特許第6670749号(P6670749)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6670749構成可能なピンを備える三次元フラッシュNORメモリシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670749
(24)【登録日】2020年3月4日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】構成可能なピンを備える三次元フラッシュNORメモリシステム
(51)【国際特許分類】
   G11C 5/04 20060101AFI20200316BHJP
   G11C 5/02 20060101ALI20200316BHJP
   G11C 29/48 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   G11C5/04 210
   G11C5/02 100
   G11C29/48
【請求項の数】14
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-536215(P2016-536215)
(86)(22)【出願日】2014年11月6日
(65)【公表番号】特表2017-502444(P2017-502444A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】US2014064381
(87)【国際公開番号】WO2015084534
(87)【国際公開日】20150611
【審査請求日】2017年8月14日
(31)【優先権主張番号】14/094,595
(32)【優先日】2013年12月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】トラン ヒュー ヴァン
(72)【発明者】
【氏名】グエン フン クオック
(72)【発明者】
【氏名】レイテン マーク
【審査官】 堀田 和義
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−527041(JP,A)
【文献】 特開2013−134794(JP,A)
【文献】 特開2006−127653(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0213421(US,A1)
【文献】 特表2012−518859(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0140138(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 5/04
G11C 5/02
G11C 29/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元メモリシステムであって、
論理回路に結合された複数の標準的なピンと、
前記論理回路に結合された制御ピンと、
制御ブロックを含む前記論理回路と、
複数の積み重ねられたダイを含むメモリアレイであって、各ダイは複数のメモリセルを含む、メモリアレイと、を含み、
前記複数の標準的なピンは、前記制御ピンに応答して第1の機能又は第2の機能を実行するように前記制御ブロックによって構成可能であり、
前記第1の機能は、前記メモリアレイからの読み出し操作又は前記メモリアレイへの書き込み操作のためのアドレスを受け取るためのインターフェイスを提供することであり、前記第2の機能は内部テストモード制御信号にアクセスすることであ
前記制御ピンが、前記メモリアレイから離して配設されるTSVを介して前記論理回路に結合される、
システム。
【請求項2】
前記インターフェイスは、標準的なシリアルメモリインターフェイスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記インターフェイスは、非標準的なシリアルメモリインターフェイスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記インターフェイスは、標準的なパラレルインターフェイスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記インターフェイスは、非標準的なパラレルインターフェイスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記メモリアレイがSuperFlashアレイである、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の標準的なピンがシリアルSPIピン又はSQIピンである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の標準的なピンがパラレルMPFピンである、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
マイクロコントローラを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
三次元メモリシステムであって、
複数の積み重ねられたダイを含むメモリアレイであって、各ダイは複数のメモリセルを含む、メモリアレイと、
複数のTSV接続であって、各TSV接続は2又は3以上の前記複数の積み重ねられたダイを連結する、複数のTSV接続と、
制御ブロックを含む論理回路と、
前記制御ブロックに結合された制御ピンと、
前記論理回路に結合された複数のピンと、を含み、
前記複数のピンは、前記制御ピンに応答して第1の機能又は第2の機能を実行するように前記制御ブロックによって構成可能であり、前記第1の機能は前記メモリアレイにコマンドを提供するシリアルインターフェイスを提供することであり、前記第2の機能は前記メモリアレイからデータを出力するためのパラレルインターフェイスを提供することであ
前記制御ピンが、前記メモリアレイから離して配設された前記TSV接続を介して前記論理回路に結合される、
システム。
【請求項11】
前記シリアルインターフェイスが標準的なインターフェイスである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記シリアルインターフェイスが非標準的なインターフェイスである、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記パラレルインターフェイスが標準的なインターフェイスである、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記パラレルインターフェイスが非標準的なインターフェイスである、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
3Dメモリシステムに適した構成可能なピンを備える三次元(3D)NORフラッシュメモリシステムが開示される。
【背景技術】
【0002】
浮遊ゲートを使用して電荷を蓄積するフラッシュメモリセル、及び半導体基板の中に形成されたかかる不揮発性メモリセルのメモリアレイは、当該技術分野において周知である。典型的には、かかる浮遊ゲートメモリセルは、スプリットゲート型、又はスタックゲート型となっている。
【0003】
1つの従来技術の不揮発性メモリセル10を図1に示す。スプリットゲートSuperFlash(SF)メモリセル10は、P型などの第1の導電型の半導体基板4を備える。基板1は、その上にN型などの第2の導電型の第1の領域2(ソース線SLとしても知られる)が形成されている表面を有する。N型などの第2の導電型の第2の領域3(ドレイン線としても知られる)もまた、基板1の表面に形成される。第1の領域2と第2の領域3との間には、チャネル領域4が設けられている。ビット線(BL)9は、第2の領域3に接続される。ワード線(WL)8(セレクトゲートとも称される)は、チャネル領域4の第1の部分の上に配置され、そこから絶縁される。ワード線8は、第2の領域3とほとんど又は全く重ならない。浮遊ゲート(FG)5は、チャネル領域4の他の部分の上方にある。浮遊ゲート5は、そこから絶縁され、ワード線8に隣接する。浮遊ゲート5はまた、第1の領域2にも隣接する。結合ゲート(CG)7(制御ゲートとしても知られる)は、浮遊ゲート5の上方にあり、そこから絶縁される。消去ゲート(EG)6は、第1の領域2の上方にあり、浮遊ゲート5及び結合ゲート7に隣接し、そこから絶縁される。消去ゲート6はまた、第1の領域2から絶縁される。
【0004】
従来技術の不揮発性メモリセル10の消去及びプログラムのための一操作例は次のとおりである。セル10は、消去ゲートEG6に高電圧を印加し、他の端子が0ボルトと等しくなることにより、ファウラーノルドハイム・トンネリング・メカニズムによって消去される。電子が浮遊ゲートFG5から消去ゲートEG6にトンネリングすることにより、浮遊ゲートFG5が陽電荷を帯び、読み出し状態のセル10がオンになる。その結果生じるセルの消去状態は、「1」状態として知られる。セル10は、結合ゲートCG7に高電圧を印加し、ソース線SL2に高電圧を印加し、消去ゲートEG6に中電圧を印加し、ビット線BL9にプログラミング電流を印加することにより、ソース側ホットエレクトロン・プログラミング・メカニズムによってプログラミングされる。ワード線WL8と浮遊ゲートFG5との間の隙間全体に流れる電子の一部は、十分なエネルギーを得て、浮遊ゲートFG5に注入され、その結果、浮遊ゲートFG5が陰電荷を帯び、読み出し状態のセル10がオフになる。その結果生じるセルのプログラミングされた状態は、「0」状態として知られる。
【0005】
セル10は、ビット線BL9に禁止電圧を印加することにより、プログラミングを禁止できる(例えば、セル10をプログラミングしないが、同じ行にある別のセルをプログラミングする場合)。セル10は、その開示内容が全体的に本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第7,868,375号に更に具体的に記述されている。
【0006】
三次元集積回路構造は、他の技術分野でも知られている。1つの手法は、個別にパッケージ化された2つ以上の集積回路チップを積み重ね、それらのチップを統合管理できるようにリードを結合するものである。別の手法は、1つのパッケージ内に2つ以上のダイを積み重ねるものである。
【0007】
しかし、これまでのところ、従来技術にはフラッシュメモリを伴う三次元構造は含まれていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記ニーズは、フラッシュメモリアレイ及び関連回路の三次元配置を含む複数の実施形態によって取り扱われる。これらの実施形態は、物理的な空間の利用、製造の複雑性、電力使用、放熱特性、及びコストにおいて効率化をもたらす。
【0009】
一実施形態では、三次元フラッシュメモリデバイスで使用するための構成可能なピンが提供される。
【0010】
別の実施形態では、三次元フラッシュメモリデバイスで使用するための構成可能な出力バッファが提供される。
別の実施形態では、三次元フラッシュメモリデバイスで使用するための構成可能な出力バッファが提供される。
【0011】
別の実施形態では、三次元フラッシュメモリデバイスで使用するための構成可能な入力バッファが提供される。
【0012】
別の実施形態では、フラッシュメモリデバイスは、SuperFlash Serial SPI SST25VF016B、Serial Quad I/O SST26VF064BなどのシリアルNOR製品タイプ又はその他のシリアルNOR製品タイプである。一実施形態では、フラッシュメモリデバイスは、Parallel MPF SST38VF640xBなどのSuperFlashパラレルNOR製品タイプ又はその他のパラレルNOR製品タイプである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明を適用可能な従来技術の不揮発性メモリセルの断面図である。
図2】従来技術の二次元フラッシュメモリシステムのレイアウトを示す。
図3】三次元フラッシュメモリシステムの実施形態内の第1のダイを示す。
図4】三次元フラッシュメモリシステムの実施形態内の第2のダイを示す。
図5】三次元フラッシュメモリシステムの別の実施形態内の第1のダイを示す。
図6】三次元フラッシュメモリシステムの実施形態内の第2のダイを示す。
図7】三次元フラッシュメモリシステムの実施形態で使用することができる任意選択の周辺フラッシュ制御ダイを示す。
図8】フラッシュメモリアレイを内包するダイで使用するための補助回路の実施形態を示す。
図9】制御回路の実施形態を示す。
図10】三次元フラッシュメモリシステムの実施形態で使用することができる検知システムを示す。
図11】三次元フラッシュメモリシステムの実施形態で使用することができるTSV設計を示す。
図12】三次元フラッシュメモリシステムの実施形態で使用することができる検知回路設計を示す。
図13】三次元フラッシュメモリシステムの実施形態で使用することができるソースフォロワTSVバッファ回路設計を示す。
図14】三次元フラッシュメモリシステムの実施形態で使用することができる高電圧回路設計を示す。
図15】三次元フラッシュメモリシステムの実施形態で使用することができるフラッシュメモリセクタアーキテクチャを示す。
図16】三次元フラッシュメモリシステムの実施形態で使用することができるEEPROMエミュレータメモリセクタアーキテクチャを示す。
図17】三次元フラッシュメモリシステムの別の実施形態を示す。
図18】三次元フラッシュメモリシステムの別の実施形態を示す。
図19】三次元フラッシュメモリシステムの別の実施形態を示す。
図20】三次元フラッシュメモリシステム内の高電圧供給の実施形態を示す。
図21】三次元フラッシュメモリシステムで使用される構成可能なピンを示す。
図22】三次元フラッシュメモリシステムで使用される構成可能な出力バッファを示す。
図23】三次元フラッシュメモリシステムで使用される構成可能な出力バッファを示す。
図24】三次元フラッシュメモリシステムで使用される構成可能な入力バッファを示す。
図25】三次元フラッシュメモリシステムの出力ステージを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図2は、二次元の従来技術のフラッシュメモリシステムの典型的な従来技術アーキテクチャを示す。ダイ12は、データを保管するためのメモリアレイ15及びメモリアレイ20であって、図1にあるようなメモリセル10を任意選択的に使用しているメモリアレイと、ダイ12の他のコンポーネントと、一般に、ピン(図示なし)に接続するワイヤボンド(図示なし)又はパッケージ化されたチップの外側から集積回路にアクセスするために使用されるパッケージバンプとの間の電気通信を可能にするためのパッド35及びパッド80と、システムの正及び負の電圧供給に使用される高電圧回路75と、冗長性、組み込み自己テストなどの各種制御機能を提供するための制御論理70と、アナログ論理65と、メモリアレイ15及びメモリアレイ20からデータをそれぞれ読み出すために使用される検知回路60及び61と、メモリアレイ15及びメモリアレイ20の行にそれぞれアクセスして読み書きするために使用される行デコーダ回路45及び行デコーダ回路46と、メモリアレイ15及びメモリアレイ20の列にそれぞれアクセスして読み書きするために使用される列デコーダ55及び列デコーダ56と、メモリアレイ15及びメモリアレイ20のそれぞれの読み出し及び書き込み操作用に昇圧電圧を供給するために使用される、チャージポンプ回路50及びチャージポンプ回路51と、読み出し及び書き込み操作用にメモリアレイ15及びメモリアレイ20によって共有される高電圧ドライバ回路30と、読み出し及び書き込み操作時にメモリアレイ15によって使用される高電圧ドライバ回路25と、読み出し及び書き込み操作時にメモリアレイ20によって使用される高電圧ドライバ回路26と、メモリアレイ15及びメモリアレイ20のそれぞれの書き込み操作時にプログラミング対象でないビット線を選択解除するために使用されるビット線禁止電圧回路40及びビット線禁止電圧回路41と、を含む。これらの機能ブロックは当業者によって理解されるものであり、図2に示すブロックレイアウトは当該技術分野において周知である。とりわけ、この従来技術の設計は二次元である。
【0015】
図3は、三次元フラッシュメモリシステムの実施形態における第1のダイを示す。ダイ100は、図2で既に示したものと同じコンポーネントを多数含む。本明細書で論じられる2つ以上の図に共通する構造には、コンポーネント番号の下2桁に同じ番号が与えられている。例えば、図3のアレイ115は図2のアレイ15と対応する。効率よく説明するため、図3は、まだ説明していないコンポーネントを中心に説明する。
【0016】
ダイ100は、TSV(シリコン貫通電極)185及びTSV195並びにテストパッドブロックTPAD135を含む。TSVは、従来技術において周知の構造である。TSVはシリコンウェハ又はダイを貫通する電気的接続であり、集積回路パッケージ内の別々のダイ又は層に存在する回路を接続する。TSV185は複数の導体186a1〜186aiを含む。TSV195は複数の導体196a1〜196akを含む。導体186a1〜186ai及び導体196a1〜196akはプラスチック成形品などの非導電性材料で囲まれている。
【0017】
TSV185及び195は、フラッシュアレイ115及び120に影響を及ぼす恐れがある、干渉、又はTSV加工による機械的な応力などのその他の問題を回避するために、戦略的にフラッシュアレイ115及び120から所定の距離(例えば30μm)を離して配設される。このTSV配設戦略は、本明細書で論じる、TSVを利用する他の実施形態で適用される。通常、導体186a1〜186ai及び導体196a1〜196akはそれぞれ、数十ミリオームの抵抗と50〜120フェムトファラッドのキャパシタンスを有する。
【0018】
テストパッドブロックTPAD135は、プローブパッド(例えば、テスタがウェハに電気的にアクセスするためのパッド開口部)及び3Dダイインターフェイステスト回路を含み、ダイ100が良好なダイであるかどうかをテストするために、テスタによって使用される。かかるテストはTSV接続性テストを含むことができ、TSV接続性テストは3D積層化の前にTSVのテストを実施する必要がある。このテストは、ボンディング前のテストの一部として実施できる。テスト標準用のJTAG設計(Joint Test Action Group、又はIEEE 1149.1 Standard Test Access Port and Boundary−Scan Architectureとしても知られる)テスト方式は、TPAD135を介してテストに使用することができる。TSV185及び195は(及び他の実施形態で説明する他のTSVも同様に)、良好なダイと不良なダイを製造時に見分けるテストにも使用することができる。この場合、テスタは、サイズがおよそ40〜50μmの1つのツールによって複数のTSV導体を一度にテストすることができる。
【0019】
引き続き図3を参照すると、任意選択的には、ダイ115はプライマリメモリアレイになり得、ダイ120は冗長メモリアレイになり得る。
【0020】
図4は、図3に示すダイ100と組み合わせて使用される、三次元フラッシュメモリシステムの実施形態の第2のダイを示す。ダイ200は、図2で既に示したものと同じコンポーネントを多数含む。ここでも効率よく説明するため、図4は、まだ説明していないコンポーネントを中心に説明する。
【0021】
ダイ200は、TSV185及び図3で既に示したTSV、並びにTPAD235を含む。TSV185及びTSV195により、ダイ100及びダイ200内の特定の要素を導体186a1〜186ai及び導体196a1〜196akを介して電気的に相互接続できるようになる。テストパッドTPAD235は、既にTPAD135について図3を参照して説明したように、3D積層化の前にダイ200が良好なダイであるかどうかをテストするために、テスタによって使用される。
【0022】
任意選択的には、ダイ215はプライマリメモリアレイになり得、ダイ220は冗長メモリアレイになり得る。
【0023】
ダイ200とダイ100は互いに近接した位置にあり、TSV185及びTSV195を介して通信できるため、ダイ200は特定の回路ブロックをダイ100と共有することができる。具体的には、ダイ200は、ダイ100内のチャージポンプ回路150及び151、アナログ回路165、制御論理170、並びに高電圧回路175を、TSV185及びTSV195を介して使用するように構成される。したがって、ダイ200は、それらのブロックを独自に有する必要はない。これにより、物理的な空間、製造の複雑性、及び放熱性能において効率化がもたらされる。任意選択的には、ダイ100は「マスタ」フラッシュダイと見なされ得、ダイ200は「スレーブ」フラッシュダイと見なされ得る。
【0024】
図5は三次元フラッシュメモリシステムの別の実施形態における第1のダイを示し、図6はその実施形態における第2のダイを示す。図5に示したダイ300は図3に示したダイ100に似ているが、ダイ300はチャージポンプ回路と高圧回路を有していない点が異なる。図6に示したダイ400は図4に示したダイ200に似ているが、ダイ400は検知回路を有していない点が異なる。ダイ300とダイ400は、TSV385及びTSV386を介して結合される。TSV385は導体386a1〜386aiを含み、TSV386は導体396a1〜396aiを含む。任意選択的には、ダイ315はプライマリメモリアレイになり得、ダイ320は冗長メモリアレイになり得るものであり、並びに/又はダイ415はプライマリメモリアレイになり得、ダイ420は冗長メモリアレイになり得るものである。テストパッドTPAD335及び435は、3D積層化の前にダイ300及びダイ400が良好なダイであるかどうかを決定するために、テスタによって使用される。
【0025】
図7は、本明細書で論じる任意の実施形態で使用するための任意選択の周辺フラッシュ制御ダイを示す。ダイ500は、フラッシュメモリシステムの機能の実行において他のダイを支援するための回路を含む。ダイ500は、TSV585、TSV595、及びテストパッドTPAD535を含む。TSV585は導体586a1〜586aiを含み、TSV386は導体596a1〜596akを含む。ダイ500は、アナログ論理565、制御論理570、及び高電圧545を含む。ダイ500は、ダイ200、ダイ300、及び/又はダイ400と組み合わせて、それらのダイで使用するための、それらのダイに物理的に含まれていない回路ブロックを提供するために、使用され得る。これは、TSV585及びTSV586を介して使用可能になる。TSV585及びTSV586は、番号付けは異なるものの、他のダイを参照して既に説明済みのTSVと同じになり得ることを、当業者なら理解するであろう。テストパッドTPAD535は、3D積層化の前にダイ500が良好なダイであるかどうかをテストするために、テスタによって使用される。
【0026】
図8は、本明細書で論じる任意の実施形態で使用するためのチャージポンプダイを示す。ダイ601は、フラッシュメモリの消去/プログラム/読み出し操作の実行において他のダイが必要とする電圧を発生させるための、チャージポンプ回路602を含む。ダイ601はTSV695を含む。TSV695は導体696a1〜696akを含む。ダイ601は、TSV695を介して他のダイと組み合わせて使用され得る。TSV695は、番号付けは異なるものの、他のダイを参照して既に説明済みのTSVと同じになり得ることを、当業者なら理解するであろう。テストパッドTPAD635は、3D積層化の前にダイ601が良好なダイであるかどうかを決定するために、テスタによって使用される。
【0027】
図3、5、及び7で示したアナログ回路165、365、及び565は、メモリシステム内で多数の機能性を提供し得、これらの機能性には、製造プロセス中のトランジスタトリミング、トリミングプロセスのための温度検知、タイマ、発振器、及び電圧供給が挙げられる。
【0028】
図3、4、及び5に示した検知回路160、260、及び360は、検知操作において使用される多数のコンポーネントを含み得、これらのコンポーネントには、検知増幅器、トランジスタトリミング回路(アナログ回路165、365、及び/又は565によって実行されたトランジスタトリミングプロセスによって生成されるトリミング情報を利用する回路)温度センサ、基準回路、及び基準メモリアレイが挙げられる。任意選択的には、ダイは、これらのカテゴリすべてより少ない数の回路を含み得る。例えば、ダイは、検知増幅器のみを含むことがある。
【0029】
図9は、論理ブロック600として示されている、制御論理170、370、及び570のための任意選択の実施形態を示す。論理ブロック600は、任意選択的に、パワーアップリコールコントローラ610、第1のダイ冗長性回路620、第2のダイ冗長性回路630、冗長性コントローラ640、冗長性コンパレータ650、EEPROMエミュレータ660、セクタサイズMエミュレータ670、及びセクタサイズNエミュレータ680を含む。
【0030】
パワーアップリコールコントローラ610は、フラッシュメモリシステムの起動を管理し、これには組み込み自己テスト機能の実行が含まれる。更に、このコントローラは、製造プロセス中に生成された、トランジスタトリミングのための構成データを取得する。
【0031】
第1のダイ制御回路620は、パワーアップ時又は動作中に故障又はエラー状態であると判定される、第1のダイに位置するアレイ内のメモリセルのリストを記憶する。第1のダイ制御回路620は、この情報を不揮発性メモリに保管する。更に、第1のダイ制御回路620は、製造及びテストフェーズ中に、生成されたトランジスタトリミングデータを保管したものとする。パワーアップ時、パワーアップリコールコントローラ610は、第1のダイ制御回路620から不良メモリセルのリストを取得し、その後、冗長性コントローラ640は不良記憶セルを冗長(かつ良好)なセルのアドレスにマッピングし、その結果、不良セルへのすべてのアクセスは、代わりに良好なセルへと誘導されるようになる。
【0032】
第1のダイ制御回路620は、製造及びテストプロセス中に生成された、第1のダイのトリミングデータも記憶する。集積回路における製造のばらつきを補償するためのトランジスタトリミングテクニックは、当該技術分野において周知である。
【0033】
第1のダイ制御回路620は、組み込み自己テストも実行する。テストのあるタイプは、同一譲受人に譲渡された米国特許出願第10/213,243号、米国特許第6,788,595号、「Embedded Recall Apparatus and Method in Nonvolatile Memory」(「’595特許」)において開示され、その内容を参照によって本明細書に引用したものとする。’595特許は、メモリアレイ内及びレジスタ内での所定のビットからなるパターンの記憶を開示している。起動プロセス中、メモリアレイのビットは、レジスタ内のビットと比較される。このプロセスは、設定された数の「合格」又は「失敗」が発生するまで繰り返される。このテストの目的は、メモリアレイの様々な部分を検証することである。失敗が確認されると、関連するセルは「不良」セルのリストに追加され得る。
【0034】
第2のダイ制御回路630は、第2のダイが対象であることを除けば、第1のダイ冗長性回路620と同じ機能を実行する。第1のダイ制御回路620と第2のダイ制御回路630をメモリシステム内の追加のダイごとに使用できることは、当業者なら理解するであろう。
【0035】
上で既に説明した冗長性コントローラ640は、不良記憶セルを良好な記憶セルのアドレスにマッピングし、その結果、不良記憶セルは通常操作中に使用されなくなる。冗長性コンパレータ640は、リアルタイムで入来アドレスと保管されている不良アドレスを比較して、アドレス指定された記憶セルが置換される必要があるかどうかを判定する。任意選択的には、冗長性コントローラ640及び冗長性コンパレータ650は、2つ以上のダイによって共有され得る。
【0036】
EEエミュレータコントローラ660は、メモリシステムがEEPROMをエミュレートすることを可能にする。例えば、通常、EEPROMは、セクタあたり8バイト(あるいは16、32、64バイト)など、特定の小さいバイト数のセクタサイズを有するメモリを利用する。物理的なフラッシュメモリアレイは、数千の行と列を有する。EEエミュレータコントローラ660は、アレイを8又は64バイト(あるいは望ましい任意のセクタサイズ)の複数のグループに分割することができ、8又は64バイトの各セットにセクタ番号を割り当てることができる。その後、EEエミュレータコントローラ660は、EEPROMを対象としたコマンドを受信することができ、EEPROMセクタ識別子をダイ内のアレイで使用可能な行番号と列番号に変換することにより、フラッシュアレイに対する読み出し又は書き込み操作を実行することができる。このようにして、システムはEEPROMの操作をエミュレートする。
【0037】
セクタサイズNコントローラ670は、メモリシステムがサイズNバイトのセクタに基づいて動作できるようにする。セクタサイズNコントローラ660は、アレイをNバイトの複数のセットに分割することができ、Nバイトの各セットにセクタ番号を割り当てることができる。その後、セクタサイズNコントローラ670は、サイズNバイトの1つ以上のセクタを対象としたコマンドを受信することができ、それに応じてシステムは、セクタ識別子をダイ内のアレイで使用可能な行番号と列番号に変換することにより、読み出し又は書き込み操作を実行することができる。
【0038】
セクタサイズMコントローラ680は、メモリシステムがサイズMバイトのセクタに基づいて動作できるようにする。セクタサイズMコントローラ680は、アレイをMバイトの複数のセットに分割することができ、Mバイトの各セットにセクタ番号を割り当てることができる。その後、セクタサイズMコントローラ680は、サイズMバイトの1つ以上のセクタを対象としたコマンドを受信することができ、それに応じてシステムは、セクタ識別子をダイ内のアレイで使用可能な行番号と列番号に変換することにより、読み出し又は書き込み操作を実行することができる。
【0039】
多数のセクタサイズコントローラを利用して様々なサイズのセクタをエミュレートできることは、当業者なら理解するであろう。
【0040】
開示した実施形態の1つの利点は、様々なサイズのセクタに対する読み出し及び書き込み要求を取り扱うことができることである。例えば、1つのアレイがセクタあたり2キロバイトのサイズを有するセクタに対する読み出し及び書き込み要求を処理することに専念することができ、別のアレイがセクタあたり4キロバイトのサイズを有するセクタに対する読み出し及び書き込み要求を処理することに専念することができる。これにより、1つのフラッシュメモリシステムで、RAM、ROM、EEROM、EEPROM、EPROM、ハードディスクドライブ、その他のドライブなど、複数種のレガシーメモリシステムをエミュレートすることが可能になる。
【0041】
開示した実施形態の別の利点は、種々のダイを様々なプロセスを使用して製造できることである。例えば、ダイ100は、40nmなど、第1の半導体プロセスを使用して製造することができ、ダイ200は、65nmなど、第2の半導体プロセスを使用して製造することができる。ダイ500は、メモリアレイを含まないため、130nmなど、アナログ論理向けに最適化された半導体プロセスを使用して任意選択的に製造することができる。
【0042】
図10は、本明細書に記載される三次元フラッシュメモリシステムの実施形態で使用することができる検知システム1100を示す。検知システム1100は、SF(図1に記載されているメモリセルなどのSuperFlashスプリットゲートテクノロジ)埋め込み基準アレイ1110、基準読み出し回路1120、読み出しマージントリム回路1130、温度センサ1140、検知増幅器1150、及び検知増幅器1160を含む。一実施形態では、検知増幅器1160はダイ200及び300に実装され、図10に示されている残りの回路ブロックはダイ100に実装される。
【0043】
SF埋め込み基準アレイ1110は、データレベル(データメモリセルから生成される)に対して比較される基準レベルを生成するために必要な基準セルを提供する。基準レベルは、基準読み出し回路1120によって生成される。比較は検知増幅器1150によって実施され、その出力信号はDOUT1152である。読み出しマージントリム回路1130は、基準レベルを、PVT(プロセス、電圧、及び温度)変動及びストレス状態に対してメモリセルの完全性を保証するために必要な様々なレベルに調節するために使用される。温度センサ1140は、三次元フラッシュメモリシステム内の垂直方向のダイ積層化において各種ダイに対する温度勾配を補償するために必要である。回路ブロック1110、1120、1130、1140は1つのマスタダイ(例えば、ダイ100)上に製造されるため、三次元フラッシュメモリ操作に必要なオーバーヘッド及び電力は減少する。この検知アーキテクチャにより、性能を犠牲にすることなく電力及び面積が節約される。
【0044】
図11は、重要な信号に対するノイズの影響を最小限に抑えるためのTSVシールド設計1200を示す。1200TSVシールド設計は、図10の信号1122IREF及び信号1152DOUTxなどのため、図4の検知160の出力などの信号のため、図6のブロック455の信号のためなど、読み出し信号パスをルーティングするための、重要な信号用のTSV1296aを含む。その他の重要な信号には、アドレス線、クロック、制御信号が挙げられる。TSV1296bは、他の信号からのTSV1296aへのクロストークを最小限に抑えるため、及びTSV1296aから他のTSVにノイズが投射されるのを防ぐために、TSV1296a用のシールド信号線として機能する。
【0045】
図12は、三次元フラッシュメモリシステムの実施形態で使用することができる検知回路1250を示す。検知回路1250は、ロード(プルアップ)PMOSトランジスタ1252、カスコードネイティブNMOSトランジスタ1254(閾値電圧〜0V)、ビット線バイアスNMOSトランジスタ1256、及びビット線バイアス電流ソース1260を含む。あるいは、ロードPMOSトランジスタ1252は、電流ソース、ネイティブNMOSトランジスタ、又は抵抗器に置き換えられ得る。あるいは、ビット線BLIO1258上のバイアス電圧を決定するために、電流ソース1260及びNMOSトランジスタ1256の代わりに、NMOSトランジスタ1254のゲート上のバイアス電圧が使用され得る。ビット線BLIO1258(NMOS1254のソース)は、y−デコーダ及びメモリアレイ(例えば、図4のymux255及びアレイ215と同様)を介してメモリセルと結合する。検知されたノードSOUT1262は、差動増幅器1266に結合する。基準SREF1264は、差動増幅器1266のもう1つの端子に結合する。検知増幅出力SAOUT1268は、差動増幅器1266の出力である。仕切られているように、検知回路1250は、カスコードトランジスタ1254を介してTSV寄生コンデンサ1259(ダイを3Dスタック内の次のダイに接続するために使用されるTSVに由来する)を駆動するために使用される。かかる配置により、検知されたノードSOUT1262はTSV寄生コンデンサ1259と直接的にはつながっていないので、検知速度に不利な条件は最小限に抑えられる。
【0046】
図13は、三次元フラッシュメモリシステムの実施形態で使用することができるソースフォロワTSVバッファ回路1350を示す。ソースフォロワTSVバッファ1350は、TSV接続を駆動するために使用される。このTSVバッファは、ネイティブ(閾値電圧〜0V)NMOSトランジスタ1352及び電流ソース1354を含む。回路1350は、一実施形態で、ダイスタックを横断するTSVを駆動するために、検知回路260(図3)、検知回路360(図4)、ymux回路455(図6)の出力において使用される。更に、回路1350は、バンドギャップ基準電圧などの他のアナログ信号にも使用され得る。
【0047】
図14は、三次元フラッシュメモリシステムの実施形態で使用することができるアナログ高電圧(HV)システム1300を示す。アナログHVシステム1300は、バンドギャップ基準ブロック1310、タイマブロック1320、高電圧生成HVGEN1330、HVトリミングHV TRIM1340、及び温度検知ブロックTEMPSEN1350を含む。TEMPSEN1350は、各ダイの温度に応じて高電圧を調節することにより、3Dダイスタックの温度勾配を補償するために使用される。HV TRIM1340は、高電圧レベルをトリミングしてスタック内の各ダイのプロセス変動を補償するために使用される。
【0048】
更に、アナログHVシステム1300は、VWLRD/VWLP/VWLE/VWLSTS(ワード線読み出し/プログラム/消去/ストレス)にそれぞれ対応するアナログHVレベルワード線ドライバ1360a〜dも含む。更に、アナログHVシステム1300は、VCGRD/VCGP/VCGE/VCGSTS(制御ゲート読み出し/プログラム/消去/ストレス)にそれぞれ対応するアナログHVレベル制御ゲートドライバ1365a〜dも含む。更に、アナログHVシステム1300は、VEGRD/VEGP/VEGE/VEGSTS(消去ゲート読み出し/プログラム/消去/ストレス)にそれぞれ対応するアナログHVレベル消去ゲートドライバ1370a〜dも含む。更に、アナログHVシステム1300は、VSLRD/VSLP/VSLE/VSLSTS(ソース線読み出し/プログラム/消去/ストレス)にそれぞれ対応するアナログHVレベルソース線ドライバ1375a〜dも含む。更に、アナログHVシステム1300は、入力レベルVINRD/VINP/VINE/VINSTS(入力線読み出し/プログラム/消去/ストレス)をそれぞれ多重送信するためのアナログHVレベルドライバ1390も含む。更に、アナログHVシステム1300は、入力レベルVSLRD/VSLP/VSLE/VSLSTS(入力線読み出し/プログラム/消去/ストレス)をそれぞれソース線供給回路1385VSLSUPの入力に多重送信するためのアナログHVレベルドライバ1380も含む。
【0049】
一実施形態では、回路ブロック1310〜1350は、マスタSFダイ100(図3)又は周辺フラッシュ制御ダイ500(図7)に実装される。別の実施形態では、回路ブロック1360a〜d/1365a〜d/1370a〜d/1375a〜dは、ダイ100(図3)などのマスタフラッシュダイ又は周辺フラッシュ制御ダイ500(図7)に実装される。別の実施形態では、回路ブロック1380/1385/1390は、ダイ300(図5)などのスレーブフラッシュダイに実装される。
【0050】
図15は、三次元フラッシュメモリシステムの実施形態で使用することができるフラッシュメモリセクタアーキテクチャ1400を示す。セクタアーキテクチャ1400は、ビット線(列)と行に整列された複数のメモリセル1410を含む。メモリセル1410は、図1のメモリセル10と同様のものである。このセクタアーキテクチャは、8本のワード線WL0〜7 1430〜1437、2048本のビット線0〜2047 1470−1〜1470−N、1本のCG線1440a(セクタ1420内のすべてのメモリセル1410のすべてのCG端子を接続している)、1本のSL線1460a(セクタ1420内のすべてのメモリセル1410のすべてのSL端子を接続している)、1本のEG線1450a(セクタ1420内のすべてのメモリセル1410のすべてのEG端子を接続している)を有するフラッシュセクタ1420を含む。このように、セクタ1420内には、複数のメモリセル1410による2048バイトが存在する。8本のワード線と4096本のビット線(セクタあたり4096バイト)など、本数を増減したワード線と本数を増減したビット線を使用することにより、様々なセクタあたりのバイト数が実装され得る。複数のセクタ1420が水平方向に配置され、すべてのワード線が水平方向にわたって共有され得る。複数のセクタ1420が垂直方向に並べられてアレイ密度が増し、すべてのビット線が垂直方向で共有され得る。
【0051】
図16は、三次元フラッシュメモリシステムの実施形態で使用することができるEEエミュレータセクタアーキテクチャ1500を示す。セクタアーキテクチャ1400は、ビット線(列)と行に整列された複数のメモリセル1510を含む。メモリセル1510は、図1のメモリセル10と同様のものである。EEエミュレータセクタアーキテクチャは、2本のワード線WL0〜1 1530〜1531、256本のビット線0〜255 1570−1〜1570−N、1本のCG線1540a(セクタ1515内のすべてのメモリセル1410のすべてのCG端子を接続している)、1本のSL線1560a(セクタ1515内のすべてのメモリセル1410のすべてのSL端子を接続している)、1本のEG線1550a(セクタ1420内のすべてのメモリセル1510のすべてのEG端子を接続している)を有するフラッシュEEエミュレータセクタ1515を含む。このように、EEエミュレータセクタ1515内には、複数のメモリセル1510による64バイトが存在する。1本のワード線と64本のビット線(EEエミュレータセクタあたり8バイト)など、より少ない本数のワード線とより少ない本数のビット線を使用することにより、より小さいEEエミュレータあたりのバイト数が実装され得る。フラッシュEEエミュレータセクタ1515は、垂直方向に並べられて平面アレイ1520を構成し、すべてのビット線が垂直方向で共有される。平面アレイ1520は、水平方向に並べられて倍数の平面アレイを構成し、すべてのワード線が水平方向で共有される。
【0052】
別の実施形態が図17に示されている。集積回路700は複数のダイを含む。この例では、集積回路700は、ダイ710、ダイ720、ダイ730、ダイ740、及びダイ750を含む。ダイ710は、フリップチップ接続780を使用して基板760の上に取り付けられる。基板760はパッケージバンプ790と接続し、これらのパッケージバンプは集積回路700の外側にあるデバイスによって集積回路700にアクセスするために使用され得る。TSV785は各種ダイを連結する。TSV785の第1のサブセットは、ダイ710、ダイ720、ダイ740、及びダイ750を連結し、TSV785の第2のサブセットは、ダイ710(due 710)、ダイ720、及びダイ730を連結する。TSV785内では、ダイと接続するためにマイクロバンプ770が使用される。ダイ730及びダイ740は、集積回路700内の同一「レベル」又は次元に位置する。
【0053】
本実施形態に基づく一例では、ダイ710はMCU(マイクロコントローラ)ダイ、CPU(中央演算処理装置)ダイ、又はGPU(グラフィック処理装置)ダイであり、ダイ720はマスタフラッシュダイであり、ダイ740はスレーブフラッシュダイであり、ダイ750はRAMダイであり、ダイ730は周辺フラッシュ制御ダイ又はチャージポンプダイである。
【0054】
開示した実施形態の別の利点は、種々のダイを様々なプロセスを使用して製造できることである。例えば、ダイ710は、14nmなど、第1の半導体プロセスを使用して製造することができ、ダイ720/740は、40nmなど、第2の半導体プロセスを使用して製造することができる。ダイ730は、メモリアレイを含まないため、65nmなど、アナログ論理向けに最適化された半導体プロセスを使用して任意選択的に製造することができる。
【0055】
別の実施形態が図18に示されている。集積回路800は複数のダイを含む。この例では、集積回路800は、ダイ810、ダイ820、ダイ830、ダイ840、及びダイ850を含む。ダイ850は、フリップチップ接続880を使用して基板860の上に取り付けられる。基板860はパッケージバンプ890と接続し、これらのパッケージバンプは集積回路800の外側にあるデバイスによって集積回路800にアクセスするために使用され得る。TSV885のサブセットは、ダイ810、ダイ830、ダイ840、及びダイ850を連結し、TSV885の第2のサブセットは、ダイ810及びダイ820を連結する。TSV885内では、ダイと接続するためにマイクロバンプ870が使用される。
【0056】
本実施形態に基づく一例では、ダイ810はマスタフラッシュダイであり、ダイ830/840/850はスレーブフラッシュダイであり、ダイ820は周辺フラッシュ制御ダイ又はチャージポンプダイである。
【0057】
別の実施形態が図19に示されている。集積回路900は複数のダイを含む。この例では、集積回路900は、ダイ910、ダイ920、ダイ930、ダイ940、ダイ950、及びダイ960を含む。ダイ910及び950は、フリップチップ接続990を使用して基板970の上に取り付けられる。ダイ910及び950は、シリコンインターポーザ980を介して連結される。基板970はパッケージバンプ995と接続し、これらのパッケージバンプは集積回路900の外側にあるデバイスによって集積回路900にアクセスするために使用され得る。TSV985の第1のサブセットは、ダイ910、ダイ920、ダイ930、及びダイ940を連結し、TSV985の第2のサブセットは、ダイ950及びダイ960を連結する。TSV985内では、マイクロバンプ970がダイと接続する。
【0058】
本実施形態に基づく一例では、ダイ910(he die 910)はマスタフラッシュダイであり、ダイ920/930/940はスレーブフラッシュダイであり、ダイ950/960は周辺フラッシュ制御ダイである。
【0059】
フォース−センス高電圧供給の実施形態が図20に示されている。集積回路1000は複数のダイを含む。この例では、集積回路1000は、ダイ1010、ダイ1020〜ダイ1030を含む(ダイ1020とダイ1030との間には任意の数のダイが含まれる)(ダイ1020とダイ1030との間にある他の任意選択的なダイは図示されていない)。ダイ1010は、ダイ1010、1020、又は1030への高電圧出力を供給(強制)する高電圧供給1011を含む。TSV1085は、ダイ1010、ダイ1020、及びダイ1030を接続する。高電圧供給1011は、TSV1085を介してダイ1020及びダイ1030と接続する。デバイス1021は、任意選択的にスイッチを含み得、ダイ1020における高電圧出力をダイ1010上の高電圧供給1011の入力にフィードバック可能にすることにより、高電圧供給1011からダイ1020への電力供給を制御するために使用される(即ち、高電圧1011はスイッチ1021を介してダイ1020上の高電圧出力側の電圧を検知し、その結果として、ダイ1020において正しい電圧を供給する)。
【0060】
同様にして、高電圧供給1011は、TSV1085を介してダイ1030と接続する。デバイス1031は、任意選択的にスイッチを含み得、ダイ1030における高電圧出力をダイ1010上の高電圧供給1011の入力にフィードバック可能にすることにより、高電圧供給1011からダイ1030への電力供給を制御するために使用される(即ち、高電圧1011はスイッチ1031を介してダイ1030上の高電圧出力側の電圧を検知し、その結果として、ダイ1030において正しい電圧を供給する)。
【0061】
高電圧供給1011は、例えば、図1に示したメモリセル10の供給端子SL2用の電力として使用され得、アレイ115/120/215/220/315/330/415/420内で使用され得る。あるいは、この高電圧供給は、図1のメモリセル10のすべての端子WL8、CG7、EG6、BL9、SL2、及び基板1用の電力を供給し得、メモリアレイ115/120/215/220/315/330/415/420内で使用され得る。
【0062】
集積回路700、800、及び/又は900を含む一実施形態は、同時並行操作の方法である。例えば、マスタダイ720/810/910上の制御回路は、他のフラッシュダイ740がプログラミング/読み出し/プログラミング中のときのダイ720の読み出し/プログラミング/消去、又はその逆の組み合わせなど、各種フラッシュダイの同時並行操作を可能にし得る。
【0063】
集積回路700、800、及び/又は900を含む別の実施形態は、読み出し又はプログラム操作においてダイがIOビットをいくつ供給できるかをシステムが決定する、IO幅構成の方法である。例えば、マスタダイ720/810/910上の制御回路は、個々のダイのIO幅を結合することによりIO幅を拡張するなど、各種フラッシュダイの読み出し又はプログラム操作においてIOの幅を変更し得る。
【0064】
集積回路700、800、及び/又は900を含む別の実施形態は、適応性のある温度センサ構成の方法である。例えば、システムが異なると電力消費量も異なり、結果として異なる温度勾配が発生するので、特定の操作に対してダイスタックの温度勾配を補償するために、温度プロファイルがフラッシュダイごとに保管され得る。
【0065】
集積回路700、800、及び/又は900を含む別の実施形態は、TSV自己テストの方法である。例えば、初期構成において、問題のあるTSVを識別するため、及びそのTSVを、冗長TSVを使用して修復するか破棄するかを決定するために、組み込みTSV自己テスト接続性エンジンが使用される。自己テストは、TSV接続に電圧を印加すること、及び、その結果生じた電流が所定の数値より小さいかどうかを判定するなど、TSVが不良かどうかを判定することを含み得る。更に、自己テストは、TSV接続を通して電流を印加すること、及びその結果生じた電圧が所定の数値より大きい場合はそのTSVは不良であると判断することを含み得る。
【0066】
本明細書に記載される実施形態に基づいた方法など、3Dフラッシュメモリデバイスの製造方法を説明する。3Dフラッシュプロセス形成は、個々のダイプロセスから始まる。その後、ダイ−ウェハ又はウェハ−ウェハ積層化方式のいずれかを使用してダイが積み重ねられる。
【0067】
ダイ−ウェハ積層化の場合、各ダイは、不良ダイを取り除くために、KGD(Known Good Die)法を使用してテストされ得る。TSV加工は、ビアファースト(CMOS前)、ビアミドル(CMOS後かつBEOL配線工程前)、又はビアラスト(BEOL後)テストによって実施され得る。TSV成形はビアエッチング工程によって加工され、この工程により、(TSV)開口部がウェハに形成される。その後、薄いライナー(例えば、二酸化シリコン1000A)が開口部の側面に形成される。その後、孔を充填するために、メタライゼーション工程(例えば、タングステン又は銅)が実施される。BEOL後、誘電体接着層(例えば、厚さ1マイクロメートル)がダイの上面に蒸着される。TSVバックエンド加工は、薄化処理、裏面金属成形、マイクロバンプ、不動態化、ダイシングを含む。
【0068】
ダイ−ウェハ積層化は、仮接着ボンディングを使用する。通常、各上部ウェハは、縦横比とTSV直径に応じて40〜75マイクロメートルまで薄化処理され、例えば、5マイクロメートルのTSV直径と10の縦横比の場合、厚さ50マイクロメートルのウェハが必要となる。ダイシングされた上部ダイは、マイクロバンプを介し、表を上にして、通常の厚さの底部ダイの上に積み重ねられ、その後、ダイスタック全体がフリップチップバンプ(C4バンプ)を介してパッケージ基板に取り付けられる。
【0069】
ウェハ−ウェハボンディングの場合、ダイは共通サイズを有する必要があり、その結果、3Dダイ集積化の柔軟性は低くなる。TSVプロセス及びウェハ積層化プロセスは、上に記載した内容と同様である。この場合の3Dスタックの収率は、最低収率のウェハによって制限されるであろう。通常、ウェハ−ウェハ積層化は、ボンディングにグローバルウェハアライメントを使用することができ、その結果として、より高いアライメント許容差を有し、更に、より高い処理能力も有する(すべてのダイ積層化が同時に行われるため)。
【0070】
図21は、上に記載した3Dメモリシステムにおいて実装することができるメモリデバイス1660の構成可能なピンを示す。メモリデバイス1660は、SuperFlash Serial SPI、SuperFlash Serial SQI、SuperFlash Parallel MTP、又はSuperFlash Parallel MPFデバイスの1バージョンである。これらのデバイスは、JEDEC標準ピン配置及びメモリインターフェイスなど、標準的なNORメモリピンインターフェイスを介してアクセスされる。標準的なパラレルNORインターフェイスピンは、CE#(チップイネーブル)、OE#(アウトプットイネーブル)、WE#(ライトイネーブル)、WP#(ライトプロテクト)、RST#(リセット)、RY/BY#(レディビジー)、DQ15〜DQ0(データ入出力、IOパッド)、AN〜A0(アドレスピン)、VDD(電源)、VSS(グランド)を含む。標準的なシリアルSPIインターフェイスピンは、SCK(シリアルクロック)、SI(シリアルデータ入力)、SO(シリアルデータ出力)、CE#(チップイネーブル)、WR#(ライトプロテクト)、HOLD#(ホールド)、VDD(電源)、VDD(グランド)を含む。標準的なシリアルSQIインターフェイスピンは、SCK(シリアルクロック)、SI(シリアルデータ入力)、SIO[3:0](シリアルデータクワッド入出力)、CE#(チップイネーブル)、WR#(ライトプロテクト)、HOLD#(ホールド)、VDD(電源)、VDD(グランド)を含む。
【0071】
ピンのセット1625及び制御ピン1626は、メモリデバイス1660のパッケージの外側からアクセスできる。ピンのセット1625は、インターフェイス1627を介して論理回路1628に結合される。インターフェイス1627は、従来技術において周知のようにパッド及びワイヤボンドを任意選択的に含むか、既に説明したようにTSVを含み得る。論理回路1628は制御ブロック1620を含む。制御ブロック1620は、制御ピン1626及びコントローラ1640に結合される。制御ピン1626及びコントローラ1640はそれぞれ、ピンのセット1625の機能を決定するために、論理回路1628を設定し得る。メモリデバイス1660は、メモリアレイ1650を更に含む。メモリアレイ1650は、二次元メモリアレイ又は三次元メモリアレイのいずれかになり得る。
【0072】
一実施形態では、メモリアレイ1650は二次元メモリアレイである。制御ピン1626、又はコントローラ1640の出力が「0」に設定されると、ピンのセット1625は、メモリデバイスへのシリアルインターフェイスとして動作するように、論理回路1628によって構成され得る。制御ピン1626、又はコントローラ1640の出力が「1」に設定されると、ピンのセット1625は、メモリデバイスへのパラレルインターフェイスとして動作するように、論理回路1628によって構成され得る。
【0073】
別の実施形態では、メモリアレイ1650は二次元メモリアレイである。制御ピン1626、又はコントローラ1640の出力が「0」に設定されると、ピンのセット1625は、メモリアレイ1650にアクセスすることができる通常のI/Oピンの機能を実行するように、論理回路1628によって構成され得る。一方、制御ピン1626、又はコントローラ1640の出力が「1」に設定されると、ピンのセット1625は、内部アドレス信号、内部I/Oデータ、内部制御信号、内部電流バイアス信号、テストモード制御信号、SuperFlash制御信号など、メモリデバイスの内部信号1645にアクセスすることができる機能を実行するように、論理回路1628によって構成され得る。従来技術において、かかる信号にはピンからアクセスすることができなかった。
【0074】
別の実施形態では、メモリアレイ1650は二次元メモリアレイである。制御ピン1626、又はコントローラ1640の出力が「0」に設定されると、ピンのセット1625は、メモリアレイ1650にアクセスすることができる通常のI/Oピンの機能を実行するように、論理回路1628によって構成され得る。一方、制御ピン1626、又はコントローラ1640の出力が「1」に設定されると、ピンのセット1625はテスト用に使用され得る。
【0075】
別の実施形態では、ピンのセット1625は、非標準的なNORメモリピンとしてアクセスされるように構成される。
【0076】
別の実施形態では、ピンのセット1625は、シリアル及びパラレルのNORメモリインターフェイスの組み合わせとなるように構成される。シリアルとパラレルが組み合わされたNORメモリインターフェイスの一実施例は、シリアル入力コマンド及びパラレル出力読み出しを有するNORメモリインターフェイスである。
【0077】
別の実施形態では、メモリアレイ1650は三次元メモリアレイである。制御ピン1636、又はコントローラ1640の出力が「0」に設定されると、ピンのセット1625は、メモリアレイ1650のI/Oピンの機能を実行するように、論理回路1628によって構成され得る。一方、制御ピン1636、又はコントローラ1640の出力が「1」に設定されると、ピンのセット1625は、内部アドレス信号、内部I/Oデータ、内部制御信号、内部電流バイアス信号、テストモード制御信号、SuperFlash制御信号など、メモリデバイスの内部信号1645にアクセスすることができる機能を実行するように、論理回路1628によって構成され得る。
【0078】
別の実施形態では、メモリアレイ1650は三次元メモリアレイである。制御ピン1626、又はコントローラ1640の出力が「0」に設定されると、ピンのセット1625は、メモリアレイ1650へのシリアルインターフェイスとして動作するように、論理回路1628によって構成され得る。制御ピン1626、又はコントローラ1640の出力が「1」に設定されると、ピンのセット1625は、メモリアレイ1650へのパラレルインターフェイスとして動作するように、論理回路1628によって構成され得る。
【0079】
図22は、構成可能な出力バッファ1700を示す。構成可能な出力バッファ1700は、DQパラレルピン又はSO若しくはSIOシリアルピンの出力回路の一部である。通常、出力バッファは、標準的なNORメモリデバイスに対して30pF又は100pFの出力負荷を駆動するように指定される。構成可能な出力バッファ1700は、スルーレートコントローラ1720に結合されたプリドライバ1710及びスルーレートコントローラ1721に結合されたプリドライバ1711を含む。スルーレートコントローラ1720はPMOSトランジスタ1730のゲートに結合され、スルーレートコントローラはNMOSトランジスタ1731に結合される。トランジスタ1730及びトランジスタ1731は一体となって、出力1740を供給する出力ドライバ1760を形成する。スルーレートコントローラ1720及びスルーレートコントローラ1731は共に出力ドライバ1760のスルーレートを制御する。出力ドライバ1760は、電圧ソース1750に結合される。電圧ソース1750は、非標準的である(即ち、標準的なNORメモリデバイス用の電源ソースとは異なる)、3Dメモリシステム用の異なる電圧ソースに接続され得る。トランジスタ1730及びトランジスタ1731は、任意選択的に、周知のテクニックによってトリミング可能である。スルーレートコントローラ1720及びスルーレートコントローラ1721自体は、コントローラ1140(図示なし)によって構成され得る。そのため、トランジスタ1730及びトランジスタ1731は、二次元又は三次元メモリデバイス向けに性能を最適化するように構成され得る。更に、トランジスタ1730及び1731は、スルーレートコントローラ1720及び1721と一体になって、標準的なNORメモリデバイスの出力負荷、例えば30〜100pF、と比べてより小さい出力負荷、例えば0.2〜2pF、を駆動するなど、二次元又は三次元メモリデバイス向けに性能を最適化するように構成され得る。更に、極めて小さい出力負荷では、スルーレートコントローラ1720及び1721は無効に、即ち、スルーレートコントローラは不要になり得る。
【0080】
図23は、構成解除可能な出力バッファ1800を示す。構成解除可能な出力バッファ1800は、DQパラレルピン又はSO若しくはSIOシリアルピンの出力回路の一部である。構成解除可能な出力バッファ1800は、スルーレートコントローラ1820に結合されたプリドライバ1810及びスルーレートコントローラ1821に結合されたプリドライバ1811を含む。スルーレートコントローラ1820はPMOSトランジスタ1830のゲートに結合され、スルーレートコントローラ1821はNMOSトランジスタ1831に結合される。トランジスタ1830及びトランジスタ1831は一体となって出力ドライバ1860を形成する。出力ドライバ1860の出力はマルチプレクサ1850に供給され、このマルチプレクサは制御信号1851によって制御される。マルチプレクサ1850へのもう1つの入力は、プリドライバ1810の出力である。スルーレートコントローラ1820及びスルーレートコントローラ1821は共に出力ドライバ1860のスルーレートを制御する。トランジスタ1830及びトランジスタ1831は、任意選択的に、周知のテクニックによってトリミング可能である。スルーレートコントローラ1820及びスルーレートコントローラ1821自体は、コントローラ1140(図示なし)によって構成され得る。そのため、トランジスタ1830及びトランジスタ1831は、標準的なNORメモリデバイス用の30〜100pFよりはるかに小さい出力負荷(例えば0.2〜2pF)を駆動するなど、二次元又は三次元メモリデバイス向けに性能を最適化するように構成され得る。更に、スルーレートコントローラ1820はイネーブル信号1822によって有効化され、スルーレートコントローラ1822はイネーブル信号1823によって有効化される。任意選択的には、イネーブル信号1822はスルーレートコントローラ1820をオフにし得、イネーブル信号1823はスルーレートコントローラ1821をオフにし得る。そのような状況では、制御信号1851は、プリドライバ1810から受信した信号を出力するように、マルチプレクサ1850を制御し得る。これにより、プリドライバ1810への入力は実質的に出力ドライバ1860を迂回することになる。これは、出力ドライバ1860がESD保護としても機能するので、メモリ製品の標準的なESD保護(JEDEC ESD標準など、例えば、2KV HBM又は200V MM)が必要ない場合に特に好ましい。ESD保護デバイスは、キャパシタンス出力負荷を負う。別の実施形態では、より小型の非標準的なESD構造が3Dシステム用に構成される。出力ドライバ1860を迂回することにより、システムの速度が増す。
【0081】
図24は、構成可能な入力バッファ1900を示す。一実施形態では、入力バッファ1800は、制御ピン(CE#、WE#など)、アドレスピン(AN〜A0)、DQパラレルピン、又はSI若しくはSIOシリアルピンの入力回路の一部である。入力バッファ1900はプリドライバ1905に結合されたプリドライバ1904を含み、これらのプリドライバは電圧ソース1906によって電力を供給され、制御信号1912によって制御されるスイッチ1908に結合される。入力バッファ1900は、制御信号1913によって制御されるスイッチ1907を更に含む。プリドライバ1904への入力は入力1901であり、スイッチ1907への入力は入力1902である。本実施形態では、入力1901は標準ピンへの入力であり、入力1902は前述したタイプのTSVへの入力である。スイッチ1908及び1907は、トランジスタ1909のゲート及びトランジスタ1910のゲートに結合される。トランジスタ1909及びトランジスタ1910は一体となって入力ドライバ1920を形成する。入力ドライバ1920の出力は入力信号1911である。入力1901がアクティブな場合、スイッチ1908は有効になり、スイッチ1907は無効になる。入力1901は入力ドライバ1920を介して流れる。入力1902がアクティブな場合、スイッチ1908は無効になり、スイッチ1907は有効になる。入力1902はプリドライバ1904及びプリドライバ1905を迂回し、その結果としてシステムは高速化される。本明細書に記載される三次元システムは、メモリシステムのコアと同じ動作電圧で動作するため、入力1902には入力1901ほどのコンディショニングは必要ない。したがって、メモリアレイの入出力信号には、従来技術の二次元システムで行われているような負荷の駆動は必要ない。
【0082】
図25は、標準的なピン及び前述したタイプの3Dメモリシステムピン(TSV、マイクロバンプ、ボンドワイヤなど)を含むメモリシステム2000の出力構成を示す。メモリシステム2000は、検知増幅器2010、バッファ2020、データマルチプレクサ2030、パッド2040、及びパッド2050を含む。この例では、パッド2040及びパッド2050は、バンプ、ボールなど、当該技術分野において周知の任意のタイプの出力ピンに接続され得る。
【0083】
データが二次元アレイから読み出される場合、データは検知増幅器2010によって検知され、バッファ2020及びマルチプレクサ2030に供給され、最終的にパッド2040に至る。一方、データが三次元アレイから読み出される場合、データは検知増幅器2010によって検知され、バッファ2020に供給され、その後、パッド2050に直接供給される。これにより、システムが高速化され、三次元アレイから読み出されたデータは従来技術の二次元アレイで必要とした駆動を必要としないという利点が活かされる。更に、標準的なNORメモリデバイスなどの入出力ドライバの数(即ち、I/Oデータ帯域幅)は、標準的なパラレルNORメモリデバイスの場合は一般に16、標準的なシリアルNORメモリデバイスの場合は1又は4であり、よって、標準的なNORメモリデバイスで使用可能なI/Oデータ帯域幅は、この入出力I/Oドライバの固定数に依存している。3Dメモリシステムの場合、メモリシステム2000は、標準的なNORメモリデバイスの固定数より多く提供するように構成され得る。メモリシステム2000で示されている実施形態として、64個の入出力I/Oドライバが提供される。これにより、3DメモリシステムのI/O帯域幅が強化される。別の実施形態では、メモリシステム2000の複雑性が増すことになるが、128〜2048など、64を超える入出力I/Oデータ帯域幅が提供され得る。
【0084】
ボンドワイヤ、フリップチップ、半田ボール、並びにその他のダイボンディング及びダイ接続テクニックを組み合わせて使用する、マルチチップモジュール、SiPシステムインパッケージ、PoPパッケージオンパッケージ、マルチチップパッケージングなど、2D若しくは2.5D又はその他の3Dフラッシュメモリシステムは、本明細書に記載の発明に適用され得る。
【0085】
本明細書における本発明に対する言及は、いかなる請求項又は請求項の用語の範囲も限定することを意図するものではなく、代わりに請求項の1つ以上によって包含されることがある1つ以上の特徴に言及することを意図するにすぎない。上述の材料、プロセス、及び数値例は、単なる例示であり、請求項を限定するものと見なされるべきではない。本明細書で使用されるとおり、用語「〜の上方に(over)」及び「〜の上に(on)」の両方は、「直接的に〜の上に」(中間の材料、要素、又は間隙が間に配設されていない)及び「間接的に〜の上に」(中間の材料、要素、又は間隙が間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、用語「隣接する」は、「直接的に隣接する」(中間の材料、要素、又は間隙が間に配設されていない)及び「間接的に隣接する」(中間の材料、要素、又は間隙が間に配設されている)を含む。例えば、「基板の上方に」要素を形成することは、中間の材料/要素が介在せずに直接的に基板の上にその要素を形成することも、1つ以上の中間の材料/要素が介在して間接的に基板の上にその要素を形成することも含む可能性がある。本明細書に記載さている発明は、積層浮遊ゲート、ReRAM(抵抗変化メモリ)、MRAM(磁気抵抗メモリ)、FeRAM(強誘電体メモリ)、ROM、及びその他の既知のメモリデバイスなど、他の不揮発性メモリに適用される。
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