特許第6670883号(P6670883)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6670883情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6670883
(24)【登録日】2020年3月4日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/21 20190101AFI20200316BHJP
   G06F 16/26 20190101ALI20200316BHJP
【FI】
   G06F16/21
   G06F16/26
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-87065(P2018-87065)
(22)【出願日】2018年4月27日
(62)【分割の表示】特願2015-69446(P2015-69446)の分割
【原出願日】2015年3月30日
(65)【公開番号】特開2018-147508(P2018-147508A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2018年5月22日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000191076
【氏名又は名称】日鉄ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】迫田 匡一
【審査官】 田中 啓介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−003549(JP,A)
【文献】 特開2004−030221(JP,A)
【文献】 特開平08−115341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F12/00、13/00
G06F16/00−16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
DATA WAREHOUSE(DWH)を用いたデータ分析に用いられる情報処理装置であって、
ネットワークを介して接続された端末装置からの前記DWHにおけるCENTRAL WAREHOUSE(CWH)から特定のデータが抜き出されたテーブルである個別テーブルに対する列追加指示に応じて、前記個別テーブルに追加データを書き込み可能な列を追加する追加手段と、
前記端末装置を介して行われた前記追加手段により追加された前記書き込み可能な列に対する追加データ書き込み指示に応じて、前記書き込み可能な列に追加データを書き込む書き込み手段と、
前記書き込み手段により書き込まれた前記追加データを、前記CWH内のデータと前記個別テーブル内のデータとを対応付けるための識別子と対応付けて、前記CWHに記録する記録手段と、
を有し、
前記CWHは、対応する値を識別するためのキーと、値と、のペアでデータを管理するデータストアであるKey Value Store(KVS)である、
情報処理装置。
【請求項2】
前記追加手段は、前記個別テーブルに対する列追加指示に応じて、前記個別テーブルを一旦削除し、前記個別テーブルを構成する列と、前記書き込み可能な列と、から構成される新たな個別テーブルを生成することにより、前記個別テーブルに前記書き込み可能な列を追加する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
ネットワークを介して接続された端末装置からの生成指示に応じて、前記記録手段により前記CWHに記録された前記追加データを含む第2の個別テーブルを生成する生成手段と、
前記端末装置からの表示指示に応じて、前記生成手段により生成された前記第2の個別テーブルを、前記端末装置の表示部に表示させる表示手段を更に有する請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記追加手段は、前記端末装置からの前記生成手段により生成された前記第2の個別テーブルに対する列追加指示に応じて、前記第2の個別テーブルに追加データを書き込み可能な列を追加し、
前記書き込み手段は、前記端末装置からの追加データ書き込み指示に応じて、前記第2の個別テーブルの前記書き込み可能な列に追加データを書き込む請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記録手段は、前記書き込み手段により書き込まれた前記追加データを、前記追加手段により追加された前記書き込み可能な列を示す情報及び前記識別子を含む前記KVSのキーと対応付けて、前記CWHに記録する請求項1乃至4何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記端末装置からの前記個別テーブルに対する列削除指示に応じて、前記個別テーブルから、前記追加手段により追加された前記書き込み可能な列を削除する削除手段を更に有する請求項1乃至何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項7】
端末装置と、DATA WAREHOUSE(DWH)を用いたデータ分析に用いられる情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、
前記端末装置は、
ネットワークを介して接続された前記情報処理装置に、前記DWHにおけるCENTRAL WAREHOUSE(CWH)から特定のデータが抜き出されたテーブルである個別テーブルへの書き込み可能な列の追加を指示する指示手段を有し、
前記情報処理装置は、
前記指示手段による指示に応じて、前記個別テーブルに追加データを書き込み可能な列を追加する追加手段と、
前記端末装置を介して行われた前記追加手段により追加された前記書き込み可能な列に対する追加データ書き込み指示に応じて、前記書き込み可能な列に追加データを書き込む書き込み手段と、
前記書き込み手段により書き込まれた前記追加データを、前記CWH内のデータと前記個別テーブル内のデータとを対応付けるための識別子と対応付けて、前記CWHに記録する記録手段と、
を有し、
前記CWHは、対応する値を識別するためのキーと、値と、のペアでデータを管理するデータストアであるKey Value Store(KVS)である、
情報処理システム。
【請求項8】
DATA WAREHOUSE(DWH)を用いたデータ分析に用いられる情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ネットワークを介して接続された端末装置からの前記DWHにおけるCENTRAL WAREHOUSE(CWH)から特定のデータが抜き出されたテーブルである個別テーブルに対する列追加指示に応じて、前記個別テーブルに追加データを書き込み可能な列を追加する追加ステップと、
前記端末装置を介して行われた前記追加ステップで追加された前記書き込み可能な列に対する追加データ書き込み指示に応じて、前記書き込み可能な列に追加データを書き込む書き込みステップと、
前記書き込みステップで書き込まれた前記追加データを、前記CWH内のデータと前記個別テーブル内のデータとを対応付けるための識別子と対応付けて、前記CWHに記録する記録ステップと、
を含み、
前記CWHは、対応する値を識別するためのキーと、値と、のペアでデータを管理するデータストアであるKey Value Store(KVS)である、
情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1乃至何れか1項記載の情報処理装置の各手段として、機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業内外に存在する様々なデータを集めて分析を行う仕組みとして、従来からDWH(DATA WAREHOUSE)が用いられてきた。DWHとは、基幹システム等で日々生まれるデータを一か所(CWH(CENTRAL WAREHOUSE、以下では基幹データベース))に収集・蓄積する仕組みである。蓄積されたデータは、BI(Business Intelligence)等の情報系アプリケーションによる分析に用いられる。
情報系アプリケーションによるデータ分析を行う際には、夫々のアプリケーションに適した形式でのデータ管理や、ユーザ単位でのアクセス権限の管理等様々なニーズがある。そのため、アプリケーション毎やユーザ毎に必要なデータを抽出して、個別のMart(以下では、個別テーブル)を構築しておき、個別テーブルを参照してデータ分析を行うことが行われている。
特許文献1には、個別テーブルの構築について、利用者による画面からの指示に応じて、個別テーブルを自動生成する仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−366401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1等のように、従来、基幹データベースと個別テーブルとを用いたデータ分析においては、データの流れは、一方向(基幹系アプリ→基幹データベース→個別テーブル→情報系アプリ)であった。各ユーザは、個別テーブルを自由に構築してデータを表示させることはできるが、コメント等を個別テーブルに書き込むことができなかった。
そこで、本願発明は、コメント等を個別テーブルに書き込み、個別テーブルに書き込んだコメント等を後から個別テーブルと共に参照可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明の情報処理装置は、DATA WAREHOUSE(DWH)を用いたデータ分析に用いられる情報処理装置であって、ネットワークを介して接続された端末装置からの前記DWHにおけるCENTRAL WAREHOUSE(CWH)から特定のデータが抜き出されたテーブルである個別テーブルに対する列追加指示に応じて、前記個別テーブルに追加データを書き込み可能な列を追加する追加手段と、前記端末装置を介して行われた前記追加手段により追加された前記書き込み可能な列に対する追加データ書き込み指示に応じて、前記書き込み可能な列に追加データを書き込む書き込み手段と、前記書き込み手段により書き込まれた前記追加データを、前記CWH内のデータと前記個別テーブル内のデータとを対応付けるための識別子と対応付けて、前記CWHに記録する記録手段と、を有し、前記CWHは、対応する値を識別するためのキーと、値と、のペアでデータを管理するデータストアであるKey Value Store(KVS)である
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、コメント等を個別テーブルに書き込み、個別テーブルに書き込んだコメント等を後から個別テーブルと共に参照可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2図2は、データベースサーバ等のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、情報処理システムの処理の概要を示す図である。
図4A図4Aは、書き込みデータの記録処理の一例を示すフローチャートである。
図4B図4Bは、書き込みデータの記録処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、基幹データベース内の記録データの一例を示す図である。
図6図6は、生成された個別テーブル等の一例を示す図である。
図7図7は、基幹データベース内の記録データの一例を示す図である。
図8図8は、個別テーブルの表示処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、表示された個別テーブル等の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。以下では、基幹データベースとは、データを統合管理するデータベースである。CWH等は、基幹データベースの一例である。個別テーブルとは、基幹データベースから特定のデータだけを抜き出したテーブルであり、外部からの参照に利用される。Mart等は、個別テーブルの一例である。本実施形態では、基幹データベース内のデータと、個別テーブル内のデータとは、識別子に基づいて対応付けられている。より具体的には、基幹データベース内の同一の識別子を含むKeyに対応するValueのデータと、個別テーブル内の前記同一の識別子を持つレコード内のデータとは、対応することになる。
本実施形態における情報処理システムは、各ユーザのデータ分析結果を他のユーザが容易に活用できるように集約するため、個別テーブルに対してユーザが書き込み可能な列を追加する。以下では、追加された書き込み可能な列に対して書き込まれるコメント等のデータを追加データとする。
そして、情報処理システムは、追加した書き込み可能な列に、ユーザによる追加データの書き込みが行われた場合、書き込まれた内容を個別テーブルにおけるレコードの識別子と対応付けて、基幹データベースに記録するという処理を行う。レコードとは、一件分のデータのことであり、テーブルにおける1行分のデータである。
しかし、RDBで基幹データベースが構築されている場合、情報処理システムは、基幹データベースに新たに列を追加しようとするとテーブル定義の変更が必要になる。そのため、ユーザは、書き込み可能な列を記録するために、テーブル定義変更処理の手間をかけなければならない。
【0009】
そこで、本実施形態では、情報処理システムは、Key Value Store(KVS)、大福帳モデル等で構築された基幹データベースから、Relational Data Baseで構築された書き込み可能な列を含む個別テーブルを生成する。
そして、情報処理システムは、ユーザにより追加データを書き込まれた個別テーブルの列の内容を、個別テーブルのレコードの識別子と対応付けて、基幹データベースに対して記録する。情報処理システムは、KVS、大福帳モデル等で構築された基幹データベースに対して、新しい列の情報を自由に追加できる。情報処理システムは、基幹データベースに記録した列を他のユーザからの要求に応じて出力する。
KVSとは、「キー」と「値」とのペアでデータを管理するデータストアで、固定されたスキーマ(テーブル定義等)に縛られずに列を自由に定義できる。大福帳モデルとは、発生するデータを要約せずにそのまま蓄積していくタイプのデータベースモデルであり、列の定義についての制約もなく、自由に列を定義できる。
【0010】
図1は、情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
本実施形態の情報処理システムは、データベースサーバ100、端末装置110、120等を含む。データベースサーバ100、端末装置110、120は、ネットワーク130を介して相互に接続されている。
【0011】
データベースサーバ100は、コンピュータ等の情報処理装置で構成される。データベースサーバ100は、基幹データベースを含み、端末装置110等からの指示に応じて、基幹データベースからデータを抽出し、MART等の個別テーブルを生成する。
端末装置110、120は、情報系アプリケーションを含む。情報系アプリケーションは、基幹データベースに対して個別テーブル生成を指示したり、生成された個別テーブルを参照したり、個別テーブル内の書き込み可能列に書き込みをしたりするために利用されるアプリケーションである。端末装置110、120は、情報系アプリケーション、ネットワーク130を介して、データベースサーバ100に対してテーブルの生成を指示したり、生成されたテーブルを参照したり、生成されたテーブルの内容を更新したりする。
【0012】
図2は、データベースサーバ100等のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2(A)は、データベースサーバ100のハードウェア構成の一例を示す。データベースサーバ100は、CPU101、主記憶装置102、補助記憶装置103、ネットワークインターフェース104等を含む。CPU101、主記憶装置102、補助記憶装置103、ネットワークインターフェース104は、システムバス105を介して相互に接続されている。
【0013】
CPU101は、データベースサーバ100を制御する中央演算装置である。主記憶装置102は、CPU101のワークエリアやデータの一時記憶領域として機能する。補助記憶装置103は、基幹データベースのデータ、個別テーブル等を記録し、また、CPU101が実行する各種プログラム等も記録する。ネットワークインターフェース104は、外部の装置とのネットワーク130を介した接続に利用される。
CPU101が、補助記憶装置103に記録されたプログラムに基づき処理を実行することによって、後述するデータベースサーバ100の機能及び後述するフローチャートの処理が実現される。
【0014】
図2(B)は、端末装置110のハードウェア構成の一例を示す。端末装置110は、CPU111、主記憶装置112、補助記憶装置113、ネットワークインターフェース114、表示装置115、入力装置116等を含む。CPU111、主記憶装置112、補助記憶装置113、ネットワークインターフェース114、表示装置115、入力装置116は、システムバス117を介して相互に接続されている。
CPU111は、端末装置110を制御する中央演算装置である。主記憶装置112は、CPU111のワークエリアやデータの一時記憶領域として機能する。補助記憶装置113は、CPU111が実行する各種プログラム等を記録する。
【0015】
ネットワークインターフェース114は、外部の装置とのネットワーク130を介した接続に利用される。表示装置115は、情報系アプリケーションの画面等を表示するディスプレイ等の表示装置である。入力装置116は、端末装置110への入力に利用されるマウス、キーボード等の入力装置である。
CPU111が、補助記憶装置113に記録されたプログラムに基づき処理を実行することによって、後述する端末装置110の機能及び後述するフローチャートの処理が実現される。
【0016】
端末装置120のハードウェア構成は、端末装置110のハードウェア構成と同様である。
端末装置120のCPUが、端末装置120の補助記憶装置に記録されたプログラムに基づき処理を実行することによって、後述する端末装置120の機能及び後述するフローチャートの処理が実現される。
【0017】
図3は、情報処理システムの処理の概要を示す図である。データベースサーバ100内の基幹データベースは、マスターデータ、トランザクションデータ、その他のデータを記録する。
端末装置110は、内部の情報系アプリケーションを介して、データベースサーバ100に対して、基幹データベースから抽出されたデータで構成された列と書き込み可能な列とを含む個別テーブルの生成を指示する。また、端末装置110は、内部の情報系アプリケーションを介して、データベースサーバ100に対して、既存の個別テーブルに対して書き込み可能な列の追加を指示することもできる。
データベースサーバ100は、端末装置110からの指示に応じて、基幹データベースから抽出されたデータで構成された列と書き込み可能な列とを含む個別テーブルを生成し、又は、既存の個別テーブルに対して書き込み可能な列を追加する。
【0018】
端末装置110は、情報系アプリケーションを介して、個別テーブルの書き込み可能な列に対して、追加データの書き込みを行う。
データベースサーバ100は、生成した個別テーブルの書き込み可能な列に書き込まれた追加データを基幹データベースに記録する。
以下で、情報処理システムの処理の詳細について説明する。
【0019】
図4A図4Bは、書き込みデータの記録処理の一例を示す図である。本実施形態では、製薬会社の研究所の研究者が化合物に対する評価データを基幹データベースに記録する処理を例に、情報処理システムの処理について説明する。
S401〜S409の処理は、データベースサーバ100における処理である。
S401において、CPU101は、端末装置110から個別テーブルの操作指示を受信する。S401の処理は、S411の処理と対応する。
【0020】
S402において、CPU101は、既存の個別テーブルが存在するか否かを判定する。より具体的には、CPU101は、S401で受信した個別テーブルの操作指示に含まれる個別テーブルの指定情報が示す個別テーブルが存在するか否かを判定する。CPU101は、既存の個別テーブルが存在すると判定した場合、S403の処理に進み、既存の個別テーブルが存在しないと判定した場合、S404の処理に進む。
S403において、CPU101は、S401で受信した個別テーブルの操作指示にデータの書き込みが可能な列の追加指示又は削除指示が含まれているか否かを判定する。CPU101は、S401で受信した個別テーブルの操作指示にデータの書き込みが可能な列の追加指示又は削除指示が含まれていると判定した場合、S405の処理に進む。CPU101は、S401で受信した個別テーブルの操作指示にデータの書き込みが可能な列の追加指示又は削除指示が含まれていないと判定した場合、S408の処理に進む。
S404において、CPU101は、S401で受信した個別テーブルの操作指示が書き込み可能な列を含む個別テーブルの生成指示であるか否かを判定する。CPU101は、S401で受信した個別テーブルの操作指示が書き込み可能な列を含む個別テーブルの生成指示であると判定した場合、S406の処理に進む。CPU101は、S401で受信した個別テーブルの操作指示が書き込み可能な列を含む個別テーブルの生成指示ではないと判定した場合、S407の処理に進む。
【0021】
図5のテーブルは、基幹データベース内に記録されているデータの一例である。基幹データベース内に記録されているデータは、KeyとValueとの組み合わせのデータの集まりとなっている。図5の例は、nameの項目に関するKeyを持つデータが3つあることを示している。
Keyの値におけるnameの前に記載された数字は、他のデータとの対応をとるために利用される数字であり、個別テーブルにおけるレコードの識別子として利用される。CPU101は、Keyの初めに記載された数字に基づいて、項目同士の対応を取ることが
できる。例えば、CPU101は、Keyに「1、***」(***は任意の文字列)と記載されている項目同士を対応付けられたデータとして取り扱い、個別テーブルの生成の際には、対応付けられたデータを一つの行とする。
【0022】
S405において、CPU101は、既存の個別テーブルへの書き込み可能な列の追加指示又は削除指示であるS401で受信した個別テーブルの操作指示に基づいて、個別テーブルを再生成する。本実施形態では、S401で受信した個別テーブルの操作指示は、既存の個別テーブルへの書き込み可能な列の追加指示であるとする。既存の個別テーブルは、図6(A)のテーブルであるとする。CPU101は、既存の個別テーブルを一旦削除して、既存の個別テーブルの列と、データの書き込みが可能な列と、を含む新たな個別テーブルを生成する。
より具体的には、CPU101は、S401で受信した個別テーブルの操作指示に含まれる追加する列の名前情報及び追加する列の数の指定情報に基づいて、S402で存在すると判定した個別テーブルに追加する書き込み可能な列の名前と数とを決定する。
本実施形態では、S401で受信した個別テーブルの操作指示に含まれる追加する列の数の指定情報により指定される数は、一であるとする。また、S401で受信した個別テーブルの操作指示に含まれる追加する列の名前情報により指定される名前は、「A分析結果」であるとする。
【0023】
そして、CPU101は、特定した既存の個別テーブルを一旦削除した後、以下の処理を行う。即ち、CPU101は、既存の個別テーブルに含まれる列(name、AUC、Cmax、Tmax)と書き込み可能な「A分析結果」の列とを含むように個別テーブルのテーブル定義を新たに決定する。そして、CPU101は、決定したテーブル定義に基づいて、sql等のデータベース言語を利用してRDBで構築される新たな個別テーブルを生成する。
CPU101は、既存の個別テーブルの含んでいた列のデータを基幹データベースから取得する。CPU101は、個別テーブルに書き込み可能な列を1列のみ追加してもよいし、2列以上追加してもよい。また、CPU101は、個別テーブルに追加された書き込み可能な列を特定のユーザのみに書き込み可能なように設定してもよい。再生成された個別テーブルは、図6(B)のテーブルであり、図6(A)のテーブルと比べて書き込み可能な列である「A分析結果」が追加されている。
個別テーブルに列を追加する方法には、既存の個別テーブルのテーブル定義を変更する方法があるが、既存の個別テーブルのテーブル定義の変更に手間を要するという問題がある。本実施形態の個別テーブルを一旦削除し、新たな個別テーブルを生成する方法では、CPU101は、既存の個別テーブルのテーブル定義の変更の手間を要することなく、個別テーブルに新たな列を追加できる。
【0024】
また、S405において、CPU101は、S401で受信した個別テーブルの操作指示が既存の個別テーブルへの書き込み可能な列の削除指示である場合、S402で存在すると判定された個別テーブルから、削除指示で指定された列を削除する。
より具体的には、CPU101は、S401で受信した個別テーブルの操作指示に含まれる削除する列の名前情報及び追加する列の数の指定情報に基づいて、S402で存在すると判定された個別テーブルから削除する書き込み可能な列の名前と数とを決定する。
【0025】
CPU101は、既存の個別テーブルを一旦削除した後、以下の処理を行う。即ち、CPU101は、既存の個別テーブルに含まれる列のうち指定された書き込み可能な列以外の列を含むように個別テーブルのテーブル定義を新たに決定する。そして、CPU101は、決定したテーブル定義に基づいて、sql等のデータベース言語を利用してRDBで構築される新たな個別テーブルを生成する。
個別テーブルから列を削除する方法には、既存の個別テーブルのテーブル定義を変更す
る方法があるが、既存の個別テーブルのテーブル定義の変更に手間を要するという問題がある。本実施形態の個別テーブルを一旦削除し、新たな個別テーブルを生成する方法では、CPU101は、既存の個別テーブルのテーブル定義の変更の手間を要することなく、個別テーブルから既存の列を削除できる。
【0026】
S406において、CPU101は、S401で受信した個別テーブルの操作指示に基づいて、個別テーブルを生成する。S401で受信された個別テーブルの操作指示は、参照項目と書き込み可能な列とを含むテーブルの生成指示である。CPU101は、個別テーブルの操作指示で指定された参照項目と、追加データの書き込みが可能な列と、を含む個別テーブルを生成する。
より具体的には、CPU101は、個別テーブルの操作指示で指定された参照項目(name、AUC、Cmax、Tmax)の列と書き込み可能な列である「A分析結果」の列とを含むように個別テーブルのテーブル定義を決定する。そして、CPU101は、決定したテーブル定義に基づいて、sql等のデータベース言語を利用してRDBで構築される個別テーブルを生成する。
CPU101は、基幹データベースから個別テーブルの操作指示で指定された参照項目のデータを取得する。CPU101は、個別テーブルに書き込み可能な列を1列のみ追加してもよいし、2列以上追加してもよい。また、CPU101は、個別テーブルに追加された書き込み可能な列を特定のユーザのみに書き込み可能なように設定してもよい。生成された個別テーブルは、図6(B)のテーブルであるとする。
【0027】
S407において、CPU101は、書き込み可能な列を含まない通常の個別テーブルを、S401で受信した個別テーブルの操作指示に基づいて、生成する。
S408において、CPU101は、端末装置110を介した研究者であるユーザAの操作に基づいて、S405又はS406で生成した個別テーブルの書き込み可能な列に対して、データの書き込みを行う。ユーザAは、端末装置110を介して、個別テーブルの「name」の項目が示す物質についての分析結果についてのコメントを、各物質に対応する「A分析結果」の欄に書き込む。ユーザAによりコメントを書き込まれた個別テーブルは、図6(D)のテーブルのようになる。S408の処理は、S412の処理と対応する。
【0028】
S409において、CPU101は、S408で個別テーブルの書き込み可能な列に書き込まれた追加データを、個別テーブルの各レコード(行)の識別子と対応付けて、基幹データベースに記録する。CPU101は、基幹データベース内に、「A分析結果」の項目を新たに生成し、生成した「A分析結果」の項目に、S406で「A分析結果」の列に書き込まれた追加データを記録する。
より具体的には、CPU101は、基幹データベース内に、個別テーブルの「A分析結果」の列及び個別テーブルのレコードの識別子に対応するKeyと、Keyに対応するValueと、を持つ行を生成する。CPU101は、「A分析結果」の列及び個別テーブルのレコードの識別子に対応するKeyである「1、A分析結果」、「2、A分析結果」、「3、A分析結果」等を持つ行を生成する。そして、CPU101は、S408で「A分析結果」の列に書き込んだ追加データを、基幹データベース内に生成した行の対応するValueに記録する。
【0029】
図6(D)の例では、CPU101は、以下のような書込み処理を行う。即ち、CPU101は、「A分析結果」の列に書き込まれた追加データのうち識別子「1」に対応するデータ「●●に有用」を、基幹データベース内の「A分析結果」及び識別子「1」に対応するKeyである「1、A分析結果」のValueに書き込む。また、CPU101は、基幹データベース内に「A分析結果」のように項目を新たに生成する際、生成した項目ごとにID(個別テーブル内の列に対するID)を付与する。そうすることで、CPU10
1は、基幹データベース内に同じ名前の項目が複数生成された場合でも、夫々の項目を区別できるようになる。
基幹データベースは、RDBでなくKVS、大福帳モデル等で構築されている。そのため、CPU101は、テーブル定義の書き換え等の処理を行うことなく、自由に新しい項目を基幹データベースに記録できる。
【0030】
図7のテーブルは、S407でデータの記録が行われた期間データベースに記録されているデータを示すテーブルである。図7の例は、矩形701で囲まれた部分に個別テーブルの書き込み可能な列「A分析結果」に書き込まれた追加データが記録されている様子を示す。CPU101は、端末装置110からの記録指示に応じて、個別テーブルの書き込み可能な列に書き込まれた追加データを基幹データベースに記録してもよい。また、CPU101は、定期的(一時間、一日等の一定期間毎)に、個別テーブルの書き込み可能な列に書き込まれた追加データを基幹データベースに記録してもよい。
【0031】
S411〜S412の処理は、端末装置110における処理である。
S411において、CPU111は、ユーザAによる情報系アプリケーションを介した操作に基づいて、データベースサーバ100に対して、個別テーブルの操作指示を行う。情報系アプリケーションは、基幹データベース内の参照したい項目と、追加する書き込み可能な列の名前及び数と、をユーザAの操作に基づいて、データベースサーバ100に指定する機能を有する。
より具体的には、CPU111は、情報系アプリケーションを介して、基幹データベースのKeyから記録されている項目(name等)を抽出し、抽出した項目をユーザーインターフェース等に表示する。CPU111は、ユーザーインターフェース等を介したユーザの操作に基づいて、参照したい項目をデータベースサーバ100に対して指定する。なお、CPU111は、参照したい項目の値に関する抽出条件も指定することができる。例えば、CPU111は、参照したい項目の値が設定された閾値以上、設定された閾値以下等の条件を指定できる。その場合、CPU101は、指定された条件を満たすデータを基幹データベースから抽出し、個別テーブルを生成することになる。
CPU111は、情報系アプリケーションを介して、データベースサーバ100に対して、既存の個別テーブルへの書き込み可能な列の追加の指示、指定した項目及び書き込み可能な列を含む個別テーブルの生成の指示等を行うことができる。また、CPU111は、情報系アプリケーションを介して、データベースサーバ100に対して、個別テーブルに既に追加されている書き込み可能な列の削除の指示を行うこともできる。個別テーブルへの書き込み可能な列の追加の指示は、列追加指示の一例である。個別テーブルに既に追加されている書き込み可能な列の削除の指示は、列削除指示の一例である。また、CPU111は、情報系アプリケーションを介して、データベースサーバ100に対して、書き込み可能な列を含まない通常の個別テーブルの生成の指示を行うこともできる。
【0032】
S412において、CPU111は、ユーザAによる情報系アプリケーションを介した操作に基づいて、S405又はS406で生成された個別テーブルの書き込み可能な列に追加データを書き込む。CPU111は、情報系アプリケーションを介して、表示装置115にS405又はS406で生成された個別テーブルの内容を表示することができる。図6(C)の示す画面は、表示装置115に表示される画面の一例である。
CPU111は、ユーザAによる入力装置116等を介した操作に基づいて、図6(C)の「A分析結果」の欄にコメントを書き込むことができる。CPU111は、図6(C)の「A分析結果」の欄にコメントを書き込むと、情報系アプリケーションを介して、データベースサーバ100に対して、個別テーブルの対応する欄への前記コメントの書き込みの指示を行う。前記指示は、書き込み指示の一例である。
また、CPU111は、データベースサーバ100に個別テーブルへの書き込み指示を行う際に、データベースサーバ100に対して、書き込み指示で書き込むように指示した
内容を、基幹データベースへ記録するよう指示することができる。
【0033】
続いて、図4A図4Bでコメントを書き込んだユーザAと異なるユーザBにより、図4A図4Bの処理により基幹データベースに記録されたデータを含む個別テーブルが生成され、表示される際の情報処理システムの処理について説明する。
図8は、個別テーブルの表示処理の一例を示す図である。
【0034】
S801〜S802の処理は、データベースサーバ100における処理である。
S801において、CPU101は、端末装置120から個別テーブルの生成指示、表示指示を受信する。S801の処理は、S811の処理と対応する。
【0035】
S802において、CPU101は、S801で受信した生成指示に応じて、参照する対象のデータ及びS409で基幹データベースに記録したデータを基幹データベースから取得し、個別テーブルを生成する。より具体的には、CPU101は、個別テーブルの生成指示で指定された参照項目(本実施形態では、name、AUC、Cmax、A分析結果とする)を列として含むように個別テーブルのテーブル定義を決定する。そして、CPU101は、決定したテーブル定義に基づいて、sql等のデータベース言語を利用してRDBで構築される個別テーブルを生成する。
CPU101は、基幹データベースから個別テーブルの生成指示で指定された参照項目のデータを取得する。より具体的には、CPU101は、基幹データベース内に記録されているKeyに記載された項目に基づいて、個別テーブルに格納するデータを抽出し、Keyに記載された数字に基づいて、抽出したデータを対応付けて個別テーブルに記録する。以上の処理により、ユーザAにより書き込まれたコメントを含む図6(E)の個別テーブルが生成される。そして、CPU101は、S801で受信した表示指示に応じて、生成した個別テーブルを端末装置120へ出力する。S802の処理は、S812の処理と対応する。
【0036】
本実施形態では、S802で生成された個別テーブル内のユーザAにより書き込まれた追加データを格納する列は、ユーザBから参照可能であるが、書き込み不可であるものとする。CPU101は、S409での基幹データベースへの追加データの書き込みの際に、書き込む追加データと対応付けて書き込んだユーザのIDを基幹データベース内に記録している。これにより、CPU101は、記録したユーザのIDに基づいて、処理を行っているユーザが基幹データベースに記録している追加データを更新可能なユーザであるか否かを判定できるものとする。しかし、S802で生成された個別テーブル内のユーザAにより書き込まれた追加データを格納する列は、ユーザBから書き込み可能であるものとしてもよい。
【0037】
S811〜S812の処理は、端末装置120における処理である。
S811において、端末装置120のCPUは、情報系アプリケーションを介して、データベースサーバ100に対して、個別テーブルの生成・表示を指示する。
S812において、端末装置120のCPUは、情報系アプリケーションを介して、S802でデータベースサーバ100から出力された個別テーブルを、端末装置120の表示部に表示する。
【0038】
また、端末装置120のCPUは、データベースサーバ100に対して、S802で生成された個別テーブルに新たな書き込み可能な列を追加する指示を行うことができる。
指示を受けたデータベースサーバ100の処理は、図4Aの処理と同様である。追加データ書き込みの際の端末装置120の処理は、図4BのS412の処理と同様である。データベースサーバ100により生成される個別テーブルは、図9(A)のテーブルとなる。また、端末装置120の表示部に表示される個別テーブルの画面は、図9(B)の画面
となる。端末装置120のCPUは、ユーザBによる図9(B)の画面の「B分析結果」への操作に応じて、図9(B)の画面の「B分析結果」に追加データを書き込む。
【0039】
以上、本実施形態の処理により、情報処理システムは、コメント等を個別テーブルに書き込み、個別テーブルに書き込んだコメント等を後から個別テーブルと共に参照可能とすることができる。
本実施形態では、基幹データベースを、KVS、大福帳モデル等で構築することにより、予めテーブル等を定義しておくことなく、個別テーブルに追加された書き込み可能な列に書き込まれた追加データを自由に記録できる。本実施形態では、情報処理システムは、RDBで構築された個別テーブルを使用し、RDBの使いやすさを保ちつつ、後から自由にコメント書き込み用の列を追加したり、書き込まれたコメントを記録したりすることができる。
【0040】
また、ユーザは、夫々の研究テーマ等に応じて、参照したい項目を指定した個別テーブルを生成し、その個別テーブルにおいて他のユーザのコメント等も参照することができる。更に、ユーザは、その個別テーブルに書き込み可能な列を追加し、コメント等を書き込むことができる。それにより、ユーザは、他のユーザの分析結果等を考慮した上で、自己の分析結果についてのコメントを書き込むことができる。
以上より、情報処理システムは、基幹データベース内で、基幹データベースの情報とユーザが書き込んだ追加データとを一元管理することができる。基幹データベースの情報とユーザが書き込んだ追加データとを一元管理する従来の方法には、Excelシート等を用いる方法もあるが、分析結果が各シートに細分化されてしまい、各シートのデータを基幹データベースに集約することが難しいという問題がある。対して、本実施形態では、情報処理システムは、個別テーブルに書き込まれた追加データを基幹データベースに記録することで、容易に、書き込まれた追加データの集約ができる。
本実施形態は、特許検索システムや人事評価システム等へも適用することができる。特許検索システムでは、情報処理システムは、多数の項目の中から必要な項目だけを選択したり、又は技術分野等で絞り込んだりして、ユーザ毎に個別テーブルを生成する。ユーザは、個別テーブルにコメント欄を定義して、調査メモを書き込む。情報処理システムは、個別テーブルに書き込まれた内容を基幹データベースに反映することで、コメントしたユーザ以外からも調査メモを参照することができるようにする。
【符号の説明】
【0041】
100 データベースサーバ、101 CPU、110 端末装置
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9