【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、以下のとおりである。
【0014】
従来のX線防護に用いられる等壁厚手袋が普通の金型を浸漬して製造され、不等壁厚手袋を製造できないという問題点について、不等壁厚手袋を製造するための雌型金型及びそれによって製造された手袋を提供する。
【0015】
本発明の雌型金型を用いると、手袋を局所的に厚くすることを実現できる。従って有効な防護を可能としつつ、手袋の柔軟性が確保される。
【0016】
同時に、本発明の雌型金型を用いて製造された不等壁厚手袋によって手袋の手背を局所的に厚くすることが実現できる、画像下治療などの環境で医師の手背を防護する要件を満たし、特にX線に対する防護要件を満たすことができる。
【0017】
本発明は設計が妥当であり、使用に便利で、一回のみ浸漬すると不等壁厚手袋を製造することができ、より良い応用可能性を有する。
【0018】
上記の目的を実現するため、本発明は以下のとおりの技術手段を採用する。
【0019】
不等壁厚手袋を製造するための雌型金型であって、ベース、腕部、手掌部(掌と手の甲とに対応する部分)及び手指部を含む。前記ベース、腕部、手掌部及び手指部が順次接続され、前記手掌部が掌部(掌のみに対応する部分)及び掌部と接続された手背部(手の甲のみに対応する部分)を含み、前記手指部が親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部を含み、前記手背部上には第1凹部が設けられ、前記第1凹部の深さが0.3〜1.5mmである。
【0020】
前記親指部の手背部側に第2凹部が設けられており、前記人差し指部の手背部側に第2凹部が設けられており、又は、前記親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部の手背部側にそれぞれ第2凹部が設けられている。
【0021】
前記第2凹部が第1凹部に接続され、前記第2凹部の深さは0.3〜1.5mmである。
【0022】
前記第1凹部及び第2凹部の表面にそれぞれ親水性コーティングが形成されており、前記親水性コーティングの厚さは1〜300μmである。
【0023】
前記掌部と手背部が一体成型されたものである。
【0024】
前記腕部、手掌部がそれぞれ中空構造を有している。
【0025】
前記腕部、手掌部及び指部がそれぞれセラミックス材料又は金属材料で製造されたものである。
【0026】
前記親指部上の第2凹部の面積が親指部の手背部側の面積の0.1〜0.7倍である。
【0027】
前記人差し指部上の第2凹部の面積が人差し指部の手背部側の面積の0.1〜0.7倍である。
【0028】
前記親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部上の第2凹部の面積がそれぞれ親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部の手背部側の面積の0.1〜0.7倍である。
【0029】
前記親水性コーティングの接触角が2〜30°である。
【0030】
前記不等壁厚手袋を製造するための雌型金型によって製造された手袋である。
【0031】
前記問題について、本発明が不等壁厚手袋を製造するための雌型金型とそれによって製造された手袋を提供する。
【0032】
その雌型金型がベース、腕部、手掌部及び指部を含み、ベース、腕部、手掌部及び指部が順次接続されてなるものである。
【0033】
そのうち、手掌部が掌部、及び、掌部と接続された手背部を含み、指部が親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部を含み、手背部上に第1凹部が設けられ、第1凹部の深さが0.3〜1.5mmである。
【0034】
この金型を用いて製造された手袋の手背部分を厚くすることができ、従って、医師の手背を有効に防護することを可能としつつ、手袋の他の部分の柔軟性を確保して、効果的に防護及び使用の柔軟性を兼ね備えることを特徴として、より良い応用可能性を有する。
【0035】
本発明に提供された雌型金型が不等壁厚手袋を製造することができ、従って手袋の手背を局所的に厚くすることを実現し、画像下治療等の環境で医師の手背を防護する要件を満たす。
【0036】
更に、親指部の手背部側に第2凹部が設けられ、又は人差し指品の手背部側に第2凹部が設けられ、第2凹部と第1凹部が接続されて、第2凹部の深さが0.3〜1.5mmである。
【0037】
また、親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部のそれぞれ手背部側に第2凹部が設けられ、第2凹部と第1凹部が接続され、第2凹部の深さが0.3〜1.5mmであり、親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部上にある第2凹部の面積は、それぞれ親指部、人差し指部、中指部、薬指部及び小指部の手背部側の面積の0.1〜0.7倍である。
【0038】
前記構造を採用して、雌型金型の後半指節背及び手背部を凹ませて、指の前半指節背より薄くて、斜面で徐々に凹ませている状態で、ラテックスを収容できる浅溝を形成し(すなわち第1凹部及び第2凹部)、浅溝の深さが0.3〜1.5mmである。
【0039】
この金型を用いて製造された手袋は、手袋の手背及び手背と接続される後半指節を局所的に厚くなり、他の部分が薄いことにより、手袋の柔軟性を確保しつつ、効果的に手背及び後半指節を防護して、より良い防護効果を有する。
【0040】
さらに、第1凹部及び第2凹部の表面に親水性コーティングがそれぞれ形成されており、親水性コーティングの厚さは1〜300μmである。
【0041】
親水性コーティングの接触角が2〜30°である
【0042】
固体表面の親水性又は濡れ性は、表面の化学組成及び表面マイクロモルフォロジーによって決定され、一般的には接触角の大きさによって測定される。
【0043】
接触角は、固体表面上に滴り落ちた液滴による三相界面で形成される角度を指す。
【0044】
一般的には、接触角が90°より小さい表面は、親水性表面と定義され、表面が濡れ性を有する。逆に接触角が90°より大きい表面は、疎水性表面と定義され、表面が濡れ性を有しない。表面の接触角が0°に近い場合は、超親水性表面と呼ばれる。
【0045】
本発明では、第1凹部及び第2凹部の表面に親水性コーティングがそれぞれ形成されており、多孔質吸水性表面を形成する。
【0046】
親水性コーティングを設けることにより、第1凹部及び第2凹部の表面の接触角が2〜30°となり、雌型金型の他の表面には親水性コーティングが形成されていないため、雌型金型の浅溝(すなわち第1凹部及び第2凹部)以外の他の表面の接触角は30〜70°である。
【0047】
上記構成に基づいて、第1凹部及び第2凹部の表面の親水性又は濡れ性が他部分の表面より優れているため、親水性が強くてより多い凝固剤及びラテックスを負荷させることができる。
【0048】
本発明の手袋製造方法によれば、一回のみの浸漬で成型可能である。
【0049】
この雌型金型を用いて不等壁厚手袋を製造する概略手順は以下のとおりである。
【0050】
(1)雌型金型を洗浄して乾燥させた後、凝固剤に浸漬してから乾燥させる。(2)手順(1)の雌型金型をゴムラテックス又は浸漬エマルジョンに浸漬した後、硬化して乾燥させ、最初のビレットを得る。(3)手順(2)の雌型金型を加硫、脱型及び乾燥させる。仕上がった手袋は手背部分が厚く、他の部分がより薄い。
【0051】
本発明は不等壁厚防護手袋を製造することでき、特に不等壁厚X線防護手袋の製造について、製造された手袋が画像下治療及び整形外科手術を行う際に医師の手背部位の防護に使用でき、より良い防護効果と応用可能性を有する。
【0052】
また、腕部及び手掌部がそれぞれ中空構造を有しており、掌部及び手背部が一体成型されたものである。
【0053】
中空構造を採用することで金型の質量を軽くすることに有益である。
【0054】
腕部、手掌部及び指部がそれぞれセラミックス材料又は金属材料で製造される。
【0055】
セラミック材料を用いて雌型金型を作製する場合には、静圧成型、通常鋳造、ロストワックス鋳造、焼結成型又はホットダイカストなどの方法を採用することができ、金属材料を用いて雌型金型を作製する場合は電鋳、通常鋳造、機械加工、ロストワックス鋳造又はラピッドプロトタイピングなどの方法で作製できる。
【0056】
前記の構造により、本発明に実現された手袋を局所的に厚くするメカニズムが主に以下の三つの内容に基づく。
【0057】
一つ目は第1凹部及び第2凹部がより多いラテックスを収容できるため、厚くすることを実現すること、二つ目は第1凹部及び第2凹部の表面の親水性がより良好であり、より多いラテックスを負荷させることができること、三つ目は第1凹部及び第2凹部の表面の親水性がより優れているため、より多い凝固剤を負荷させることができ、凝固剤の吸水性が良いので、ラテックスを浸漬したらもっとラテックスを負荷させることができることである。
【0058】
前記三つの作用により、本発明が手袋を局所的に厚くすることをより良好に実現でき、防護効果に優れ、柔軟な操作性がある不等壁厚手袋を製造できる。
【0059】
また、本発明は、前記不等壁厚手袋を製造するための雌型金型によって製造された手袋を提供する。
【0060】
手袋の肉厚部分の厚さが0.3〜2.5mmであってよく、非肉厚部分の厚さが0.1〜0.3mmであってよい。