(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
取引先名称確認部が、利用者を識別する利用者識別情報と、当該利用者識別情報に対応する取引先の利用者の名称である第1取引先名称とを対応付けて記憶部に記憶させる過程と、
受信部が、電子債権記録機関が通知する、電子記録債権の登録結果を示す記録結果通知を受信する過程と、
比較部が、前記第1取引先名称と、前記記録結果通知に示される第2取引先名称とを比較する過程と、
判定部が、前記第1取引先名称と前記第2取引先名称との不一致の有無を判定する過程と、
取引先名称確認部が、前記電子記録債権の記録請求を行なった利用者に対し、前記判定の結果を通知する過程と、
前記取引先名称確認部が、不一致と判定された前記第1取引先名称が存在した場合、記録請求を行なった前記利用者のみではなく、前記記憶部に登録されている利用者のなかで、不一致となった前記第1取引先名称を取引先としている前記利用者を前記記憶部から抽出し、抽出した前記利用者の各々に対して、不一致となった前記第1取引先名称を通知する過程と
を含むことを特徴とする取引先名称確認方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による取引先名称確認サーバ(取引先名称確認装置)を用いた電子記録債権システムの構成例を示す図である。
図1において、本実施形態における電子記録債権システムは、電子記録債権対応サービス機関Aに設けられた電子記録債権中継システム1と、電子記録債権機関B(例えば、でんさいネット(登録商標)などの国から認可を受けた電子記録債権機関)に設けられた電子記録債権機関システム2と利用者端末3_1から利用者端末3_mの各々とを備えている。以下、利用者端末3_1から利用者端末3_mを総称して利用者端末3と記載する場合もある。
【0021】
また、この
図1における実施形態は、金融機関が電子記録債権対応サービス機関を兼ね備えている形態を示している。電子記録債権中継システム1、電子記録債権機関システム2及び利用者端末3の各々は、インターネットを含む情報通信回線100によって接続されている。また、以下の説明においては、債務者請求方式の場合、記録請求を実行するのは債務者となる利用者であり、取引先が債権者となる利用者である。一方、債権者請求方式の場合、記録請求を実行するのは債権者となる利用者であり、取引先が債務者となる利用者である。本実施形態における利用者は、金融機関を通じて電子記録債権機関に登録されている企業あるいは個人を示している。
【0022】
電子記録債権中継システム1は、取引先名称確認システム11、債権管理中継サーバ12、取引先管理データベース13及び記憶部14の各々を有している。
債権管理中継サーバ12は、記録請求を行う利用者からの記録請求の要求に対応して、電子記録債権機関Bの電子記録債権機関システム2にアクセスして記録請求を行い、電子記録債権機関システム2からの請求に対する回答を、請求した利用者の利用者端末3に対して行う。また、債権管理中継サーバ12は、取引先名称確認システム11の利用者情報の照会に対応して、電子記録債権機関Bの電子記録債権機関システム2にアクセスして、利用者識別情報に基づいて記録原簿に登録された利用者情報の照会を行う。
【0023】
ここで、上記記録請求は、電子記録債権機関Bの記録原簿に対する電子記録債権の発生、譲渡及び分割のいずれかの記録の請求を示している。利用者識別情報は、利用者を識別する情報であり、利用者番号及び口座情報のいずれかあるいは双方を含む情報である。利用者は、各金融機関を介して、電子記録債権機関Bの記録原簿に利用者(アカウント)登録を行っている。利用者番号は、電子記録債権機関Bの電子記録債権機関システム2が、登録された利用者を特定するために、各利用者に対して採番する番号である。
【0024】
また、利用者情報とは、電子記録債権機関Bの電子記録債権機関システム2に登録されている登録情報であり、利用者の利用者番号、利用者名称、口座情報(銀行名、支店名、口座番号、口座種別)などの利用者の属性情報である。記録番号は、上記利用者情報に対応して、記録原簿に登録される電子記録債権に対して、電子記録債権機関システム2が電子記録債権を識別するために採番する番号である。登録情報は、電子記録債権個々の情報であり、記録番号に対応して、利用者情報、電子記録債権の金額(債権金額)、支払期日及び電子記録年月日などを含む情報である。
【0025】
利用者管理データベース13は、電子記録債権対応サービス機関Aに登録している利用者の属性情報を関する利用者属性テーブルが記憶されている。
図2は、利用者管理データベース13に書き込まれて記憶されている利用者属性テーブルの構成例を示す図である。利用者属性情報テーブルは、利用者番号に対応したレコード毎に、利用者の属性情報として、利用者番号と、金融機関名、支店名及び口座番号を含む口座情報と、利用者の名称である利用者名称と、利用者の業種と、電子記録債権の支払期日となどが対応付けて記憶されている。
図1に戻り、記憶部14は、記録請求の仮登録の際、個別記録請求あるいは一括記録請求の請求情報が、債権管理中継サーバ12により書き込まれて記憶される。すなわち、記憶部14は、電子記録債権に関する記録を、電子記録債権機関Bの記録原簿に記録するように要求する記録請求に関する情報である請求情報(利用者端末3から供給される)が記録される。
【0026】
取引先名称確認システム11は、取引先名称確認サーバ111、取引先名称管理データベース112_1から取引先名称管理データベース112_nの各々を有している。以下の説明において、取引先名称管理データベース112_1から取引先名称管理データベース112_nの全体を、取引先名称管理データベース112と称することもある。
取引先名称確認サーバ111は、一括記録請求の際、一括記録請求の請求情報における利用者識別情報に基づいて、取引先の利用者名称である取引先名称を、取引先名称管理データベース112から読み出し、この取引先名称が利用者識別情報とともに表示される名称確認表示画面を生成する。そして、取引先名称確認サーバ111は、生成した名称確認表示画面を利用者端末3に対して出力する。
【0027】
また、取引先名称確認サーバ111は、記録請求時における取引先名称管理データベース112における取引先名称(以下、請求時取引先名称と称することもある)と、電子記録債権機関Bからの記録請求に対応する記録結果通知に示されている利用者情報に含まれる利用者名称(以下、最新取引先名称と称することもある)との比較を行なう。そして、取引先名称確認サーバ111は、債権管理中継サーバ12を介して、記録結果通知が供給された場合、請求時取引先名称と、当該記録結果通知における最新取引先名称とが一致しているか否かの判定を行なう。このとき、取引先名称確認サーバ111は、請求時取引先名称と最新取引先名称とが一致していない(すなわち、不一致である)ことを、利用者端末3に対して通知する。
【0028】
取引先名称管理データベース112(取引先名称管理データベース112_1から取引先名称管理データベース112_n)の各々は、それぞれ電子記録債権対応サービス機関Aに登録している利用者毎に関連づけられて設けられている。この取引先名称管理データベース112は、本実施形態において、記録請求を行う以前に、予め、電子記録債権対応サービス機関Aに登録している各利用者の要求に対応して作成される。この取引先名称管理データベース112の作成については後述する。
【0029】
また、取引先名称確認サーバ111は、利用者が事前に上記取引先名称管理テーブルの登録を要求していた場合、当該利用者が一括記録請求を行なう際に、上述した取引先名称管理データベース112における取引先名称管理テーブルを生成する構成としても良い。
また、取引先名称確認サーバ111は、電子記録債権対応サービス機関Aに登録している利用者からの要求がなくとも、上記取引先名称管理データベース112における取引先名称管理テーブルを生成する構成としても良い。
【0030】
図3は、取引先名称管理データベース112に記憶されている取引先名称管理テーブルの構成例を示す図である。
取引先名称管理テーブルは、利用者識別情報に対応したレコード毎に、利用者番号、口座番号、取引先名称及び不一致フラグの各々が対応付けて書き込まれて記憶されている。また、本実施形態においては、利用者識別情報として利用者情報及び口座情報の双方が用いられているが、利用者を識別できる情報であれば、利用者識別情報として利用者番号あるいは口座情報のいずれかを用いても良い。ここで、口座情報は、銀行名、支店名及び口座番号などである。不一致フラグは、取引先名称確認サーバ111における請求時取引先名称及び最新取引先名称との判定が一致しているかあるいは一致していない(不一致である)かの結果を示すフラグである。例えば、取引先名称確認サーバ111は、判定結果が一致している場合「0」とし、一致していない場合「1」として、不一致フラグを設定する。
【0031】
図1に戻り、電子記録債権機関Bの電子記録債権機関システム2は、電子記録債権機関サーバ21及び電子記録債権原簿データべース22を備えている。
電子記録債権機関サーバ21は、電子記録債権機関Bにおける電子記録債権の記録原簿の管理を行なう。電子記録債権機関サーバ21は、利用者からの利用者端末3からの記録請求に対応して、記録原簿の更新、受付結果通知、記録結果通知などを行なう。また、電子記録債権機関サーバ21は、利用者からの利用者端末3からの利用者情報の照会に対応して、利用者情報の抽出及び回答を行なう。
【0032】
電子記録債権原簿データベース22は、利用者情報及び電子記録債権の登録情報の各々が記録された記録原簿が格納されている。この記録原簿は、利用者からの金融機関を介した変更及び削除の要求に応じて、記録されている利用者情報が適時更新される。例えば、利用者の企業名のみが変更となり、利用者番号及び口座番号が変更されない場合には、利用者の企業名のみの変更の要求を受け付け、記録原簿の利用者情報における企業名が更新される。ここで、電子記録債権機関サーバ21は、記録請求に対する回答の通知である記録結果通知の出力において、記録原簿に登録されている最新の利用者情報(利用者名称を含む)を参照して記録結果通知を生成する。
【0033】
利用者端末3_1から利用者端末3_mは、利用者である企業あるいは個人が有しているコンピュータあるいはサーバなどである。また、利用者端末3_1から利用者端末3_mの各々は、表示装置(例えば、液晶ディスプレイあるいはタッチパネル)として、それぞれ表示部31_1、…、表示部31_mを備えている。
【0034】
次に、取引先名称管理データベース112における取引先名称管理テーブルの作成について説明する。取引先名称管理テーブルの作成は、すでに述べたように、利用者からの登録の要求に対応して作成される。
利用者は、電子記録債権対応サービス機関Aの電子記録債権中継システム1に対して、取引先名称管理テーブルに登録したい取引先の利用者番号及び口座情報を、利用者端末3の表示部31に表示される登録画面の入力欄に対し、図示しない入力手段(キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル)により入力する。
債権管理中継サーバ12は、取引先名称管理テーブルに対する取引先の利用者名称の登録を行う要求が利用者端末3から供給された場合、利用者名称の登録処理を取引先名称確認サーバ111に対して指令する。
【0035】
取引先名称確認サーバ111は、取引先名称の事前登録において、利用者管理データベース13における利用者属性テーブルを参照し、登録要求に記載された利用者識別情報に対応する利用者番号、口座情報が検出された場合、この利用者番号、口座情報に対応して記憶されている利用者名称を、取引先名称として読み出す。
そして、取引先名称確認サーバ111は、読み出した取引先名称を、利用者番号、口座情報に対応させて、登録を要求した利用者に関連付けられた取引先名称管理テーブルに対して書き込んで記憶させる。
【0036】
一方、取引先名称確認サーバ111は、取引先名称の事前登録において、利用者管理データベース13における利用者属性テーブルに、登録要求に記載された利用者識別情報に対応する利用者番号、口座情報が検出されない場合、電子記録債権対応サービス機関Bに対して、利用者識別情報を用いた利用者情報の照会を行う。そして、取引先名称確認サーバ111は、電子記録債権機関サーバ21から照会の回答として利用者識別情報に対応した利用者名称を取得し、取引先名称とする。そして、取引先名称確認サーバ111は、電子記録債権機関サーバ21から照会の回答として得られた取引先名称を、利用者番号、口座情報に対応させて、登録を要求した利用者に関連付けられた取引先名称管理テーブルに対して書き込んで記憶させる。
【0037】
上述したように、本実施形態において、電子記録債権対応サービス機関Aの取引先名称確認サーバ111は、電子記録債権対応サービス機関Aに登録している利用者が取引先名称の登録の要求した際、要求した利用者毎に、当該利用者(例えば、利用者番号)に関連づけられた取引先名称管理データベース112を作成する。そして、取引先名称確認サーバ111は、利用者に関連づけられた取引先名称管理データベース112の取引先名称管理テーブルに対して、当該利用者から要求された取引先の利用者の取引先名称を、それぞれの取引先名称に対応する利用者情報に対応付けて、書き込んで記憶させる。
【0038】
上述した構成により、本実施形態においては、利用者が一括記録請求を行なう前に、予め、電子記録債権対応サービス機関Aの取引先名称管理データベース112が、登録を要求した利用毎に作成されているため、一括記録請求を行なう際、利用者識別情報に対応して、この利用者識別情報の示す取引先名称を、取引先名称管理テーブルから抽出するため、債権管理中継サーバ12及び電子記録債権機関サーバ21の各々に対して利用者情報の照会を行なうことによる負荷を与えることなく、リアルタイムで利用者に確認させることが容易にできる。しかし、電子記録債権原簿データベース22の記録原簿は、上述したように、利用者からの金融機関を介した登録や変更、削除の要求に応じて、記録されている利用者情報が適宜更新される。そのため、取引先名称管理データベース112に記憶されている利用者情報に関連付けられた取引先名称と、電子記録債権原簿データベース22に記憶されている同じ利用者番号に関連付けられた取引先名称が、異なる場合が発生する。
【0039】
次に、取引先名称確認サーバ111が記録請求毎に行なう利用者識別情報に対応する請求時取引先名称と最新取引名称とが一致するか否かの判定を行なう処理の説明を行なう。
図4は、電子記録債権の一括記録請求が行なわれた際における電子記録債権システムの動作例を示すシーケンス図である。すでに述べたように、本実施形態においては、金融機関が電子記録債権対応サービス機関Aを含む構成としている。以下、電子記録債権の一括記録請求が行なわれた場合の電子記録債権システムの動作を説明する。
【0040】
ステップF1:
利用者が利用者端末3を介して、金融機関のホームページから記録請求を行なうため、図示しない金融機関サーバが金融機関のホームページの記録請求のアプリケーションにおける利用者端末3の表示部31に対し、債権管理中継サーバ12にアクセスするインターフェース画面を表示する。そして、利用者が利用者端末3を介してインターフェース画面において、金融機関に登録してある利用者ID(identification)及びパスワードなどを用いたログイン処理を行なう。そして、債権管理中継サーバ12は、ログインが正しく行なわれた場合、個別記録請求及び一括記録請求のいずれかであるかを入力する画面表示を、利用者端末3を介して表示部31の画面に表示する。利用者は、表示部31において記録請求として一括記録請求を選択し、利用者端末3を介して記録請求する複数の利用者識別情報及び電子記録債権の一括記録請求の情報を、例えばCSV(comma-separated values)のファイル形式で電子記録債権対応サービス機関Aに対して出力する。ここで、電子記録債権対応サービス機関Aのコンピュータシステムの仕様において、取引先の利用者の取引先名称が記録請求に必要な項目ではないため、記録請求においては、取引先を特定する情報としては利用者識別情報のみが含まれる。
【0041】
債権管理中継サーバ12は、仮登録として、利用者識別情報及び電子記録債権の一括記録請求の情報を記憶部14に一旦書き込んで記憶させる(仮登録)。
そして、債権管理中継サーバ12は、取引先名称確認サーバ111に対して、入力された一括記録請求の情報に、一括記録請求における利用者識別情報に対応した取引先名称を付加した表示画面の作成を依頼する。
これにより、取引先名称確認サーバ111は、債権管理中継サーバ12を介して、記憶部14から利用者識別情報及び電子記録債権の一括記録請求の情報を読み出す。
【0042】
そして、取引先名称確認サーバ111は、一括記録請求を行なった利用者の識別情報に対応した取引先名称管理データベース112を選択し、選択した取引先名称管理データベース112を参照する。取引先名称確認サーバ111は、一括記録請求における記録請求毎の利用者識別情報に基づき、記録請求それぞれの取引先の取引先名称を、取引先名称管理データベース112から読み出す。取引先名称確認サーバ111は、仮登録における利用者に提供する確認の表示画面(仮登録確認画面)を作成し、記憶部14に対して書き込んで記憶させる。
【0043】
図5は、仮登録において利用者が取引先を確認する、取引先名称確認サーバ111が生成した示画面の一例を示す図である。
図5において、領域500には、一括記録請求を請求した利用者(請求利用者)の利用者情報、利用者番号、利用者名称及び口座情報が示されている。また、領域600には、取引先の利用者情報が示されている。利用者情報としては、通番のレコード単位に記録請求毎の利用者識別情報、取引先名称及び記録請求の情報が示されている。この一括記録請求は電子記録債権の発生に対する記録請求であるため、記録請求の情報として債権の金額及び支払期日が示されている。
【0044】
ボタン701は、一括記録請求における全ての取引先が正しい場合に、一括記録請求を電子記録債権機関Bに対して請求を、債権管理中継サーバ12に対して実行させるために設けられている。ボタン702は、一括記録請求におけるいずれかの取引先が正しくない場合に、一括記録請求を一旦差し戻す処理、すなわち、一括記録請求を債権管理中継サーバ12に対して再び仮登録を行なう処理を行なうために備えられている。
また、譲渡及び分割の記録請求の各々の場合には、それぞれ
図5と異なる記録請求の情報が示される。
【0045】
通番の欄には、一括記録請求のファイルに記載された利用者識別情報の記載順番を示している。利用者番号/利用者名称の欄には、利用者番号と、この利用者番号に対応する利用者名称(取引先名称)との組み合わせを示している。金融機関名・支店名及び口座番号の欄には、請求した利用者の取引先である利用者が使用している金融機関名及び支店名と口座番号とが記載される。金額の欄には電子記録債権の金額が示され、支払期日の欄には電子記録債権の示す金額の支払いを行なう年月日が示されている。
【0046】
ステップF2:
次に、取引先名称確認サーバ111は、債権管理中継サーバ12を介して、作成した仮登録確認画面を、仮登録確認情報として利用者端末3に対して出力する。
利用者端末3は、取引先名称確認サーバ111から供給される仮登録画面を表示部31に表示する。そして、利用者は、表示部31の表示画面に表示される仮登録画面を参照し、一括記録請求における記録請求の各々の取引先が正しいか否かの判定を、利用者番号に対応して表示されている利用者名称(取引先名称)を確認することにより行なう。
【0047】
ステップF3:
利用者は、仮登録画面における記録請求の各々の取引先が正しいか否かの判定の結果において、一括記録請求における全ての記録請求の取引先が正しい場合に、表示部31の仮登録画面における承認ボタンをクリックする。一方、利用者は、一括記録請求におけるいずれかの記録請求の取引先が正しくない場合に、表示部31の仮登録画面における差し戻しボタンをクリックする。
ここで、利用者端末3は、表示部31の表示画面において、承認のボタン701が選択された場合、電子記録債権対応サービス機関Aに対して、利用者が承認したことを示す承認情報を出力する。一方、利用者端末3は、表示部31の表示画面において、差し戻しボタン702が選択された場合、電子記録債権対応サービス機関Aに対して、利用者が差し戻しを指示したことを示す差し戻し情報を出力する。
【0048】
ステップF4:
債権管理中継サーバ12は、利用者端末3から承認情報が供給された場合、記憶部14に記憶されている一括記録請求の請求情報を、電子記録債権機関Bの電子記録債権機関サーバ21に対応するフォーマットに変換する。そし、債権管理中継サーバ12は、フォーマット変換した一括記録請求の請求情報を、電子記録債権機関Bの電子記録債権機関サーバ21に対して送信する(一括記録請求の要求)。
一方、利用者端末3から差し戻し情報が供給された場合、記憶部14に記憶されている一括記録請求の請求情報を読出し、記憶部14に記憶されている一括記録請求の請求情報を削除する。
【0049】
ステップF5:
債権管理中継サーバ12は、利用者端末3から承認情報が供給され、電子記録債権機関Bの電子記録債権機関サーバ21に対して一括記録請求が行なわれた場合、利用者端末3に対して一括記録請求の処理が終了したことを通知する。
一方、利用者端末3から差し戻し情報が供給され、記憶部14において一括記録請求の情報が削除された場合、削除する前に読み出した一括記録請求の情報を、利用者端末3に対して送信する(差し戻しを行なう)。
【0050】
ステップF6:
電子記録債権機関サーバ21は、一括記録請求の情報を受け付け、一括記録請求における記録請求毎に電子記録債権としての記録番号を採番する。この時点においては、電子記録債権機関サーバ21は、電子記録債権原簿データベース22の記録原簿から、一括記録請求における記録請求毎の利用者識別情報に対応した利用者情報を検索し、記録請求それぞれにおける利用者名称(取引先名称)を読み出すことは行なわない。
そして、電子記録債権機関サーバ21は、一括記録請求の情報とともに、抽出した取引先名称、採番した記録番号を含む、一括記録請求を受け付けたことを示す通知として、債権管理中継サーバ12に対して、一括記録請求の受付結果通知を送信する(受領回答)。
【0051】
ステップF7:
債権管理中継サーバ12は、電子記録債権機関サーバ21から供給された一括記録請求の回答情報を、電子記録債権機関サーバ21に対応するフォーマットから、利用者端末3で使用されるフォーマットに変換する。すなわち、債権管理中継サーバ12は、一括記録請求の回答情報から、
図5に示す仮登録確認画面と同様の形態の回答確認画面を生成する。
そして、債権管理中継サーバ12は、生成した回答確認画面を、記憶部14に対して書き込んで記憶させるとともに、この回答確認画面を利用者端末3に対して出力する(受領回答)。
【0052】
図6は、電子記録債権機関サーバ21からの一括記録請求の回答情報を利用者が確認する、債権管理中継サーバ12が生成した表示画面の一例を示す図である。
図6において、領域550には、
図5の領域500と同様に、一括記録請求を請求した利用者(請求利用者)の利用者情報、利用者番号、利用者名称及び口座情報が示されている。また、領域650には、取引先の利用者情報が示されている。利用者情報としては、通番のレコード単位に記録請求毎の利用者識別情報、取引先名称及び電子記録債権情報が示されている。
【0053】
ここで、利用者番号/利用者名称の欄に記載されている取引先名称は、取引先名称確認サーバ111が取引先名称管理データベース112における取引先名称である。電子記録債権情報としては、一括記録請求における記録請求毎の電子記録債権の金額及び支払期日とともに、それぞれの記録番号と登録状況とが示されている。記録番号は、電子記録債権機関サーバ21により記録請求毎に採番された電子記録債権の記録原簿における番号である。登録状況としては、この受領回答の際には未確認となっている。この一括記録請求は電子記録債権の発生に対する記録請求であるため、電子記録債権情報において債権の金額、支払期日及び登録状況が示されている。
【0054】
ステップF8:
電子記録債権機関サーバ21は、一括記録請求に対する登録の成立及び不成立に関する回答(記録結果通知)を、債権管理中継サーバ12に対して送信する。すなわち、電子記録債権機関サーバ21は、一括記録請求の記録請求毎に、上述した
図6の電子記録債権情報において登録状況の項目に代えて取引結果の項目を付加し、この取引結果として記録が成立したか、あるいは記録が不成立となったかを示した一括記録請求回答の情報を、債権管理中継サーバ12に対して送信する。このとき、電子記録債権機関サーバ21は、電子記録債権原簿データベース22の記録原簿から、一括記録請求における記録請求毎の利用者識別情報に対応した利用者情報を検索し、記録請求それぞれにおける利用者名称(取引先名称)を読み出す。このため、記録結果通知に含まれる、利用者情報における利用者名称は、取引先名称確認サーバ111が取引先名称管理データベース112から抽出した取引先名称ではなく、電子記録債権機関サーバ21が電子記録債権原簿データベース22から、取引先の利用者識別情報により抽出した利用者情報における最新の利用者名称(最新取引先名称)である。
【0055】
ステップF9:
取引先名称確認サーバ111は、債権管理中継サーバ12を介して、電子記録債権機関サーバ21から一括記録請求回答(記録結果通知)の情報が供給された際、この情報に基づいて、上記記録結果通知における最新取引先名称と、取引先名称管理データベース112の取引先名称管理テーブルにおける請求時取引先名称とが一致しているか否かの判定を行なう。このとき、取引先名称確認サーバ111は、利用者識別情報毎に、
図3に示す取引先名称管理テーブルの不一致フラグの欄に、最新取引先名称と請求時取引先名称との比較結果を示すフラグを設定する。
そして、取引先名称確認サーバ111は、取引先名称管理テーブルを参照して、記録結果通知の結果を示す記録結果表示画面を生成する。債権管理中継サーバ12は、取引先名称確認サーバ111が生成した記録結果表示画面を、利用者端末3に対して送信する(一括記録回答)。
また、利用者端末3は、取引先名称確認サーバ111から供給される記録結果表示画面を、表示部31に表示する。
【0056】
図7は、取引先名称確認サーバ111が生成した記録結果表示画面の一例を示す図である。領域800には、請求時取引先名称と最新取引先名称とが不一致の場合、図に示すように、「お取引先の利用者名称が請求時の内容から変更になっています。請求明細詳細ボタンを押し、明細を御確認ください。」との文字が表示される。領域801には、一括記録請求に対する登録の成立及び不成立に関する結果が示される。この領域801には、一括記録請求の全ての記録請求が問題なく記録請求が成立した場合には「OK」の文字が表示され、一方、一括記録請求におけるいずれかの記録請求が不成立の場合には「NG」の文字が表示される。領域802には、一括記録請求を請求した利用者(請求利用者)の利用者情報、利用者番号、利用者名称及び口座情報が示される。ボタン803は、「請求明細詳細」が示されており、請求明細詳細を要求するためのボタンである。このボタンを利用者がクリックすることにより、利用者端末3が、取引先名称確認サーバ111に対して、請求明細詳細を示す表示画面を要求する。
【0057】
ステップF10:
利用者が表示部31の記録結果表示画面における
図7に示す請求明細詳細を要求するボタン803をクリックすることにより、利用者端末3は、電子記録債権対応サービス機関Aに対して請求明細詳細を要求する。
取引先名称確認サーバ111は、上記請求明細詳細の要求に対応して、記録結果通知及び取引先名称管理テーブルの各々の記載に基づき、請求明細詳細表示画面を生成する。
【0058】
図8は、取引先名称確認サーバ111が生成した記録結果表示画面の一例を示す図である。
図6と同様に、領域550には、一括記録請求を請求した利用者(請求利用者)の利用者情報、利用者番号、利用者名称及び口座情報が示されている。領域660には、取引先の利用者情報が示されている。利用者情報としては、通番のレコード単位に記録請求毎の利用者識別情報、取引先名称、電子記録債権情報及び不一致有無が示されている。ここで、利用者番号/利用者名称の欄に記載されている取引先名称は、取引先名称確認サーバ111が取引先名称管理データベース112から抽出した取引先名称ではなく、電子記録債権機関サーバ21が電子記録債権原簿データベース22から、取引先の利用者識別情報により抽出した利用者情報における最新の利用者名称(最新取引先名称)である。不一致有無は、請求時取引先名称と最新取引先名称とが一致しているか否かを示しており、例えば、一致している場合には何も記載されず(フラグが設定されず)、不一致の場合にはアスタリスクが記載されている(フラグが設定されている)。
【0059】
また、電子記録債権情報の欄において、電子記録債権の金額、支払期日及び記録番号とともに、登録状況の項目に代えた取引結果の項目に、取引結果として記録請求を行なった電子記録債権の記録が成立した(登録された)か、あるいは記録が不成立となった(登録されなかった)かを示す。ボタン680は、「請求明細詳細」が示されており、請求時取引先名称と最新取引先名称との不一致の差分を要求するボタンである。このボタン680を利用者がクリックすることにより、利用者端末3が、取引先名称確認サーバ111に対して、請求時取引先名称と最新取引先名称との不一致の差分を示す表示画面を要求する。
【0060】
ステップF11:
取引先名称確認サーバ111は、作成した上記請求明細詳細の表示画面である請求明細詳細画面を、利用者端末3に対して出力する。
これにより、利用者端末3は、取引先名称確認サーバ111から供給される請求明細詳細画面を、表示部31に表示する。
利用者は、利用者端末3の表示部31に表示される、債権管理中継サーバ12から供給される請求明細詳細画面を参照し、電子記録債権機関Bの記録原簿に対する一括記録請求における各記録請求の登録の成立及び不成立の確認を行なう。また、利用者は、いずれの取引先が不一致となり、請求時取引先名称が最新取引先名称に変更されたかの確認を行なう。
【0061】
次に、利用者がボタン680をクリックすることにより、利用者端末3は、取引先名称確認サーバ111に対して、請求時取引先名称と最新取引先名称との不一致の差分を示す確認表示画面を要求する。これに対応して、取引先名称確認サーバ111は、不一致と判定した請求時取引先名称と最新取引先名称との各々を並べた確認表示画面を生成し、生成した確認表示画面を利用者端末3に送信する。利用者端末3は、取引先名称確認サーバ111から供給される請求時取引先名称と最新取引先名称との各々を並べた確認表示画面を、表示部31に表示する。
【0062】
上述したように、本実施形態においては、請求時の取引先名称と記録結果通知における取引先名称の不一致から、取引先が取引先名称を請求時取引先名称から最新取引先名称に変更したことが判り、かつ一括記録請求の際に、一括記録請求における全ての記憶請求における請求時取引先名称が、記録結果通知における最新取引先名称との一致及び不一致のいずれであるかを、
図8に示す請求明細詳細画面により一括して容易に確認することができる。これにより、利用者に対して、取引先名称管理データベース112の取引先名称管理テーブルにおいて、取引先名称を最新取引先名称に変更する処理を促すことができる。取引先名称確認サーバ111は、利用者からの取引先名称の変更の要求に対応して、取引先名称管理データベース112の取引先名称管理テーブルにおける請求時取引先名称を最新取引先名称に変更する構成としても良い。
また、不一致と判定された取引先名称が存在した場合、記録請求を行なった利用者のみではなく、電子記録債権対応サービス機関Aに登録している利用者のなかで、不一致となった取引先名称の利用者を取引先としている利用者を利用者管理データベース13から抽出し、抽出した全ての利用者に対して、不一致となった取引先名称を通知するように、取引先名称確認サーバ111を構成しても良い。
このため、本実施形態によれば、不一致となった取引先名称の利用者を、この利用者を取引先としている利用者の全てに通知することにより、記録請求を行なった利用者以外の利用者も、自身が一括記録請求を行なう前の早い段階において、取引先名称が変更されている取引先の利用者を確認することができる。
【0063】
また、本実施形態においては、利用者が電子記録債権対応サービス機関Aに対して一括記録請求の仮登録を行なう際、仮登録した一括記録請求における記録請求毎に利用者識別情報だけでなく、予め取引先名称管理データベース112における取引先名称管理テーブルから、利用者識別情報に対応した取引先名称を読み出して、利用者識別情報とともに読み出した取引先名称を利用者に示すことが可能であるため、債権管理中継サーバ12及び電子記録債権機関サーバ21の各々に対して負荷を与えることなく、リアルタイムで利用者に確認させることが容易にできる。
【0064】
また、本実施形態においては、電子記録債権対応サービス機関Aにおいて、利用者毎に取引先名称管理データベース112を関連づけて設けているため、他の利用者からのアクセスを防止することができるため、取引先などの情報の漏洩を防止することができ、利用者の秘密保持のセキュリティを向上させることができる。
【0065】
また、上述した実施形態における
図3に示す取引先名称管理データベース112の取引先名称管理テーブルを、
図9に示す構成に代えても良い。
図9は、取引先名称管理データベース112に記憶されている取引先名称管理テーブルの他の構成例を示す図である。
図9においては、
図6における取引先名称管理テーブルの利用者番号、口座情報、取引先名称及び不一致フラグに加えて、登録名称が付加されている。登録名称は、取引先名称管理テーブルの登録を要求する利用者が自身の取引先の利用者に対して付与した、取引先名称とは異なるより明確に取引先を確認できる形態の名称である。
【0066】
例えば、利用者が企業とした場合、利用者名称はこの企業の企業名となる。このため、取引先として、同一企業における異なる部署という場合があり、この場合に取引先名称のみでは企業の判別しかできず、記録請求における取引先が正しいか否かの判定が困難となる。
しかしながら、
図7に示すように、登録名称として企業の各部署、例えば△△株式会社営業部などを登録名称として登録しておくことにより、仮登録の確認の際に、利用者識別情報に対応して取引先名称及び登録名称の各々を表示することにより、詳細に取引先を判別することができる。
この構成の場合、
図5の領域600の利用者番号/利用者名称の欄が利用者番号/利用者名称/登録名称の欄となる。
【0067】
取引先名称確認サーバ111は、債権管理中継サーバ12からの仮登録における利用者に提供する確認の表示画面(仮登録確認画面)を作成の依頼に対応して、一括記録請求における記録請求毎の利用者識別情報に基づき、記録請求それぞれの取引先の取引先名称及び登録名称の各々を、取引先名称管理データベース112の取引先名称管理テーブルから読み出す。そして、取引先名称確認サーバ111は、
図5の領域600の利用者番号/利用者名称の欄を、利用者番号/利用者名称/登録名称の欄に代えた、仮登録における利用者に提供する仮登録確認画面を作成し、記憶部14に対して書き込んで記憶させる。
【0068】
上述した
図7に示す取引先名称管理データベース112における取引先名称管理テーブルの構成を用いることにより、利用者が一括記録請求の仮登録の確認を行なう際に、仮登録確認画面において、利用者識別情報に対応して取引先名称及び登録名称の各々を表示されるため、より詳細に取引先を判別することができる。
また、この他の構成の取引先名称管理テーブルにおいては、登録名称を取引先を利用者が直感的に判別できるように、正確な部署の名称ではなく取り扱う商品の名称などを登録名称として登録することにより、より判別が容易となる。
このとき、利用者は、電子記録債権対応サービス機関Aの電子記録債権中継システム1に対して、取引先名称管理テーブルに登録したい取引先の利用者番号、口座情報及び登録名称を、利用者端末3の表示部31に表示される登録画面の入力欄に対し、図示しない入力手段(キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル)により入力して、取引先名称管理テーブルへの登録を行う。
【0069】
<第2の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態による取引先表示システムを用いた電子記録債権システムの構成例を示す図である。
図10において、
図1の第1の実施形態と同様の構成については同一の名称を付与している。第2の実施形態が
図1の第1の実施形態と異なる点は、取引先名称確認システム11’が取引先名称確認サーバ111と取引先名称管理データベース112_1から取引先名称管理データベース112_nとの各々に加え、取引先名称差分データベース113を備えていることである。以下、第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点について説明する。この取引先名称差分データベース113には、すでに述べた不一致となった、請求時取引先名称と最新取引先名称との組合わせの取引先名称差分テーブルが書き込まれて記憶されている。
【0070】
図11は、取引先名称差分データベース113に書き込まれている取引先名称差分テーブルの構成例を示す図である。この取引先名称差分テーブルは、電子記録債権対応サービス機関Aの利用者管理データベース13に登録している利用者毎に関連づけて設けられている。
図11に示す取引先名称差分テーブルは、請求時取引先名称と、最新取引先名称とが不一致と判定された利用者のテーブル毎に、取引先の利用者の利用者番号及び口座情報と、請求時取引先名称と、最新取引先名称とが示されている。
取引先名称確認サーバ111は、請求時取引先名称と、電子記録債権機関Bからの記録結果通知に示されている最新取引先名称との比較を行ない、請求時取引先名称及び最新取引先名称が不一致の場合、取引先名称差分データベース113におけるこの記録請求を行なった利用者の取引先名称差分テーブルに、
図11に示すように、利用者識別情報とともに書き込んで記憶させる。
【0071】
利用者が利用者端末3から、電子記録債権対応サービス機関Aの電子記録債権中継システム1’に対して、取引先名称の差分(不一致と判定された取引先名称)を要求した場合、取引先名称確認サーバ111は、取引先名称差分データベース113を参照し、利用者に対応する取引先名称差分テーブルから、利用者識別情報毎に、請求時取引先名称及び最新取引先名称の各々を読出し、
図11に示す構成の表示画面である、差分を確認するための確認表示画面を生成し、利用者端末3に対して出力する。そして、利用者端末3は、電子記録債権中継システム1’から供給された確認表示画面を表示部31に表示する。
【0072】
また、最新取引名称に変更された年月日の情報を、それぞれの最新取引名称に対応して記載する構成としても良い。
また、何回も利用者名称が変更されている場合、最初の請求時取引先名称から最新取引先名称まで、上記レコードにおいて時系列に配列させ、それぞれに変更された年月日の情報を付加する構成としても良い。
【0073】
上述した構成により、本実施形態によれば、利用者が利用者端末3により、取引先名称の履歴を要求した際、取引先名称確認サーバ111が、請求時取引先名称と最新取引先名称とが対応して示された取引先名称差分テーブルを参照することにより、取引先名称の変更の履歴を容易に利用者に提供することができ、かつ現在の取引先名称(最新取引名称)の以前の取引先名称を示す確認表示画面を、利用者に対して容易に提供することができる。
【0074】
図12は、取引先名称差分データベース113に書き込まれている取引先名称差分テーブルの他の構成例を示す図である。
図12に示す取引先名称管理データベース112の取引先名称差分テーブルは、請求時取引先名称と、最新取引先名称とが不一致と判定された利用者のテーブル毎に、取引先の利用者の利用者番号及び口座情報と、請求時取引先名称と、請求時登録名称と、最新取引先名称と、最新登録名称とが示されている。ここで、請求時登録名称は、請求時取引先名称に対応して、利用者が付与した登録名称である。また、最新登録名称は、最新取引先名称に対応して、利用者が付与した登録名称である。これらは、利用者が利用者端末3により、電子記録債権対応サービス機関Aの電子記録債権中継システム1’に対して、登録名称の登録を要求すると、取引先名称管理データベース112の登録名称を変更する。
【0075】
このとき、取引先名称確認サーバ111は、取引先名称差分データベース113に対して、変更した登録名称を反映させる。
すなわち、取引先名称確認サーバ111は、取引先名称管理データベース112における取引先名称が最新取引名称に変更された際、登録名称も最新取引先名称に合わせて最新登録名称と変更する。そして、取引先名称確認サーバ111は、取引先名称差分データベース113において、最初の請求時取引先名称及び請求時登録名称から最新取引先名称及び最新登録名称まで、上記レコードにおいて時系列に配列させ、それぞれに変更された年月日の情報を付加する構成としても良い。
【0076】
上述した構成により、本実施形態によれば、利用者が利用者端末3により、取引先名称の履歴を要求した際、取引先名称確認サーバ111が、請求時取引先名称及び請求時登録名称と最新取引先名称及び最新登録名称とが対応して示された取引先名称差分テーブルを参照することにより、取引先名称及び登録名称の変更の履歴を容易に利用者に提供することができ、かつ現在の取引先名称(最新取引名称)及び登録名称(最新登録名称)の以前の取引先名称及び登録名称を容易に提供することができる。
【0077】
また、
図8の記録結果表示画面のボタン680(変更差分確認を要求するボタン)をクリックすると取引先名称を、請求時取引先名称から最新取引先名称への変更を行なう処理が行える変更差分画面を表示するように構成しても良い。
図13は、取引先名称確認サーバ111に対して取引先名称管理データベース112の取引先名称の変更を行なう変更差分画面の一例を示す図である。取引先名称確認サーバ111は、
図11に示す取引先名称差分データベース113の取引先名称差分テーブルを参照して変更差分画面を生成し、生成した上記変更差分画面を利用者端末3に出力する。そして、利用者端末3は、電子記録債権中継システム1’から供給された変更差分画面を、表示部31に表示する。
【0078】
図13の変更差分画面において、領域900には、請求時取引先名称と最新取引名称とが不一致と判定された利用者のレコード毎に、利用者番号、口座情報、請求時取引先名称、最新取引先名称、選択フラグの欄が設けられている。選択フラグの欄には、利用者が利用者端末3の表示部31の表示画面において、フラグを書き込む。本実施形態においては、例えば、選択フラグの欄に「1」が書き込まれている場合にフラグが設定されているとし、「0」が書き込まれている場合にフラグが設定されていないとする。
【0079】
また、ボタン910は、「一括変更」が示されており、請求時取引先名称と最新取引先名称とが不一致となった全ての利用者のレコードに対応した取引先名称を、取引先名称管理データベース112において最新取引先名称に変更する処理を要求するためのボタンである。このボタン910を利用者がクリックすることにより、利用者端末3が、取引先名称確認サーバ111に対して、取引先名称管理データベース112の取引先名称管理テーブルにおいて、請求時取引先名称と最新取引先名称とが不一致となった全ての取引先名称を、最新取引先名称に一括して変更する処理を要求する。これにより、取引先名称確認サーバ111は、取引先名称差分データベース113の取引先名称差分テーブルを参照して、取引先名称管理データベース112の取引先名称管理テーブルにおいて、請求時取引先名称と最新取引先名称とが不一致となった全ての取引先名称を、最新取引先名称に一括して変更する。
【0080】
また、ボタン920は、「選択変更」が示されており、請求時取引先名称と最新取引先名称とが不一致となった利用者のレコードにおいて、領域900の選択フラグで選択された取引先名称のみを、取引先名称管理データベース112の取引先名称管理テーブルにおいて最新取引先名称に変更する処理を要求するためのボタンである。このボタン920を利用者がクリックすることにより、利用者端末3が、取引先名称確認サーバ111に対して、請求時取引先名称と最新取引先名称とが不一致となった利用者のレコードにおいて、領域900の選択フラグで選択された取引先名称のみを、取引先名称管理データベース112の取引先名称管理テーブルにおいて最新取引先名称に変更する処理を要求する。これにより、取引先名称確認サーバ111は、取引先名称差分データベース113の取引先名称差分テーブルを参照して、請求時取引先名称と最新取引先名称とが不一致となった利用者のレコードにおいて、領域900の選択フラグで選択された取引先名称のみを、取引先名称管理データベース112の取引先名称管理テーブルにおいて最新取引先名称に変更する。
【0081】
また、領域930には、「個別変更ボタン」という文字が示されている。この領域930の下部において、利用者毎のレコードの行に対応した位置に配置されているボタン940の各々は、請求時取引先名称と最新取引先名称とが不一致となった利用者のレコードにおいて、このボタン940に対応する行の取引先名称のみを、取引先名称管理データベース112の取引先名称管理テーブルにおいて最新取引先名称に変更する処理を要求するためのボタンである。このボタン920を利用者がクリックすることにより、利用者端末3が、取引先名称確認サーバ111に対して、請求時取引先名称と最新取引先名称とが不一致となった利用者のレコードにおいて、このボタン940に対応する行の取引先名称のみを、取引先名称管理データベース112において最新取引先名称に変更する処理を要求する。これにより、取引先名称確認サーバ111は、請求時取引先名称と最新取引先名称とが不一致となった利用者のレコードにおいて、このボタン940に対応する行の取引先名称のみを、取引先名称管理データベース112において最新取引先名称に変更する。
【0082】
この構成により、本実施形態によれば、利用者の取引先名称の変更を行なう都合により、請求時取引先名称と最新取引先名称とが不一致となった利用者の取引先名称を、一括変更、選択変更、個別変更の変更方法を提供することができ、利用者の取引先名称管理データベース112の取引先名称管理テーブルにおける取引先名称の管理の利便性を向上させることができる。
【0083】
<第3の実施形態>
次に、
図14は、本発明の第3の実施形態による取引先表示システムを用いた電子記録債権システムの構成例を示す図である。
また、
図14において、
図1の構成に加えて、金融機関C_1から金融機関C_pが設けられている。以下、の説明において、金融機関C_1から金融機関C_pの全体を、金融機関Cと称することもある。
図14における他の構成は、電子記録債権対応サービス機関Aが金融機関に備えられていた第2の実施形態における
図10の構成と異り、電子記録債権対応サービス機関Aが金融機関に対して独立した機関として設けられ、金融機関Cと電子記録債権機関Bとの記録請求及び記録請求に対する回答などのデータの送受信の中継センターとなっている。
【0084】
このため、利用者は、自身が登録している金融機関Cの金融機関サーバ4に、利用者端末3からアクセスして、金融機関Cの金融機関サーバ4に対するログインの処理を行なう。そして、金融機関Cの金融機関サーバ4へのログインが成功した後、利用者端末3は、金融機関Cのホームページ上のリンクを介して、電子記録債権対応サービス機関Aの電子記録債権対応サービス機関Aの電子記録債権中継システム1’に接続され、第1の実施形態及び第2の実施形態における、電子記録債権機関Bの電子記録債権機関システム2に対する電子記録債権の記録請求(個別記録請求、一括記録請求)の処理を行う。
上述したように、電子記録債権対応サービス機関Aの電子記録債権中継システム1’は、金融機関C_1から金融機関C_pの各々の金融機関サーバ4_1、…、金融機関サーバ4_pそれぞれを介して、各金融機関Cの顧客である利用者の利用者端末3と接続される。
【0085】
利用者管理データベース13は、複数の分割データベースに、すなわち利用者管理分割データベースに分割されていても良い。この場合、利用者管理分割データベースの各々は、金融機関C毎に割り当てられている(対応付けられている)。そして、利用者管理分割データベースの各々には、割り当てられた金融機関Cの顧客(利用者)の属性を示す利用者属性テーブルがそれぞれ記憶される。
記憶部14は、利用者管理データベース13と同様に、記憶領域が複数の分割記憶領域に分割されており、それぞれの分割記憶領域が各金融機関Cに割り当てられている。そして、分割記憶領域の各々には、各金融機関Cの顧客の一括記録請求の情報などがそれぞれ記憶させる。
【0086】
また、取引先名称管理データベース112の各々は、それぞれ金融機関C毎に割り当てられている。例えば、取引先名称管理データベース112_1は金融機関C_1に割り当てられ、取引先名称管理データベース112_nは金融機関C_pに割り当てられている。そして、取引先名称管理データベース112の各々は、複数の分割データベースに、すなわち取引先名称分割データベースに分割されている。この取引先名称分割データベースの各々には、それぞれ対応付けられた金融機関Cの顧客毎の取引先名称管理テーブルが記憶されている。
【0087】
上述した構成により、電子記録債権対応サービス機関Bにおける電子記録債権中継システム1’における利用者管理データベース13、記憶部14及び取引先名称管理データベース112の各々が金融機関C毎に対応付けられるよう構成されているため、各金融機関のデータ管理のセキュリティを確保することができる。また、取引先名称管理データベース112においては、取引先名称分割データベースの各々にそれぞれ顧客毎の取引先名称管理テーブルが記憶されるため、金融機関Cの顧客毎のセキュリティも保つことができる。
【0088】
また、
図1、
図10及び
図14における電子記録債権システムにおける取引先名称確認システム11の各々機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、取引先名称が記録請求を行なった請求時の取引先名称管理データベース112における取引先名称と、記録結果通知の情報における最新取引先名称とが一致したか否かを判定し、利用者端末に判定結果を通知し、取引先名称の変更を促す処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0089】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0090】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。