(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ベースプレートにおける前記貫通領域内の領域において、互いに形状の異なる上下方向に貫通する二つの孔部が設けられる、請求項12〜請求項14のいずれか1項に記載の振動モータ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の図面において、振動体の振動方向を上下方向として、X方向で表す。また、上下方向に直交する方向である第1方向として、Y方向で表す。また、上下方向および第1方向に直交する方向である第2方向として、Z方向で表す。但し、この方向の定義は、実際の機器に組み込まれたときの位置関係および方向を示すものではない。
【0012】
<1.振動モータの全体構成>
まず、本発明の一実施形態に係る振動モータの全体構成について、
図1〜
図4を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る振動モータ15を上方から視た全体斜視図である。
図2は、振動モータ15を下方から視た全体斜視図である。
図3は、
図1に示す振動モータ15においてケース4を取り外した状態を示す斜視図である。
図4は、振動モータ15の側面断面図である。
【0013】
本実施形態に係る振動モータ15は、大きく分けて、静止部5と、振動体10と、弾性部材11と、を備える。
【0014】
静止部5は、ベースプレート1と、基板2と、コイル3と、ケース4と、を有する。ベースプレート1は、例えば金属製の板状部材である。ベースプレート1は、上面視で、第1方向を長辺、第2方向を短辺とする長方形状に形成される。
【0015】
基板2は、ベースプレート1上に配置され、FPC(フレキシブルプリント基板)により構成される。なお、基板2は、リジッド基板で構成されてもよい。基板2は、第1基板部21と、第2基板部22と、接続部23と、を有する。第1方向に順に、第1基板部21、接続部23、第2基板部22が配置される。第1基板部21の第1方向の幅は、第2基板部22の第1方向の幅よりも短い。第1基板部21と第2基板部22の第2方向の幅は同じであり、接続部23の第2方向の幅よりも長い。
【0016】
2つの第1端子部21Aは、第1基板部21に第2方向に並んで形成され、上面側に露出する。2つの第2端子部23Aは、接続部23に第2方向に並んで形成され、上面側に露出する。第1方向に隣り合う第1端子部21Aと第2端子部23A同士は、基板2の配線により接続され、導通される。
【0017】
コイル3は、基板2の第2基板部22上に配置される。コイル3は、上面視で、第1方向に長辺を、第2方向に短辺を有する環状に形成される。コイル3から引き出される引出線は、第2端子部23Aに接続される。これにより、外部より第1端子部21Aに電圧を印加することで、コイル3に電流を流すことができる。
【0018】
ケース4は、上面視で、第1方向を長辺、第2方向を短辺とする長方形状を有する直方体において下面が開口したカバー部材である。コイル3、振動体10、および弾性部材11は、ケース4の内部空間に収容される。
【0019】
振動体10は、磁石6と、バックヨーク7と、おもり8と、ポールピース9と、を有する。磁石6は、上面視で、第1方向を長辺、第2方向を短辺とする長方形状を有する直方体状の部材である。
【0020】
バックヨーク7は、磁石6上に配置され、磁性体により構成される。バックヨーク7は、天面部71と、2つの長辺突出部72と、2つの短辺突出部73と、を有する。天面部71は、上面視で、第1方向を長辺、第2方向を短辺とする長方形状である。長辺突出部72は、天面部72の第2方向に対向する長辺部から下方向へ突出する。短辺突出部73は、天面部72の第1方向に対向する短辺部から下方向へ突出する。
【0021】
おもり8は、バックヨーク7上に配置され、例えばタングステン合金により形成される。おもり8は、上面視で、第1方向を長辺、第2方向を短辺とする長方形状を有する直方体状の部材である。
【0022】
ポールピース9は、磁石6の下面に配置され、磁性体により構成される板状部材である。ポールピース9は、上面視で、第1方向を長辺、第2方向を短辺とする長方形状を有する。磁石6、バックヨーク7、およびポールピース9によって磁路が形成される。
【0023】
弾性部材11は、一端側をケース4の天面部41の下面に固定され、他端側をおもり8の上面81に固定される。すなわち、弾性部材11は、ケース4とおもり8との間に配置される。これにより、振動体10は、静止部5に対して上下方向に振動可能に支持される。
【0024】
磁石6およびポールピース9は、振動するときの位置によってはコイル7の内周側空間内に収容される。すなわち、磁石6は、環状のコイル7の内周側に振動によって収容可能に配置される。
【0025】
外部より基板2の第1端子部21Aに電圧を印加することで、コイル3に電流が流れ、コイル3に発生した磁界と、磁石6、バックヨーク7、およびポールピース9により形成される磁界との相互作用により、振動体10は、上下方向に振動する。従って、振動モータ15は、縦方向リニア振動型となる。
【0026】
上述のように、ベースプレート1、ケース4、磁石6、バックヨーク7、およびおもり8が、上面視でそれぞれ、第1方向に長辺を、第2方向に短辺を含む長方形状を有する。従って、スマートフォン、ウエアラブル機器などの機器におけるバッテリ横等の長方形状のデッドスペースに、縦方向リニア振動型の振動モータ15を配置することが可能となる。
【0027】
<2.弾性部材の構成について>
次に、弾性部材11のより具体的な構成について
図5を参照して説明する。
図5は、振動モータ15においてケース4を取り外した状態での上面視での平面図である。
【0028】
図5に示すように、弾性部材11は、第1延伸部11Aと、第2延伸部11Bと、第1接続部11Cと、第2接続部11Dと、第3延伸部11Eと、第4延伸部11Fと、第3接続部11Gと、第4接続部11Hと、第5接続部11Iと、を有し、これらの各部は同一部材として形成される。
【0029】
第1延伸部11Aおよび第2延伸部11Bは、第1方向に延び、上面視で第2方向に隣り合う。第1接続部11Cは、第1延伸部11Aの一端部と第2延伸部11Bの一端部とを接続する。第2接続部11Dは、第1延伸部11Aの他端部と第2延伸部11Bの他端部とを接続する。
【0030】
第3延伸部11Eは、第1方向に延び、第1延伸部11Aと第2方向に対向する。第4延伸部11Fは、第1方向に延び、上面視で第2方向に第3延伸部11Eと隣り合う。第3接続部11Gは、第3延伸部11Eの一端部と第4延伸部11Fの一端部とを接続する。第4接続部11Hは、第3延伸部11Eの他端部と第4延伸部11Fの他端部とを接続する。
【0031】
第5接続部11Iは、第1延伸部11Aの中央部と第3延伸部11Eの中央部とを第2方向に接続する。
【0032】
このような構成により、弾性部材11は一つで済み、部品点数を削減することができる。
【0033】
さらに、
図3も併せて参照して弾性部材11の構成を述べれば、第1延伸部11Aは、中央部から両端部へ向かうに従って上方向に傾斜する。第2延伸部11Bは、両端部から中央部へ向かうに従って上方向に傾斜する。第2延伸部11Bは、傾斜の最上箇所において溶接部11Jを有する。また、第3延伸部11Eは、中央部から両端部へ向かうに従って上方向に傾斜する。第4延伸部11Fは、両端部から中央部へ向かうに従って上方向に傾斜する。第4延伸部11Fは、傾斜の最上箇所において溶接部11Kを有する。
【0034】
このような構成により、第5接続部11Iを溶接によりおもり8の上面81に固定すると共に、第5接続部11Iより上方に位置する溶接部11J、11Kを溶接によりケース4の天面部41の下面に固定し、振動体10をケース4に対して振動可能に支持できる。
【0035】
なお、弾性部材の変形例として、
図6に示すような構成の弾性部材11’を用いてもよい。弾性部材11’において、第1延伸部11’Aは、中央部から両端部へ向かうに従って下方向に傾斜する。第2延伸部11’Bは、両端部から中央部へ向かうに従って下方向に傾斜する。第2延伸部11’Bは、傾斜の最下箇所において溶接部11’Jを有する。また、第3延伸部11’Eは、中央部から両端部へ向かうに従って下方向に傾斜する。第4延伸部11’Fは、両端部から中央部へ向かうに従って下方向に傾斜する。第4延伸部11’Fは、傾斜の最下箇所において溶接部11’Kを有する。
【0036】
このような構成により、溶接部11’J、11’Kを溶接によりおもり8の上面81に固定すると共に、溶接部11’J、11’Kより上方に位置する第5接続部11’Iを溶接によりケース4の天面部41の下面に固定し、振動体10をケース4に対して振動可能に支持できる。
【0037】
また、弾性部材11(
図5)において、第1接続部11C、第2接続部11D、第3接続部11G、および第4接続部11Hの幅は、第1延伸部11A、第2延伸部11B、第3延伸部11E、および第4延伸部11Fの幅よりも広い。これにより、振動体10の振動時に弾性部材11にかかる応力を分散することができる。これは、変形例としての弾性部材11’についても同様である。
【0038】
<3.ダンパー部材の配置構成について>
本実施形態に係る振動モータ15は、
図3および
図5に示すように、ダンパー部材12A〜12Dをおもり8の天面部81上においてさらに備える。上面視で、第1延伸部11A、第2延伸部11B、第1接続部11C、および第2接続部11Dによって囲まれる領域に、ダンパー部材12A、12B、すなわち少なくとも一つのダンパー部材が配置される。ダンパー部材12A、12Bは、上記領域の中央部から第1方向に互いに離れた位置にそれぞれ配置される。
【0039】
また、上面視で、第3延伸部11E、第4延伸部11F、第3接続部11G、および第4接続部11Hによって囲まれる領域に、ダンパー部材12C、12D、すなわち少なくとも一つのダンパー部材が配置される。ダンパー部材12C、12Dは、上記領域の中央部から第1方向に互いに離れた位置にそれぞれ配置される。
【0040】
このようなダンパー部材12A〜12Dを設けることにより、振動モータ15を誤って落下させたときなどの場合に、おもり8が過剰に上方へ移動し、弾性部材11(第5接続部11I等)がケース4の天面部41の下面に接触し、騒音が発生することを抑制することができる。
【0041】
また、ダンパー部材12A〜12Dを弾性部材11の配置される領域の内側に配置できるので、配置スペースを省略化することができる。
【0042】
なお、ダンパー部材は、例えば、
図5に示すように、ダンパー部材12A、12Cにより第2方向に挟まれる箇所P1、およびダンパー部材12B、12Dにより第2方向に挟まれる箇所P2に配置することも可能である。すなわち、第1延伸部11Aと第3延伸部11Eによって挟まれる領域に少なくとも一つのダンパー部材が配置されてもよい。なお、この場合、ダンパー部材12A〜12Dと共に配置してもよいし、箇所P1、P2にのみ配置してもよい。このような構成によっても、上述した効果と同様の効果を享受できる。
【0043】
以上のダンパー部材に関する構成は、すなわち、上面視で弾性部材11が占有する面積内に少なくとも一つのダンパー部材が配置される構成であるといえる。これにより、ダンパー部材の配置スペースを省スペース化することができる。
【0044】
次に、ダンパー部材の適切な配置位置について
図7を用いて説明する。
図7は、おもり8、弾性部材11、およびダンパー部材12を側面から視た模式図であり、これらの各構成(すなわち振動体10)が第1方向より時計回りに角度θだけ傾いた状態を示す。
【0045】
ダンパー部材12の上辺と下辺とで挟まれる辺が弾性部材の上辺と交わる交点Sを第1方向に延びて通るラインL1から、弾性部材11の上辺の一端部までの上下方向の高さをWとすると、Wは下記(1)式で表される。
W=Xsinθ (1)
【0046】
但し、X:弾性部材11の上辺の一端部から上記交点Sまでの距離
【0047】
また、ラインL1から弾性部材12の上辺の一端部までの上下方向の高さをZとすると、Zは下記(2)式で表される。
Z=(A−B)cosθ (2)
【0048】
但し、A:ダンパー部材12の厚み、B:弾性部材11の厚み
【0049】
W<Zの条件のとき、ケース4(
図7では不図示)と弾性部材11は接触しない。従って、上記条件は、
Xsinθ<(A−B)cosθとなり、これは下記(3)式のように書き換えられる。
【0050】
X<(A−B)cosθ/sinθ (3)
【0051】
従って、上記(3)式の条件を満たすようなXで表される位置にダンパー部材12を配置すれば、ケース4と弾性部材11は接触しないこととなる。例えば、A:0.25mm、B:0.12mm、θ:3°とした場合、X<2.4mmとなる。
【0052】
<4.バックヨークに関する構成について>
次に、バックヨーク7に関する構成について
図8および
図9を参照して説明する。
図8は、バックヨーク7の全体斜視図である。
図9は、振動モータ15においてケース4を取り外した状態の一部拡大斜視図である。
図9は、基板2の第1基板部21周辺の構成を示す。
【0053】
図8に示すように、バックヨーク7は、長方形状の天面部71と、2つの長辺突出部72と、2つの短辺突出部73と、を有し、これらの各部は同一部材として形成される。長辺突出部72は、天面部71の各長辺部711から下方向へ突出する。短辺突出部73は、天面部71の各短辺部712から下方向へ突出する。天面部71は、四隅に切欠きC1を有する。従って、バックヨーク7を板材から成型する際に、長辺突出部72と短辺突出部73を天面部71から折り曲げて形成するときに、長辺突出部72と短辺突出部73が接触しない。
【0054】
また、
図9に示すように、コイル3の短辺側から第1方向に引き出される引出線31は、その端部を半田固定部Rによって基板部2の接続部23に設けられる各第2端子部23Aと接続固定される。固定される引出線31の端部は、バックヨーク7の短辺突出部73の下方に配置される。すなわち、引出線31の一部は、短辺突出部73の下方に配置される。
【0055】
ここで、短辺突出部73は、長辺突出部72よりも突出量が小さい。従って、コイル3の短辺側から引出線31を引き出しても、引出線31の断線を抑止することができ、省スペース化となる。
【0056】
また、半田固定部Rは、短辺突出部73の下方に配置される。すなわち、短辺突出部73の下方には、引出線31の一部が基板2に固定される半田固定部Rが配置される。これにより、振動体10の通常の振動時に、バックヨーク7が半田固定部Rに接触し、半田固定部Rが破壊されることを抑止できる。
【0057】
また、引出線31の断線を抑制するため、引出線31と半田固定部Rを覆うように接着剤Qが設けられる。接着剤Qは、コイル3の短辺側に接触する。接着剤Qは、短辺突出部73の下方に配置される。従って、振動体10の通常の振動時に、バックヨーク7が接着剤Qに接触し、騒音が生じることを抑制できる。
【0058】
また、バックヨーク7の天面部71には、上下方向に貫通する貫通孔71Aが設けられる。すなわち、磁石6が固定されるバックヨーク7の面には、貫通孔71Aが設けられる。
【0059】
これにより、例えば、磁石6を磁力によって天面部71に固定させた状態で、貫通孔71Aに接着剤を流し込んで磁石6を天面部71に固定する際に、接着剤が磁石6の外側へはみ出すことを抑制できる。
【0060】
また、例えば、貫通孔71Aの周囲領域に、またはその周囲領域に対応する磁石6の面に接着剤をあらかじめ塗布した状態で、磁石6と天面部71を接触させて磁石6を天面部71に固定する方法の場合でも、一部の接着剤は貫通孔71A内部へ流れ込むので、接着剤が磁石6の外側へはみ出すことを抑制できる。すなわち、接着剤を貫通孔71Aに逃がすことができる。
【0061】
また、例えば、磁石6と同様に、貫通孔71Aの周囲領域に、またはその周囲領域に対応するおもり8の面に接着剤をあらかじめ塗布した状態で、おもり8と天面部71を接触させて磁石8を天面部71に固定する方法の場合でも、一部の接着剤を貫通孔71A内部へ逃がして、接着剤がおもり8の外側へはみ出すことを抑制できる。
【0062】
<5.基板の構成について>
次に、基板2のより具体的な構成について
図10および
図11を用いて説明する。
図10は、振動モータ15においてベースプレート1に対して基板2およびコイル3を配置した構成を示す斜視図である。
図11は、振動モータ15においてベースプレート1に対して基板2を配置した構成を示す斜視図である。すなわち、
図11は、
図10の状態からコイル3を省略した図となる。
【0063】
コイル3は、内周側に内部空間221を有する。基板2の第2基板部22には、上下方向に貫通する貫通領域221が形成される。上面視で、内部空間221の縁部は、貫通領域221の縁部における直線部分と重なる。すなわち、基板2は、少なくともコイル3の内周側において上下方向に貫通する貫通領域221を有する。これにより、振動体10のストロークを大きくできる。なお、貫通領域221の縁部は、内部空間221の縁部より内周側または外周側に配置してもよい。
【0064】
また、貫通領域221の縁部は、第1方向に対向する長辺縁部221Aと、第2方向に対向する短辺縁部221Bと、を含む。各長辺縁部221Aには、外周側に凹む切欠き部C2が三つずつ形成される。さらに、貫通領域221の縁部の四隅、すなわち長辺縁部221Aと短辺縁部221Bとが近接する箇所には、外周側に凹む切欠き部C3が形成される。すなわち、貫通領域221の縁部に切欠き部が複数設けられる。
【0065】
コイル3をベースプレート1に固定する際、各切欠き部C2、C3に接着剤が塗布される。そして、コイル3を各切欠き部C2、C3の上方から第2基板部22に押し付けることで、第2基板部22をコイル3とベースプレート1によって挟む込みつつ、コイル3をベースプレート1に固定させることができる。従って、基板2がベースプレート1より剥離することを抑制できる。
【0066】
また、第2基板部22において、貫通領域221の周囲には、閉路パターン24が設けられる。閉路パターン24は、閉じられた配線パターン(例えば銅箔パターン)であり、電流は流れない。また、閉路パターン24は、
図11では基板2の内部に形成されるが、基板2の上面に露出してもよい。また、
図11の閉路パターン24は、両端部が接続されない形状であるが、両端部が接続された、すなわち環状のパターンであってもよい。または、閉路パターン24は、貫通領域221の縁部の各辺ごとに対応して分断された直線のパターンであってもよい。
【0067】
これにより、貫通領域221を設けることによって強度が弱くなる第2基板部22の強度を閉路パターン24によって補強することができる。
【0068】
<6.ベースプレートの構成について>
次に、ベースプレート1のより具体的な構成について述べる。
図11に示すように、ベースプレート1における貫通領域221内の領域において、互いに形状の異なる上下方向に貫通する二つの孔部1A、1Bが設けられる。孔部1A、1Bは、第1方向に配列される。
【0069】
孔部1A、1Bは、コイル3を基板2に固定する際に用いられる。
図12に示すように、コイル3を基板2に固定する際には、治具(ボビン)100を用いる。治具100は、基部101と、基部101から下方へ突出するボス102、103と、を有する。ボス102は、孔部1Aに対応した断面形状であり、ボス103は、孔部1Bに対応した断面形状である。
【0070】
コイル3を基部101に巻き付けた状態の治具100のボス102を孔部1Aに、ボス103を孔部1Bに通して、コイル3を基板2上に配置させる。このとき、先述のように基板2の各切欠き部C2、C3には接着剤が塗布されているので、コイル3は、ベースプレート1に固定される。その後、治具100をコイル3から取り外す。
【0071】
孔部1A、1Bは、互いに異なる形状をしているので、コイル3の固定作業において、治具100の向き合せを容易に行うことができる。
【0072】
また、
図11等に示すように、ベースプレート1の第2方向に対向する各辺部の各々には、切欠き凹部1Cが設けられる。
図11の例では、切欠き凹部1Cは辺部ごとに第1方向に三つ並んで設けられる。
【0073】
一方、
図1および
図2に示すように、ケース4は、第2方向に対向する側面部42を有する。各側面部42は、下方向に突出する凸部4Aを有する。凸部4Aは、側面部42ごとに第1方向に三つ並んで設けられる。
【0074】
そして、各凸部4Aは、対応する各切欠き凹部1Cに嵌合される。これにより、ケース4をベースプレート1に固定する際に、ケース4の位置合わせが容易となる。
【0075】
<7.その他>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内であれば、実施形態は種々の変更が可能である。
【0076】
例えば、弾性部材としては、上述した弾性部材11に限らず、おもり8上に並んで配置される複数の板ばね、または巻きばねであってもよい。