特許第6670568号(P6670568)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670568
(24)【登録日】2020年3月4日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/08 20060101AFI20200316BHJP
   F25D 23/06 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   F25D23/08 L
   F25D23/06 W
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-166768(P2015-166768)
(22)【出願日】2015年8月26日
(65)【公開番号】特開2017-44397(P2017-44397A)
(43)【公開日】2017年3月2日
【審査請求日】2018年7月24日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】住廣 勝志
【審査官】 森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−059689(JP,A)
【文献】 実開昭55−137090(JP,U)
【文献】 特開2012−087993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/08
F25D 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外箱および当該外箱内に設けられた内箱を有するものであって、当該外箱および当該内箱間に断熱材液が充填される第1の充填空間が形成された箱体と、
前記箱体内に設けられたものであって、前記第1の充填空間に通じると共に前記断熱材液が充填される第2の充填空間を前記箱体との間に形成する真空断熱材と、
前記箱体内に前記断熱材液を注入する注入口と、
前記第2の充填空間に設けられたものであって、前記第2の充填空間の幅寸法を部分的に小または零とする流動調整部材を備え、
前記流動調整部材は、前記箱体のうち機械室を構成する部分に設けられ、且つ、前記第2の充填空間において当該第2の充填空間の末端部よりも前記注入口側に備えられている冷蔵庫。
【請求項2】
前記箱体を構成する複数の面のうち、前記第2の充填空間の末端部を有する面と前記注入口を有する面とが異なる請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記注入口は、前記外箱に複数設けられており、前記断熱材液を前記第1の充填空間から前記流動調整部材を迂回して前記第2の充填空間に充填する請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記流動調整部材は、前記内箱の左右方向の幅寸法に相当する長さを有している請求項1から3のいずれかに記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記真空断熱材は、水平な底板部および当該底板部の後端から上へ向う後板部を有するものであり、
前記第2の充填空間の幅寸法は、前記真空断熱材の底板部および後板部のそれぞれで前記真空断熱材の厚さ寸法に比べて狭い請求項1から4のいずれかに記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫には外箱と内箱と真空断熱材を備えたものがある。内箱は外箱内に設けられたものであり、外箱および内箱間には第1の充填空間が形成されている。真空断熱材は外箱および内箱間に設けられたものであり、内箱および真空断熱材間には第1の充填空間に通じる第2の充填空間が形成されている。これら第1の充填空間および第2の充填空間のそれぞれは断熱材液が注入されるものであり、当該断熱材液が硬化することに応じて固形状の断熱材で満たされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−059917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記冷蔵庫の場合には外箱の複数の注入口のそれぞれから第1の充填空間を通して第2の充填空間に断熱材液を注入している。従って、複数の断熱材液の流れが複雑にぶつかることに応じて断熱材液の流動性が低下するので、断熱材液が第2の充填空間に充分に充填されないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施例の冷蔵庫は、外箱および当該外箱内に設けられた内箱を有するものであって当該外箱および当該内箱間に断熱材液が充填される第1の充填空間が形成された箱体と、前記箱体内に設けられたものであって前記第1の充填空間に通じると共に前記断熱材液が充填される第2の充填空間を前記箱体との間に形成する真空断熱材と、前記箱体内に前記断熱材液を注入する注入口と、前記第2の充填空間に設けられたものであって前記第2の充填空間の幅寸法を部分的に小または零とする流動調整部材を備え、前記流動調整部材は、前記箱体のうち機械室を構成する部分に設けられ、且つ、前記第2の充填空間において当該第2の充填空間の末端部よりも前記注入口側に備えられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施例1を示す図(キャビネットの外観を斜め後から示す図)
図2】キャビネットの外観を前から示す図
図3図2のX3線に沿う断面図
図4図2のX4線に沿う断面図
図5】流動調整部材を内箱に貼付された状態で示す図
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0007】
図1のキャビネット1は前面が開口する縦長な直方体形状をなすものであり、キャビネット1内には複数の貯蔵室が上下方向に並べて形成されている。このキャビネット1は断熱性を有するものであり、箱体に相当する。このキャビネット1には複数の貯蔵室のそれぞれの前側に位置して扉が装着されている。これら複数の扉のそれぞれは閉鎖状態および開放状態間で操作可能にされたものであり、複数の貯蔵室のそれぞれの前面は前側の扉の閉鎖状態で気密状態に閉鎖される。
【0008】
キャビネット1には、図1に示すように、機械室2が形成されている。この機械室2はキャビネット1の下端部に配置されたものであり、後面が開口している。この機械室2内には冷凍サイクルのコンプレッサ3が固定されている。このコンプレッサ3には冷媒管4を介して冷凍サイクルのコンデンサおよびエバポレータが接続されており、複数の貯蔵室内のそれぞれにはエバポレータが生成した冷気が供給される。
【0009】
キャビネット1は、図1に示すように、外箱5を有している。この外箱5は縦長な直方体形状をなすものであり、前面が開口している。この外箱5は複数の鋼板間を接合することで構成されたものであり、垂直な外左板6と垂直な外右板7と水平な外天板8と水平な外底板9と垂直な外後板10を有している。
【0010】
キャビネット1は、図2に示すように、内箱11を有している。この内箱11は前面が開口する直方体形状をなすものであり、外箱5内に配置されている。この内箱11は合成樹脂を材料とするものであり、垂直な内左板12と垂直な内右板13と水平な内天板14と水平な内底板15と垂直な内後板16を有している。
【0011】
内箱11の内左板12〜内後板16は複数の貯蔵室の壁に相当するものであり、図2に示すように、外箱5の外左板6は内箱11の内左板12に左から隙間を介して対向し、外箱5の外右板7は内箱11の内右板13に右から隙間を介して対向し、外箱5の外天板8は内箱11の内天板14に上から隙間を介して対向し、外箱5の外底板9は内箱11の内底板15に下から隙間を介して対向し、外箱5の外後板10は内箱11の内後板16に後から隙間を介して対向している。これら外箱5および内箱11間の隙間は第1の充填空間34(図4参照)に相当する。
【0012】
内箱11には、図2に示すように、前端部に位置してフランジ板17が形成されている。このフランジ板17は内箱11を取囲む四角枠状をなすものであり、外箱5および内箱11間の第1の充填空間34を前側から塞いでいる。この外箱5は、図3に示すように、機械室外板18を有している。この機械室外板18は機械室2の壁に相当するものであり、外箱5の外底板9および外後板10間に接合されている。この機械室外板18には機械室内板19が隙間を介して対向している。この機械室内板19は内箱11に形成されたものであり、内箱11の内底板15および内後板16間に配置されている。
【0013】
外箱5および内箱11間には、図3に示すように、真空断熱パネル20が収納されている。この真空断熱パネル20は水平な底板部21および底板部21の後端部から上へ向う後板部22を有するものであり、底板部21は外箱5の外底板9および内箱11の内底板15間に介在されている。この真空断熱パネル20の底板部21は外箱5の外底板9に上から接触するものであり、内箱11の内底板15および真空断熱パネル20の底板部21間には底板部21の厚さ寸法に比べて幅狭な底ウレタン通路23が形成されている。この真空断熱パネル20は真空断熱材に相当するものであり、曲がった壁に沿って曲がった真空断熱パネル20が設けられている。
【0014】
真空断熱パネル20の後板部22は、図3に示すように、外箱5の機械室外板18および内箱11の機械室内板19間に介在されている。この真空断熱パネル20の後板部22は外箱5の機械室外板18に前から接触するものであり、内箱11の機械室内板19および真空断熱パネル20の後板部22間には隙間状の後ウレタン通路24が形成されている。この後ウレタン通路24は後板部22の厚さ寸法に比べて幅狭なものであり、底ウレタン通路23に通じている。これら底ウレタン通路23および後ウレタン通路24は第2の充填空間35に相当するものであり、第2の充填空間35は第1の充填空間34に通じている。
【0015】
外箱5には、図2に示すように、左注入口25および右注入口26が形成されている。これら左注入口25および右注入口26のそれぞれは円形状の貫通孔からなるものであり、図1に示すように、ゴム製の栓27が押込まれることに応じて塞がれている。これら左注入口25および右注入口26のそれぞれは外箱5のうち外後板10の上下方向の略中央部に配置されたものであり、左注入口25は外後板10の左端部に配置され、右注入口26は外後板10の右端部に配置されている。これら左注入口25および右注入口26のそれぞれは注入口に相当する。
【0016】
内箱11には、図4に示すように、左傾斜板28Lが形成されている。この左傾斜板28Lは内箱11の内左板12および内後板16間に配置されたものであり、右から左に向けて前へ傾斜している。この左傾斜板28Lは外箱5の外左板6および内箱11の内左板12間の隙間をキャビネット1の後端部で右へ拡大するものであり、左注入口25は左傾斜板28に後から対向することに応じて外箱5の外左板6および内箱11の内左板12間の隙間に配置されている。
【0017】
内箱11には、図2に示すように、右傾斜板28Rが形成されている。この右傾斜板28Rは内箱11の内右板13および内後板16間に配置されたものであり、左から右に向けて前へ傾斜している。この右傾斜板28Rは外箱5の外右板7および内箱11の内右板13間の隙間をキャビネット1の後端部で左へ拡大するものであり、右注入口26は右傾斜板に後から対向することに応じて外箱5の外右板7および内箱11の内右板13間の隙間に配置されている。
【0018】
外箱5および内箱11間の隙間には、図3に示すように、固形状の発泡ウレタン29が充填されている。この発泡ウレタン29はウレタン混合液(ウレタン発泡液)が硬化したものであり、ウレタン混合液は断熱材液に相当する。このウレタン混合液は、図4に示すように、左注入口25内に後から左注入ヘッド30を挿入し、右注入口26内に後から右注入ヘッドを挿入し、左注入ヘッド30および右注入ヘッドのそれぞれから互いに同時に前向きに注入開始されることで充填されたものであり、ウレタン混合液の注入圧等の注入条件は左注入ヘッド30および右注入ヘッド間で同一に設定されている。
【0019】
左注入ヘッド30からのウレタン混合液および右注入ヘッドからのウレタン混合液は注入直後から空気と反応して膨らむものであり、内箱11の前側のフランジ板17まで素早く注入され、流動性を有するウレタン液の状態で上下方向に充填される。このウレタン混合液は外左板6および内左板12間の隙間のうち後側に対しては空気と反応して膨張しながら充填され、外右板7および内右板13間の隙間のうち後側に対しても空気と反応して膨張しながら充填される。このウレタン混合液の膨張は前から後へ向うことで外後板10に到達する速度が速く、下から上へ向うことで外天板8に到達する速度および上から下へ向うことで外底板9に到達する速度のそれぞれが遅く、ウレタン混合液の充填末端部は天井部のうち照明収納部および底部のうち中央部となる。
【0020】
外箱5および内箱11間には、図3に示すように、流動調整部材31が介在されている。この流動調整部材31は固形状の断熱部材、断熱材液のせき止め部材、長い直方体形状の部材、長手方向を有する部材、機械室を構成する壁間に配置された部材に相当するものであり、図5に示すように、内箱11のうち機械室内板19の後面に粘着テープ32で貼付けられている。この流動調整部材31は機械室内板19と左右方向の長さ寸法がほぼ同一に設定されたものであり、流動調整部材31の左端面は内箱11の内左板12の表面と同一の垂直面上に配置され、流動調整部材31の右端面は内箱11の内右板13の表面と同一の垂直面上に配置されている。この流動調整部材31の左端面は外箱5の外左板6に隙間を介して対向しており、流動調整部材31の右端面は外箱5の外右板7に隙間を介して対向している。
【0021】
流動調整部材31は、図3に示すように、真空断熱パネル20の後板部22に前から接触するものであり、内箱11の機械室内板19に後から接触している。この流動調整部材31は後ウレタン通路24を上下方向の途中でウレタン混合液が通過不能に塞ぐものであり、後ウレタン通路24のうち流動調整部材31の上側には左注入ヘッド30からのウレタン混合液および右注入ヘッドからのウレタン混合液が外箱5の外後板10および内箱11の内後板16間の隙間を通して充填される(図5の矢印Fb参照)。
【0022】
流動調整部材31は左注入ヘッド30からのウレタン混合液および右注入ヘッドからのウレタン混合液が外箱5の外後板10および内箱11の内後板16間から後ウレタン通路24を通して底ウレタン通路23内に注入されることを禁止するものであり、底ウレタン通路23および後ウレタン通路24のうち流動調整部材31の下側には[1][2]の経路でウレタン混合液が注入される。
[1]左注入ヘッド30からのウレタン混合液は内箱11の左傾斜板28Lに当って前(貯蔵室の開口側)へ流れる。このウレタン混合液は外箱5の外左板6および内箱11の内左板12間の隙間を上から下(機械室方向)に向けて流れ、底ウレタン通路23内に左端面から進入する(図5の矢印Fl参照)。このウレタン混合液は底ウレタン通路23内を左から右へ流れながら後ウレタン通路24内に流動調整部材31の下側まで充填される。
[2]右注入ヘッドからのウレタン混合液は内箱11の右傾斜板28Rに当って前へ流れる。このウレタン混合液は外箱5の外右板7および内箱11の内右板13間の隙間を上から下に向けて流れ、底ウレタン通路23内に右端面から進入する(図5の矢印Fr参照)。このウレタン混合液は底ウレタン通路23内を右から左へ流れながら底ウレタン通路23の左右方向の中央部で左注入ヘッド30からのウレタン混合液に衝突し、後ウレタン通路24内に流動調整部材31の下側まで充填される。
【0023】
内箱11の内底板15には、図5に示すように、複数のガス抜き孔33が形成されている。これら複数のガス抜き孔33は左注入ヘッド30からのウレタン混合液および右注入ヘッドからのウレタン混合液間が衝突する内底板15の左右方向の中央部に配置されたものであり、ウレタン混合液の注入時に生じるガスは複数のガス抜き孔33を通して底ウレタン通路23の外部に排出される。
【0024】
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
内箱5および真空断熱パネル20間に流動調整部材31を介在することに応じて内箱5および真空断熱パネル20間の隙間寸法を部分的に零とした。このため、ウレタン混合液が後ウレタン通路24を通して底ウレタン通路23に進入することがなくなるので、底ウレタン通路23でのウレタン混合液の流れが左から右および右から左の2つとなる。従って、底ウレタン通路23でのウレタン混合液の流動性が高まるので、底ウレタン通路23にウレタン混合液が円滑に充填される。
【0025】
外箱5および内箱11間に左注入口25および右注入口26のそれぞれから前向きにウレタン混合液を注入した。従って、ウレタン混合液が流動調整部材31を迂回して底ウレタン通路23内に注入されるので、底ウレタン通路23にウレタン混合液が一層円滑に充填される。
【0026】
内箱11に左傾斜板28Lおよび右傾斜板28Rを設けた。従って、左注入口25からのウレタン混合液が左傾斜板28Lに沿って確実に外箱5の外左板6および内箱11の内左板12間に注入され、右注入口26からのウレタン混合液が右傾斜板28Rに沿って確実に外箱5の外右板7および内箱11の内右板13間に注入される。
【0027】
流動調整部材31を内箱11の左右方向の幅寸法に相当する長さに設定した。従って、外箱5の外後板10および内箱11の内後板16間を通って後ウレタン通路24から底ウレタン通路23内に進入するウレタン混合液の流れが十分に廃止されるので、底ウレタン通路23にウレタン混合液が一層円滑に充填される。
【0028】
内箱11にガス抜き孔33を設けたので、ウレタン混合液を注入するときに外箱5および内箱11間で発生するガスがガス抜き孔33から外部へ排出される。しかも、ウレタン混合液の左から右への流れおよび右から左への流れが衝突する部分にガス抜き孔33を配置したので、ガスが効率的にガス抜き孔33から外部へ排出される。
【0029】
底ウレタン通路23および後ウレタン通路24のそれぞれの幅寸法を真空断熱パネル20の厚さ寸法に比べて狭く設定したので、キャビネット1の底部で残りの部分に比べて高い断熱性能が得られる。
【0030】
上記実施例1においては、内箱5および真空断熱パネル20間に少しの隙間を設けても良い。
上記実施例1においては、内箱11の機械室内板19および流動調整部材31間に後ウレタン通路24に比べて幅狭な隙間を設けても良い。この構成の場合でもウレタン混合液の大半が左注入口25および右注入口26のそれぞれから流動調整部材31を迂回するので、底ウレタン通路23にウレタン混合液が円滑に充填される。
【0031】
上記実施例1においては、外箱5および内箱11間にキャビネット1の底部とは異なる部分に位置して真空断熱パネルを収納しても良い。この構成の場合にも真空断熱パネルおよび内箱11間にウレタン混合液が充填される第2の充填空間を設け、第2の充填空間内に流動調整部材を設けることで第2の充填空間の幅寸法を部分的に小または零とすることが好ましい。尚、外箱5および内箱11間に真空断熱パネル29がある場合はより下方での断熱材液の流れが悪くなり、ウレタン混合液の注入口から最も距離が遠い部分である底部の中央にウレタン混合液が到達できない虞があるが、流動調整部材があることによって「す」を作ることなく効果的にウレタン混合液を充填できる。このウレタン混合液が充填困難な末端部に対しては底部だけでなく、天井部であっても流動調整部材が効果的に作用する。また、断熱材液の注入口から最も距離が遠い部分には補助として別の成形品からなる断熱材を設けても良い。
【0032】
上記実施例1においては、流動調整部材31の左右方向の長さ寸法を内箱11に比べて小または大に設定しても良い。
上記実施例1においては、流動調整部材31として側面視が「く」形状の部材を用いても良い。
【0033】
以上、本発明の実施例を説明したが、この実施例は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施例やその変形は発明の範囲や要旨に含まれると共に特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0034】
1はキャビネット(箱体)、5は外箱、11は内箱、20は真空断熱パネル(真空断熱材)、21は底板部、22は後板部、25は左注入口(注入口)、26は右注入口(注入口)、31は流動調整部材、33はガス抜き孔、34は第1の充填空間、35は第2の充填空間である。
図1
図2
図3
図4
図5