(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した技術では、燃料ガスの組成比が大きく変化すると、熱伝導率の測定結果より求められるガス発熱量の精度が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、組成比が大きく変化してもより正確にガス発熱量が求められるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る発熱量測定装置は、3つの異なる第1温度、第2温度、第3温度で、測定対象の燃料ガスの熱伝導率指標値および熱拡散率指標値を求める計測部と、計測部が計測した第1温度および第2温度の間の熱伝導率指標値の温度変化率κ
1、第2温度および第3温度の間の熱伝導率指標値の温度変化率κ
2、第1温度および第2温度の間の熱拡散率指標値の温度変化率α
1、第2温度および第3温度の間の熱拡散率指標値の温度変化率α
2を求める変化率算出部と、κ
1、κ
2、α
1、α
2を説明変数とし、発熱量を目的変数とする発熱量算出式により燃料ガスの発熱量を算出する発熱量算出部とを備え、発熱量算出式は、発熱量が既知の4つ以上の燃料ガスの各々について3つの異なる第1温度、第2温度、第3温度で熱伝導率指標値および熱拡散率指標値を求め、求めた各々について第1温度および第2温度の間の熱伝導率指標値の温度変化率κ
1、第2温度および第3温度の間の熱伝導率指標値の温度変化率κ
2、第1温度および第2温度の間の熱拡散率指標値の温度変化率α
1、第2温度および第3温度の間の熱拡散率指標値の温度変化率α
2を求め、求めた各々の燃料ガスにおけるκ
1、κ
2、α
1、α
2を説明変数とし、各々の既知の燃料ガスの発熱量を目的変数とする関係より得られた回帰式である。
【0008】
上記発熱量測定装置において、計測部は、送熱部および受熱部を備え、送熱部からの電気信号および受熱部からの電気信号より熱伝導率指標値および熱拡散率指標値を求めればよい。
【0009】
上記発熱量測定装置において、発熱量算出式は、成分ガスの組成比が異なる発熱量が既知の4つ以上の燃料ガスをサンプルガスとして用意し、用意した各々のサンプルガスの温度に依存する送熱部および受熱部からの電気信号の値を取得し、サンプルガスが接する送熱部を複数の発熱温度で発熱させ、各々の発熱温度において送熱部および受熱部からの電気信号の値を取得し、送熱部および受熱部からの電気信号の値から求めた熱伝導率指標値および熱拡散率指標値より各指標値の温度変化率κ
1、κ
2、α
1、α
2を求め、求めたκ
1、κ
2、α
1、α
2を説明変数とし、サンプルガスの発熱量を目的変数とすることで作成された回帰式である。
【0010】
また、本発明に係る発熱量測定方法は、3つの異なる第1温度、第2温度、第3温度で、測定対象の燃料ガスの熱伝導率指標値および熱拡散率指標値を求める第1ステップと、第1温度および第2温度の間の熱伝導率指標値の温度変化率κ
1、第2温度および第3温度の間の熱伝導率指標値の温度変化率κ
2、第1温度および第2温度の間の熱拡散率指標値の温度変化率α
1、第2温度および第3温度の間の熱拡散率指標値の温度変化率α
2を求める第2ステップと、κ
1、κ
2、α
1、α
2を説明変数とし、発熱量を目的変数とする発熱量算出式により燃料ガスの発熱量を算出する第3ステップとを備え、発熱量算出式は、発熱量が既知の4つ以上の燃料ガスの各々について3つの異なる第1温度、第2温度、第3温度で熱伝導率指標値および熱拡散率指標値を求め、求めた各々について第1温度および第2温度の間の熱伝導率指標値の温度変化率κ
1、第2温度および第3温度の間の熱伝導率指標値の温度変化率κ
2、第1温度および第2温度の間の熱拡散率指標値の温度変化率α
1、第2温度および第3温度の間の熱拡散率指標値の温度変化率α
2を求め、求めた各々の燃料ガスにおけるκ
1、κ
2、α
1、α
2を説明変数とし、各々の既知の燃料ガスの発熱量を目的変数とする関係より得られた回帰式である。
【0011】
上記発熱量測定方法において、熱伝導率指標値および熱拡散率指標値は、送熱部および受熱部を備える計測部を用いた燃料ガスの測定により、送熱部からの電気信号および受熱部からの電気信号により求めればよい。
【0012】
上記発熱量測定方法において、成分ガスの組成比が異なる、発熱量が既知の4つ以上の燃料ガスをサンプルガスとして用意し、用意した各々のサンプルガスの温度に依存する送熱部および受熱部からの電気信号の値を取得し、サンプルガスが接する送熱部を複数の発熱温度で発熱させ、各々の発熱温度において送熱部および受熱部からの電気信号の値を取得し、送熱部および受熱部からの電気信号の値から求めた熱伝導率指標値および熱拡散率指標値より各指標値の温度変化率κ
1、κ
2、α
1、α
2を求め、求めたκ
1、κ
2、α
1、α
2を説明変数とし、サンプルガスの発熱量を目的変数として発熱量算出式を作成する。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したことにより、本発明によれば、組成比が大きく変化してもより正確にガス発熱量が求められるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態における発熱量測定装置の構成を示す構成図である。この装置は、計測部101、変化率算出部102、発熱量算出部103、および記憶部104を備える。
【0016】
計測部101は、3つの異なる第1温度、第2温度、第3温度で、測定対象の燃料ガスの熱伝導率指標値および熱拡散率指標値を求める。
【0017】
変化率算出部102は、計測部101が計測した第1温度および第2温度の間の熱伝導率指標値の温度変化率κ
1、第2温度および第3温度の間の熱伝導率指標値の温度変化率κ
2、第1温度および第2温度の間の熱拡散率指標値の温度変化率α
1、第2温度および第3温度の間の熱拡散率指標値の温度変化率α
2を求める。
【0018】
発熱量算出部103は、κ
1、κ
2、α
1、α
2を説明変数とし、発熱量を目的変数とする発熱量算出式により燃料ガスの発熱量を算出する。発熱量算出式は、記憶部104に記憶されている。
【0019】
ここで、発熱量算出式は、発熱量が既知の4つ以上の燃料ガスの各々について、3つの異なる第1温度、第2温度、第3温度で熱伝導率指標値および熱拡散率指標値を求め、求めた各々について第1温度および第2温度の間の熱伝導率指標値の温度変化率κ
1、第2温度および第3温度の間の熱伝導率指標値の温度変化率κ
2、第1温度および第2温度の間の熱拡散率指標値の温度変化率α
1、第2温度および第3温度の間の熱拡散率指標値の温度変化率α
2を求め、求めた各々の燃料ガスにおけるκ
1、κ
2、α
1、α
2を説明変数とし、各々の既知の燃料ガスの発熱量を目的変数とする関係より得られた、以下に例示する回帰式である。なお、以下の式において、c
iは係数である。また、次数は、例えば、n1+n2+n3+n4=0〜3とされていればよい。
【0021】
次に、本発明の実施の形態における発熱量測定装置の動作例(発熱量測定方法)について、
図2のフローチャートを用いて説明する。
【0022】
まず、ステップS101で、計測部101が、第1温度T
1における熱伝導率指標値k
1を取得する。次に、ステップS102で、計測部101が、第1温度T
1における熱拡散率指標値a
1を取得する。上述した計測部101における熱伝導率指標値および熱拡散率指標値の取得を、各々異なる第1温度T
1,第2温度T
2、第3温度T
3で実施し(ステップS101〜ステップS103)、熱伝導率指標値k
1、熱伝導率指標値k
2、熱伝導率指標値k
3、熱拡散率指標値a
1、熱拡散率指標値a
2、熱拡散率指標値a
3を得る。
【0023】
次に、ステップS104で、変化率算出部102が、以下に示すように、第1温度T
1および第2温度T
2の間の熱伝導率指標値の温度変化率κ
1、第2温度T
2および第3温度T
3の間の熱伝導率指標値の温度変化率κ
2を求める。
【0025】
次に、ステップS105で、変化率算出部102が、以下に示すように、第1温度T
1および第2温度T
2の間の熱拡散率指標値の温度変化率α
1、第2温度T
2および第3温度T
3の間の熱拡散率指標値の温度変化率α
2を求める。
【0027】
次に、ステップS106で、発熱量算出部103が、κ
1、κ
2、α
1、α
2を説明変数とし、発熱量を目的変数とする発熱量算出式により燃料ガスの発熱量を算出する。前述したように、発熱量算出式は、発熱量が既知の4つ以上の燃料ガスの各々について、3つの異なる第1温度T
1、第2温度T
2、第3温度T
3で熱伝導率指標値および熱拡散率指標値を求め、求めた各々について第1温度T
1および第2温度T
2の間の熱伝導率指標値の温度変化率κ
1、第2温度T
2および第3温度T
3の間の熱伝導率指標値の温度変化率κ
2、第1温度T
1および第2温度T
2の間の熱拡散率指標値の温度変化率α
1、第2温度T
2および第3温度T
3の間の熱拡散率指標値の温度変化率α
2を求め、求めた各々の燃料ガスにおけるκ
1、κ
2、α
1、α
2を説明変数とし、各々の既知の燃料ガスの熱量を目的変数とする関係より得られた回帰式である。
【0028】
上述した実施の形態によれば、測定対象におけるガス組成が大きく変化しても、より正確にガス発熱量が求められるようになる。なお、実施の形態における発熱量測定装置は、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)と主記憶装置と外部記憶装置とネットワーク接続装置となどを備えたコンピュータ機器であり、主記憶装置に展開されたプログラムによりCPUが動作することで、上述した各機能が実現される。また、各機能は、複数のコンピュータ機器に分散させるようにしてもよい。
【0029】
以下、より詳細に説明する。まず、単一成分のガスの発熱量は一意に特定できるため、ガス種(成分)およびこの割合が既知の場合、混合ガスの発熱量はガス組成から算出できる。ここで、天然ガスの主な各成分について、温度と熱伝導率指標値との関係を
図3に示し、温度と熱拡散率指標値の関係を
図4に示す。
【0030】
ところで、特許文献1の技術では、発熱量の測定対象のガスにおける各ガス成分の割合を求めること無く、混合ガスの発熱量を求めている。この技術では、まず、複数の混合ガスの放熱係数または熱伝導率指標値の値を複数の温度で計測し、複数の混合ガスの既知の発熱量の値と、複数の温度で計測された放熱係数または熱伝導率指標値の値とに基づいて、複数の温度における放熱係数または熱伝導率指標値を説明変数とし、発熱量を目的変数とする発熱量算出式を作成しておく。
【0031】
この発熱量算出式を用い、発熱量が未知の計測対象混合ガスの発熱量を測定する。まず、発熱量が未知の計測対象混合ガスの放熱係数または熱伝導率指標値の値を複数の温度で計測し、発熱量算出式の複数の温度における放熱係数または熱伝導率指標値の説明変数に、計測対象混合ガスの複数の温度で計測された放熱係数または熱伝導率指標値の値を代入し、計測対象混合ガスの発熱量の値を算出する。
【0032】
しかしながら、各ガスの成分の割合(組成比)が大きく変動する場合、上述した従来の技術では、算出される発熱量の精度が得られていないという問題があった。
【0033】
このような更なる測定精度の向上が求められているなかで、発明者らによる鋭意の検討の結果、温度が変化したときに得られる変化率を用いることで、高い精度で発熱量が求められることに想到した。温度変化による熱伝導率指標値および熱拡散率指標値の変化率が、測定精度の影響などを受けにくく、かつ発熱量推定の精度向上に有用であることを突き止めた。また、各測定値を説明変数とし、発熱量を目的変数として発熱量算出式を作成するので、真の熱伝導率および熱拡散率が測定される必要はなく、真の熱伝導率および熱拡散率が再現性よく反映された指標(値)が得られればよく、測定に対する制約が軽減されることも重要な特徴である。
【0034】
次に、熱伝導率指標値および熱拡散率指標値の測定について説明する。これらの測定では、以下に示すように、送熱部および受熱部を備える計測部を用い、送熱部からの電気信号および受熱部からの電気信号により熱伝導率指標値および熱拡散率指標値を求める。
【0035】
まず、熱伝導率指標値の測定について説明する。熱伝導率指標値の測定では、例えば、
図5に示すように、送熱部201および受熱部202を用いて周囲のガス211の測定を行う。送熱部201および受熱部202は、例えば白金などより構成された測温抵抗体素子である。ガス211は、例えば、所定の処理装置の計測室内に収容され、気流および気圧などが安定している状態とする。
【0036】
送熱部201、受熱部202、周辺のガス211は、温度T
0で定常状態になっているものとする。この状態では、送熱部201および受熱部202の電気抵抗値は、温度T
0相当値r
base=r
0で一致している。
【0037】
この状態より、例えば,t
1の時点で送熱部201の電気抵抗値が温度T
1相当値r
drive=r
1となるように送熱部201へ電流を印加すると、
図6に示すように、受熱部202の温度(電気抵抗値)はt
2の時点で定常状態となる。
図6において、実線が送熱部201の電気抵抗値の変化を示し、点線が受熱部202の電気抵抗値の変化を示す。このとき、送熱部201と受熱部202間のガス211には、温度勾配が形成される。
【0038】
特許文献1に記載されているように、送熱部201を温度T
1となるように駆動した時の消費電力と、送熱部201と受熱部202との間の温度差から放熱係数を求めることができ、放熱係数は温度T
1におけるガスの熱伝導率指標値と相関があることが知られている。従って、温度T1で送熱部201を駆動した時に得られる放熱係数から、上記相関関係を利用して導出される値を,温度T
1における熱伝導率指標値k
1とする。
【0039】
次に、熱拡散率指標値の測定について説明する。送熱部201、受熱部202、およびガス211は、温度T
1で定常状態になっている場合、送熱部201と受熱部202の電気抵抗値は、温度T
1相当値r
base=r
1で一致している。
【0040】
この状態より、例えばt
1のタイミングで送熱部201の温度がΔTだけ上昇するように電流を印加する(温度T
1+ΔT相当の電気抵抗値をr
driveとする)。
【0041】
送熱部201によってガス211を加熱して受熱部202でガス211の温度を観測すると、受熱部202で観測される温度上昇の過渡応答とガス211の熱拡散率指標値は相関があることは一般的に知られている(非特許文献1参照)。過渡応答を評価するパラメータとしては、受熱部202の温度上昇の過渡応答の時定数や、送熱部201が発熱開始してから受熱部202の温度がある一定値上昇するまでの時間、送熱部201が発熱開始してからある一定時間経過後の受熱部202の温度などが挙げられる。
【0042】
従って、送熱部201、受熱部202、およびガス211が温度T1で定常状態となった後、送熱部201の温度をΔTだけ上昇させたときの受熱部202の温度(電気抵抗値)の過渡応答のパラメータ(時定数など上記に列挙される指標)から相関関係を利用して導出される値を、温度T
1における熱拡散率指標値a
1とする。
【0043】
次に、温度変化率について説明する。上述したように、温度T
1における熱伝導率指標値k
1,熱拡散率指標値a
1と同様にすることで、温度T
2における熱伝導率指標値k
2,熱拡散率指標値a
2、温度T
3における熱伝導率指標値k
3,熱拡散率指標値a
3を求める。このようにして求めた各値をもとに、前述した式(1)および式(2)よりκ
1、κ
2、α
1、α
2を求める。
【0044】
次に、発熱量算出式の作成について説明する。発熱量算出式の作成では、例えば、4つ以上の発熱量既知のガスを用いて各々のκ
1、κ
2、α
1、α
2を求める。例えば、酸素ガス、窒素ガス、二酸化炭素ガス、メタンガス、エタンガス、プロパンガス、ブタンガスなどを成分として各成分の割合を変えた複数のサンプルガスを作製し、作製した複数のサンプルガスについて、各々のκ
1、κ
2、α
1、α
2を求める。上述した各サンプルガスについては、発熱量が既知である。
【0045】
上述した各サンプルガスについて、組成(表1)と各組成に対する測定結果(表2)について以下に示す。表中の数値は体積%である。
【0048】
各々のガスについて、κ
1、κ
2、α
1、α
2を説明変数とし、各々の既知の燃料ガスの熱量を目的変数とする複数の関係より、回帰式を多変量解析によって作成する。回帰式作成に用いる多変量解析の手法としては、例えば、サポートベクトル回帰が挙げられる。このようにして作成した回帰式を発熱量算出式として、記憶部104に記憶しておけばよい。
【0049】
上述では、10種類のガスを用い、κ
1、κ
2、α
1、α
2を説明変数とし、各々の既知の燃料ガスの熱量を目的変数とする10個の関係より回帰式を得るようにしたが、これに限るものではない、より多くの種類のガスを対象として回帰式を得ることで、得られる回帰式(発熱量算出式)を用いて求める発熱量の統計的信頼性がより向上する。
【0050】
実施の形態によれば、例えば特許文献1の技術に比較して、より高い精度で発熱量が求められるようになる。例えば、メタンガスの組成比が68〜100%,エタンガスの組成比が0〜24%,プロパンガスの組成比が0〜6%、ブタンガスの組成比が0〜3%、酸素ガスの組成比が0〜0.2%、窒素ガスの組成比が0〜15%、二酸化炭素ガスの組成比が0〜9%の範囲で変化する2172種類の混合ガス(燃料ガス)について、各々発熱量を求めることを検討する。
【0051】
実施の形態においては、組成比が大きく変化している上述した2172種類の混合ガスのうち343種類の混合ガスをサンプルガスとし、各々のサンプルガスについて、κ
1、κ
2、α
1、α
2を説明変数とし、各々のサンプルガスの熱量を目的変数とする複数の関係より、多変量解析によって回帰式を作成する。
【0052】
比較例として、特許文献1に示されているように、5つの異なる温度で、各燃料ガスの熱伝導率指標値k
1,k
2,k
3,k
4,k
5を求め、求めた熱伝導率指標値k
1,k
2,k
3,k
4,k
5を説明変数とし、各々のサンプルガスの熱量を目的変数とする複数の関係より、多変量解析によって回帰式を作製する。
【0053】
上述した実施の形態による回帰式で上記2172種類の混合ガス(燃料ガス)について、各々発熱量を求めた結果における精度(推定誤差率)のばらつきは、
図7に示すように、小さいものとなった。これに対し、比較例による回帰式で上記2172種類の混合ガス(燃料ガス)について、各々発熱量を求めた結果におけるばらつきは、
図8に示すように、大きいものとなった。
【0054】
以上に説明したように、本発明によれば、熱伝導率指標値の温度変化率および熱拡散率指標値の温度変化率を説明変数とし、燃料ガスの発熱量を目的変数とする発熱量算出式で発熱量を求めるようにしたので、組成比が大きく変化してもより正確にガス発熱量が求められるようになる。
【0055】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。