特許第6670592号(P6670592)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670592
(24)【登録日】2020年3月4日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】兵士用偽装シート
(51)【国際特許分類】
   F41H 3/02 20060101AFI20200316BHJP
【FI】
   F41H3/02
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-219519(P2015-219519)
(22)【出願日】2015年11月9日
(65)【公開番号】特開2017-89961(P2017-89961A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山田 博夫
【審査官】 長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−014799(JP,A)
【文献】 特開2009−074715(JP,A)
【文献】 特開2007−278629(JP,A)
【文献】 米国特許第04671988(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41H 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する兵士用偽装シートであって、前記開口部一つ当たりの面積が3〜78.3mmであり、前記シートにおける前記開口部の面積割合が10〜80%であり、前記シート1cm当たりの開口部の個数が1〜10個であり、前記シートが迷彩模様を有し、かつ、頭から被る用途や羽織る用途に用いられることを特徴とする兵士用偽装シート。
【請求項2】
前記開口部一つ当たりの面積(mm)を前記シートにおける開口部の面積割合(%)で除した値が、0.14〜0.30であることを特徴とする請求項1記載の兵士用偽装シート。
【請求項3】
前記開口部一つ当たりの面積が5〜15mmであることを特徴とする請求項1または2記載の兵士用偽装シート。
【請求項4】
前記シートにおける前記開口部の面積割合が45〜65%であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の兵士用偽装シート。
【請求項5】
前記兵士用偽装シートが難燃性を有することを特徴とする請求項1〜いずれか1項に記載の兵士用偽装シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、世界各国の軍隊や自衛隊等が戦闘時や戦闘訓練時、あるいは移動時等に使用する偽装シートであって、兵士が着用する戦闘服の迷彩模様及び色が周囲、とりわけ背後にある植生、岩石、砂利、建造物、海等といったものに同化しない場合、すなわち、戦闘服の偽装効果が小さい場合、一時的に偽装効果を得るための兵士の装備品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、世界各国の軍隊や自衛隊等が戦闘時に着用する戦闘服の多くは、敵から自身の存在を認められ難くするために迷彩模様を有している。その色や模様は、想定する戦闘地域の風景や、国あるいは陸軍、海軍、空軍といった役割毎で大きく異なるが、代表的な色、模様としては、主に植生に同化するタイプがある(例えば、非特許文献1参照。)。各国で自生する植生は気候、風土等により異なるため、一言で植生に同化すると言っても、様々な模様と色の迷彩柄が存在するが、多くは緑系色を主体とし、それに茶系色や黒や濃灰系色を組み合わせたものが主流となっている。また、砂漠地域での偽装性を狙ったベージュ色主体の迷彩模様も多くの国の軍隊や自衛隊においても採用されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】意匠第1019503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在の主流である戦闘服の迷彩模様は、植生、砂漠等、特定地域に対応した偽装性を有するものであるため、例えば、植生に対応した迷彩模様の戦闘服を着用した兵士が海岸の砂浜や海岸の波消し岩石等や砂漠を通過する場合、戦闘服の偽装性が発現しない地域を移動等により通過する場合や該地域で戦闘行動をとる場合等においては、十分な偽装性を発現するとは言い難く、敵からの恰好の標的となってしまいかねないとの問題があった。さらには、戦国の世に忍者が用いた「隠れ身の術」は、背景と同化する色柄の生地等のシート内に身を隠すものであるが、この状態においては、忍者自身の目からの視認性が悪く、攻撃行動は困難であり、また、携帯しながらの移動や戦闘行動には、重く、取扱い性に難があるという欠点もあった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決し、兵士が着用する戦闘服の偽装性が発現しない地域、例えば、植生に対応した迷彩模様の戦闘服を着用した兵士が海岸の砂浜、海岸の波消し岩石等や砂漠、を移動等により通過したり、該地域で戦闘行動をとる場合においても、該兵士用偽装シートをさらに頭から被ったり、羽織るなどにより、簡易的に、かつ、素早く十分な偽装性を発揮させ、かつ、戦闘行動や移動に支障をきたさない程度の兵士の目からの視認性も兼備する偽装シートを提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題のもと鋭意検討した結果、迷彩模様に加え、一つの開口部の大きさと当該開口部の面積割合を特定のものとすることで、偽装性能と視認性を高い次元で両立することを見出し、さらに検討を重ねることで本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(6)の構成を有するものである。
(1)開口部を有する兵士用偽装シートであって、前記開口部一つ当たりの面積が3〜10,000mmであり、前記シートにおける前記開口部の面積割合が10〜80%であり、かつ、迷彩模様を有することを特徴とする兵士用偽装シート。
(2)前記開口部一つ当たりの面積(mm)を前記シートにおける開口部の面積割合(%)で除した値が、0.14〜0.30であることを特徴とする(1)記載の兵士用偽装シート。
(3)前記開口部一つ当たりの面積が5〜15mmであることを特徴とする(1)または(2)記載の兵士用偽装シート。
(4)前記シートにおける前記開口部の面積割合が45〜65%であることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の兵士用偽装シート。
(5)前記シート1cm当たりの開口部の個数が4〜8個であることを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載の兵士用偽装シート。
(6)前記兵士用偽装シートが難燃性を有することを特徴とする(1)〜(5)いずれかに記載の兵士用偽装シート。
【発明の効果】
【0007】
本発明の兵士用偽装シートは、兵士が着用する戦闘服の偽装性が発現しない地域、例えば、植生に対応した迷彩模様の戦闘服を着用した兵士が海岸の砂浜、海岸の波消し岩石等や砂漠、を移動等により通過したり、該地域で戦闘行動をとる場合においても、該兵士用偽装シートをさらに頭から被ったり、羽織るなどにより、簡易的に、かつ、素早く十分な偽装性を有し、かつ、戦闘行動や移動に支障をきたさない程度の兵士の目からの視認性も兼備するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の兵士用偽装シートの一例を示す概略図である。
図2】本発明の砂浜の背景に同化した兵士用偽装シートを示す概略図である。
図3図2に示す兵士用偽装シートを2枚重ねた場合の迷彩効果、視認性を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】
本発明の兵士用偽装シートは、開口部を有するものである。本発明における開口部は、繊維やフィルム等からなるシート状物に存在する空隙部分をいう。開口部一つ当たりの面積は3〜10,000mmであり、3〜2,000mmが好ましく、4〜200mmがより好ましく、5〜15mmがよりいっそう好ましく、7〜15mmが特に好ましい。開口部一つ当たりの面積を0.05〜10,000mmとすることにより、該シートを頭からかぶった場合に目の前に存在している物体への視認性や迷彩模様による偽装効果が低下することが少ないシートとすることができる。
【0011】
本発明の兵士用偽装シートにおける1cm当たりの開口部の個数は、特に限定されないが、より良好な偽装性と視認性を兼備するためには0.1〜20個が好ましく、1〜10個がより好ましく、4〜8個がよりいっそう好ましく、4〜6個が特に好ましい。
【0012】
開口部の形状は、特に限定されないが、真円、楕円、三角形、四角形等の多角形、星形等が挙げられる。本発明の兵士用偽装シートにおいては、開口部の形状や面積が異なるものを混在させることもできる。
【0013】
前記シートにおける開口部の面積割合とは、単位面積当たりの開口部の面積割合であり、下記式(1)で算出する。本発明における該面積割合は、10〜80%であり、25〜75%が好ましく、45〜65%がより好ましい。該面積割合を10〜80%とすることにより、該シートを頭からかぶった場合に目の前に存在している物体への視認性や迷彩模様による偽装効果が低下することが少ないシートとすることができる。
式(1) (開口部の面積)/(開口部の面積+非開口部の面積)×100(%)
【0014】
本発明においては、より十分な偽装性を有しかつ視認性も兼備するためには、下記式(2)に示す開口部1つ当たりの面積を開口割合で除した値が0.14〜0.30が好ましく、0.15〜0.25がより好ましい。上記値は、当該シートにおける開口部の個数にも関係するものであり、当該数値が大きいほど一つの開口部が大きい空隙で開口部が構成されることを意味し、当該数値が小さいほど一つの開口部が小さい空隙で開口部が構成されることを意味するものである。本発明の兵士用偽装シートとして、より良好な偽装性と視認性を兼備するためには上記範囲がより好ましい。
式(2) 開口部一つ当たりの面積(mm)/開口部の面積割合(%)
【0015】
本発明の兵士用偽装シートは、繊維材料による構造物、もしくは、有機系高分子を二次元的に引き伸ばしたフィルムあるいはシート状のものを用いることができる。繊維材料による構造物としては、例えば、メッシュ、からみ織、ジャガード織、ガーゼ等の開口部を有する織物あるいは編物組織が挙げられる。開口部を有しない織物、編物、不織布、フィルムあるいはシート状物は、穴開け加工を施すこと等により用いることができる。
【0016】
開口部を有しない織物、編物、不織布、フィルムあるいはシート状物に対して適用可能な穴開け加工方法は、特に限定されないが、例えば、トムソン型に代表されるような型抜き加工、レーザー光、超音波、高圧水流、刃物等により所望の形状をくり抜く方法等が挙げられる。
【0017】
開口部の配置は、特に限定されないが、前述の繊維材料による構造物等において、開口部を略均一に配置するか、または開口部の配置自体にて迷彩効果を奏するように配置することが好ましい。
【0018】
前記繊維材料としては、特に限定されないが、木綿、麻等の天然セルロース繊維、羊毛、シルク等の動物性蛋白質繊維、レーヨン、アセテート、ポリエステル、ナイロン等の化学繊維、ガラスのような無機系繊維等が挙げられる。
【0019】
前記フィルムあるいはシート状物としては、特に限定されないが、ポリエステル系高分子、ポリアミド系高分子、ポリオレフィン系高分子などが挙げられる。
【0020】
本発明の兵士用偽装シートに難燃性を付与するためには、アラミド繊維、ポリ塩化ビニル等の素材自体に難燃性を有するもの、難燃ポリエステル、難燃ビニロン等の難燃剤を練り込み加工したものを用いて、織物、編物、不織布、フィルムあるいはシート状物を作成すれば良い。また、非難燃性繊維によるものであっても、織物、編物、不織布、フィルムあるいはシート状物に対して常法にて難燃加工を施してもよい。
【0021】
本発明の兵士用偽装シートの迷彩模様は、シートに迷彩効果を付与する模様であれば特に限定されないが、植生、岩石、砂利、建造物、海、砂浜、砂漠等に同化した迷彩模様が好ましく、例えば、意匠第1019503号公報に開示された植生に同化した迷彩模様、図1に示す植生に同化した迷彩模様、図2図3に示す海岸の砂浜や砂浜の波消し岩石等に同化した迷彩模様等が好ましく挙げられる。
【0022】
本発明における迷彩模様の付与方法は、特に限定されないが、あらかじめ繊維に顔料を練り込んだ複数色の原料着色繊維を用い、織物もしくは編物の組織の工夫により、迷彩模様を表現する方法や、織物、編物、不織布等の形態で、染料もしくは顔料を用いた常法による印刷方法が挙げられる。該印刷方法としては、例えば、フラットスクリーン捺染、ロータリースクリーン捺染、インクジェット捺染、グラビア印刷、フレキソ印刷が挙げられる。
【0023】
本発明の兵士用偽装シートは、それのみを着用したり羽織ることでも偽装性を発揮することができるが、他の迷彩模様の戦闘服(例えば、植生に同化した戦闘服)の上にさらに本発明の兵士用偽装シート(例えば、海岸の砂浜、海岸の波消し岩石等に同化したシート)を着用したり羽織ることでも十分な偽装性を示すことができる。加えて、本発明の兵士用偽装シートは特定の開口部を有することから、前述の例において、さらに例えば図3に示すように複数枚重ねて着用したり羽織ることにより、いっそう十分な偽装性を示すこともできる。
【0024】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。尚、本発明は以下に示す実施例には限定されない。
【0025】
実施例、比較例における本発明の兵士用偽装シートの評価方法は下記の通りである。
【0026】
(1)兵士用偽装シートにおける開口部の面積割合
外形寸法10cm×10cmのシートを引っ張ることなく複写機に配置し、等倍率で複写した。次に、該複写紙におけるシートの開口部相当部分と該シートの非開口部相当部分を切り分け、それぞれの質量を求め、下記式により開口部の面積割合を算出した。
開口部の面積割合(%)=シートの開口部相当部分の総質量/(シートの開口部相当部分の総質量+シートの非開口部相当部分の総質量)×100
【0027】
(2)開口部一つ当たりの面積
前記(1)により得られた開口部の面積割合(%)を、前記(1)により得られた開口部の総数(個)で除したものを開口部一つ当たりの面積(mm)とした。
【0028】
(3)視認性能
偽装シートを通して、シート越しに物体を視認した際の識別性を確認した。偽装シートが識別性に影響を全く与えないものを◎、識別性に影響をほとんど与えないものを○、やや識別性に影響を与えるものを△、識別性に影響を与えるものを×とした。
【0029】
(4)偽装性能
図1に示す植生に同化した迷彩模様からなる戦闘服を着用した身長170cmの男性が、800mm×1000mmの大きさの偽装シートを、頭から被り、東京都葛西臨海公園の砂浜を背景に立ち、150m離れた距離から目視により偽装性を確認した。砂浜の背景と混和して、形状認識が判別できない場合を◎、砂浜の背景と混和して形状認識が判別し難い場合を〇、砂浜の背景と混和しているがやや形状の判別がつくものを△、砂浜の背景と混和せずに形状認識ができるものを×とした。
【0030】
実施例1
110dtexのポリエステル糸を用いて、カールマイヤー製経編機KS、28ゲージにてウェール密度24ウェール/2.54cm、コース密度35コース/2.54cmのメッシュ編物を作成した。次いで、該メッシュ編物を常法により精練処理を行った後に、インクジェット捺染機にて、図2に示す砂浜の背景に同化した柄を分散染料で着色した後、長さ方向800mm、幅方向1,000mmにカットし、ほつれ防止として縁かがり処理を行い、本発明の兵士用偽装シートを得た。得られた兵士用偽装シートの開口部一つ当たりの面積は10.5mm、開口部の面積割合は60%であり、偽装性能も良好であった。
【0031】
実施例2
常法により難燃剤を練り込んだ110dtexのポリエステル糸を用いて、カールマイヤー製経編機KS、28ゲージにてウェール密度24ウェール/2.54cm、コース密度35コース/2.54cmのメッシュ編物を作成した。次いで、常法により精練・漂白処理を行った後に、ロータリースクリーン捺染機にて、図2に示す砂浜の背景に同化した柄を分散染料で着色した後、長さ方向800mm、幅方向1,000mmにカットし、ほつれ防止として縁かがり処理を行い、本発明の兵士用偽装シートを得た。得られた兵士用偽装シートの開口部一つ当たりの面積は10.5mm、開口部の面積割合は60%であり、偽装性能も良好であった。
【0032】
実施例3
厚さ0.1mmの塩化ビニルシートを、グラビア印刷機にて図2に示す砂浜の背景に同化した柄を顔料で着色し、次いで、トムソン型連続トリミング機により、半径10mmの真円状の穴が略均一に配置されるように、1m2あたり1,270個を開けた後、長さ方向800mm、幅方向1,000mmにカットし、ほつれ防止として縁かがり処理を行い、本発明の兵士用偽装シートを得た。得られた兵士用偽装シートの開口部一つ当たりの面積は78.3mm、開口部の面積割合は40%であり、偽装性能も良好であった。
【0033】
実施例4
110dtexのポリエステル糸を用いて、カールマイヤー製経編機KS、28ゲージにてウェール密度22ウェール/2.54cm、コース密度32コース/2.54cmのメッシュ編物を作成した。次いで、該メッシュ編物を常法により精練処理を行った後に、インクジェット捺染機にて、図2に示す砂浜の背景に同化した柄を分散染料で着色した後、長さ方向800mm、幅方向1,000mmにカットし、ほつれ防止として縁かがり処理を行い、本発明の兵士用偽装シートを得た。得られた兵士用偽装シートの開口部一つ当たりの面積は21.0mm、開口部の面積割合は60%であり、偽装性能も良好であった。
【0034】
実施例5
110dtexのポリエステル糸を用いて、カールマイヤー製経編機KS、28ゲージにてウェール密度27ウェール/2.54cm、コース密度36コース/2.54cmのメッシュ編物を作成した。次いで、該メッシュ編物を常法により精練処理を行った後に、インクジェット捺染機にて、図2に示す砂浜の背景に同化した柄を分散染料で着色した後、長さ方向800mm、幅方向1,000mmにカットし、ほつれ防止として縁かがり処理を行い、本発明の兵士用偽装シートを得た。得られた兵士用偽装シートの開口部一つ当たりの面積は8.5mm、開口部の面積割合は60%であり、偽装性能も良好であった。
【0035】
比較例1
経糸、緯糸共に110dtexのポリエステル糸を用いて、経糸密度110本/2.54cm、緯糸密度90本/2.54cmの平織物を作成した。次いで、該平織物を常法により精練処理を行った後に、インクジェット捺染機にて、図2に示す砂浜の背景に同化した柄を分散染料で着色した後、長さ方向800mm、幅方向1,000mmにカットし、ほつれ防止として縁かがり処理を行い、シートを得た。得られたシートの組織は平織りであったため、開口部は存在しなかった。該柄に由来する偽装性能は良好であった。
【0036】
比較例2
厚さ0.1mmの塩化ビニルシートをグラビア印刷機にて、図2に示す砂浜の背景に同化した柄を顔料で着色し、次いで、トムソン型連続トリミング機により、半径10mmの真円状の穴を1mあたり286個開け、そして、長さ方向800mm、幅方向1,000mmにカットし、ほつれ防止として縁かがり処理を行い、シートを得た。得られたシートの開口率は9.0%であった。
【0037】
比較例3
厚さ0.1mmの塩化ビニルシートをグラビア印刷機にて、図2に示す砂浜の背景に同化した柄を顔料で着色し、次いで、トムソン型連続トリミング機により、半径60mmの真円状の穴を1mあたり53個開け、そして、長さ方向800mm、幅方向1,000mmにカットし、ほつれ防止として縁かがり処理を行い、シートを得た。得られたシートの開口率は59.9%であった。
【0038】
実施例、比較例にて得られたシートの評価を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
表1に示すように、実施例1〜5においては、開口部一つ当たりの面積及びシートにおける開口部の面積割合が特定の割合であったので、迷彩模様による偽装性能を低下させることも少なく、良好な視認性が得られた偽装シートであった。特に、開口部一つ当たりの面積をシートにおける開口割合で除した値が特定の値である実施例1、2、5のシートは、偽装性能を低下させることもより少なく、より良好な視認性が得られた偽装シートであり、その中でも実施例1、2のシートは、偽装性能と視認性を高い次元で両立した偽装シートであった。一方、開口部を有しない比較例1のシートは、偽装性能は良好であるものの視認性は著しく劣っていた。開口部一つ当たりの面積、シートにおける開口部の面積割合が本願発明の範囲を外れている比較例2、3のシートは、偽装性能が劣っていた。
図1
図2
図3