【実施例】
【0107】
例1:抗STAT3 VHH13(配列番号3)sdAbは、STAT3に結合する
この例では、オクテットに基づく無標識アッセイを使用して、STAT3に対する2つのVHH標的の親和性を測定した。抗STAT3 VHH13(配列番号3)sdAb、抗KRAS(陰性対照)、及びGST−STAT3(16kDa一価抗原、Creative BioMart #STAT3−1476H)を、このアッセイで抗原プローブとして使用した。疎水性タンパク質専用のアミノプロピルシラン(APS)浸漬及び読み取りバイオセンサーを使用して、GST−STAT3タンパク質をPBS中20μg/mLで捕捉した。その後、これらのプローブを、指示される濃度でGST−STAT3タンパク質、抗STAT3 VHH13(配列番号3)sdAb、または抗KRASを有するウェル中に浸漬させた。抗原の会合速度(オン速度)を測定した。これらのセンサーを水中1%BSAでクエンチした。これらのプローブをアッセイ緩衝液(PBS)中に浸漬させ、解離速度(オフ速度)を測定した。
【0108】
抗原の抗原結合タンパク質との解離の平衡定数(KD)によって表される親和性を得られた親和性定数(KA)から決定し、KDには、以下の表1に示されるように1:1グローバルフィット分析Fortebioソフトウェアを使用した。0.95を超えるR2値を有する曲線のKD値を平均化することによって親和性を決定した。250nMの抗STAT3 VHH13データ点が外れ値であるため、これを除外した。抗STAT3 VHH13(配列番号3)sdAbの親和性が1.16×10
−7であると決定した。抗KRAS VHHの親和性は決定されなかった。
【表1】
【0109】
例2:免疫沈降研究
STAT3 sdAbの特異性をヒト乳癌細胞でアッセイした。この例では、MDA−MB−231ヒト乳癌細胞を50%〜70%コンフルエンスまで成長させた。その後、これらの細胞を、新たに調製した氷上の氷冷溶解緩衝液(20mM HEPES、pH7.9、400mM NaCl、0.1%NP−40、10%グリセロール、1mMバナジウム酸ナトリウム、1mMフッ化ナトリウム、1mMジチオスレイトール、1mMフッ化フェニルメチルスルホニル、10μg/mLアプロチニン、10μg/mLロイペプチン)中で45分間にわたって破壊した。その後、溶解物を遠心分離し、上清を収集し、修正ローリー法(Bio Rad,Hercules,CA)を使用してタンパク質濃度を決定した。総タンパク質(1mg)を、STAT3に対するsdAbを有する1.5mgのダイナビーズ(Invitrogen)、陽性対照(STAT3、カタログ番号SC−482、Santa Cruz Biotechnology,Dallas,TX)、または陰性対照(STAT−1、カタログ番号9172、Cell Signaling,Danvers,MA)とともに4℃で1時間インキュベートした。その後、ビーズを洗浄した。最終洗浄後、60μLの溶解緩衝液を添加し、結果として生じた上清をウエスタンブロット分析に供した。簡潔に、試料を10%ポリアクリルアミドゲル上で分離し、ニトロセルロース膜に移した。これらの膜をブロックし、その後、適切な一次及び二次抗体とともにインキュベートした。陽性対照として使用した抗STAT3抗体は、Cell Signaling(カタログ番号4904、Danvers,MA)からのものであった。Santa Cruz Biotechnology(Dallas,TX)のECLシステムを使用して化学発光反応を行った。
【0110】
図3に図解されるように、内因性STAT3は、異なる量で試験した全てのsdAbで免疫沈降した。Mは、マーカーを含有するマーカーレーンであり、レーン1は、哺乳類細胞から産生及び単離されたSTAT3 VHH13(配列番号3)を含有し、レーン2は、哺乳類細胞から産生及び単離されたSTAT3 VHH14(配列番号4)を含有し、レーン3は、細菌細胞から産生及び単離されたSTAT3 VHH13(配列番号3)を含有し、レーン4は、哺乳類細胞から産生及び単離されたSTAT3 VHH14(配列番号4)を含有し、レーン5は、陽性STAT3抗体であり、陰性対照としてSTAT−1を使用したレーン6は、バンドを示さなかった。
【0111】
例3:抗STAT3細菌性VHH13は、構成的に活性化されたSTAT3を含有する細胞株に高親和性で結合する
ヒト(PANC−1及びDU145)及びマウス(4T1)細胞株における構成的に活性化されたSTAT3を使用して、細菌性抗STAT3 VHH13(配列番号3)の特異性をアッセイした。市販のHeLa細胞もインターフェロンガンマ(INFΓ)で処理して、リン酸化STAT3を誘導した。PC−3 STAT3ヌル細胞株を陰性対照として使用した。
【0112】
これらの細胞を50%〜70%コンフルエンスまで成長させ、その後、上述のように、新たに調製した氷上の氷冷溶解緩衝液中で45分間にわたって破壊した。その後、溶解物を遠心分離し、上清を収集し、上述のようにタンパク質濃度を決定した。総タンパク質(1mg)を、細菌性抗STAT3 VHH13(配列番号3)を含有する1.5mgのダイナビーズ(Invitrogen)または陰性対照(KRAS、Creative Biolabs,Shirley,NY)とともに4℃で1時間インキュベートした。その後、ビーズを洗浄した。最終洗浄後、例2に記載されるように、60μLの溶解緩衝液を添加し、結果として生じた上清をウエスタンブロット分析に供した。
【0113】
図4に図解されるように、内因性STAT3を、構成的に活性化されたSTAT3細胞株:PANC−1(レーン1)、DU145(レーン2)、及び4T1(レーン4)において細菌性VHH13 STAT3(配列番号3)で免疫沈降した。さらに、細菌性VHH13 STAT3(配列番号3)は、HeLa溶解物中のリン−STAT3(レーン3)に結合した。PANC−1 KRAS(レーン3)及びPC−3(陰性対照)(レーン6)のいずれのバンドも見られなかった。
【0114】
例4:MDA−MB−231癌細胞株における抗STAT3 sdAbの細胞毒性研究
この例では、ヒト乳癌細胞株MDA−MB−231を使用して、抗STAT3 sdAbの抗増殖効果をアッセイした。この実験のために、MDA−MB−231細胞が90%コンフルエンスに達するまでこれらの細胞を成長させた。その時点で、細胞を洗浄し、トリプシン処理し、Coulter計数器(Beckman,Brea,CA)を使用して計数した。3−[4,5−ジメチルチアオールイル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウム臭化物(MTT)アッセイを使用して増殖試験を行った。このアッセイのために、細胞を製造業者(Roche Diagnostics Corporation,Indianapolis,IN)によって指示されるように96ウェルプレートに5×10
3/ウェルの密度で播種した。細胞を24時間接着させ、その後、sdAbを適切な濃度(すなわち、0、0.5、1.0、10.0、または100μg/mL)で添加した。細胞を3日目に計数した。5日間処理された細胞の場合、sdAbを含有する新鮮培地を3日目に新鮮なものに取り換えた。終了時、製造業者によって指示されるように、10μLのMTT試薬(0.5mg/mL)を各ウェルに添加した。4時間インキュベートした後、100μLの可溶化溶液を添加し、プレートをインキュベーター内に一晩設置した。Biotekプレートリーダー(Winooski,VT)を使用して全てのプレートを570nmの波長で読み取った。
【0115】
GraphPad InStat 3(GraphPad Software,Inc.,La Jolla,CA)を使用して全てのデータを分析した。一方向ANOVAを使用して処理群をビヒクル対照群と比較した。有意差(p<0.05)が観察された場合、チューキー・クレーマー多重比較検定を行った。
【0116】
MTT実験に基づいて、以下の表2〜5に示されるように、細菌性VHH13 抗STAT3(配列番号3)sdAbが処理後3日目及び5日目の細胞成長の阻害に有効であることが見出された。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0117】
例5:ヒト乳癌(MDA−MB−231)及び膵臓癌(PANC−1)細胞株における抗STAT3 sdAbの細胞毒性研究
この例では、ヒト乳癌細胞株MDA−MB−231及びヒト膵臓癌細胞株PANC−1を使用して、抗STAT3 VHH13(配列番号3)及びVHH14(配列番号4)sdAbの抗増殖効果をアッセイした。この実験のために、MDA−MB−231細胞及びPANC−1細胞を90%コンフルエンスに達するまでこれらの細胞を成長させた。その時点で、細胞を洗浄し、トリプシン処理し、Coulter計数器(Beckman,Brea,CA)を使用して計数した。上述のMTTアッセイを使用して増殖研究を行った。5日間処理された細胞の場合、抗STAT3 sdAbを含有する新鮮培地を3日目に新鮮なものに取り換えた。
【0118】
GraphPad InStat 3を使用して全てのデータを分析した。一方向ANOVAを使用して処理群をビヒクル対照群と比較した。有意差(p<0.05)が観察された場合、チューキー・クレーマー多重比較検定を行った。
【0119】
MTT実験に基づいて、以下の表6〜13に示されるように、VHH13(配列番号3)及びVHH14(配列番号4)がMDA−MB−231癌細胞及びPANC−1癌細胞の両方において細胞成長を阻害することが見出された。
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【0120】
例6:ヒト乳癌及びヒト前立腺癌細胞株におけるSTAT3 sdAbの抗増殖作用
ヒト乳癌細胞株MDA−MB−231及びヒト前立腺癌細胞株DU145におけるSTAT3 VHH13(配列番号3)sdAbの抗増殖効果をアッセイした。この実験のために、癌細胞が90%コンフルエンスに達するまでこれらの細胞を成長させた。その時点で、細胞を洗浄し、トリプシン処理し、Coulter計数器(Beckman,Brea,CA)を使用して計数した。上述のMTTアッセイを使用して増殖研究を行った。
【0121】
MDA−MB−231細胞に対する抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの抗増殖特性をDU145細胞に対するその作用と比較した。表14に示されるように、抗STAT3(配列番号3)sdAbで処理されたMDA−MB−231細胞は、それぞれ、50.0μg/mL及び100μg/mLで29.6及び91.2の平均成長阻害を示した。DU145細胞において、表15に示されるように、同様の成長阻害(それぞれ、50.0μg/mL及び100μg/mLで31.2%及び92.1%)が見られた。
【表14】
【表15】
【0122】
例7:ヒト癌細胞株に対するSTAT3 VHH13(配列番号3)sdAbの抗増殖効果
表16に示されるように、ヒト癌細胞株:MDA−MB−231、MDA−MB−468、MCF−7、BT474、及びDU145を使用してSTAT3 VHH13(配列番号3)sdAbの抗増殖効果を試験するために。
【0123】
全てのヒト癌細胞株をAmerican Type Culture Collection(Manassas,VA)から入手した。細胞株を、RPMI1640培地(MDA−MB−231、MDA−MB−468、MCF−7、BT474)、または10%ウシ胎児血清、2mM L−グルタミン、ならびに1%抗菌抗真菌溶液(10単位/mLペニシリン、10μg/mLストレプトマイシン、及び25μg/mLアムホテリシンB)を含有するMEM−E(DU145)中に維持及び培養した。細胞を、5%CO
2の加湿環境下で、37℃で保った。細胞培養供給物をLife Technologies,Inc.(Grand Island,NY)から入手した。MTT試薬をSigma Aldrich(St.Louis,MO)から購入した。
【0124】
この実験のために、癌細胞を90%コンフルエンスに達するまでこれらの細胞を成長させた。その時点で、細胞を洗浄し、トリプシン処理し、Coulter計数器(Beckman,Brea,CA)を使用して計数した。上述のMTTアッセイを使用して増殖研究を行った。
【0125】
様々な分類を表す5つの乳癌細胞に対する抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの抗増殖特性を評価した(表34)。表17に示されるように、処理後72時間時点の細胞株は全て著しい成長阻害を示した。最も高い成長阻害は、全ての細胞株において100μg/mL及び200μg/mL用量で見られた。試験した細胞株における成長の半数阻害濃度(IC
50)は、それぞれ、MDA−MB−231細胞株、MDA−MB−468細胞株、MCF−7細胞株、及びBT474細胞株において、10.1±2.4、12.36±1.5、14.8±1.6、及び25.2±14.7であった。これらのデータは、トリプルネガティブ乳癌細胞株が、エストロゲン/プロゲステロン陽性細胞株(すなわち、MCF−7)またはHER2増幅細胞株(すなわち、BT474)と比較して、IC
50を達成するのに最も低いVHH13(配列番号3)sdAb濃度しか必要としないことを示唆する。
【表16】
【表17-1】
【表17-2】
【0126】
表18に示されるように、ヒト前立腺癌細胞株DU145における抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの作用も評価した。抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbは、試験した全ての癌細胞において用量依存的成長阻害を示した。
【表18】
【0127】
例8:BALB/Cマウスにおける抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)の最大耐量
この例では、ヒト乳癌細胞株MDA−MB−231を使用して試験動物における抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの耐性をアッセイした。この実験のために、合計9匹のBALB/C雌ヌードマウス(6〜7週齢)を体重に従って3つの群に分けた。(表19)マウス(n=3)に、ビヒクル(PBS)または抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbのいずれかを250μg/kg体重/日または500μg/kg体重/日で5日間与えた。この研究中、死亡率/罹患率を1日2回測定した。体重をこの研究の1日目、4日目、及び6日目、ならびに研究終了日(13日目)に記録した。毒性を体重測定結果により評価し、マウスの挙動をビヒクル対照マウスと比較した。処理期が終了した時点で、これらの動物をさらに1週間観察して、処理後の体重及び/または全体的な健康のいかなる異常も記した。
【表19】
【0128】
表20に図解されるように、これらの群間で有意な体重差はなく、抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbは、いずれの投薬レベルでもいかなる薬物関連死にも関連しなかった。さらに、対照マウスと比較して抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbで処理された動物の挙動変化は観察されなかった。
【表20】
【0129】
例9:BALB/Cヌードマウス異種移植片ならびにヒト乳癌及びヒト膵臓癌細胞における細菌性抗STAT3 VHH13(配列番号3)の活性
この例では、ヒト乳癌細胞株MDA−MB−231を使用してマウスにおける抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの活性を評価した。簡潔に、MDA−MB−231ヒト乳癌異種移植モデル及びPANC−1ヒト膵臓癌異種移植モデルを使用して抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの活性を評価した。投薬スケジュールは、以下のとおりであった:第1群(n=6、PBS、腹腔内)1日1回14日間[QD×14]、及び第2群(n=12、500μg/kg体重、腹腔内)14日間毎日[QD×14]。薬物投与後5日間観察した。
【0130】
ヒト乳癌細胞株(MDA−MB−231及びPANC−1)をAmerican Type Culture Collection(ATCC)(Manassas,VA)から入手した。MDA−MB−231細胞を、10%FBS(Atlanta Biologicals,Flowery Branch,GA)及びペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミン(Life Technologies,Grand Island,NY)を補充したMEM(Life Technologies,Grand Island,NY)中で成長させた。PANC−1細胞を、10%FBS及びペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミンを補充したRPMI1640培地(Life Technologies,Grand Island,NY)中で成長させた。全ての細胞を5%CO
2の存在下で37℃のインキュベーター内で成長させた。
【0131】
4〜5週齢の無胸腺Foxnl
nu雄ヌードマウスをHarlan Laboratories(Indianapolis,IN)から購入した。これらの動物を1週間隔離し、12時間明暗サイクル及び50%の相対湿度で1つのケージに5匹のマウスを収容した。飲用水及び食べ物をこれらの動物に自由に供給した。全ての動物を、病原体を含まない条件下で収容し、IIT Research Institute Animal Use and Care Committeeに従って実験を行った。MDA−MB−231異種移植研究の場合、最終体積100μLのMEM培地中の細胞(4×10
6)をマウスの右側腹部に皮下注入した。PANC−1異種移植研究の場合、最終体積100μLのRPMI培地中の細胞(5×10
6)をマウスの右側腹部に皮下注入した。腫瘍が触診可能になった直後に両モデルの腫瘍測定を開始した。その後、腫瘍を週に2回測定した。腫瘍が75〜175mm
3のサイズ範囲に達したときにこれらの動物を無作為化し、層化無作為サンプリングアルゴリズムを使用して対照群(n=6)及び処理群(n=12)を無作為化した。無作為化の翌日に処理(抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAb)またはビヒクル(PBS)を開始した。処理に良好な耐性を示し、薬物関連死には関連しなかった。著しい体重減少は見られなかった。
【0132】
MDA−MB−231異種移植研究の場合、対照群及び処理群の無作為化平均(±標準誤差)腫瘍サイズは、それぞれ、103.01±11.89及び102.61±9.60であった。第1群及び第2群の無作為化時の平均体重(±標準誤差)は、それぞれ、32.08±0.76及び30.27+0.75であった。表21は、全研究の平均体重(±標準誤差)を示す。
【表21】
【0133】
投薬14日目に、対照群の平均腫瘍サイズ(±標準誤差)が179.11±19.39であったのに対し、処理群は118.86±15.94であった。第1群及び第2群の終了時の平均体重(±標準誤差)は、それぞれ、31.98±0.71及び30.55±0.74であった。表22は、全研究の腫瘍体積(±標準誤差)を要約する。処理群における平均腫瘍成長阻害%は、33.64%であった。腫瘍倍増時間は、以下のとおりであった:第1群では44.27日間、第2群では61.06日間。
図5は、MDA−MB−231異種移植モデルにおける抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの成長阻害を図解する。抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbは、著しい成長阻害(p=0.047)を示した。したがって、抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbは、MDA−MB−231ヒト乳癌モデル系において化学療法活性を有する。
【表22】
【0134】
PANC−1異種移植研究の場合、無作為化平均(+標準誤差)腫瘍サイズは、対照群では107.01±4.54であり、処理群では110.58±6.18であった。第1群及び第2群の無作為化時の平均体重(±標準誤差)は、それぞれ、29.0±0.81及び28.5±0.70であった。第1群及び第2群の終了時の平均体重(±標準誤差)は、それぞれ、31.2±0.99及び30.1±0.75であった。表23は、全研究の平均体重(±標準誤差)を要約する。投薬14日目に、対照群の平均腫瘍サイズ(±標準誤差)が287.30±33.94であったのに対し、処理群は318.74+29.76であった。表24は、全研究の腫瘍体積(±標準誤差)を要約する。
【表23】
【0135】
腫瘍倍増時間は、以下のとおりであった:第1群では22.44日間、第群では23.02日間。抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbは、PANC−1ヒト膵臓癌モデル系において著しい成長阻害を示さなかった。
【表24】
【0136】
例10:MDA−MB−231異種移植研究
この例では、MDA−MB−231ヒト乳房異種移植モデルにおける抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの有効性をさらに評価した。投薬スケジュールは、以下のとおりであった:第1群(n=4、PBS、腹腔内)1日2回14日間[BID×14]、第2群(n=4、1mg/kg体重、腹腔内)、1日2回14日間[BID×14]、第3群(n=4、2mg/kg体重、腹腔内)1日2回14日間[BID×14]、及び第4群(n=4、2mg/kg体重、腹腔内)1日1回14日間[QD×14]。投与後7日間観察した。
【0137】
ヒト乳癌細胞株MDA−MB−231及び無胸腺Foxn1
nu雌ヌードマウスは、上述のものであった。
【0138】
5×10
6の密度のMDA−MB−231細胞をMEM培地中最終体積100μLでマウスの右側腹部に皮下注入した。腫瘍が触診可能になった直後に腫瘍測定を開始した。その後、腫瘍を週に2回測定した。腫瘍が55〜150mm
3のサイズ範囲に達したときに、層化無作為サンプリングアルゴリズムを使用してこれらの動物を無作為化した。無作為化の翌日に処理(抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAb)またはビヒクル(PBS)を開始した。
【0139】
第1群、第2群、第3群、及び第4群の無作為化平均(±標準誤差)腫瘍サイズは、それぞれ、92.08±13.24、82.38±5.17、77.47±7.17、及び104.71±14.64であった。表25に示されるように、第1群、第2群、第3群、及び第4群の無作為化時の平均体重(±標準誤差)は、それぞれ、23.65±0.72、23.45±0.66、23.10±0.20、及び22.45±1.25であった。
【0140】
表26に示されるように、投薬14日目に、対照群の平均腫瘍サイズ(±標準誤差)が221.51±57.32であったのに対し、処理第2群、第3群、及び第4群は、それぞれ、67.12±10.66、58.27±22.54、及び131.44±22.86であった。終了時(42日目)、第1群、第2群、第3群、及び第4群の平均腫瘍サイズ(±標準誤差)は、それぞれ、255.42±65.46、55.98±6.94、41.15±13.21、及び145.51±52.32であった。第1群、第2群、第3群、及び第4群の終了時の平均体重(±標準誤差)は、それぞれ、24.80±0.49、23.25±1.20、24.00±0.32、及び23.2±1.46であった。第1群、第2群、第3群、及び第4群の最大平均正味体重減少%(日)は、それぞれ、0.7(36)、1.5(23)、1.8(36)、及び2.2(29)であった。
【0141】
同様に表26に示されるように、処理第2群、第3群、及び第4群における平均成長阻害は、それぞれ、78.3、75.2、及び55.9であった。腫瘍倍増時間は、第1群では20.56日間であり、第2群では34.54日間であり、第3群では30.07日間であり、第4群では27.17日間であった。第2群、第3群、及び第4群の成長遅延は、それぞれ、13.99日間、9.52日間、及び6.61日間であった。処理群の処理/対照値%は、第2群では−33.75(腫瘍停滞)であり、第3群では−54.4(腫瘍退行)であり、第4群では10.28(腫瘍阻害)であった。
図6は、MDA−MB−231異種移植モデルにおける抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの成長阻害を図解する。
【0142】
抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの投与は、第2群(p=0.02)[1mg/kg、BID×14]及び第3群(p=0.02)[2mg/kg、BID×14]における著しい成長阻害と関連した。さらに、4つの腫瘍のうち3つは、著しい退行を示した。これらのデータに基づいて、抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbがMDA−MB−231ヒト乳癌モデル系において化学療法活性を有すると結論付けられる。
【表25】
【表26-1】
【表26-2】
【0143】
例11:3匹のヒト癌異種移植モデルに対する抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの有効性
この例では、MDA−MB−231ヒト乳癌、PANC−1膵臓癌、及びDU145前立腺癌異種移植モデルにおける抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの有効性を評価した。
【0144】
無胸腺Foxn1
nuヌードマウス、MDA−MB−231乳癌細胞、PANC−1膵臓癌細胞株、及びDU145前立腺癌細胞株は、上述のものであった。研究1日目のマウスの体重は、17〜19g(雌34匹)及び21〜23g(雄16匹)の範囲であった。
【0145】
初期継代(4〜10)細胞をマウスへの移植に使用し、対数期成長中に採取した。MDA−MB−231(5×10
6)、DU145(5×10
6)、及びPANC−1(1.5×10
6)を最終体積100μLの培地でマウスの右側腹部に皮下注入した。腫瘍が触診可能になった直後に腫瘍測定を開始した。その後、腫瘍を週に2回測定した。
【0146】
腫瘍が74〜120mm
3(MDA−MB−231)、89〜146mm
3(DU145)、または60〜160mm
3(PANC−1)のサイズ範囲に達したときに、層化無作為サンプリングアルゴリズムを使用してこれらの動物を無作為化した。1日目と称する無作為化の翌日に処理(抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbを含有し、本明細書でSBT−100と称されるもの)またはビヒクル(PBS)を開始した。
【0147】
抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbを0.651mg/mLの濃度で事前に製剤化された溶液として供給し、使用するまで−20℃で保管した。このストック溶液を滅菌PBS(pH7.6)中に希釈して、10mL/kgの投薬体積中5mg/kgを得た。この希釈標準溶液を7日毎に調製し、7つのバイアルに一定分量ずつ入れ、4℃で保管した。各処理日に、必要なバイアルのみを室温にした。次の投薬の必要に応じて残ったsdAb材料を全て4℃で維持した。8日目に、いずれの残りのsdAb材料も廃棄し、新鮮なバッチを調製した。
【0148】
表27に示されるプロトコルに従って、1腫瘍モデル当たり2つのマウス群(対照及びSBT−100)に投薬した。投薬スケジュールは、以下のとおりであった:第1群(n=4、PBS)1日2回14日間[BID×14]、第2群(n=4、SBT−100、5mg/kg体重)1日2回14日間[BID×14]。ビヒクル(PBS(pH7.6))及びSBT100の両方を6時間間隔で1日2回14日間腹腔内(i.p.)投与した。個々の動物の体重に従って投薬を行った。投与後7日間回復に要した。
【表27】
【0149】
Study Log Study Director Animal Study Management Software(San Francisco,CA)を使用して、これらの動物を無作為化し、データ(例えば、投薬、体重、腫瘍測定値、臨床的観察)を収集し、データ分析を行った。
【0150】
MDA−MB−231腫瘍異種移植モデルにおいて、これらの動物を接種後23日目に無作為化し、第1群及び第2群の平均(±標準誤差)腫瘍サイズは、それぞれ、77.98±21.58及び84.71±5.56であった。第1群及び第2群の無作為化時の平均体重(±標準誤差)は、それぞれ、20.04±0.62及び23.7±1.84であった。表28は、全研究の平均体重(±標準誤差)を要約する。投薬最終日(14日目)、対照群の平均腫瘍サイズ(±標準誤差)が168.28±51.57であったのに対し、SBT−100処理マウスは83.81±22.65であった。表29は、全研究の腫瘍体積(±標準誤差)を要約する。終了時(28日目)、第1群及び第2群の平均腫瘍サイズ(±標準誤差)は、それぞれ、270.49±112.35及び91.72±33.17であった。第1群及び第2群の終了時の平均体重(±標準誤差)は、それぞれ、25.36±1.07及び24.25±1.68であった。研究終了時、SBT−100処理群における平均腫瘍成長阻害は、85.8%(p=0.006)であった。
図7は、平均腫瘍体積を図解する。第1群及び第2群の腫瘍倍増時間は、それぞれ、25.78日間及び111.6日間であった。第2群の処理/対照%は、13.35(腫瘍阻害)であった。
【表28】
【表29】
【0151】
DU145腫瘍異種移植モデルにおいて、これらの動物を接種後17日目に無作為化し、第1群及び第2群の平均(±標準誤差)腫瘍サイズは、それぞれ、111.87±20.53及び111.23±25.16であった。第1群及び第2群の無作為化時の平均体重(±標準誤差)は、それぞれ、29.10±1.94及び30.68±1.56であった。表30は、全研究の平均体重(±標準誤差)を要約する。投薬最終日(14日目)、対照群の平均腫瘍サイズ(±標準誤差)が621.81±276.25であったのに対し、SBT−100処理マウスは364.14±51.64であった。表31は、全研究の腫瘍体積(±標準誤差)を要約する。終了時(28日目)、第1群及び第2群の平均腫瘍サイズ(±標準誤差)は、それぞれ、819.42±351.88及び601.83±131.51であった。第1群及び第2群の終了時の平均体重(±標準誤差)は、それぞれ、29.20±2.33及び29.60±1.04であった。研究終了時、SBT−100処理群における平均腫瘍成長阻害は、26.6%(p=0.29)であった。
図8は、平均腫瘍体積を図解する。第1群及び第2群の腫瘍倍増時間は、それぞれ、14.57日間及び18.19日間であった。第2群の処理/対照%は、74.8であった。
【表30】
【表31】
【0152】
PANC−1腫瘍異種移植モデルにおいて、これらの動物を接種後22日目に無作為化し、第1群及び第2群の平均(±標準誤差)腫瘍サイズは、それぞれ、78.74±40.21及び93.84±36.31であった。第1群及び第2群の無作為化時の平均体重(±標準誤差)は、それぞれ、22.50±1.47及び24.23±1.63であった。表32は、全研究の平均体重(±標準誤差)を要約する。投薬最終日(14日目)、対照群の平均腫瘍サイズ(±標準誤差)が204.95±178.90であったのに対し、SBT−100処理マウスは159.03±28.01であった。表33は、全研究の腫瘍体積(±標準誤差)を要約する。終了時(28日目)、第1群及び第2群の平均腫瘍サイズ(±標準誤差)は、それぞれ、284.77±288.88及び203.02±30.34であった。第1群及び第2群の終了時の平均体重(±標準誤差)は、それぞれ、27.38±1.07及び26.23±1.19であった。研究終了時、SBT−100処理群における平均腫瘍成長阻害は、41.78%(p=0.35)であった。
図9は、平均腫瘍体積を図解する。第1群及び第2群の腫瘍倍増時間は、それぞれ、18.51日間及び35.70日間であった。第2群の処理/対照%は、52.79であった。
【表32】
【表33】
【0153】
例12:ER+/PR+(MCF−7)ヒト乳房腫瘍異種移植モデルにおける抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの有効性
この例は、ヌードマウスのMCF−7ヒト乳房腫瘍異種移植モデルにおける抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの有効性を実証する。
【0154】
研究1日目の無胸腺雌ヌードマウス(Crl:NU(Ncr)−Foxn1
nu、Charles River)は、12週齢であり、体重(BW)23.0〜30.1gの範囲であった。これらの動物に上述のように食物を与え、収容した。
【0155】
MCF−7ヒト乳癌細胞を入手し、上述のように培養し、マウス異種グラフに使用した。腫瘍細胞移植の3日前に、滅菌外套針を使用してエストロゲンペレット(0.36mgエストラジオール、60日間放出、Innovative Research of America,Sarasota,FL)を各試験動物の肩甲骨間に皮下移植した。
【0156】
移植に使用した腫瘍細胞を対数期成長中に採取し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に1×10
8細胞/mLの濃度で再懸濁した。移植日に、各試験マウスに1×10
7個のMCF−7細胞(0.1mL細胞懸濁液)を右側腹部に皮下移植し、平均サイズが100〜150mm
3の目標範囲に達したとき腫瘍成長を監視した。研究1日目と指定した21日後、これらの動物を2つの群に分け、各々、個々の腫瘍体積108〜144mm
3及び群平均腫瘍体積117〜123mm
3を有する4匹のマウスからなった。
【0157】
抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbを1mLの一定分量中0.41867mg/mLの濃度で事前に製剤化された投薬準備の整った溶液として提供し、必要になるまで−20℃で保管した。0.41867mg/mLの溶液は、23.88mL/kgの投薬体積中1mg/kgの投薬量を提供した。各処理日に、必要な抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbバイアルのみを解凍して室温にした。次の投薬の必要に応じて残った懸濁液を全て4℃で維持した。
【0158】
表34に示されるプロトコルに従って、2つの無胸腺ヌードマウス群に投薬した。全てのビヒクル(対照)及び抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAb用量を6時間間隔で1日3回14日間腹腔内(i.p.)投与し、2用量を1日目に送達し、1用量を15日目の朝に送達した(tid×14、1日目2用量)。ビヒクル及び抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの投薬体積は、0.478mL/20グラム体重(23.88mL/kg)であり、個々の動物の各々の体重に調整した。第1群にビヒクルを与え、腫瘍生着及び進行のベンチマーク群、ならびに対照とした。第2群に抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbを1mg/kgで与えた。
【表34】
【0159】
腫瘍を週に2回測定し、各動物を、その新生物が所定の終点体積(1000mm
3)に達したときまたは研究終了時(39日目)のいずれか早い方に安楽死させた。腫瘍が終点体積に達したときに、その動物を、安楽死の日付とともに腫瘍進行(TP)の理由から安楽死させたと記録した。各マウスの終点までの時間(TTE)を以下の等式により計算した。
【数1】
式中、TTEは日数で表され、終点体積はmm
3で表され、bは切片であり、mは対数変換腫瘍成長データセットの線形回帰によって得られた線の勾配である。このデータセットは、分析に使用される終点体積を上回る1回目の観察及びこの終点体積に達する直前の3回連続の観察からなる。計算されたTTEは、通常、動物を腫瘍サイズの理由から安楽死させた日であるTP日付未満である。終点体積に達しなかった動物に研究最終日(39日目)に等しいTTE値を割り当てた。処理に関連した(TR)原因で死亡したと分類されたいずれの動物にも死亡日に等しいTTE値を割り当てた。処理に関連しない(NTR)原因で死亡したと分類されたいずれの動物もTTE計算から除外した。
【0160】
対照群と比較した処理群の処理有効性を、日数単位でのTTE中央値の増加として定義される腫瘍成長遅延(TGD)から決定した。
【数2】
対照群に対するTTE中央値の増加パーセントは、以下のとおりであり、
【数3】
式中、Tは処理群のTTE中央値であり、
Cは指定された対照群のTTE中央値である。
【0161】
各群における処理有効性を腫瘍体積中央値MTV(n)で示すことができ、これを腫瘍が終点体積に達しなかった残りの動物の数(n)における研究最終日(39日目)の腫瘍体積中央値として定義した。
【0162】
処理有効性を本研究中に観察された退行応答出現及び程度から決定することもできる。処理は、動物における腫瘍の部分退行(PR)または完全退行(CR)を引き起こし得る。PR応答では、腫瘍体積は、本研究過程中の3連続測定ではその1日目体積の50%以下であり、これらの3回の測定のうちの1回以上では13.5mm
3以上であった。CR応答では、腫瘍体積は、本研究過程中の3連続測定では13.5mm
3未満であった。研究終了時にCR応答を有したいずれの動物も、無腫瘍生存体(TFS)としてさらに分類した。
【0163】
動物の体重を最初の5日間は1日1回、その後、残りの研究期間中は週に2回量った。これらのマウスを健康及びいずれの不利な処理関連TR副作用の明白な兆候について頻繁に観察し、注目すべき臨床的観察を記録した。個々の体重減少をプロトコルに従って監視し、1回の測定で30%を超えるか、または3回の測定で25%を超えて体重減少したいずれの動物も健康状態の理由からTR死として安楽死させた。群平均体重が回復した場合、その群に投薬を再開してもよいが、より低い用量または低頻度の投薬スケジュールで投薬する。許容される毒性を、本研究中20%未満の群平均体重減少及び10匹の処理動物中1つのTR死または10%を超えないTR死として定義した。より高い毒性をもたらすいずれの投薬レジメンも最大耐量(MTD)を超えるものと見なす。死亡を、それが臨床的兆候及び/または解剖によって証明される処理による副作用に起因した場合にTRとして分類し、投薬期間中または最終投薬の14日以内の原因不明の理由による場合もTRとして分類することができる。死亡が処理関連ではなく腫瘍モデルに関連したことが証明される場合、死亡をNTRとして分類した。NTR死を、NTRa(事故または人的エラーによるもの)、NTRm(浸潤または転移による解剖で確認された腫瘍散在によるもの)、及びNTRu(原因不明の理由によるもの)としてさらに分類した。
【0164】
Windows用Prism6.07(GraphPad)をグラフィック分析に用いた。試料サイズが小さかったため、統計値を用いなかった。
【0165】
群別の個々のマウスのTTE値を示すための散布プロットを構築し、このプロットは、全ての他の図から排除したNTR死を示す。個々の動物、群腫瘍体積中央値、及び平均腫瘍体積を時間の関数としてプロットした。動物が腫瘍サイズまたはTR死の理由から本研究を去ったときに、その最後に記録した腫瘍体積を、その後の時点の体積中央値を計算するために使用したデータとともに含めた。時間に対する本研究に残っている各群の動物の割合を示すためのカプラン・マイヤープロットを構築した。2つのTR死が同じ群で起こった後に腫瘍成長曲線を切断した。本研究にわたる群平均体重変化を1日目からの変化パーセント±平均標準誤差でグラフにした。ある群の評価可能なマウスの半数以上が本研究を去った後に腫瘍成長及び体重変化曲線を切断した。
図10は、本研究における平均腫瘍体積を図解する。
【0166】
表35は、マウスの平均体重減少、TR死、及びNTR死を提供する。表36〜38に示されるように、観察時に臨床的兆候を記録した。TR死は本研究では起こらなかった。体重減少は変化しやすく、各群における1匹の動物では重度であり、エストロゲン作用に起因するものであった。体重減少、拡大した子宮角、及び膀胱結晶等の臨床的観察は、両群に存在し、これらもエストロゲン作用に起因するものであった。エストロゲン毒性は、各群につき2つの処理に関連しない死をもたらした。本研究で評価した処理に許容できる耐性を示した。
【表35】
【表36】
【表37】
【表38】
【0167】
対照群及び処理群における4匹のマウスのうち2匹がエストロゲン毒性により死亡したため、統計的結論を下すことができなかった。利用可能なデータをもとに、腫瘍成長中央値及び平均腫瘍体積が対照群と比較して処理群で低下した。この差は14日間の処理中に見られ、本研究の25日目まで見られた。対照群が1000mm
3の腫瘍体積に達するのに25日かかった一方で、処理群が1000mm
3の腫瘍体積に達するのに36日かかった。これは、抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbがインビボでのMCF−7腫瘍の成長を遅らせることを示唆する。本研究を通じて、対照群も処理群もいずれも同様の体重を維持した。これは、抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbが体重減少に関して毒性を引き起こさなかったことを示唆する。
【0168】
例13:異種移植マウスにおけるヒトHER2+(BT474)乳癌の抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbでの処理
この例では、CB.17 SCIDマウスのBT474ヒト乳房腫瘍異種移植片における抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの有効性を決定した。
【0169】
腫瘍が100〜150mm
3の平均サイズに達したときに、表39に示されるプロトコルに従って、1mm
3のBT474腫瘍断片の異種グラフを側腹部に有する8〜12週齢のCB.17 SCIDマウスの2つの群を処理した。全てのビヒクル(PBS対照)及び抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAb(SB−01として表39に示される)用量を6時間間隔で1日3回14日間腹腔内(i.p.)投与し、2用量を1日目に送達した(tid×14、1日目2用量)。ビヒクル及び抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbの投薬体積は、0.478mL/20グラム体重(23.88mL/kg)であり、個々の動物の各々の体重に調整した。第1群にビヒクルを与え、腫瘍生着及び進行のベンチマーク群、ならびに対照とした。第2群に抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbを1mg/kgで与えた。
【表39】
【0170】
研究の最初の14日間にわたって、処理群に抗STAT3 B VHH13を与え、対照群にはビヒクルのみを与えた。表40に示されるように、この期間中、処理群が本研究を通じて体重を維持し、増量した一方で、対照群は、本研究を通じてより少ない体重を有した。これは、処理群が体重減少に関して抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbからの毒性を経験しなかったことを示唆する。両群の平均腫瘍体積及び腫瘍体積中央値は同様であり、研究の15日目に全く同じであった。研究の59日目に、両群が700立方mm
3の腫瘍体積に達した。これは、抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbが対照群と比較してインビボでのBT474腫瘍の成長を低下させなかったことを示唆する。
図11は、群平均腫瘍体積を図解する。
【表40】
【0171】
例14:抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbに対して指向されたマウスモノクローナル抗体の産生
この例では、本発明のsdAbに対するマウスモノクローナル抗体を生成した。使用した動物は、8〜10週齢のBALB/c雌マウスであった。水溶性アジュバントを使用した(CBL)。使用したHAT及びHTは、Sigma−Aldrichからのものであった。
【0172】
抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAbを使用して3匹のマウスを免疫化し、ハイブリドーマ細胞株を作製した。これらのマウスを各々水溶性アジュバントで3回免疫化した。1匹のマウスにおいて、血清力価が1/51200に達した。このマウスを屠殺し、脾臓細胞を骨髄腫細胞株Sp2/0と融合させることによってハイブリドーマ細胞株を作製した。
【0173】
この融合した細胞を限界希釈により96ウェルプレートに播種した。この融合した細胞をHATの存在下で培養し、651個の単一クローンを試験した。651個の単一クローンのうち27個の陽性クローンが抗STAT3細菌性VHH13(配列番号3)sdAb抗原に特異的に結合すると特定された。
【0174】
例15:PANC−1ヒト膵臓癌細胞におけるKRAS(G12D)単一ドメイン抗体の細胞毒性
この例は、ヒト膵臓癌細胞株PANC−1を使用して抗KRAS(G12D)(配列番号2)sdAbの抗増殖効果を実証する。この実験のために、PANC−1細胞が90%コンフルエンスに達するまでこれらの細胞を成長させた。この時点で、上述のMTTアッセイを使用して増殖研究を行った。
【0175】
処理3日後のPANC−1細胞における抗KRAS(G12D)(配列番号2)sdABの抗増殖特性を表41に示す。抗KRAS(G12D)(配列番号2)sdAbで処理したPANC−1細胞は、それぞれ、50.0μg/mL及び100μg/mLで19.9及び37.7の平均成長阻害を示した。
【表41】
【0176】
したがって、抗KRAS(G12D)(配列番号2)sdAbは、PANC−1ヒト膵臓癌細胞において用量依存的成長阻害を示した。
【0177】
例16:TNF−アルファsdAbによるインビトロ成長阻害
この例は、TNF−アルファの濃度を決定するために開発された方法及びTNF−アルファ機能の阻害を評価する方法を実証する。U937ヒト肺リンパ芽球細胞株における活性の測定可能な調節を示すのに必要なTNF−アルファの濃度を、PromegaのCell Titer−GJo(登録商標)発光細胞生存アッセイを使用して代謝的に活性な細胞の存在をシグナル伝達するATPの存在を定量することによって評価した。
【0178】
U937細胞を、全体積90μL/ウェルの透明なポリスチレン96ウェルマイクロ培養プレート(Corning(登録商標)Costar(登録商標)96ウェル平底プレート、カタログ番号3997)に播種した。5%C0
2及び95%空気を有する37℃の加湿インキュベーター内で24時間インキュベートした後、成長培地中の5μLの20倍連続希釈TNF−アルファを各ウェルに二連で添加した(10点用量応答、最大濃度20ng/mL)。さらに、成長培地中の5μLの20倍希釈スタウロスポリンを各ウェルに二連で添加した(濃度1nM)。
【0179】
試験薬剤の存在下で24時間培養した後、U937細胞株におけるTNF−アルファ活性の測定可能な調節を示すのに必要な化合物の濃度を、ATPの存在を定量することによって評価した。細胞成長パーセントを未処理対照ウェルに対して計算した。全ての試験を各濃度レベルで、二連で行った。
【0180】
以下の4パラメータロジスティック等式を使用してデータを曲線フィッティングすることによって、Prism 6.05を使用して試験薬剤のEC
50値を推定した。
【数4】
式中、Topは対照吸光度の最大%であり、Bottomは最大薬剤濃度での対照吸光度の最小%であり、Yは対照吸光度%であり、Xは薬剤濃度であり、IC
50は対照細胞と比較して細胞成長を50%阻害する薬剤の濃度であり、nは曲線の勾配である。
【0181】
図12及び13は、TNF−アルファがU937細胞に細胞毒性であることを実証する。U937に対するTNF−アルファのIC
50は、95.10pg/mLである。TNF−アルファ曲線は、用量漸増死滅作用(dose titration killing effect)を示す。
【0182】
図14は、U937に対するTNF−アルファ細胞毒性が3つの異なる抗TNF−アルファVHHによって阻害されることを実証する。抗TNF−アルファVHH62(配列番号47)sdAb、抗TNF−アルファVHH 66(配列番号45)sdAb、及び抗TNF−アルファVHH69(配列番号46)sdAbを一定用量のTNF−アルファとともにEC
50でインキュベートしたときに、3つ全ての抗TNF−アルファVHHがTNF−アルファによるU937の死滅を阻害する。抗TNF−アルファVHH62(配列番号47)sdAbのIC
50は、およそ713.6ug/mLであった。抗TNF−アルファVHH69(配列番号46)sdAbのIC
50は、208.055ug/mLを超えた。抗TNF−アルファVHH66(配列番号45)sdAbが約1×10
2ug/mL〜1×10
2ug/mLの抗TNF−アルファVHH66(配列番号45)sdAb濃度でTNF−アルファの細胞毒性を完全に阻害したため、抗TNF−アルファVHH66(配列番号45)sdAbのIC
50を決定することができなかった。この抗TNF−アルファVHH66(配列番号45)sdAb濃度範囲内で、U937細胞成長が増大し、それ故にTNF−アルファ活性を完全に阻害する。
【0183】
本発明がある特定の好ましい実施形態を参照してかなり詳細に説明されているが、他の実施形態も可能である。例えば、本方法の開示されるステップは、限定することを意図するものでも、各ステップが本方法に必ず必要であると示すことを意図するものでもなく、むしろ例示のステップにすぎない。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示に含まれる好ましい実施形態の記述に限定されるべきではない。本明細書で引用される全ての参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。