【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を解決するために、請求項1の全ての特徴を有する方法が提言されている。この方法の有利な改善点は、従属請求項の方法に記載されている。この目的はさらに、従属請求項12による組立体モジュールによって解決される。組立体モジュールの有利な改善点は、従属請求項の装置に記載されている。これに加えて、請求項23において本発明の組立体モジュール、ID送信機およびアクセス制御システムを備えた認証システムがクレーム請求されている。本発明による組立体モジュールおよび/または認証システムに関連して記載される特徴および詳細はまた、本発明の方法に関連して適用され、その逆も同様である。特許請求の範囲および明細書において挙げられた特徴は、個別にまたは組み合わせのいずれかにおいて本発明にとって各々必須であり得る。本発明の組立体モジュールおよび/または本発明による認証システムを備えた自動車もまた、保護の下に置かれる。
【0006】
本発明によると、方法は、
a)認可されたユーザが認証されたことを示す信号を受信する工程と、
b)光学センサシステムを介して自動車の外側の作動範囲を監視する工程と、
c)光学センサシステムを介して作動範囲内の物体と光学センサの間の距離を検出する工程と、
d)光学センサシステムを介してその距離を特定の仕様と比較する工程と、
e)この仕様が満たされた場合、動作信号を提供する工程と、を含む。
【0007】
詳細には、工程bは、工程a)の後に実施される。工程c)および工程d)は、詳細には工程b)において実施される。仕様が満たされた場合、詳細には、工程b)が終了し、工程e)が実施される。この比較は、工程c)において測定された距離が仕様と直接比較される直接的な比較である、あるいはその距離を使用して別の変数が決定され、その後これが仕様と比較される間接的な比較の場合もある。換言すると、工程d)において、工程c)において測定された距離は、仕様と相関される。
【0008】
動作信号を提供することが可能になる前に、作動範囲における物体と光学センサの間の距離を検出し、この距離が特定の仕様を満たす必要があるという条件を付けることで、作動範囲における全ての物体が動作信号を発生させることがなくなる。仕様を満たさない距離の場合、動作信号は提供されない。代わりに動作信号は、仕様が満たされた場合に限って提供される。このような条件によって、動作信号は作動範囲内のユーザによる行動、または動作信号が発生しない犬などの意図しない物体によっては発生しないことが保証される。代わりに、動作信号は、ユーザによる故意の行動のみによって発生する。ユーザの故意の行動は、具体的には手または足を使って行うことができる。動作信号が意図的でない、または思いがけないものではないという事実は、ユーザがこれによって驚かないことを意味する。むしろユーザの意図が確認される。したがって、動作信号によって発生する作用の危険性、例えば自動車の移動部分の開放などのユーザにとっての危険性が低くなる。
【0009】
動作信号は、自動車の移動部分を解錠するおよび/または施錠する、ならびに/あるいは開閉するための信号であってよい。移動部分は具体的には自動車のテールゲートおよび/またはサイドドアであり得る。テールゲートおよび/またはサイドドアは、スライドドアとして設計される場合もある。動作信号は、例えば移動部分を解錠するように機能する場合もある。この場合シールのばね作用は、移動部分を閉鎖位置からある程度移動させることでそれが幾分開放されるように機能することができる。これに加えてまたは代替として、動作信号は、電動式の開閉補助具を始動させるための信号である場合もある。この文脈において、自動車は、移動部分を完全に開閉するモータを有する。
【0010】
これに加えてまたは代替として、動作信号は、トレーラーの連結部を巻き戻すおよび/または伸張するための信号である場合もある。詳細には、複数の異なるユーザの意図を、移動部分を開放するユーザの意図、および牽引連結部を伸張するユーザの意図として判断することができる。
【0011】
作動範囲は自動車が置かれている地面の上で終わると想像することが可能である。動作区域は、地面の上に限定領域を有する。この場合、作動範囲は、地面にほぼ直交するように延在する、または車両の車軸につながる面に平行に延在する面に対して傾斜角を有する場合もある。この傾斜角は具体的には光学センサの傾斜角と一致する。
【0012】
詳細には、作動範囲は、円形または楕円形の底辺を有する先端が切り取られた切頭円錐形の領域を有する。切頭円錐形の範囲は、具体的には傾斜する先端が切り取られた円錐に相当し得る。
【0013】
この仕様は好ましくは、物体と光学センサの間の距離の最小距離条件に相当する。動作信号は故に、物体が光学センサに近づき過ぎない場合に限って提供される。これは、ユーザが光学センサから十分に離れていることを保証する。光学センサは移動部分に近づけて設置することができるため、ユーザは移動部分から十分な距離のところに位置することが可能になる。したがって、ユーザの安全性がさらに向上する。
【0014】
最小距離条件は、固定値として光学センサシステムに記憶させることができる。あるいは最小距離条件は変数として記憶させることもできる。したがって最小距離条件は、例えば自動車が置かれている地面に左右される場合がある。最小距離条件は、光学センサシステムの監視ユニットに記憶される場合もある。
【0015】
具体的には、仕様、詳細には最小距離条件は、物体と光学センサの間の固定された事前に決められた最小距離に相当することができ、これもまた光学センサシステムに記憶される。動作信号は、物体から光学センサまでの距離がこの最小距離を超えた場合に限って提供される。物体から光学センサまでの最小距離についての絶対値を光学センサシステムに、詳細には監視ユニットに記憶させることができる。光学センサからの物体の距離は、作動範囲を監視する間に検出される。仕様は、検出された距離が最小距離を超えたときに限って満たされる。最小距離は、光学センサを車両内に設置する設置の高さに応じて変動する可能性がある。最小距離はまた、光学センサの傾斜角に応じて変動する場合もある。故に最小距離は、設置の高さを上げるおよび/または傾斜角度を縮小することによってより大きくなるように選択することができる。光学センサからの固定された最小距離の選択は、工程c)において測定された変数に関する直接の限界値が仕様として選択され、これにより光学センサシステムの演算能力に掛かる負荷がより小さくなるという利点を有する。さらに、固定された最小距離が仕様として選択される際、別の変数を測定する必要がない。
【0016】
仕様、詳細には最小距離条件が、物体と光学センサの間の距離と、作動範囲の限定領域から光学センサまでの距離の比の最小値に相当することも考えられる。動作信号は、物体と光学センサの対応する距離がこの比に関する最小値を超えたときに限って提供される。最小の比の値に関する絶対値は、光学センサシステムに、具体的には監視ユニットに記憶させることができる。光学センサからの作動範囲の限定領域の距離は、固定値として光学センサシステムに記憶させることができる、あるいは好ましくは監視している間光学センサシステムによって測定することができる。光学センサからの物体の距離は、作動範囲を監視している間に検出される。光学センサからの物体の距離と光学センサからの作動範囲の限定領域の距離の比が形成される。仕様は、この比が最小値を上回った場合に限って満たされる。最小値は、光学センサの設置の高さおよび傾斜角を通して変動させることができる。詳細には、最小値は、設置の高さを上げ、傾斜角を縮小することによって高めることができる。
【0017】
最小値が仕様として選択される場合、有利にはこの仕様の目的のために可変の作動範囲を考慮することができる。作動範囲が地面の上で終わっている場合、仕様は、物体から光学センサまでの距離と、作動範囲における地面から光学センサへの距離との比に関する最小値に相当し得る。地面が凸凹な場合、このような構成によって、仕様を満たすために凸凹な地面も同様に利用することを考慮することも可能になる。
【0018】
別の選択肢として、仕様、具体的には最小距離条件は、詳細には地面に位置決めされた作動範囲の限定領域から光学センサに面する物体の表面の固定された事前に決められた最大距離に相当し、この値もまた光学センサシステムに記憶されることが規定される場合もある。動作信号は、詳細には地面の上の作動範囲の限定領域からの光学センサに面する物体の表面の距離が、最小距離を下回る場合に限って提供される。最大距離についての絶対値は、光学センサシステム、具体的には監視ユニットに記憶されることができる。作動範囲の限定領域から光学センサまでの距離は、固定値として光学センサに記憶させることができる、あるいは好ましくは監視している間に光学センサシステムによって測定することができる。光学センサからの物体の距離は、作動範囲を監視している間に測定される。作動範囲の限定領域から、詳細には地面からの光学センサに面する物体の表面の距離は、作動範囲の限定領域と光学センサの間の距離、および物体と光学センサの間の距離から特定される。このようにして特定された距離が最大の距離より小さい場合に限って仕様が満たされる。この方法において、詳細には凸凹な地面の場合に作動範囲の可変の長さを考慮に入れるための別の選択肢が生まれる。
【0019】
光学センサに面する物体の表面と限定領域の間の地面に直交する距離cは、地面との傾斜角度ならびに物体から光学センサまでの距離および限定領域から光学センサまでの距離を利用して特定することができる。動作信号は、距離cが最大の距離より小さい場合に限って提供されると考えることができる。最大距離は、光学センサシステムにおいて事前に決定することができる。平坦な地面の上では入射角が傾斜角に相当する。簡素化する目的で入射角の代わりに傾斜角を使用することが予想される。
【0020】
特に作動範囲が地面で終わっている場合、この仕様を満たす目的のために、距離cが最大の距離に相当し得るように最小距離条件を設計することができる。通常、ユーザはこの要件を満たすために、作動範囲内で地面の上に足を踏み出さなければならないように規定することができる。しかしながら作動範囲の地面の上の水たまりやぬかるんだ部分を考慮に入れるために、ユーザは、この要件を達成するために地面よりわずかに上に自分の足を維持する場合があることも規定することができる。したがって具体的には、距離cに関する最大の距離c
maxは、0≦c
max≦30cm、好ましくは0≦c
max≦20cm、特に好ましくは0≦c
max≦10cmによって選択することができる。たとえ異なる最小距離条件が選択された場合でも、上述の条件がc
maxに関して正しくなるように設定することができる。
【0021】
最小距離の要件に関して様々な選択肢を任意の組み合わせで併せて利用することができる。よって固定され事前に決められた最小距離、比に関する最小値、固定され事前に決められた最大距離および/または固定され事前に決められた最大距離を提供することができる。
【0022】
特定された距離は詳細には、物体全体にわたっておよび/または限定領域全体にわたって平均された距離であり得る。あるいは、それらは物体上および/または限定領域内の単一の地点である場合もある。詳細には、例えば直線上にある光学センサからの物体の距離と、限定領域から光学センサまでの距離を互いに相関させることができる。
【0023】
具体的には、光学センサシステムは、受信した光の強度の変化に基づいて物体が作動範囲内にあると特定することができる。
【0024】
物体と光学センサの間の距離を測定することができるように、例えば飛行時間測定を行うことができる。これにおいて、例えば1つまたは複数の光パルスが光学センサシステムによって、詳細には光学センサシステムの光モジュールによって放出され、光パルスが物体まで進み光学センサに戻るのに必要な時間が測定される。この時間は、物体からの距離に正比例する。複数の光パルスが光学センサシステムによって、詳細には光モジュールによって連続して放出され1つの画像を形成することができる場合がある。光パルスを統合式にまたは累積式に処理することで画像を形成することができる。このケースにおいて距離の測定を実施することを可能にするために、光学センサシステムにおいて画像を取り込むために特定の時間間隔が特定される。この時間間隔において光センサにおいて受信された光パルスの総体的な強度が距離に相関される。
【0025】
測定の精度を高めるために、画像は、光学センサシステムによって、詳細には光モジュールによって放出される光のみによって生成されることを規定することができる。したがって認識画像および比較画像が取り込まれ、任意選択で評価され得る。認識画像は、光モジュールによって放出された光の反射を利用して形成される。比較画像は、干渉光を単独で利用して形成される。干渉光は、例えば日光または車庫の光など人工的な光源からの光であり得る。光モジュールは、比較画像を形成するための光を放出しない。監視ユニットは、認識画像を比較画像と比較することによって干渉光を検出することができる。これにより光学センサシステム、詳細には監視ユニットが、干渉光が除去された修正された認識画像を生成することが可能になる。所定の数の認識画像の後に毎回比較画像が取り込まれるように規定することができる。
【0026】
ユーザが確実に車両を安全に開放することができるようにさらなる措置が実装される場合がある。
【0027】
上述のように作動範囲は、所定の作動時間t
Bの間のみ監視されると考えることができる。作動時間t
Bの最大の長さは、光学センサシステムにおいて特定され記憶させることができる。作動時間t
Bの範囲外では作動範囲内に位置する物体の距離は認識されない。したがって作動時間t
Bを超えると動作信号を発生させることはできない。作動時間は、制限された時間の範囲内でのみ動作信号を発生させることができることを意味しており、そのため誤って発生する事態の危険性が低下する。作動時間t
Bは、具体的には短めに設定することができる。例えばt
Bは、3秒≦t
B≦30秒、好ましくは5秒≦t
B≦15秒という表現を利用して選択することができる。作動時間t
Bは詳細には、認可されたユーザが認証されたことを示す信号を受信したことによって開始されてよい、および/または前記信号を受信した直後に始まる場合もある。作動時間は、最大の長さが経過してから終了する、または例えば動作信号を提供することによって、または要件を満たすことによってそれより前に終了する場合もある。作動時間t
Bの開始および終了は、ユーザが知覚できるように規定することができる。
【0028】
好ましくは動作信号は、少なくとも1つの別の要件が満たされたとき限って提供することができる。これもまた、ユーザの安全性をさらに高めるように機能する。
【0029】
これにより監視している間、工程b)に加えて物体の大きさを判定することができる。この大きさが最小の大きさを超えるおよび/または最大の大きさを下回る場合に限って動作信号を提供することができる。
【0030】
代替または追加として、作動範囲における物体の規定された動作が特定される場合もある。規定された動作のシーケンスが行われた場合に限って動作信号を提供することができる。規定された動作のシーケンスは、例えば事前に決定されたジェスチャーであってよい。作動範囲における動作シーケンスを認識するために光学センサからの物体の距離の複数の測定が行われる場合もある。この文脈において、詳細には少なくとも2つの連続する画像において、詳細には認識画像において距離が得られる。この距離は飛行時間測定によって検出することができる。
【0031】
監視している間に物体が作動範囲内に留まる滞在時間が検出されることが予想される。この時間が最小の滞在期間より長い、および/または最大の滞在期間より短い場合に限って動作信号を提供することができる。
【0032】
動作信号を提供させるために、物体を所定の除去時間t
Eの範囲内で作動範囲から除去される必要がある場合もある。よって工程d)の結果として仕様が満たされた場合に除去時間t
Eが始まるように規定することができる。除去時間t
Eの開始は、ユーザが感じ取れるものである。物体、詳細には除去時間t
Eの範囲内でユーザの手足が作動範囲から除去された場合に限って動作信号が提供される。
【0033】
第2作動範囲が存在することも予想される。第2作動範囲もまた、光学センサシステムによって監視することができる。したがって物体は第2作動範囲内に留まる必要があり、かつ詳細には、動作信号が提供される前に第2作動範囲において上述の仕様の1つが満たされる必要があることが予想される。
【0034】
これに加えてまたは代替として、動作信号が提供される前に、光学センサおよび/または自動車に対する認可されたユーザの最小距離ならびに/あるいは特有の位置が不可欠な場合がある。位置に関して、例えばユーザが車両の前方、脇、または後方にいるのかを特定することができる。詳細には、最小距離および/または位置は、認証の間または認証後のいつでも特定することができる。詳細には、最小距離および/または位置は、作動期間が終わった後でも特定することができる。自動車および/または光学センサからの認可されたユーザの距離ならびに/あるいは認可されたユーザの位置が検出される。ここで、自動車からのユーザの距離および/またはユーザの位置は、例えばID送信機によって送信される信号の強度に基づいて特定することができる。この目的のために、例えば受信信号強度インジケータ(RSSI)を使用することができる。送信された信号の強度を測定することによって、認可されたユーザのみが検出範囲に進入し、作動領域においてユーザの作動意図を示すことを確実にすることができる。RSSIに周期的に問い合わせることが考えられる。あるいは光学センサシステムによって光学センサからのユーザの距離を特定することもできる。この場合、光学センサシステムによって作動範囲よりも自動車からさらに離れて延在する検出範囲を監視することができ、光学センサによって検出範囲内のユーザの距離を捕らえることができる。ユーザが自動車からおよび/または光学センサから最小距離にあり、自動車のそばの所定の位置に立っているとき限って動作信号を発生させる。
【0035】
警告信号によってユーザの安全性を高めるための別の選択肢を実現することができる。故に、動作信号が発生する前にユーザが知覚することができる警告信号を発することができる。
【0036】
作動範囲を監視している間に多様なユーザの意図が認識される可能性がある場合、多様なユーザの意図を異なる動作シーケンスに割り当てることができる。それ故、例えば作動範囲に踏み込む動作によってテールゲートを開放させることができ、その一方で光学センサの近くで手を横に動かす動作はトレーラーの連結部を伸張する作用を有する。
【0037】
工程a)の前に別の工程が行われることも考えられる。これにより初めに光学センサシステムによって自動車の外側の検出範囲を監視することができ、検出範囲においてユーザが検出された場合、ID送信機とアクセス制御システムの間で認証チェックを開始する信号を発生させることができる。その後、認証システムによって認証チェックを行うことができる。これらの工程の後に方法工程a)からe)が続いてよい。検出範囲は、ユーザの接近を判定することができるように特に監視される。詳細には、検出範囲を監視し、認証チェックのための開始信号を発生させることによって受動式のキーレスエントリチェックを開始することができる。この文脈において、ユーザは認証チェックを開始するのにID送信機を始動させる必要はない。追加の方法工程は、同一の光学センサシステムおよび認証システムによって認証チェックを開始させ完了させることができ、方法工程a)からe)を行うことができるという利点を有する。検出範囲におけるユーザの認識は、例えば大きさ、滞在期間、動作および/または動作方向などのユーザによる特定の仕様の達成に関連させることができる。
【0038】
本発明の目的はまた、
a)認可されたユーザが認証されたことを示す信号を受信すること、
b)自動車の外側の作動範囲を監視すること、
c)作動範囲における物体とセンサシステムの光学センサの間の距離を検出すること、
d)この距離を特定の仕様と比較すること、
e)仕様が満たされたとき、動作信号を提供することが可能な光学センサシステムを有する、自動車のための組立体モジュールによって解決することができる。
【0039】
この目的また、組立体モジュール、ID送信機およびアクセス制御システムを有する本発明による認証システムによって解決される。詳細には、組立体モジュールおよび/または認証システムは、本発明の方法を実施するように設計されている。この目的のために、詳細には光学センサシステムは、プロセッサと、メモリとを有する監視ユニットを備えることができ、その助けを借りて本発明の方法を実施することができる。本発明の方法はメモリに記憶させることができる。光学監視ユニットはさらに、光学センサが取り込んだ画像を分析するように構成することができる。
【0040】
さらに光学センサシステムは、作動範囲から光を受信するための光学センサを含むことができる。光学センサは、作動範囲の画像を記憶する。この目的のために、光学センサは、レンズ系および/または画像センサを有することができる。画像センサは、CMOSセンサおよび/またはLDPDセンサであってよい。LDPDセンサ(側方ドリフト電界光検出器)は、文献独国特許第102009020218号明細書に記載されている。LDPDセンサは、それを特に迅速に評価することができるように設計されている。
【0041】
光学センサシステムは、光を放出するための光モジュールを備えることができる。光は、作動範囲を形成する働きをする。この目的のために、光モジュールは、レンズ系を有することができる。光モジュールは、目に見えない範囲の光を放出するように規定することができる。詳細には、光は赤外線範囲であってよく、具体的には近赤外線であってよい。光モジュールは、1つの光源のみを有することができる。あるいは光モジュールは、複数の光源を備えることもできる。光源は光学センサを囲むように配置することができる。よって光源は、光学センサの左右に配置することができる。あるいは光源は、光学センサの周辺部を囲むように配設することもできる。光はレーザ光であってよい。光モジュールから放出される光はパルス状にすることもできる。
【0042】
光学センサは赤外線フィルタおよび/または偏光フィルタを備えるように規定することができる。この方法において、少なくとも一部の干渉光を除去することができる。光モジュールはまた、偏光フィルタを有することもできる。
【0043】
組立体モジュールは、光学センサシステムの個々の要素、すなわち光学センサ、光モジュールおよび/または監視ユニットを締結するために締結要素、詳細には設置プレートを有することができる。代替としてまたは追加として、組立体モジュールは、光学センサシステムを少なくとも部分的に取り囲む筐体を備えることができる。監視ユニットは、アクセス制御システムを有する単一のユニットとして構築することができる。詳細には、複数の光源を備えた光モジュールにおいて、締結要素は、球形の扇形の形態であり得る。
【0044】
光学センサシステムまたは組立体モジュール全体は、車両のテールゲート内、例えば後部窓の後ろ、ハンドルストリップ内、バッジ内、テールライト内、反射鏡の後ろ、バンパー上および/または2つの構成要素の間の隙間に配置するように構築されるように規定することができる。代替としてまたは追加として、組立体モジュールは、車両の側部、例えばBピラー内に装着されるように設計することもできる。詳細には、光学センサシステムまたは組立体モジュール全体は、外側からは不透明であるが、光学センサシステムの光に関しては透光性であるフィルムの後ろに隠される場合もある。よって例えば光学センサシステムが設置されるバンパーを塗装することができる。
【0045】
光学センサシステムは好ましくは、過剰なほこりに曝されないようなやり方で自動車に配置される。例えば光学センサシステムは、後部窓の後ろのウインドシールドのワイパー動作領域にまたはハンドルスリップ上に位置決めすることができる。代替としてまたは追加として、組立体モジュールは、ワッシャノズルを有することができ、これによって光学センサシステムを清掃することができる。このケースでは、例えば前方および/または後方窓のウインドシールドのワイパーが作動されるときはいつでも、洗浄ノズルが光学センサシステムを自動的に清掃することができる。
【0046】
組立体モジュールは、表示要素を備えることができ、これによって可視光を放出させることができる。この方法において、作動範囲の少なくとも一部をユーザが見ることができるようにすることができる。詳細には、作動範囲の限定領域を地面の上で見ることができるようにすることができる。
【0047】
代替または追加として、表示要素は、ユーザが作動時間を見ることができるようにすることができる。よって表示要素は、作動期間が始まる際にスイッチが入れられることが予想される。この文脈において、表示要素は、第1発光条件を呈することができる。作動期間が終わるとき、表示要素のスイッチを切ることができる。あるいは、表示要素は、作動期間の後、第2発光状態に切り換えることができ、これは警告信号として機能する。表示要素は、第3照明条件を呈することができ、これは除去時間を合図する。発光状態の一つにおいて、詳細には第1発光状態では、表示要素は、一定の明るさの光を放出することができる。他の1つまたは複数の発光状態では、例えば明るさは周期的に変化することができる。この方法において、異なる発光状態は、異なる長さの周期を有することができる。
【0048】
表示要素の放出した可視光の強度は、周辺光の明るさに左右される場合がある。周辺光の明るさは、明度センサによって検出することができる。
【0049】
表示要素は好ましくは、光学センサおよび/または光モジュールに近接して配置される。この方法において、表示要素によって見えるようになった地面の上の領域は、変化し得る地面の上であっても作動範囲の限定領域に十分適切に一致することを保証することが可能である。詳細には、表示要素と光学センサおよび/または光モジュールの間の距離fは、1cm≦f≦10cm、好ましくは1cm≦f≦3cmである。
【0050】
作動範囲の限定領域は、手足、詳細には、ユーザの手または足より小さい空間寸法であり得ることを予測される。その結果、できる限り平らであるべき1つの面のみ、ユーザが意図される行動を示すために、例えば靴の底または手のひらなどを作動範囲内に位置決めする必要がある。これにより物体と光学センサの間の距離が特定し易くなる。
【0051】
画像センサは画素を含むことが可能である。作動範囲は好ましくは、少数の画素のみによって画像センサ上に表示される。これにより生産および動作コストを下げることが可能になる。よって作動範囲および/または作動範囲内のユーザの身体部分、詳細には手または足をn個の画素によって表すことができ、この場合具体的には2≦n≦10、好ましくはn=2である。ユーザの身体部分は好ましくは、作動範囲の各々の地点において少なくとも特定された数の画素によって表される。ユーザの身体部分は欠陥画素によって本発明の工程を危険に曝すことを避けるために、1より大きな画素数によって表示される。
【0052】
加えて、光学センサシステムは、認証の前に自動車の外側に位置する検出範囲を監視するように設計される場合もあり、検出範囲内にユーザが認識された場合、認証チェックを開始するために自動車のID送信機とアクセス制御システムの間で信号を発生させる。
【0053】
光学センサおよび/または光モジュールは、検出範囲の監視と、作動範囲の監視の両方に関して利用することが可能であってよい。これは、同一の光学センサおよび/または光モジュールを使用して、検出範囲と作動範囲を監視することを意味している。この目的のために、光学センサおよび/または光モジュールは、精密なレンズ系を備えることができる。詳細には、検出範囲を検出するための光モジュールは、波長および/または光パルス持続時間に関して、それが作動範囲を監視するために放出するものと同じ光を放出することができる。あるいは、検出範囲および/または作動範囲は、その後の距離および/またはユーザを検出するために達成する必要があるその他の要件および/またはユーザの意図のチェックと比べてより長い波長の光によって最初に監視される場合もある。よって例えば、905nmの波長を有する光を最初に利用することができる。例えば800nmの波長を有する光をその後使用することができる。
【0054】
組立体モジュールは、平面図において検出範囲が作動範囲より自動車から離れて終わるように構築することができる。このことは、正しい認証の後も作動範囲がユーザと車両の間になおも位置していることを保証する。これは、ユーザが通常、作動範囲に到達するために自分の動作方向を継続することができることを意味している。平面図において、作動範囲は、検出領域の内部に位置決めすることができる。あるいはそれは、平面図において作動範囲が検出範囲より自動車に近づくように規定することもできる。詳細には、作動範囲は検出領域に隣接することができる。
【0055】
組立体モジュールおよび/または自動車は、動作信号を発生させるために、ユーザが作動範囲内でユーザの意図を示し易くするための少なくとも1つの手段を備えるように規定することができる。
【0056】
例えば組立体モジュールは、作動期間がまもなく終了することを示す警告信号を発することができる。警告信号は、例えば表示要素の発光状態を変えることによって開始することができる。警告信号は、表示要素の様々な発光状態に対応することができる。例えば表示要素は、作動期間の終わりに点滅することができる。この手段は監視ユニットにおける適切な方法要件に相当する。
【0057】
また、ユーザが作動範囲へと誘導される場合、ユーザが自分の意図を伝えるのに役立つ場合もある。これは特に、ユーザが大きな物体を持っているため、ユーザが地面上の作動範囲の限定領域を見ることができない場合である。この目的のために、組立体モジュールおよび/または自動車は、これを利用してユーザが知覚できる信号、詳細には視覚的、聴覚的または触覚的な信号を生成することができる手段を有することができる。よって例えば、組立体モジュールは、光要素、例えばLEDを含むことができる。光放出要素は、光放出要素がガイドとして機能するように配置することができる。例えば光放出要素は、それらが作動範囲へと導く地面の上の標識を形成するように位置合わせすることができる。代替または追加として、発光要素を横並びに配置することができる。発光要素は、ユーザが作動範囲に到達するために移動する必要がある方向をユーザに示す順に切り換えることができる。発光要素の代わりに、この機能はまた、自動車内に横並びに既に配置されている発光設備、例えばヘッドランプ、ブレーキライト、ターンシグナルなどによって提供することもできる。ユーザが移動すべき方向に関してユーザが聞き取れる指示を提供することも考えられる。この目的のために、組立体モジュールは、拡声器を備えることができる。異なる振動によってユーザを誘導するID送信機への方向の変更を送信することも考えられる。ユーザが方向の変更を指示された場合、光学センサシステムは、ユーザの位置、および作動範囲に到達するために彼が移動すべき方向を特定し、知覚可能な対応する信号を放出するように命じる。
【0058】
作動範囲の位置および/または作動時間の長さが可変であることはユーザにとって有益であり得る。これは、身体に障害のあるユーザが彼の意図を示したい場合に特に有益である。それはまた、作動範囲がユーザにとって不便な場所にある場合にも有益である。そのような文脈において、こういった不便な場所は不変的な場合もある。例えば作動範囲がトレーラーの連結装置のところで終端している場合がある。一方、不便な場所は、例えば作動範囲が水たまりの中で終わっているために、一回の動作信号を発生させるのに不便なだけである場合もある。詳細には、作動範囲の位置および/または作動時間の長さを変更するために事前に定義されたユーザの行動に関して規定を定めることができる。よって例えば、ユーザは、例えば車載制御モジュールまたはID送信機のユーザメニューにおける入力によって作動範囲の位置および/または作動期間の長さを選択する。あるいは、光学センサシステムによって事前に定義されたユーザの行動を検出することができる。別の一代替形態において、組立体モジュールは、学習モードになるように切り換えることができ、このモードにおいて組立体モジュールは、変更後の作動範囲の位置および/または変更後の作動範囲の長さを学習する。
【0059】
ユーザの意図が検出されずに第1作動期間が経過した後、動作信号を発生させるユーザの意図を特定するために作動範囲が再度監視されることもユーザにとって有益であり得る。これは、ユーザが気を逸らせ時間内に作動範囲に到達しなかった、または正しいジェスチャーを行わなかった場合に特に有益である。したがって、作動範囲が立て続けに複数回、詳細には2回または3回監視されるように規定することができる。繰り返される作動範囲の監視は自動的に開始することができる。あるいは、事前に定義されたユーザの行動が、別の作動期間において作動範囲を監視するように規定される場合もある。この目的のために、例えばユーザは静電容量センサに注意を向ける場合もある。あるいはそれは事前に定義されたユーザの行動である場合もあり、これは光学センサシステムによって検出される。
【0060】
光学センサシステムによって認識され、作動範囲の位置および/または作動時間の変化、ならびに/あるいはユーザの意図を検出するために繰り返される作動範囲の監視を生じさせる事前に定義されたユーザの行動は、以下のユーザの行動であってよく、すなわち作動範囲および/または検出範囲内での事前に定義されたジェスチャー、例えば、身体部分の前後移動、そのような除去が元のジェスチャーを構成する場合監視範囲から身体部分を除去しないこと、身体部分検出および/または作動範囲に進入するならびに/あるいは検出および/または作動範囲から出るユーザによる移動であってよい。詳細には身体部分は頭部または足であってもよい。詳細には、ユーザは所定の時間の間に検出範囲を出て、その後検出範囲に戻るように規定することができる。
【0061】
ユーザの意図を検出するために作動範囲が再度監視される場合、表示要素もこれを指し示す。作動範囲の位置が変更された場合、表示要素はこれを指し示す。この目的のために、表示要素は、複数のランプ、例えばLEDを備えることができる。1つまたは複数のランプは各々、作動範囲の少なくとも一部を目に見えるようにする。変更後の位置を有する作動範囲は好ましくは、検出範囲の内部にある。対応する画素の値が求められ、これに応じて作動範囲が監視される。
【0062】
本発明はまた、本発明のID送信機、アクセス制御システムおよび組立体モジュールを備えた認証システムを含む。このようなケースにおいて、組立体モジュールは、記載されおよび/または特許請求されるように構築することができる。認証システムは、アクセス認証のために認証チェックを実施することができる。組立体モジュールが認証チェックのための信号を発生させているので、認証チェックを継続することができる。例えばアクセス制御システムは、ID送信機にウェイクアップ信号を送信することができる。その後、ID送信機は、アクセス制御システムに認証コードを送信することができる。アクセス制御システムは、受信した認証コードを記憶したコードと比較することができる。詳細には2つのコードが合致した場合、換言すると認証チェックが成功した場合、信号を発生させることができる。前記信号は、解錠信号であってよい。あるいは信号は、作動範囲の監視を開始する信号であってよい。この場合、解錠信号は、少なくとも1つの別の信号、詳細には動作信号および/または別の認証が行われるまで発生されない。別の一代替形態において、動作信号は解錠信号も含む。認証システムはまた、ユーザと自動車の間の最小距離を特定するのにも有益な場合がある。
【0063】
本発明を向上させるように設計された別の措置は、図面において概略的に表される以下の本発明の実施形態の記載から明らかになるであろう。特許請求の範囲、明細書または図面において特定された特徴または利点の全ては、設計の詳細、空間的配置および方法工程を含めて、個別にまたは何らかのその組み合わせにおいて本発明にとって必須であり得る。