(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670477
(24)【登録日】2020年3月4日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】ダブル充電ガン充電システムのインテリジェント型エネルギー分配方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20200316BHJP
B60L 53/67 20190101ALI20200316BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20200316BHJP
H02J 7/04 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
H02J7/00 P
B60L53/67
H02J7/02 F
H02J7/04 A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-209946(P2016-209946)
(22)【出願日】2016年10月26日
(65)【公開番号】特開2018-29464(P2018-29464A)
(43)【公開日】2018年2月22日
【審査請求日】2017年3月1日
【審判番号】不服2018-16374(P2018-16374/J1)
【審判請求日】2018年12月7日
(31)【優先権主張番号】105126143
(32)【優先日】2016年8月16日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】508003033
【氏名又は名称】フィホン テクノロジー カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PHIHONG TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チュン−チェン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジァン−シエン
(72)【発明者】
【氏名】イエ,イン−チエ
(72)【発明者】
【氏名】ク,シアオ−トゥン
【合議体】
【審判長】
井上 信一
【審判官】
宮本 秀一
【審判官】
山澤 宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−005341(JP,A)
【文献】
特開2008−199752(JP,A)
【文献】
特表2015−507914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00
H02J7/02
H02J7/04
B60L53/67
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダブル充電ガンを備える充電システムのエネルギー分配方法であって、
該方法は:
a)該充電システムが、第1出力端子と第2出力端子、第1制御モジュールと第2制御モジュール、複数の第1制御スイッチと複数の第2制御スイッチ、及びプレチャージ式の複数の電源モジュール、を含み、
第1制御モジュールと該複数の第1制御スイッチの各々が、第1出力端子へ電気的に接続され、第2制御モジュールと該複数の第2制御スイッチの各々が、第2出力端子へ電気的に接続され、
該複数の電源モジュールの各々が、該複数の第1制御スイッチを介して第1出力端子へ電気的に接続され、及び該複数の第2制御スイッチを介して第2出力端子へ電気的に接続され、
第1制御スイッチのオープンまたはクローズは、第1制御モジュールにより制御され、第2制御スイッチのクローズまたはオープンは、第2制御モジュールにより制御され、
第1制御モジュールが第2制御モジュールと通信する、ダブル充電ガン充電システムを備えること;と
b)第1制御モジュールと第2制御モジュールを利用して、該充電システムの電力出力状況を監視すること;と
c)第1制御モジュールを利用して、第1車両からの充電要求があるかどうかを確認すること(ステップ201);と
d)第1車両からの充電要求がある場合、第2制御モジュールを利用して、第2出力端子の電力を監視することにより、該充電システムの第2出力端子で充電する第2車両があるかどうかを確認すること(ステップ202);と
e)該複数の電源モジュールの一部を利用することにより該充電システムの第2出力端子で充電する第2車両があることを確認した場合、該複数の電源モジュールの残りの電源モジュールを使用して第1出力端子にて第1車両の充電を行うこと(ステップ204);と
f)第1車両の充電中に、第2制御モジュールを利用して、該複数の電源モジュールの一部である余分な電源モジュールが第2出力端子にあるかどうかを確認すること(ステップ206);と
g)該複数の電源モジュールの一部である余分な電源モジュールが第2出力端子にある場合、第1制御モジュールを利用して、第1車両により多くの電力を充電する必要があるかどうかを確認すること(ステップ207);と、及び
h)第1車両により多くの電力を充電する必要がある場合、該複数の第1制御スイッチと該複数の第1制御スイッチを介して第1出力端子へ電気的に接続される該複数の電源モジュールの各々とを作動させることにより、第1出力端子へ該余分な電源モジュールを加えて第1車両の充電を行うこと(ステップ208);とを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
第2車両が該充電システムで充電されていない場合、第1車両が必要とする最大充電電力が、該充電システムが供給することができる最大出力電力を超えているかどうかを確認する(ステップ205)、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1車両が必要とする該最大充電電力が、該充電システムが供給することができる該最大出力電力を超えている場合、該充電システムは、(n−1)個の電源モジュールを第1車両に提供して充電し(ステップ210)、このうちnは、該充電システムにおける電源モジュールの総数を指し、第1車両が必要とする該最大充電電力が、該充電システムが供給することができる該最大出力電力を超えていない場合、該充電システムは、(n−1)個より少ない電源モジュールを第1車両に提供して充電する(ステップ211)、請求項2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車充電技術に関し、より詳しくはダブル充電ガン充電システムのインテリジェント型エネルギー分配方法である。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料自動車のエネルギー源は主に石油に依存している。石油の不足や、燃料自動車が排出する排気ガスが、環境に深刻な汚染を引き起こしていることにより、新しい持続可能な乗り物についての研究に迫られている。持続可能な乗り物として、電気自動車は省エネ効果が顕著であり、エネルギー源の総合利用率が大幅に上昇するだけでなく、環境面での利益も明らかであり、従来の自動車と比較して温室効果ガスが排出されることはない。
【0003】
現在、市場には新しいエネルギー源によるバスが増えてきており、特にバッテリー式電気バスは、段々と従来動力による車両の代わりに使用されてきている。しかし、充電スタンドの制限により、車両の充電位置に対する充電スタンドの需要は次第に多様化しており、したがって充電位置の需要を一致させることを保証することはできない。車両が単一の充電インターフェースの方式を採用している場合、一部の地域の充電リソースは浪費となる。
【0004】
他に、現在の充電設備は電気自動車を1台ごとに充電することしかできず、充電時間が長い。このように、電気自動車は大きい容量の電池を積むことによって、十分な距離の走行を確保することになる。電気自動車を完全に充電する十分な時間は夜にしかなく、電気自動車の充電に費やす時間は、従来の車に給油する時間と比べて非常に長い。したがって時間の浪費となり、電気自動車の使用は不便となる。
【0005】
電気自動車を充電するとき、充電信号の通信方式は一般的に2種類あり、1つはCP信号(すなわち充電効率を制御、確認する信号)を利用して、待機時間に同じ周波数、異なるデューティ比の波形を送信し、デューティ比によってデータタイプを識別する。もう1つは、電気自動車に単一の充電ガンで充電を行うとき、搬送波通信方式を採用してデータ伝送を行う。
【0006】
しかしながら、CP信号を利用して待機時間にデータを送信する方式については、待機時間を待つ必要があり、時間利用率が低く、データの即時性が悪い。充電時に電力線の干渉を受けやすく、さらにはデータを識別することができなくなり、伝送の成功率は低く、信頼性の向上が待たれている。単一の充電ガンで充電し、搬送波でデータを伝送する方式については、高出力の電気自動車の充電では、充電時間が過度に長く、実際の操作に不利である。
【0007】
従来の充電システムの構造および制御方式は比較的複雑であり、さらに効率が悪い。したがって、構造が簡単で、使用が便利なダブル充電ガン充電システムおよび方法を提供して既存の技術を改良する必要がある。さらに産業的に利用される発明を示しており、以下に詳しく述べる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明のインテリジェント型エネルギー分配は、充電器のエネルギー利用を最大化する効果を達成することができる。
【0009】
本発明はダブル充電ガン充電システムにおいて、充電エネルギーを効果的に分配し、最適な充電エネルギーの分配を達成する方法を提供する。
【0010】
ダブル充電ガン充電システムにおいて、1つの充電ガンしか充電していない、またはもう1つの充電ガンのエネルギー出力で、すでに使用されていない電源モジュールがあるとき、本発明は車両の需要に基づいて、最大出力エネルギーを提供して充電することができる。
【0011】
本発明の目的は、ダブル充電ガン充電システムのインテリジェント型エネルギー分配方法を提供することであり、第1車両の充電要求があるかどうかを確認することと;その後、ダブル充電ガン充電システムで充電する第2車両があるかどうかを確認することと;ダブル充電ガン充電システムで充電する第2車両があることを確認した場合、残りの電源モジュールを使用して該第1車両の充電を行うことと;その後、第2出力端に使用することができる余分な電源モジュールがあるかどうかを確認することと;続いて、第1車両に、より多くのエネルギーを充電する必要があるかどうかを確認することと;第1車両に、より多くのエネルギーを充電する必要があることを確認した場合、第2出力端の余分な電源モジュールを加えて第1車両の充電を行うことと、を含む。
【0012】
上記方法は、該ダブル充電ガン充電システムにおける、相互に通信する第1制御モジュールおよび第2制御モジュールを利用して、該ダブル充電ガン充電システムにおけるすべての電源モジュールのエネルギー出力を監視することをさらに含む。
【0013】
上記方法において、ダブル充電ガン充電システムで充電する第2車両がないことを確認した場合、第1車両が必要とする最大充電エネルギーが、ダブル充電ガン充電システムが供給することができる最大エネルギーを超えているかどうかをさらに確認する。第1車両が必要とする最大充電エネルギーが、ダブル充電ガン充電システムが供給することができる最大エネルギーをすでに超えている場合、ダブル充電ガン充電システムは(n−1)個の電源モジュールを第1車両に提供して充電する。このうちnは、ダブル充電ガン充電システムにおける電源モジュールの総数を指す。第1車両が必要とする最大充電エネルギーが、ダブル充電ガン充電システムが供給することができる最大エネルギーを超えていない場合、ダブル充電ガン充電システムは(n−1)個より少ない電源モジュールを第1車両に提供して充電する。
【0014】
もう1つの観点において、ダブル充電ガン充電システムのインテリジェント型エネルギー分配方法は、ダブル充電ガン充電システムの第1制御モジュールが、充電コマンドを受信しているかどうかを確認することと;その後、プレチャージした車両の電池が、所定の電圧に達しているかどうかを判断することと;電池の現在電圧が、該所定の電圧に達していないことを確認した場合、第1制御モジュールが第2制御モジュールと通信して、現在すでに使用されている電源モジュールの数および番号を取得することと;その後、車両の情報を判断して、使用する電源モジュールの数および番号を決定することと;続いて、現在のダブル充電ガン充電システムの出力エネルギーが、車両充電の需要を満たすことができるかどうかを判断することと;満たすことができる場合、車両充電を続けるか、または余分な電源モジュールのエネルギーを放出することと、を含む。
【0015】
別の観点において、現在のダブル充電ガン充電システムの出力エネルギーが、車両充電の需要を満たすことができない場合、第1制御モジュールは第2制御モジュールと通信する。続いて、使用することができる余分な電源モジュールがあるかどうかを判断することをさらに含む。このうち使用することができる余分な電源モジュールがある場合、使用されていない電源モジュールに電圧をプレチャージするコマンドを送信して、車両の電池にプレチャージする該現在電圧までプレチャージする。その後、制御スイッチを接続すると、電源モジュールがエネルギーを該車両に出力して充電する。
【0016】
これらの利点およびその他の利点は、以下の好ましい実施例に関する記載および特許請求の範囲によって、明確に理解することができる。
【0017】
以下に記載する本発明についての詳細な記述および実施例の概要図により、本発明をより充分に理解できるものとする。しかしながら、これは本発明の応用を理解するための参考とすることに限定され、本発明は特定の実施例に限定されないことを理解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例におけるダブル充電ガン充電システムの機能ブロック概要図である。
【
図2】
図2は、本発明のダブル充電ガン充電システムによる自動車充電のフローチャートにおける一実施例の概要図である。
【
図3】
図3は、本発明のダブル充電ガン充電システムによる自動車充電のフローチャートにおける一実施例の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、本発明における発明の具体的実施例およびその観点について詳細に記載する。この記載は本発明の構造または工程を説明するものである。説明するためのものであり、本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。したがって、明細書中の具体的実施例および好ましい実施例以外に、本発明はその他の様々な実施例においても幅広く実行することができる。以下は、特定の具体的実施例により本発明の実施方式を説明しており、当業者は本明細書に示す内容により、本発明の効果およびその利点を容易に理解することができる。本発明は、その他の具体的実施例により利用および実施することもでき、本明細書に詳述する各細部は、様々な需要に基づいて応用することもできる。また、本発明の主旨から逸脱せずに、各種の様々な修飾または変更を行う。
【0020】
本発明は、ダブル充電ガン(充電ガンA、充電ガンB)充電システムにおいて、充電エネルギーを効果的に分配し、最適な充電エネルギーの分配を達成するシステムおよび方法を提供する。2つの中央監視ユニット(CSU、center supervised unit)を利用して、充電システムの電力出力状態を監視する。単一の充電ガン(充電ガンA)しか出力しないとき、自動車充電の電流需要に基づいて、内部の出力継電器(Relay)を調整し、最大エネルギーを自動車に供給して充電する。自動車がすでに充電状態にあり、もう1台の自動車も充電を要求するとき、中央監視ユニットは充電ガンAの出力状態に基づいて、出力継電器を調整し、充電ガンAの余分な出力モジュールのエネルギーを充電ガンBに提供して使用する。
【0021】
1人目の使用者がいずれか1つの出力端を選択して自動車の充電を行うとき、制御モジュール(CSU A)が自動車と通信し、出力するエネルギーを決定して継電器を接続する数を制御する。1台の自動車のみが充電を行っている状況では、自動車の需要に基づいて、最多で(n−1)個の電源モジュールの継電器を接続し、自動車に提供して充電することができる。充電する必要がある自動車がもう1台あるとき、もう1つの制御モジュール(CSU B)が、残りの電源モジュールを第2出力端から該自動車に提供して充電する。第1出力端のエネルギー出力を低下させる必要があるとき、第1端の継電器を切断することができ、さらに第2端の継電器を接続し、余分な充電モジュールのエネルギーを第2出力端に提供して使用する。詳しい充電工程は、以下の
図2および
図3に関する記載を参考にすることができる。
【0022】
図1は、本発明の一実施例におけるダブル充電ガン充電システムの機能ブロック概要図を示している。ダブル充電ガン充電システムは、2個の電源出力端(第1出力端、第2出力端)、第1制御モジュール100、第2制御モジュール110、複数の電源モジュール120、130、140、150、160、複数の第1制御スイッチ170、171、172、173、174、複数の第2制御スイッチ180、181、182、183、184を含む。第1制御モジュール100および各第1制御スイッチ170、171、172、173、174は第1出力端に電気的に接続され、例えば接続線を介して電気的に接続される。第1制御モジュール100は、各第1制御スイッチ170、171、172、173、174とも電気的に接続される。第2制御モジュール110および各複数の第2制御スイッチ180、181、182、183、184は、第2出力端に電気的に接続され、例えば接続線により電気的に接続される。第2制御モジュール110は、各第2制御スイッチ180、181、182、183、184とも電気的に接続される。各電源モジュールは、第1電源出力端に接続される複数の第1制御スイッチの1つ、および第2電源出力端に接続される複数の第2制御スイッチの1つと電気的に連結する。本実施例において、電源モジュール120は第1制御スイッチ170および第2制御スイッチ180に電気的に連結し;電源モジュール130は、第1制御スイッチ171および第2制御スイッチ181に電気的に連結し;電源モジュール140は、第1制御スイッチ172および第2制御スイッチ182に電気的に連結し;電源モジュール150は、第1制御スイッチ173および第2制御スイッチ183に電気的に連結し;電源モジュール160は、第1制御スイッチ174および第2制御スイッチ184に電気的に連結する。言い換えると、第1制御スイッチ170がクローズ(closed)のとき、電源モジュール120は第1出力端から電力供給して出力し;第2制御スイッチ180がクローズのとき、電源モジュール120は第2出力端から電力供給して出力する。第1制御スイッチ171がクローズのとき、電源モジュール130は第1出力端から電力供給して出力し;第2制御スイッチ181がクローズのとき、電源モジュール130は第2出力端から電力供給して出力する。第1制御スイッチ172がクローズのとき、電源モジュール140は第1出力端から電力供給して出力し;第2制御スイッチ182がクローズのとき、電源モジュール140は第2出力端から電力供給して出力する。第1制御スイッチ173がクローズのとき、電源モジュール150は第1出力端から電力供給して出力し;第2制御スイッチ183がクローズのとき、電源モジュール150は第2出力端から電力供給して出力する。第1制御スイッチ174がクローズのとき、電源モジュール160は第1出力端から電力供給して出力し;第2制御スイッチ184がクローズのとき、電源モジュール160は第2出力端から電力供給して出力する。第1制御スイッチがオープン状態のとき(opened)、電源モジュールは第1出力端に電力供給しない。第2制御スイッチがオープン状態のとき、電源モジュールは第2出力端に電力供給しない。第1制御スイッチ170、171、172、173、174のクローズまたはオープンは、第1制御モジュール100により制御され、第2制御スイッチ180、181、182、183、184のクローズまたはオープンは、第2制御モジュール110により制御される。
【0023】
第1制御モジュール100および第2制御モジュール110は中央監視ユニット(CSU)であり、充電システムのエネルギー出力を監視し、さらに自動車と通信する。このうち第1制御モジュール100と第2制御モジュール110との間は、無線の方式により通信することができる。例を挙げると、第1制御モジュール100は第1無線モジュールを有し、第2制御モジュール110は第2無線モジュールを有し、第1無線モジュールと第2無線モジュールとの間は、無線により信号を送信および受信することができる。上記第1制御スイッチ、第2制御スイッチは継電器、パワーMOSFET(Power MOSFET)、またはその他のスイッチ機能を備えた素子を含む。継電器は電子制御素子であり、自動制御回路に応用される。継電器は比較的小さい電流で、比較的大きい電流を制御することができる自動スイッチである。そのため回路において、継電器は自動調節、安全保護、回路の変換……などの作用に用いることができる。例を挙げると、継電器の種類は、電圧継電器、電流継電器、時間継電器、温度継電器、速度継電器、圧力継電器、電磁式継電器、誘導型継電器、電流力計型継電器、電子式継電器、熱継電器または光継電器を含む。
【0024】
図2を参照されたい。
図2は、本発明のダブル充電ガン充電システムにおける自動車充電のフローチャートを示している。工程200で、相互に通信する第1制御モジュール(CSU A)100および第2制御モジュール(CSU B)110を利用して、充電システムにおけるすべての電源モジュールのエネルギー出力を監視する。工程201で、充電を要求する使用者がいるかどうかの事項、例えば、この自動車の充電を要求する自動車の使用者がいるかを確認する。充電を要求する使用者がいない場合、工程203で、ダブル充電ガン充電システムは待機状態にある。充電を要求する使用者がいる場合、工程202で、本ダブル充電ガン充電システムで充電しているその他の車両があるかどうかをさらに確認する。この工程において、電源出力端(第1出力端、第2出力端)でその他の車両に電力を供給している電源モジュールがあるかどうかを確認する。充電しているその他の車両がないことを確認した場合、工程205で、充電しようとする車両が必要とする最大充電エネルギーが、本ダブル充電ガン充電システムが供給することができる最大エネルギーを超えているかどうかをさらに確認する。ここで、最大エネルギーは、ダブル充電ガン充電システムの全ての電源モジュールが供給することができる総エネルギーを指す。超えている場合、工程210で、ダブル充電ガン充電システムは、(n−1)個の電源モジュールを該車両に提供して充電し;超えていない場合、工程211で、ダブル充電ガン充電システムは、適当な数(n−1個より少ない)の電源モジュールを該車両に提供して充電する。電源モジュールのエネルギーの提供は、その対応する制御スイッチがクローズして起動する。このうちnは、ダブル充電ガン充電システムの電源モジュールの数を指す。
【0025】
充電しているその他の車両があることを確認した場合、工程204で、残りの(使用されていない)電源モジュールを使用して、該車両を充電する(例えば、第1出力端で充電する)。続いて、工程206で、もう1つの出力端(例えば、第2出力端)に、使用することができる余分な電源モジュールがあるかどうかをさらに確認する。もう1つの出力端(例えば、第2出力端)に、使用することができる余分な電源モジュールがすでにないことを確認した場合、工程204に戻り、残りの電源モジュールを使用して該車両を充電する。もう1つの出力端(例えば、第2出力端)に、使用することができる余分な電源モジュールがあることを確認した場合、工程207で、該車両に、より多くのエネルギーをさらに充電する必要があるかどうかをさらに確認する。該車両に、より多くのエネルギーを充電する必要がないことを確認した場合、工程209で、元の数の電源モジュールを維持して該車両を充電する。該車両に、より多くのエネルギーを充電する必要があることを確認した場合、工程208で、元の出力端(例えば、第1出力端)で充電する以外に、もう1つの出力端(例えば、第2出力端)の余分な電源モジュールを加えて、該車両の充電を行う。
【0026】
一実施例について述べると、上記工程200〜211の実行(判断または決定)は、第1制御モジュール100および/または第2制御モジュール110によって実施される。
【0027】
図3を参照されたい。
図3は、本発明のダブル充電ガン充電システムにおける自動車充電のフローチャートを示している。工程300で、第1制御モジュール(CSU A)が充電コマンドを受信しているかどうかを確認する。充電コマンドを受信していない場合、工程302で、充電を停止する。充電コマンドを受信している場合、工程301で、電池の要求電圧に達しているかどうかをさらに確認(判断)する。例えば、プレチャージした車両の電池の現在電圧が、設定した(所定の)電池の要求電圧に達しているかどうかを判断する。電池の現在電圧が、設定した電池の要求電圧にすでに達していることを確認した場合、工程303で、充電を停止する。電池の現在電圧が、電池の要求電圧に達していないことを確認した場合、工程304で、第1制御モジュール(CSU A)が第2制御モジュール(CSU B)と通信して、現在すでに使用されている電源モジュールの数および番号を取得する。例えば、
図1の電源モジュール120、130、140、150、160を番号付けることができる。すでに使用されている電源モジュールの数および番号を取得した後、続いて、工程305で、自動車の情報を判断して、使用する電源モジュールの数および番号を決定する。一実施例において、この自動車の情報は、プレチャージした車両における現在の電池の電圧であり、充電を行うのに必要な電源モジュールの個数、充電に必要な時間を計算または判断する。必要とする電源モジュールの数を決定した後、工程306で、現在のダブル充電ガン充電システムの出力エネルギーが、自動車充電の需要を満たすことができるかどうかを判断する。満たすことができる場合、工程307で、自動車の充電を続けるか、または余分な電源モジュールのエネルギーを放出する。電源モジュールのエネルギーの放出は、その対応する制御スイッチを切断することにより実行する。工程301で、電池が要求電圧に達していると判断したとき、工程303で充電を停止する。
【0028】
他に、工程306で、現在のダブル充電ガン充電システムの出力エネルギーが、自動車充電の需要を満たすことができない場合、工程308で、第1制御モジュール(CSU A)は第2制御モジュール(CSU B)と通信する。第1制御モジュール(CSU A)および第2制御モジュール(CSU B)により、現在すでに充電を行っている電源モジュールの数および番号を理解することができる。そのため、続いて、工程309で、使用することができる余分な電源モジュールがあるかどうかを判断する。使用することができる余分な電源モジュールがある場合、工程310で、使用されていない電源モジュールに電圧をプレチャージするコマンドを送信して、現在電圧(自動車の電池にプレチャージする該電圧)までプレチャージする。その後、工程311で、制御スイッチ(継電器)を接続し、電源モジュールはエネルギーを自動車に出力して充電する。工程301で、電池が要求電圧に達していると判断したとき、工程303で充電を停止する。
【0029】
一実施例について述べると、上記工程300〜311の実行(判断または決定)は、第1制御モジュール100および/または第2制御モジュール110によって実施される。
【0030】
上記は、本発明の好ましい実施例である。当業者はこれが本発明を説明するためのものであり、本発明が主張する特許請求の範囲を限定しないことを理解することができる。その特許の保護範囲は、後に添付する特許請求の範囲およびその同等の領域によって決まるべきである。当業者が本特許の主旨または範囲を逸脱せずに行う変更または潤色は、いずれも本発明で示す主旨の下で行った同等の変更または設計に属しており、以下の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0031】
100 第1制御モジュール
110 第2制御モジュール
120 電源モジュール
130 電源モジュール
140 電源モジュール
150 電源モジュール
160 電源モジュール
170 第1制御スイッチ
171 第1制御スイッチ
172 第1制御スイッチ
173 第1制御スイッチ
174 第1制御スイッチ
180 第2制御スイッチ
181 第2制御スイッチ
182 第2制御スイッチ
183 第2制御スイッチ
184 第2制御スイッチ
200 CSU A/Bが通信し、エネルギー出力を監視する
201 充電を要求する使用者がいるかどうか
202 充電しているその他の車両があるかどうか
203 待機
204 残りの電源モジュールを使用してエネルギーを充電する
205 車両が必要とする最大充電エネルギーが、システムが供給する最大エネルギーを超えているかどうかを確認する
206 もう1つの出力端に、使用することができる余分な電源モジュールがあるかどうか
207 車両に、より多くのエネルギーをさらに充電する必要があるかどうか
208 もう1つの出力端の余分な電源モジュールを加えて車両に充電する
209 元の電源モジュールを維持して充電する
210 (n−1)個の電源モジュールを提供してエネルギーを車両に充電する
211 適当な電源モジュールを提供してエネルギーを車両に充電する
300 制御モジュール(CSU A)が充電コマンドを受信しているかどうか
301 電池が要求電圧に達しているかどうかを判断する
302 充電を停止する
303 充電を停止する
304 CSU Bと通信して、現在すでに使用されている電源モジュールの数および番号を取得する
305 自動車の情報を判断して、使用する電源モジュールの数を決定する
306 出力エネルギーが自動車充電の需要を満たしているかどうか
307 充電を続ける、または余分な電源モジュールのエネルギーを放出する
308 CSU Bと通信する
309 使用することができる余分な電源モジュールがあるかどうか
310 使用されていない電源モジュールに現在電圧まで電圧をプレチャージするように送信する
311 継電器を接続してエネルギーを自動車に出力する