(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670693
(24)【登録日】2020年3月4日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】計測装置
(51)【国際特許分類】
G01N 22/00 20060101AFI20200316BHJP
G01R 29/08 20060101ALI20200316BHJP
G01S 13/88 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
G01N22/00 S
G01N22/00 L
G01R29/08 C
G01S13/88 200
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-128397(P2016-128397)
(22)【出願日】2016年6月29日
(65)【公開番号】特開2018-4339(P2018-4339A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年3月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】517161485
【氏名又は名称】株式会社アースニクスエム
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(72)【発明者】
【氏名】内田 宏之
【審査官】
村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−189101(JP,A)
【文献】
特開2003−156570(JP,A)
【文献】
特開2005−157601(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第03165883(EP,A1)
【文献】
特開2017−020864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 22/00−22/04
G01N 24/00−24/14
G01R 33/28−33/64
G01S 7/03
G01S 13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信部から送信されたマイクロ波が、測定対象で反射し、反射波として受信部で受信されて計測される計測装置において、
前記受信部が、測定対象に対して前記送信部の後方に配置され、
前記送信部および前記受信部に、ホーンアンテナまたは導波箱が備えられ、
前記送信部に備えられた前記ホーンアンテナまたは前記導波箱が、前記受信部に備えられた前記ホーンアンテナまたは前記導波箱の内側に配置された、
ことを特徴とする計測装置。
【請求項2】
前記送信部に第二受信部が備えられた、
ことを特徴とする請求項1に記載された計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波を用いて測定対象を計測する計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パルプやボードなどの面状のもの、砂や小麦粉などの粉粒体、チップ、茶葉などの水分を計測する際、マイクロ波による透過型の水分計測装置、または静電容量式の水分計測装置が用いられている。また一部において、マイクロ波による反射型の水分計測装置が砂の水分計測に用いられている。
【0003】
例えば、下記特許文献1に記載されたマイクロ波水分計は、被測定粉粒体にマイクロ波が照射される領域と同じ領域にγ線を照射し、被測定粉粒体の密度を測定する密度測定部が備えられている。密度測定部に備えられたγ線源はホッパーの内壁から突出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−142352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のマイクロ波水分計は上記したとおり、密度測定部に備えられたγ線源がホッパーの内壁から突出しているため、そこに試料が滞留し、いわゆるブリッジが発生する場合がある。したがって、水分計測において、計測の精度や安定性の向上を図ることができていなかった。
【0006】
また、透過型の水分計測装置で嵩密度を計測して補正するものであってコンベア上の粉粒体を計測するタイプのものは高額である。さらに、レーダー方式のレベル計測において、至近距離を計測することができなかった。また、地中レーダーによる地中構造物の検査やコンクリートの配筋検査においても、計測の精度や安定性の向上を図ることができていなかった。
【0007】
本発明は、上記の実情に鑑みて提案されたものである。すなわち、反射波を全方位で受信することで、計測の精度や安定性の向上を図ることができる計測装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る計測装置は、送信部から送信されたマイクロ波が、測定対象で反射し、反射波として受信部で受信されて計測される計測装置において、前記受信部が、測定対象に対して前記送信部の後方に配置された、ことを特徴としている。
【0009】
本発明に係る計測装置は、前記送信部または前記受信部に、ホーンアンテナまたは導波箱が備えられた、ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る計測装置は、前記送信部および前記受信部に、ホーンアンテナまたは導波箱が備えられた、ことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る計測装置は、前記送信部に備えられた前記ホーンアンテナまたは前記導波箱が、前記受信部に備えられた前記ホーンアンテナまたは前記導波箱の内側に配置された、ことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る計測装置は、前記送信部に第二受信部が備えられた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る計測装置は上記した構成である。すなわち、反射型計測器において、送信部と受信部とを別々にし、受信部が、測定対象に対して送信部の後方に配置されたことで、反射波を全方位で効率よく、かつ、安定して受信することができる。また、送信部と受信部とが別々であるため、例えば、パワー計測、位相計測、ドップラ計測などを組み合わせて行うことができ、計測の安定性を向上させることができる。
【0014】
本発明に係る計測装置は、送信部や受信部に、アレーアンテナやホーンアンテナなどが備えられている。この構成により、半球全方向からの反射波の方位情報を含めて精度よく計測することができる。また、粉粒体の水分計測においては、全方位からの反射波を受信することができ、計測の精度や安定性の向上を図ることができる。
【0015】
本発明に係る計測装置は、送信部に第二受信部が備えられている。この構成により、二つの受信部に、例えば、パワー計測、位相計測、ドップラ計測、パルスドップラなどの異なる機能を採用することで、様々なモードの組み合わせによる計測が可能となる。この場合、計測モード切り替えにより、計測対象の厚みや水分を計測したりすることもできる。また、例えば、レベル計測や、その他の至近距離計測、車両の右左折時の巻き込み防止用レーダーなどに利用することが可能となる。さらに、例えば、地中レーダーよる地中構造物の検査や、コンクリートの配筋検査、飛行体に搭載することによる土中の水分分布調査などにおいても、計測の精度および安定性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る計測装置の概略正面断面図である。
【
図2】本発明の第二実施形態に係る計測装置の概略正面断面図である。
【
図3】本発明の第三実施形態に係る計測装置の概略正面断面図である。
【
図4】本発明の第四実施形態に係る計測装置の概略正面断面図である。
【
図5】本発明の第五実施形態に係る計測装置の概略が示され、(a)は概略平面透し図、(b)は概略正面断面図である。
【
図6】本発明の第六実施形態に係る計測装置の概略が示され、(a)は概略正面断面図、(b)は概略透視斜視図である。
【
図7】本発明の第七実施形態に係る計測装置の概略正面断面図である。
【
図8】本発明の第八実施形態に係る計測装置の概略正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施形態に係る計測装置を図面に基づいて説明する。計測装置は、マイクロ波応用計測において、後方散乱波を計る反射型計測装置である。計測装置は、マイクロ波送信部とマイクロ波受信部とが備えられ、マイクロ波受信部が測定対象に対してマイクロ波送信部の後方に配置されている。測定対象方向にマイクロ波が送信され、測定対象からの反射波が計測される。計測装置は、レベル計測や水分計測に利用される。なお、以下の説明では、
図1において、計測装置から測定対象に向けてマイクロ波が送信される方向を前方とし、マイクロ波が反射する方向を後方とする。
【0018】
図1に示された第一実施形態に係る計測装置10は、マイクロ波送信部11およびマイクロ波受信部12が、いずれもアレーアンテナである。マイクロ波送信部11は、測定対象としてのメンブレン/ボード1に対して間を空けて対面している。一方、マイクロ波受信部12は、メンブレン/ボード1に対してマイクロ波送信部11よりも離れ、マイクロ波送信部11の後方に配置されている。マイクロ波受信部12は、メンブレン/ボード1からの反射波を受信することができる程度に、マイクロ波送信部11よりも大きく形成されている。マイクロ波送信部11から送信されたマイクロ波送信波3は、メンブレン/ボード1に当たって反射し、後方散乱波としてマイクロ波散乱波4がマイクロ波受信部12で受信される。
【0019】
図2に示された第二実施形態に係る計測装置20は、マイクロ波送信部21およびマイクロ波受信部22が、いずれもアレーアンテナであるが、第一実施形態に係る計測装置10と異なり、マイクロ波受信部22がマイクロ波送信部21ごと受信部用導波箱8に囲われている。受信部用導波箱8は、前方の面が開口して開口部9が形成されている。開口部9は、メンブレン/ボード1に面して近接して配置されている。受信部用導波箱8の内部において、マイクロ波送信部21は、メンブレン/ボード1に対して間を空けて対面している。一方、マイクロ波受信部22は、反射波であるマイクロ波散乱波4を受信することができる程度に、マイクロ波送信部21よりも大きく形成されている。マイクロ波受信部22は、メンブレン/ボード1に対してマイクロ波送信部21よりも離れてマイクロ波送信部21の後方に配置され、受信部用導波箱8の底部に取り付けられている。すなわち、マイクロ波受信部22は、メンブレン/ボード1に面した部分を除いた周囲が、マイクロ波送信部21ごと受信部用導波箱8に囲われている。マイクロ波送信部21から送信されたマイクロ波送信3は、メンブレン/ボード1に当たって反射し、後方散乱波としてマイクロ波散乱波4がマイクロ波受信部22で受信される。
【0020】
図3に示された第三実施形態に係る計測装置30は、マイクロ波受信部32がアレーアンテナであるが、第一実施形態に係る計測装置10と異なり、マイクロ波送信部31がホーンアンテナ31aである。ホーンアンテナ31aは、メンブレン/ボード1に対してホーン開口部31bが近接して配置されている。一方、マイクロ波受信部32は、マイクロ波散乱波4を受信することができる程度に、ホーン開口部31bよりも大きく形成されている。マイクロ波受信部32は、メンブレン/ボード1に対してマイクロ波送信部31よりも離れ、マイクロ波送信部31の後方に配置されている。マイクロ波送信部31から送信されたマイクロ波送信波3は、ホーンアンテナ31a内を伝搬してメンブレン/ボード1に当たって反射し、後方散乱波としてマイクロ波散乱波4がマイクロ波受信部32で受信される。
【0021】
図4に示された第四実施形態に係る計測装置40は、マイクロ波送信部41がアレーアンテナであるが、第一実施形態に係る計測装置10と異なり、マイクロ波送信部41が送信部用導波箱6に囲われており、マイクロ波受信部42が反射鏡アンテナであると共に受信部用導波箱8に囲われている。送信部用導波箱6の開口部7は、メンブレン/ボード1に面して近接して配置されている。送信部用導波箱6の内部において、マイクロ波送信部41は、メンブレン/ボード1に対して間を空けて対面し送信部用導波箱6の底部に取り付けられている。すなわち、マイクロ波送信部41は、メンブレン/ボード1に面した部分を除いた周囲が、送信部用導波箱6に囲われている。一方、マイクロ波受信部42は、メンブレン/ボード1に対してマイクロ波送信部41よりも離れ、マイクロ波送信部41の後方で、かつ、送信部用導波箱6の裏面側に配置されている。また、マイクロ波受信部42の反射鏡42aは、反射波を反射することができる程度に、マイクロ波送信部41および送信部用導波箱6よりも大きく形成されている。反射鏡42aの端は、受信部用導波箱8が取り付けられている。マイクロ波送信部41から送信されたマイクロ波送信波3は、送信部用導波箱6内を伝搬し、メンブレン/ボード1に当たって反射し、後方散乱波としてマイクロ波散乱波4が受信部用導波箱8内を伝搬して反射鏡42aで反射し、マイクロ波受信部42で受信される。
【0022】
図5に示された第五実施形態に係る計測装置50は、マイクロ波送信部51およびマイクロ波受信部52が、いずれもアレーアンテナであるが、第一実施形態に係る計測装置10と異なり、マイクロ波送信部51およびマイクロ波受信部52が、いずれも導波箱に囲われている。送信部用導波箱6は、受信部用導波箱8よりも小さく、受信部用導波箱8の内側において受信部用導波箱8に囲われている。各導波箱6,8の各開口部7,9は平坦な窓材5に揃えて取り付けられている。窓材5は、測定対象としての粉粒体2に接触している。送信部用導波箱6の内部において、マイクロ波送信部51は、粉粒体2に対して間を空けて対面し、送信部用導波箱6の底部に取り付けられている。すなわち、マイクロ波送信部6は、粉粒体2に面した部分を除いた周囲が、送信部用導波箱6に囲われている。一方、マイクロ波受信部52は、マイクロ波散乱波4を受信することができる程度に、送信部用導波箱6よりも大きく形成されている。マイクロ波受信部52は、粉粒体2に対してマイクロ波送信部51よりも離れてマイクロ波送信部51の後方に配置され、受信部用導波箱8の底部に取り付けられている。すなわち、マイクロ波受信部52は、粉粒体2に面した部分を除いた周囲が、受信部用導波箱8に囲われている。マイクロ波送信部51から送信されたマイクロ波送信波3は、送信部用導波箱6内を伝搬し、粉粒体2に当たって反射し、後方散乱波としてマイクロ波散乱波4が受信部用導波箱8内を伝搬してマイクロ波受信部52で受信される。計測装置50は、レベル計測や水分計測の他、配筋検査や地中の構造物検査に利用される。計測装置50によれば、放射口である開口部7の周囲360度のマイクロ波散乱波4を効率よく受信することができる。
【0023】
図6に示された第六実施形態に係る計測装置60は、第一実施形態に係る計測装置10と異なり、マイクロ波送信部61およびマイクロ波受信部62が、いずれもホーンアンテナである。送信部用ホーンアンテナ61aは、受信部用ホーンアンテナ62aよりも小さく、受信部用ホーンアンテナ62aの内側において受信部用ホーンアンテナ62aに囲われている。各ホーンアンテナ61a,62aの各ホーン開口部61b,62bは、平坦な窓材5に揃えて取り付けられている。窓材5は、粉粒体2に接触している。マイクロ波送信部61から送信されたマイクロ波送信波3は、送信部用ホーンアンテナ61a内を伝搬し、粉粒体2に当たって反射し、後方散乱波としてマイクロ波散乱波4が受信部用ホーンアンテナ62a内を伝搬してマイクロ波受信部62で受信される。計測装置60は、レベル計測や水分計測の他、配筋検査や地中の構造物検査に利用される。計測装置60によれば、放射した半球方向のマイクロ波散乱波4、すなわち、粉粒体2における半球形状を中心とした領域100において反射したマイクロ波散乱波4を効率よく受信することができる。
【0024】
図7に示された第七実施形態に係る計測装置70は、第一実施形態に係る計測装置10と異なり、マイクロ波送信部71およびマイクロ波受信部72が、いずれもホーンアンテナである。送信部用ホーンアンテナ71aは、受信部用ホーンアンテナ72aよりも小さく、受信部用ホーンアンテナ72aの内側において受信部用ホーンアンテナ72aに囲われている。各ホーンアンテナ71a,72aの各ホーン開口部71b,72bは平坦な窓材5に揃えて取り付けられている。窓材5は、メンブレン/ボード1から離れて配置されている。マイクロ波送信部71から送信されたマイクロ波送信波3は、送信部用ホーンアンテナ71a内を伝搬し、メンブレン/ボード1に当たって反射し、後方散乱波としてマイクロ波散乱波4が受信部用ホーンアンテナ72a内を伝搬してマイクロ波受信部72で受信される。計測装置70は、レベル計測や水分計測の他、配筋検査や地中の構造物検査に利用される。
【0025】
図8に示された第八実施形態に係る計測装置80は、第一実施形態に係る計測装置10と異なり、マイクロ波送信部81およびマイクロ波受信部82が、いずれもホーンアンテナである。送信部用ホーンアンテナ81aは、受信部用ホーンアンテナ82aよりも小さく、受信部用ホーンアンテナ82aの内側において受信部用ホーンアンテナ82aに囲われている。各ホーンアンテナ81a,82aの各ホーン開口部81b,82bは揃えられ、測定対象としての土・植物2aなどから離れて配置されている。マイクロ波送信部81から送信されたマイクロ波送信波3は、送信部用ホーンアンテナ81a内を伝搬し、土・植物2aに当たって反射し、後方散乱波としてマイクロ波散乱波4が受信部用ホーンアンテナ82a内を伝搬してマイクロ波受信部82で受信される。計測装置80は、レベル計測や水分計測の他、飛行体に搭載して土中の水分分布等を調査することができる。計測装置80によれば、放射した半球方向のマイクロ波散乱波4、すなわち、土・植物2aにおける半球形状を中心とした領域において反射したマイクロ波散乱波4を効率よく受信することができる。なお、第八実施形態によれば、計測装置80が土・植物2aから離れて配置されるにつれて、土・植物2aに対して、円盤状の領域において反射したマイクロ波散乱波4が受信される。
【0026】
なお、上記した各実施形態において、アレーアンテナの素子の配列は、リニアまたは平面のいずれであってもよい。ホーンアンテナは、例えば、ストレートホーン、ステップ形、マルチフレア形、フレアアイリス形、誘電体装荷形などであり、角錐または円錐のいずれであってもよい。反射鏡アンテナは、例えば、パラボラ、オフセットパラボラ、ホーンリフレクタなどである。また、送信部用導波箱および受信部用導波箱は、方形または円形のいずれであってもよい。また、メンブレン/ボード1の大きさや厚み、粉粒体2の容器の形状や大きさは任意である。
【0027】
上記したとおり、各実施形態によれば、反射型計測器としてマイクロ波送信部11,21,31,41,51,61,71,81とマイクロ波受信部12,22,32,42,52,62,72,82とを個別とし、マイクロ波受信部12,22,32,42,52,62,72,82が、メンブレン/ボード1や粉粒体2に対してマイクロ波送信部11,21,31,41,51,61,71,81の後方に配置されたことで、マイクロ波散乱波4を全方位で効率よく、かつ、安定して受信することができる。また、マイクロ波送信部11,21,31,41,51,61,71,81とマイクロ波受信部12,22,32,42,52,62,72,82とが別々であるため、例えば、パワー計測、位相計測、ドップラ計測などを組み合わせて行うことができ、計測の安定性を向上させることができる。さらに、アレーアンテナやホーンアンテナなどを用いることにより、半球全方向からの反射波の方位情報を含めて精度よく計測することができる。特に、粉粒体2の水分計測においては、全方位からのマイクロ波散乱波4を受信することができ、計測の精度や安定性の向上を図ることができる。
【0028】
また、上記した各実施形態において、マイクロ波送信部11,21,31,41,51,61,71,81にマイクロ波第二受信部(図示省略)が備えられていてもよい。すなわち、マイクロ波受信部12,22,32,42,52,62,72,82とマイクロ波第二受信部とで異なる機能を採用することで、例えば、パワー計測、位相計測、ドップラ計測、パルスドップラなどの様々なモードの組み合わせによる計測が可能となる。この場合、計測モード切り替えにより、メンブレン/ボード1や粉粒体2の厚みや水分を計測したりすることもできる。また、例えば、レベル計測において、至近距離、車両の右左折時の巻き込み防止用レーダーなどに利用することが可能となる。さらに、例えば、地中レーダーよる地中構造物の検査や、コンクリートの配筋検査、飛行体に搭載することによる土中の水分分布調査などにおいても、精度および安定性の向上を図ることができる。
【0029】
さらに、γ線の反射型密度計(図示省略)と組み合わせることにより、嵩密度補正をかけることが可能となる。また、γ線の反射型密度計と組み合わせることにより微弱線源で精度よく安定した計測が可能となる。
【0030】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。例えば、製粉、製茶、化学、紙パルプ、鉄鋼、非鉄、建材、コンクリートプラント、土木現場、農業、穀物、紙やボードなどの面状物、砂や小麦粉などの粉粒体、チップ、茶葉などの水分計測、液面などのレベル計測や地中探査、土壌水分の計測、至近距離のレーダー計測に利用することが出来る。
【符号の説明】
【0031】
1 メンブレン/ボード(測定対象)
2 粉粒体(測定対象)
2a 土・植物(測定対象)
3 マイクロ波送信波
4 マイクロ波散乱波
5 窓材
10,20,30,40,50,60,70,80 計測装置
11,21,31,41,51,61,71,81 マイクロ波送信部
12,22,32,42,52,62,72,82 マイクロ波受信部
6 送信部用導波箱
7 開口部
8 受信部用導波箱
9 開口部
31a ホーンアンテナ
31b ホーン開口部
42a 反射鏡
61a,71a,81a送信部用ホーンアンテナ
61b,71b 送信部用ホーン開口部
62a,72a,82a 受信部用ホーンアンテナ
62b,72b 受信部用ホーン開口部
100 領域