【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を実現するために、本発明に従った方法は、付属の独立項の特徴部分において提示されるものによって特徴付けられる。本発明の有利な実施態様は、従属項において記載される。
【0011】
所定の摂取
時刻に摂取されるべき医薬を収容する医薬パッケージを含む投薬ディスペンサからの医薬の計量分配を制御するための本発明に従った典型的な方法は、
− 投薬ディスペンサに患者の投薬プロファイルを提供することを含み、投薬プロファイルは、医薬パッケージの摂取期間(taking periods)を含み、摂取期間は、医薬パッケージの標識の上の情報にリンクされ、
− 投薬ディスペンサに患者の不在期間(period of absence)を通知することを含み、
− 不在期間中に患者によって摂取されるべき医薬を決定することを含み、該ステップは、各々の考慮される医薬パッケージのために、
− 医薬パッケージの標識から情報を読み取ること、
− 標識から読み取られる情報に基づき投薬プロファイルから摂取期間を決定すること、
− 摂取期間を不在期間と比較して、
− 摂取期間が不在期間内にあるならば、医薬パッケージの医薬は、不在期間中に摂取されなければならず、
− 前投薬ディスペンサから不在期間中に患者によって摂取されるべき医薬を収容する医薬パッケージを供給することを含む。
【0012】
医薬の計量分配を制御するための本発明に従った投薬ディスペンサシステムは、
− 投薬ディスペンサを含み、投薬ディスペンサは、少なくとも、
− 医薬のパッケージを含むストリップを受け入れるよう配置される容器を含み、各パッケージは、パッケージに関する情報を含む標識を有し、
− パッケージの標識の上の情報を読み取るよう配置されるリーダを含み、
− 容器からのパッケージをリーダに移転させ、次に、投薬ディスペンサの出口に移転させる手段を含み、
− リーダと移転手段とを制御するよう配置される制御装置を含み、
それによって、投薬ディスペンサシステムは、更に、
− 患者の投薬プロファイルを受け取る手段を含み、投薬プロファイルは、医薬パッケージの摂取期間を含み、摂取期間は、医薬パッケージの標識の上の情報にリンクされ、
− 患者の不在期間を受け取る手段を含み、
− 不在期間中に患者によって摂取されるべき医薬を決定する手段を含み、決定する手段は、各考慮される医薬パッケージのために、医薬パッケージの標識から読み取られる情報に基づき投薬プロファイルから摂取期間を決定し、且つ、摂取期間を不在期間と比較するよう構成され、摂取期間が不在期間内にあるならば、医薬パッケージの医薬は、不在期間中に摂取されなければならない。
【0013】
換言すれば、本発明は、患者が自動投薬ディスペンサを安全且つ容易に使用し得ると共に、旅行及び外出を伴う普通の生活を依然として有し得る方法を提供する。本方法及び本方法に基づく本システムは、異なる能力を備える異なる患者をサポートする。何故ならば、医薬を取り扱う患者の能力、例えば、旅行用の医薬を摂取することに基づき患者の権利を定め得るからである。よって、本発明の1つの実施態様に従った方法は、異なる能力を備える異なる患者をサポートする。ディスペンサを再充填することのような他の権利と同様に介護者によって遠隔に、不在状態活性化さえも患者のために可能とされ得る。その場合には、投薬ディスペンサは、これらの設定に基づき患者に権限を与える、即ち、投薬ディスペンサの不在状態を使用する権利を患者に付与する。患者によるローカル不在状態の活性化を通信ネットワークの上で遠隔に構成し得る。不在状態が使用可能にされるならば、不在時間に亘って投薬ディスペンサから医薬パッケージを供給するために、患者は投薬ディスペンサのローカルインターフェースを使用し得る。不在状態が使用可能にされないならば、介護者又は他の権限保持者、例えば、近親者には、認証後、不在時間に亘って投薬ディスペンサから医薬パッケージを供給する権利が付与されるのが典型的である。
【0014】
この脈絡において、「摂取期間」及び「投薬
時間帯(投薬窓
)」という用語は、同じ意味及び内容を有すると考えられるべきであり、それらは互いに完全に互換性がある。
【0015】
本発明の1つの実施態様によれば、投薬ディスペンサシステムは、通信ネットワーク上で投薬ディスペンサと接触するよう配置されるサーバを含む。投薬プロファイル、患者権利管理等に関する、全ての情報がサーバに記憶されるのが典型的である。サーバは、その目的のために、必要なメモリユニットを含み得る。更に、例えば、投薬ディスペンサのローカルインターフェースを使用することによって、システムに局所的に入力される全ての情報がサーバに移転されるのが好ましく、サーバ上の情報は相応して更新され、メモリに記憶される。
【0016】
その上、その方法は異なる医薬の必要性をサポートする。正に、医療法、又は、例えば、医薬カードにおいて入手可能な、他の医薬に特異な情報に基づき、介護者は、スケジュールがどれほど厳格であるか、及びどれぐらい互いに近接して医薬を患者に付与し得るかを定め得る。投薬プロファイルを設定することは、投薬
時間帯を定めるステップを含むのが典型的である。医薬のための利用可能な時間範囲は、公称
時刻の周りの投薬
時間帯に基づき定められる。投薬
時間帯が過ぎて投薬し損ねたならば、医薬は患者にそれ以上与えられないのが普通である。投薬プロファイルはシステムのサーバ内に記憶されるのが典型的であり、投薬プロファイルはサーバから投薬ディスペンサに提供されるが、投薬プロファイルを投薬ディスペンサのローカルメモリユニット内にも記憶させてもよい。
【0017】
医療法又は他の医薬に特異な使用説明書に基づき、介護者は、どの医薬が常に摂取される必要があるかも定め得る。このようにして、この医薬が第1に摂取される、即ち、他の医薬に対する優先性が付与されることが保証される。更に、異なる医薬を互いにリンクさせ得る。よって、異なる医薬は対として又は群として取り扱われ、適切な摂取順序において一定の時間間隔において患者に付与される。
【0018】
よって、その方法は異なる医薬の必要性もサポートする。何故ならば、幾つかの異なる投薬プロファイルを設定し得るからである。医療法における情報又は他の医薬に特異な情報に基づきこれらの投薬プロファイルを患者のためにローカル(局所的)に又は遠隔に設定し得る。投薬プロファイルは、情報、例えば、所要の医薬、所要の医薬のための投薬
時間帯等についての情報を含む。通信ネットワーク上で投薬プロファイルをサーバから投薬ディスペンサに受け取り得る。患者権利管理、例えば、投薬ディスペンサの不在状態を使用可能にする権利も、サーバに基づくのが好ましく、投薬プロファイルの情報中に組み込み得る。よって、投薬ディスペンサは、例えば、患者認証に基づき、サーバから患者権利を受け取り、患者権利を管理し得る。
【0019】
投薬プロファイル構成では、幾つかの要因が投薬
時間帯に影響を及ぼし、それらは、例えば、厳格、通常、又は柔軟であり得る。正に、一方では、一部の医薬、例えば、高血圧のための医薬は、互いに近接して摂取されなければならない。何故ならば、それは健康にとって危険な低血圧を引き起こし得るからである。そのような医薬は、極めて厳格な投薬
時間帯を有さなければならない。これらの医薬に関する使用説明書は、重大に遅延して医薬を摂取しないことを患者に助言し、投薬ディスペンサは、これを自動的に管理する。例えば、重大に遅延した医薬は、患者に全く供給されない。遅延した医薬を投薬ディスペンサの内側に、例えば、別個の廃棄空間内に貯蔵し得る。投薬ディスペンサは遅延医薬についてのメッセージを介護者に送ってもよい。他方では、一部の医薬、例えば、骨粗鬆症のための毎週1回の医薬のような1週間に1度ずつ摂取されるべき医薬は、摂取し損なわれてはならず、よって、投薬ディスペンサは、医薬が摂取されるまで、これらの医薬を利用可能な状態に自動的に維持し得る。投薬プロファイル構成を設定するときに更に考慮すべき他の要因は、医薬の間の依存性である。正に、一部の医薬は、対として又は組織化された配列として取り扱われなければならない。即ち、一部の医薬は、所定の時間期間の下で所定の順番において摂取されなければならない。例えば、医薬は他の医薬から胃を保護し、よって、それは実際の医薬が十分な保護効果を有する前に一定の時間間隔で摂取されなければならない。
【0020】
典型的には、システムのための工場初期設定は、それらの投薬プロファイルの初期設定として殆どの患者にとって適切であるよう最適化される。これは医薬プロファイルが必ずしも別個に構成され或いは変更させられる必要がなく、初期設定を選択し且つ使用し得ることを意味する。この場合、投薬プロファイルは、工場初期設定によってもたらされる。
【0021】
本方法及び本システムは、仕事、旅行、及び友人訪問のような、普通の生活をサポートする。投薬スケジュールが厳格である必要がなく、医薬をより柔軟に摂取し得る場合、投薬
時間帯は厳格である必要はない。この場合には、毎日の日課又は短い旅行の間に医薬を摂取し得る。
【0022】
従来技術に対する本発明の1つの利点は、従来技術におけるように医薬を手で投与することが必要とされないことである。更なる利点は、従来技術の解決策におけるような別個の不在投与、例えば、旅行投与が必ずしも必要とされないことである。更に他の利点は、患者の必要性又は能力に基づく投薬プロファイルの多様性である。何故ならば、従来的な既知の装置の典型的な1つのプロファイルの代わりに、幾つかのプロファイルが可能だからである。
【0023】
投薬ディスペンサは、患者名、公称摂取
時刻、医薬品名等を含む、医薬情報をパッケージから読み取り、投薬プロファイルによって特定される規則及び情報に従うのが典型的である。よって、正しく構成される投薬プロファイルは、投薬ディスペンサが、医薬が正しい
時刻に安全に供給されることを自動的に保証することを可能にする。投薬ディスペンサシステムは、計量分配されるパッケージの間に十分な安全限界があることを自動的に保証し得る。安全限界は投薬プロファイルに依存し、結果的な又は連続的な投薬の間の時間に比例する。
【0024】
患者自身又は介護者が、投薬ディスペンサに対して間接的に或いは例えばサーバを介してのような遠隔接続を介して、不在期間の通知を行い得る。例えば、タッチスクリーンディスプレイのように、投薬ディスペンサのローカルインターフェースを使用することによって局所的に、或いは、代替的に、ウェブユーザインターフェイスを介して遠隔的に、不在期間の通知を行い得る。
【0025】
患者の不在期間は、例えば、30〜60分、1〜2時間、2〜5時間、5〜12時間、12〜24時間、1〜3日、1週間、2週間、3週間以上であり得る。
【0026】
加えて、本方法は、不在、例えば、旅行をサポートする。正に、医薬を摂取すべきときに患者が投薬ディスペンサの近傍に存在しないならば、彼又は彼の介護者は投薬ディスペンサを不在状態に置き得る。不在状態において、投薬ディスペンサは、先ず、不在期間に亘って医薬を供給し、次に、不在期間中にローカルリマインダを付与することを控える。開始
時刻、戻り
時刻、又は両方を投薬ディスペンサに単に入力することによって、上記を行い得る。次に、投薬ディスペンサは、不在期間に亘って正しい医薬を自動的に放出する。開始
時刻及び戻り
時刻は、開始日又は戻り日及び予想開始
時刻又は戻り
時刻についての情報を含み得る。典型的には、投薬ディスペンサは、戻り
時刻を単に入力することによって不在状態に置かれ、それによって、不在期間は、進行中の瞬間から直ぐに開始すると推定される。然る後、投薬ディスペンサは、不在期間に亘って使用不能にされ或いは不在期間に亘って待機状態に配置され、ローカルリマインダを付与しない。代わりに、システムから患者の移動式装置に全てのリマインダを送り得る。
【0027】
本発明の1つの実施態様によれば、投薬ディスペンサシステムは、移動式投薬ディスペンサを含み、不在期間中に患者によって摂取されるべき医薬を含む医薬パッケージは、移動式投薬ディスペンサに移転される。
【0028】
本方法は、不在期間中に患者によって摂取されるべき医薬を含む医薬パッケージを、医薬パッケージを計量分配するよう構成される移動式投薬ディスペンサに移転することを更に含み得る。これは旅行のような不在期間中の医薬の取扱いを容易化する。患者、介護者、又は権限保持者が医薬パッケージの移転を手で行い得、或いは、医薬パッケージの移転を自動的に行い得る。医薬パッケージの自動移転において、移動式投薬ディスペンサの入口は、投薬ディスペンサの不在状態を活性化させるときに、投薬ディスペンサの出口に接続される。正しい数の医薬パッケージが、投薬ディスペンサから移動式投薬ディスペンサに正しい順序において直接的に供給される。代替的な選択肢として、不在期間中に摂取されるべき医薬を投薬ディスペンサから医薬のための別個の旅行容器に移転し得る。移動式投薬ディスペンサ又は旅行容器は、投薬プロファイルについての情報がシステムからダウンロードされる電子機器を含み得る。ローカル接続によって或いはサーバを介して遠隔に情報のダウンロードをローカルに遂行し得る。ローカル接続は、無線接続又は有線接続であり得る。
【0029】
移動式投薬ディスペンサのインターフェースは、患者が不在期間中に医薬の摂取を確認することも可能にし得る。次に、この確認を投薬ディスペンサに移転し或いは通信ネットワーク上でサーバに移転し得る。確認
時刻を移動式投薬ディスペンサ内に保存し、患者が家に戻るときに、投薬ディスペンサと移動式投薬ディスペンサとの間に配置されるローカル接続を介して投薬ディスペンサに或いは移動式投薬ディスペンサに移転してもよい。よって、介護者は、場合によっては遠隔的にさえも、医薬の適切な摂取を制御し得る。移動式投薬ディスペンサのインターフェースは、医薬の摂取についての簡単なリマインダ及び/又は通知も患者にもたらし得る。
【0030】
短い旅行のための不在状態活性化の必要性は投薬
時間帯にも依存する。正に、医薬が厳格な投薬
時間帯を必要としないならば、不在状態は必ずしも必要ではなく、患者が家に戻るときに医薬を摂取し得る。投薬ディスペンサは、投薬プロファイルに基づき不在期間に亘る医療を冷めるのに役立ち得る。何故ならば、必要であれば、それは不在状態を自動的に活性化し得、或いは、それは患者が家に戻るときに医薬を依然として摂取し得ることを助言し得るからである。
【0031】
医薬を摂取することについてのリマインダを患者の移動式装置に送るようシステムをプログラムし得る。正に、ある実施態様によれば、本方法は、摂取期間中に医薬を摂取することを患者に通知することを含む。移動式電話、移動式投薬ディスペンサ、又は他の移動式装置に通知を送り得る。
【0032】
本方法は、不在期間の時間に亘って投薬ディスペンサを不在状態に設定することも含むのが好ましい。それによって、システム及び装置は、例えば、旅行をサポートするためにも、不在状態を有する。この場合、医薬は正しい
時刻に放出され、投薬ディスペンサは、不在期間に亘って使用不能にされるか或いは待機状態に配置される。
【0033】
好ましくは、本方法は、不在期間の間に亘って十分な医薬パッケージがあることを確認することや、より多くの医薬パッケージの必要性を通信することも含む。よって、本方法は、不在期間に亘って、例えば、旅行に亘って、十分な医薬があることを自動的に確認し得る。不在期間、即ち、開始
時刻及び戻り
時刻又は戻り
時刻のみをシステムに入力するとき、システムは、その不在期間に亘って投薬ディスペンサ中に十分な医薬パッケージがあるか否かを自動的に確認する。もし十分な医薬パッケージがないならば、システムは、医薬を供給する責任のある当事者に不在期間に亘る余分の供給の必要性について通報する。
【0034】
規則的に旅行する人又は規則的な会合に出る人のために、本方法は、不在期間が規則的に起こるよう設定することも含み、それによって、その使用をより一層簡単にする。よって、規則的に仕事又は他の事象に行く患者のために、日常スケジュールを定め得る。この場合、システムは、例えば、毎朝、仕事時間に亘って医薬パッケージを自動的にもたらし得る。これを1回の設定によって行い得る。
【0035】
ある実施態様によれば、本方法は、医薬パッケージの摂取
期間が不在期間の外側になるまで、不在期間中に患者によって摂取されるべき医薬を決定するステップを反復することを含む。投薬プロファイルによって定められる投薬
時間帯の一部が不在期間の内側にあることがある。これらの場合には、戻りの遅延の故に医薬が偶発的に未摂取のままにされないよう、不在期間の外側に、即ち、所定の戻り
時刻の後に、投薬
時間帯の有意な部分がなければならない。典型的には、対応する医薬パッケージが不在期間に亘って供給されないよう、投薬
時間帯の少なくとも半分が不在期間の終了の後に配置されなければならない。
【0036】
他の実施態様によれば、医薬パッケージの標識から読み取られる情報は、摂取
時刻を含み、摂取期間は、摂取
時刻に従って投薬プロファイルから決定される。投薬プロファイルの情報と医薬パッケージとを互いに接続させるために、医薬パッケージの標識からの情報を使用し得る。例えば、医薬パッケージの標識内に開示される情報に従った医薬の摂取
時刻の周りで摂取期間を決定し或いは計算し得る。
【0037】
本方法は、移動式投薬ディスペンサに、患者の投薬プロファイル及び/又は医薬パッケージの標識から読み取られる摂取
時刻及び/又は医薬パッケージの摂取期間を提供することも含み得る。
【0038】
摂取期間は、>0秒の長さを有する任意の適切な時間期間であり得る。医薬の摂取期間中に或いは通常の摂取
時刻に1回だけ患者にリマインドするよう、移動式投薬ディスペンサを活性化し得る。
【0039】
本方法は、患者が医薬を摂取した
時刻に基づき、摂取期間の開始地点及び/又は終了地点を変更することを更に含む。よって、本方法は、1回の投薬を損じるならば、投薬
時間帯の再設定を可能にする。
【0040】
本発明は、例えば、医薬が医薬パッケージのストリップとして提供される、投薬ディスペンサにおいて有用である。ストリップは、1つ又はそれよりも多くの医薬パッケージを含み得る。ストリップは、例えば、少なくとも2つの医薬パッケージを含み得、或いは、ストリップは、1つの医薬パッケージから成り得る。ストリップが2つ又はそれよりも多くの医薬パッケージを含む場合、ストリップ中の医薬パッケージは互いに物理的に接続され得、或いは、ストリップ中の医薬パッケージは互いに別個である。1つの実施態様によれば、医薬パッケージは互いに別個である。即ち、それらは互いに物理的に接続されない。患者又は看護士若しくは近親者のような患者の介護者は、ストリップを容器内に挿入し得る。パッケージは、
時刻の順番において順次的にストリップ中に配置される。ストリップのパッケージは、医療法に従って1回に1つのパッケージが計量分配されることが意図される。各パッケージは、所定の
時刻に摂取されるべき投与量を含む。パッケージは、例えば、プラスチック製のバッグ若しくはカップ又はプラスチック若しくは金属箔で作製されるブリスタパッケージであり得る。
【0041】
医薬パッケージの標識は、パッケージ関連情報を含む。標識は、彼/彼女の名前又は社会保障番号のような、パッケージが計量分配されることが意図される人の識別情報、及び/又は、パッケージの内容、投与の
時刻、即ち、パッケージ内の医薬が摂取されるべき
時刻のような、人の治療法に関する情報を含み得る。その情報は、例えば、文字、一次元若しくは二次元バーコード、RFID(無線認証)、NFC(近距離場通信)タグ、又は磁気タグの形態であり得る。標識は、医薬パッケージの分離不能な部分であり得る。即ち、その情報を医薬パッケージの表面の上に直接的にもたらし得る。代替的に、標識は、医薬パッケージに取り付けられる別個のタグ又は接着標識であり得る。
【0042】
患者又は介護者が手で或いは投薬ディスペンサの移転手段によって自動的にストリップの第1のパッケージをリーダに移転し得る。移転手段は、パッケージを容器からリーダを通じて投薬ディスペンサの出口に移転するよう構成される。第1のパッケージがリーダに移動させられた後、第1のパッケージの標識上の情報が読み取られる。
【0043】
ある実施態様によれば、本発明は、ストリップの医薬パッケージを患者に計量分配し得るか否かを決定するために、第1のパッケージの標識から読み取られる情報を従前のストリップの最後の医薬パッケージの標識から読み取られる情報と比較することを含む。標識から読み取られる情報は、例えば、識別情報及び/又は医療法に関する情報を含み得る。他の実施態様によれば、標識上の情報を読み取るステップは、標識の画像を捕捉し、光学文字認識及び/又はバーコード認識を使用して画像を解釈することを含む。
【0044】
本発明の方法にとって有用な典型的な投薬ディスペンサは、各パッケージがパッケージに関する情報を含む標識を有する医薬のパッケージを含むストリップを受け入れるよう配置される容器と、パッケージの標識上の情報を読み取るよう配置されるリーダと、パッケージを容器からリーダに移転し、次に、投薬ディスペンサの出口に移転するための移転手段と、リーダ及び移転手段を制御するよう配置される制御装置とを含む。典型的な投薬ディスペンサにおいて、制御装置は、ストリップのパッケージを患者に計量分配し得るか否かを決定するために、第1のパッケージの標識から読み取られる情報を投薬ディスペンサ内に記憶される患者情報と比較するよう配置される。
【0045】
投薬ディスペンサは、処方された
時刻に適切な投与量の医薬を患者に提供するために、医薬パッケージを計量分配するよう配置される。パッケージが患者に供給されるべき
時刻は、パッケージの標識から或いは投薬ディスペンサのメモリから或いはシステムのサーバから読み取られる。患者が処方通りに医薬を摂取していることを患者、患者の介護者、又は投薬ディスペンサへのアクセスを有するあらゆる人に確証させるよう、投薬ディスペンサは、医薬の計量分配が監視され且つ制御されるのを可能にする。
【0046】
制御装置はリーダ及び移転手段に接続され、1度に1つのパッケージが決定された
時刻に計量分配されるよう、リーダ及び移転手段を制御するよう配置される。パッケージは、移転手段を用いて、容器からリーダに移転され、更に、投薬ディスペンサの出口に移転され、患者はその出口から医薬を摂取し得る。移転手段は、例えば、電気モータを用いて駆動される1つ又はそれよりも多くのローラを含み得る。電気モータは制御装置によって制御される。制御装置は、投薬ディスペンサを作動するのに必要な機能を実施するようプログラムされるプロセッサを含む。制御装置は、例えば、患者情報を記憶するためのメモリも含み得る。
【0047】
本発明の1つの実施態様によれば、患者の投薬プロファイルを受け取る手段は、その目的のために設定されるコンピュータプログラムコード手段又はソフトウェア構成素子を使用することによって完全に或いは部分的に実施し得る受取手段であり得る。本発明の1つの実施態様によれば、患者の投薬プロファイルを受け取る手段は、制御装置を含む。
【0048】
本発明の1つの実施態様によれば、不在期間を受け取る手段は、その目的のために設定されるコンピュータプログラムコード手段又はソフトウェア構成素子を使用することによって完全に或いは部分的に実施し得る受取手段であり得る。不在期間を受け取る手段は、タッチスクリーンディスプレイのような投薬ディスペンサのローカルインターフェース及び/又はウェブユーザインターフェイスを介して遠隔に不在期間を受け取る手段を含み得る。本発明の1つの実施態様によれば、不在期間を受け取る手段は、制御装置を含む。
【0049】
本発明の1つの実施態様によれば、不在期間中に患者によって摂取されるべき医薬を決定する手段は、その目的のために設定されるコンピュータプログラムコード手段又はソフトウェア構成素子を使用することによって完全に或いは部分的に実施し得る決定手段であり得る。本発明の1つの実施態様によれば、不在期間中に患者によって摂取されるべき医薬を決定する手段は、制御装置を含む。
【0050】
本発明の1つの実施態様によれば、患者の投薬プロファイルを受け取る手段、患者の不在期間を受け取る手段、及び/又は不在期間中に患者によって摂取されるべき医薬を決定する手段を投薬ディスペンサの制御装置内に組み込み得る。
【0051】
投薬プロファイルに関する如何なる変更もない場合、不在期間又は医薬は、ローカルインターフェースを使用することによってシステムに入力され、システムは、通信ネットワークを介して入力情報をシステムのサーバに移転する手段も含み得る。情報を移転する手段は、その目的のために設定されるコンピュータプログラムコード手段又はソフトウェア構成素子を使用することによって完全に或いは部分的に実施し得る移転手段であり得る。
【0052】
本発明の1つの実施態様によれば、投薬ディスペンサは、移動式投薬ディスペンサと相互作用する手段を含み得る。これらの相互作用する手段を用いるならば、投薬ディスペンサと移動式投薬ディスペンサとの間で情報を移転することが可能である。相互作用する手段は、その目的のために設定されるコンピュータプログラムコード手段又はソフトウェア構成素子を使用することによって完全に或いは部分的に実施し得る相互作用手段であり得る。相互作用手段は、任意の所要の送受信手段も含み得、或いは、任意の所要の送受信手段を追加的に含み得る。
【0053】
計量分配されるべき医薬パッケージをストリップからカッタによって分離し、次に、出口に移転し得る。パッケージを開放するためにカッタを配置してもよく、それによって、医薬をパッケージから容易に取り出し得る。一部の用途において、カッタは、パッケージをストリップから分離することなくパッケージを切り開くため配置されるだけである。この場合には、医薬のみが出口に供給される。出口は蓋を備えるのが好ましく、蓋は、ディスペンサが不在状態にあるときのように所望であれば、患者又は他の人が出口にアクセスするのを阻止し得るよう係止可能であり得る。
【0054】
ある実施態様によれば、リーダは、光学リーダ、RFIDリーダ、又はNFCリーダである。光学リーダは、文字又は一次元若しくは二次元バーコードを読み取り得る。RFID及びNFCリーダは、RFID又はNFCタグを読み取るためにそれぞれ使用される。タグが磁気的である場合、リーダは所謂ホールセンサの使用にも基づき得る。更に、リーダは、標識の画像を捕捉するよう配置されるカメラも含み得る。制御装置は、光学文字認識及び/又はバーコード認識を使用して画像を解釈するよう配置される。
【0055】
この本文中に提示する本発明の例示的な実施態様は、付属の請求項の適用性に限定を提示するよう解釈されてはならない。この本文において、「含む」という動詞は、非列挙の機能の存在も排除しない開放限定として使用されている。従属口中に列挙される機能は、特段の断りのない限り、相互に自由に組み合わせ可能である。
【0056】
コンピュータ関連であることで、ここに開示する手段又は構成素子をハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにおいて実施し得る。ソフトウェア構成素子は、メモリ、大容量記憶装置、又は取り外し可能な記憶装置のような、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体中に記憶されるコンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態にあり得る。例えば、コンピュータ読み取り可能な媒体は、特定の構成素子の機能を遂行するためのコンピュータ読み取り可能なコードを含み得る。同様に、1つ又はそれよりも多くのの構成部品を含むようコンピュータメモリを設定してもよく、次に、それをプロセッサによって実行し得る。構成部品を多数のモジュール中に別個に或いは単一のモジュール中に一緒に実装し得る。
【0057】
本発明の特徴と考えられる新規な機能は、特に付属の独立項において示される。しかしながら、本発明自体は、その構成及びその動作方法の両方に関して、それらの追加的な目的及び利点と共に、添付の図面と共に判読されるときに、特定の実施態様の以下の記載から最良に理解されるであろう。