(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
[1]実施例
図1は実施例に係る電気クーポン提供システム1の全体構成を表す。電気クーポン提供システム1は、自システムを利用するユーザに電気クーポンを提供することで、商品やサービスの販売を促進するためのシステムである。一般的なクーポンは、ユーザが商品やサービスを購入する際に一定の条件(例えば特定の商品やサービスを購入するという条件など)で利用可能な料金の値引きや無料化などの金銭的な価値のことであるが、本システムで提供される電気クーポンはそれとは異なる。
【0013】
電気クーポンは、ユーザが商品やサービスを購入することで提供され、購入した商品やサービスに関連して電気が使用される際に一定の条件で利用可能な金銭的な価値のことをいう。つまり、一般的なクーポンは商品やサービスを購入するときに利用されるが、電気クーポンは、商品やサービスを購入するときには提供されるだけであり、その後に電気を使用するときに利用されるものである。電気クーポンは、例えば、購入の対象である商品やサービスの販売促進を目的として、それらの商品やサービスに関係する事業者(製造者、卸売業者、小売業者、サービス提供者など)によって提供される。
【0014】
ここでいう電気クーポンの提供者とは、電気クーポンを提供するために必要な金銭的な負担を負う者のことをいい、電気クーポン提供システム1を運用する事業者とは普通は別の者である(もちろん同じ者であってもよい)。典型的には、電気クーポン提供システム1の運用事業者は、各々が電気クーポンを提供する多数の提供者から依頼を受けて、それらの提供者による電気クーポンの提供を支援する。電気クーポンは、商品の購入により提供されてもよいしサービスの購入により提供されてもよいが、本実施例では、説明を簡潔にするため、商品を購入することで提供される電気クーポンについて説明する。
【0015】
電気クーポン提供システム1は、外部ネットワーク2と、HAN(Home Area Network)3と、エッジ・ルータ4と、スマート分電盤40と、電気クーポンサーバ装置10と、スマートフォン20と、エアコン30−1、冷蔵庫30−2、電子レンジ30−3、テレビジョン30−4(以下ではこれらを区別しない場合「電化機器30」という)とを備える。外部ネットワーク2は、例えば移動体通信網及びインターネット等を含み、装置同士のデータのやり取りを仲介するシステムである。外部ネットワーク2には、電気クーポンサーバ装置10が接続されており、スマートフォン20が無線で接続される。
【0016】
HAN3は、家庭内の通信装置を接続し、それらの装置同士のデータのやり取りを仲介するシステムである。HAN3はエッジ・ルータ4を介して外部ネットワーク2に接続されている。HAN3には、電化機器30及びスマート分電盤40が接続されており、スマートフォン20が無線で接続される。電気クーポン提供システム1が備える各装置は、外部ネットワーク2及びHAN3を介してデータ通信が可能となっている。
【0017】
電気クーポンサーバ装置10は、前述した電気クーポンに関する情報を記憶しており、ユーザに電気クーポンを提供したり、ユーザが電気クーポンを利用したりするための処理を行う情報処理装置である。スマートフォン20は、ユーザによって利用される通信端末であり、電気クーポンを取得したり利用したりするための画面を表示して、その画面においてユーザが行う操作を受け付ける。電化機器30は、電気を使用して各種の機能(エアコン30−1は空調機能等、冷蔵庫30−2は冷蔵機能等、電子レンジ30−3は加熱機能等、テレビジョン30−4は映像表示機能等)をユーザに提供する。
【0018】
スマート分電盤40は、屋内配線の幹線を分岐させて分岐配線に電流を供給する。本実施例では、各分岐配線に各電化機器30が別々に接続されているものとする。スマート分電盤40は、各分岐配線を流れる電流の大きさを測定する電流センサと、CPU(Central Processing Unit)とを備え、電流センサが測定した電流の大きさから各電化機器30が消費する電気の使用量を算出する。算出された電気の使用量は、例えば電気クーポンサーバ装置10が行う電気クーポンを利用するための処理において用いられる。
【0019】
電気クーポンは、例えばユーザが電化機器30を購入することで提供される。ユーザは、この電気クーポンを利用すると、例えば購入した電化機器30を利用する際に発生する電気料金の割引や無料化を受けることができる。また、ユーザが電化機器でない商品を購入したときに提供される電気クーポンもある。そのような電気クーポンの1つとして、牛乳を購入したときに提供される電気クーポンがある。ユーザは、この電気クーポンを利用すると、牛乳に関連する電化機器である冷蔵庫30−2を利用する際に発生する電気料金の割引や無料化を受けることができる。
【0020】
図2は電気クーポンサーバ装置10のハードウェア構成を表す。電気クーポンサーバ装置10は、CPU11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、NIC(Network Interface Card)14と、Storage15とを備えるコンピュータである。CPU11は、RAM12をワークエリアとして用いてROM13やStorage15に記憶されているプログラムを実行することで各部の動作を制御する。NIC14は、通信回路を有し、外部ネットワーク2を介して外部装置と通信を行う。Storage15は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体であり、CPU11が制御に用いるデータやプログラムを記憶している。
【0021】
図3はスマートフォン20のハードウェア構成を表す。スマートフォン20は、CPU21と、RAM22と、ROM23と、第1NIC24と、第2NIC25と、フラッシュメモリ26と、タッチスクリーン27と、デジタルカメラ28とを備えるコンピュータである。CPU21からROM23までは
図2に表す同名のハードウェアとそれぞれ共通するものである。第1NIC24は、移動体通信の通信回路を有し、外部ネットワーク2を介して外部装置と通信を行う。
【0022】
第2NIC25は、無線LAN(Local Area Network)の規格に準拠した無線通信の通信回路を有し、HAN3を介して外部装置と通信を行う。フラッシュメモリ26は、Storage15と同様に、CPU21が制御に用いるデータやプログラムを記憶している。タッチスクリーン27は、ディスプレイと、ディスプレイの表面に設けられたタッチパネルとを備え、画像を表示するとともに、ユーザからの操作を受け付ける。デジタルカメラ28は、レンズ及びイメージセンサ等を備え、写真を撮影する。
【0023】
図4は電化機器30のハードウェア構成を表す。電化機器30は、CPU31と、RAM32と、ROM33と、NIC34と、フラッシュメモリ35と、機能提供部36とを備えるコンピュータである。CPU31、RAM32、ROM33、フラッシュメモリ35は
図3に表す同名のハードウェアとそれぞれ共通するものである。NIC34は
図3に表された第2NIC25と共通するハードウェアであり、無線LANの通信を行う。機能提供部36は、自機が提供する機能(上述した空調機能、冷蔵機能、加熱機能、映像表示機能等のうち、自機が提供するもの)を実現するハードウェアである。
【0024】
図5はスマート分電盤40のハードウェア構成を表す。スマート分電盤40は、CPU41と、RAM42と、ROM43と、NIC44と、フラッシュメモリ45と、電流制御部46と、電流センサ47とを備えるコンピュータである。CPU41からフラッシュメモリ45までは
図4に表す同名のハードウェアとそれぞれ共通するものである。電流制御部46は、電流を分岐させる分岐回路を備え、屋内配線の幹線から分岐配線への電流の開閉を制御する。電流センサ47は、各分岐配線を流れる電流を測定するセンサである。
【0025】
電気クーポン提供システム1が備える各装置のCPUがプログラムを実行して各部を制御することで、以下に述べる機能が実現される。
図6は電気クーポン提供システム1の各装置が実現する機能構成を表す。電気クーポンサーバ装置10は、クーポン情報記憶部101と、クーポン登録部102と、登録情報送信部103と、利用開始通知受付部104と、電気使用量特定部105と、電気料金算出部106と、還元料金算出部107と、料金還元処理部108とを備える。スマートフォン20は、商品情報取得部201と、商品情報送信部202と、登録情報記憶部203と、登録情報表示部204と、利用開始操作受付部205と、利用開始通知部206とを備える。スマート分電盤40は、電気使用量算出部401と、電気使用量通知部402とを備える。
【0026】
スマートフォン20の商品情報取得部201は、ユーザが購入した商品を表す商品情報を取得する。商品情報は、例えば商品の製造又は提供をする会社名や商品の名称、商品コード、商品のシリアル番号などを含む情報である。本実施例では、商品情報取得部201は、電気クーポンが提供される商品に割り当てられた商品ID(Identification)を商品情報として取得する。電気クーポンが提供される商品には、商品IDをコード化したQR(Quick Response)コード(登録商標)が添付されている。商品情報取得部201は、
図3に表すデジタルカメラ28が撮影したQRコードを解析して、そのQRコードが表す商品IDを取得する。商品情報取得部201は取得した商品IDを商品情報送信部202に供給する。
【0027】
スマートフォン20の商品情報送信部202は、商品情報取得部201により取得された商品情報(本実施例では商品ID)を、電気クーポンサーバ装置10に送信する。商品情報送信部202は、予め電気クーポンサーバ装置10の宛先(IP(Internet Protocol)アドレスなど)を記憶しており、商品情報取得部201から商品IDが供給されると、記憶している宛先に向けて供給された商品IDを電気クーポンサーバ装置10に送信する。
【0028】
また、商品情報送信部202は、商品IDとともに、自装置を利用するユーザを識別するユーザ識別情報を送信する。本実施例では、電気クーポン提供システム1を利用するユーザに対してユーザIDが割り当てられており、スマートフォン20は自装置を所持するユーザに割り当てられたユーザIDを記憶している。商品情報送信部202は、自装置に記憶されているユーザIDを商品IDとともに電気クーポンサーバ装置10に送信する。
【0029】
電気クーポンサーバ装置10のクーポン情報記憶部101は、電気クーポンに関する情報であるクーポン情報を記憶する。クーポン情報記憶部101は、例えば電気クーポンの内容を表す電気クーポンDB(Data Base)をクーポン情報として記憶する。
図7は電気クーポンDBに格納された情報の一例を表す。
図7の例では、「S001」というエアコンの商品IDに、「C001」というクーポンIDと、電気クーポンの内容として「1週間30%オフ」という金銭的価値と、「エアコン」という対象電化機器と、「1ヶ月」という有効期間とが対応付けられている。このように、本実施例では、1つの商品IDに1つのクーポンIDが対応付けられている。
【0030】
これらの情報は、「S001」という商品IDのエアコンを購入すると、1ヶ月が経過する前のどこかの1週間(どの1週間にするかはユーザが指定する)におけるエアコンの電気料金を30%割引することを意味している。つまりこの電気クーポンは、ユーザが購入した対象の商品(エアコン)が電化機器であり、その電化機器により消費された電気の使用量に応じた価値がユーザに提供されるものである。
【0031】
また、
図7の例では、「S002」という牛乳の商品IDに、「C002」というクーポンIDと、電気クーポンの内容として「50円分無料化」という金銭的価値と、「冷蔵庫」という対象電化機器と、「1週間」という有効期間とが対応付けられている。これらの情報は、「S002」という商品IDの牛乳を購入すると、1週間が経過する前のどこかの時点(どの時点かはユーザが指定する)から冷蔵庫の電気料金が50円分発生するまでその電気料金を無料化することを意味している。この電気クーポンは、ユーザが購入した対象の商品(牛乳)が電化機器でない場合に提供されるものであるが、この対象の商品には関連する電化機器(この例では冷蔵庫)があるため、その電化機器により消費された電気の使用量に応じた価値がユーザに提供される。
【0032】
電気クーポンサーバ装置10のクーポン登録部102は、ユーザが商品を購入した場合に、その購入の履歴を特定する情報(以下「購入履歴特定情報」という)と、一定の条件で利用可能な金銭的な価値である電気クーポンとを対応付けて登録する。クーポン登録部102は本発明の「登録部」の一例である。購入履歴特定情報とは、本実施例では、どのユーザがどの商品を購入したかということを購入履歴として特定することができる情報のことをいう。クーポン登録部102は、購入履歴特定情報として、本実施例ではユーザID及びクーポンIDを用いる(クーポンIDは電気クーポンDBにおいて商品IDに対応付けられており、クーポンIDが分かればどの商品を購入したかという購入履歴が特定できるため)。
【0033】
なお、購入履歴を表す情報は、例えば店舗で用いられているPOS(Point Of Sale)システム等によっても記録されている。しかし、その情報は、例えば商品、購入時刻、購入金額だけを表す場合があり、必ずしも購入したユーザを特定可能な情報とは限らないので、本実施例では購入履歴特定情報として用いられていない。電気クーポン提供システム1においては、スマートフォン20の商品情報送信部202が商品IDとともにユーザIDを送信することで、商品とそれを購入したユーザの両方を特定する購入履歴特定情報が次のように登録されるようになっている。
【0034】
クーポン登録部102には、商品情報送信部202から送信されてきた商品ID及びユーザIDが供給される。クーポン登録部102は、供給された商品IDに電気クーポンDBにおいて対応付けられているクーポンIDを読み出し、その商品IDとともに供給されたユーザIDと、現在の日時とを対応付けて、クーポン登録DBに格納する。クーポン登録DBは、ユーザが商品を購入することで発行される電気クーポンを登録するためのデータベースであり、クーポン情報記憶部101に記憶されている。クーポン登録DBに格納される現在の日時は、電気クーポンが登録された登録日時を表す。
【0035】
図8はクーポン登録DBに登録された情報の一例を表す。
図8の例では、「U015」及び「U067」というユーザIDに「C001」というクーポンIDとそれぞれの登録日時とが対応付けられ、「U031」及び「U181」というユーザIDに「C002」というクーポンIDとそれぞれの登録日時とが対応付けられている。クーポン登録部102は、これらの情報をクーポン登録DBに格納することで、前述した購入履歴特定情報(ユーザID及びクーポンID)と電気クーポン(クーポンIDが割り当てられた電気クーポン)とを対応付けて登録する。クーポン登録部102は、登録した電気クーポンのクーポンIDと、商品情報の送信元(本実施例ではスマートフォン20)の宛先(IPアドレスなど)とを登録情報送信部103に供給する。
【0036】
なお、購入履歴特定情報はこれに限らない。例えばクーポンIDの代わりに商品IDが格納されてもよい(商品IDは電気クーポンDBにおいてクーポンIDに対応付けられており、商品IDが分かれば提供される電気クーポンが特定できるため)。また、商品情報として商品ID及び商品のシリアル番号が取得されて送信されてくる場合には、クーポン登録部102は、商品ID及びシリアル番号を、購入履歴特定情報としてクーポン登録DBに格納してもよい。この場合、そのシリアル番号の商品を購入したユーザは1人に特定されるので、購入履歴が特定される。このように、クーポン登録部102が格納する情報は様々なものが考えられるが、いずれの場合も、ユーザが商品を購入したという行為を一意に特定できる情報(すなわち購入履歴特定情報)と、その行為に対して提供される電気クーポンとが対応付けられるようになっていればよい。
【0037】
電気クーポンサーバ装置10の登録情報送信部103は、クーポン登録部102によって登録された電気クーポンに関する情報である登録情報を、その登録に際して送信されてきた商品情報の送信元(本実施例ではスマートフォン20)に送信する。登録情報送信部103は、クーポン登録部102からクーポンIDが供給されると、そのクーポンIDに電気クーポンDBにおいて対応付けられている電気クーポンの内容と、そのクーポンIDにクーポン登録DBにおいて対応付けられている登録日時とを読み出し、読み出したそれらの情報及びクーポンIDを登録情報として、ともに供給された宛先に対して送信する。
【0038】
スマートフォン20の登録情報記憶部203は、登録情報送信部103から送信されてきた登録情報を記憶する。
図9は登録情報記憶部203が記憶する登録情報の一例を表す。
図9の例では、登録情報記憶部203は、「C001」というクーポンIDと、「1週間30%オフ」という金銭的価値、「エアコン」という対象電化機器及び「1ヶ月」という有効期間を含む電気クーポンの内容と、登録日時とを対応付けて記憶している。
【0039】
スマートフォン20の登録情報表示部204は、登録情報記憶部203が記憶している登録情報を表示する。
図10は登録情報表示部204が表示した登録情報の一例を表す。
図10の例では、登録情報表示部204は、
図3に表すタッチスクリーン27に、現在提供されている電気クーポンとして、「あなたが購入したエアコンの電気料金が1週間30%オフ!(有効期間:登録日時(xxxx)から1ヶ月)」という文字列を表す電気クーポン画像C1を表示している。この電気クーポン画像C1は、
図9に表す登録情報の内容を伝える画像である。
【0040】
また、登録情報表示部204は、「電気クーポンを利用しますか?」という文字列と、「はい」を表す操作子画像A1と、「前画面に戻る」を表す操作子画像とを表示している。操作子画像A1をタップする操作が行われると、スマートフォン20の利用開始操作受付部205は、登録情報表示部204が登録情報を表示した電気クーポンの利用を開始する利用開始操作を受け付ける。利用開始操作受付部205は、利用開始操作を受け付けると、その旨を利用開始通知部206に通知する。
【0041】
スマートフォン20の利用開始通知部206は、利用開始操作受付部205が利用開始操作を受け付けると、登録情報表示部204によって登録情報が表示された電気クーポンの利用を開始する旨を電気クーポンサーバ装置10に対して通知する。具体的には、利用開始通知部206は、利用開始操作受付部205からの通知があると、登録情報表示部204により登録情報が表示されている電気クーポンのクーポンIDを登録情報記憶部203から読み出し、読み出したクーポンIDと、自装置に記憶されているユーザIDとを表す利用開始通知データを電気クーポンサーバ装置10に送信することで、電気クーポンの利用開始の通知を行う。送信された利用開始通知データは、電気クーポンサーバ装置10の利用開始通知受付部104に供給される。
【0042】
電気クーポンサーバ装置10の利用開始通知受付部104は、外部装置(本実施例ではスマートフォン20)から送信されてくる電気クーポンの利用を開始する旨の通知を受け付ける。利用開始通知受付部104は、前述した利用開始通知データが供給されると、クーポン情報記憶部101に記憶されている電気クーポンDB及びクーポン登録DBを参照し、供給された利用開始通知データが表すクーポンID及びユーザIDが格納されていて且つ有効期間が経過していなければ、利用開始通知データが表す利用開始の通知を受け付ける。利用開始通知受付部104は、利用開始通知データが表すクーポンIDに電気クーポンDBで対応付けられている電気クーポンの内容を読み出して、利用開始通知データが表すユーザIDとともに電気使用量特定部105及び還元料金算出部107に供給する。
【0043】
スマート分電盤40の電気使用量算出部401は、各電化機器30が使用する電気の使用量をそれぞれ算出する。電気使用量算出部401は、本実施例では、各電化機器30に電流を供給する分岐配線を流れる電流を測定し、その測定結果から各電化機器30の電気の使用量を算出する。電気使用量算出部401は、決められた時間の間隔で電気の使用量を算出し(単位は例えば電力エネルギーを表すkWh(キロワットアワー))、算出した電気の使用量と、その電気を使用した使用日時と、その電気を使用した電化機器30の種類(例えばエアコン、冷蔵庫、電子レンジ、テレビジョンなどの種類)を識別する機器種類IDとを対応付けて電気使用量通知部402に供給する。
【0044】
電気使用量算出部401による使用量算出の時間間隔は、主に交流電力の周波数と接続された電化機器の無效電力の性質に依存している。電気使用量算出部401は、例えば交流電源の周波数の周期内の時間間隔で電気の使用量を算出する。また、電気使用量算出部401は、上記の例では、kWhを単位として一定時間内のエネルギー積算量を一定時間間隔毎に時系列に算出するが、これに限らず、例えば、電力を表すkWを単位として使用量を算出してもよい。その場合、電気使用量算出部401は、一定時間内の瞬間の電力値列の平均をその時間間隔の特定時点の値とし、その値を時系列に算出する。
【0045】
スマート分電盤40の電気使用量通知部402は、電気使用量算出部401が算出した使用量(各電化機器30が使用する電気の使用量)を、電気クーポンサーバ装置10に通知する。スマート分電盤40は、自装置が設置されている家の居住者に割り当てられているユーザIDとして、本実施例ではスマートフォン20を所持するユーザのユーザIDを記憶している。電気使用量通知部402は、電気使用量算出部401から使用量、使用日時及び機器種類IDが供給されると、供給されたそれらの情報と自装置に記憶されているユーザIDとを表す使用量通知データを電気クーポンサーバ装置10に送信することで上記通知を行う。電気使用量通知部402は、本実施例では電気の使用量が算出される度に(つまり使用量、使用日時及び機器種類IDが供給される度に)この通知を行う。
【0046】
電気クーポンサーバ装置10の電気使用量特定部105は、クーポン登録部102により登録された購入履歴特定情報により履歴が特定される購入の対象(本実施例では購入された商品)に関連して使用された電気の使用量を特定する。電気使用量特定部105は本発明の「特定部」の一例である。電気使用量特定部105には、スマート分電盤40の電気使用量通知部402から送信されてきた使用量通知データが供給される。電気使用量特定部105は、電気クーポンの利用が開始されて利用開始通知受付部104からユーザID及び電気クーポンの内容が供給されると、上記の特定を開始する。
【0047】
電気使用量特定部105は、供給されたユーザIDと、供給された電気クーポンの内容において対象電化機器となっている電化機器の機器種類IDとを表す使用量通知データ(以下ではこれを「クーポン対象の使用量通知データ」という)が供給されると、そのクーポン対象の使用量通知データが表す使用量を、購入の対象に関連して使用された電気の使用量として特定する。電気使用量特定部105は、クーポン対象の使用量通知データが供給される度に使用量の特定を行い、その度に特定した電気の使用量を、その電気が使用された使用日時と、利用開始通知受付部104から供給されたユーザIDとともに電気料金算出部106に供給する。
【0048】
電気使用量特定部105が電気の使用量を特定する電化機器は、上述したように電気クーポンが提供される購入の対象そのものである場合と、そうでない場合とがある。電気使用量特定部105は、電気クーポンが提供される購入の対象が電化機器(例えばエアコン)である場合には、その電化機器により消費された電気の使用量を特定する。また、電気使用量特定部105は、電気クーポンが提供される購入の対象(例えば牛乳)が電化機器ではないがそれに関連する電化機器(例えば冷蔵庫)がある場合には、その電化機器により消費された電気の使用量を特定する。
【0049】
電気クーポンサーバ装置10の電気料金算出部106は、電気使用量特定部105により特定された電気の使用量に対する電気料金を算出する。電気料金は、電力会社との契約形態によってユーザ毎に単価が異なる。本実施例では、ユーザが予め契約形態を電気クーポン提供システム1に登録しており、電気料金算出部106が、ユーザの契約形態に応じた電気料金の曜日毎及び時間帯毎の単価を表す単価テーブルを、そのユーザのユーザIDに対応付けて記憶しているものとする。
【0050】
電気料金算出部106は、電気使用量特定部105から電気の使用量、使用日時及びユーザIDが供給されると、そのユーザIDに対応付けて記憶されている単価テーブルを参照し、供給された使用日時における単価に供給された使用量を乗じた金額を上記電気料金として算出する。電気料金算出部106は、電気料金を算出すると、算出した電気料金と、算出に用いたユーザIDとを還元料金算出部107に供給する。
【0051】
電気クーポンサーバ装置10の還元料金算出部107は、電気使用量特定部105によって特定された使用量に基づき、利用開始通知受付部104によって使用開始通知が受け付けられた電気クーポンを利用したユーザに対して還元すべき還元料金を算出する。還元料金算出部107は、例えば
図7に表す「1週間30%オフ」という金銭的価値の電気クーポンが利用された場合、電気クーポンの利用開始から1週間に渡り特定された使用量に対して算出された電気料金に0.3を乗じた金額を還元料金として算出する。
【0052】
また、還元料金算出部107は、
図7に表す「50円分無料化」という金銭的価値の電気クーポンが利用された場合、電気クーポンの利用開始以降に電気料金算出部106によって算出された電気料金を積算し、50円に達したときに、その50円を還元料金として算出する。還元料金算出部107は、供給された電気料金を用いて還元料金を算出すると、その還元料金を、電気料金とともに供給されたユーザIDとともに料金還元処理部108に供給する。
【0053】
電気クーポンサーバ装置10の料金還元処理部108は、電気使用量特定部105によって特定された電気の使用量に応じて電気クーポンを利用する処理として、還元料金算出部107によって算出された還元料金をユーザに還元する処理を行う。料金還元処理部108は本発明の「処理部」の一例である。本実施例では、ユーザが予め自分の口座を電気クーポン提供システム1に登録しており、料金還元処理部108が、ユーザの口座をそのユーザのユーザIDに対応付けて記憶しているものとする。なお、この口座では、仮想通貨やポイントサービスで提供されるポイント(購入代金の充当や交換に利用可能なもの)が扱われていてもよい。
【0054】
料金還元処理部108は、還元料金算出部107からユーザID及び還元料金が供給されると、そのユーザIDに対応付けて記憶している口座に対して、供給された還元料金を振り込む処理を、前述した電気クーポンを利用する処理として行う。ユーザは、対象電化機器を使用することでその電気の使用量に応じた電気料金を電力会社に支払うが、還元料金が自分の口座に振り込まれることで、実質的に電気料金が還元料金の分だけ値引きされたことになる。このようにして、電気クーポンを利用したユーザに対して、電気クーポンが表す金銭的な価値が提供される。
【0055】
電気クーポン提供システム1が備える各装置は、上記の構成に基づいて、ユーザに電気クーポンを提供する電気クーポン提供処理と、ユーザが電気クーポンを利用する電気クーポン利用処理とを行う。
図11は電気クーポン提供処理における各装置の動作手順の一例を表す。この動作手順は、ユーザが商品を購入してその商品に添付されているQRコード(登録商標)をスマートフォン20で撮影することを契機に開始される。まず、スマートフォン20(商品情報取得部201)は、撮影したQRコードを解析して商品情報を取得する(ステップS11)。
【0056】
次に、スマートフォン20(商品情報送信部202)は、取得された商品情報及び自装置を利用するユーザのユーザIDを電気クーポンサーバ装置10に送信する(ステップS12)。電気クーポンサーバ装置10(クーポン情報記憶部101、クーポン登録部102)は、送信されてきた商品情報及びユーザIDに基づいて例えば
図8に表すクーポン登録DBに情報(ユーザID、クーポンID、登録日時)を格納して、電気クーポンを登録する(ステップS13)。続いて、電気クーポンサーバ装置10(登録情報送信部103)は、登録したクーポンの登録情報を商品情報の送信元であるスマートフォン20に送信する(ステップS14)。スマートフォン20(登録情報記憶部203)は、送信されてきた登録情報を例えば
図9に表すように記憶する(ステップS15)。
【0057】
図12は電気クーポン利用処理における各装置の動作手順の一例を表す。
図12の例では、
図7に表す「C001」に対応付けられた電気クーポンのように、電気クーポンの利用期間が決まっている場合(
図7の例では1週間と決まっている)の動作手順を表す。この動作手順は、ユーザがスマートフォン20に対して電気クーポンの登録情報を表示させる操作を行うことを契機に開始される。まず、スマートフォン20(登録情報表示部204)は、自装置に記憶されている登録情報を例えば
図10に表すように表示する(ステップS21)。次に、スマートフォン20(利用開始操作受付部205)は、ユーザによる電気クーポンの利用を開始する操作を受け付ける(ステップS22)。続いて、スマートフォン20(利用開始通知部206)は、電気クーポンの利用を開始する旨を電気クーポンサーバ装置10に通知する(ステップS23)。
【0058】
電気クーポンサーバ装置10(利用開始通知受付部104)は、スマートフォン20からの電気クーポンの利用開始の通知を受け付ける(ステップS24)。この後、ステップS31からS33までの動作が電気クーポンの利用期間が経過するまで繰り返し行われる。まず、スマートフォン20を所持するユーザの家に設置されたスマート分電盤40(電気使用量算出部401)が、その家に設置された電化機器の電気の使用量を算出する(ステップS31)。次に、スマート分電盤40(電気使用量通知部402)が、算出された電気の使用量を電気クーポンサーバ装置10に通知する(ステップS32)。続いて、電気クーポンサーバ装置10(電気使用量特定部105)は、通知された使用量をユーザが購入した対象に関連して使用された電気の使用量として特定する(ステップS33)。
【0059】
電気クーポンの利用期間が経過すると、電気クーポンサーバ装置10(電気料金算出部106)は、特定された電気の使用量に基づいて電気料金を算出する(ステップS41)。次に、電気クーポンサーバ装置10(還元料金算出部107)は、算出された電気料金からユーザに還元すべき還元料金を算出する(ステップS42)。そして、電気クーポンサーバ装置10(料金還元処理部108)は、算出された還元料金をユーザの口座に振り込む処理を料金還元処理として行う(ステップS43)。
【0060】
図13は電気クーポン利用処理における各装置の動作手順の別の一例を表す。
図13の例では、
図7に表す「C002」に対応付けられた電気クーポンのように、電気クーポンの金銭的価値が決まっていてその価値に電気料金が達するまで電気クーポンが利用される場合の動作手順を表す。この例では、まず、
図12に表すステップS21(登録情報の表示)からステップS24(利用開始通知の受け付け)までの動作が行われる。
【0061】
次に、
図12に表すステップS31(電気使用量の算出)からS33(電気使用量の特定)までの動作が行われた後に、電気クーポンサーバ装置10(電気料金算出部106)が、ステップS33で特定された電気の使用量に基づいて電気料金を算出する(ステップS34)。この例では、ステップS31からS34までの動作が、算出された電気料金が電気クーポンの金銭的な価値に達するまで繰り返される。この価値に電気料金が達すると、
図12に表すステップS42(還元料金の算出)及びS43(料金還元処理)が行われる。
【0062】
本実施例では、ユーザが特定の商品を購入することで電気クーポンが提供され、その商品に関連して使用された電気の使用量に応じた金銭的な価値がユーザに提供される。このため、特定の商品を購入しても電気クーポンが提供されない場合に比べると、電気クーポンが提供される場合の方が、特定の商品が購入されやすくなる。このように、本実施例によれば、特定の商品を購入する動機付けに繋がる価値をユーザに提供することができる。
【0063】
また、本実施例では、特定の商品が電化機器(本実施例におけるエアコンなど)であれば、その電化機器が消費した電気の使用量に応じた価値がユーザに提供される。これにより、電気クーポンが提供されない場合に比べて、購入された商品の使用を促進することができる。また、本実施例では、特定の商品に関連する電化機器(本実施例における冷蔵庫(牛乳に関連する電化機器)など)がある場合には、その関連する電化機器が消費した電気の使用量に応じた価値がユーザに提供される。これにより、電気クーポンが提供されない場合に比べて、商品に関連する電化機器の使用を促進し、結果としてその商品の利用又は消費も促進することができる。
【0064】
[2]変形例
上述した実施例は本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、実施例及び各変形例は、必要に応じて組み合わせて実施してもよい。
【0065】
[2−1]電気の使用量の特定方法
電気使用量特定部105は実施例とは異なる方法で電気の使用量を特定してもよい。例えば、スマート分電盤40の分岐配線に複数の電化機器が接続されている場合には、電気使用量特定部105は、それらの電化機器全体の電気の使用量を各電化機器の消費電力(製品の仕様上の値)の比率で分割した値を算出し、各電化機器の電気の使用量として特定する。なお、電気の使用量の特定にスマート分電盤40は必須ではない。
【0066】
例えば、各電化機器30が自機の電気の使用量を算出して送信する機能を有していれば、その機能により送信されてきた使用量を送信元の電化機器30の電気の使用量として電気使用量特定部105が特定してもよい。また、HEMS(Home Energy Management System)が導入されていれば、そのシステムで用いられるスマートメーター(電力の計測機能と通信機能を備えた装置)により計測された各電化機器の電気の使用量を電気使用量特定部105が特定してもよい。また、消費電力計を有する電源タップが用いられていれば、その電源タップから電源を取っている電化機器の電気の使用量を、消費電力計の計測結果に基づいて電気使用量特定部105が特定してもよい。
【0067】
また、スマートフォン20が電化機器の操作に用いられる場合(スマートフォン20自身が購入対象に関連する電化機器である場合も含む)、例えばスマートフォン20が電化機器の使用を開始する操作を受け付けてから使用を終了する操作を受け付けるまでの使用時間とその電化機器とを電気クーポンサーバ装置10に通知する。電気使用量特定部105は、通知された電化機器の消費電力に通知された使用時間を乗じた値を電気の使用量として特定する。消費電力としては、例えば定格電力が用いられてもよいし、予め測定された平均的な消費電力が用いられてもよい。
【0068】
また、スマートフォン20が電化機器の操作に用いられなくても、例えば購入対象である牛乳を冷蔵庫に入れたときに電化機器の使用開始を記録する操作をユーザがスマートフォン20に対して行い、その牛乳を使い切ったときに電化機器の使用終了を記録する操作をユーザがスマートフォン20に対して行うことで、使用開始から使用終了までの使用時間を用いて電気使用量特定部105が電気の使用量を特定してもよい。
【0069】
また、電気使用量特定部105は、デジタルコンテンツの再生に用いられた電気の使用量を、再生されたコンテンツの本数に応じて特定してもよい。この場合、平均的な再生時間のデジタルコンテンツの再生に要する電気の使用量を予め測定して記憶しておき、スマートフォン等の再生装置からデジタルコンテンツの再生履歴を送信させることで、電気使用量特定部105がその再生履歴が表す再生本数に記憶した使用量を乗じた値を電気の使用量として特定する。また、上述した各方法は組み合わせて用いられてもよい。
【0070】
[2−2]サービスの購入
電気クーポンは、上述したように、実施例のような商品に限らずサービスを購入することで提供されてもよい。例えば、トレーニングジムを利用するサービスが購入されると、そのジムに設置されているマッサージ機(この場合の購入対象に関連する電化機器)を使用する際の電気の使用量に応じた価値としてマッサージ機の使用料の割り引きに利用可能な電気クーポンが提供される。
【0071】
また、健康ランドを利用するサービスが購入されると、髪を乾かすためのドライヤー(この場合の購入対象に関連する電化機器)を使用する際の電気の使用量に応じた価値としてドライヤーの使用料の割り引きに利用可能な電気クーポンが提供される。また、電車やバスへの乗車もサービスの購入の例である。これらの場合は、例えば移動中に使用されるスマートフォンやタブレット端末などの電化機器の電気料金の割り引きに利用可能な電気クーポンが提供される。
【0072】
本変形例では、商品情報(ユーザが購入した商品を表す情報)の代わりにユーザが購入したサービスを表すサービス情報(サービスを提供する会社名やサービス名、サービスに割り当てられたサービスコードなど)が用いられる。例えばユーザがサービスを購入すると、サービス情報をコード化したQRコードを印刷したチケットが店員から渡され、スマートフォン20がそのQRコードを解析してサービス情報を取得するという具合である。本変形例によれば、特定のサービスを購入する動機付けに繋がる価値をユーザに提供することができる。
【0073】
[2−3]購入対象の属性
電気クーポンの内容を購入対象(商品やサービス)の属性に応じて変化させてもよい。
図14は本変形例の電気クーポン提供システム1aの各装置が実現する機能構成を表す。電気クーポン提供システム1aが備える電気クーポンサーバ装置10aは、
図6に表す各部に加えて第1変化部111を備える。第1変化部111は、例えば、購入対象の属性に応じて電気クーポンの価値の大きさを変化させる。ここでいう購入対象とは、購入された商品又は購入されたサービスのことである。第1変化部111は、例えば購入対象の属性と電気クーポンの価値の大きさとを対応付けた価値テーブルを用いる。
【0074】
図15は価値テーブルの一例を表す。
図15の例では、「消費期限まで5日未満」という購入対象の属性に「30%オフ」という価値の大きさが対応付けられ、「消費期限まで5日以上」という購入対象の属性に「20%オフ」という価値の大きさが対応付けられている。
図15の例における購入対象の属性は、例えば消費期限が決められている商品である牛乳の属性である。この例では、商品情報取得部201が牛乳の商品情報として消費期限を取得して、クーポン登録部102がクーポン情報として消費期限を登録する。利用開始通知受付部104は、利用開始通知を受け付けると、クーポン情報記憶部101から消費期限を読み出して第1変化部111に供給する。
【0075】
第1変化部111は、供給された消費期限が表す購入対象の属性に価値テーブルで対応付けられている金銭的価値を読み出し、還元料金算出部107に供給する。第1変化部111は、例えば現在の日時から消費期限までの日数を算出し、算出した日数が5日未満であれば30%オフを供給し、その日数が5日以上であれば20%オフを供給する。還元料金算出部107は、供給された金銭的価値を用いて還元料金を算出する。第1変化部111は、このようにして購入対象の属性に応じて電気クーポンの価値を変化させる。この例では、消費期限が長い商品よりも消費期限が短い商品の電気クーポンの価値を高くして、消費期限が短い商品が売れやすいようにしている。
【0076】
また、第1変化部111は、購入対象の属性に応じて電気クーポンの有効期間の長さ(つまり電気クーポンの価値を利用可能な長さ)を変化させてもよい。
図16は価値テーブルの別の一例を表す。
図16の例では、「消費期限まで5日未満」という購入対象の属性に「5日間」という有効期間が対応付けられ、「消費期限まで5日以上」という購入対象の属性に「消費期限まで」という有効期間が対応付けられている。
【0077】
この例では、第1変化部111は、利用開始通知受付部104から供給された消費期限が表す購入対象の属性に価値テーブルで対応付けられている有効期間を読み出し、利用開始通知受付部104に供給する。利用開始通知受付部104は、利用開始通知データが供給されたときに、第1変化部111から供給された有効期間に基づいて有効期間が経過しているか否かを判断する。この例では、商品の電気クーポンの有効期間を消費期限までの期間としつつ、その期間が5日間よりも短い商品でも5日間は有効期間を確保することで、一律に消費期限までを有効期間とする場合に比べてその商品が購入されやすいようにしている。
【0078】
なお、購入対象の属性は上記のものに限らない。第1変化部111は、例えば購入対象が電化機器である場合に節電機能を有するオプションの有無を属性として用いて、そのオプションを有していれば30%オフ、そのオプションを有していなければ20%オフというように電気クーポンの価値を変化させてもよい。この場合、オプションを購入させる動機付けをすることができる。また、第1変化部111は、購入対象がトレーニングジムを利用するサービスでマッサージ機の使用料を割り引く電気クーポンが提供される場合にロッカー利用の有無を属性として用いて、ロッカー利用があれば30%オフ、ロッカー利用がなければ20%オフというように電気クーポンの価値を変化させてもよい。この場合、ロッカー利用をさせる動機付けをすることができる。
【0079】
[2−4]ユーザの位置
電気クーポンの内容をユーザの位置に応じて変化させてもよい。
図17は本変形例の電気クーポン提供システム1bの各装置が実現する機能構成を表す。電気クーポン提供システム1bが備える電気クーポンサーバ装置10bは、
図6に表す各部に加えて位置検出部121と、第2変化部112とを備える。また、スマートフォン20bは、
図6に表す各部に加えて位置測定部207を備える。以下では、購入対象がエアコンでその電気料金の割り引きに利用可能な電気クーポンが提供され、且つ、ユーザが自宅外からでもスマートフォン20bを用いてエアコンを遠隔操作できる環境を有している場合を例に挙げて説明する。
【0080】
本変形例では、利用開始操作受付部205が電気クーポンの利用開始操作を受け付けるとその旨を位置測定部207に通知する。位置測定部207は、この通知を受け取ったとき、すなわちユーザが電気クーポンの利用を開始する操作を行ったときの自装置の位置を測定する。位置測定部207は、測定した自装置の位置を表す位置データ(緯度及び経度を表すデータ)を電気クーポンサーバ装置10bに送信する。この位置データは位置検出部121に供給される。位置検出部121は、供給された位置データが表す位置を、すなわち購入対象に関連して電気を使用したユーザの位置として検出する。位置検出部121は、検出した位置(緯度及び軽度)を第2変化部112に通知する。
【0081】
第2変化部112は、位置検出部121が検出した位置に応じて電気クーポンの価値の大きさを変化させる。第2変化部112は、例えばユーザの位置と電気クーポンの価値の大きさとを対応付けた価値テーブルを用いる。
図18は本変形例の価値テーブルの一例を表す。
図18の例では、「自宅内」というユーザの位置に「30%オフ」という価値の大きさが対応付けられ、「自宅外」というユーザの位置に「20%オフ」という価値の大きさが対応付けられている。本変形例では、電気クーポン提供システム1bにおいてこのシステムを利用するユーザの住所が登録されており、電気クーポンサーバ装置10bがその住所を記憶している。
【0082】
第2変化部112は、位置検出部121から通知された位置の住所と自装置に記憶されている住所とが一致すればユーザの位置が自宅内と判断し、これらの住所が一致しなければ自宅外と判断する(なお、位置検出の誤差を考慮して両住所が隣接していても自宅内と判断してもよい)。第2変化部112は、この判断結果(自宅内又は自宅外)に価値テーブルで対応付けられている金銭的価値を読み出し、還元料金算出部107に供給する。還元料金算出部107は、供給された金銭的価値を用いて還元料金を算出する。第2変化部112は、このようにしてユーザの位置に応じて電気クーポンの価値を変化させる。
【0083】
自宅外からエアコンを使用するのは、ユーザが自宅に帰る前に予め部屋を冷やしたり暖めたりするためであるが、節電という観点では家に帰ってからエアコンを使用した方がよい。この例では、ユーザが自宅外にいるときよりも自宅内にいるときに電気クーポンを利用した方が価値を高くすることで、節電のためユーザが自宅に着いてからエアコンを使い始めるように仕向けることができる。なお、例えば熱中症の危険があるような時期には、自宅外における価値の方を高くして、価値が反対の場合に比べてエアコンの遠隔操作をしやすくして熱中症を防ぎやすくしてもよい。
【0084】
また、第2変化部112は、検出されたユーザの位置に応じて電気クーポンの対象電化機器の種類を変化させてもよい。以下では、購入対象が映画などのデジタルコンテンツであり、関連する電化機器(デジタルコンテンツを再生する電化機器)がテレビジョン及びスマートフォンである場合を例に挙げて説明する。
図19は本変形例の価値テーブルの別の一例を表す。
図19の例では、「自宅内」というユーザの位置に「テレビジョン」という対象電化機器の種類が対応付けられ、「自宅外」というユーザの位置に「スマートフォン」という対象電化機器の種類が対応付けられている。
【0085】
この例では、第2変化部112は、自宅内と判断した場合には電気使用量特定部105にテレビジョンの電気の使用量を特定するように指示し、自宅外と判断した場合には電気使用量特定部105にスマートフォンの電気の使用量を特定するように指示する。電気使用量特定部105が指示された電化機器の電気の使用量を特定することで、その使用量に応じて電気クーポンを利用する処理が行われる。この例では、自宅内ではデジタルコンテンツの視聴にスマートフォンを用いることもできるが、電気クーポンの価値を上記のとおり変化させることでテレビジョンを用いるように仕向けることができる。
【0086】
また、第2変化部112は、検出されたユーザの位置に応じて電気クーポンの有効期間を変化させてもよい。以下では、購入対象が映画などのデジタルコンテンツである場合を例に挙げて説明する。
図20は本変形例の価値テーブルの別の一例を表す。
図20の例では、「自宅内」というユーザの位置に「1カ月」という有効期間が対応付けられ、「自宅外」というユーザの位置に「1週間」という有効期間が対応付けられている。
【0087】
この例では、第2変化部112は、上記の判断結果(自宅内又は自宅外)に価値データで対応付けられた有効期間を利用開始通知受付部104に供給する。利用開始通知受付部104は、上記変形例と同様に有効期間が経過しているか否かを判断する。この例では、自宅内の方が自宅外よりも有効期間を長くすることで、有効期間が一律の場合に比べて自宅内で電気クーポンを利用するユーザが多くなり、例えばテレビジョンが使用される機会を増やすことができる。
【0088】
[2−5]ユーザの属性
電気クーポンの内容を、購入対象を購入したユーザの属性に応じて変化させてもよい。
図21は本変形例の電気クーポンサーバ装置10cが実現する機能構成を表す。電気クーポンサーバ装置10cは、
図6に表す各部に加えて第3変化部113を備える。本変形例では、電気クーポン提供システムを利用するユーザの属性が登録されており、電気クーポンサーバ装置10cがその属性をユーザIDに対応付けて記憶している。
【0089】
第3変化部113は、購入対象を購入したユーザの属性に応じて電気クーポンの価値の大きさを変化させる。第3変化部113は、例えばユーザの属性と電気クーポンの価値の大きさとを対応付けた価値テーブルを用いる。
図22は本変形例の価値テーブルの例を表す。
図22(a)では、購入対象がエアコンでその電気料金の割り引きに利用可能な電気クーポンが提供される場合に用いられる価値テーブルの例が表されている。この価値テーブルでは、「30歳代以下、60歳代以上」というユーザの属性に「30%オフ」という価値の大きさが対応付けられ、「40歳代、50歳代」というユーザの属性に「20%オフ」という価値の大きさが対応付けられている。
【0090】
第3変化部113は、自装置に記憶されているユーザの属性に価値テーブルで対応付けられている金銭的価値を読み出し、還元料金算出部107に供給することで、ユーザの属性に応じて電気クーポンの価値を変化させる。この例では、消費支出が比較的小さい年代のユーザの金銭的価値を大きくすることで、その年代のユーザの電化機器の使用を促進している。なお、この反対に消費支出が比較的大きい年代のユーザの電化機器の使用を促進してもよい。
【0091】
また、第3変化部113は、上記ユーザの属性に応じて電気クーポンの対象電化機器の種類を変化させてもよい。
図22(b)では、購入対象がデジタルコンテンツである場合に用いられる価値テーブルの例が表されている。この価値テーブルでは、「50歳代以上」というユーザの属性に「テレビジョン」という対象電化機器の種類が対応付けられ、「40歳代以下」というユーザの位置に「スマートフォン」という対象電化機器の種類が対応付けられている。
【0092】
第3変化部113は、自装置に記憶されているユーザの属性に価値テーブルで記憶されている対象電化機器の電気の使用量を特定するように電気使用量特定部105に指示することで、対象電化機器の種類を変化させる。この例では、50歳代以上のユーザには画面が見やすいようにテレビジョンでデジタルコンテンツを見るように仕向けて、40歳代以下のユーザには外出先でも見ることができるようにスマートフォンでデジタルコンテンツを見るように仕向けている。
【0093】
また、第2変化部112は、上記ユーザの属性に応じて電気クーポンの有効期間を変化させてもよい。
図22(c)では、購入対象がデジタルコンテンツである場合に用いられる価値テーブルの例が表されている。この価値テーブルでは、「60歳代以上」というユーザの属性に「1週間」という有効期間が対応付けられ、「50歳代以下」というユーザの属性に「2週間」という有効期間が対応付けられている。
【0094】
第3変化部113は、自装置に記憶されているユーザの属性に価値データで対応付けられた有効期間を利用開始通知受付部104に供給することで、ユーザの属性に応じて有効期間を変化させる。平日は通勤や通学がある50歳代以下のユーザは60歳代以上のユーザに比べてデジタルコンテンツを見る時間を取りにくいので、この例では後者のユーザに比べて有効期間を長くして前者のユーザが電気クーポンを利用しやすいようにしている。
【0095】
なお、ユーザの属性は上記のものに限らない。例えばユーザの性別や居住している地域、通勤や通学の手段、趣味、所持している電化機器などがユーザの属性として用いられてもよい。いずれの場合も、例えば
図22(a)の例のように特定の属性のユーザの電気クーポンの利用(電化機器の使用)を促進するように上記の変化を行ったり、
図22(b)及び(c)の例のように各属性のユーザにとって電気クーポンが利用しやすくなるように上記の変化を行ったりすればよい。
【0096】
[2−6]電力会社の発電余力
電気クーポンの内容を、ユーザの居住地域を管轄する電力会社の発電余力の大きさに応じて変化させてもよい。発電余力の大きさは、電力会社が発電可能な単位時間あたりの最大電力量(ピーク時供給力とも呼ばれる)から単位時間あたりに消費される電気の電力量を減じた値(単位はkWh)や、その値を最大電力量で除した値で表される。以下では後者の値を%で表して用いるものとする。
【0097】
図23は本変形例の電気クーポンサーバ装置10dが実現する機能構成を表す。電気クーポンサーバ装置10dは、
図6に表す各部に加えて発電余力検出部122と、第4変化部114とを備える。発電余力検出部122は、前述した発電余力の大きさを検出する。発電余力検出部122は、各電力会社の電力使用状況を掲載するウェブサイト(例えばエレクトリカル・ジャパンが提供するウェブサイト)にアクセスし、そこに掲載されているピーク時供給力と単位時間あたりの消費電力量から発電余力の大きさを検出する。なお、ウェブサイトにアクセスする代わりに電力使用状況を保持する事業者からこれらの情報を送信してもらってもよい。発電余力検出部122は、検出した発電余力の大きさ(具体的には%の値)を第4変化部114に供給する。
【0098】
第4変化部114は、購入対象に関連して電気が消費される期間における上記発電余力の大きさに応じて電気クーポンの価値の大きさを変化させる。第4変化部114は、例えば発電余力の大きさと電気クーポンの価値の大きさとを対応付けた価値テーブルを用いる。
図24は本変形例の価値テーブルの例を表す。
図24(a)では、購入対象がエアコンでその電気料金の割り引きに利用可能な電気クーポンが提供される場合に用いられる価値テーブルの例が表されている。この価値テーブルでは、「閾値以上」という発電余力の大きさに「30%オフ」という価値の大きさが対応付けられ、「閾値未満」という発電余力の大きさに「20%オフ」という価値の大きさが対応付けられている。
【0099】
第4変化部114は、発電余力検出部122から供給された発電余力の大きさが閾値以上であるか否かを判断し、その判断結果に価値テーブルで対応付けられている金銭的価値を還元料金算出部107に供給することで、発電余力の大きさに応じて電気クーポンの価値を変化させる。この例では、発電余力が閾値より大きい状況では、発電余力が閾値より小さい状況に比べて、ユーザの金銭的価値を大きくして電化機器の使用を促進している。
【0100】
また、第4変化部114は、購入対象に関連して電気が消費される期間における上記発電余力の大きさに応じて電気クーポンの対象電化機器の種類を変化させてもよい。
図24(b)では、購入対象がデジタルコンテンツである場合に用いられる価値テーブルの例が表されている。この価値テーブルでは、「閾値以上」という発電余力の大きさに「テレビジョン」という対象電化機器の種類が対応付けられ、「閾値未満」という発電余力の大きさに「スマートフォン」という対象電化機器の種類が対応付けられている。この例では、発電余力が閾値より大きい状況では消費電力が大きいテレビジョンを用いるように仕向けて、発電余力が閾値より小さい状況では消費電力が小さいスマートフォンを用いるように仕向けている。
【0101】
また、第4変化部114は、購入対象に関連して電気が消費される期間における上記発電余力の大きさに応じて電気クーポンの有効期間を変化させてもよい。この場合、短期間(例えば1時間)での発電余力の大きさではなく、長期間(例えば1カ月)での発電余力の大きさの平均値を用いる。例えば夏・冬は春・秋に比べて発電余力が小さくなる。
図24(c)に表された価値テーブルでは、「閾値以上」という発電余力の大きさに「2週間」という有効期間が対応付けられ、「閾値未満」という発電余力の大きさに「1カ月」という有効期間が対応付けられている。この例では、発電余力が閾値より小さい状況では発電余力が閾値より大きい状況に比べて有効期間を長くして、電気クーポンを利用可能な時期の自由度を高くして電力消費のピークを避けやすくしている。本変形例では、いずれの場合も、電力消費のピークシフトやデマンドレスポンスに寄与することができる。
【0102】
[2−7]価値の時間変化
上述した変形例で用いられたパラメータ(購入対象の属性及びユーザの属性)が特定のパラメータである場合に、電気クーポンの価値を時間の経過とともに変化させてもよい。
図25は本変形例の電気クーポンサーバ装置10eが実現する機能構成を表す。電気クーポンサーバ装置10eは、
図6に表す各部に加えて第5変化部115を備える。
図25の例では、購入対象の属性が商品情報として取得される。
【0103】
第5変化部115は、購入対象の属性が特定のものである場合に、電気クーポンの価値を時間の経過とともに変化させる。第5変化部115は、例えば特定の購入対象の属性と電気クーポンの価値の変化の態様とを対応付けた変化態様テーブルを用いる。
図26は変化態様テーブルの一例を表す。
図26の例では、「消費期限あり」という購入対象の属性(例えば牛乳の属性)に、「登録日から毎日一定額ずつ減少し、消費期限を超えると価値が0になる」という変化態様が対応付けられている。また、「電力消費量の季節依存性あり」という購入対象の属性(例えばエアコンの属性)に、「電力消費量が少ない季節にはそれが多い季節よりも価値を大きくする」という変化態様が対応付けられている。この価値テーブルを用いた場合の価値の変化態様の具体例を
図27に表す。
【0104】
図27は電気クーポンの価値の変化態様の例を表す。
図27の例では、電気クーポンの価値を1日分の電気料金の割引率の大きさで表している(割引率が大きいほど価値が高いということ)。
図27(a)の例では、購入対象が牛乳であり、消費期限が5日間である場合の価値の変化態様が表されている。牛乳が購入されて電気クーポンが登録された1日目の価値は30%オフであり、2日目は24%オフ、3日目は18%オフ、4日目は12%オフ、5日目は6%オフで、6日目以降は割り引きがなくなっている。この例によれば、商品の購入後のなるべく早い時期に電気クーポンが利用されるように仕向けることができる。
【0105】
図27(b)の例では、購入対象がエアコンである場合の価値の変化が表されている。この場合、エアコンの電力消費量が少ない春と秋には15%オフ、電力消費量が最も多い夏には5%オフ、電力消費量がそれらの間くらいの冬には10%オフとなっている。この例によれば、電気クーポンの価値が変化しない場合に比べて、電力消費量が少ない季節ほど電気クーポンが利用されやすくなり、電力消費量が多い季節に電気クーポンが利用されて電力消費量を圧迫することを抑制することができる。
【0106】
本変形例では、例えば利用開始通知受付部104が利用開始を受け付けた電気クーポンのクーポンID及び登録日を第5変化部115に供給する。第5変化部115は、そのクーポンIDに対応付けて電気クーポンDBに格納されている金銭的価値を、購入対象の属性に価値テーブルで対応付けられている変化態様と登録日からの経過日数に基づいて変化させ、還元料金算出部107に供給する(例えば
図27(a)の例で登録日から3日目であれば18%という割引率を供給する)。還元料金算出部107が供給された金銭的価値に基づいて還元料金を算出することで、電気クーポンの価値の大きさが時間の経過とともに変化する。
【0107】
なお、電気クーポンの価値の変化態様は上記の例に限らない。例えば電子レンジが対象電化機器であれば、消費期限が近づくほど加熱殺菌のために電子レンジが使用される可能性が高くなる。そこで購入対象が消費期限ありという属性である場合に、消費期限が近づくほど価値を高めるようにすることで、消費期限が切れる前に電子レンジが使用されやすいようにして商品の消費を促進し、消費期限切れによる商品の破棄を抑制できるようにしてもよい。また、購入対象が電力消費量の季節依存性ありという属性である場合に、電力消費量が多い季節ほど価値を高くすることで、ユーザにとっては電気料金が高くなりやすい季節ほど高い割り引きを受けられるようにして、電気クーポンの価値を有効に利用できるようにしてもよい。
【0108】
なお、上記パラメータとしてユーザの属性が用いられる場合であれば、例えばユーザが受験生という属性であれば受験勉強を行う夜間に昼間よりも電気クーポンの価値を大きくして、電気クーポンの価値を有効に利用できるようにしてもよい。また、ユーザの通勤や通学の時間が閾値以上という属性であり、且つ、スマートフォンの電気の使用量に応じた価値が提供される場合に、通勤や通学の時間帯においてその他の時間帯に比べて電気クーポンの価値を大きくして、電気クーポンの価値を有効に利用できるようにしてもよい。
【0109】
購入対象の属性及びユーザの属性というパラメータとしては、上記に限らず様々なものが用いられてもよい。いずれのパラメータが用いられる場合でも、上記の各例のようになるべく早い時期に電気クーポンが利用されるように仕向けたり、商品の消費を促進したり、電気クーポンの価値が有効に利用されるようにしたりするなど、電気クーポンの提供者が意図した目的が達成されるように電気クーポンの価値を変化させればよい。
【0110】
[2−8]電気クーポン利用の契機
料金還元処理部108は、実施例では、ユーザが利用開始操作を行うこと(ユーザが電気クーポンの利用開始を指示すること)を契機として電気クーポンを利用する処理を行ったが、これに限らない。料金還元処理部108は、例えば電気クーポンが登録されたことを契機にこの処理を行ってもよいし、ユーザが電気クーポンの登録後に初めて電化機器を使用することを契機にこの処理を行ってもよい。いずれの場合も、電気クーポンの利用方法としてこれらの契機がユーザに伝えられるようになっていればよい。
【0111】
[2−9]電気クーポン利用のリコメンド
実施例のようにユーザからの指示(電気クーポンの利用開始の指示)を契機として料金還元処理部108が電気クーポンを利用する処理を行う場合に、電気クーポンが提供されたユーザに、その電気クーポンを利用すべきタイミングをリコメンド(推奨)してもよい。
【0112】
図28は本変形例の電気クーポン提供システム1fの各装置が実現する機能構成を表す。電気クーポン提供システム1fが備える電気クーポンサーバ装置10fは、
図6に表す各部に加えてユーザ環境検出部123と、リコメンド通知出力部124とを備え、スマートフォン20fは、
図6に表す各部に加えてユーザ環境通知部208と、リコメンド通知表示部209とを備える。以下では購入対象がエアコンでその一定時間の電気料金を無料化する電気クーポンが提供される場合を説明する。
【0113】
スマートフォン20fは、例えば気温を測定する気温センサを備えているものとする。ユーザ環境通知部208は、自装置の周辺の気温をユーザの周囲の環境を表す環境情報として電気クーポンサーバ装置10fに通知する。ユーザ環境通知部208は、例えば一定の時間間隔(1分毎や1時間毎など)で環境情報を通知する。ユーザ環境検出部123は、電気クーポンが提供されたユーザの周囲の環境を検出する。ユーザ環境検出部123は、ユーザ環境通知部208から通知されてきた環境情報を受け取り、この環境情報が表す気温をユーザの周囲の環境として検出する。ユーザ環境検出部123は、検出した環境(この例では気温)の値をリコメンド通知出力部124に供給する。
【0114】
リコメンド通知出力部124は、ユーザの周囲の環境に基づいて、そのユーザに電気クーポンの利用開始の指示を行うことを案内するための案内情報を出力する。リコメンド通知出力部124は本発明の「出力部」の一例である。リコメンド通知出力部124は、例えば、利用開始操作を行うべきタイミングであることをユーザに通知するリコメンド通知を前述の案内情報として出力する。リコメンド通知出力部124は、ユーザ環境検出部123から供給された値が閾値(例えば30℃)以上である場合に、リコメンド通知を出力する。
【0115】
リコメンド通知表示部209は、リコメンド通知出力部124から出力されてきたリコメンド通知を表示する。
図29は表示されたリコメンド通知の一例を表す。
図29(a)では、スマートフォン20fのタッチスクリーン27fにメニュー画面と、「電気クーポンのリコメンド通知を受け取りました。」というポップアップ画像A2が表示されている。ユーザがポップアップ画像A2をタップすると、
図29(b)に表すリコメンド通知画像A3がタッチスクリーン27fに表示される。
【0116】
リコメンド通知画像A3には、「現在提供されている以下の電気クーポンの利用をお勧めします。」という文章と、電気クーポンの内容を表した電気クーポン画像C2と、利用開始操作を受け付けるための操作子画像A4とが含まれている。このリコメンド通知が出力されることで、気温が30℃以上になったときにエアコンの電気料金を無料化する電気クーポンの利用がリコメンドされている。これにより、リコメンド通知が出力されない場合に比べて、電気クーポンサーバ装置10fからリコメンドされたタイミングで電気クーポンが利用されやすくなる。
【0117】
なお、リコメンド通知はユーザの周囲の環境以外のものに基づいて出力されてもよく、例えばユーザの行動パターンに基づいて出力されてもよい。
図30は本変形例の電気クーポン提供システム1gの各装置が実現する機能構成を表す。電気クーポン提供システム1gが備える電気クーポンサーバ装置10gは、
図28に表すユーザ環境検出部123に代えて行動パターン検出部125を備え、スマートフォン20gは、
図28に表すユーザ環境通知部208に代えてスケジュール通知部210を備える。以下では購入対象がエアコンでその一定時間の電気料金を無料化する電気クーポンが提供される場合を説明する。
【0118】
スマートフォン20gには、ユーザのスケジュールを管理するアプリケーションプログラム(スケジュール管理アプリ)がインストールされているものとする。スケジュール通知部210は、ユーザのスケジュールを電気クーポンサーバ装置10gに通知する。スケジュール通知部210は、スケジュール管理アプリからユーザのスケジュール(過去のスケジュールも含む)を取得して、電気クーポンサーバ装置10gに送信する。
【0119】
行動パターン検出部125は、電気クーポンが提供されたユーザの行動パターンを検出する。行動パターン検出部125は、スケジュール通知部210から通知されてきたスケジュールを受け取り、このスケジュールに基づいてユーザの行動パターンを検出する。行動パターン検出部125は、例えばユーザの帰宅時刻の平均値からユーザの帰宅が見込まれる時刻をユーザの行動パターンを表す情報として検出する。行動パターン検出部125は、検出した行動パターンを表す情報(この例では帰宅見込み時刻)をリコメンド通知出力部124に供給する。
【0120】
リコメンド通知出力部124は、この例では、供給された帰宅見込み時刻になったときに、電気クーポンを利用すべきタイミングになったと判断して、リコメンド通知を出力する。この場合も、リコメンド通知が出力されない場合に比べて、電気クーポンサーバ装置10gからリコメンドされたタイミングで電気クーポンが利用されやすくなる。
【0121】
なお、リコメンド通知出力部124は、上記の例以外にも、周知の電力制御の技術(例えば各電化機器の使用時期等を制御して電力消費のピークを小さくする技術など)を用いて、各電化機器を使用すべきタイミングを、電気クーポンを利用すべきタイミングとみなしてリコメンド通知を出力してもよい。また、スマートフォン20gは、リコメンド通知を表示する代わりに音声でその内容を放音してもよい。また、リコメンド通知出力部124が出力したリコメンド通知を、対象電化機器が受け取るようにして、その対象電化機器がリコメンド通知を表示又は放音してもよい。
【0122】
[2−10]周囲の環境及び行動パターン
上記変形例で用いられたユーザの周囲の環境及びユーザの行動パターンを、電気クーポンの価値を時間の経過とともに変化させるパラメータとして用いてもよい。例えば、
図25に表す第5変化部115は、ユーザの周囲の環境である気温が30℃以上(特定のパラメータに相当)である場合、1時間毎にエアコンの電気料金の割引率を高くして電気クーポンが利用されやすいようにする。
【0123】
また、第5変化部115は、ユーザの帰宅見込み時刻が21時よりも早い(特定のパラメータに相当)場合、その時刻から30分毎にエアコンの電気料金の割引率を低くして、帰宅時刻が早くて部屋の中が暑いほど電気クーポンが利用されやすいようにする。このように、第5変化部115は、ユーザの周囲の環境又はユーザの行動パターンが特定のものである場合に、電気クーポンの価値を時間の経過とともに変化させる。
【0124】
[2−11]ユーザの行動パターンの検出
図30に表す行動パターン検出部125は、電気クーポンの利用状況からユーザの行動パターンを検出してもよい。行動パターン検出部125は、例えば購入対象が電化機器であれば、その操作履歴をスマートフォン又は電化機器から取得して行動パターンを検出する。
【0125】
また、購入対象が飲食物であれば、それらを消費するときに電気クーポンが利用されるようにしておく。例えば容器や袋に入った飲食物であれば、容器の蓋の裏側や袋の内側にQRコードを印刷しておき、そのQRコードをスマートフォンで読み取ることで電気クーポンの利用開始操作が受け付けられるようにする。行動パターン検出部125は、利用開始通知を受け付けたときに購入対象が消費されたとみなして行動パターンを検出する。この場合、電気クーポンは既に利用されているので、検出された行動パターンは、例えば別の商品やサービスのリコメンドなどに活用されればよい。
【0126】
[2−12]電気クーポンの金銭的な価値とその価値を利用する処理
電気クーポンの金銭的な価値及びその価値を利用する処理は、実施例で述べたものに限らない。例えば、ユーザが利用するスマートフォン等の通信量の減額という金銭的な価値が提供されてもよい。この場合、料金還元処理部108は、算出された還元料金をスマートフォン20の通信料金から減額させるための処理を、電気クーポンを利用する処理として行う。
【0127】
より詳細には、利用開始通知受付部104が、電気クーポンの利用開始通知とともにスマートフォン20のSIM(Subscriber Identity Module)カードIDを受け取るようにして、料金還元処理部108が、スマートフォン20の通信料金を管理している管理サーバ装置に対して還元料金及びSIMカードIDを通知する処理を行う。この管理サーバ装置は、通知された還元料金を通知されたSIMカードIDのユーザに課金する通信料金から減額する。
【0128】
なお、通信料金ではなく、電力会社が課金する電気料金の減額という金銭的な価値が提供されてもよい。その場合、料金還元処理部108は、通信料金を減額する処理と同様に、電気料金を減額する処理を行う。また、ユーザへ課金される料金から還元料金を減額するのではなく、還元料金分の新たな商品やサービス(例えばデジタルコンテンツやマッサージの利用券など)を無料で購入する権利を金銭的な価値として提供してもよい。
【0129】
この場合、例えば、料金還元処理部108が、スマートフォン20に対して還元料金分の商品又はサービスの情報を送信し、ユーザがそれらの商品又はサービスを購入する操作を行うと、料金還元処理部108が購入された商品又はサービスを提供する処理を行う。上記以外にも、ユーザに金銭的な価値を提供するものであれば、どのような電気クーポンが提供されてもよく、その価値をユーザに提供するものであれば、どのような処理が電気クーポンを利用する処理として行われてもよい。
【0130】
[2−13]電気クーポンの提供者
実施例では、電気クーポンが購入対象に関係する事業者によって提供される例を述べたが、これに限らず、例えば個人によって提供されてもよい。例えばインターネットオークションや通信販売を行っている個人が、電気クーポン提供システムの運用事業者に依頼して、そこで売買(いわゆるC2C(Consumer to Consumer)での取り引き)があったときに購入者に対して電気クーポンを提供してもよい。このように、電気クーポンは、実施例のようにB2C(Business to consumer)の購入において提供されてもよいし、C2Cの購入において提供されてもよい。また、上述した例のように電気料金の減額という金銭的な価値が提供される場合、電力会社が電気クーポンの提供者となる。この場合の電力会社は、電力の販売促進の他に、電力需要の抑制を目的とすることもある。
【0131】
[2−14]広告の表示
電気クーポンの提供や利用の際に、電気クーポンの提供者に関する広告が表示されてもよい。
図31は本変形例の電気クーポン提供システム1hの各装置が実現する機能構成を表す。電気クーポン提供システム1hが備える電気クーポンサーバ装置10hは、
図6に表す各部に加えて広告データ送信部126を備え、スマートフォン20hは、
図6に表す各部に加えて広告表示部211を備える。
【0132】
電気クーポンサーバ装置10hは、クーポンIDに対応付けて広告データ(広告の画像や音声を表すデータ)を記憶している。本変形例では、例えば登録情報送信部103が登録情報をスマートフォン20hに送信する際に、その登録情報に含まれるクーポンIDを広告データ送信部126に供給する。広告データ送信部126は、供給されたクーポンIDに対応付けて自装置に記憶されている広告データを読み出してスマートフォン20hに送信する。広告表示部211は、電気クーポンサーバ装置10hから送信されてきた広告データが表す広告を表示する。
【0133】
図32はスマートフォン20hが表示する画面の一例を表す。
図32の例では、タッチスクリーン27hに、「○○社製エアコン電気料金を30%オフ」という登録情報を表す電気クーポン画像C3が表示されるとともに、「○○社製の冷蔵庫、洗濯機、テレビもお買い得!」という広告画像A5が表示されている。なお、利用開始通知受付部104が利用開始通知を受け付けた際にクーポンIDを広告データ送信部126に供給することで、上記と同様に広告が表示されるようにしてもよい。いずれの場合も、電気クーポンの提供者は、電気クーポンを商品やサービスの購入の動機付けにするとともに、電気クーポンを取得したユーザに対してさらにその他の商品やサービスの広告を見てもらうことができる。
【0134】
[2−15]電気クーポンの登録方法
電気クーポンの登録方法は実施例と異なっていてもよい。例えばユーザが店舗で購入対象を購入した際に、店舗に設置された端末から商品情報がユーザのスマートフォンに対して電子メールや短距離無線通信などで送信され、スマートフォンの商品情報取得部201が商品情報を取得してもよい。また、スマートフォンを経由せずに、その端末から直接電気クーポンサーバ装置に対して商品情報が購入者のユーザIDとともに送信されてもよい。その場合は、実施例とは異なり、店舗で用いられるPOSシステム等が記録する購入履歴情報が購入履歴特定情報として用いられることになる。
【0135】
[2−16]電化機器
実施例等では、電気を使用する電化機器として家電機器(エアコンや冷蔵庫など)や通信機器(スマートフォンなど)が用いられたが、これらに限らない。例えば電気自動車であってもよいし、建物に組み込まれている機器(床暖房など)や屋外で使用される機器(芝刈り機など)などであってもよい。要するに、ユーザによって使用される電気を消費する機器であれば、どのような電化機器が用いられてもよい。
【0136】
[2−17]発明のカテゴリ
本発明は、電気クーポンサーバ装置のような情報処理装置の他、電気クーポンサーバ装置、スマートフォン、電化機器及びスマート分電盤という各装置を備える電気クーポン提供システムとして捉えられる。また、本発明は、各装置が実施する処理を実現するための情報処理方法としても捉えられるし、各装置を制御するコンピュータを機能させるためのプログラムとしても捉えられる。このプログラムは、それを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してコンピュータにダウンロードさせ、それをインストールして利用可能にするなどの形態で提供されてもよい。