(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記分離素子(11)は、弁を備え、前記ダクト(10)と関連し、前記分離構造に対応する閉構造と前記接続構造に対応する開構造との間で切り替え可能である、請求項1又は請求項2に記載の装置。
動作可能なように前記制御部(7)に連動し、第一ミキサー(3A)、第二ミキサー(3B)、又は熱力学システムの一以上の動作パラメータの変更を可能とするよう構成された制御信号を送信するためにユーザが操作可能なコントローラ(controls)を有するユーザインタフェース(19)を備える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の装置。
前記可撓性筒状素子(13)が、前記所望の製品の前記通過のためのダクト(15)と、異なる追加の製品の前記通過のための更なるダクト(16)と、を備え、前記所望の製品の前記通過のための前記ダクト(15)と前記異なる追加の製品の前記通過のための更なるダクト(16)とは、互いに分離されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
前記第二容器(2B)内の前記基本製品を熱処理及び撹拌して、所望の製品の一バッチを製造する前記工程は、処理中の前記基本製品を−2度から3度の間の温度に維持する工程を含む、請求項8に記載の方法。
前記所望の製品が、可撓性筒状素子(13)を介して前記第二容器(2B)から出てくるようにする工程と、前記所望の製品を成形された送り出しノズルを介して通過させる工程と、を含む、請求項8又は請求項9に記載の方法。
前記分離素子(10)を前記接続構造に調整して、基本製品の前記一バッチを前記第一容器(2A)から前記第二容器(2B)へと移動させる前記工程は、基本製品の前記バッチ全体を前記第一容器(2A)から前記第二容器(2B)へと移動させる工程を含む、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
添付の図面において、参照符号1は、液状又は半液状の製品を製造する装置を示す。
【0008】
なお、この装置は、完成品(即ち、すぐに消費できるよう準備されたもの)である又は半製品(様々な装置等による更なる処理を経る)である、複数の液状又は半液状の所望の製品を製造可能な装置である。
【0009】
装置1は、アイスクリーム製品、手作りジェラート(artisan gelato)、棒状アイスクリーム用ベース、ムースやババロア用ベース、冷蔵デザート用の素(mix)、ソルベ、アイスクリームケーキ用の素、ズコットプリン、冷蔵菓子製品等を製造するよう適応されることが好ましいが、この限りではない。
【0010】
装置1は、液状及び半液状の製品を製造する装置であって、
− 基本液状及び半液状製品を処理するための第一容器2Aと、
− 第一処理容器2A内部で動作する(及び第一処理容器2A内部で回転するよう適応された)第一ミキサー3Aと、
− 基本液状及び半液状の製品を処理するための第二容器2Bであって、基本液状及び半液状の製品を所望の液状又は半液状の製品(完成品又は半製品のいずれか)に変換するための第二容器2Bと、
− 第二処理容器2B内部で動作する第二ミキサー3Bと、
− 第一熱交換器4Aと第二熱交換器4Bとを少なくとも備える熱システムであって、第一熱交換器と第二熱交換器とは動作可能なように第一容器2Aと第二処理容器2Bとにそれぞれ連動して、第一容器2A内又は第二容器2B内の基本液状若しくは半液状の製品と又は所望の液状若しくは半液状の製品と熱交換する、熱システムと、
− 第一容器2A内で回転駆動するよう第一ミキサー3Aに作用する第一駆動部5Aと、
− 第二容器2B内で回転駆動するよう第二ミキサー3Bに作用する第二駆動部5Bと、を備える。
【0011】
第一容器2Aは、槽であることが好ましい。
【0012】
第二容器2Bは、シリンダーであることが好ましい。
【0013】
第二容器2Bは、バッチ式の冷凍シリンダーである。
【0014】
第二容器2Bは、その前面に供給部(dispenser)17を備えることが好ましい。
【0016】
熱システムは、(図示しない)熱力学システムであることが好ましく、即ち、熱力学サイクルに従って動作するシステムであって、即ち、熱力学サイクルを受ける熱交換流体に基づくものである。
【0017】
熱システムは、(図示しない)圧縮器を備えることが好ましい。
【0018】
装置1は更に、第一駆動部5A、第二駆動部5B及び/又は熱システムを制御するよう構成された、制御動作部7を備える。
【0019】
装置1は更に、第一容器2Aと第二容器2Bとの間に接続ダクト10を備え、基本製品をバッチごとに第一容器2Aから第二容器2Bへと移動させることが可能となる。
【0020】
本発明によれば、装置1は更に、第一容器2Aと第二容器2Bとを分離するための分離素子11を備え、この素子は、ダクト10と関連して、第一容器2Aからダクト10を介して第二容器2Bへと基本製品を移動させないようにする分離構造と、第一容器2Aからダクト10を介して第二容器2Bへと基本製品を移動可能とする接続構造との間で切り替え可能である。
【0021】
更なる態様によれば、分離素子11は、制御動作部7と電気的に接続されており、実行している処理(処理工程)の種類に応じて、上述の分離構造と接続構造との間での調整が可能となる。
【0022】
本態様によれば、分離素子11は、素子そのものの構造を調節可能なように作動するよう適応されたアクチュエータを備える。
【0023】
図1(a)に示す実施態様において、分離素子11は、ポンプであり、接続構造は、ポンプが作動状態にあることに相当する。
【0024】
一方、
図1(a)の実施態様での分離構造は、ポンプが非作動状態にあることに相当する。
【0025】
図示しない実施態様において、分離素子11は、弁を備え、この弁はダクト10と関連し(ダクト10に沿って作動する)、分離構造に対応する閉構造と接続構造に対応する開構造との間で切り替え可能である。
【0026】
本実施形態において、ダクト10は、垂直ダクトであることが好ましく、第一容器2Aから第二容器2Bへのバッチごとの基本製品の移動は重力によって起こる。
【0027】
本態様によれば、分離素子11は、弁に接続された把持素子(grip element)を備えてもよく、閉構造と開構造との間で弁の構造を作業者が調節可能とする。
【0028】
本態様によれば、分離素子11は、弁と把持素子とに設けられた栓(tap)により画定されることが好ましい。
【0029】
更なる態様によれば、装置1は、供給装置12を備え、この供給装置は、
− 所望の製品の通過のために、第二容器2Bへの第一の送り込み端(infeed end)に接続され、第二容器2Bから所望の製品を受け取るための、内部ダクト15を備える、可撓性筒状素子13と、
− 可撓性筒状素子13の第二の送り出し端(outfeed end)に接続され、所望の製品を外部に放出するための、放出ランス(releasing lance)14と、を備える。
【0030】
有利に、この態様によれば、(例えば、棒状アイスクリーム等用の)流し型(moulds)を非常に素早く簡単に充填することが可能となり、所望の製品を無駄にすることがなくなる。
【0031】
具体的には、放出ランス14には、ユーザによって作動可能な放出ボタンが備わっていることが好ましく、製品を外部に放出したり、製品の放出を停止するために動作を停止させたりすることが可能となる。
【0032】
図1(b)に示す実施態様において、可撓性筒状素子13は、所望の製品の通過のためのダクト15と、異なる追加の製品の通過のための更なるダクト16とを備える。
【0033】
なお、所望の製品の通過のためのダクト15と、異なる追加の製品の通過のための更なるダクト16とは、互いに区別されて分離されている。
【0034】
ランス14もまた、(図示しない)所望の製品の通過のためのダクト15と、異なる追加の製品の通過のための更なるダクト16とを備えることが好ましい。
【0035】
ダクト15及び16は、ランス14の出口近傍で製品が部分的に混ざって、放出された製品に所定の美的効果がもたらされるよう、ランス14の末端部分で終了していることが好ましい。
【0036】
異なる追加の製品が液状の製品であることが好ましく、シロップであることがより好ましい。
【0037】
図1(b)に示す実施態様において、所望の製品の通過のためのダクト15は、異なる追加の製品の通過のためのダクト16の内部に位置する。
【0038】
更なる態様によれば、通過ダクト15、又はその代わりにランス14は、ランス14の外部に向かって製品を押し出せるよう、ユーザの手によって加えられる圧縮作用によって径方向に変形可能である部分を備えてもよい。
【0039】
具体的には、径方向に変形可能な部分によって、ある種の絞り袋(pastry bag)を画定可能である。
【0040】
以下に示すのは、更なる態様であり、製品の処理に関連する。
【0041】
周知のように、粘稠性は、液状又は半液状の製品の処理の間に通常検出および確認されるパラメータの一つである。
【0042】
上述の装置1は、互いに非常に異なる(液状又は半液状の)、故に粘稠性が大きく異なる製品の処理を可能にすることが明らかであり、液状製品の粘稠性は低く、(例えばアイスクリーム等の)よりクリーミーな製品の粘稠性はより高い。
【0043】
装置は、低い粘稠性を表すパラメータを検出するよう構成された第一検出装置と、高い粘稠性を表すパラメータを検出するよう構成された第二検出装置とを少なくとも備えることが好ましい。
【0044】
制御動作部7は、第一及び第二検出装置に接続され、更に第一検出装置、又はその代わりに、(所望の製品の種類に応じて)第二検出装置によって検出された値に基づいて粘稠性の値を推測するよう構成される。
【0045】
有利に、この態様によれば、所望の製品の種類に応じて、第一又は第二検出装置に基づいて粘稠性の計測値を推測することが可能となる。
【0046】
なお、第一検出装置によって、比較的低い粘稠性を測定するための高い精度及び正確性が得られ、一方、第二検出装置によって、比較的高い粘稠性を測定するための高い精度及び正確性が得られる。
【0047】
有利に、従って、処理中の各製品について、使用する検出装置(第一又は第二)は、その粘稠性を測定する際の最も優れた精度及び正確性を保証するものとすることができ、それ故に、特に精密及び正確な方法で処理を制御可能となる。
【0048】
更なる態様によれば、装置1は、動作可能なように制御部7に連動し、第一ミキサー3A、及び/又は第二ミキサー3B、及び/又は熱力学システムの一以上の動作パラメータの変更を可能とする制御信号を送信するためにユーザが操作可能なコントローラ(controls)を備えるユーザインタフェース19を備える。
【0049】
ユーザインタフェース19は、(例えばディスプレイ等)の表示装置を備えることが好ましい。
【0050】
ユーザインタフェース19は更に、押しボタンを備えることが好ましい。
【0051】
なお、制御部7は、実行中の処理に関する情報、具体的には(例えば、一以上の原料を追加する等)処理へのユーザの介入が必要な情報を表示装置上に提供するよう構成されてもよい。
【0052】
これによって、有利に、実行中の処理の進捗に応じて、所定の作業を行うための簡単な指示を装置1のユーザに提供することが可能となる手順が規定される。
【0053】
有利に、上述の装置1は、代替(substituting)が可能であり、即ち、二つの異なる装置である、低温殺菌装置と、バッチ式冷凍装置(batch freezer)と同じ機能を果たすことができる。
【0054】
このように、菓子店、アイスクリーム販売店、これらに類似の事業所を経営する事業者は、多種多様な液状又は半液状の冷蔵菓子、アイスクリーム等の製品を製造可能な一つの装置を購入することによって、床面積をかなり抑えることができ、コストを削減できる。
【0055】
装置1は、それが完成品であれ半製品であれ、様々な異なる液状又は半液状の製品を製造するのに使用可能である。
【0056】
なお、装置1は、第一容器2A内のバッチごとの基本製品について行うべき一以上の処理を可能とする。このような処理の間、分離素子11は分離構造を維持し、基本製品がダクト10を介して第二容器2Bへと移動しないようになっている。
【0057】
基本製品の一つ又は複数の処理が終わると、分離素子11を接続構造に調整して、第一容器2A内での一つ又は複数の処理を終えたバッチごとの基本製品を第二容器2B内へと移動させる。
【0058】
バッチごとの基本製品は、全体的に、第一容器2Aから第二容器2Bへと移動させることが好ましく、即ち、基本製品のバッチ全体を第一容器2Aから第二容器2Bへと全て移動させる。
【0059】
更なる態様によれば、制御部7は、専用のレシピに関する複数のパラメータ(情報項目)を保存するメモリを備える。
【0060】
この態様によれば、メモリに保存された、選択されたレシピで使用される原料に関連する情報が、制御部7によって表示装置に送られ、表示される。
【0061】
更にこの態様によれば、各原料が追加されねばならない時間に関する情報が、制御部7によって表示装置に送られ、表示される。
【0062】
更なる態様によれば、液状又は半液状の製品を製造するための方法が更に規定される。
【0063】
この方法は上述の装置内で実施されることが好ましい。
【0064】
この方法は以下の工程を備える。
− 基本製品の一バッチを形成するよう構成された第一容器2A内の複数の基本原料を準備し、
− 分離素子11を分離構造となるよう調整し、
− 分離素子11を分離構造にした状態で、第一容器2A内の基本原料に熱処理を施し、及び/又は撹拌して、基本製品の一バッチを得て、
− 分離素子11を接続構造に調整して、基本製品の一バッチを第一容器2Aから第二容器2Bへと移動させ、
− 第二容器2A内の基本製品の一バッチを熱処理及び撹拌して、所望の製品の一バッチを製造する。
【0065】
更なる態様によれば、第二容器2B内の基本製品を熱処理及び撹拌して、所望の製品の一バッチを製造する工程は、処理中の基本製品を−2度から3度の温度に維持する工程を備える。
【0066】
有利に、この態様によれば、別の装置内等で別途製造される、アイスクリームのベースを規定する半製品を製造可能である。
【0067】
例えば、この半製品は、ブラストチラー内で製造される棒状アイスクリームのベースを形成するための流し型内に配置可能である。
【0068】
更に別の態様によれば、この方法は、上述の所望の製品が、可撓性筒状素子13を介して第二容器2Bから出てくるようにする工程と、上述の所望の製品を(可撓性筒状素子13の端に接続された)成形された送り出しノズルを通過させる工程と、を備える。
【0069】
従って、有利に、例えば、ユーザは必要な場所(例えば、製品を放出すべき容器の真上等)に送り出しノズルを移動させて配置するだけでよいので、非常に簡単に流し型又は容器を充填することができる。
【0070】
更なる態様によれば、この方法は、高い粘稠性値用の第一検出装置と、低い粘稠性値用の第二検出装置とによって粘稠性を表すパラメータを検出する工程を備える。
【0071】
この態様の効果については上述の通りである。ここで、比較的低い粘稠性の製品(この場合、粘稠性を表すパラメータは第一検出装置によって検出される)、比較的高い粘稠性の製品(この場合、粘稠性を表すパラメータは第二検出装置によって検出される)の双方の製品に関して、非常に精密な測定値が得られることが確認されている。
【0072】
特に起こりうる処理に関して、第一容器2A内の基本原料に熱処理を施し、及び/又は撹拌する工程は、基本原料に加熱によって熱処理を施す工程を備える。
【0073】
具体的には、第一容器2A内の基本原料に熱処理を施し、及び/又は撹拌する工程は、基本原料に熱処理を施して、低温殺菌する工程を備える。
【0074】
更なる態様に関して(好ましくは、ムースやババロアの素を製造するための)素を第一容器2Aから第二容器2Bへと移動させる間、ダクト10を介して移動される基本製品と空気との比率を確認する工程が設けられる。
【0075】
また、更なる態様によれば、第一容器2A内の基本原料に熱処理を施し、及び/又は撹拌する工程は、第一容器2A内部で基本製品が到達する予め設定した温度で、一以上の基本原料を追加する工程を備える。