(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671269
(24)【登録日】2020年3月5日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】回転入力装置
(51)【国際特許分類】
G05G 9/047 20060101AFI20200316BHJP
G01D 5/14 20060101ALI20200316BHJP
G01B 7/30 20060101ALI20200316BHJP
G05G 25/00 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
G05G9/047
G01D5/14 E
G01B7/30 M
G05G25/00 C
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-183780(P2016-183780)
(22)【出願日】2016年9月21日
(65)【公開番号】特開2018-49418(P2018-49418A)
(43)【公開日】2018年3月29日
【審査請求日】2019年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120204
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 巌
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】脇田 祥嗣
【審査官】
山尾 宗弘
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−99190(JP,A)
【文献】
特開2005−48671(JP,A)
【文献】
特開2006−208048(JP,A)
【文献】
特開2012−145425(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第1065473(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 9/047
G01B 7/30
G01D 5/14
G05G 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、前記絶縁基板上に配置されたセンサ素子と、前記センサ素子から離間して、前記センサ素子に近接配置された磁性体と、を備え、
前記センサ素子は、周囲の磁力線の向きを検出する検出機構を有すると共に、前記磁性体側に前記磁性体と対向して設けられたセンサ素子平行面を有し、
前記磁性体は、前記センサ素子側に前記センサ素子平行面と対向して設けられた底面を有すると共に、前記底面から前記センサ素子に向けて突出して、互いに平行に設けられた2つの堤部を有し、
2つの前記堤部は、それぞれ前記センサ素子側に前記センサ素子平行面に対して略平行に設けられた、平面視略長方形形状の堤部平行面を有し、
前記磁性体の着磁方向と前記堤部の長手方向とが同じである、
ことを特徴とする回転入力装置。
【請求項2】
2つの前記堤部の間の距離が、当該堤部の長手方向と直交する方向における前記検出機構の幅よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の回転入力装置。
【請求項3】
2つの前記堤部は、当該堤部の長手方向と直交する方向において、左右対称に設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転入力装置に関し、特に、磁性体と磁気センサとを用いて回転角度を検出する回転入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、車両に搭載される機器用として、磁性体と磁気センサとを用いて回転角度を検出する回転入力装置が開発されている。回転入力装置は操作ノブを有し、操作者は、操作ノブを回転させることによって機器に対し適切な操作を行なうことができる。
【0003】
このような構成を有する回転入力装置900が特許文献1に開示されている。以下、回転入力装置900について
図6を用いて説明する。
【0004】
回転入力装置900は、操作ノブ912に連結されたプラネタリキャリア914に回動可能に支持されたプラネタリギヤ928が、出力軸966が固定されたサンギヤ930の外歯列930aとアウターギヤ942に形成された内歯列942aとに噛合している。サンギヤ930に設けたプランジャ936は、アウターギヤ942の凹カム部944に弾接される。ソレノイドユニット958は、出力軸966に設けた磁石976と対向する磁気センサ978の出力に応じて、アウターギヤ942の回転を阻止する。
【0005】
このような構成によって、操作範囲を越えて回転された回転操作部の逆方向への回転角度が小さくてもその回転角度を確実に検出できるという効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−079295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、回転入力装置900では、操作ノブの回転角度の検出のために、センサ素子と磁性体とが配設されている。このようなセンサ素子と磁性体との配置構造として、
図7に示す回転検出部800の構造が考えられる。
【0008】
回転検出部800は、センサ素子820と磁性体810とを備え、センサ素子820と磁性体810とが離間して配置されている。センサ素子820は、絶縁基板(図示せず)上に配設される。磁性体810は、センサ素子820の上面に対し平行に対向配置された幅広い平坦な面である底面810aを有しており、着磁方向M0に沿って着磁されている。また、センサ素子820は、そのセンサ素子本体820aのほぼ中央に検出機構821を備えており、検出機構821は、磁性体810の回転に応じて、磁性体810の回転角度を検出することができる。
【0009】
回転検出部800のような構成の場合、磁性体810の周囲には、
図8(a)に示すような磁力線H0のベクトル分布が現れる。磁力線H0のベクトル分布は、検出機構821のある磁性体810の幅方向における中央部では、磁極Nから磁極Sへの磁力線H0の向きは真っすぐな向きになるが、この中央部から離れるに従って磁力線H0の向きが傾くようになる。言い換えれば、磁力線H0の向きに樽型の歪が発生してしまう。
【0010】
ところで、センサ素子820と磁性体810との間に位置ズレが発生することがある。この位置ズレは、センサ素子820を絶縁基板上に配設する時の取付け誤差等により発生する。センサ素子820と磁性体810との間に位置ズレが発生していた場合、磁力線H0の向きに上述したような樽型の歪が生じていると、検出機構821によって検出される磁性体810の回転角度に角度誤差Δθが発生してしまう。角度誤差Δθと位置ズレの大きさとは比例する。即ち、
図8(b)に示すように、検出機構821の位置ズレが大きくなるに従って、角度誤差Δθが大きくなっていくという問題が発生することになる。
【0011】
本発明はこのような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、センサ素子と磁性体との間に位置ズレが発生していても、角度誤差が生じにくい回転入力装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明の回転入力装置は、絶縁基板と、前記絶縁基板上に配置されたセンサ素子と、前記センサ素子から離間して、前記センサ素子に近接配置された磁性体と、を備え、前記センサ素子は、周囲の磁力線の向きを検出する検出機構を有すると共に、前記磁性体側に前記磁性体と対向して設けられたセンサ素子平行面を有し、前記磁性体は、前記センサ素子側に前記センサ素子平行面と対向して設けられた底面を有すると共に、前記底面から前記センサ素子に向けて突出して、互いに平行に設けられた2つの堤部を有し、2つの前記堤部は、それぞれ前記センサ素子側に前記センサ素子平行面に対して略平行に設けられた、平面視略長方形形状の堤部平行面を有し、前記磁性体の着磁方向と前記堤部の長手方向とが同じである、という特徴を有する。
【0013】
このように構成された回転入力装置は、磁性体の着磁方向と同じ方向に形成された2つの堤部を有しているので、2つの堤部に挟まれた領域において、2つの堤部それぞれによる磁力線の歪が相殺される。その結果、磁性体全体による磁力線が磁性体の着磁方向に対して平行になるため、センサ素子と磁性体との間に位置ズレが発生していても、角度誤差が生じにくくなる。
【0014】
また、上記の構成において、2つの前記堤部の間の距離が、当該堤部の長手方向と直交する方向における前記検出機構の幅よりも大きい、という特徴を有する。
【0015】
このように構成された回転入力装置は、2つの堤部の間の距離を検出機構の幅よりも大きく設定することによって、磁性体の着磁方向に対して平行となる磁力線の領域をより広く設定することができる。
【0016】
また、上記の構成において、2つの前記堤部は、当該堤部の長手方向と直交する方向において、左右対称に設けられている、という特徴を有する。
【0017】
このように構成された回転入力装置は、2つの堤部が左右対称に設けられているので、センサ素子と磁性体との間の位置ズレが検出機構に対して左側又は右側のどちらの側に発生していても、2つの堤部それぞれによる磁力線の歪を精度良く、相殺させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の回転入力装置は、磁性体の着磁方向と同じ方向に形成された2つの堤部を有しているので、2つの堤部に挟まれた領域において2つの堤部それぞれによる磁力線の歪が相殺される。その結果、磁性体全体による磁力線が磁性体の着磁方向に対して平行になるため、センサ素子と磁性体との間に位置ズレが発生していても、角度誤差が生じにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】回転入力装置内の回転検出部を下方から見た斜視図である。
【
図4】回転検出部及び操作ノブを前方から見た模式図である。
【
図5】回転検出部における磁力線を示す模式図、及び角度誤差を示すグラフである。
【
図6】従来例に関わる回転入力装置の断面図である。
【
図7】従来例に関わる回転入力装置内の回転検出部を下方から見た斜視図である。
【
図8】従来例に関わる回転入力装置内の回転検出部における磁力線を示す模式図、及び角度誤差を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の回転入力装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の回転入力装置100は、電子機器や車両の入力操作に使用される入力操作機構として使用される。例えば、操作ノブの回転入力操作を行ない、所定の回転位置からの回転角度によって、異なる操作内容が入力可能となる。尚、本発明の回転入力装置100の用途については、以下説明する実施形態に限定されるものではなく適宜変更が可能である。また、本明細書では、特に断りの無い限り、各図面の+X側を右側、−X側を左側、+Y側を奥側、−Y側を手前側、+Z側を上側、−Z側を下側として説明する。
【0021】
[実施形態]
図1乃至
図4を参照して、本発明の実施形態に係る回転入力装置100の構造について説明する。
図1は、回転入力装置100の外観を示す斜視図であり、
図2は、回転入力装置100内の回転検出部50を下方から見た斜視図である。また、
図3は、回転検出部50を下方から見た平面図であり、
図4は、回転検出部50及び操作ノブ45を前方から見た模式図である。尚、
図2においては、センサ素子20を見易くするため、絶縁基板30が透明であると仮定して表している。
【0022】
回転入力装置100は、
図1に示すように、略直方形形状のケース40に操作ノブ45が回転可能に取付けられていると共に、内部に操作ノブ45の回転角度を検出する回転検出部50を備えている。回転入力装置100は、回転検出部50で検出された回転角度に関する情報を電子機器等へ出力する。尚、回転検出部50は、回転角度を検出するものだけでなく、例えば、回転方向や回転速度を検出する態様のものであってもよい。
【0023】
操作ノブ45は、その操作部45aがケース40の開口から上方向(+Z方向)に突出するように取付けられていると共に、操作部45aの下方向(−Z方向)に延在し、回転検出部50と連結される軸部45bを有している。
【0024】
回転検出部50は、
図2に示すように、絶縁基板30と、この絶縁基板30上に配置されたセンサ素子20と、このセンサ素子20から離間して、センサ素子20に近接配置された磁性体10と、を備えている。
【0025】
絶縁基板30は、ケース40内で水平方向に取り付けられている。絶縁基板30には、センサ素子20の出力信号をケース40の外部に取り出すための配線等(図示せず)が設けられている。尚、上述した操作ノブ45の軸部45bは、絶縁基板30の表面に対して垂直方向に配置される。
【0026】
センサ素子20は、センサ素子本体20aに設けられた複数の端子20bを有している。また、センサ素子本体20aの内部に、周囲の磁力線の向きを検出する検出機構21を有すると共に、センサ素子本体20aの磁性体10側に磁性体10と対向して設けられたセンサ素子平行面20cを有している。複数の端子20bは、検出機構21で検出された信号を外部の電子機器等へ出力するために設けられている。センサ素子本体20aは、合成樹脂によって形成されており、上述した検出機構21はセンサ素子本体20a内に埋設されて設けられている。
【0027】
検出機構21は、
図3に示すように、平面視略正方形形状をしており、センサ素子20内のほぼ中央に配置されていると共に、
図4に示すように、センサ素子20内で絶縁基板30の表面に対して平行になるように取り付けられている。検出機構21は、左右方向に幅W1を有している。検出機構21は、中央が軸部45bの中央軸の延長線上に配置されている。
【0028】
磁性体10は、
図2及び
図4に示すように、上述したセンサ素子20から離間して、センサ素子20に近接配置されている。磁性体10は、センサ素子側20にセンサ素子平行面20cと対向して設けられた底面10aを有すると共に、底面10aに対向した平坦な面を有する上面10bと、底面10aに対して垂直で平坦な面を有する複数の側面10cと、を有して、平面視矩形状で略直方体形状に形成されている。磁性体10は、着磁方向M1、即ち奥側から手前側に向かう方向に着磁されている。本実施形態において、磁性体10は永久磁石からなる。
【0029】
磁性体10は、更に、底面10aからセンサ素子20に向けて突出して、互いに平行に設けられた2つの堤部11を有している。2つの堤部11は、軸部45bの中央軸の延長線を中央に挟んで、左右対称となるように平行に設けられている。即ち、2つの堤部11は、操作ノブ45の回転に伴って回転する磁性体10の回転軸を中央に挟んで、左右対称となるように平行に設けられている。
【0030】
2つの堤部11は、それぞれセンサ素子20のセンサ素子平行面20cに対して略平行に設けられた、平面視略長方形形状の堤部平行面11aを有しており、この堤部平行面11aが絶縁基板30及びセンサ素子20のセンサ素子平行面20cと対向している。即ち、磁性体10の着磁方向M1と堤部11の長手方向が形成されている方向とが同じである。堤部11は、着磁方向M1が磁性体10の回転軸の軸方向と直交する向きになるように、長手方向が磁性体10の回転軸の軸方向と直交する向きに延伸して設けられている。また、2つの堤部11の間には、溝部13が形成されていると共に、溝部13にも溝部平行面13aが形成されており、溝部平行面13aがセンサ素子20の検出機構21と対向している。
【0031】
図4に示すように、溝部13は、左右方向に所定の距離L1を有している。言い換えれば、2つの堤部11それぞれは、所定の距離L1を隔てて設けられている。そして、2つの堤部11の間の距離L1は、検出機構21の幅W1よりも大きくなるように設定されている。即ち、検出機構21の幅W1は、溝部13の左右方向における距離L1内に収まっている。また、堤部11の堤部平行面11aとセンサ素子20内の検出機構21とは、所定の間隔D1を隔てて対向している。
【0032】
回転入力装置100の回転検出部50においては、前述した操作ノブ45の軸部45bが磁性体10に連結されていると共に、磁性体10は、ケース40(
図1参照)内で回転自在に保持されている。そして、操作ノブ45の操作角度に対応して磁性体10の回転角度が連動するように構成されている。
【0033】
次に、
図5を参照して、本発明の実施形態に係る回転入力装置100の動作について説明する。
図5は、
図5(a)が、回転検出部50における磁力線H1を示す模式図であり、
図5(b)における実線が、センサ素子20の位置ズレに対する角度誤差Δθを示すグラフである。尚、
図5(b)において、前述した従来例としての回転検出部800の角度誤差Δθのグラフを、比較のため破線で示している。
【0034】
磁性体10の周囲には、
図5(a)に示すような磁力線H1のベクトル分布が現れる。回転検出部50内では、2つの堤部11それぞれが個々の磁石であるような動作を行なうため、磁力線H1のベクトル分布も、2つの堤部11それぞれに対する分布を示す。即ち、それぞれ単独で、2つの堤部11それぞれのN極からS極への中心間を結ぶ線上では、磁力線H1の向きが真っすぐになり、中心間を結ぶ線上から離れるに従って、
図5(a)に示す一点鎖線のような曲線を描く。
【0035】
例えば、
図5(a)において右側の堤部11単独では、磁力線H1の向きは、2つの堤部11に挟まれた領域、即ち溝部13の領域において左側に膨らむ曲線を描き、左側の堤部11単独では、溝部13の領域において右側に膨らむ曲線を描く。しかし、磁性体10から突出して設けられた2つの堤部11が左右対称となるように平行に配置されていることにより、これらの磁力線H1の向きが重ね合わされると、相反する磁力線が互いに相殺し合い、磁力線の分布が変わる。即ち、
図5(a)に実線の矢印で示すように、磁力線H1は、溝部13の領域のある深さにおいて真っすぐな向きになる。言い換えれば、磁性体10の周囲に発生する磁力線は、2つの堤部11に挟まれた領域において、磁力線H1の向きに歪が発生し難くなり、互いに平行に配列した磁力線H1が広く分布した層が発生する。尚、本実施形態においては、この層と検出機構21とが、重なるように配置されている。
【0036】
そのため、センサ素子20と磁性体10との間に位置ズレが発生していたとしても、検出機構21によって検出される磁性体10の回転角度における角度誤差Δθは、
図5(b)に示すように、前述した従来例としての回転検出部800における角度誤差Δθと比較して小さくなる。本実施形態では、その値が約半分になることが確認できる。
【0037】
前述した2つの堤部11の間の距離L1及び堤部11の堤部平行面11aとセンサ素子20内の検出機構21との間の間隔D1は、磁性体10及び検出機構21の大きさに応じて、角度誤差Δθが最も小さくなるように、その値が設定される。
【0038】
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
【0039】
回転入力装置100は、磁性体10の着磁方向M1と同じ方向に形成された2つの堤部11を有しているので、2つの堤部11に挟まれた領域において2つの堤部11それぞれによる磁力線H1の歪が相殺される。その結果、磁性体10全体による磁力線H1が磁性体10の着磁方向M1に対して平行になるため、センサ素子20と磁性体10との間に位置ズレが発生していても、角度誤差Δθが生じにくくなる。
【0040】
また、2つの堤部11の間の距離L1を、検出機構21の幅W1よりも大きく設定することによって、磁性体10の着磁方向M1に対して平行となる磁力線H1の領域をより広く設定することができる。
【0041】
また、2つの堤部11が左右対称に設けられているので、センサ素子20と磁性体10との間の位置ズレが、検出機構21に対して左側又は右側のどちらの側に発生していても、2つの堤部11それぞれによる磁力線H1の歪を精度良く相殺させることができる。
【0042】
以上説明したように、本発明の回転入力装置は、磁性体の着磁方向と同じ方向に形成された2つの堤部を有しているので、2つの堤部に挟まれた領域において、2つの堤部それぞれによる磁力線の歪が相殺される。その結果、磁性体全体による磁力線が磁性体の着磁方向に対して平行になるため、センサ素子と磁性体との間に位置ズレが発生していても、角度誤差が生じにくくなる。
【0043】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 磁性体
10a 底面
10b 上面
10c 側面
11 堤部
11a 堤部平行面
13 溝部
13a 溝部平行面
20 センサ素子
20a センサ素子本体
20b 端子
20c センサ素子平行面
21 検出機構
30 絶縁基板
40 ケース
45 操作ノブ
45a 操作部
45b 軸部
50 回転検出部
100 回転入力装置
M1 着磁方向
H1 磁力線
L1 距離
W1 幅
D1 間隔