特許第6670393号(P6670393)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6670393不等壁厚手袋を製造するための雌型金型及びそれによって製造された手袋
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670393
(24)【登録日】2020年3月3日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】不等壁厚手袋を製造するための雌型金型及びそれによって製造された手袋
(51)【国際特許分類】
   A41D 19/04 20060101AFI20200309BHJP
   A41D 19/015 20060101ALI20200309BHJP
   A41D 19/00 20060101ALI20200309BHJP
   B29C 41/40 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
   A41D19/04
   A41D19/015 140
   A41D19/04 B
   A41D19/00 Z
   B29C41/40
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-546733(P2018-546733)
(86)(22)【出願日】2016年11月10日
(65)【公表番号】特表2018-536780(P2018-536780A)
(43)【公表日】2018年12月13日
(86)【国際出願番号】CN2016105261
(87)【国際公開番号】WO2017088667
(87)【国際公開日】20170601
【審査請求日】2018年7月6日
(31)【優先権主張番号】201510831861.9
(32)【優先日】2015年11月25日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518184269
【氏名又は名称】インスティチュート オブ マテリアルズ, チャイナ アカデミー オブ エンジニアリング フィジクス
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF MATERIALS, CHINA ACADEMY OF ENGINEERING PHYSICS
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ポンチォン
(72)【発明者】
【氏名】シュ ドゥイゴン
(72)【発明者】
【氏名】リァオ イーチュァン
【審査官】 姫島 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04135867(US,A)
【文献】 特開2006−007627(JP,A)
【文献】 特開平08−117949(JP,A)
【文献】 特開2013−189727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 19/04
A41D 19/00
A41D 19/015
B29C 41/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース(1)、腕部(2)、手掌部(3)及び手指部を含み、前記ベース(1)、前記腕部(2)、前記手掌部(3)及び前記手指部が順次接続されて、前記手掌部(3)が掌部(4)及び前記掌部(4)と接続された手背部(5)を含み、前記手指部が親指部(6)、人差し指部(7)、中指部(8)、薬指部(9)及び小指部(10)を含み、前記手背部(5)上には第1凹部(11)が設けられ、前記第1凹部(11)の深さが0.3〜1.5mmであり、
前記親指部(6)の前記手背部(5)に位置する側には、第2凹部(12)が設けられ、前記人差し指部(7)の前記手背部(5)に位置する側には、第2凹部(12)が設けられ、又は、前記親指部(6)、前記人差し指部(7)、前記中指部(8)、前記薬指部(9)及び前記小指部(10)の手背部(5)に位置する側には、それぞれ第2凹部(12)が設けられており、
前記第2凹部(12)と前記第1凹部(11)とが接続され、前記第2凹部(12)の深さが0.3〜1.5mmであり、
前記第1凹部(11)と前記第2凹部との表面(12)には、それぞれ親水性コーティングが施され、前記親水性コーティングの厚さは1〜300μmであることを特徴とする不等壁厚手袋を製造するための雌型金型。
【請求項2】
前記掌部(4)と前記手背部(5)とが、一体成型されていることを特徴とする請求項1に記載の不等壁厚手袋を製造するための雌型金型。
【請求項3】
前記腕部(2)及び前記手掌部(3)のそれぞれが中空構造であることを特徴とする請求項1に記載の不等壁厚手袋を製造するための雌型金型。
【請求項4】
前記腕部(2)、前記手掌部(3)及び前記手指部のそれぞれは、セラミックス材料又は金属材料で製造されていることを特徴とする請求項1に記載の不等壁厚手袋を製造するための雌型金型。
【請求項5】
前記親指部(6)における前記第2凹部(11)の面積は、前記親指部(6)の前記手背部(5)に位置する側の面積の0.1〜0.7倍であることを特徴とする請求項1に記載の不等壁厚手袋を製造するための雌型金型。
【請求項6】
前記人差し指部(7)における前記第2凹部(11)の面積は、前記人差し指部(7)の前記手背部(5)に位置する側の面積の0.1〜0.7倍であることを特徴とする請求項1に記載の不等壁厚手袋を製造するための雌型金型。
【請求項7】
前記親指部(6)、前記人差し指部(7)、前記中指部(8)、前記薬指部(9)及び前記小指部(10)における前記第2凹部(12)の面積のそれぞれは、前記親指部(6)、前記人差し指部(7)、前記中指部(8)、前記薬指部(9)及び前記小指部(10)の前記手背部(5)に位置する側の面積の0.1〜0.7倍であることを特徴とする請求項1に記載の不等壁厚手袋を製造するための雌型金型。
【請求項8】
前記親水性コーティングの接触角が2〜30°であることを特徴とする請求項1に記載の不等壁厚手袋を製造するための雌型金型。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の不等壁厚手袋を製造するための雌型金型によって製造された手袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は防護器具分野に関し、特に放射線防護製品分野に関し、具体的には不等壁厚手袋を製造するための雌型金型及びそれによって製造された手袋である。
【0002】
本発明は不等壁厚防護手袋を製造することでき、特に不等壁厚X線防護手袋の製造について、製造された手袋が画像下治療及び整形外科手術中に医師の手背部位を防護することに使用でき、より良い防護効果と応用可能性を有する。
【背景技術】
【0003】
原子力産業及び核医学に使用される放射線防護用ゴム手袋は等壁厚手袋であり、一般的には通常手袋金型を用いて全体浸漬法によって製造される。
【0004】
より良好な効果を達成するため、通常手袋金型を用いて全体浸漬法によって製造された手袋は、一般的にはより重厚で、手術を行う場合、医師の操作感に影響を与える。
【0005】
特許文献1は、離型が容易なフィルム手袋金型を公開し、その手袋金型の手掌部分が粗い表面状であり、粗い表面が均一に分布した円弧状凹み部に構成されることにより、そのフィルム手袋を離型しやすくなる。
【0006】
特許文献2は、浸漬式のステンレス鋼手袋金型を公開し、その手袋金型は一体構造であり、金型の腕部にはアームサポートが設置され、その金型を簡単に製造できるという特徴を有する。
【0007】
特許文献3は、TPE手袋の製造に用いる金型を公開し、その金型が手掌金型及び腕金型を含み、腕金型の上に一周分の内凹リング溝が形成され、その金型により製造された手袋の開け口部分が窄まった形をしており、その金型により製造された手袋が使用者の腕を容易に締め付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国実用新案公告第97225793.4号明細書
【特許文献2】中国実用新案公告第200620124744.5号明細書
【特許文献3】中国特許出願公開第201410578601.0号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
出願人は研究により、X線の臨床応用において、X線が外科医の手背部分に対する放射線損傷にとって最も重大であることを発見した。
【0010】
しかしながら、既存の等壁厚鉛防護手袋を使用する場合、柔軟性が乏しく、医師にとって柔軟な操作性という要求を満たすことができないため、医師は既存の等壁厚鉛防護手袋を着用したくないことがある。
【0011】
従って、より優れたX線防護効果を有し、医師にとって柔軟な操作性という要求を満たす防護手袋すなわち不等壁厚手袋を開発することが急務である。
【0012】
この目的のために、本発明は不等壁厚防護手袋を製造するための金型を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、以下のとおりである。
【0014】
従来のX線防護に用いられる等壁厚手袋が普通の金型を浸漬して製造され、不等壁厚手袋を製造できないという問題点について、不等壁厚手袋を製造するための雌型金型及びそれによって製造された手袋を提供する。
【0015】
本発明の雌型金型を用いると、手袋を局所的に厚くすることを実現できる。従って有効な防護を可能としつつ、手袋の柔軟性が確保される。
【0016】
同時に、本発明の雌型金型を用いて製造された不等壁厚手袋によって手袋の手背を局所的に厚くすることが実現できる、画像下治療などの環境で医師の手背を防護する要件を満たし、特にX線に対する防護要件を満たすことができる。
【0017】
本発明は設計が妥当であり、使用に便利で、一回のみ浸漬すると不等壁厚手袋を製造することができ、より良い応用可能性を有する。
【0018】
上記の目的を実現するため、本発明は以下のとおりの技術手段を採用する。
【0019】
不等壁厚手袋を製造するための雌型金型であって、ベース、腕部、手掌部(掌と手の甲とに対応する部分)及び手指部を含む。前記ベース、腕部、手掌部及び手指部が順次接続され、前記手掌部が掌部(掌のみに対応する部分)及び掌部と接続された手背部(手の甲のみに対応する部分)を含み、前記手指部が親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部を含み、前記手背部上には第1凹部が設けられ、前記第1凹部の深さが0.3〜1.5mmである。
【0020】
前記親指部の手背部側に第2凹部が設けられており、前記人差し指部の手背部側に第2凹部が設けられており、又は、前記親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部の手背部側にそれぞれ第2凹部が設けられている。
【0021】
前記第2凹部が第1凹部に接続され、前記第2凹部の深さは0.3〜1.5mmである。
【0022】
前記第1凹部及び第2凹部の表面にそれぞれ親水性コーティングが形成されており、前記親水性コーティングの厚さは1〜300μmである。
【0023】
前記掌部と手背部が一体成型されたものである。
【0024】
前記腕部、手掌部がそれぞれ中空構造を有している。
【0025】
前記腕部、手掌部及び指部がそれぞれセラミックス材料又は金属材料で製造されたものである。
【0026】
前記親指部上の第2凹部の面積が親指部の手背部側の面積の0.1〜0.7倍である。
【0027】
前記人差し指部上の第2凹部の面積が人差し指部の手背部側の面積の0.1〜0.7倍である。
【0028】
前記親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部上の第2凹部の面積がそれぞれ親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部の手背部側の面積の0.1〜0.7倍である。
【0029】
前記親水性コーティングの接触角が2〜30°である。
【0030】
前記不等壁厚手袋を製造するための雌型金型によって製造された手袋である。
【0031】
前記問題について、本発明が不等壁厚手袋を製造するための雌型金型とそれによって製造された手袋を提供する。
【0032】
その雌型金型がベース、腕部、手掌部及び指部を含み、ベース、腕部、手掌部及び指部が順次接続されてなるものである。
【0033】
そのうち、手掌部が掌部、及び、掌部と接続された手背部を含み、指部が親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部を含み、手背部上に第1凹部が設けられ、第1凹部の深さが0.3〜1.5mmである。
【0034】
この金型を用いて製造された手袋の手背部分を厚くすることができ、従って、医師の手背を有効に防護することを可能としつつ、手袋の他の部分の柔軟性を確保して、効果的に防護及び使用の柔軟性を兼ね備えることを特徴として、より良い応用可能性を有する。
【0035】
本発明に提供された雌型金型が不等壁厚手袋を製造することができ、従って手袋の手背を局所的に厚くすることを実現し、画像下治療等の環境で医師の手背を防護する要件を満たす。
【0036】
更に、親指部の手背部側に第2凹部が設けられ、又は人差し指品の手背部側に第2凹部が設けられ、第2凹部と第1凹部が接続されて、第2凹部の深さが0.3〜1.5mmである。
【0037】
また、親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部のそれぞれ手背部側に第2凹部が設けられ、第2凹部と第1凹部が接続され、第2凹部の深さが0.3〜1.5mmであり、親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部上にある第2凹部の面積は、それぞれ親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部の手背部側の面積の0.1〜0.7倍である。
【0038】
前記構造を採用して、雌型金型の後半指節背及び手背部を凹ませて、指の前半指節背より薄くて、斜面で徐々に凹ませている状態で、ラテックスを収容できる浅溝を形成し(すなわち第1凹部及び第2凹部)、浅溝の深さが0.3〜1.5mmである。
【0039】
この金型を用いて製造された手袋は、手袋の手背及び手背と接続される後半指節を局所的に厚くなり、他の部分が薄いことにより、手袋の柔軟性を確保しつつ、効果的に手背及び後半指節を防護して、より良い防護効果を有する。
【0040】
さらに、第1凹部及び第2凹部の表面に親水性コーティングがそれぞれ形成されており、親水性コーティングの厚さは1〜300μmである。
【0041】
親水性コーティングの接触角が2〜30°である
【0042】
固体表面の親水性又は濡れ性は、表面の化学組成及び表面マイクロモルフォロジーによって決定され、一般的には接触角の大きさによって測定される。
【0043】
接触角は、固体表面上に滴り落ちた液滴による三相界面で形成される角度を指す。
【0044】
一般的には、接触角が90°より小さい表面は、親水性表面と定義され、表面が濡れ性を有する。逆に接触角が90°より大きい表面は、疎水性表面と定義され、表面が濡れ性を有しない。表面の接触角が0°に近い場合は、超親水性表面と呼ばれる。
【0045】
本発明では、第1凹部及び第2凹部の表面に親水性コーティングがそれぞれ形成されており、多孔質吸水性表面を形成する。
【0046】
親水性コーティングを設けることにより、第1凹部及び第2凹部の表面の接触角が2〜30°となり、雌型金型の他の表面には親水性コーティングが形成されていないため、雌型金型の浅溝(すなわち第1凹部及び第2凹部)以外の他の表面の接触角は30〜70°である。
【0047】
上記構成に基づいて、第1凹部及び第2凹部の表面の親水性又は濡れ性が他部分の表面より優れているため、親水性が強くてより多い凝固剤及びラテックスを負荷させることができる。
【0048】
本発明の手袋製造方法によれば、一回のみの浸漬で成型可能である。
【0049】
この雌型金型を用いて不等壁厚手袋を製造する概略手順は以下のとおりである。
【0050】
(1)雌型金型を洗浄して乾燥させた後、凝固剤に浸漬してから乾燥させる。(2)手順(1)の雌型金型をゴムラテックス又は浸漬エマルジョンに浸漬した後、硬化して乾燥させ、最初のビレットを得る。(3)手順(2)の雌型金型を加硫、脱型及び乾燥させる。仕上がった手袋は手背部分が厚く、他の部分がより薄い。
【0051】
本発明は不等壁厚防護手袋を製造することでき、特に不等壁厚X線防護手袋の製造について、製造された手袋が画像下治療及び整形外科手術を行う際に医師の手背部位の防護に使用でき、より良い防護効果と応用可能性を有する。
【0052】
また、腕部及び手掌部がそれぞれ中空構造を有しており、掌部及び手背部が一体成型されたものである。
【0053】
中空構造を採用することで金型の質量を軽くすることに有益である。
【0054】
腕部、手掌部及び指部がそれぞれセラミックス材料又は金属材料で製造される。
【0055】
セラミック材料を用いて雌型金型を作製する場合には、静圧成型、通常鋳造、ロストワックス鋳造、焼結成型又はホットダイカストなどの方法を採用することができ、金属材料を用いて雌型金型を作製する場合は電鋳、通常鋳造、機械加工、ロストワックス鋳造又はラピッドプロトタイピングなどの方法で作製できる。
【0056】
前記の構造により、本発明に実現された手袋を局所的に厚くするメカニズムが主に以下の三つの内容に基づく。
【0057】
一つ目は第1凹部及び第2凹部がより多いラテックスを収容できるため、厚くすることを実現すること、二つ目は第1凹部及び第2凹部の表面の親水性がより良好であり、より多いラテックスを負荷させることができること、三つ目は第1凹部及び第2凹部の表面の親水性がより優れているため、より多い凝固剤を負荷させることができ、凝固剤の吸水性が良いので、ラテックスを浸漬したらもっとラテックスを負荷させることができることである。
【0058】
前記三つの作用により、本発明が手袋を局所的に厚くすることをより良好に実現でき、防護効果に優れ、柔軟な操作性がある不等壁厚手袋を製造できる。
【0059】
また、本発明は、前記不等壁厚手袋を製造するための雌型金型によって製造された手袋を提供する。
【0060】
手袋の肉厚部分の厚さが0.3〜2.5mmであってよく、非肉厚部分の厚さが0.1〜0.3mmであってよい。
【発明の効果】
【0061】
要するに、本発明の雌型金型を用いると不等壁厚手袋を製造することができ、製造された防護手袋は防護効果が良好であり柔軟な操作性があるという特徴を有し、特にX線に対する防護要件を満たす。
【0062】
本発明の雌型金型が第1凹部及び第2凹部を有することにより、局所防護を実現でき、且つ指腹部分が比較的薄いため、柔軟な操作性を確保できる。
【0063】
本発明によって製造された手袋は特に画像下治療及び整形外科手術に適し、手袋の柔軟性を確保できるし、有効な防護もできるし、従って広範な医療従事者に実用的且つ有効な保護を提供する。
【0064】
本発明によって製造された手袋の肉厚部分の厚さが0.3〜2.5mmであってよく、非肉厚部分の厚さが0.1〜0.3mmであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
以下、実施形態を介して図面と併せて本発明について説明する。
【0066】
図1】実施形態1の側面図である。
図2図1の正面図である。
図3図2のA−A方向の断面図である。
図4図2のB−B方向の断面図である。
図5】実施形態2の正面図である。
図6図5のA−A方向の断面図である。
図7図5のB−B方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
互いに矛盾する特徴/ステップ以外、本明細書に開示されるすべて特徴及び方法や過程中のステップを任意に組み合わせることができる。
【0068】
本明細書に開示されたいずれの特徴も、特に記載しない限り、他の同等の特徴又は同様の目的の特徴に置き換えることができる。
【0069】
すなわち、特に記載しない限り、各特徴は一連の同等又は同様の特徴の一例としているだけである。
【0070】
<実施形態1>
図面に示すように、雌型金型は、ベース、腕部、手掌部 及び指部を含む。ベース、腕部、手掌部及び指部が順次接続されて一体構成をしている。腕部と手掌部が中空構造を有している。
【0071】
指部は、親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部を含む。
【0072】
手背部の上に第1凹部が設けられ、親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部のそれぞれ手背部側には、第2凹部が設けられている。第2凹部が第1凹部に接続されている。第1凹部及び第2凹部の深さがそれぞれ0.3〜1.5mmである。
【0073】
親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部上にある第2凹部の面積は、それぞれ親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部の手背部側の面積の0.5倍である。
【0074】
第1凹部及び第2凹部の表面にそれぞれ親水性コーティングが形成されている。親水性コーティングの厚さは1〜300μmである。
【0075】
本実施形態において、雌型金型はロストワックス鋳造法よりAl23セラミックス材料で製造されている。雌型金型の表面の接触角は30〜70°である。
【0076】
プラズマスプレー法より、TiO2セラミックス材料で親水性コーティングが形成されている。親水性コーティングによって、接触角が2〜30°の多孔質吸水性表面が形成されている。
【0077】
本実施形態において、親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部の手背部側にそれぞれ第2凹部が設けられている。すなわち指部の前半指節背側が通常の厚さであり、手背部と接続された後半指節背側を凹ませることにより、手袋の指部分が肉厚になることを実現する。
【0078】
図3図2のA−A方向の断面図を示している。図3から分かるように、手背部の上に第1凹部が設けられている。第1凹部によって手袋の手背部分を厚くすることができる。
【0079】
また、ベース上には接続孔が設けられている。その接続孔は貫通孔又はねじ穴であり、接続孔によって容易に手袋の金型をベースに固定することができる。
【0080】
また、本実施形態の雌型金型を用いて製造される手袋の製造手順は以下の通りである。
【0081】
(1)雌型金型を洗浄して乾燥させた後、質量分率が3〜20%のCaCl2水溶液である凝固剤に浸漬する。その後乾燥させる。
【0082】
(2)手順(1)の雌型金型をエマルジョンに浸した後、成型して乾燥させる。
【0083】
浸漬エマルジョンが典型的であるが限定されない、主に天然ゴムラテックス、配合剤及び放射線防護材料Bi23を含むスラリーの混合物で構成され、配合剤が主に加硫剤、加硫助剤、酸化防止剤、補強剤及び軟水の混合物で構成される。
【0084】
(3)手順(2)の雌型金型を加硫し、脱型し、乾燥させて手袋完成品を得る。
【0085】
本実施形態において製造された手袋は、肉厚部分の厚さが0.3〜2.5mmであり、非肉厚部分の厚さが0.1〜0.3mmである。
【0086】
<実施形態2>
図面に示すように、雌型金型は、ベース、腕部、手掌部及び指部を含む。ベース、腕部、手掌部及び指部が順次接続されて一体構成をしている。腕部と手掌部が中空構造を有している。
【0087】
指部は、親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部を含む。
【0088】
本実施形態において、手背部上に第1凹部が設けられ、親指部及び人差し指部のそれぞれの手背部側に第2凹部が設けられている。第2凹部が第1凹部に接続されている。第1凹部及び第2凹部の深さがそれぞれ0.3〜1.5mmである。
【0089】
実施形態1と異なり、本実施形態では親指部及び人差し指部のみに第2凹部が設けられている。
【0090】
親指部、人差し指部上にある第2凹部の面積がそれぞれ親指部、人差し指部の手背部側の面積の0.5倍である。
【0091】
第1凹部及び第2凹部の表面には親水性コーティングがそれぞれ形成されていて、親水性コーティングの厚さは100〜200μmである。
【0092】
本実施形態において、雌型金型がロストワックス鋳造法によりステンレス鋼材料で製造され、雌型金型の表面の接触角が30〜70°となっている。
【0093】
親水性コーティングがプラズマスプレー法より、ステンレス鋼材料で形成され、親水性コーティングが多孔質吸水性表面を形成し、接触角が2〜30°となっている。
【0094】
また、本実施形態の雌型金型を用いて製造される手袋の製造手順は以下の通りである。
【0095】
(1)雌型金型を洗浄して乾燥させた後、質量分率が3〜20%のCaCl2水溶液である凝固剤に浸漬する。その後乾燥させる。
【0096】
(2)手順(1)の雌型金型をエマルジョンに浸した後、成型して乾燥させる。
【0097】
浸漬エマルジョンが典型的であるが限定されない、主にカルボキシ基ブチロニトリルラテックス、配合剤及び放射線防護材料WO3を含むペーストの混合物で構成され、配合剤が主に加硫剤、加硫助剤、補強剤及び軟水の混合物で構成される。
【0098】
(3)手順(2)の雌型金型を加硫し、脱型し、乾燥させて手袋完成品を得る。
【0099】
本実施形態において製造された手袋は、肉厚部分の厚さが0.3〜2.5mmであり、非肉厚部分の厚さが0.1〜0.3mmである。
【0100】
本実施形態における雌型金型を一回のみ浸漬することで不等壁厚手袋を製造でき、操作が便利、簡単且つ迅速であり、共に製造された不等壁厚手袋が操作の柔軟性を確保することを可能としつつ、効果的に医師を保護することができ、特にX線に対する防護要件を満たすことができ、より良い応用可能性を有する。
【0101】
本発明は前記具体的な実施形態に限定されていない。本発明は、本明細書に開示された任意の新しい特徴又は任意の新しい組み合わせ、及び開示された任意の新しい方法又は過程の手順、又は任意の新しい組み合わせに拡張することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 ベース
2 腕部
3 手掌部
4 掌部
5 手背部
6 親指部
7 人差し指部
8 中指部
9 薬指部
10 小指部
11 第1凹部
12 第2凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7