特許第6670829号(P6670829)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670829
(24)【登録日】2020年3月4日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】補給セットのインターロック連結
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/10 20060101AFI20200316BHJP
   A61M 39/02 20060101ALI20200316BHJP
   A61M 25/02 20060101ALI20200316BHJP
   A61J 15/00 20060101ALI20200316BHJP
   A61M 39/04 20060101ALN20200316BHJP
【FI】
   A61M39/10 110
   A61M39/10 100
   A61M39/02 114
   A61M25/02 504
   A61J15/00 Z
   !A61M39/04 100
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-514262(P2017-514262)
(86)(22)【出願日】2015年4月30日
(65)【公表番号】特表2017-520356(P2017-520356A)
(43)【公表日】2017年7月27日
(86)【国際出願番号】US2015028387
(87)【国際公開番号】WO2015179094
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2018年5月1日
(31)【優先権主張番号】14/286,459
(32)【優先日】2014年5月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505157979
【氏名又は名称】アプライド・メディカル・テクノロジー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス, グラント ウェズリー
(72)【発明者】
【氏名】ウイリアムス, デレク エム.
【審査官】 佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−535269(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0129090(US,A1)
【文献】 特表2005−527329(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0276356(US,A1)
【文献】 米国特許第08707950(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/10
A61M 39/02
A61M 39/04
A61M 25/02
A61J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用流体を患者に供給するためのインターロックアダプタコネクタセットであって、
剛体を備え、前記剛体は、
入力ポートと、出力ポートと、前記入力ポートと前記出力ポートとの間の経路であって、経路を介して前記医療用流体が前記剛体を通って流れる経路と、
前記剛体から連続的に延びる少なくとも2つのフレキシブルアームであって、各フレキシブルアームの一端にはヒンジが形成され、他端にはロッキング突起が設けられた少なくとも2つのフレキシブルアームと
を備え、
前記フレキシブルアームが前記ヒンジの周囲で内部に向かって窪む場合には、前記フレキシブルアームの前記ロッキング突起も内側に向かって曲がり、
前記インターロックアダプタコネクタセットはさらに、
ボタンを備え、前記ボタンは、
開口を有するボタンベースと、
前記ボタンベースの口に差し込まれたインターロックリングと
を備え、
前記インターロックリングは、縁を有し、前記上縁の内周壁によって前記インターロックリングの開口が画定され、
前記インターロックリングは更に内壁を有し、前記内壁には、内壁周囲を周方向に延びる凹部が有り、前記内壁の全体が前記インターロックリングの口から窪んでいて、前記凹部及び前記内壁が前記インターロックリングの周方向に沿って連続的に形成されており、
前記剛体が、前記ロッキング突起を介して前記インターロックリングと噛合可能であって、前記ロッキング突起が前記インターロックリングの部内に確実に位置し、噛合すると、前記ロッキング突起は前記凹部内で自由に回転するようになっている、インターロックアダプタコネクタセット。
【請求項2】
前記少なくとも2つのフレキシブルアームを窪ませることにより、前記剛体を前記インターロックリングから解放し、前記剛体を前記インターロックリングから噛合解除する、請求項1に記載のインターロックアダプタコネクタセット。
【請求項3】
前記剛体及び前記インターロックリングが剛性材料から作られ、前記ボタンベースがシリコーンから作られる、請求項1に記載のインターロックアダプタコネクタセット。
【請求項4】
暗闇で輝く材料を備える、請求項1に記載のインターロックアダプタコネクタセット。
【請求項5】
噛合すると、前記出力ポートが、前記ボタンベース内部に位置するバルブを貫通する、請求項1に記載のインターロックアダプタコネクタセット。
【請求項6】
各フレキシブルアームの実質的部分と前記剛体との間に、各ヒンジ周囲での各フレキシブルアームの移動を可能にする空間が存在する、請求項1に記載のインターロックアダプタコネクタセット。
【請求項7】
前記剛体及び前記剛体にヒンジで取り付けられた前記フレキシブルアームが、単一の連続的成型ユニットである、請求項1に記載のインターロックアダプタコネクタセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本書に記載の発明は、医療用流体(medical fluid)を患者に供給するインターロック連結アダプタに関する。特に、経腸補給セットのインターロック連結アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な健康状態により、摂食障害が発生し、摂食できなくなることもある。このような場合に、栄養処方食を身体に苦痛なしに供給するうえで便利で有効な手段となるのが胃瘻管である。胃瘻管の処置に際しては、ストーマが胃又は腸壁に形成され、そこにカテーテルが載置される。次いで、補給液が、カテーテルに結合された補給チューブを介して患者に供給される。このプロセスは、経腸補給として知られている。
【0003】
使い心地をよくするために、患者の皮膚又はその近くに置かれる各種薄型カテーテルが開発されている。しかしながら、この種のカテーテルの場合、補給チューブを結合することが難しくなり、特に夜間や大柄な患者に対しては大変になる。何時間もかかる補給は日常的に発生することから、患者が動いてもが漏れないように、補給チューブとカテーテルとを確実に連結することが重要である。液が漏れると、患者に栄養が適切に供給されなくなるばかりか、ストーマの周囲に炎症を引き起こす虞がある。
【0004】
現在、連結アダプタは、ノッチやピン止めにより、カテーテルと補給チューブのノッチを位置合わせしたうえで、捩ってないしはロックして適所に位置調整している。そのような設計では、患者の移動に対して対応することが困難で、暗がりでの位置合わせも難しくなる。他の設計では、カテーテルからロッキングデバイスの突起が必要となって、患者の使い心地や動きやすさを損なう可能性がある。更に他の設計では、スナップコネクタを使用し、連結又は連結解除のためにカテーテルや補給チューブを強く押したり引いたりすることが必要とされる。そのような力により、炎症が発生し、カテーテルがストーマから外れてしまう虞がある。
【0005】
したがって、本書に記載の発明は、経腸補給、一般的には、患者への医療用流体の供給に関するこれら及び類似の問題に対処することを目的とする。
【発明の概要】
【0006】
詳細な説明及び添付の図面に続く、例示的非限定的実施形態の様々な態様の基本的又は一般的な理解を促すために、簡略化された概要を以下に示す。しかしながら、この概要は、広範囲の又は包括的な概説であることを意図するものではない。そうではなく、概要の唯一の目的は、簡略化した形態での幾つかの例示的非限定的実施形態に関するいくつかの概念を、続く様々な実施形態のより詳細な説明に対する前置きとして提示することである。
【0007】
1つの非限定的例によれば、医療用流体を患者に供給するためのインターロックアダプタコネクタは、入力ポート、出力ポート、及び医療用流体が剛体を貫流し得る入力ポートと出力ポートとの間の経路と;剛体から延びる少なくとも2つのヒンジ、及び少なくとも2つのヒンジから延び、一端で剛体と連続しており、他端にロッキング突起を備える少なくとも2つのフレキシブルアームとを備える剛体を備え、フレキシブルアームが、ヒンジ周囲で径方向に内部に向かって窪んでおり、フレキシブルアームのロッキング突起がまた、ヒンジ周囲で径方向に内部に向かって回転する。
【0008】
様々な実施形態では、上記インターロックアダプタコネクタは、プラスチックから形成される剛体を有し得;少なくとも2つのフレキシブルアームが、各フレキシブルアームの外面にユーザのグリップを増大させるためのリッジを備え得;経路が、入力ポートと出力ポートとの間で屈曲又は湾曲し得;経路が、入力ポートと出力ポートとの間で真っすぐであり得;インターロックアダプタが、別個に成型された小片又は単一の成型された小片から成り得;インターロックアダプタコネクタは、暗闇で輝く材料を備え得る。
【0009】
別の非限定的例によれば、医療用流体を患者に供給するためのインターロックアダプタコネクタは、開口を有するカテーテルベースと;開口に差し込まれたインターロックであって、医療用流体が流れ込み得るカテーテルベースの開口を備え、その開口によって形成されたインターロックの内壁が、開口周囲に周方向に位置する凹部を含むインターロックとを備える。
【0010】
様々な実施形態では、カテーテルベースは、カテーテルベースの開口に差し込まれたインターロックで製造され得;インターロックは、カテーテルベースとは別個に製造され得;インターロックリングは、プラスチック又は他の適する材料のうちの少なくとも1つから作られ得、カテーテルベースは、シリコーン又は他の生物学的に適した材料のうちの少なくとも1つから作られ;インターロックアダプタコネクタが、暗闇で輝く材料を備え得る。
【0011】
更に別の非限定的例では、医療用流体を患者に供給するためのインターロックアダプタコネクタセットは、入力ポート、出力ポート、及び医療用流体が剛体を貫流する入力ポートと出力ポートとの間の経路と;一端にヒンジを形成し、反対の端にロッキング突起を備える剛体から延びる少なくとも2つのフレキシブルアームとを備える剛体であって、フレキシブルアームが、ヒンジ周囲で径方向に内部に向かって窪んでおり、フレキシブルアームのロッキング突起がヒンジ周囲を径方向に内側に向かって回転する剛体と、開口を有するカテーテルベースと;カテーテルベースの開口に差し込まれたインターロックリングとを備え、インターロックが、医療用流体がカテーテルベースの開口に流れ込む際に通過する開口を備え、当該開口によって形成されたインターロックの内壁が開口周囲で周方向に凹部を含み、ロッキング突起がインターロックの凹部内に位置し、ロッキング突起が、噛合すると自由に回転するように、インターロックと噛合可能である。
【0012】
様々な実施形態では、少なくとも2つのフレキシブルアームを窪ませることにより、剛体をインターロックから解放し;剛体及びインターロックがプラスチックから作られ得、カテーテルベースがシリコーンから作られ得;インターロックアダプタコネクタが暗闇で輝く材料を備え;噛合すると、出力ポートが、カテーテルベース内部に位置するバルブを貫通し得;及び/又は剛体が別個に成型された小片によって含まれ得る。
【0013】
これらの実施形態及び他の実施形態が、以下でより詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本書に記載の発明の実施形態を使用した患者の経腸補給を示す。
図2A図1で使用されたボタンとインターロック連結アダプタの拡大図を示す。
図2B図2Aのボタンとインターロック連結アダプタの断面図を示す。
図3】インターロックと一方向バルブの実施形態の斜視図を示す。
図4図3の実施形態の断面図を示す。
図4A図3及び図4の代替的実施形態の断面図を示す。
図5】インターロックリングアセンブリ(一方向バルブを有する)に結合された直角の補給セットアダプタの実施形態の斜視図を示す。
図5A】インターロックリングアセンブリから結合解除された直角の補給セットアダプタの別の斜視図を示す。
図5B図5Aの斜視図の断面図を示す。
図6図5の実施形態の断面図を示す。
図6A図5の実施形態の別の断面図を示す。
図7】インターロックリングアセンブリに結合された真っすぐなインターロック補給セットアダプタの実施形態の斜視図を示す。
図8図7の実施形態の断面図を示す。
図9】既存の補給セットアダプタに結合される前の変換アダプタの実施形態の斜視図を示す。
図9A】既存の補給セットアダプタに結合された変換アダプタを示す。
図10図9Aの実施形態の断面図を示す。
図10A図9Aの実施形態の別の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本書では、ある種の用語は便宜上の目的でのみ使用されており、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。本書で使用される関連する語は、類似又は同一のアイテムを特定するために類似の参照番号が使用される図面を参照すると最もよく理解されよう。更に、図面では、幾つかの特徴がやや概略的な形態で示され得る。
【0016】
また、本書における複数の部材に続く「〜のうちの少なくとも1つ」という文言は、本書で使用される場合、部材のうちの1つ、又は部材のうちの複数のものの組み合わせを意味する。例えば、「第1のウィジェット及び第2のウィジェットのうちの少なくとも1つ」は、本出願において、第1のウィジェット、第2のウィジェット、又は第1のウィジェットと第2のウィジェットを意味する。同様に、「第1のウィジェット、第2のウィジェット及び第3のウィジェットのうちの少なくとも1つ」は、本出願において、第1のウィジェット、第2のウィジェット、第3のウィジェット、第1のウィジェットと第2のウィジェット、第1のウィジェットと第3のウィジェット、第2のウィジェットと第3のウィジェット、又は第1のウィジェットと第2のウィジェットと第3のウィジェットを意味する。
【0017】
本書に記載のデバイスは、例えば、経腸の補給セットにより、医療用又は栄養流体を供給するためのインターロック連結アダプタに関する。経腸補給のデバイスが図示及び説明されるが、限定的仕様を意図するものではないことに留意すべきである。例えば、用語「医療用流体(medical Fluid)」は、医学、生理学などに関連した液体及び気体の何れか又はそれらの組み合わせに関係することがある。要するに、本発明は、溶液中の薬品の供給、食品又は他の栄養サプリメントの供給、酸素の供給、又は胃若しくはストーマが存在する体の他の部分からの気体の排出などに適用することができる。
【0018】
図1は、本書に記載のインターロックアダプタ100の実施形態使用を示す。ボタン102は、患者のストーマ104に挿入され、患者の胃122への経路を提供する。図2Aに示されるように、ボタンは、ボタンベース110の開口108から通じる導管106を含み、ここから医療用流体112が患者114へ供給される。使用中に、インターロックアダプタ100は、ボタンベース110で補給源116に結合される。補給源116は、ボタンベース110に結合されたチューブ118によって提供される、ボーラス投与又は連続点滴による補給のどちらかであり得る。インターロックアダプタ100は、医療用流体112の正確な供給を保証し、漏出を防止するために、補給源116と患者114との間に確実でフレキシブルな結合を提供する。インターロックアダプタ100がいったん固定されると、医療用流体112は、補給源116から、供給チューブ118を通って導管106へ、最終的には患者114まで到達し得る。インターロックアダプタ100の様々な実施形態が、以下でより詳しく説明されることになる。
【0019】
ボタンベースはまた、開口108から外側に向かって延び、導管106を接続するために開口108上方に折り畳むことができる安全プラグ120を含む。安全プラグ120が導管106に挿入されると(即ち、導管106が接続されると)、胃漏出を最小化又は防止することができる。ボタン102を接続することによってもまた、好ましくない細菌、破片、粒子などのストーマ104及び胃122への侵入防止又は導管106の汚染防止を支援することができる。幾つかのボタン102は、ボタン102の適所での維持を支援するために、皮下又は胃腔104で膨張し得るバルーン(図示されず)を更に含み得る。そのような実施形態では、バルーンバルブチューブライン230は、バルーンを膨張させるために水又は空気が流れ得るボタンベース110から外側に向かって延びるように位置している。
【0020】
ボタンベース110はまた、ストーマ104に挿入されるとボタンの位置及びバランスの維持を支援するために、安全プラグ120と反対側に外側ボルスタ124を備え得る。加えて、ボタン102及びボタンベース110の開口108は、胃内容物のチューブからの漏出防止のために一方向バルブ128を備えることができる。これは、図2Bに示されている。一方向バルブ128は、インターロックアダプタが適所にあるときだけ開放され得る。インターロックアダプタ100を受容するインターロックリング(又はロッキングリング)126はまた、一方向バルブ128上方の開口108に位置する。インターロックリング126は、ボタン102又はボタンベース110からの任意の突出要素を防止するために、開口108内部に凹入される。しかしながら、他の実施形態では、インターロックリング126の上部がボタンベース110から突出することが所望であり得る。
【0021】
インターロックリング126は、ボタンベース110で事前に組み立てられて提供され得、ボタン102の製造中に、インターロックリング126が、ボタンベース110の開口108内に凹入される。代替的には、インターロックリング126は、エンドユーザによって後から製造され挿入されてもよい。後から製造され挿入されるときには、適した接着剤を使用して、インターロックリング126をボタンベース110に接着させることが望ましく、或いはインターロックリング126がまた、圧力及び摩擦によってボタンベース110の中で保持されてもよい(例えば、ボタンベース110の開口108は、開口108より大きなインターロックを収容するために引っ張られなければならない)。幾つかの実施形態では、インターロックリング126が、本書に記載されるよう機能するのに十分な剛性のあるプラスチック類の材料など、剛性の材料又は硬質の材料から作られる一方で、ボタン102及びボタンベース110は、シリコーンなどのより柔らかい、ゴムのような又はよりフレキシブルな材料から作られる。しかしながら、医学的に安全な材料の任意の組み合わせが、本発明の範囲内にあると想定される。
【0022】
ここで図3図4及び図4Aを参照すると、インターロックリング126及び一方向バルブ128が、それぞれ、斜視図及び断面図で互いに関連して示されている。図3及び図4でわかるように、インターロックリング126は、垂直部分404及び開口300を形成する水平部分を含む支持体402の上に位置し、開口300は、ボタンベース110の開口108を介して、一方向バルブ128を露出する。垂直部分404は、一方向バルブ128の高さに対して延び、これにより、一方向バルブ128でインターロックリング126の更なる構造的統合及び保護が提供される。図4及び図4Aの断面図から分かるように、インターロックリング126はまた、開口300を形成する内壁周囲を周方向に延びる凹部400を備える。凹部400は、図2Aのアダプタ100などのアダプタが結合されると、ロッキング機構として作用するのであるが、詳細は以下に記載される。インターロックリング126の上縁302は、補給セットアダプタの挿入を容易にし、したがって患者に作用する圧力の量を削減するために、図示されたように面取りされ得る。幾つかの実施形態では、インターロックリング126及び垂直部分404を有する支持体402は、単一の構成要素又は組み合わせた構成要素として製造され得る。図4Aに示された実施形態では、インターロックリング126は、面取りされた上縁302及び内壁周囲を周方向に延びる凹部400を有する単一の成型ユニットであり、一方向バルブ128の上方に直接位置する。
【0023】
図5図5A図5B図6、及び図6Aは、直角のアダプタ500及び一方向バルブ128を有するインターロックリング126の斜視図及び断面図を示す。特に、図5が、インターロックリング126に結合され、一方向バルブ128に挿入された直角のアダプタ500の斜視図を示している一方で、図5A及び図5Bは、インターロックリング126に結合されていない直角のアダプタ500の斜視図及び断面図をそれぞれ示している。図6及び図6Aは、図5に示されたような、インターロックリング126に結合され一方向バルブに挿入された直角のアダプタ500の断面図を示している。
【0024】
これらの図を参照すると、直角のアダプタ500は、プラスチック又は他の剛性材料から作られた剛体600を備える。剛体600は、剛体600の反対側にヒンジで取り付けられた(608において)フレキシブルアーム602を有している。ヒンジで取り付けられたフレキシブルアーム602は、剛体600と連続しており、ヒンジで取り付けられたフレキシブルアームと剛体との間の結合には継ぎ目がなく、同じ材料から成る。
【0025】
換言すると、剛体600は、剛体600と連続しており、剛体600から外側に向かって延びる2つのヒンジ608を含む。各ヒンジは、剛体600の有効な連続部分であるフレキシブルアーム602内に延びる。即ち、フレキシブルアーム602が、ヒンジ608で剛体600に取り付けられ、各ヒンジ608が曲がり、各フレキシブルアーム602を移動させることができるように、各フレキシブルアーム602の実質的部分とアダプタ500の剛体600との間に空間が存在する。フレキシブルアーム602が窪むと、フレキシブルアーム602とヒンジ608を介して有効に形成された剛体600との間の空間はそのままで、フレキシブルアーム602が、ヒンジ608によって内側に向かって曲がる。
【0026】
各フレキシブルアーム602は、ヒンジで取り付けられる場所と反対側のアーム602の端にロッキング突起604を備える。幾つかの実施形態では、これらのロッキング突起604は、面取りされ得る。このように、ロッキング突起604の面取りされた縁が、インターロックリング126の面取りされた縁302と接触すると、ロッキング突起604は、インターロックリング126の開口300内にスライドし、インターロックリング126の凹部400内に適合でき、これにより、アダプタ500はインターロックリング126内部にロックされる。インターロックリング126の凹部400がインターロックリング126周囲で周方向に位置しているので、アダプタ500は(ロッキング突起604を介して)、インターロックリング126周囲を自由に回転しつつ、一体的に結合したままであり得る。フレキシブルアーム602はまた、グリップを増大又は改良するためのリッジ606を備え得る。例えば、アダプタ500をインターロッキングリング126に挿入するために、ユーザは、フレキシブルアーム602をしっかりと把持し、アダプタ500をインターロックリング126に押し込んでもよい。結合解除するために、ユーザは、フレキシブルアーム602を圧搾し、これによりロッキング突起604を内側に向かって移動させ、インターロックリング126の凹部400のロッキング突起604を除去することができる。アダプタ500は、次いで、インターロックリング126から引き抜かれ得る。
【0027】
アダプタ500はまた、入力ポート612と出力ポート614との間に経路610を備え、医療用流体が入力ポート612に入り、経路510を通って出力ポート614まで放出され得る。図示されたように、出力ポート614は、アダプタ500の剛体600及びフレキシブルアーム602を越えて突出し、アダプタ500がインターロックリング126に結合すると、出力ポート614は、ボタンの一方向バルブを貫通し、開放する。要するに、いったん結合されると、医療用流体は、アダプタ500の入力ポート612に送出され、ボタン102の導管106を通過し得る。図示されるように、入力ポート612及び出力ポート614は、互いに垂直である。したがって、入力ポート612と出力ポート614との間の経路は、直角を形成する。
【0028】
図7及び図8は、図5図5A図6及び図6Aに図示及び説明されたものと実質的に類似のアダプタを示しているが、図7及び図8の実施形態は、真っすぐなアダプタ700を示している。要するに、入力ポート及び出力ポートが直角に交わり角度を有する経路を要するのではなく、真っすぐなアダプタ700は、入力ポート802と出力ポート804との間の経路804が真っすぐになるように、出力ポート802の上方に入力ポート800を有している。
【0029】
最後に、図9図9A図10、及び図10Aは、本発明の変換インターロックアダプタ900を示す。アダプタ900は、補給セットアダプタをインターロックリングアセンブリに(ボタンの中で)連結するために、既存の補給セットアダプタと共に使用可能である。アダプタ900は、そこから連続してシームレスに延びるヒンジで取り付けられたフレキシブルアーム1010を有する剛性フレーム1000と、図5から図8において先ほど記載されたものと類似の各アームの端にロッキング突起1020とを備える。ヒンジで取り付けられたアームは、インターロックリングと係合し、かつインターロックリングから係合解除されるように、内側に向かって曲がる。リングフレーム1000は、入力ポート、出力ポート及び流体が流れるための経路を有する別個の既存の補給セットアダプタを受容するための開口1040を含む。既存のアダプタ1080の出力ポート1060は、剛性フレーム1000の開口1040を通って挿入され、既存のアダプタ1080の出力ポート1060の一部を取り囲むリッジ1100を変換インターロックアダプタ900の相補型リッジ1100と噛合させることによって、適所でロックされ得る。したがって、図5から図8の実施形態に示されるアダプタが、例えば、プラスチック成型によって、単一の小片として製造されるのに対して、図9から図10の変換インターロックアダプタ900は、既存のアダプタ1080から分離可能である。
【0030】
また、上記の実施形態の何れかのアダプタ及びインターロックは、黒皮材から製造されてもよく、又は黒皮材の光でコーティングされてもよいことに留意すべきである。したがって、インターロック及びアダプタは、暗闇でより見えやすいことがある。
【0031】
用語「実質的に」は、本書では、推定の用語として使用する。
【0032】
様々な特徴がこれまでに提示されてきたが、それらの特徴は、単独で又はそれらの任意の組み合わせで使用され得ることを理解すべきである。更に、特許請求された実施例が関係する変形例及び修正例が当業者に想起され得ることも理解すべきである。本書に記載された実施例は、例示的なものである。本開示により、当業者は、特許請求の範囲に列挙された要素に同様に対応する代替的要素を有する代替的設計を行い使用することが可能になろう。したがって、意図された範囲は、特許請求の範囲の文言と異ならない又は実質的に異ならない他の例を含み得る。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲に明示されるように定義される。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図4A
図5
図5A
図5B
図6
図6A
図7
図8
図9
図9A
図10
図10A