【文献】
山田 浩史,SwiftTouch: 手首装着型センサを用いた競技かるたにおける札取得者判定システム,マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2015)シンポジウム論文集 情報処理学会シンポジウムシリーズ Vol.2015 No.1 [CD−ROM] IPSJ Symposium Series,日本,一般社団法人情報処理学会,2015年 7月 8日,第2015巻 第1号,PP.821-830
【文献】
百人一首読み上げ「わすらもち」,Appliv,2014年 9月24日,[online],令和元年6月25日検索,URL,https://android.app-liv.jp/001262594/
【文献】
Wiiパーティ Wii Party,Nintendo DREAM vol.196,株式会社毎日コミュニケーションズ,2010年 8月 1日,第196巻,PP.46-47
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.実施形態
1−1.構成
図1は、本実施形態に係るカルタ取りに使用される用具の構成の一例を示す図である。本実施形態に係るカルタ取りでは、台座1と、複数のカルタ2と、情報処理装置3とが使用される。ここで、カルタ取りとは、読み手が読み札を読み上げ、複数の取り手が、読み上げられた読み札に対応する取り札を取り合う遊びである。一般的なカルタ取りでは、まず複数の取り札を平面上に並べて、読み手が読み札を読み上げ、読み上げられた読み札に対応する取り札を最も早く手で叩いた(又は、手ではじいた)取り手がその取り札を取得する。取り札が取得されると次の読み札が読み上げられ、すべての読み札が読み上げられるまで繰り返される。最終的により多くの読み札を取った取り手が勝者となる。
【0013】
台座1は、その表面に複数のカルタ2と情報処理装置3とが配置される台である。台座1の表面は、複数のカルタ2が配置される載置面の一例である。台座1は例えば床の上に設置される。台座1は四角形の形状を有し、より具体的には一辺が1mの正方形の形状を有する。台座1は、振動が伝わりやすい素材により構成され、例えば段ボールや木材により構成される。
【0014】
カルタ2は、その表面に絵や文字が記載された有形のカードである。カルタ2は複数枚で一組を構成する。カルタ2は例えばいろはカルタや歌カルタ(例えば、百人一首)である。カルタ2は、読み札と取り札のうちの取り札の方である。カルタ2はそれぞれ矩形の形状を有する。カルタ2の素材は厚紙やプラスチック製の薄板である。カルタ2は、絵や文字が記載された面を上にしてランダムに台座1上に配置される。
【0015】
情報処理装置3は、カルタ取りを支援する装置である。情報処理装置3は、具体的には、スマートフォンやタブレット端末や携帯型のゲーム機等のコンピュータ装置である。情報処理装置3は台座1の中央に配置される。
図2は、情報処理装置3の構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置3は、大略、CPU(Central Processing Unit)31と、メモリ32と、タッチスクリーン33と、加速度センサ34と、スピーカ35とを備える。
【0016】
CPU31は、メモリ32に記憶されるカルタ取り支援動作プログラムを実行して、後述する各機能を実現する。メモリ32は、フラッシュメモリ等の記憶装置である。メモリ32は、CPU31により実行されるカルタ取り支援動作プログラムを記憶する。また、メモリ32は、カルタ2に関する情報を読み上げる音声を表す音声データと、カルタ取りに参加するユーザの得点表とを記憶する。タッチスクリーン33は、表示パネルと、当該表示パネル上に重ねられたタッチセンサとにより構成される。表示パネルは例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイである。タッチセンサは例えば静電容量方式や抵抗膜方式のタッチセンサである。加速度センサ34は、台座1に加えられた振動(又は衝撃)を検知するセンサである。加速度センサ34は、3軸の加速度センサであり、情報処理装置3の左右方向(X軸方向)、上下方向(Y軸方向)及び前後方向(Z軸方向)の3軸成分の加速度を検知して、検知した加速度を示す加速度データを定期的にCPU31に出力する。スピーカ35は、カルタ2に関する情報を音声出力する出力部である。
【0017】
次に、CPU31により実現される各機能について説明する。具体的には、振動判定部311と、音声出力制御部312と、計時部313と、得点算出部314と、取り手特定部315と、お手付き判定部316と、得点加算部317と、表示制御部318の各機能について説明する。
【0018】
振動判定部311は、ユーザによりいずれかのカルタ2が取得されたか否かを判定する。具体的には、加速度センサ34から出力される加速度データに基づいて、台座1に加えられた振動の大きさが所定の閾値以上であるか否かを定期的に判定する。ここで、台座1に加えられた振動の大きさは、例えば、加速度センサ34により計測されたX、Y及びZ軸方向の加速度データの各成分を合計した値により表される。または、これらX、Y及びZ軸方向の加速度データの各成分の合成ベクトルの値により表される。所定の閾値は、実際にカルタ2を台座1上で取得した際に台座1に加わる振動を測定する実験を行って求められる。振動判定部311は、加速度センサ34により所定の閾値以上の大きさの振動が検知されたと判定すると、振動検知信号を音声出力制御部312と、計時部313と、得点算出部314と、表示制御部318とに出力する。振動判定部311は、上記判定を、音声出力制御部312による音声出力の開始後に開始する。言い換えると、ユーザにより読み上げ開始が指示されてから所定の時間経過後に開始する。なお、別の実施形態においては、上記判定を、音声出力制御部312による音声出力と同時に開始してもよい。
【0019】
音声出力制御部312は、メモリ32に記憶される音声データに基づいて、カルタ2に関する情報をスピーカ35に音声出力させる。ここで、カルタ2に関する情報とは、具体的には、カルタ2に記載された文章や絵に関する情報である。または、カルタ2に記載された情報を連想させる情報である。より具体的には、カルタ2に対応する読み札に記載された文章等の情報である。音声出力制御部312は、ユーザにより読み上げ開始が指示されると、スピーカ35による音声出力を開始し、音声出力開始後、振動判定部311から振動検出信号を取得すると、当該音声出力を停止する。音声出力停止後にまたユーザにより読み上げ開始が指示されると、次の音声データに基づいて、カルタ2に関する情報をスピーカ35に音声出力させる。音声出力制御部312は、スピーカ35に音声出力させる音声データをランダムに選択する。なお、別の実施形態において、音声出力の開始タイミングは周期的であってもよい。
【0020】
計時部313は、スピーカ35によりカルタ2に関する情報が音声出力されるタイミングに応じて定まる時点から、加速度センサ34により振動が検知されるまでに経過する時間を計測する。ここで、スピーカ35により音声出力のタイミングに応じて定まる時点とは、具体的には、スピーカ35により音声出力が開始される時点である。言い換えると、ユーザにより読み上げ開始が指示されてから所定の時間経過後の時点である。なお、別の実施形態において、スピーカ35により音声出力のタイミングに応じて定まる時点は、スピーカ35による音声出力の開始後、所定時間経過後の時点であってもよいし、当該音声出力の開始よりも所定時間前の時点であってもよい。または、スピーカ35による音声出力の終了の時点であってもよいし、当該音声出力の終了後、所定時間経過後の時点であってもよいし、当該音声出力の終了よりも所定時間前の時点であってもよい。計時部313は、時間計測の開始後、振動判定部311から振動検出信号を取得すると、当該時間計測を停止し、計測した時間を得点算出部314に通知する。その後、計時部313は、計測した時間をリセットする。
【0021】
得点算出部314は、計時部313に計測された時間に基づいて処理を実行する処理実行部である。具体的には、計時部313に計測された時間に基づいて得点という変数を算出する。この得点は、カルタ2を取得したことに対する対価である。得点算出部314は、得点を算出する際、計時部313に計測された時間が短いほど得点を高く算出する。例えば、得点算出部314は、値「10」から、計時部313に計測された時間のうち整数部分を減算して得られる値を2倍することにより得点を算出する。なお、別の実施形態において、計時部313に計測された時間が長いほど得点を高く算出するようにしてもよい。得点算出部314は、算出した得点を得点加算部317と、表示制御部318とに通知する。また、得点加算部317は、計時部313に計測された時間に基づいて、ユーザのカルタ取りの腕前を示すレベルを特定する。このレベルは例えばアルファベットにより表される。得点算出部314は、レベルを特定する際、計時部313に計測された時間が短いほど高いレベルを特定する。得点算出部314は、特定したレベルを表示制御部318に通知する。
【0022】
取り手特定部315は、カルタ2を取得したユーザを特定する。言い換えると、カルタ2を取得するために、加速度センサ34により検知された振動を台座1に加えたユーザを特定する。ここで、ユーザにより取得されたカルタ2とは、スピーカ35によりその情報が音声出力されたカルタ2である。具体的には、取り手特定部315は、加速度センサ34により所定の閾値以上の大きさの振動が検知された後に、タッチスクリーン33上においてユーザにより選択されるキャラクタを特定する。取り手特定部315は、選択されたキャラクタを得点加算部317に通知する。
【0023】
お手付き判定部316は、ユーザによりお手付きが行われたか否かを判定する。具体的には、加速度センサ34により検知された振動がお手付きにより加えられたものであるか否かを判定する。ここで、お手付きとは、スピーカ35によりその情報が音声出力されたカルタ2とは異なるカルタ2をユーザが誤って取得することをいう。具体的には、お手付き判定部316は、タッチスクリーン33上で後述するお手付きボタンB7がユーザにより選択されると、お手付きが行われたと判定する。お手付き判定部316は、お手付きを検出すると、お手付き検出信号を得点加算部317に出力する。
【0024】
得点加算部317は、得点算出部314により算出された得点を、取り手特定部315により特定されたユーザと対応づけて得点表に記録する。具体的には、特定されたユーザに対応するキャラクタと対応づけて当該得点を得点表に記録する。一方、得点加算部317は、お手付き判定部316によりお手付きが検出された場合には、得点算出部314により算出された得点の得点表への記録を省略する。なお、他の実施形態において、得点算出部314により算出された得点に基づいて定まる値を、お手付きをしたユーザと対応づけて記録される得点から減算するようにしてもよい。ここで、得点に基づいて定まる値とは、得点そのものの値でもよいし、得点に所定の係数を乗じて得られる値であってもよい。
【0025】
表示制御部318は、タッチスクリーン33に画面を表示させる。表示制御部318により表示される画面については後述する。
【0026】
1−2.動作
情報処理装置3の動作について説明する。具体的には、ユーザのカルタ取りを支援するカルタ取り支援動作について説明する。
【0027】
情報処理装置3において、ユーザによりカルタ取り支援動作プログラムの実行が指示されると、CPU31はメモリ32に記憶される当該プログラムを実行する。カルタ取り支援動作プログラムが実行されると、表示制御部318はタッチスクリーン33にメニュー画面を表示させる。
図3は、メニュー画面の一例を示す図である。同図に示すメニュー画面には、「文字表示」、「読み上げ」、「風船バトル」、「すごろく」の各機能を選択するための選択ボタンB1〜B4が画面中央に表示される。ここで、文字表示機能は、通常、読み手によって読み上げられるカルタ2に関する情報を、読み手による読み上げに代えて、タッチスクリーン33に表示する機能である。読み上げ機能は、読み手による読み上げに代えて、カルタ2に関する情報をスピーカ35から音声出力する機能である。風船バトル機能は、カルタ取りを利用した風船バトルというゲームを実現する機能である。すごろく機能は、カルタ取りを利用したすごろくを支援する機能である。本動作説明では、読み上げ機能について説明し、残りの機能については後述する。
【0028】
図3に示すメニュー画面において選択ボタンB2が選択されると、CPU31は読み上げ機能を実行する。
図4及び
図5は、読み上げ機能実行時の処理の一例を示すフローチャートである。読み上げ機能が実行されると、表示制御部318はタッチスクリーン33に読み上げ開始画面を表示させる(ステップSa1)。
図6は、読み上げ開始画面の一例を示す図である。同図に示す読み上げ開始画面には、読み上げ開始ボタンB5と、戻るボタンB6と、キャラクタアイコンC1〜C4(以下、特に区別する必要がない場合には、「キャラクタアイコンC」と総称する。)とが表示される。読み上げ開始ボタンB5は、カルタ2に関する情報の読み上げを指示するためのボタンであり、画面中央に表示される。戻るボタンB6は、
図3に示すメニュー画面への遷移を指示するためのボタンであり、画面右端に表示される。キャラクタアイコンC1〜C4は、それぞれカルタ取りの取り手を表すアイコンであり、画面下方に等間隔に並べて表示される。カルタ取りに参加する各取り手は、キャラクタアイコンC1〜C4の中から自身のキャラクタアイコンCを決定し、以後カルタ2を取得した際には、自身のキャラクタアイコンCを選択して当該キャラクタと対応づけて得点を記録する。各キャラクタと対応づけて記録された得点の合計値は、キャラクタアイコンCの近傍に表示される。
図6に示す画面例では、各キャラクタアイコンCの上に合計得点「0」が表示されている。なお、本動作説明では、4人以下のユーザでカルタ取りを行うことを想定しているため、4つのキャラクタアイコンCが表示されているが、表示されるキャラクタアイコンCの数はカルタ取りに参加する人数に応じて増減可能としてよい。
【0029】
図6に示す読み上げ開始画面において読み上げ開始ボタンB5が選択されると、表示制御部318はタッチスクリーン33に読み上げ前カウントダウン画面を表示させる(ステップSa2)。
図7は、読み上げ前カウントダウン画面の一例を示す図である。同図に示す画面には、読み上げ開始に向けてカウントダウンされる秒数が画面中央に表示される。また、同画面には、戻るボタンB6と、キャラクタアイコンC1〜C4とが、
図6に示す読み上げ開始画面と同様に表示される。
【0030】
図7に示す読み上げ前カウントダウン画面において零までのカウントダウンが完了すると(言い換えると、読み上げ開始ボタンB5の選択後、所定時間が経過すると)、音声出力制御部312は、メモリ32に記憶される音声データに基づいて、カルタ2に関する情報をスピーカ35に音声出力させる(ステップSa3)。同時に、計時部313は、音声出力が開始された時点から時間の計測を開始する(ステップSa4)。また、振動判定部311は、同時点から振動判定処理を開始する(ステップSa5)。ここで、振動判定処理とは、加速度センサ34から出力される加速度データに基づいて、台座1に加えられた振動の大きさが所定の閾値以上であるか否かを判定する処理である。また、表示制御部318はタッチスクリーン33に読み上げ中画面を表示させる(ステップSa6)。
図8は、読み上げ中画面の一例を示す図である。同図に示す読み上げ中画面には、読み上げ中であることを示すスピーカアイコンSが画面中央に表示される。スピーカアイコンSの近傍には、計時部313により計測される経過時間が表示される。
図8に示す画面例では、スピーカアイコンSの下に経過時間「1.27sec」が表示されている。また、同画面には、戻るボタンB6と、キャラクタアイコンC1〜C4とが、
図6に示す読み上げ開始画面と同様に表示される。
【0031】
スピーカ35から出力される音声を聞いて、ユーザがカルタ2を取るために台座1の表面を手で叩くと、台座1に加えられた振動は加速度センサ34により検知される。その結果、振動判定部311により、加速度センサ34が所定の閾値以上の大きさの振動を検知したと判定されると(ステップSa7)、計時部313は時間の計測を停止する(ステップSa8)。また、音声出力制御部312は、スピーカ35による音声出力を停止する(ステップSa9)。計時部313による時間の計測が停止されると、得点算出部314は、計時部313に計測された時間に基づいて得点を算出する(ステップSa10)。また、得点算出部314は、同時間に基づいてレベルを特定する。得点算出部314により得点が算出されると、表示制御部318はタッチスクリーン33に結果画面を表示させる(ステップSa11)。
図9は、結果画面の一例を示す図である。同図に示す画面には、吹き出し画像Fと、お手付きボタンB7とが表示される。吹き出し画像Fは画面右上に表示され、吹き出し画像F内には、得点算出部314により特定された得点とレベルとが表示される。
図9に示す画面例では、得点は「12」点であり、レベルは「B級」である。お手付きボタンB7は、お手付きをしたユーザがお手付きをした事実を情報処理装置3に入力するためのボタンであり、画面左上に表示される。お手付きをしたユーザはこのお手付きボタンB7を選択し、カルタ2の取得を一回休む。また、同画面には、戻るボタンB6と、キャラクタアイコンC1〜C4と、スピーカアイコンSとが、
図8に示す読み上げ中画面と同様に表示される。スピーカアイコンSの近傍には、計時部313により計測された経過時間(すでに計測が停止された時間)が表示される。
図9に示す画面例では、スピーカアイコンSの下に経過時間「4.13sec」が表示されている。
【0032】
図9に示す結果画面においていずれかのキャラクタアイコンCが選択されると(ステップSa12:YES)、得点加算部317は、選択されたキャラクタと対応づけて、ステップSa10で算出された得点を得点表に記録する(ステップSa13)。一方、同画面においてキャラクタアイコンCが選択されなかった場合には(ステップSa12:NO)、すなわち、お手付きボタンB7が選択されると、ステップSa10で算出された得点の記録は省略される。その後、表示制御部318はタッチスクリーン33に得点追加後画面を表示させる(ステップSa14)。
図10は、得点追加後画面の一例を示す図である。同図に示す画面には、読み上げ開始ボタンB5と、戻るボタンB6と、キャラクタアイコンC1〜C4とが、
図6に示す読み上げ開始画面と同様に表示される。
図10に示す画面例では、キャラクタアイコンC3が選択された場合を想定して、当該アイコンの上に表示される合計得点が「12」点となっている。
【0033】
図10に示す得点追加後画面において読み上げ開始ボタンB5が選択された場合に、すでにすべてのカルタ2に関する情報が音声出力済みのときには(ステップSa15:YES)、読み上げ機能に係る処理は終了する。一方、まだすべてのカルタ2に関する情報が音声出力されていないときには(ステップSa15:NO)、処理はステップSa2に戻り、表示制御部318がタッチスクリーン33に読み上げ前カウントダウン画面を表示させる
以上が、読み上げ機能に係る処理についての説明である。
【0034】
以上説明した本実施形態に係る情報処理装置3によれば、情報処理装置3が読み札を読み上げてくれるため、いずれのユーザも読み手となる必要がない。すなわち、ユーザ全員が取り手となることができる。また、得点が音声出力の開始からカルタ2を取得するまでの時間に基づいて算出されるため、カルタ2を取るスピードを得点に反映させることができる。また、カルタ2を取得するタイミングは、台座1に加えられた振動を検知することにより特定されるため、当該タイミングを特定するために、ユーザがカルタ2を取得するための動作以外の動作を行う必要がない。
【0035】
2.変形例
上記の実施形態は下記のように変形してもよい。下記の変形例は互いに組み合わせて適用されてもよい。
【0036】
2−1.変形例1
上記のメニュー画面(
図3参照)において読み上げ機能とともに表示される文字表示機能は、カルタ2に関する情報が画像により出力される点において読み上げ機能と異なっている。読み上げ機能では、音声出力制御部312がカルタ2に関する情報をスピーカ35に音声出力させるのに対し、文字表示機能では、表示制御部318がタッチスクリーン33にカルタ2に関する情報を表す画像を表示させる。具体的には、上記のフローチャート(
図4参照)のステップSa6及びSa11で表示される画面(
図8及び
図9参照)において、スピーカアイコンSに代えて、またはスピーカアイコンSに加えて、画面中央にカルタ2に関する情報を表す画像を表示させる。なお、音声出力を行わない場合には、同フローチャートのステップSa3及びSa9の処理は省略される。
【0037】
2−2.変形例2
上記のメニュー画面(
図3参照)に表示される風船バトル機能は、上記のように、カルタ取りを利用した風船バトルというゲームを実現する機能である。この風船バトルというゲームは、音声出力後、カルタ2を取るまでの間のみ計時が継続されるという条件の下、複数のユーザが1人1枚ずつ順番にカルタ取りを行い、所定時間経過時にカルタ取りの番となっているユーザが敗者となるゲームである。所定時間経過時に風船が割れるアニメーションが表示されることから風船バトルと呼ばれる。
【0038】
図11は、風船バトル機能実行時の処理の一例を示すフローチャートである。風船バトル機能が実行されると、表示制御部318はタッチスクリーン33に読み上げ開始画面を表示させる(ステップSb1)。
図12は、読み上げ開始画面の一例を示す図である。同図に示す読み上げ開始画面には、読み上げ開始ボタンB5と、戻るボタンB6と、風船画像Rと、鉛筆画像Pとが表示される。読み上げ開始ボタンB5と戻るボタンB6の機能は、上記の
図6に示す読み上げ開始画面に表示されるものと同様である。風船画像Rは固定的に表示される一方で、鉛筆画像Pは、計時部313により計測される時間が長くなるにつれて風船画像Rに近づくように表示される。鉛筆画像Pは、計時部313により計測される時間が所定時間に達すると、風船画像Rに接触する。鉛筆画像Pと風船画像Rとの距離は、CPU31により実現される距離算出部により算出される。この距離算出部は、計時部313に計測された時間に基づいて距離という変数を算出する。
【0039】
図12に示す読み上げ開始画面において読み上げ開始ボタンB5が選択されると、表示制御部318はタッチスクリーン33に読み上げ前カウントダウン画面を表示させる(ステップSb2)。
図13は、読み上げ前カウントダウン画面の一例を示す図である。同図に示す画面には、読み上げ開始に向けてカウントダウンされる秒数が画面中央に表示される。また、同画面には、戻るボタンB6と、風船画像Rと、鉛筆画像Pとが、
図12に示す読み上げ開始画面と同様に表示される。
【0040】
図13に示す読み上げ前カウントダウン画面において零までのカウントダウンが完了すると、音声出力制御部312は、メモリ32に記憶される音声データに基づいて、カルタ2に関する情報をスピーカ35に音声出力させる(ステップSb3)。同時に、計時部313は、音声出力が開始された時点から時間の計測を開始する(ステップSb4)。また、振動判定部311は、同時点から振動判定処理を開始する(ステップSb5)。また、表示制御部318はタッチスクリーン33に読み上げ中画面を表示させる(ステップSb6)。
図14は、読み上げ中画面の一例を示す図である。同図に示す読み上げ中画面には、読み上げ中であることを示すスピーカアイコンSが画面中央に表示される。スピーカアイコンSの近傍には、計時部313により計測される経過時間が表示される。また、同画面には、戻るボタンB6と、風船画像Rと、鉛筆画像Pとが、
図12に示す読み上げ開始画面と同様に表示される。
【0041】
スピーカ35による音声出力後、振動判定部311により、加速度センサ34が所定の閾値以上の大きさの振動を検知したと判定されると(ステップSb7:YES)、計時部313は時間の計測を停止する(ステップSb9)。また、音声出力制御部312は、スピーカ35による音声出力を停止する(ステップSb10)。その後、処理はステップSb1に戻り、表示制御部318はタッチスクリーン33に読み上げ開始画面を表示させる。一方、振動判定部311により、加速度センサ34が所定の閾値以上の大きさの振動を検知したと判定されていない状態において(ステップSb7:NO)、計時部313により計測される時間が所定時間を超えると(ステップSb8:YES)、表示制御部318はタッチスクリーン33に結果画面を表示させる(ステップSb11)。
図15は、結果画面の一例を示す図である。同図に示す画面には、鉛筆の先端が接触することで破裂した風船の画像が画面下方に表示される。また、同画面には、戻るボタンB6と、スピーカアイコンSとが、
図14に示す読み上げ中画面と同様に表示される。スピーカアイコンSの近傍には、計時部313により計測された経過時間(すでに計測が停止された時間)が表示される。
以上が、風船バトル機能に係る処理についての説明である。
【0042】
2−3.変形例3
上記のメニュー画面(
図3参照)に表示されるすごろく機能は、上記のように、カルタ取りを利用したすごろくを支援する機能である。より具体的には、すごろくで使用されるサイコロの目を、カルタ取りでカルタ2を取るまでに要した時間に基づいて決定するという機能である。カルタ2を取るまでに要した時間が短ければ短いほど、大きなサイコロの目が得られる。カルタ取りは複数のユーザが1人1枚ずつ、すごろくでサイコロを振る順番に行う。なおここで、すごろくとは、サイコロを振って出た目の数だけ駒を進め、最初にゴールに着いた者が勝者となるボードゲームである。
【0043】
図16は、すごろく機能実行時の処理の一例を示すフローチャートである。すごろく機能が実行されると、表示制御部318はタッチスクリーン33に読み上げ開始画面を表示させる(ステップSc1)。
図17は、読み上げ開始画面の一例を示す図である。同図に示す読み上げ開始画面には、読み上げ開始ボタンB5と、戻るボタンB6とが表示される。読み上げ開始ボタンB5と戻るボタンB6の機能は、上記の
図6に示す読み上げ開始画面に表示されるものと同様である。
【0044】
図17に示す読み上げ開始画面において読み上げ開始ボタンB5が選択されると、表示制御部318はタッチスクリーン33に読み上げ前カウントダウン画面を表示させる(ステップSc2)。
図18は、読み上げ前カウントダウン画面の一例を示す図である。同図に示す画面には、読み上げ開始に向けてカウントダウンされる秒数が画面中央に表示される。また、同画面には、戻るボタンB6が、
図17に示す読み上げ開始画面と同様に表示される。
【0045】
図18に示す読み上げ前カウントダウン画面において零までのカウントダウンが完了すると、音声出力制御部312は、メモリ32に記憶される音声データに基づいて、カルタ2に関する情報をスピーカ35に音声出力させる(ステップSc3)。同時に、計時部313は、音声出力が開始された時点から時間の計測を開始する(ステップSc4)。また、振動判定部311は、同時点から振動判定処理を開始する(ステップSc5)。また、表示制御部318はタッチスクリーン33に読み上げ中画面を表示させる(ステップSc6)。
図19は、読み上げ中画面の一例を示す図である。同図に示す読み上げ中画面には、サイコロ画像Dが画面中央に表示される。サイコロ画像Dの目は、計時部313により計測される時間が長くなるにつれて小さくなる。サイコロ画像Dの目は、CPU31により実現される采の目算出部により算出される。この采の目算出部は、計時部313に計測された時間に基づいて采の目という変数を算出する。また、同画面には、戻るボタンB6が、
図17に示す読み上げ開始画面と同様に表示される。
【0046】
スピーカ35から出力される音声を聞いて、ユーザがカルタ2を取るために台座1の表面を手で叩くと、台座1に加えられた振動は加速度センサ34により検知される。その結果、振動判定部311により、加速度センサ34が所定の閾値以上の大きさの振動を検知したと判定されると(ステップSc7)、計時部313は時間の計測を停止する(ステップSc8)。この結果、
図19に示す読み上げ中画面に表示されるサイコロ画像Dの目が確定する。また、音声出力制御部312は、スピーカ35による音声出力を停止する(ステップSc9)。
以上が、すごろく機能に係る処理についての説明である。
【0047】
2−4.変形例4
上記の実施形態において、カルタ2とこれに対応する音声データとに同一の識別情報を付しておき、お手付き判定部316は、スピーカ35によりその情報が出力されたカルタ2の識別情報と、ユーザにより取得されたカルタ2の識別情報とを照合して、両者が一致しなかった場合に、お手付きが行われたと判定するようにしてもよい。ここで、カルタ2に付される識別情報は、例えば、カルタ2に取り付けられた、NFC(Near Field Communication)タグ等の非接触ICタグに記憶される。非接触ICタグに記憶された識別情報は、例えば、ユーザが身につけたICタグリーダにより読み取られて、通信モジュールにより情報処理装置3に対して送信される。このICタグリーダと通信モジュールは、例えば、ユーザが身につける手袋や腕輪等の装身具に搭載される。非接触ICタグに記憶された識別情報は、情報処理装置3が備えるICタグリーダにカルタ2をかざすことによって当該装置に直接入力されてもよい。なお、カルタ2に付される識別情報は、カルタ2に記載されるバーコードとして表されてもよい。その場合、ICタグリーダに代えてバーコードリーダにより識別情報が読み取られる。
【0048】
2−5.変形例5
上記の実施形態において取り手特定部315は、カルタ2を取得したユーザから送信される識別情報に基づいて当該ユーザを特定するようにしてもよい。具体的には、上記の変形例4で説明した装身具からカルタ2の識別情報が送信される際に同時に送信されるユーザの識別情報に基づいて当該ユーザを特定するようにしてもよい。または、取り手特定部315は、カルタ2を取得したユーザの声をマイクで収音して音声認識し、予め登録されている各ユーザの声の特徴量と照合することにより、当該ユーザを特定するようにしてもよい。
【0049】
2−6.変形例6
上記の実施形態において振動判定部311は、加速度データから求められる振動の大きさを、台座1に固有の振動の大きさに基づいて補正した上で、当該補正した振動の大きさが所定の閾値以上であるか否かを判定するようにしてもよい。ここで、台座1に固有の振動の大きさは、例えば、台座1に載置された情報処理装置3においてバイブレータ等の振動発生装置を作動させて台座1に振動を加え、この振動を加速度センサ34により検知することにより求める。振動検知の際に台座1に固有の振動の大きさを考慮することで、ユーザは台座1の素材の硬軟にかかわらず、台座1に加える振動の強さを変更する必要がなくなる。
【0050】
2−7.変形例7
上記の実施形態に係るカルタ2は、いろはカルタや歌カルタ以外のカルタであってもよい。例えば、色カルタであってもよい。ここで、色カルタとは、読み札には色の名称が記載され、取り札のおもて面には、対応する読み札に記載された色の着色が施され、うら面にはその色の名称が記載されたカルタである。取り手は読み上げられた名称の色で着色された読み札を取り合う。また、上記の実施形態に係るカルタ2は、台座1上に配置されるカードの一例である。台座1上に配置されるカードは、花札やトランプであってもよい。
【0051】
2−8.変形例8
上記の実施形態に係る台座1の形状は、四角形以外の形状であってもよい。また、上記の実施形態に係る台座1の表面は、カルタ2が配置される載置面の一例である。カルタ2が配置される載置面は床面であってもよい。
【0052】
2−9.変形例9
上記の実施形態に係る加速度センサ34は、2軸の加速度センサであってもよい。また、上記の実施形態に係る加速度センサ34は、台座1に加わる振動を検知するセンサの一例である。台座1に加わる振動を検知するために加速度センサ34以外の種類のセンサが採用されてもよい。
【0053】
2−10.変形例10
上記の実施形態において、台座1上に複数の情報処理装置3を配置して、各情報処理装置3で出力される加速度データを分析することにより、ユーザにより取得されたカルタ2の位置(具体的には、台座1に対する相対位置)を特定するようにしてもよい。そして、得点算出部314は、ユーザと取得されたカルタ2の位置関係を得点に反映させるようにしてもよい。具体的には、ユーザと取得されたカルタ2とが離れているほど得点を高く算出するようにしてもよい。ここで、ユーザの位置(具体的には、台座1に対する相対位置)は、予め情報処理装置3に登録しておく。
【0054】
2−11.変形例11
上記の実施形態においてCPU31は、マイクで収音されたユーザの声を音声認識することにより、当該ユーザの指示を受け付けるようにしてもよい。
【0055】
2−12.変形例12
上記の実施形態では、単一の装置により上記のカルタ取り支援動作を実現することを想定しているが、当該動作は、ネットワークを介して互いにアクセス可能な複数の装置の協働により実現されてもよい。すなわち、情報処理システムにより実現されてもよい。例えば、上記のカルタ取り支援動作においてタッチスクリーン33に表示される各画面は、タッチスクリーン33に代えて外部のディスプレイに表示されてもよい。また、加速度センサ34と他の構成要素とを別体とし、加速度センサ34と通信モジュールのみを台座1の上に載置するようにしてもよい。
【0056】
2−13.変形例13
上記の実施形態に係るカルタ取り支援動作プログラムは、コンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体を介して情報処理装置3に提供されてもよい。ここで、記録媒体とは、例えば、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体や、光ディスクなどの光記録媒体や、光磁気記録媒体や、半導体メモリ等である。また、カルタ取り支援動作プログラムは、インターネット等のネットワークを介して情報処理装置3に提供されてもよい。