(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のワーク搬送装置の一実施形態に係るトランスファフィーダについて図面を参照しながら以下に説明する。
<1.構成>
(1−1.トランスファプレスの概要)
図1は、本発明にかかる実施の形態のトランスファプレス1の全体概要を示す模式図である。
【0017】
本実施の形態のトランスファプレス1は、
図1に示すように、プレス装置本体2と、ムービングボルスタ3と、上金型4aと下金型4bで構成される金型4と、トランスファフィーダ5と、を備えている。プレス装置本体2に金型4の上金型4aが取り付けられ、ムービングボルスタ3上に下金型4bが載置されて、トランスファフィーダ5で搬送されるワークWにプレス動作が行われる。
【0018】
なお、
図1では、フィード方向およびワーク搬送方向における下流方向がX1、上流方向がX2で示されている。本明細書内において、上流方向および下流方向を区別せずに説明する場合は、単にフィード方向Xまたはワーク搬送方向Xと記載する。また、リフト方向における上方がZ1、下方がZ2で示されており、本明細書内において上方および下方を区別せずに説明する場合は、単にリフト方向Zと記載する。さらに、クランプ方向において、下流を向いて右方向がY1、左方向がY2で示されており、本明細書内において右方向および左方向を区別せずに説明する場合は、単にクランプ方向Yと記載する。
【0019】
(1−2.プレス装置本体)
プレス装置本体2は、主に、ベッド21と、アプライト22と、クラウン23と、スライド24を有している。
ベッド21は、
図1に示すように、フロアFに埋め込まれており、プレス装置本体2の土台となる。
【0020】
図2は、トランスファプレス1を上方から視た斜視図であるが、説明のためにクラウン23、スライド24、ムービングボルスタ3およびベッド21を省略している。
アプライト22は、柱状の部材であり、
図2に示すように、フィード方向Xの上流方向X2側に2本、下流方向X1側に2本配置されている。上流方向X2側に配置されている2本のアプライト22は、クランプ方向Yの右方向Y1側と左方向Y2側に所定の間隔を空けて配置されている。下流方向X1側に配置されている2本のアプライト22は、クランプ方向Yの右方向Y1側と左方向Y2側に所定の間隔を空けて配置されている。すなわち、4本のアプライト22は、平面視において矩形状を形成するように配置されている。なお、
図1では、右方向Y1側の2本のアプライト22が省略されている。
【0021】
クラウン23は、
図1に示すように4本のアプライト22によって上方に支持されている。クラウン23には、その下側に吊下されたスライド24を昇降させるスライド機構が設けられている。
スライド24は、クラウン23に設けられたスライド機構により昇降自在である。スライド24の下面にダイクランパ(図示せず)によって上金型4aが着脱自在に取り付けられている。
【0022】
(1−3.ムービングボルスタ)
ムービングボルスタ3の上面には、下金型4bが載置される。ムービングボルスタ3は、金型4を交換する際にベッド21の上面を移動可能に構成されている。フロアFおよびベッド21には、図示しないレールが敷設されている。ムービングボルスタ3には、ムービングボルスタ3を駆動する駆動機構が設けられている。
【0023】
金型4を交換する際には、ムービングボルスタ3は、アプライト22の間を通ってクランプ方向(
図1における紙面手前または奥行き方向)に移動し、プレス装置本体2の外側に移動する。そして、次に使用する金型4に交換された後、ムービングボルスタ3は、アプライト22の間を通過しプレス装置本体2の内側に移動する。
(1−4.トランスファフィーダ)
図3は、トランスファフィーダ5の斜視図である。
図4は、トランスファフィーダ5をフィード方向Xの上流方向X2側から見た図である。
図5は、トランスファフィーダ5をフィード方向Xの下流方向X1側から見た図である。
図4および
図5では、アプライト22およびムービングボルスタ3等を2点鎖線で示している。
【0024】
本実施の形態のトランスファフィーダ5は、
図2〜
図5に示すように、主に、支持部6と、リフトクランプ駆動機構7と、調整機構8と、を備えている。
支持部6は、一対設けられており、フィード方向Xに沿って互いに平行に配置されている。
一対の支持部6は、ワークWを把持するフィンガー200をフィード方向Xに移動可能に支持する。リフトクランプ駆動機構7は、支持部6をリフト方向Zおよびクランプ方向Yに移動させる。リフトクランプ駆動機構7は、1つの支持部6の両端部に設けられており、合計4つのリフトクランプ駆動機構7が設けられている。調整機構8は、各々のリフトクランプ駆動機構7に対して設けられており、リフトクランプ駆動機構7のクランプ方向Yの位置を調整する。
【0025】
(1−4−1.支持部)
各々の支持部6は、
図3〜
図5に示すように、バー60と、バー60をフィード方向に駆動するフィード駆動機構61と、を有する。
(バーおよびフィード駆動機構)
一対のバー60は、細長い四角柱形状であり、フィード方向Xに沿って互いに平行に配置されている。一対のバー60の上面には、フィード方向Xに沿って複数のフィンガー200が着脱可能に取り付けられている。
【0026】
フィード駆動機構61は、各々のバー60に対して2つ設けられている。バー60のフィード方向Xの上流方向X2側の端部と、下流方向X1側の端部のそれぞれにフィード駆動機構61が設けられている。
図6は、
図3のAA´間のフィード駆動機構61の断面図である。4つのフィード駆動機構61は同様の構成であり、以下では上流方向X2側であって右方向Y1側の
図6に示すフィード駆動機構61を例に挙げて説明する。
【0027】
フィード駆動機構61は、リニアモータ駆動であり、バー60を支持する支持枠体611と、レール612と、ローラ部613と、磁石614と、コイル615と、主に有している。
図6に示すように、支持枠体611は、断面視においてU字形状であり、バー60を下側から覆うように配置されている。支持枠体611は、後述するリフトクランプ駆動機構7によって下方から支持されている。
【0028】
レール612は、バー60の下面に設けられており、バー60の両側面から突出している。ローラ部613は、支持枠体611の対向する内側面611aのそれぞれに回転可能に設けられた上ローラ613aおよび下ローラ613bを有している。上下に配置された上ローラ613aと下ローラ613bの間にレール612の端が嵌められている。なお、上ローラ613aおよび下ローラ613bは、フィード方向Xに沿って複数組設けられている。
【0029】
磁石614は、レール612の下側に配置されている。コイル615は、U字形状の支持枠体611の内側底面611bに、磁石614に対向するように配置されている。
コイル615に電流を流すことにより、コイル615と磁石614との間に吸引もしくは反発する力が発生し、上ローラ613aおよび下ローラ613bに案内されてバー60が支持枠体611に対してフィード方向Xに移動する。
【0030】
なお、下流方向X1側のフィード駆動機構61は、上流方向X2側のフィード駆動機構61と上下逆に配置されている。
(1−4−2.リフトクランプ駆動機構)
図3〜
図5に示すように、本実施の形態のトランスファフィーダ5には、4つリフトクランプ駆動機構7が設けられている。
図4に示す上流方向X2側の2つのリフトクランプ駆動機構7は、左右対称に配置されている。また、
図5に示す下流方向X1側の2つのリフトクランプ駆動機構7は、
図4に示す上流方向X2側の2つのリフトクランプ駆動機構7と上下対称に配置されている。
【0031】
図7は、フィード方向Xの上流方向X2側であって右方向Y1側のリフトクランプ駆動機構7を下流方向X1の上方から見た斜視図である。
図8は、
図7に示すリフトクランプ駆動機構7を上流方向X2の上方から見た斜視図である。
図9は、上流方向X2側であって右方向Y1側の支持枠体611、リフトクランプ駆動機構7および調整機構8の部分分解斜視図である。
図10は、上流方向X2側であって左方向Y2側の支持枠体611、リフトクランプ駆動機構7および調整機構8の部分分解斜視図である。
図11は、
図7に示すリフトクランプ駆動機構7を下流方向X1側から見た正面図である。
【0032】
リフトクランプ駆動機構7は、
図7、
図8および
図11に示すように、基部70と、第1駆動部71と、第2駆動部72と、第1リンク機構73と、第2リンク機構74と、第3リンク機構75と、シリンダ76と、を主に有している。
基部70は、後述する調整機構8のキャリア81上に固定されている。基部70は、
図10の分解図に示すように、第1部材70aと第2部材70bの2つの部材に分けて構成されている。第1部材70aは、第2部材70bの下流方向X1側に配置される。第1部材70aと第2部材70bは組み付けられて基部70を構成する。
【0033】
(1−4−2−1.第1駆動部)
第1駆動部71は、
図11に示すように基部70のクランプ方向Yにおける略中央に固定されている。第1駆動部71は、
図7〜
図10に示すように第1電動モータ711と、第1減速機712とを有している。第1電動モータ711は、
図9に示すように、その回転軸711aがフィード方向Xに沿うように配置されており、第1減速機712に取り付けられている。第1電動モータ711は、
図7〜
図9に示すように第1減速機712の上流方向X2側に配置されている。
【0034】
第1減速機712は、略円柱形状であり、回転軸711aと同軸上に出力軸712a(
図11参照)を有している。第1減速機712は、
図7〜
図11に示すように基部70に固定されている。詳細には、第1減速機712は、
図9および
図10に示すように基部70の第2部材70bに固定されている。なお、第1電動モータ711には、例えばサーボモータが用いられる。
【0035】
(1−4−2−2.第2駆動部)
第2駆動部72は、
図8、
図10及び
図11に示すように基部70の左方向Y2側(クランプ方向Yの内側ともいえる)に固定されている。第2駆動部72は、第2電動モータ721と、第2減速機722とを有している。第2電動モータ721は、
図9および
図10に示すように、その回転軸721aがフィード方向Xに沿うように配置されており、第2減速機722に取り付けられている。第2電動モータ721は、
図7および
図8に示すように第2減速機722の上流方向X2側に配置されている。
【0036】
第2減速機722は、略円柱形状であり、回転軸721aと同軸上に出力軸722a(
図11参照)を有している。第2減速機722は、基部70に固定されている。詳細には、第2減速機722は、
図9および
図10に示すように基部70の第1部材70aに固定されている。なお、第2電動モータ721には、例えばサーボモータが用いられる。
(1−4−2−3.第1リンク機構)
第1リンク機構73は、
図11に示すように、第1駆動部71と支持部6の間を接続する。第1リンク機構73は、第1駆動部71の内側の端E1よりも外側に配置されている。いいかえると、第1リンク機構73は、第1駆動部71よりも内側(
図11では矢印Y2側)に突出しないにように配置されている。
【0037】
第1リンク機構73は、第1レバー部材731と、第1リンク部材732と、を有する。第1レバー部材731は、棒状の部材であり、一方の端が第1減速機712の出力軸712aに対して固定されている。第1レバー部材731は、第1電動モータ711の回転軸711aの回転に伴って出力軸712aを中心に回動する。
第1リンク部材732は、第1レバー部材731の先端と支持部6の間を連結する。第1リンク部材732は、
図9に示すようにフィード方向Xに沿って主面が配置された厚板状の部材であり、
図11の正面視では、第1リンク部材732の下流方向X1側の端部が図示されている。
【0038】
図11において第1リンク部材732の一方の端には、第1連結部101が設けられており、第1リンク部材732は第1連結部101において第1レバー部材731の先端に回動可能に連結されている。詳細には、第1連結部101において、第1リンク部材732の端には、
図9に示すように連結軸732aが形成されており、第1レバー部材731の先端731aに形成された貫通孔(図示せず)に連結軸732aが挿通されている。
【0039】
第1リンク部材732の他方の端には、
図11に示すように第2連結部102が設けられており、第1リンク部材732は第2連結部102において支持部6に回動可能に連結されている。支持部6は、
図9〜
図11に示すように支持枠体611の下側に支持枠体611に固定された第1リンク連結部616を有している。このように第1リンク部材732は、第2連結部102において第1リンク連結部616に回動可能に連結されている。第2連結部102では、第1リンク部材732の端に軸が形成されており、第1リンク連結部616に軸支されている。
【0040】
尚、
図11では、第1リンク連結部616は、後述する第2リンク連結部617の背面側に位置するため、視認できないが、その位置を示すため括弧内に符号を付す。
また、異常が発生し通常のモーションを越えて第1レバー部材731が動作する場合に、第1レバー部材731の動きを規制するストッパ401、402が設けられている。ストッパ401、402はウレタン等で形成されている。ストッパ401は、
図11に示すように第1レバー部材731の上側に配置されており、後述する
図14の状態から更に矢印C方向に第1レバー部材731が回動すると、ストッパ401は基部70に当接し第1レバー部材731の動きを規制する。
【0041】
また、ストッパ402は、第1レバー部材731の下方の基部70に設けられており、後述する
図13に示す状態から更に矢印B方向に第1レバー部材731が回動すると、ストッパ402は第1レバー部材731に当接し第1レバー部材731の動きを規制する。
(1−4−2−4.第2リンク機構)
第2リンク機構74は、
図11に示すように、第2駆動部72と支持部6の間を接続する。第2リンク機構74は、第2駆動部72の内側の端E2よりも外側に配置されている。いいかえると、第2リンク機構74は、第2駆動部72よりも内側(
図11では矢印Y2側)に突出しないように配置されている。
【0042】
第2リンク機構74は、第2レバー部材741と、第2リンク部材742と、を有する。第2レバー部材741は、棒状の部材であり、一方の端で第2減速機722の出力軸722aに対して固定されており、第2電動モータ721の回転軸721aの回転に伴って出力軸722aを中心に回動する。
第2リンク部材742は、第2レバー部材741の先端と支持部6の間を連結する。第2リンク部材742は、棒状の部材であり、一方の端に第3連結部103が設けられており、第3連結部103において第2レバー部材741の先端と回動可能に連結されている。
【0043】
第2リンク部材742の他方の端には、第4連結部104が設けられており、第2リンク部材742は、第4連結部104において支持部6に回動可能に連結されている。支持部6は、
図9〜
図11に示すように支持枠体611の下側に支持枠体611に固定された第2リンク連結部617を有している。第2リンク連結部617は、第1リンク連結部616よりも下流方向X1側に配置されている。このように、第2リンク部材742は、第4連結部104において第2リンク連結部617に回動可能に連結されている。
【0044】
尚、第3連結部103の詳細な構成については図示していないが、第3連結部103において、ピンおよびピンが挿通される挿入孔などが、第2リンク部材742および第2レバー部材741に形成され、第2リンク部材742と第2レバー部材741が互いに回動可能に連結されていればよい。また、第4連結部104においても同様に、ピンおよびピンが挿通される挿入孔などが、第2リンク部材742および第1リンク連結部616に形成され、第2リンク部材742と第1リンク連結部616が互いに回動可能に連結されていればよい。
【0045】
また、異常が発生し通常のモーションを越えて第2リンク部材742が動作する場合に、第2リンク部材742の動きを規制するストッパ403、404が設けられている。ストッパ403、404はウレタン等で形成されている。ストッパ403、404は、第2レバー部材741の第2駆動部72との接続部分に設けられている。ストッパ403は、
図11に示す状態から更に矢印B方向に第2レバー部材741が回動すると第2リンク部材742に当接し、その動きを規制する。ストッパ404は、後述する
図13の状態から更に矢印C方向に第2レバー部材741が回動すると第2リンク部材742に当接し、その動きを規制する。
【0046】
(1−4−2−5.第3リンク機構)
第3リンク機構75は、
図11に示すように、第1リンク機構73と平行リンク機構を構成し、基部70と支持部6の間を連結する。第3リンク機構75は、第3リンク部材751と、第4リンク部材752と、連結部材753と、を有する。
(第3リンク部材)
第3リンク部材751は、両端を有する棒状の部材であり、第1レバー部材731と平行に配置されている。第3リンク部材751の一方の端には第5連結部105が設けられており、第3リンク部材751は第5連結部105において基部70(詳細には第1部材70a)に回転可能に連結されている。第5連結部105では、第3リンク部材751の端に軸部751a(
図9および
図10参照)が設けられており、この軸部751aが、基部70に設けられた挿入孔(図示せず)に嵌められることにより、第3リンク部材751は、基部70(詳細には第1部材70a)に回動可能に連結されている。なお、第5連結部105は、
図11では基部70の表面に隠れており目視できないため、第5連結部の回転中心を第5連結部105として示す。
【0047】
第3リンク部材751の他方の端には第6連結部106が設けられており、第3リンク部材751は第6連結部106において連結部材753と回動可能に連結されている。
(第4リンク部材)
第4リンク部材752は、両端を有する棒状の部材であり、第1リンク部材732と平行に配置されている。第4リンク部材752の一方の端には第7連結部107が設けられており、第4リンク部材752は第7連結部107において第1リンク連結部616と回転可能に連結されている。第7連結部107は、
図11では第2リンク連結部617に隠れており目視できないため、第7連結部の回転中心を第7連結部107として示す。
【0048】
第7連結部107では、
図9に示すように第4リンク部材752の端のフィード方向X両側に設けられた軸部752aが、第1リンク連結部616の軸支持部616aに形成された挿入孔616bに挿入される。このような構成によって、第4リンク部材752は第1リンク連結部616に回動可能に連結する。
第4リンク部材752の他方の端には第8連結部108が設けられており、第4リンク部材752は第8連結部108において連結部材753に回動可能に連結されている。
【0049】
(連結部材)
連結部材753は、
図9および
図10に示すように第3リンク部材751と第4リンク部材752の間を連結する。連結部材753は、
図9および
図10に示すように第3リンク部材751の他方の端と第4リンク部材752の他方の端をフィード方向Xの両側から挟みこむように配置された2枚のプレート753aを有している。
【0050】
第6連結部106では、2枚のプレート753aおよび第3リンク部材751の端を貫通するようにピン106aが取り付けられており、第3リンク部材751と連結部材753は互いに回動可能に連結されている。また、第8連結部108では、2枚のプレート753aおよび第4リンク部材752の端を貫通するようにピン108aが取り付けられており、第4リンク部材752と連結部材753は互いに回動可能に連結されている。
【0051】
また、連結部材753は、上述した第1連結部101(
図11参照)において第1レバー部材731および第1リンク部材732と互いに回動可能に連結されている。
図9に示すように、2枚のプレート753aに貫通孔753bが形成されており、その貫通孔753bが連結軸732aに挿通されることによって、連結部材753は、第1レバー部材731および第1リンク部材732と回動可能に連結している。
【0052】
以上の構成により、第1リンク機構73と第3リンク機構75によって平行リンク機構が形成される。すなわち、
図11に示すように、第2連結部102の回転中心と第7連結部107の回転中心を結ぶ線分L1と、第8連結部108の回転中心と第1連結部101の回転中心を結ぶ線分L2が平行となり、第6連結部106の回転中心と第1連結部101の回転中心を結ぶ線分L3と、第5連結部105の回転中心と出力軸712aの回転中心を結ぶ線分L4が平行となる。この結果、支持部6を常に水平に保つことができる。
【0053】
(1−4−2−6.シリンダ)
シリンダ76は、支持部6の重量を支えるように第1駆動部71および第2駆動部72にかかる負荷を補助する。シリンダ76は、
図11に示すようにシリンダチューブ761と、ピストンロッド762と、を有している。ピストンロッド762の先端762aが、
図9に示すように回動可能に第2リンク連結部617に連結されている。また、シリンダチューブ761の後端761aは、後述する調整機構8の板状部材83aの端面に対して回動可能に連結されている。
【0054】
(1−4−3.調整機構)
調整機構8は、4つのリフトクランプ駆動機構7のそれぞれに設けられており、リフトクランプ駆動機構7全体のクランプ方向Yにおける位置を調整する。下流方向X1側の2つの調整機構8は、
図3〜
図5に示すように上流方向X2側の2つの調整機構8を上下逆に配置したものである。以下、上流方向X2側の調整機構8を例に挙げて説明する。
【0055】
調整機構8は、
図9および
図10に示すように、台座80と、キャリア81と、一対のレール82と、ガイド部83と、スクリュー84と、電動モータ85と、減速機86(
図10参照)と、ブレーキ部87と、ナット部材88(
図9参照)と、を主に有している。
上流方向X2側の2つの台座80は、
図4に示すようにフロアFに固定されている。一対のレール82は、
図9および
図10に示すように台座80の上面にクランプ方向Yに沿って互いに平行に配置されている。キャリア81は、矩形の板状部材であってガイド部83を介してレール82上に配置されている。
【0056】
ガイド部83は、キャリア81のフィード方向X側の両端に設けられている。ガイド部83は、キャリア81とレール82の間に設けられており、クランプ方向Yに長い板状部材83aと、板状部材83aの下面であってクランプ方向Yの両端に配置されたブロック83bを有している。ブロック83bは、略直方体形状の部材であり、その下面にクランプ方向Yに沿って溝が形成されている。この溝にレール82が嵌っている。
【0057】
ナット部材88は、
図9に示すようにキャリア81の下面に固定されている。スクリュー84は、ナット部材88を挿通して一対のレール82の中央にレール82と平行に配置されている。ナット部材88の内側面にはネジ形状が形成されており、スクリュー84と噛み合っている。
電動モータ85は、台座80のクランプ方向Yの内側の端であって一対のレール82の中央に配置されており、減速機86(
図10参照)を介してスクリュー84の端と接続されている。スクリュー84の電動モータ85と反対側の端には、ブレーキ部87が設けられている。
【0058】
電動モータ85の駆動によりスクリュー84が回転すると、その回転に伴ってナット部材88とともにキャリア81がクランプ方向Yに移動し、キャリア81上に固定されている基部70がクランプ方向Yに移動する。これによりリフトクランプ駆動機構7のクランプ方向Yの位置が調整される。
このような調整機構8による一対のリフトクランプ駆動機構7の間隔の調整は、プレス装置本体2に装着される金型4を変更する際に金型4に合わせて行われる。
【0059】
なお、下流方向X1側の2つの調整機構8は、上流方向X2側の2つの調整機構8と上下逆に配置されており、下流方向X1側の2つの調整機構8の台座80は、
図2および
図5に示すように2本のアプライト22間に固定されたフレーム89の下面に固定されている。
<2.動作>
次に、本実施の形態のトランスファプレス1の動作について説明する。
【0060】
(2−1.位置調整)
金型4の交換時などに、プレス装置本体2に装着された金型4に合わせてリフトクランプ駆動機構7の位置調整が行われる。
下金型4bがムービングボルスタ3に配置されて、上金型4aがスライド24に取り付けられる。この際に、上述した調整機構8を用いて、プレス装置本体2に装着された金型4にあわせてリフトクランプ駆動機構7のクランプ方向Yにおける位置が調整される。上述したように、電動モータ85を駆動させることにより、スクリュー84が回転してキャリア81が移動し、キャリア81に配置されたリフトクランプ駆動機構7がクランプ方向Yに移動する。
【0061】
これによって、一対の支持部6の間隔が、金型4に合わせて調整される。このように調整されたリフトクランプ駆動機構7の位置は、以下に示すプレス動作において固定されている。
(2−2.プレス動作)
図12は、本実施の形態のトランスファフィーダ5のモーションを示す図である。
【0062】
ワークWが、トランスファフィーダ5の上流方向X2側に設けられている搬送装置により、トランスファフィーダ5の上流側の図示しないワーク受け台へ搬入される。この搬送装置としては、例えばディスタックフィーダ用の天井側に配置されたコンベア等が挙げられる。
このとき、支持部6は、アンクランプ・ダウン位置に配置されている。ここで、アンクランプ位置とは、一対の支持部6が互いに離間した最も外側の位置である。ダウン位置とは、各々の支持部6が最も下方向Z2に配置された位置である。
【0063】
このアンクランプ・ダウン位置に支持部6が配置されている状態が
図13に示されている。
図13に示すリフトクランプ駆動機構7は、上流方向X2側であって右方向Y1側に配置されたリフトクランプ駆動機構を示しており、下流方向X1側から見た図である。以下、上流方向X2側のリフトクランプ駆動機構7を例に挙げて動作を説明する。
この
図13に示す状態から、ワークWをフィンガー200によって保持するために、リフトクランプ駆動機構7によって一対の支持部6がクランプ方向Y内側に移動する(
図12の矢印(1)参照)。これにより、支持部6がクランプ・ダウン位置に配置される。クランプ・ダウン位置とは、一対の支持部6が接近した位置であり、ワークWをフィンガー200によって保持する位置である。上述した
図11は、支持部6がクランプ・ダウン位置に配置された状態を示す図である。
【0064】
以上のように、支持部6がアンクランプ・ダウン位置からクランプ・ダウン位置へと移動することで、ワークWがフィンガー200によって保持される。クランプ位置とは、一対の支持部6が近づいた位置であり、最も内側の位置である。
詳細には、
図13に示す状態から、第1電動モータ711が
図13において時計回り(矢印C参照)、第2電動モータ721が
図13において反時計回り(矢印B参照)に回転することによって第1レバー部材731は時計回り、第2レバー部材741は反時計回りに回動し、一対の支持部6が下方に位置した状態でクランプ方向Yの内側に移動する。ここで、第1リンク機構73と第3リンク機構75によって平行リンクが構成されているため、支持部6はクランプ方向Yにおける水平を保った状態で移動できる。
【0065】
次に、リフトクランプ駆動機構7によって、支持部6は、クランプ方向Yの位置を保持した状態で上方向Z1へと移動する(
図12の矢印(2)参照)。これにより、支持部6は、
図14に示すクランプ・アップ位置に配置される。アップ位置とは、支持部6が最も上方に移動した位置である。
詳細には、
図11に示す状態から第1電動モータ711および第2電動モータ721が
図13において時計回り(矢印C参照)に回転することによって第1レバー部材731と第2レバー部材741も時計回りに回動し、支持部6が上方向Z1へと移動する。
【0066】
この動作によって、一対の支持部6に設けられたフィンガー200によってワークWは上方向Z1へと持ち上げられる。
次に、フィード駆動機構61によって、バー60が下流方向X1へと移動する(
図12の矢印(3)参照)。具体的には、コイル615に通電され、コイル615と磁石614の間で吸引若しくは反発が発生し、バー60が下流方向X1へと移動する。これにより、フィンガー200に保持されたワークWがワーク受け台の下流方向X1側の金型4の間へと移動する。
【0067】
次に、リフトクランプ駆動機構7によって、クランプ方向Yの位置を保持した状態で支持部6は下方向Z2へと移動し(
図12の矢印(4)参照)、
図11に示す状態となり、クランプ・ダウン位置に配置される。
詳細には、
図14に示す状態から第1電動モータ711および第2電動モータ721が
図14において反時計回り(矢印B参照)に回転することによって第1レバー部材731と第2レバー部材741も反時計回りに回動し、支持部6が下方向Z2へと移動する。
【0068】
これにより、フィンガー200によって保持されたワークWは、下金型4b上に載置される。
次に、リフトクランプ駆動機構7によって、支持部6は水平にクランプ方向Yの外側に移動し(
図12の矢印(5)参照)、
図13に示す状態となり、アンクランプ・ダウン位置に配置される。詳細には、
図11に示す状態から第1電動モータ711が
図11において反時計回り(矢印B参照)、第2電動モータ721が
図11において時計回り(矢印C参照)に回転することによって第1レバー部材731は反時計回り、第2レバー部材741は時計回りに回動し、支持部6がクランプ方向Yにおける外側へと移動する。
【0069】
これにより、支持部6は、金型4から離間し、ワークWのフィンガー200による保持が解除される。
次に、フィード駆動機構61によって、バー60がフィード方向Xの上流方向X2側へと移動する(
図12の矢印(6)参照)。
このように、上記一連の動作が繰り返されて、ワークWがフィード方向Xの下流方向X1側へと搬送され、フィード方向Xに沿って配置されている複数の金型4によって順次プレス加工が行われる。なお、プレス加工は、
図12の矢印(5)、(6)、(1)の間に、スライド24が下降して行われる。
【0070】
次に、下流方向X1側のリフトクランプ駆動機構7の動作について、上流方向X2側のリフトクランプ駆動機構7と比較しながら説明する。
はじめに、上述した上流方向X2側のリフトクランプ駆動機構7のモーションを模式的に示す
図15(a)について説明する、
図15(a)では、クランプ・ダウン位置に配置されている状態の支持部6を支持部6aとして示し、クランプ・ダウン位置における第1リンク機構73および第2リンク機構74が実線で示されている。クランプ・アップ位置に配置されている状態の支持部6を支持部6bとして示し、クランプ・アップ位置における第1リンク機構73および第2リンク機構74が点線で示されている。アンクランプ・ダウン位置に配置されている状態の支持部6を支持部6cとして示し、アンクランプ・ダウン位置における第1リンク機構73および第2リンク機構74が2点鎖線で示されている。
【0071】
また、ワークWの搬送のモーションの際には移動しないが、アンクランプ・アップ位置に配置されている状態の支持部6が支持部6dとして示されている。アンクランプ・アップ位置における第1リンク機構73および第2リンク機構74が一点鎖線で示されている。一対の支持部6の間の空間300に搬送装置が配置される。
図16は、アンクランプ・アップ位置におけるリフトクランプ駆動機構7の状態を示す図である。
【0072】
なお、金型4を交換する際に、ムービングボルスタ3はアプライト22の間を通ってクランプ方向Yに移動してプレス装置本体2の外側に移動するが、このときバー60の中央部分は、上流方向X2側の支持枠体611に支持されている部分および下流方向X1側の支持枠体611に支持されている部分と分割されてムービングボルスタ3とともにプレス装置本体2の外側に移動する。このムービングボルスタ3およびバー60の中央部分がプレス装置本体2の外側に移動する際に、支持部6は、支持部6c(アンクランプ・ダウン位置)または支持部6d(アンクランプ・アップ位置)の状態となる。
【0073】
一方、
図15(b)は、本実施の形態の支持部6および下流方向X1側のリフトクランプ駆動機構7のモーションを模式的に示す図である。下流方向X1側では、支持部6は、第1リンク機構73および第2リンク機構74によって吊るされるように配置されている。
下流方向X2側の
図15(b)に示す各状態の支持部6a、6b、6c、6dは、上流方向X2側の各位置の支持部6a、6b、6c、6dと第1リンク機構73と第2リンク機構74の状態が同じになる位置の支持部6を示す。いいかえると、下流方法X1側の支持部6a、6b、6c、6dは、上流方向X2側の支持部6a、6b、6c、6dと上下対称に符号が付されている。
【0074】
支持部6bはクランプ・ダウン位置に配置されている状態を示し、支持部6aはクランク・アップ位置に配置されている状態を示し、支持部6dはアンクランプ・ダウン位置に配置されている状態を示す。
すなわち、
図12に示す矢印(1)において支持部6は、支持部6dの状態から支持部6bの状態へと移動し、矢印(2)において支持部6bの状態から支持部6aの状態へと移動する。また、矢印(4)において支持部6は、支持部6aの状態から支持部6bの状態へと移動し、矢印(5)において支持部6bの状態から支持部6dの状態へと移動する。
【0075】
また、下流方向X1側の支持部6b(クランプ・ダウン位置)における第1リンク機構73並びに第2リンク機構74は、
図14に示す状態である。下流方向X1側の支持部6a(クランク・アップ位置)における第1リンク機構73並びに第2リンク機構74は、
図11に示す状態である。下流方向X1側の支持部6d(アンクランプ・ダウン位置)における第1リンク機構73並びに第2リンク機構74は、
図16に示す状態である。
【0076】
なお、下流方向X1側の支持部6c(アンクランプ・アップ位置)における第1リンク機構73並びに第2リンク機構74は、
図13に示す状態である。この下流方向X1側の支持部6c(アンクランプ・アップ位置)または支持部6d(アンクランプ・ダウン位置)の状態において、ムービングボルスタ3およびバー60の中央部分がプレス装置本体2の外側に移動され、金型4の交換が行われる。
【0077】
<3.主な特徴>
(3−1)
本実施の形態のトランスファフィーダ5(ワーク搬送装置の一例)は、トランスファプレス1(プレス機械の一例)に用いるワーク搬送装置であって、一対の支持部6と、リフトクランプ駆動機構7(駆動機構の一例)とを備える。一対の支持部6は、ワークWを保持するフィンガー200(保持具の一例)をワークWの搬送方向Xに移動可能に支持する。リフトクランプ駆動機構7は、各々の支持部6に対して設けられ、支持部6をリフト方向Z(上下方向の一例)およびクランプ方向Y(幅方向の一例)に移動させる。各々のリフトクランプ駆動機構7は、第1駆動部71および第2駆動部72と、第1リンク機構73と、第2リンク機構74と、を有する。第1駆動部71および第2駆動部72は、支持部6をリフト方向Zおよびクランプ方向Y(幅方向の一例)に移動させる駆動源としての第1電動モータ711および第2電動モータ721(電動モータの一例)を各々持つ。第1リンク機構73は、第1駆動部71と支持部6を接続する。第2リンク機構74は、第2駆動部72と支持部6を接続する。
【0078】
このように、リンク機構を用いて支持部6をクランプ方向Yおよびリフト方向Zに移動するため、ボールスクリューを用いる機構よりも部品の交換周期を長く出来る。
従来のボールスクリューおよびナット等を用いた直動機構の場合、これらの部品の磨耗の課題が生じ高速化が困難であった。しかしながら、本実施の形態では、直動機構に代わるクランプ・リフト機構として、モータの回転動力でリンク機構を回動させることで、耐久性を向上させ、ワーク搬送装置の高速化を達成できる。
【0079】
(3−2)
本実施の形態のトランスファフィーダ5では、第1リンク機構73は、支持部6に直接接続されており、第2リンク機構74は、支持部6に直接接続されている。
これにより、第1リンク機構73を介して第1駆動部71による駆動を直接支持部6に伝達できる。また、第2リンク機構74を介して第2駆動部72による駆動を直接支持部6に伝達できる。
【0080】
(3−3)
本実施の形態のトランスファフィーダ5では、第1リンク機構73は、第1リンク部材732と、第1レバー部材731と、を有する。第1リンク部材732は、支持部6に回動可能に連結されている。第1レバー部材731は、第1駆動部71に接続され第1駆動部71によって回動する。第1リンク部材732と第1レバー部材731は、互いに回動可能に連結されている。第2リンク機構74は、第2リンク部材742と、第2レバー部材741と、を有する。第2リンク部材742は、支持部6に回動可能に連結されている。第2レバー部材741は、第2駆動部72に接続され第2駆動部72によって回動する。第2リンク部材742と第2レバー部材741は、互いに回動可能に連結されている。
【0081】
このように、第1レバー部材731と第1リンク部材732によって、第1電動モータ711の回転を支持部6に伝達できる。また、第2レバー部材741と第2リンク部材742によって、第2電動モータ721の回転を支持部6に伝達できる。
(3−4)
本実施の形態のトランスファフィーダ5では、リフトクランプ駆動機構7は、基部70を更に有する。基部70は、第1駆動部71および第2駆動部72が固定される。
【0082】
このように第1駆動部71及び第2駆動部72を基部70に固定することによって、ワークWの搬送動作の際に第1電動モータ711および第2電動モータ721への配線等が移動しないため、配線等の劣化を防げる。
(3−5)
本実施の形態のトランスファフィーダ5では、リフトクランプ駆動機構7は、基部70と、第3リンク機構75と、を更に有する。基部70は、第1駆動部71および第2駆動部72が固定される。第3リンク機構75は、第1リンク機構73と平行リンクを形成し、支持部6と基部70の間を接続する。
【0083】
このように平行リンクが形成されることによって、安定して支持部を水平に保った状態で、支持部6を上下方向および幅方向に移動できる。
なお、
図9および
図10に示すように、第1リンク機構73の方が、第2リンク機構74よりもフィード方向Xに厚く形成されている。このため、第1リンク機構73の方が第2リンク機構74よりも剛性が高くなる。平行リンクを形成して動作させる場合、その反力を受けることになるため、第3リンク機構75は剛性が高い第1リンク機構73と平行リンクを形成したほうが好ましい。
【0084】
(3−6)
本実施の形態のトランスファフィーダ5では、第3リンク機構75は、第3リンク部材751と、第4リンク部材752と、連結部材753と、を有する。第3リンク部材751は、第1レバー部材731と平行に配置され基部70に回動可能に連結されている。第4リンク部材752は、第1リンク部材732と平行に配置され支持部6に回動可能に連結されている。連結部材753は、第3リンク部材751に回動可能に連結され、且つ第4リンク部材752に回動可能に連結されている。連結部材753は、第1リンク部材732と第1レバー部材731の第1連結部101(連結部の一例)において、第1リンク部材732および第1レバー部材731と回動可能に連結されている。
【0085】
このように、第3リンク機構75と、第1リンク機構73によって平行リンクが形成できる。
(3−7)
本実施の形態のトランスファフィーダ5では、第1リンク機構73は、クランプ方向Y(幅方向の一例)において、
図11、
図13および
図14に示すように、第1駆動部71の内側の端E1と同じまたは内側の端E1よりも外側に配置されている。第2リンク機構は、クランプ方向(幅方向の一例)において、第2駆動部72の内側の端E2と同じまたは内側の端E2よりも外側に配置されている。
【0086】
このように、第1リンク機構73が第1駆動部71よりも内側に突出しないように構成されており、第2リンク機構74が第2駆動部72よりも内側に突出しないように構成されている。
このため一対の支持部6の間のスペース(
図4の空間300、
図5の空間301参照)にリンク機構がはみ出さないようにできる。このため、ワークWの移動する空間を広く確保できる。
【0087】
また、ワークWを搬入装置からトランスファプレス1(プレス装置の一例)に搬入する際、およびワークWをトランスファプレス1から搬出装置(
図5のベルトコンベア500参照)に搬出する際のワークWの受け渡しも行いやすくなる。更に、搬入装置および搬出装置が、トランスファプレス1の内側に入り込んで配置される場合であっても、搬入装置および搬出装置を一対の支持部の間に配置しやすくなる。
【0088】
図17を用いて詳しく説明する。
図17(a)は、
図15(a)と同じ図である。一方、
図17(b)は、第2駆動部72よりもクランプ方向Yの内側に突出した第2リンク機構1074によって第2駆動部72と支持部6が連結されている構成を示す図である。
図17(a)と
図17(b)を比較すると分かるように、支持部6がクランプ・アップ位置に配置されている場合(支持部6b参照)、第2リンク機構1074が空間300に重なる。このように、第2リンク機構1074が突出するため、ワークをトランスファプレス1に搬送する搬送装置を配置できる空間が狭くなる。
【0089】
すなわち、本実施の形態のように内側に突出しないように第1リンク機構73および第2リンク機構74を構成することにより、支持部6の間の空間を広く確保でき、ワークWを移動し易くなり、ワークWを搬入装置からトランスファプレス1に搬入しやすくなる。なお、ワークWをトランスファプレス1から排出する場合も同様であり、
図6に示す空間301を広く確保でき、ベルトコンベア等の排出装置にワークWを搬出しやすくなる。
【0090】
(3−8)
本実施の形態のトランスファフィーダ5は、調整機構8を更に備える。調整機構8は、基部70をクランプ方向Y(幅方向の一例)に移動することによって一対の支持部6の間隔を調整する。ワークWを搬送する際、基部70が調整機構8によって調整された位置に固定された状態で支持部6はリフト方向Zおよびクランプ方向Yに移動する。
【0091】
このように、一対の支持部6のクランプ方向Yの間隔を調整する調整機構8と、プレス動作においてワークWを搬送する際に支持部6をリフト方向Zおよびクランプ方向Yに移動させるリフトクランプ駆動機構7が、別々に設けられている。すなわち、調整と移動が別々の機構で行われている。
従来のトランスファフィーダの場合、上記調整と移動が1つの機構で行われているが、本発明のように2つの機構に分けることにより、1つの機構で行うよりもそれぞれの機構による支持部6の移動距離を短くできる。そのため、それぞれの機構における部品を小さくでき、駆動にかかるエネルギーを省力化できる。また、部品を小さく出来るため、重量が小さくなり高速化を図ることができる。
【0092】
なお、本実施の形態では、調整機構8にはスクリュー84による直動機構を用いているが、調整機構8を駆動する回数は、リフトクランプ駆動機構7を駆動する回数と比較して、約800分の1と非常に少ないため、部品交換の周期には影響しない。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0093】
(A)
上記実施の形態では、下流方向X1側のリフトクランプ駆動機構7および調整機構8は、上流方向X2側のリフトクランプ駆動機構7および調整機構8と比較して上下逆に配置されているが、これに限られるものではなく、上流方向X2側と下流方向X1側のリフトクランプ駆動機構7および調整機構8の上下方向が同じであってもよい。
【0094】
(B)
上記実施の形態では、第3リンク機構75は第1リンク機構73と平行リンクを形成しているが、第2リンク機構74と平行リンクを形成してもよい。
(C)
上記実施の形態では、バー60がフィード方向Xに移動するが、バー60自体は移動せず、その上側にスライドプレートを配置し、スライドプレートがフィード方向Xに移動する構成であってもよい。その場合、スライドプレートとバーの間にリニアモータを用いたフィード駆動機構が設けられる。
【0095】
(D)
上記実施の形態では、第1リンク機構73が第1リンク連結部616と連結され、第2リンク機構74が第2リンク連結部617と連結されることにより、第1リンク機構73および第2リンク機構74は支持部6に直接接続されているが、他の部材を介して間接的に接続されていてもよい。
【0096】
(E)
上記実施の形態では、一本のバー60に対して上流側と下流側の2箇所のフィード駆動機構61が設けられているが、一方にのみフィード駆動機構61が設けられており、他方はフィード方向Xにバー60を移動可能に支持するだけであってもよい。
しかしながら、上記実施の形態のように2箇所にフィード駆動機構61を設けたほうが一方にかかる負荷を小さく出来るため、好ましい。上流方向X2且つ左方向Y2側のフィード駆動機構61、リフトクランプ駆動機構7および調整機構8を一つの第1ユニットとし、上流方向X2且つ右方向Y1側のフィード駆動機構61、リフトクランプ駆動機構7および調整機構8を一つの第2ユニットすると、上流と下流の双方にフィード駆動機構61を設けた場合、第1ユニットと第2ユニットを上下逆にするだけで下流方向X2側にも用いることができる。このように同一のユニットを用いることが出来、部品点数を増やす必要がないためより好ましい。
【0097】
(F)
上記実施の形態では、調整機構8にスクリュー84を有するスクリュー機構を用いたが、スクリュー機構の代わりにボールスクリュー機構が用いられても良い。
(G)
上記実施の形態では、保持具の一例としてワークWを単に支えるフィンガー200を例に挙げて説明したが、保持具の一例として、ワークWを把持するグリッパが用いられてもよい。