(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光源デバイスの駆動源として、DC電圧を変換した交番駆動電圧を昇圧トランスの2次巻き線から前記電極対間に印加する、駆動電圧切り換え機能を備えたインバータ電源を使用し、前記光源デバイスの初期放電開始後、前記駆動電圧を初期放電開始時に印加した第1の駆動電圧より低い第2の駆動電圧に切り換えて定常放電動作を行うことを特徴とする請求項1記載の光源デバイスの駆動方法
前記駆動電圧の切り替えを、前記昇圧トランスの1次巻き線に印加されるDC電源の電圧の切り替えによって行うことを特徴とする請求項2に記載の光源デバイスの駆動方法。
前記昇圧トランスの1次巻線に前記DC電圧をAC電圧に変換するスイッチングトランジスタが接続され、前記駆動電圧の切り替えを、前記スイッチトランジスタを駆動する制御信号のデューティ比を変えることによって行うことを特徴とする請求項2に記載の光源デバイスの駆動方法。
前記インバータ電源に周波数自動調整制御回路を設け、光源デバイスの初期放電開始期間に駆動周波数を掃引すると共に、その間の駆動電圧と駆動電流を検出して前記自動周波数調整制御回路にフィードバックして最適駆動周波数をサーチするようにしたことを特徴とする請求項2又は3の何れか1項に記載の光源デバイスの駆動方法。
前記駆動周波数の掃引動作が光源デバイスとそれに接続され前記昇圧トランスの2次巻き線で定まる共振周波数を中心として予め定められた周波数幅において行われることを特徴とする請求項5記載の光源デバイスの駆動方法。
前記駆動電圧と駆動電流の検出がそれぞれ予め定めた基準値に対する相対値として検出され、前記駆動周波数の掃引幅内における変化の最大値が得られた点の周波数を最適駆動周波数として選択することを特徴とする請求項5記載の光源デバイスの駆動方法。
前記定常放電動作時における交番駆動電圧の印加時間と非印加時間の繰り返し周期とデューティ比率の少なくとも一方を変えて発光強度の調整を行うことを特徴とする請求項4記載の光源デバイスの駆動方法。
前記初期放電開始時の駆動が緩衝期間と、書き込み期間と、安定化期間を含む動作シーケンスで行われ、緩衝期間においては電極対間に印加する交番駆動電圧の振幅を次第に増大し、書き込み期間においては電極対間に放電開始電圧を超える振幅の第1の交番駆動電圧を印加し、安定化期間においては書き込み期間の駆動電圧よりも低い交番駆動電圧を印加することを特徴とする請求項1記載の光源デバイスの駆動方法。
前記初期放電開始期間の後の定常放電動作時に印加する第2の交番駆動電圧が、当該初期放電開始期間に発生した放電を、当該放電に伴う壁電荷を利用して維持する電圧に設定してあることを特徴とする請求項1、8又は9の何れか1項に記載の光源デバイスの駆動方法。
放電ガスを封入したガラス細管と、該ガラス細管の外面に対向して長手方向に放電間隙を隔てて広がる電極対を備えた外部電極型の放電チューブを複数本平行に配列した構成を有するガス放電を利用した光源デバイスを駆動する方法であって、初期放電開始のための電源投入後に高い交番駆動電圧を印加することにより前記放電チューブ内部に放電を発生させてチューブ内壁面に壁電荷を形成したのち、この壁電荷を利用してそれより低い電圧の交番駆動電圧を印加して放電を持続するとともに、この低い交番駆動電圧を間欠的に加えることにより発光強度を調整可能とすることを特徴とするガス放電を利用した光源デバイスの駆動方法。
前記光源デバイスが、放電ガスを封入した複数本のガラス細管と、該ガラス細管の外面に対向して長手方向に放電間隙を隔てて広がる電極対を備えたガス放電チューブアレイ構成を有し、前記電源部が前記電極対間に正弦波駆動電圧を印加するインバータ電源の構成を有し、かつ前記電圧制御部が前記インバータ電源に含まれる昇圧トランスの一次巻線に供給する電流方向を交互に切り換えるスイッチングトランジスタに対する制御信号のデューティ比を変えて前記昇圧トランスの二次巻線から前記電極対間に印加する交番駆動電圧の電圧値を変更することを特徴とする請求項13記載のガス放電を利用した光源デバイスの駆動回路。
内部に紫外線発光蛍光体層を有すると共に放電ガスを封入した複数本の放電チューブを紫外線照射面に沿って平行に配列し、該紫外線照射面の裏側に対向して各放電チューブの長手方向に放電間隙を隔てて広がる共通の電極対を配置した構成を有するガス放電を利用した紫外光源デバイスと、前記共通の電極対間に交番駆動電圧を印加するインバータ電源とを備えてなり、かつ前記インバータ電源に前記交番駆動電圧の電圧値を切り換える電圧制御部と、交番駆動電圧の印加を所定の周期とデューティ比で断続的に行う制御部とを設けたことを特徴とするガス放電を利用した紫外線照射装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に示す好ましい実施形態を用いてこの発明を詳細に説明する。なお、説明を簡略化するため、同じ構成要素には同じ符号を付けている。また、駆動対象となる光源用ガス放電デバイスに対する放電電極を便宜上『長電極』と称する場合もあるが、電極の長さを限定的に表すものではない。
【0022】
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態として、チューブ形態を持つ紫外発光用ガス放電デバイスの基本構成と、該紫外発光用ガス放電チューブを複数本配列して構成した面発光型光源デバイスの基本構成を説明するための説明図である。
【0023】
〔ガス放電チューブ構成の光源デバイス〕
図1(a)は紫外発光ガス放電チューブの断面図である。
図1(a)に示すように、紫外発光用ガス放電チューブ(以下、発光チューブという)1は、外囲器となる扁平楕円形状の横断面を有する細長いガラス管2を主体とし、その内部底面に紫外蛍光体層3を備えると共に、内部にネオンとキセノンを混合した放電ガスを封入して両端を封止している。
【0024】
ガラス管2は、酸化珪素(SiO
2)と酸化硼素(B
2O
3)を主成分とする安価な硼珪酸系ガラスを材料とした例えば長径2mm、短径1mm程度の扁平楕円断面を持つ細管で、肉厚を300μm以下に制限してUV−B及びUV−C波長域の紫外線に対する十分な透過率を実現している。勿論、ガラス管2の材料としては紫外線透過率に優れた石英を用いても良い。
【0025】
紫外蛍光体層3の1例として、ガドリリュウム賦活蛍光体(LaMgAl11O19 : Gd) を用いた場合、産業用や医療用に有効なUV-Bバンドの波長レンジである311nmの紫外発光を得ることができる。また、プラセオジム賦活の蛍光体(YBO
3 : PrまたはY
2SiO
5: Pr)を用いれば殺菌・滅菌効果のあるUV-Cバンドの波長レンジの261nmまたは270nmの紫外発光を得ることができる。ガラス管の材料として紫外線透過率の優れた石英を用いた場合には、このような蛍光体層を設けることなしに、キセノンガス成分の放電によって発光する143nm又は173nmの波長の真空紫外線(VUV)を直接利用する発光管を得ることができる。なお、発光チューブ1は
図1(a)の矢印22の方向に発光する。
【0026】
〔フレキシブル面光源デバイス〕
図1(b)はこの実施形態の面発光型の光源デバイス4の斜視図である。
図1(a)に示すガラス管2を主体とした発光チューブ1は、
図1(b)に示すように発光チューブ1の長手方向と交差する方向に複数本平行に並べられてアレイ構成の光源デバイス4が作られる。
【0027】
図1(a)の断面図との関連において一層明らかなように、
図1(b)の発光チューブアレイ構造体10を構成する各発光チューブ1は、耐熱性の薄い(数10μm)絶縁フィルム11の上にシリコーン樹脂のような熱伝導性の良好な粘着剤12により離脱可能な粘着状態で配置されている。隣接する発光チューブ1の相互間には光源デバイス4の彎曲を可能とするため同じ幅寸法又は部分的に異なる幅寸法の隙間が設けられている。
【0028】
他方、発光チューブアレイ構体10の下には、例えば、ポリイミド系樹脂から成るフレキシブルな絶縁基板13とその上に形成した電極対14とから成る電極構体15が粘着(非接着)状態で設けられている。
【0029】
電極対14は、発光チューブアレイ構造体10を構成する各発光チューブ1の底部背面に対向して、共通の電極スリットGを挟んで両側に広がる帯状のX電極14XとY電極14Yとからなる。
【0030】
即ち、X電極14XとY電極14Yとは、全体としては各発光チューブの長手方向と交差する方向に延びる共通の電極パターンを有するが、個々の発光チューブ1に対しては当該チューブ内に初期放電を発生させる0.1〜10mm程度の電極スリットGを挟んで長手方向の両側に対称的に延びる長電極対の構成を持つ。X電極14X、Y電極14Yのチューブ長手方向における長さは電極スリットGの幅の5〜10倍またはそれ以上となる。
【0031】
因に、発光チューブ1を長径2mm、短径1mmの扁平楕円断面を持つ長さ5cmのガラス細管で構成し、これを1mm間隔で20本配列して
図1(b)に示したような発光チューブアレイ構造体10を構成した場合、X電極14XとY電極14Yは、3mm幅の放電スリットGの両側にそれぞれ23.5mmの幅を持って各発光チューブ1と交差する方向に延びるパターンで設けられる。
【0032】
この結果、5×6=30cm
2の発光面の背面側は、電極スリットGの幅に対応した0.3×6=1.8cm
2の隙間を除いて全て電極面でカバーされた形となる。発光面積に対する電極のカバー率は94%に相当する。
【0033】
X電極14XとY電極14Yは、絶縁基板13の上に銀ペースト等の導電性インクを印刷して直接形成してもよいし、あらかじめ整形した銅やアルミ等の金属導体箔を粘着または接着して構成してもよい。勿論、絶縁基板13の上に形成した導電体層をパターニングして電極対を構成することもできる。
【0034】
発光チューブ1をアレイ状に支持する絶縁フィルム11としてテフロン(登録商標)などのフッ素系透明樹脂を用いた場合、X、Y電極14X、14Yには、高い光反射率の材料が好ましく、その意味では特にアルミ箔を用いるのが効果的である。
【0035】
この場合、電極スリットGが下方に開いた窓となって紫外発光が裏へ抜けるおそれがあるので、電極スリットGの対応部分を電極材料と同等の光反率を持った絶縁材料、例えば反射テープで塞ぐことが好ましい。
【0036】
また、X電極14XとY電極14Yを形成した絶縁基板13上に直接シリコーン樹脂等の粘着性絶縁層を設けてガス放電発光チューブ1を配置するようにしてもよい。発光チューブアレイ構造体10と電極構造体15の間が非接着状態なので、フレキシブルな面光源デバイスを彎曲させる場合に絶縁基板13に加わる引っ張り力を吸収することができる。
【0037】
図2(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)は、この実施形態の光源デバイス4の具体的構成例を示す縦断面図と背面図である。
図2(a)に示す実施形態の場合、下面に銅又はアルミ箔のX電極14XとY電極14Yのパターンを形成したポリイミド系絶縁フィルム11の上面に複数本の発光チューブ1が互いに平行にシリコーン樹脂のような熱伝導性粘着剤で離脱可能に配置されている。更に電極対14X、14Yの背面を耐熱性の絶縁フィルム16aで被覆することでフィルム状のフレキシブルな面光源デバイスが完成する。
【0038】
また別の面光源構成として、
図2(b)で示すように
図2(a)のフィルム状の光源デバイスの裏にガラス又はセラミック或いは樹脂等の絶縁性背面支持基板16bを貼り付けることで、基板面の形状に倣った硬い平板状の光源デバイスが完成する。
【0039】
更に、上記背面支持基板16bに代えて
図2(c)に示すような放熱基板16cを設けてもよい。
図2(d)の背面図との関連で一層明らかなように、放熱基板16cは、その面内に強度を損なわない程度の数の金属(例えば銅)スルーホール19を設けた樹脂、ガラス又はセラミック等の絶縁基材20をベースとし、その両面に電極パターン14X、14Yとほぼ同じパターンの放熱用の金属(例えば銅)パターン層21、22を有する。この放熱用の金属パターン21,22は電極14X、14Yとの容量結合による高電圧の発現を防ぐためそれぞれスルーホールに対応して、
図2(e)に示すように島状に区切ることもできる。
【0040】
[ガス放電パネル構成の面光源デバイス]
本発明の駆動対象とする面光源デバイスは、上記のような発光チューブ1を複数本配列したチューブアレイ構成を有するものの他、パネル構成としたものでも良い。
図3(a)はそのようなパネル構成の面光源デバイス40を説明するための平面図、図(b)および(c)は
図3(a)のA−AおよびB−B矢視断面図である。
【0041】
この面光源デバイス40の構成は、
図1(b)に示した発光チューブアレイ構造体10を一つのパネル外囲器100で置き換えた構成と実質的に変わらない。
図3においてパネル外囲器100は、前面基板101と背面基板102を備え、それらの間に密封されたガス封入空間103を形成している。ガス空間103はガラスロッドのようなスペーサ104で複数のストライプ状放電チャネルに仕切られ、周辺も同様のガラスロッドを介して封着されている。またロッド状スペーサ104の中央分断部を横切るトリガ放電間隙(電極スリット)Gに対応した共通空間に連通するよう排気パイプ105が設けられている。
【0042】
前面基板101は、紫外線の透過に支障のない石英ガラス板若しくは厚み300μm以下の耐熱性マイクロガラスシートで作られる。背面基板102も石英ガラス若しくは耐熱性マイクロシートガラスで作られていて、裏面側に電極対106Xと106Yが配置され、内面上には図示省略した紫外線蛍光体層が形成されている。
【0043】
更に背面基板102の裏側には電極対106X、106Yを挟む形でガラス又はセラミックの支持基板108が熱伝導性の良好な粘着剤で取り付けられている。電極対106X、106Yは支持基板108の上に形成されていても良い。この支持基板108は、薄い前面基板101と背面基板102とから成るガラスのパネル外囲器100を支える役目を有するほか、電極基板や放熱板としての役目も持つ。放熱効果を高めるため
図2に示した発光チューブアレイ構成の光源デバイスにおける放熱基板16Cと同様に支持基板108の裏面を銅やアルミなどの金属シートで裏打ちしても良い。
【0044】
上記パネル構成のガス放電デバイスを面光源デバイス40として用いる場合においても、先に説明した発光チューブアレイ構成の光源デバイス4と同様に駆動することができる。なお電極対106X、106Yとしては、必ならずしも図示したような共通のベタパターンである必要はなく、スペーサ104で仕切られたストライプ状の各ガス放電チャネルに対応してそれぞれの長手方向に延びるストライプ状のパターンとして形成しても良い。
【0045】
〔電極接続と等価回路〕
図4(a)は発光チューブアレイ構成を有する光源デバイス4の概略平面図である。
上記発光チューブアレイ構成の光源デバイス4或いはパネル構成の面光源デバイス40は、何れも外部電極型であり、基本的に正弦波電圧で駆動する。即ちチューブアレイ構成の光源デバイス4を代表例として
図4(a)に示すように複数の発光チューブ1に対して共通のX電極14Xを接地した状態で、他方のY電極14Yに正弦波の電圧を印加するよう駆動電源17を接続する。
【0046】
また
図4(b)は、
図4(a)に示す光源デバイス4の等価回路を示す。
図3に示したパネル構成の面光源デバイス40の等価回路も実質的に変わらない。発光チューブ1の電気的な回路要素は、放電スイッチPSと内部抵抗Rと、ガラス管2(
図1(a))を含めた絶縁フィルム11の静電容量Cwx、Cwyで表される。
【0047】
また、発光チューブ1の回路要素に並列にX、Y電極14X、14Yの電極間静電容量Cpが並列に入り、更に、それら各電極と接地との間に寄生容量CsxとCsyが介在した形となっている。
【0048】
電極端子TXとTYには正弦波の高電圧を出力する駆動電源17が接続される。なお、両端子TX、TY間には厳密には殆ど開放状態とみなせるほど高いインピーダンスの漏えいパスRPも存在する。
【0049】
以上のように光源デバイス4が容量性負荷であることから、駆動電源17をインバータ電源で構成した場合、光源デバイス4の駆動端子TX、TYに昇圧トランスの出力巻線のインダクタンスが並列に接続されて全体として並列共振回路が構成されることになる。従って、光源デバイス4に対する駆動条件としては電源回路を含めた共振周波数で駆動するのが好ましい。
【0050】
後述するように本発明によれば、正弦波駆動電圧の周波数は、
図4(b)の等価回路におけるトータルの負荷容量やインバータ電源の出力インダクタンスの関係からあらかじめ定めた20kHz乃至50kHzの間で点灯時に掃引され、例えば、25kHzの共振周波数に設定される。
【0051】
また、初期点灯時のピーク電圧は、電極スリットG(
図4(a))に対応したガス空間の放電開始電圧よりも高い1000V乃至はそれ以上となるが、電極14X,14Y上での放電の広がり長さと、電極スリットGの耐圧を超えた放電による損傷の防止との両方のバランスを考慮して決められる。
【0052】
〔放電モデル〕
図5は本発明の対象とする発光チューブ1の放電モデルを時系列的に示す模式図である。
図5(a)に示す正弦波電圧が、長電極14Xと14Yに印加される。
図5(a)に示した正弦波電圧の上昇過程における電圧v1が、タイミングt1において長電極14Xと14Yの間の電極スリットGに対応した放電空間CSの放電開始電圧Vfを超えると、その対応部でトリガ放電TDが発生する。
【0053】
このトリガ放電TDによって近傍のガス空間に多量の空間電荷が供給され、いわゆる種火効果が生じて正弦波の電圧の上昇とともに長電極14X、14Yの長手方向に向かって放電が拡張し、いわゆる長距離放電に移行していくことになる。
【0054】
同時に、最初にトリガ放電TDを発生した電極スリットGに対応した放電チューブ1の内壁面上には印加電圧と逆極性の電荷(電子(-)と陽イオン(+))が壁電荷として蓄積され、この壁電荷による電界が印加電圧の電界を打ち消す形となって当該電極スリットGの対応部での放電は停止する。
【0055】
図5(b)、(c)、(d)、(e)は、
図5(a)の印加正弦波電圧のタイミングt1〜t4に対応した放電と壁電荷の蓄積状態を模式的に示している。
【0056】
この放電モデルから、タイミングt1において電極スリットGの対応部に発生したトリガ放電TDが、タイミングt2、t3と続く印加電圧の上昇過程で壁電荷の蓄積を伴いながら長電極14X、14Yの延長方向に沿って拡張していく様子が理解できる。
【0057】
印加電圧の極性と反対極性の電荷(電子と陽イオン)が壁電荷として蓄積し、この内部電界が当該対応部分に印加された外部電圧の電界を打ち消す結果、一旦発生した放電は順次停止していくことになる。
【0058】
従って、印加される正弦波駆動電圧の極性が反転すると、壁電荷による内部電界が外部印加電圧の電界に加算される結果、再度、電極スリットGの対応部で放電が始まった後、上記と同様に印加正弦波電圧の逆方向への上昇に伴う放電の拡張と停止が、長電極対14X、14Yの両端方向に進行する。この動作の繰り返しでガス放電とそれに伴う発光が行われる。ここで示した壁電荷は、上述のように放電開始後は、反転した印加電圧に加わるため、印加電圧を下げても放電を持続させることができる。この放電モデルは、本発明者等が先に出願した特願2015-148622号に更に詳しく述べられている。
【0059】
〔駆動回路〕
この実施形態における駆動回路を
図6に示す。この駆動回路は、代表的に示した複数本の発光チューブ1の配列からなる光源デバイス4に接続されたインバータ電源の構成を持つ。即ち、光源デバイス4には、昇圧トランス20の2次巻き線L2が接続され、その1次巻き線L1には電源入力切換え回路21からのDC電圧をAC電圧に変換するスイッチングトランジスタTr1とTr2が接続されている。また、通常のインバータ電源回路と同様、コンデンサC、C1、C2、及び抵抗R1が適宜図示のように接続されている。
【0060】
駆動周波数を決めるスイッチングトランジスタTr1とTr2のオン・オフ制御は周波数自動制御回路22からスイッチ制御回路23に与えられる周波数制御信号S1、S2で行われる。
【0061】
周波数自動制御回路22には昇圧トランス20の出力側から駆動電圧検出信号VDsと駆動電流検出信号IDsとが制御信号としてフィードバックされる。また、周波数自動制御回路22からは電源切り替え信号DSが電源入力切換え回路21に与えられる。
【0062】
周波数自動制御回路22は、
図7のブロック図に示すように、電圧制御発信回路(VCO)を含んだ周波数制御信号発生部24とシーケンス選択制御部25を主体とする。シーケンス選択制御部25には、駆動電圧検出信号VDsを入力として共振時の電圧を判定する電圧判定回路26、駆動電流検出信号IDsを入力として共振時の電流を判定する電流判定回路27及び両信号VDsとIDsとから共振時の電力を判定する電力判定回路28が接続される。シーケンス選択制御部25は、それらからの出力を受けて周波数制御信号発生部24に対する制御信号と、電源入力切換え回路21に対する制御信号DSとをそれぞれ発生する。
【0063】
図8は、
図6のインバータ電源構成を有する駆動回路に接続された光源デバイス4の典型的な周波数特性を示す図である。電極ギャップGの放電開始電圧Vfを超えるピークでの特性曲線VP1と、壁電圧の効果によりVfよりも低い維持電圧Vsを超えるピーク電圧での特性曲線VP2を重ねて示しており、横軸の周波数Fの上昇に伴い何れも縦軸の電圧が増大する共通の共振点fr0が現れている。共振点fr0の周波数よりも高い周波数にも共振周波数fr0の高調波に対応する弱い共振点fr1、fr2が現れる。
【0064】
従って、おおまかに上記の共振点を予測してその上下の周波数をf1からf2の範囲で掃引することにより、共振周波数f0を選択することができる。
図9は共振周波数を選択する動作原理を説明するグラフであり、横軸の駆動信号周波数Fの掃引に対する駆動電圧検出信号VDsと駆動電流検出信号IDsの変化の模様を何れも相対値で示している。
【0065】
駆動信号周波数Fを高めて行くと駆動電流検出信号IDsは増加する傾向にあるが、ある周波数で電流損失が低減する領域が現れる。また、駆動電圧検出信号VDsは周波数Fの増大につれて低下する傾向にあるが、ある周波数で増大する領域が現れる。
【0066】
つまり、駆動信号周波数Fを下から上げてゆくと、昇圧トランス20のインダクタンス成分と光源デバイスの電極間容量、浮遊容量などから決まる周波数特性に応じた電圧変化、電流変化が起こる。駆動信号周波数Fを上げていくと、電流が増加する傾向にあるが、電流損失が減る周波数がある。また、振幅電圧は高周波数になると減る傾向にあるが、特定の周波数において増加するピークを持つ特性となる。
【0067】
その結果、電流と電圧の検出信号IDsとVDsが大きく変化する周波数領域が、
図9に斜線で示すように共振周波数f0を中心とした共通の周波数範囲SBで重なることが分かる。
【0068】
以下、
図10に示した動作フローチャートと
図11に示した駆動波形図を参照して
図6及び
図7に示した駆動回路の動作について説明する。
【0069】
駆動回路のシーケンス選択制御部25(
図7)には、光源デバイス4のおおまかな負荷容量と昇圧トランス20の2次巻き線L2の漏れインダクタンスなどから予測した予測共振周波数と、例えば25kHzの予測共振周波数を中心として上下10kHz程度の範囲の周波数掃引幅などの掃引条件が初期条件として予め設定されている(ステップ1)。
【0070】
電源入力切換え回路21(
図6)において電源が投入されると、最初に電圧V1(例えば12V)のDC電源がオン(ステップ2)となり、
図7のシーケンス選択制御部25に予め設定された動作順序に従って、まず、周波数制御信号発生部24(
図7)に含まれるVCOから周波数可変の基本クロック信号F0が共振点より下の周波数から、予め設定された掃引幅、例えば
図9に示した所定の範囲SBを掃引するように発信される(ステップ3)。
図11では便宜上この基本クロック信号F0の周波数掃引に伴う周期T0の変化は示されていない。
【0071】
この間、同じくシーケンス選択制御部25(
図7)では
図11に示すようにデューティ比3:2で周波数100〜1000Hz程度のバースト信号B0が生成され、基本クロック信号F0はバースト周期で一時中断するクロック信号F1に変換される。
【0072】
このクロック信号F1の立ち上がりと立下りのタイミングでそれぞれパルス幅TSaの互いに位相の異なる周波数制御信号S1とS2が作られる。この両周波数制御信号S1とS2がスイッチ制御回路23(
図6)を介してトランジスタTr1とTr2のゲート電極に与えられ、両素子のオン/オフ状態が交互に切り換えられる。
【0073】
この結果、昇圧トランス20の1次巻き線L1の中点から流れる電流の向きが交互に反転し、2次巻き線L2の出力端子から巻き線比に応じて昇圧された正弦波の駆動電圧Voutが光源デバイス4のY電極14Yに印加されることになる。
【0074】
光源デバイス4に対する駆動電圧Voutのバースト周波数が100Hzであれば1周期の時間は10msとなり、デューティを3:2とすると、1バースト周期における駆動電圧の印加時間は6msとなる。従って、例えば、最初のバースト周期における駆動電圧印加期間(バースト長)にシーケンス制御回路25から周波数制御信号発生部24(
図7)に含まれるVCOに対して発信周波数を掃引する掃引信号を供給する。
【0075】
この結果、周波数可変基本クロック信号F0の周期T0が変わり、これに伴って駆動電圧Voutの周波数も掃引されることになる。この共振点サーチのための掃引動作はバースト信号B0の最初の1周期に限らず複数周期に亘ってもよい。
【0076】
駆動電圧Voutの印加と周波数掃引に伴って、光源デバイス4の放電動作による電圧と電流の変化の検出動作が開始される(ステップ4)。次いで
図7に示す電圧・電流・電力の各判定回路26、27及び28においてそれぞれの検出信号VDs、IDsの変化のピーク値とそれに対応した駆動周波数が判定される(ステップ5)。
【0077】
この判定回路の判定信号がシーケンス選択制御部25(
図7)にフィードバックされ、判定回路で判定された周波数が選択周波数として固定されるよう周波数制御信号発生部24のVCOが制御される(ステップ6)。
【0078】
上記駆動周波数の掃引による最適周波数の選択動作が完了した後、周波数自動調整制御回路22のシーケンス選択制御部25(
図7)から電源入力切換え回路21(
図6)に対して電源入力切換え信号DSが出力される。
【0079】
この切替え信号DSにより、電源が電圧V1(例えば12V)のDC電源(電池)からそれより低い電圧V2(例えば6V)のDC電源(電池)に切り換えられる。これに対応して昇圧トランス20の出力側に現れる駆動電圧Voutも点灯開始時の電圧Vout1からVout2に低下し、定常点灯状態となる(ステップ7,ステップ8)。
【0080】
ここで、光源デバイス4の発光単位となる発光チューブ1は、先に述べたように外部電極型の構成を有するので、放電開始電圧Vfを超える電圧で一旦放電を開始した後は、チューブ内壁面に蓄積する壁電荷の作用により、放電開始電圧よりも低い電圧Vsで放電を維持できる性質がある。
【0081】
他方、この光源デバイス4で高い発光輝度を得るためには、駆動電圧を高くすることと、駆動周波数を高くすることが考えられる。しかしながら駆動電圧を高くすることはデバイスの短寿命化にもつながる問題があり、また周波数を高くすると正弦波の周期が短くなるので、この光源デバイスの特徴でもある各放電チューブの長電極対の全長に亘り正弦波の上昇過程を利用して放電を拡張させる点灯動作が難しくなる問題がある。
【0082】
かくして、この実施形態の駆動法においては、点灯開始時は高い電圧で確実な点灯駆動を行うが、その後の定常点灯時には駆動電圧のピーク値を半分程度に引き下げて駆動する。点灯開始時に用いられるDC電源は、昇圧トランス20で昇圧された駆動電圧Voutが光源デバイス4の放電を開始するに十分な、例えばピーク値2000V程度となる出力電圧V1のものが用いられる。
【0083】
一方、定常点灯時には、昇圧出力電圧のピーク値が1000V程度となるようDC電源を出力電圧V2のものに切り換える。この電圧切り換えは、昇圧トランス20の出力側で電圧を調整するよりも有利である。この実施形態の駆動法により、定常点灯時時の駆動電圧のピーク値が下がることにより、駆動周波数を高めに設定した場合でも、発光チューブ1の長手方向全長に亘る長い電極対に沿った均一で強い放電発光を得ることができる。
【0084】
なお、
図11のように駆動電圧を断続的に印加するバースト駆動を行う際、初期放電時と同じ放電開始電圧Vfを超える高い電圧で定常駆動を行うと、放電間隙部に過大な壁電荷が蓄積する結果、電圧印加の停止時に壁電荷自身の電位差で放電する自己消去現象が起きて、再印加時の放電が不安定になる恐れがある。この点、本発明においては従来の光源駆動と異なり、定常駆動時の電圧を放電を維持できる電圧レベルに引き下げて駆動するので、安定した駆動が可能となる。また、管璧に蓄積した壁電荷は駆動電圧を切断しても数時間は十分保持されるので、維持電圧を再印加することで放電を瞬時に再起動することができる。
【0085】
ここで、定常点灯動作時の駆動電圧Vsは、壁電荷を利用して放電を維持できる電圧ではあるが、放電を電極14X、14Yの管軸方向の両サイドまで拡張させるために電極の長さに応じて決められる。従って、電極長が長い場合、維持電圧Vsのピーク値は必ずしも電極対の近接端部間(放電間隙部G)の放電開始電圧Vf以下に設定されるとは限らない。一つの電極対でカバーできる有効発光領域の長さは、放電間隙部の耐圧と駆動電圧のピーク値との関係から決められる。駆動電圧を抑えて有効発光領域の長尺化を図るには発光管の長手方向に複数対の電極を配置した構成をとることができる。
【0086】
第2実施形態
〔駆動回路〕
図12は本発明の第2実施形態による光源デバイス4又は面光源デバイス40の駆動回路を示す
図6対応図である。この実施形態の特徴は、初期点灯動作後の駆動電圧の引き下げを、第1実施形態のDC電源の切替え方式に代えて、昇圧トランス20に対する1次電流量の制御で行うようにした点にある。
【0087】
即ち、
図6に示す第1実施形態との比較において、
図12の駆動回路では、電源入力切換え回路21が除去され、その代わりに。周波数自動調整制御回路22の中に振幅切換え制御部29が追加されている。その他の構成は第1実施形態と同等である。
【0088】
振幅切換え制御部29は、シーケンス選択制御部25(
図7)において予め設定された初期点灯動作期間の終了後、周波数制御信号発生部24に対して周波数制御信号S1、S2のデューティ比制御信号を出す。
【0089】
上記デューティ比制御信号に応答して、
図13に示す第2実施形態の各部の波形タイムチャートに示すように、周波数制御信号S1、S2のパルス幅がTSaからTSbに狭められ、デューティ比がTSa/T0からTSb/T0に変えられる。
【0090】
かくして周波数制御信号S1、S2でオン/オフ制御されるスイッチングトランジスタTR1とTR2のオン状態での導通時間が短縮され、昇圧トランス20の1次巻き線L1に流れる電流がパルス幅に応じて減少するため、結果的に昇圧トランス20の出力側に得られる正弦波電圧の振幅値がVout1からVout2に低減されることになる。
【0091】
第3実施形態
[初期点灯開始シーケンス]
以上の実施形態においては初期点灯開始時と定常点灯時とで駆動電圧を切り換える動作を説明した。しかしながら、初期点灯開始動作に際してスイッチ投入直後に放電開始電圧Vfを超える電圧Voを印加すると、過大なオーバーシュート電圧が発生して駆動回路が破損する危険がある。即ち、駆動すべきガス放電デバイスは容量性の負荷であり、駆動開始前の大きな容量に比べて放電開始後の負荷容量は大幅に小さくなる。従ってインダクタンス成分である昇圧トランスから小容量の負荷にいきなり大きな交番電圧を印加した場合、駆動周波数に応じた二次応答波形の過大なオーバーシュートが発生しやすい傾向があり、部品の耐圧を超える危険がある。
【0092】
図14(a)は、上記のような初期点灯開始動作時の問題を回避して安定起動するための初期駆動シーケンスを示す包絡線波形図である。初期点灯開始期間IDPが緩衝期間DPと書き込み期間FP及び安定化期間SPの3段階のシーケンスを持つ。緩衝期間DPでは電源の出力トランスからから印加される正弦波の電圧が緩やかに増大して放電ギャップG間の放電開始電圧Vfを超えるVoまで引き上げられる。その後この電圧レベルVoでの数サイクルの書き込み期間FPが実行され、電極対14X、14Y間で初期放電が開始する。この間の正弦波電圧波形の変化の模様を
図14(b)に示す。
【0093】
また書き込み期間FPの後には、放電開始電圧Vfより低い安定化電圧Vsoの正弦波を印加する安定化期間SPを設けて、壁電荷の発生を伴う初期放電の安定化が図られる。そしてこれら3段階に初期点灯駆動シーケンスを実行した後、定常放電モードNDMの動作が行われることになる。定常放電モードでは、初期点灯時の電圧Voより低い維持電圧VSの正弦波を所定のバースト周期で断続的に印加して壁電荷を利用した維持放電動作が行われる。この定常点灯動作の維持放電期間においては、後で詳述するように、断続的に印加する駆動電圧のバースト周期または印加時間のデューティ比を調整して発光強度を調整することができる。
【0094】
図15は、上記のような初期点灯シーケンスを含めた第3実施例の駆動を行う光源デバイス駆動回路の構成例である。また
図16に当該駆動回路の動作を説明するための各部の動作波形のタイムチャートを示す。回路は大きく分けて交番駆動電圧発生部200と破線で囲んだ交番駆動電圧制御部300から成る。交番駆動電圧発生部200の構成は所謂インバータ電源の構成を有し、
図12に示した回路構成と実質的に変わらない。
【0095】
交番駆動電圧制御部300は、周波数・振幅制御回路310と発光強度制御回路320を含んでいる。周波数・振幅制御回路310は、内部に
図16に示すメインクロック信号FOを発生する回路の外、予め設定したシーケンスでメインクロック信号から初期バースト周期Tbc−1に相当するクロック数をカウントしてバースト長を定めるとともに、その間所定デューティ比のスイッチ制御S1,S2を生成する制御回路を含み、更に外からも駆動周波数を調整できるような周波数調整トリマー311を持つ。
【0096】
かくして光源デバイス4又は面光源デバイス40の初期放電開始時における初期バースト周期Tbc−1においては、メインクロック信号F0の立ち上がりと立ち下がりタイミングで作られるスイッチ制御信号S1,S2のデュ−ティ比即ちパルス幅がシーケンサの制御により
図16のように変えられる。この結果、
図11と12を参照して先に説明した駆動電圧Vout1からVout2への切り換えと同様の動作原理で、昇圧トランス20からの出力駆動電圧の正弦波振幅値を
図16のVoutに示すように緩衝期間DP、書き込み期間FP及び安定化期間SPの3段階に変化させることができる。
【0097】
初期バースト周期Tbc−1は100〜1000Hzの定常駆動時のバースト周期と同等乃至5倍程度の長さに設定され、3段階の初期駆動シーケンスを実行するバースト長Tb−1はデューティ比50%乃至それ以上に設定される。即ち初期バースト周期Tbc−1は50ms程度、バースト長Tb−1は25msまたはそれ以上となる。
【0098】
他方、上記発光強度制御回路320は、例えば
図17のような構成を有し、定常点灯時における駆動電圧の印加周期または印加時間を決めるバースト制御信号B0を制御して発光強度を調整するように機能する。
【0099】
駆動電圧の印加周期、即ちバースト周期Tbcを一定としてバースト時間長Tb、即デューティ比を変えることで単位時間あたりの放電発光回数を増減することができ、その結果発光強度が変化する。また、デューティ比を一定としてバースト周期Tbcを変えることでも単位時間あたりの放電発光回数が変化して発光強度の調整が可能となる。
図18は、バースト周期Tbcを一定とし、デューティ比を変えて発光強度を調整する場合の動作を説明するためのタイムチャートである。また
図19は、デューティ比を一定としてバースト周期Tbcを変える場合の動作を説明するタイムチャートである。
【0100】
図17に示した発光強度制御回路の構成図との関連において、発光強度調整手段321からのアナログ強度信号がA/D変換回路322でデジタル強度信号に変換されて1バースト周期カウント数値記録テーブル323と1バースト長カウント数値記録テーブル324に与えられる。その結果、所定のバースト周期に応じたカウント数値と、強度信号に対応したバースト長カウント数値が読み出されて、それぞれバースト周期カウント回路325とバースト長カウント回路326に設定される。
【0101】
かくしてメインクロック信号発生回路327からのクロック信号F0がバースト周期カウント回路325で設定された数分カウントされる毎にバースト周期信号Tbcがバースト制御信号生成回路328に与えられる。また同じくメインクロック信号F0は、バースト長カウント回路326でも設定されたバースト長分カウントされ、カウントアップ毎にバースト長信号Tbがバースト制御信号生成回路328に与えられる。これらバースト周期信号Tbcとバースト長信号Tbによりバースト制御信号B0が生成され、発光強度制御信号として駆動電圧発生部のスイッチ制御回路23に与えられる。
【0102】
なお上記1バースト周期カウント数値記録テーブル323と1バースト長カウント数値記録テーブル324には、先に述べた初期放電開始時動作のシーケンスを実行する初期バースト周期の時間と3段階の駆動電圧変化時間を設定するカウント数値も記憶されている。電源投入時には、周波数・振幅制御回路310に含まれる図示しないシーケンサからの制御信号により
図16で説明した初期バースト周期Tbc―1と初期バースト長Tb−1が定められる。
【0103】
図20は、本は発明において上記のようなバースト駆動を行う場合の駆動電圧波形(a)と発光波形(b)との関係を示している。発光チューブアレイ構成の光源デバイスに対しては実施例2のような方法で最適化された例えば25μsの周期(駆動周波数40KHz)を持つ正弦波が所定の発光強度に応じたデューティ比で
図20(a)のように印加される。そして印加正弦波の周期に応じた
図20(b)のようなパルス発光が行われ、その積算値に応じた発光強度が得られる。駆動電圧印加のバースト周期Tbcに対するバースト長Tbの割合(Tb/Tbc)、即ちデューティ比がほぼリニアの関係で発光強度に対応する。デューティ比100%の駆動は駆動電圧を連続的に印加することを意味し、最大の発光強度を得ることができる。
【0104】
しかしながらこのような連続点灯若しくは高いデューティでの駆動は光源デバイスの寿命を縮める可能性があり好ましくない。まデューティが低くバースト長が短すぎると放電・発光が不安定となる可能性がある。1バースト周期Tbcにおいて駆動正弦波の周期が少なくとも5サイクル以上となるようバースト長Tbを設定するのが好ましい。バースト周波数は100〜1000Hzの範囲、デューティ比は10〜90%の範囲で任意に設定することができ、その範囲でバースト周期又はデューティ比を調整して発光強度を加減する。駆動正弦波の周波数が40KHzでバースト周波数を1000Hzとすれば、1バースト長における正弦波の波数はデューティ比50%で20サイクルとなり、40回の放電とそれに伴う発光が発生する。
【0105】
その他の変形例
以上、本発明を第1、第2及び第3実施形態によって詳細に説明したが、駆動電圧の最適条件が必ずしも駆動回路の共振点にあるとは限らない。即ち、共振周波数での駆動が最適条件の目安ではあるが、共振周波数は光源デバイス4の容量のほかにインバータ電源の昇圧トランス20の出力インダクタンスを含めた総合的な回路定数で決まるものであり、2次コイルの出力インダクタンスが小さく共振周波数が低くなる場合にそのまま低い周波数で駆動するのがよいわけではない。また光源デバイス4の発光面積を大きくした場合、それに応じて負荷となる容量が変化し、共振周波数も変わるけれども、追従して駆動周波数を変えるのがよいとも限らない。また駆動電圧も必ずしも厳密な正弦波形を有するとは限らず、負荷容量やインダクタンスによる歪を伴った交番波形を含むのは当然である。
【0106】
本発明の本質は、外部電極構成のガス放電デバイスから成る光源デバイスを長期に渡って確実かつ安定に駆動するために、初期放電開始時に高い電圧での初期駆動期間を設け、その後低い維持電圧での定常放電駆動を行う点にある。定常放電駆動時に初期放電駆動時と同じVfを超える高い電圧を印加するやり方では、バースト駆動の消灯毎に壁電荷の自己消去現象が起きて再放電が不安定になるところ、壁電荷を利用した維持電圧レベルでの定常放電駆動を行うことによりデューティ調整を安定して行うことが可能となる。
【0107】
更に本発明においては、初期放電開始期間の動作シーケンスを最適化して確実な点灯動作を実行する。また一旦初期放電が発生した後は、壁電荷を利用して安定した放電を断続的に維持できるので、バースト駆動法におけるバースト周期又はデューティ比を調整して発光輝度や強度を調整したり、光源デバイスの経時劣化に伴う発光強度の低下を補償することが可能となる。所定周期のバースト駆動を一定時間行った後、一旦駆動を停止しても、停止時間が数十時間以内であれば、初期駆動シーケンスを行うことなく瞬時に定常点灯動作を再起することもできる。
【0108】
発光強度の劣化を補償する場合には例えば、初期設定で75%程度にデューティ比を設定して、最高発光強度の75%の発光強度で駆動を開始し、長時間駆動後に初期の輝度の80%程度に発光強度が落ちた後に、発光強度調整手段を用いてデューティ比を100%に設定して、25%程度の輝度を向上させることで、ほぼ初期の輝度に回復させることができる。発光強度を回復する調整は上記は1回のデューティ比の変更で行われるが、複数回小刻みにやることもできる。このように、デューティ比を調整することで実用上の使用時間を長くし、すなわち製品寿命を長くすることができる。デューティ比を変える方法は、外部から回路の制御部に信号を入れて行う方法や、あらかじめディップスイッチなどの物理的手段を回路に構築しておいて、メンテナンス時にスイッチを切り替える方法などがある。また、このような発光強度を一定に保つ動作の自動化のためには、例えば、発光面の発光強度を検知し、その検知信号をデジタル化して発光強度制御回路320の記録テーブル323及び324のカウント数を変えるフィードバック制御の要素に加えてもよい。
【0109】
或は、出荷時に発光輝度レベル等から予め定めた駆動周波数で駆動した時の電圧検出信号値並びに電流検出信号値を基準レベルとして各判定回路に設定し、その設定レベルからの検出信号の変化を元に戻すようなフィードバック制御で駆動周波数の選択サーチを行うようにしてもよい。
【0110】
何れにしても本発明によれば、ガス放電を利用した光源デバイス、殊に大面積で水銀レスの紫外光源デバイスを長期に亘ってわたって安定に駆動することができるので、紫外線応用分野の拡大に極めて有益である。