームBFに装着される状態で軸方向D2において第2フレームBF2の方を向く面を含む。
【0214】
ハブ体36は、第1軸方向長さAL1を含む。第1軸方向長さAL1は、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する軸方向D2において第1スポーク取付部36Aの第1軸方向最外部36Cと第2スポーク取付部36Bの第2軸方向最外部36Dとの間に定義される。第1軸方向長さAL1は、55mm以上であってもよい。第1軸方向長さAL1は、60mm以上であってもよい。第1軸方向長さAL1は、65mm以上であってもよい。本実施形態において、第1軸方向長さAL1は、67mmであってもよい。しかし、第1軸方向長さAL1は、本実施形態および上記範囲に限定されない。第1軸方向長さAL1の例としては、55.7mm、62.3mm、および67mmが挙げられる。
【0215】
図29に示すように、ハブアクスル30は、第1軸方向フレーム接触面30B1と、第2軸方向フレーム接触面30C1と、を含む。第1軸方向フレーム接触面30B1は、自転車用リアハブ組立体12が自転車用フレームBFに装着される状態で自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する軸方向D2において自転車用フレームBFの第1部分BF12に接触するように構成される。第2軸方向フレーム接触面30C1は、自転車用リアハブ組立体12が自転車用フレームBFに装着される状態で軸方向D2において自転車用フレームBFの第2部分BF22に接触するように構成される。第1軸方向フレーム接触面30B1は、軸方向D2において第2軸方向フレーム接触面30C1よりもスプロケット支持体28に近い位置に配置される。スプロケット支持体28は、軸方向D2において第1軸方向フレーム接触面30B1と第2軸方向フレーム接触面30C1との間に設けられる。
【0216】
ハブアクスル30は、軸方向D2において第1軸方向フレーム接触面30B1と第2軸方向フレーム接触面30C1との間に定義される第2軸方向長さAL2を含む。第2軸方向長さAL2は、140mm以上であってもよい。第2軸方向長さAL2は、145mm以上であってもよい。第2軸方向長さAL2は、147mm以上であってもよい。第2軸方向長さAL2は、148mmであってもよい。しかし、第2軸方向長さAL2は、本実施形態および上記範囲に限定されない。第2軸方向長さAL2の例としては、142mm、148mm、および157mmが挙げられる。
【0217】
第2軸方向長さAL2に対する第1軸方向長さAL1の比は、0.3以上であってもよい。第2軸方向長さAL2に対する第1軸方向長さAL1の比は、0.4以上であってもよい。第2軸方向長さAL2に対する第1軸方向長さAL1の比は、0.5以下であってもよい。例えば、第2軸方向長さAL2(148mm)に対する第1軸方向長さAL1(67mm)の比は、約0.45である。しかし、第2軸方向長さAL2に対する第1軸方向長さAL1の比は、本実施形態および上記範囲に限定されない。第2軸方向長さAL2に対する第1軸方向長さAL1の比の例としては、約0.42(AL1が62.3mmであり且つAL2が148mmである)や約0.39(AL1が55.7mmであり且つAL2が142mmである)が挙げられる。
【0218】
図6に示すように、スプロケット支持体28は、第1軸方向端部28Bと、第2軸方向端部28Cと、スプロケット軸方向接触面28Dと、を有する。第2軸方向端部28Cは、軸方向D2において第1軸方向端部28Bの反対側に配置される。軸方向中心面CPLは、軸方向D2において第2軸方向長さAL2を二等分する。スプロケット軸方向接触面28Dは、軸方向D2において第1軸方向端部28Bよりも自転車用リアハブ組立体12の軸方向中心面CPLに近い位置に配置される。第2軸方向端部28Cは、軸方向D2においてスプロケット軸方向接触面28Dよりも自転車用リアハブ組立体12の軸方向中心面CPLに近い位置に配置される。スプロケット軸方向接触面28Dは、本実施形態においては大径部42上に設けられるのに対して、スプロケット軸方向接触面28Dは、必要に応じて自転車用リアハブ組立体12の他の部分上に設けられていてもよい。スプロケット軸方向接触面28Dは、自転車用リアスプロケット組立体14がスプロケット支持体28に装着される状態で自転車用リアスプロケット組立体14と接触している。スプロケット軸方向接触面28Dは、軸方向D2において第1軸方向端部28Bを向いている。
【0219】
図6に示すように、軸方向D2においてスプロケット支持体28の第1軸方向フレーム接触面30B1とスプロケット軸方向接触面28Dとの間にスプロケット配置軸方向長さAL3が定義される。本実施形態において、スプロケット配置軸方向長さAL3は、35mm〜45mmの範囲内にある。例えば、スプロケット配置軸方向長さAL3は、39.64mmである。スプロケット配置軸方向長さAL3は、例えば、大径部42を省略することによって44.25mmまで延長可能である。しかし、スプロケット配置軸方向長さAL3は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0220】
大径部42は、軸方向D2において第1軸方向フレーム接触面30B1から最も遠い軸方向端部42Aを有する。軸方向D2において第1軸方向フレーム接触面30B1から軸方向端部42Aまで追加軸方向長さAL4が定義される。追加軸方向長さAL4は、38mm〜47mmの範囲内にある。追加軸方向長さAL4は、44mm〜45mmの範囲内であってもよい。また、追加軸方向長さAL4は、40mm〜41mmの範囲内であってもよい。本実施形態において、追加軸方向長さAL4は、44.25mmである。しかし、追加軸方向長さAL4は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0221】
大径部42の大径軸方向長さAL5は、3mm〜6mmの範囲内にある。本実施形態において、大径軸方向長さAL5は、4.61mmである。しかし、大径軸方向長さAL5は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0222】
スプロケット配置軸方向長さAL3に対する第1軸方向長さAL1の比は、1.2〜1.7の範囲内にある。例えば、スプロケット配置軸方向長さAL3に対する第1軸方向長さAL1の比は、第1軸方向長さAL1が55.7mmであり且つスプロケット配置軸方向長さAL3が39.64mmである場合には1.4である。しかし、スプロケット配置軸方向長さAL3に対する第1軸方向長さAL1の比は、本実施形態および上記範囲に限定されない。例えば、スプロケット配置軸方向長さAL3に対する第1軸方向長さAL1の比は、第1軸方向長さAL1が62.3mmであり且つスプロケット配置軸方向長さAL3が39.64mmである場合には1.57とすることができ、またはスプロケット配置軸方向長さAL3に対する第1軸方向長さAL1の比は、第1軸方向長さAL1が67mmであり且つスプロケット配置軸方向長さAL3が39.64mmである場合には1.69であってもよい。
【0223】
図30に示すように、スプロケット支持部材37は、ハブ係合部60と、複数の支持アーム62と、を含む。複数の支持アーム62は、ハブ係合部60〜径方向外側に延びる。支持アーム62は、第1〜第8取付部62A〜62Hを含む。複数のスペーサ38は、複数の第1スペーサ38Aと、複数の第2スペーサ38Bと、複数の第3スペーサ38Cと、複数の第4スペーサ38Dと、複数の第5スペーサ38Eと、複数の第6スペーサ38Fと、複数の第7スペーサ38Gと、を含む。
【0224】
図6に示すように、第1スペーサ38Aは、追加スプロケットSP5とSP6との間に設けられる。第2スペーサ38Bは、追加スプロケットSP6とSP7との間に設けられる。第3スペーサ38Cは、追加スプロケットSP7とSP8との間に設けられる。第4スペーサ38Dは、追加スプロケットSP8とSP9との間に設けられる。第5スペーサ38Eは、追加スプロケットSP9とSP10との間に設けられる。第6スペーサ38Fは、追加スプロケットSP10とSP11との間に設けられる。第7スペーサ38Gは、追加スプロケットSP11とSP12との間に設けられる。
【0225】
追加スプロケットSP6および第1スペーサ38Aは、接着剤37Aによって第1取付部62Aに取り付けられる。追加スプロケットSP7および第2スペーサ38Bは、接着剤37Aによって第2取付部62Bに取り付けられる。追加スプロケットSP8および第3スペーサ38Cは、接着剤37Aによって第3取付部62Cに取り付けられる。追加スプロケットSP9および第4スペーサ38Dは、接着剤37Aによって第4取付部62Dに取り付けられる。追加スプロケットSP10および第5スペーサ38Eは、接着剤37Aによって第5取付部62Eに取り付けられる。追加スプロケットSP11および第6スペーサ38Fは、接着剤37Aによって第6取付部62Fに取り付けられる。追加スプロケットSP12および第7スペーサ38Gは、接着剤37Aによって第7取付部62Gに取り付けられる。追加スプロケットSP5および第2リング39Bは、接着剤37Aによって第8取付部62Hに取り付けられる。ハブ係合部60、スプロケットSP1〜SP4、第1リング39A、および第2リング39Bは、軸方向D2において大径部42とロック部材32の径方向突起32Cとの間に保持される。
【0226】
本実施形態において、スプロケットSP1〜SP12のそれぞれは、アルミニウム、鉄、チタンなどの金属材料から構成される。スプロケット支持部材37は、樹脂材料を含む非金属材料から構成される。第1〜第7スペーサ38A〜38G、第1リング39A、および第2リング39Bのそれぞれは、樹脂材料などの非金属材料から構成される。しかし、スプロケットSP1〜SP12のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に非金属材料から構成されていてもよい。スプロケット支持部材37、第1〜第7スペーサ38A〜38G、第1リング39A、および第2リング39Bのうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的にアルミニウム、鉄、またはチタンなどの金属材料から構成されていてもよい。
【0227】
図7に示すように、第1スプロケットSP1は、第1開口SP1Kを含む。第1開口SP1Kは、第1最小直径MD1を有する。
図31に示すように、ロック部材32の筒状部32Aは、自転車用リアスプロケット組立体14がスプロケット支持体28に装着される状態で第1スプロケットSP1の第1開口SP1Kを通って延びる。第1スプロケットSP1の第1開口SP1Kは、自転車用リアスプロケット組立体14がスプロケット支持体28に装着される状態でロック部材32の筒状部32Aの第1軸方向端部32Dが第1スプロケットSP1の第1開口SP1Kを通過するように構成される。スプロケット支持体28の第1軸方向端部28Bは、第1開口SP1Kを通って延びることなく第1スプロケットSP1の第1開口SP1Kから離間している。第1最小直径MD1は、自転車用リアハブ組立体12のスプロケット支持体28の最小外径MD28よりも小さい。本実施形態において、最小外径MD28は、スプロケット支持体28の複数の外側スプライン歯40の外側スプライン谷径DM12に等しい(
図26)。
【0228】
図31に示すように、筒状部32Aは、27mm以下の第1外径ED1を有する。第1外径ED1は、26mm以上である。径方向突起32Cは、32mm以下の第2外径ED2を有する。第2外径ED2は、30mm以上である。本実施形態において、第1外径ED1は、26.2mmである。第2外径ED2は、30.8mmである。しかし、第1外径ED1および第2外径ED2のうちの少なくとも一方は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0229】
径方向突起32Cは、軸方向D2において定義される軸方向幅ED3を有する。例えば、径方向突起32Cの軸方向幅ED3は、2mmである。しかし、軸方向幅ED3は、本実施形態に限定されない。
【0230】
ロック部材32は、軸方向D2において径方向突起32Cから第1軸方向端部32Dまで定義される軸方向長さED4を有する。ロック部材32の軸方向長さED4は、10mmである。しかし、軸方向長さED4は、本実施形態に限定されない。
【0231】
図8に示すように、第1スプロケットSP2は、第1開口SP2Kを含む。すなわち、複数の第1スプロケットSP1およびSP2のそれぞれは、第1開口SP2Kを含む。第1開口SP2Kは、第1最小直径MD2を有する。
図31に示すように、ロック部材32の筒状部32Aは、自転車用リアスプロケット組立体14がスプロケット支持体28に装着される状態で第1スプロケットSP2の第1開口SP2Kを通って延びる。スプロケット支持体28の第1軸方向端部28Bは、第1開口SP2Kを通って延びることなく第1スプロケットSP2の第1開口SP2Kから離間している。第1最小直径MD2は、自転車用リアハブ組立体12のスプロケット支持体28の最小外径MD28よりも小さい。
【0232】
図9に示すように、第2スプロケットSP3は、第2開口SP3Kを含む。第2開口SP3Kは、第2最小直径MD3を有する。
図31に示すように、ロック部材32の筒状部32Aおよびスプロケット支持体28は、自転車用リアスプロケット組立体14がスプロケット支持体28に装着される状態で第2スプロケットSP3の第2開口SP3Kを通って延びる。スプロケット支持体28の第1軸方向端部28Bは、軸方向D2において第2開口SP3Kと第1開口SP1Kとの間に設けられる。スプロケット支持体28の第1軸方向端部28Bは、軸方向D2において第2開口SP3Kと第1開口SP2Kとの間に設けられる。第2最小直径MD3は、自転車用リアハブ組立体12のスプロケット支持体28の最小外径MD28以上である。
【0233】
図10に示すように、第2スプロケットSP4は、第2開口SP4Kを含む。すなわち、複数の第2スプロケットSP3およびSP4のそれぞれは、第2開口SP4Kを含む。第2開口SP4Kは、第2最小直径MD4を有する。
図31に示すように、スプロケット支持体28は、自転車用リアスプロケット組立体14がスプロケット支持体28に装着される状態で第2スプロケットSP4の第2開口SP4Kを通って延びる。スプロケット支持体28の第1軸方向端部28Bは、軸方向D2において第2開口SP4Kと第1開口SP1Kとの間に設けられる。第2最小直径MD4は、自転車用リアハブ組立体12のスプロケット支持体28の最小外径MD28以上である。
【0234】
図32に示すように、第1スプロケットSP2は、自転車用リアハブ組立体12のスプロケット支持体28と係合するように構成される少なくとも10本の内側スプライン歯63を含む。少なくとも10本の内側スプライン歯63は、第1開口SP2Kに設けられる。少なくとも10本の内側スプライン歯63は、後述するように第1スプロケットSP2の第1トルク伝達構造として設けられる。
【0235】
第1スプロケットSP2の少なくとも10本の内側スプライン歯63の総数は、20本以上である。第1スプロケットSP2の少なくとも10本の内側スプライン歯63の総数は、28本以上である。内側スプライン歯63の総数は、72本以下である。本実施形態において、内側スプライン歯63の総数は29本である。しかし、内側スプライン歯63の総数は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0236】
図9に示すように、第2スプロケットSP3は、自転車用リアハブ組立体12のスプロケット支持体28と係合するように構成される少なくとも10本の内側スプライン歯64を含む。本実施形態において、第2スプロケットSP3の少なくとも10本の内側スプライン歯64は、少なくとも10本の内側スプライン歯64の内側スプライン山径として第2最小直径MD3を定義する。
【0237】
第2スプロケットSP3の少なくとも10本の内側スプライン歯64の総数は、20本以上である。第2スプロケットSP3の少なくとも10本の内側スプライン歯64の総数は、28本以上である。内側スプライン歯64の総数は、72本以下である。本実施形態において、内側スプライン歯64の総数は29本である。しかし、内側スプライン歯64の総数は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0238】
図10に示すように、第2スプロケットSP4は、自転車用リアハブ組立体12のスプロケット支持体28と係合するように構成される少なくとも10本の内側スプライン歯65を含む。すなわち、複数の第2スプロケットSP3およびSP4のそれぞれは、自転車用リアハブ組立体12のスプロケット支持体28と係合するように構成される少なくとも10本の内側スプライン歯を含む。本実施形態において、第2スプロケットSP4の少なくとも10本の内側スプライン歯65は、少なくとも10本の内側スプライン歯65の内側スプライン山径として第2最小直径MD4を定義する。
【0239】
第2スプロケットSP4の少なくとも10本の内側スプライン歯65の総数は、20本以上である。第2スプロケットSP4の少なくとも10本の内側スプライン歯65の総数は、28本以上である。内側スプライン歯65の総数は、72本以下である。本実施形態において、内側スプライン歯65の総数は29本である。しかし、内側スプライン歯65の総数は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0240】
図33に示すように、第2スプロケットSP3の少なくとも10本の内側スプライン歯64は、第1内側ピッチ角PA21および第2内側ピッチ角PA22を有する。第2スプロケットSP3の少なくとも10本の内側スプライン歯64のうちの少なくとも2本の内側スプライン歯は、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する周方向に第1内側ピッチ角PA21で配置される。少なくとも10本の内側スプライン歯64のうちの少なくとも2本の内側スプライン歯は、周方向D1においてその間に他のスプライン歯を有することなく互いに隣接している。言い換えると、複数の内側スプライン歯64のうちの少なくとも2本は、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する周方向に第1内側ピッチ角PA21で配置される。第2スプロケットSP3の少なくとも10本の内側スプライン歯64のうちの少なくとも他の2本の内側スプライン歯は、回転中心軸心A1に関する周方向に第2内側ピッチ角PA22で配置される。第2スプロケットSP3の少なくとも10本の内側スプライン歯64のうちの少なくとも他の2本の内側スプライン歯は、周方向D1においてその間に他のスプライン歯を有することなく互いに隣接している。言い換えると、第2スプロケットSP3の複数の内側スプライン歯64のうちの少なくとも2本は、回転中心軸心A1に関する周方向に第2内側ピッチ角PA22で配置される。本実施形態において、第2内側ピッチ角PA22は、第1内側ピッチ角PA21とは異なる。しかし、第2内側ピッチ角PA22は、第1内側ピッチ角PA21と実質的に同じであってもよい。
【0241】
本実施形態において、複数の内側スプライン歯64は、周方向D1において第1内側ピッチ角PA21で周方向に配置される。複数の内側スプライン歯64のうちの2本の内側スプライン歯は、周方向D1において第2内側ピッチ角PA22で配置される。しかし、複数の内側スプライン歯64のうちの少なくとも2本の内側スプライン歯は、周方向D1において他の内側ピッチ角で配置されていてもよい。
【0242】
第1内側ピッチ角PA21は、5度〜36度の範囲内にある。第1内側ピッチ角PA21は、10度〜20度の範囲内にある。第1内側ピッチ角PA21は、15度以下である。本実施形態において、例えば、第1内側ピッチ角PA21は12度である。しかし、第1内側ピッチ角PA21は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0243】
第2内側ピッチ角PA22は、5度〜36度の範囲内にある。本実施形態において、第2内側ピッチ角PA22は24度である。しかし、第2内側ピッチ角PA22は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0244】
第2スプロケットSP3の少なくとも10本の内側スプライン歯64のうちの少なくとも1本は、少なくとも10本の内側スプライン歯64の他の第2スプライン形状とは異なる第1スプライン形状を有する。第2スプロケットSP3の少なくとも10本の内側スプライン歯64のうちの少なくとも1本は、少なくとも10本の内側スプライン歯64の他の第2スプラインサイズとは異なる第1スプラインサイズを有する。少なくとも10本の内側スプライン歯64のうちの少なくとも1本は、少なくとも10本の内側スプライン歯64の他の断面形状とは異なる断面形状を有する。しかし、
図34に示すように、複数の内側スプライン歯64は、互いに同じ形状を有していてもよい。少なくとも10本の内側スプライン歯64は、互いに同じサイズを有していてもよい。少なくとも10本の内側スプライン歯64は、互いに同じ断面形状を有していてもよい。
【0245】
図35に示すように、少なくとも10本の内側スプライン歯64のうちの少なくとも1本は、内側スプライン駆動面66を含む。少なくとも10本の内側スプライン歯64のうちの少なくとも1本は、内側スプライン非駆動面68を含む。少なくとも10本の内側スプライン歯64は、ペダリング中に自転車用リアハブ組立体12(
図6)からの駆動回転力F1を受けるように複数の内側スプライン駆動面66を含む。少なくとも10本の内側スプライン歯64は、複数の内側スプライン非駆動面68を含む。内側スプライン駆動面66は、ペダリング中にスプロケットSP1からスプロケット支持体28へと駆動回転力F1を伝達するようにスプロケット支持体28と接触可能である。内側スプライン駆動面66は、駆動回転方向D11に向いている。内側スプライン駆動面66は、自転車用リアスプロケット組立体14が自転車用リアハブ組立体12に装着される状態で自転車用リアハブ組立体12の外側スプライン駆動面48を向いている。内側スプライン非駆動面68は、周方向D1において内側スプライン駆動面66の反対側に設けられる。内側スプライン非駆動面68は、ペダリング中にスプロケットSP1からスプロケット支持体28へと駆動回転力F1を伝達しないように逆回転方向D12に向いている。内側スプライン非駆動面68は、自転車用リアスプロケット組立体14が自転車用リアハブ組立体12に装着される状態で自転車用リアハブ組立体12の外側スプライン非駆動面50を向いている。
【0246】
少なくとも10本の内側スプライン歯64のそれぞれは、周方向最大幅MW2を有する。複数の内側スプライン歯64のそれぞれは、周方向最大幅MW2を有する。周方向最大幅MW2は、内側スプライン歯64に加えられるスラスト力F3を受けるように最大幅として定義される。周方向最大幅MW2は、内側スプライン駆動面66に基づく直線距離として定義される。
【0247】
複数の内側スプライン駆動面66のそれぞれは、径方向最外周縁66Aおよび径方向最内周縁66Bを含む。第2基準円RC21は、径方向最外周縁66A上に定義され、回転中心軸心A1を中心とする。第2基準円RC21は、内側スプライン非駆動面68と交差し、基準点68Rを有する。周方向最大幅MW2は、周方向D1において径方向最内周縁66Bから基準点68Rまでまっすぐ延びる。
【0248】
内側スプライン非駆動面68は、径方向最外周縁68Aおよび径方向最内周縁68Bを含む。内側スプライン非駆動面68は、径方向最外周縁68Aから径方向最内周縁68Bまで延びる。基準点68Rは、径方向最外周縁68Aと径方向最内周縁68Bとの間に設けられる。
【0249】
周方向最大幅MW2の合計は、40mm以上である。周方向最大幅MW2の合計は、45mm以上であってもよい。周方向最大幅MW2の合計は、50mm以上であってもよい。本実施形態において、周方向最大幅MW2の合計は、50.8mmである。しかし、周方向最大幅MW2の合計は、本実施形態に限定されない。
【0250】
図36に示すように、第2スプロケットSP3の少なくとも10本の内側スプライン歯64は、内側スプライン谷径DM21を有する。スプロケットSP3の少なくとも1本の内側スプライン歯64は、内側スプライン谷径DM21を有する内側スプライン歯底円RC22を有する。内側スプライン谷径DM21は、34mm以下である。第2スプロケットSP3の内側スプライン谷径DM21は、33mm以下である。第2スプロケットSP3の内側スプライン谷径DM21は、29mm以上である。本実施形態において、第2スプロケットSP3の内側スプライン谷径DM21は、32.8mmである。しかし、第2スプロケットSP3の内側スプライン谷径DM21は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0251】
第2スプロケットSP3の少なくとも10本の内側スプライン歯64は、32mm以下である内側スプライン山径DM22を有する。内側スプライン山径DM22は、31mm以下である。内側スプライン山径DM22は、28mm以上である。本実施形態において、内側スプライン山径DM22は、30.4mmである。しかし、内側スプライン山径DM22は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0252】
図18に示すように、追加スプロケットSP12は、最大歯先直径TD12を有する。最大歯先直径TD12は、複数のスプロケット歯SP12Bによって定義される最大外径である。最大歯先直径TD12に対する内側スプライン谷径DM21(
図36)の比は、0.15〜0.18の範囲内にある。本実施形態において、最大歯先直径TD21に対する内側スプライン谷径TD12の比は、0.15である。しかし、最大歯先直径TD12に対する内側スプライン谷径DM21の比は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0253】
図35に示すように、複数の内側スプライン駆動面66は、径方向最外周縁66Aおよび径方向最内周縁66Bを含む。複数の内側スプライン駆動面66のそれぞれは、径方向最外周縁66Aから径方向最内周縁66Bまで定義される径方向長さRL21を含む。複数の内側スプライン駆動面66の径方向長さRL21の合計は、7mm以上である。径方向長さRL21の合計は、10mm以上である。径方向長さRL21の合計は、15mm以上である。径方向長さRL21の合計は、36mm以下である。本実施形態において、径方向長さRL21の合計は、16.6mmである。しかし、径方向長さRL21の合計は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0254】
複数の内側スプライン歯64は、追加径方向長さRL22を有する。追加径方向長さRL22のそれぞれは、複数の内側スプライン歯64の内側スプライン歯底円RC22から径方向最内周端部64Aまで定義される。追加径方向長さRL22の合計は、12mm以上である。本実施形態において、追加径方向長さRL22の合計は、34.8mmである。しかし、追加径方向長さRL22の合計は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0255】
第2スプロケットSP3の少なくとも10本の内側スプライン歯64のうちの少なくとも1本は、基準線CL2に対して周方向に対称である。基準線CL2は、回転中心軸心A1から、回転中心軸心A1に関する径方向において少なくとも10本の内側スプライン歯64のうちの少なくとも1本の径方向最内周端部64Aの周方向中心点CP2まで延びる。しかし、複数の内側スプライン歯64のうちの少なくとも1本は、基準線CL2に対して非対称形状を有していてもよい。内側スプライン歯64のうちの少なくとも1本は、内側スプライン駆動面66および内側スプライン非駆動面68を有する。
【0256】
内側スプライン駆動面66は、第1内側スプライン面角AG21を有する。第1内側スプライン面角AG21は、内側スプライン駆動面66と第1径方向線L21との間に定義される。第1径方向線L21は、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1から内側スプライン駆動面66の径方向最外周縁66Aまで延びる。第1内側ピッチ角PA21または第2内側ピッチ角PA22は、隣接する第1径方向線L21の間に定義される(例えば、
図33を参照)。
【0257】
内側スプライン非駆動面68は、第2内側スプライン面角AG22を有する。第2内側スプライン面角AG22は、内側スプライン非駆動面68と第2径方向線L22との間に定義される。第2径方向線L22は、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1から内側スプライン非駆動面68の径方向最外周縁68Aまで延びる。
【0258】
本実施形態において、第2内側スプライン面角AG22は、第1内側スプライン面角AG21と等しい。しかし、第1内側スプライン面角AG21は、第2内側スプライン面角AG22とは異なっていてもよい。
【0259】
第1内側スプライン面角AG21は、0度〜6度の範囲内にある。第2内側スプライン面角AG22は、0度〜6度の範囲内にある。本実施形態において、第1内側スプライン面角AG21は5度である。第2内側スプライン面角AG22は5度である。しかし、第1内側スプライン面角AG21および第2内側スプライン面角AG22は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0260】
図37に示すように、複数の内側スプライン歯64は、第2スプロケットSP3からスプロケット支持体28へと駆動回転力F1を伝達するように複数の外側スプライン歯40と噛合する。内側スプライン駆動面66は、第2スプロケットSP3からスプロケット支持体28へと駆動回転力F1を伝達するように外側スプライン駆動面48と接触可能である。内側スプライン非駆動面68は、内側スプライン駆動面66が外側スプライン駆動面48と接触している状態で外側スプライン非駆動面50から離間している。
【0261】
第1スプロケットSP2の複数の内側スプライン歯63および第2スプロケットSP4の複数の内側スプライン歯65は、第2スプロケットSP3の複数の内側スプライン歯64と実質的に同じ機構を有する。したがって、簡略化のため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0262】
図2に示すように、スプロケット支持部材37は、自転車用リアハブ組立体12のスプロケット支持体28と係合するように構成される少なくとも10本の内側スプライン歯76を含む。複数の内側スプライン歯76は、複数の内側スプライン歯64と実質的に同じ機構を有する。したがって、簡略化のため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0263】
図38に示すように、第1スプロケットSP1は、ペダリングトルクをスプロケット支持体28に直接的または間接的に伝達するように第1内方側面SP1Hに設けられる第1トルク伝達構造SP1Tを含む。本実施形態において、第1トルク伝達構造SP1Tは、スプロケット支持体28にペダリングトルクを間接的に伝達するように複数の第1トルク伝達歯SP1T1を含む。第1トルク伝達構造SP1Tは、少なくとも10本の第1トルク伝達歯SP1T1を含む。好ましくは、少なくとも10本の第1トルク伝達歯SP1T1の総数は、20本以上である。より好ましくは、少なくとも10本の第1トルク伝達歯SP1T1の総数は、28本以上である。本実施形態において、少なくとも10本の第1トルク伝達歯SP1T1の総数は、29本である。しかし、少なくとも10本の第1トルク伝達歯SP1T1の総数は、本実施形態および上記範囲に限定されない。
【0264】
図38および
図39に示すように、第1スプロケットSP2は、第1内方側面SP2Hおよび第1外方側面SP2Gを含む。第1外方側面SP2Gは、自転車用リアスプロケット組立体14の回転中心軸心A1に関する軸方向D2において第1内方側面SP2Hの反対側に配置される。第1スプロケットSP2は、スプロケット支持体28にペダリングトルクを直接的または間接的に伝達するように第1内方側面SP2Hに設けられる第1トルク伝達構造SP2Mを含む。本実施形態において、第1スプロケットSP2の内側スプライン歯63はまた、第1トルク伝達歯63と称することもできる。第1トルク伝達構造SP2Mは、スプロケット支持体28にペダリングトルクを直接伝達するように複数の第1トルク伝達歯63を含む。第1トルク伝達構造SP2Mは、少なくとも10本の第1トルク伝達歯63を含む。好ましくは、少なくとも10本の第1トルク伝達歯63の総数は、20本以上である。より好ましくは、少なくとも10本の第1トルク伝達歯63の総数は、28本以上である。本実施形態において、少なくとも10本の第1トルク伝達歯63の総数は29本である。しかし、少なくとも10本の第1トルク伝達歯63の総数は、上記実施形態および上記範囲に限定されない。第1トルク伝達歯63はまた、内側スプライン歯63と称することもできる。
【0265】
図39に示すように、第1スプロケットSP2は、第1スプロケットSP1からのペダリングトルクを受けるように第2トルク伝達構造SP2Tを含む。第2トルク伝達構造SP2Tは、第1外方側面SP2G上に設けられる。本実施形態において、第2トルク伝達構造SP2Tは、複数の第2トルク伝達歯SP2T1を含む。好ましくは、第2トルク伝達歯SP2T1の総数は、20本以上である。より好ましくは、第2トルク伝達歯SP2T1の総数は、28本以上である。本実施形態において、第2トルク伝達歯SP2T1の総数は29本である。しかし、第2トルク伝達歯SP2T1の総数は、本実施形態および上記範囲に限定されない。第1トルク伝達構造SP1Tは、第2トルク伝達構造SP2Tと係合される。複数の第1トルク伝達歯SP1T1は、駆動回転力F1を伝達するように複数の第2トルク伝達歯SP2T1と噛み合う。
【0266】
図23および
図24に示すように、スプロケット支持体28は、ベース支持部41の軸方向端部に設けられるハブ表示部28Iを含む。ハブ表示部28Iは、回転中心軸心A1に沿って見た場合に第2外側ピッチ角PA12の領域に設けられる。本実施形態において、ハブ表示部28Iはドットを含む。しかし、ハブ表示部28Iは、三角形や線などの他の形状を含んでいてもよい。さらに、ハブ表示部28Iは、例えば接着剤などの結合機構によってスプロケット支持体28に取り付けられる別個の部材であってもよい。ハブ表示部28Iの位置は、本実施形態に限定されない。
【0267】
図7に示すように、第1スプロケットSP1は、スプロケット体SP1Aの軸方向端部に設けられるスプロケット表示部SP1Iを含む。本実施形態において、スプロケット表示部SP1Iはドットを含む。しかし、スプロケット表示部SP1Iは、三角形や線などの他の形状を含んでいてもよい。さらに、スプロケット表示部SP1Iは、例えば接着剤などの結合機構によってスプロケットSP1に取り付けられる別個の部材であってもよい。スプロケット表示部SP1Iの位置は、本実施形態に限定されない。スプロケット表示部SP1Iは、他のスプロケットSP2〜SP12のいずれかに設けられていてもよい。スプロケット表示部SP1Iはまた、スプロケット支持部材37に設けられていてもよい。
【0268】
図6に示すように、自転車用リアハブ組立体12は、フリーホイール機構78をさらに備える。スプロケット支持体28は、フリーホイール機構78によってハブ体36に動作可能に連結される。フリーホイール機構78は、ペダリング中に駆動回転方向D11(
図5)においてハブ体36とともにスプロケット支持体28を回転させるようにハブ体36にスプロケット支持体28を連結するように構成される。フリーホイール機構78は、惰性走行中に逆回転方向D12(
図5)においてスプロケット支持体28がハブ体36に対して回転するのを可能とするように構成される。したがって、フリーホイール機構78は、ワンウェイクラッチ機構78に言い換えられてもよい。フリーホイール機構78は、後に詳述される。
【0269】
自転車用リアハブ組立体12は、第1ベアリング79Aおよび第2ベアリング79Bを含む。第1ベアリング79Aおよび第2ベアリング79Bは、回転中心軸心A1回りにハブアクスル30に対してスプロケット支持体28を回転可能に支持するようにスプロケット支持体28とハブアクスル30との間に設けられる。
【0270】
本実施形態において、スプロケット支持体28、ブレーキロータ支持体34、およびハブ体36のそれぞれは、アルミニウム、鉄、またはチタンなどの金属材料から構成される。しかし、スプロケット支持体28、ブレーキロータ支持体34、およびハブ体36のうちの少なくとも1つは、非金属材料から構成されていてもよい。
【0271】
図40に示すように、フリーホイール機構78は、第1ラチェット部材80および第2ラチェット部材82を含む。第1ラチェット部材80は、トルク伝達方式でハブ体36およびスプロケット支持体28のうちの一方に係合するように構成される。第2ラチェット部材82は、トルク伝達方式でハブ体36およびスプロケット支持体28のうちの他方に係合するように構成される。本実施形態において、第1ラチェット部材80は、トルク伝達方式でスプロケット支持体28と係合する。第2ラチェット部材82は、トルク伝達側面でハブ体36と係合する。しかし、第1ラチェット部材80は、トルク伝達方式でハブ体36と係合するように構成されていてもよい。第2ラチェット部材82は、トルク伝達方式でスプロケット支持体28と係合するように構成されていてもよい。
【0272】
第1ラチェット部材80は、回転中心軸心A1回りにハブ体36に対してスプロケット支持体28とともに回転するようにスプロケット支持体28に取り付けられる。第2ラチェット部材82は、回転中心軸心A1回りにスプロケット支持体28に対してハブ体36とともに回転するようにハブ体36に取り付けられる。第1ラチェット部材80および第2ラチェット部材82のそれぞれは、環形状を有する。
【0273】
第1ラチェット部材80および第2ラチェット部材82のうちの少なくとも一方は、回転中心軸心A1に関する軸方向D2においてハブアクスル30に対して移動可能である。本実施形態において、第1ラチェット部材80および第2ラチェット部材82のそれぞれは、軸方向D2においてハブアクスル30に対して移動可能である。第2ラチェット部材82は、軸方向D2においてハブ体36に対して移動可能である。第1ラチェット部材80は、軸方向D2においてスプロケット支持体28に対して移動可能である。
【0274】
ハブ体36は、環形状を有するフリーホイールハウジング36Hを含む。フリーホイールハウジング36Hは、軸方向D2に延びる。第1ラチェット部材80および第2ラチェット部材82は、組み立てられた状態でフリーホイールハウジング36Hに設けられる。
【0275】
図41に示すように、第1ラチェット部材80は、少なくとも1本の第1ラチェット歯80Aを含む。本実施形態において、少なくとも1本の第1ラチェット歯80Aは、複数の第1ラチェット歯80Aを含む。複数の第1ラチェット歯80Aは、鋸歯状を提供するように周方向D1に配置される。
【0276】
図42に示すように、第2ラチェット部材82は、トルク伝達方法で少なくとも1本の第1ラチェット歯80Aと係合するように構成される少なくとも1本の第2ラチェット歯82Aを含む。少なくとも1本の第2ラチェット歯82Aは、スプロケット支持体28からハブ体36へと回転力F1を伝達するように少なくとも1本の第1ラチェット歯80Aと係合する(
図40)。本実施形態において、少なくとも1本の第2ラチェット歯82Aは、トルク伝達方式で複数の第1ラチェット歯80Aと係合するように構成される複数の第2ラチェット歯82Aを含む。複数の第2ラチェット歯82Aは、鋸歯を提供するように周方向D1に配置される。複数の第2ラチェット歯82Aは、複数の第1ラチェット歯80Aと係合可能である。第1ラチェット部材80および第2ラチェット部材82は、複数の第2ラチェット歯82Aが複数の第1ラチェット歯80Aと係合した状態でともに回転する。
【0277】
図41および
図42に示すように、スプロケット支持体28は、第1ヘリカルスプライン28Hを有する外周面28Pを有する。第1ラチェット部材80は、トルク伝達方式でスプロケット支持体28と係合するように構成され、第1ヘリカルスプライン28Hと噛合する第2ヘリカルスプライン80Hを含む。第1ラチェット部材80は、スプロケット支持体28から加えられる第1スラスト力によって駆動中に第1ヘリカルスプライン28Hと噛合する第2ヘリカルスプライン80Hを介してスプロケット支持体28に対して軸方向D2において移動可能に取り付けられる。本実施形態において、第1ヘリカルスプライン28Hは、複数の外側ヘリカルスプライン歯46を含む。第2ヘリカルスプライン80Hは、複数の外側ヘリカルスプライン歯46と噛合する複数の内側ヘリカルスプライン歯80H1を含む。
【0278】
図43に示すように、ハブ体36は、内周面36Sおよび少なくとも1本の第1歯36Tを含む。少なくとも1本の第1歯36Tは、内周面36S上に設けられる。本実施形態において、フリーホイールハウジング36Hは、内周面36Sを含む。ハブ体36は、複数の第1歯36Tを含む。複数の第1歯36Tは、内周面36S上に設けられ、回転中心軸心A1に対して内周面36Sから径方向内側に延びる。複数の第1歯36Tは、複数の第1歯36Tのうち隣接する2本の歯の間に複数の凹部36Rを定義するように周方向D1に配置される。
【0279】
第2ラチェット部材82は、ハブ体係合部82Eを介して第1ラチェット部材80からハブ体36へと回転力F1を伝達するようにトルク伝達方法でハブ体36と係合されるハブ体係合部82Eを含む。ハブ体係合部82Eおよびハブ体36のうちの一方は、径方向に延びる少なくとも1つの突起を含む。ハブ体係合部82Eおよびハブ体36のうちの他方は、少なくとも1つの突起と係合される少なくとも1つの凹部を含む。本実施形態において、ハブ体係合部82Eは、少なくとも1つの突起として径方向に延びる少なくとも1つの突起82Tを含む。ハブ体36は、少なくとも1つの突起82Tと係合される少なくとも1つの凹部36Rを含む。本実施形態において、ハブ体係合部82Eは、複数の突起82Tを含む。複数の突起82Tは、複数の凹部36Rと係合される。
【0280】
図42に示すように、スプロケット支持体28の外周面28Pは、惰性走行中にハブ体36に向かって第1ラチェット部材80をガイドするように構成されるガイド部28Gを有する。ガイド部28Gは、第1ヘリカルスプライン28Hと鈍角AG28(
図48)を定義するように配置される。スプロケット支持体28は、複数のガイド部28Gを含む。ガイド部28Gは、惰性またはフリーホイーリング中にハブ体36に向かって第1ラチェット部材80をガイドするように構成される。ガイド部28Gは、惰性走行中に少なくとも1本の第1ラチェット歯80A(
図41)および少なくとも1本の第2ラチェット歯82Aとの噛合係合を解放するようにハブ体36に向かって第1ラチェット部材80をガイドする。ガイド部28Gは、軸方向D2において第2ラチェット部材82から離れるように第1ラチェット部材80を移動するように構成される。ガイド部28Gは、スプロケット支持体28に対して少なくとも周方向D1に延びる。ガイド部28Gは、少なくとも周方向D1において複数の外側ヘリカルスプライン歯46のうちの1本の歯から延びる。ガイド部28Gは、本実施形態において1つの単一部材として外側ヘリカルスプライン歯46と一体に設けられるが、ガイド部28Gは、複数の外側ヘリカルスプライン歯46とは別個の部材であってもよい。第1ラチェット部材80および第2ラチェット部材82は、特にガイド部28Gが第1ヘリカルスプライン28Hに対して鈍角AG28を定義するように配置される場合、ガイド部28Gのために惰性走行中に互いから滑らかに係合解除される。これはまた、少なくとも1本の第1ラチェット歯80Aおよび少なくとも1本の第2ラチェット歯82Aが惰性走行中に滑らかに分離されることから、惰性中の騒音を低減する。
【0281】
図40に示すように、自転車用リアハブ組立体12は、付勢部材84をさらに備える。付勢部材84は、第2ラチェット部材82に向かって軸方向D2に第1ラチェット部材80を付勢するようにハブ体36と第1ラチェット部材80との間に配置される。本実施形態において、例えば、付勢部材84は、圧縮バネである。
【0282】
図44に示すように、付勢部材84は、軸方向D2においてハブ体36と第1ラチェット部材80との間で圧縮される。付勢部材84は、第1ラチェット部材80および第2ラチェット部材82が複数の第1ラチェット歯80Aおよび複数の第2ラチェット歯82Aを介して互いに係合される係合状態を維持するように第2ラチェット部材82に向かって第1ラチェット部材80を付勢する。
【0283】
好ましくは、付勢部材84は、ハブ体36とともに回転するようにハブ体36と係合される。付勢部材84は、回転中心軸心A1回りにハブ体36とともに回転するようにハブ体36に取り付けられる(
図40)。付勢部材84は、コイル体84Aおよび連結端部84Bを含む。ハブ体36は、接続孔36Fを含む。連結端部84Bは、付勢部材84が回転中心軸心A1回りにハブ体36とともに回転するように接続孔36Fに設けられる(
図40)。
【0284】
図44に示すように、スプロケット支持体28の外周面28Pは、第1ラチェット部材80および第2ラチェット部材82を支持する。第1ラチェット部材80は、軸方向D2に向いた軸方向面80Sを含む。少なくとも1本の第1ラチェット歯80Aは、第1ラチェット部材80の軸方向面80S上に配置される。本実施形態において、複数の第1ラチェット歯80Aは、第1ラチェット部材80の軸方向面80S上に配置される。軸方向面80Sは、軸方向D2に対して略垂直である。しかし、軸方向面80Sは、軸方向D2に対して非垂直であってもよい。
【0285】
第2ラチェット部材82は、軸方向D2に向いた軸方向面82Sを含む。少なくとも1本の第2ラチェット歯82Aは、第2ラチェット部材82の軸方向面82S上に配置される。第2ラチェット部材82の軸方向面82Sは、第1ラチェット部材80の軸方向面80Sを向いている。本実施形態において、複数の第2ラチェット歯82Aは、第2ラチェット部材82の軸方向面82S上に配置される。軸方向面82Sは、軸方向D2に対して略垂直である。しかし、軸方向面82Sは、軸方向D2に対して非垂直であってもよい。
【0286】
図40に示すように、自転車用リアハブ組立体12は、スペーサ86と、支持部材88と、摺動部材90と、追加付勢部材92と、受け部材94とを備える。しかし、スペーサ86、支持部材88、摺動部材90、追加付勢部材92、および受け部材94のうちの少なくとも1つを自転車用リアハブ組立体12から省略してもよい。
【0287】
図44および
図45に示すように、スペーサ86は、回転中心軸心A1回りに定義される周方向D1における少なくとも1本の第1歯36Tと少なくとも1つの突起82Tとの間に少なくとも部分的に設けられる。本実施形態において、スペーサ86は、周方向D1において複数の第1歯36Tと複数の突起82Tとの間に部分的に設けられる。しかし、スペーサ86は、周方向D1において複数の第1歯36Tと複数の突起82Tとの間に全体的に設けられていてもよい。
【0288】
図45〜
図47に示すように、スペーサ86は、少なくとも1本の第1歯36Tと少なくとも1つの突起82Tとの間に設けられる少なくとも1つの中間部86Aを含む。少なくとも1つの中間部86Aは、周方向D1において少なくとも1本の第1歯36Tと少なくとも1つの突起82Tとの間に設けられる。本実施形態において、スペーサ86は、周方向D1において複数の第1歯36Tと複数の突起82Tとの間にそれぞれ設けられる複数の中間部86Aを含む。スペーサ86は、本実施形態において複数の中間部86Aを含むが、スペーサ86は、1つの中間部86Aを含んでいてもよい。
【0289】
図46および
図47に示すように、スペーサ86は、連結部86Bを含む。複数の中間部86Aは、回転中心軸心A1に平行な軸方向D2において連結部86Bから延びる。スペーサ86は、本実施形態において連結部86Bを含むが、連結部86Bをスペーサ86から省略してもよい。
【0290】
スペーサ86は、非金属材料を含む。本実施形態において、非金属材料は、樹脂材料を含む。樹脂材料の例としては、合成樹脂が挙げられる。非金属材料は、樹脂材料の代わりにまたは樹脂材料に加えて、樹脂材料以外の材料を含んでいてもよい。中間部86Aおよび連結部86Bは、本実施形態において1つの単一部材として互いに一体に設けられるが、中間部86Aのうちの少なくとも1つは、連結部86Bとは別個の部分であってもよい。
【0291】
図44および
図45に示すように、複数の中間部86Aは、径方向においてハブ体36の内周面36Sと第2ラチェット部材82の外周面82Pとの間に設けられる。
【0292】
図44に示すように、支持部材88は、軸方向D2においてハブ体36と第2ラチェット部材82との間に設けられる。支持部材88は、第2ラチェット部材82に取り付けられる。支持部材88は、第1ラチェット部材80の径方向外側に設けられる。支持部材88は、第1ラチェット部材80と接触可能である。支持部材88は、好ましくは、非金属材料を含む。非金属材料から構成される支持部材88は、自転車用リアハブ組立体12の動作中のノイズを低減する。本実施形態において、非金属材料は、樹脂材料を含む。非金属材料は、樹脂材料の代わりにまたは樹脂材料に加えて、樹脂材料以外の材料を含んでいてもよい。
【0293】
摺動部材90は、回転中心軸心A1に平行な軸方向D2においてスプロケット支持体28と第2ラチェット部材82との間に設けられる。第2ラチェット部材82は、軸方向D2において第1ラチェット部材80と摺動部材90との間に設けられる。摺動部材90は、好ましくは、非金属材料を含む。非金属材料から構成される摺動部材90は、自転車用リアハブ組立体12の動作中のノイズを低減する。本実施形態において、非金属材料は、樹脂材料を含む。非金属材料は、樹脂材料の代わりにまたは樹脂材料に加えて、樹脂材料以外の材料を含んでいてもよい。
【0294】
スプロケット支持体28は、ハブ体36から離れる第2ラチェット部材82の軸方向移動を制限するように第2ラチェット部材82に接触するための接触部28Eを含む。接触部28Eは、本実施形態において摺動部材90を介して第2ラチェット部材82に間接的に接触することができる。代わりに、接触部28Eが、第2ラチェット部材82に直接接触していてもよい。第1ラチェット部材80は、第2ラチェット部材82に対して、軸方向D2においてスプロケット支持体28の接触部28Eと反対側に配置される。摺動部材90は、軸方向D2においてスプロケット支持体28の接触部28Eと第2ラチェット部材82との間に設けられる。
【0295】
図44に示すように、追加付勢部材92が、スプロケット支持体28の方へ第2ラチェット部材82を付勢するように軸方向D2においてハブ体36と第2ラチェット部材82との間に設けられる。本実施形態において、追加付勢部材92は、支持部材88を介して第2ラチェット部材82を軸方向D2に付勢する。追加付勢部材92は、付勢部材84の径方向外側に設けられる。追加付勢部材92は、本実施形態において複数の第2ラチェット歯82Aの径方向外側に設けられる。
【0296】
受け部材94は、非金属材料を含む。非金属材料から構成される受け部材94は、自転車用リアハブ組立体12の動作中に付勢部材84が過度にねじれるのを防止する。本実施形態において、非金属材料は、樹脂材料を含む。非金属材料は、樹脂材料の代わりにまたは樹脂材料に加えて、樹脂材料以外の材料を含んでいてもよい。受け部材94は、軸方向受け面96および径方向受け面98を含む。軸方向受け面96は、軸方向D2において第1ラチェット部材80と付勢部材84との間に設けられる。径方向受け面98は、軸方向D2において軸方向受け面96から延びる。径方向受け面98は、付勢部材84の径方向内側に設けられる。軸方向受け面96および径方向受け面98は、1つの単一部材として互いに一体に設けられる。しかし、軸方向受け面96は、径方向受け面98とは別個の部材であってもよい。
【0297】
図44に示すように、自転車用リアハブ組立体12は、シール構造100を備える。シール構造100は、スプロケット支持体28とハブ体36との間に設けられる。ハブ体36は、内部空間102を含む。スプロケット支持体28、付勢部材84、第1ラチェット部材80、および第2ラチェット部材82のそれぞれは、ハブ体36の内部空間102内に少なくとも部分的に配置される。内部空間102は、シール構造100によってシールされる。本実施形態において、内部空間102内に潤滑剤は設けられていないが、自転車用リアハブ組立体12が内部空間102内に設けられる潤滑剤を有していてもよい。自転車用リアハブ組立体12が内部空間102内に設けられる潤滑剤を有している場合に比べて、潤滑剤が設けられない場合は、内部空間102内に配置される部材間の各隙間を小さくできる。
【0298】
自転車用リアハブ組立体12の動作は、
図44、
図48および
図49を参照して以下に詳細に説明される。
【0299】
図44に示すように、軸方向D2は、第1軸方向D21と、第1軸方向D21とは反対の第2軸方向D22と、を含む。第1軸方向D21において付勢部材84から受け部材94へと付勢力F5が加えられる。付勢部材84の付勢力F5は、第1軸方向D21において、受け部材94、第1ラチェット部材80、第2ラチェット部材82、および摺動部材90をスプロケット支持体28に向かって付勢する。これにより、複数の第1ラチェット歯80Aの複数の第2ラチェット歯82Aとの係合をもたらす。
【0300】
さらにまた、
図48に示すように、ペダリングトルクT1が駆動回転方向D11においてスプロケット支持体28に入力されると、複数の内側ヘリカルスプライン歯80H1は、第1軸方向D21においてスプロケット支持体28に対して複数の外側ヘリカルスプライン歯46によってガイドされる。これにより、複数の第1ラチェット歯80Aの複数の第2ラチェット歯82Aとの係合を強くもたらす。この状態において、ペダリングトルクT1は、第1ラチェット部材80および第2ラチェット部材82を介して(
図44)スプロケット支持体28からハブ体36へと伝達される(
図44)。
【0301】
図48に示すように、第1ラチェット部材80は、惰性走行中に付勢部材84(
図44)と第1ラチェット部材80との間に発生する回転摩擦力F6によって第2ラチェット部材82から係合解除するようにガイド部28Gに接触する。
図49に示すように、惰性トルクT2は、惰性走行中に駆動回転方向D11においてハブ体36に作用する。惰性トルクT2は、第2ラチェット部材82(
図44)を介してハブ体36(
図44)から第1ラチェット部材80へと伝達される。このとき、複数の内側ヘリカルスプライン歯80H1は、第2軸方向D22においてスプロケット支持体28に対して複数の外側ヘリカルスプライン歯46によってガイドされる。これにより、付勢力F5に抗して第2軸方向D22においてスプロケット支持体28に対して第1ラチェット部材80を移動させる。したがって、第1ラチェット部材80は、第2軸方向D22において第2ラチェット部材82から離れるように移動し、複数の第1ラチェット歯80Aと複数の第2ラチェット歯82Aとの間の係合が弱くなる。これにより、第2ラチェット部材82が駆動回転方向D11において第1ラチェット部材80に対して回転するのを可能とし、惰性トルクT2が第1ラチェット部材80および第2ラチェット部材82を介してハブ体36からスプロケット支持体28へと伝達されるのを防止する。このとき、複数の第1ラチェット歯80Aは、周方向D1において複数の第2ラチェット歯82Aと摺動する。
【0302】
変形例
図50に示すように、上記実施形態および他の変形例において、外側スプライン歯40は、周方向D1において外側スプライン駆動面48と外側スプライン非駆動面50との間に設けられる溝40Gを含んでいてもよい。溝40Gは、自転車用リアハブ組立体12の重量を低減する。
【0303】
図51に示すように、上記実施形態および他の変形例において、内側スプライン歯64は、周方向D1において内側スプライン駆動面66と内側スプライン非駆動面68との間に設けられる溝64Gを含んでいてもよい。溝64Gは、自転車用リアスプロケット組立体14の重量を低減する。
【0304】
本願において、上記実施形態においては、少なくとも10本の内側スプライン歯は、第2スプロケットSP3およびSP4のそれぞれの第2開口に直接設けられるが、少なくとも10本の内側スプライン歯は、第2スプロケットの第2開口に間接的に設けられてもよい。例えば、第2スプロケットSP3および/または第2スプロケットSP4の第2開口に少なくとも10本の内側スプライン歯を直接設ける代わりに、第2スプロケットSP3およびSP4のうちの少なくとも一方が、少なくとも10本の内側スプライン歯を有するスプロケット支持部材に取り付けられていてもよい。あるいは、第2スプロケットの第2開口に少なくとも10本の内側スプライン歯を直接設ける代わりに、少なくとも1つの第2スプロケットが、1つの単一部材として、少なくとも10本の内側スプライン歯を含む少なくとも1つの追加スプロケットと一体に形成されていてもよい。そのような第2スプロケットは、スプロケット支持部材および/または追加スプロケットを介して少なくとも10本の内側スプライン歯を間接的に含むので、それはまた、第2スプロケットが自転車用リアハブ組立体のスプロケット支持体と係合するように構成される少なくとも10本の内側スプライン歯を含むことを意味する。
【0305】
自転車用リアスプロケット組立体14は、上記実施形態においては、2つの第1スプロケットSP1およびSP2を含むが、自転車用リアスプロケット組立体14が1つの第1スプロケットのみまたは2つよりも多くの第1スプロケットを含んでいてもよい。
【0306】
自転車用リアスプロケット組立体14は、上記実施形態においては、2枚の第2スプロケットSP3およびSP4を含んでいるが、自転車用リアスプロケット組立体14は、1枚の第2スプロケットのみ、または2枚よりも多くの第2スプロケットを含んでいてもよい。
【0307】
図52に示すように、スプロケット支持体28において、少なくとも10本の外側スプライン歯40の総数は、22本〜24本の範囲内であってもよい。例えば、少なくとも10本の外側スプライン歯40の総数は、23本であってもよい。第1外側ピッチ角PA11は、13度〜17度の範囲内であってもよい。例えば、第1外側ピッチ角PA11は、15度であってもよい。第2外側ピッチ角PA12は、28度〜32度の範囲内であってもよい。例えば、第2外側ピッチ角PA12は、30度であってもよい。第1外側ピッチ角PA11は、第2外側ピッチ角PA12の半分である。しかし、第1外側ピッチ角PA11は、第2外側ピッチ角PA12の半分とは異なっていてもよい。少なくとも10本の外側スプライン歯40の総数は、上記変形例および範囲に限定されない。第1外側ピッチ角PA11は、上記変形例および範囲に限定されない。第2外側ピッチ角PA12は、上記変形例および範囲に限定されない。
【0308】
図53に示すように、スプロケット支持体28において、複数の外側スプライン駆動面48の径方向長さRL11の合計は、11mm〜14mmの範囲内であってもよい。複数の外側スプライン駆動面48の径方向長さRL11の合計は、12.5mmであってもよい。追加径方向長さRL12の合計は、26mm〜30mmの範囲内であってもよい。例えば、追加径方向長さRL12の合計は、28.2mmであってもよい。しかし、追加径方向長さRL12の合計は、上記変形例および範囲に限定されない。
【0309】
図54に示すように、第1スプロケットSP1の第1トルク伝達構造SP1Tにおいて、少なくとも10本の第1トルク伝達歯SP1T1の総数は、22本〜24本の範囲内であってもよい。例えば、少なくとも10本の第1トルク伝達歯SP1T1の総数は、23本であってもよい。しかし、少なくとも10本の第1トルク伝達歯SP1T1の総数は、上記変形例および範囲に限定されない。
【0310】
図55に示すように、第1スプロケットSP2の第2トルク伝達構造SP2Tにおいて、少なくとも10本の第2トルク伝達歯SP2T1の総数は、22本〜24本の範囲内であってもよい。例えば、少なくとも10本の第2トルク伝達歯SP2T1の総数は、23本であってもよい。しかし、少なくとも10本の第2トルク伝達歯SP2T1の総数は、上記変形例および範囲に限定されない。
【0311】
図56に示すように、第1スプロケットSP2において、第1スプロケットSP2の少なくとも10本の内側スプライン歯63の総数は、22本〜24本の範囲内であってもよい。例えば、第1スプロケットSP2の少なくとも10本の内側スプライン歯63の総数は、23本であってもよい。しかし、少なくとも10本の内側スプライン歯63の総数は、上記変形例および範囲に限定されない。
【0312】
図57に示すように、第2スプロケットSP3において、第2スプロケットSP3の少なくとも10本の内側スプライン歯64の総数は、22本〜24本の範囲内であってもよい。例えば、第2スプロケットSP3の少なくとも10本の内側スプライン歯64の総数は、23本であってもよい。しかし、少なくとも10本の内側スプライン歯64の総数は、上記変形例および範囲に限定されない。
【0313】
図58に示すように、第2スプロケットSP4において、第2スプロケットSP4の少なくとも10本の内側スプライン歯65の総数は、22本〜24本の範囲内であってもよい。例えば、第2スプロケットSP4の少なくとも10本の内側スプライン歯65の総数は、23本であってもよい。しかし、少なくとも10本の内側スプライン歯65の総数は、上記変形例および範囲に限定されない。
【0314】
図59に示すように、第2スプロケットSP3の少なくとも10本の内側スプライン歯64において、第1内側ピッチ角PA21は、13度〜17度の範囲内であってもよい。例えば、第1内側ピッチ角PA21は、15度であってもよい。第2内側ピッチ角PA22は、28度〜32度の範囲内であってもよい。例えば、第2内側ピッチ角PA22は、30度であってもよい。第1内側ピッチ角PA21は、第2内側ピッチ角PA22の半分であってもよい。しかし、第1内側ピッチ角PA21は、第2内側ピッチ角PA22の半分とは異なっていてもよい。第1内側ピッチ角PA21は、上記変形例および範囲に限定されない。第2内側ピッチ角PA22は、上記変形例および範囲に限定されない。
【0315】
図60に示すように、第2スプロケットSP3の複数の内側スプライン歯64において、複数の内側スプライン駆動面66の径方向長さRL21の合計は、11mm〜14mmの範囲内であってもよい。例えば、複数の内側スプライン駆動面66の径方向長さRL21の総数は、12.5mmであってもよい。しかし、径方向長さRL21の合計は、上記変形例および範囲に限定されない。追加径方向長さRL22の合計は、26mm〜29mmの範囲内であってもよい。例えば、追加径方向長さRL22の合計は、27.6mmである。しかし、追加径方向長さRL22の合計は、本実施形態および上記範囲に限定されない。第1スプロケットSP2の複数の内側スプライン歯63および第2スプロケットSP4の複数の内側スプライン歯65は、第2スプロケットSP3の複数の内側スプライン歯64のものと同じ機構を有する。
【0316】
図61に示すように、スプロケット支持部材37の内側スプライン歯76は、
図57、
図59および
図60に示す第2スプロケットSP3の内側スプライン歯64のものと同じ機構を有していてもよい。スプロケット支持部材37の少なくとも10本の内側スプライン歯76の総数は、22本〜24本の範囲内であってもよい。例えば、スプロケット支持部材37の少なくとも10本の内側スプライン歯76の総数は、23本であってもよい。しかし、少なくとも10本の内側スプライン歯76の総数は、上記変形例および範囲に限定されない。
図60に示す複数の内側スプライン歯64の機構は、スプロケット支持部材37の複数の内側スプライン歯76に適用可能である。
【0317】
図62に示すように、自転車用リアスプロケット組立体14は、追加スプロケットSP13を備えていてもよい。追加スプロケットSP13は、複数の連結部材SP13Rによって追加スプロケットSP12に連結される。追加スプロケットSP13は、スプロケット体SP13Aおよび少なくとも1本のスプロケット歯SP13Bを含む。追加スプロケットSP13のスプロケット体SP13Aは、複数の連結部材SP13Rによって追加スプロケットSP12のスプロケット体SP12Aに連結される。少なくとも1つのスプロケット歯SP13Bは、スプロケットSP13Aから径方向外側に延びる。少なくとも1本のスプロケット歯SP13Bの総数は、少なくとも1本のスプロケット歯SP12Bの総数よりも多い。好ましくは、少なくとも1本のスプロケット歯SP13Bの総歯数は、46本以上である。より好ましくは、少なくとも1本のスプロケット歯SP13Bの総歯数は、50本以上である。例えば、少なくとも1本のスプロケット歯SP13Bの総歯数は54本である。
【0318】
スプロケットSP1〜SP13のスプロケット歯SP1B〜SP13Bの歯輪郭は、従来の歯輪郭および/または狭い−広い歯輪郭を有していてもよい。具体的には、狭い/広い歯輪郭として、スプロケットSP1〜SP13のスプロケット歯SP1B〜SP13Bはまた、第1軸方向最大チェーン係合幅をそれぞれ有する少なくとも1本の第1歯と、第1軸方向最大チェーン係合幅よりも小さい第2軸方向最大チェーン係合幅をそれぞれ有する少なくとも1つの第2歯と、を含んでいてもよい。第1軸方向最大チェーン係合幅および第2軸方向最大チェーン係合幅は、軸方向D2に沿って測定される。第1軸方向最大チェーン係合幅は、自転車用チェーン20の一対のインナーリンクプレートによって定義される軸方向インナーリンク空間よりも大きく、自転車用チェーン20の一対のアウターリンクプレートによって定義される軸方向アウターリンク空間よりも小さい。自転車用チェーン20がスプロケットSP1〜SP13のうちの1つと係合するときに、一対のアウターリンクプレートは、軸方向D2において互いに向かい合っている。第2軸方向最大チェーン係合幅は、自転車用チェーン20の一対のインナーリンクプレートによって定義される軸方向インナーリンク空間よりも小さい。したがって、少なくとも1本の第1歯は、自転車用チェーン20がスプロケットSP1〜SP13のうちの1つと係合するときに、軸方向D2において互いに向かい合う一対のアウターリンクプレートと係合するように構成され、少なくとも1つの第2歯は、軸方向D2において互いに向かい合う一対のインナーリンクプレートと係合するように構成される。好ましくは、少なくとも1つの第1歯および少なくとも1つの第2歯は、スプロケットSP1〜SP13のうちの少なくとも1つの外周において交互に配置される。好ましくは、スプロケットSP1〜SP13のスプロケット歯SP1B〜SP13Bは、上述した第1軸方向最大チェーン係合幅をそれぞれ有する複数の第1歯と、上述した第2軸方向最大チェーン係合幅をそれぞれ有する複数の第2歯と、を含む。好ましくは、複数の第1歯および複数の第2歯は、スプロケットSP1〜SP13のうちの少なくとも1つの外周に交互に配置される。好ましくは、最大スプロケットのスプロケット歯は、そのようなナロー・ワイドの歯の形状を有していてもよい。したがって、
図6におけるスプロケットSP12のスプロケット歯SP12Bまたは
図62におけるスプロケットSP13のスプロケット歯SP13Bは、上述した第1軸方向最大チェーン係合幅を有する第1歯および上述した第2軸方向最大チェーン係合幅を有する少なくとも1つの第2歯のうちの少なくとも一方を含むことが好ましい。
【0319】
本願においては、「備える」およびその派生語は、構成要素の存在を説明する非制限用語であり、記載されていない他の構成要素の存在を排除しない。これは、「有する」、「含む」およびそれらの派生語にも適用される。
【0320】
「〜部材」、「〜部」、「〜要素」、「〜体」、および「〜構造」という文言は、単一の部分や複数の部分といった複数の意味を有し得る。
【0321】
「第1」や「第2」などの序数は、単に構成を識別するための用語であって、他の意味(例えば特定の順序など)は有していない。例えば、「第1要素」があるからといって「第2要素」が存在することを暗に意味するわけではなく、また「第2要素」があるからといって「第1要素」が存在することを暗に意味するわけではない。
【0322】
ここで用いられる「一対の」という用語は、一対の要素が同じ形状や構造を有する場合に加えて、一対の要素が異なる形状や構造を有する場合も包含する。
【0323】
程度を表す「実質的に」、「約」、および「およそ」などの文言は、最終結果が大きく変わらないような合理的なずれ量を意味し得る。本願に記載される全ての数値は、「実質的に」、「約」、および「およそ」などの文言を含むように解釈され得る。
【0324】
上記の開示内容から考えて、本発明の種々の変更や修正が可能であることは明らかである。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本願の具体的な開示内容とは別の方法で本発明が実施されてもよい。