特許第6671271号(P6671271)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671271
(24)【登録日】2020年3月5日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】電源放電回路
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20200316BHJP
【FI】
   H02J1/00 306L
   H02J1/00 306D
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-228106(P2016-228106)
(22)【出願日】2016年11月24日
(65)【公開番号】特開2018-85859(P2018-85859A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2019年1月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100090011
【弁理士】
【氏名又は名称】茂泉 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100194939
【弁理士】
【氏名又は名称】別所 公博
(74)【代理人】
【識別番号】100206782
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰洋
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 孝宣
【審査官】 坂本 聡生
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−152497(JP,A)
【文献】 特開2015−106967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/26−1/3296
H02J1/00−1/16
7/00−7/12
7/34−7/36
H02M3/00−3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電圧を個々に発生する多電源回路を有し、前記複数の電圧に対応するそれぞれの電源ノードの中で放電対象となる電源ノードに関して、あらかじめ決められた所望の電源オフシーケンスで規定される順番に従って、前記複数の電圧の放電処理を順次実行する電源放電回路であって、
放電対象となる前記電源ノードのうちの1つの電源ノードに接続され、スイッチが閉状態に切り換えられることで放電を実行する放電回路と、
放電対象となる各電源ノード間に設けられ、前記電源オフシーケンスに従って閉状態となることで、放電対象となる前記電源ノードのうちで前記1つの電源ノード以外の電圧ノードを前記放電回路に接続させることで放電を実行する開閉動作部と、
放電対象となる前記電圧ノードの放電を行う際に、前記放電回路内の前記スイッチを閉状態に切り換えることで、前記電源オフシーケンスを確立させて前記放電処理を実行する放電制御回路と
を備える電源放電回路。
【請求項2】
前記開閉動作部は、放電対象となる前記電源ノードに関して、電圧の高い順で互いに隣り合う各電源ノード間において、低電圧側にアノード、高電圧側にカソードが接続されたダイオードで構成され、
前記放電回路は、放電対象となる前記電源ノードのうち、最も高い電圧となる電源ノードに接続されており、
前記放電制御回路は、放電対象となる前記電圧ノードの放電を行う際に、前記放電回路内の前記スイッチを閉状態に切り換えることで、前記電源オフシーケンスを確立させて前記放電処理を実行する
請求項1に記載の電源放電回路。
【請求項3】
前記放電回路は、放電対象となる前記電源ノードを複数のグループに分割した場合には、それぞれのグループごとに個別に設けられ、それぞれのグループで最も高い電圧となる電源ノードに個別に接続され、
前記ダイオードは、前記それぞれのグループごとに前記電源オフシーケンスを確立できるように、前記グループごとに、電圧の高い順で互いに隣り合う各電源ノード間において、低電圧側にアノード、高電圧側にカソードが接続されるように配設される
請求項2に記載の電源放電回路。
【請求項4】
前記開閉動作部は、閉状態に切り換えられることで電源ノード間を接続状態とする電子スイッチまたは機械スイッチである開閉スイッチで構成され、
前記放電制御回路は、放電対象となる前記電圧ノードの放電を行う際に、前記放電回路内の前記スイッチを閉状態に切り換えた後、前記電源オフシーケンスで規定される順番に従って前記開閉スイッチを順次閉状態に切り換え制御する
請求項1に記載の電源放電回路。
【請求項5】
前記放電回路は、前記スイッチと、前記スイッチに直列接続された放電用回路とを含んで構成され、
前記放電用回路は、電流制限抵抗、定電流ダイオード、定電流回路のいずれかで構成される
請求項1から4のいずれか1項に記載の電源放電回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多電源を有するシステムや装置における電源放電回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと称す)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)などを使用した制御コントローラあるいは情報処理装置においては、多数の電源回路(以下、多電源回路と称す)が必要とされている。具体的には、マイコン、FPGA内部に配設されるコア、メモリ、入出力回路(以下、I/O回路と称す)、およびマイコン、FPGAの周辺回路などの各構成要素別に、正常に動作させうる電圧を供給する多電源回路が必要とされている。
【0003】
多電源回路においては、電源オン時の電圧値がゼロから定格値まで立ち上がるまでの状態、あるいはオフ時の電圧値が定格値からゼロまで下がるまでの状態(以下、過渡状態と称す)において、各電源ノード間の電圧値に関係性を維持させる、いわゆる電源オン、オフシーケンスを考慮する必要がある。
【0004】
例えば、マイコン内のコアに印加されている電圧値が正常動作不可能な電圧値の時に、I/O回路に動作可能な電圧値が印加されている場合を考える。この場合、マイコン内のコアがI/O回路を制御できないため、I/O回路の動作が不定となる。この結果、入力を正常に処理できない、あるいは正常な出力を行うことができない等の不具合が起こりうる。
【0005】
また、多電源回路の個々の電源ノード上には、負荷急変に耐え、電源ノードのリプルやノイズを除去するための平滑コンデンサ、バイパスコンデンサなど、多くのコンデンサが接続されている。また、コンデンサ以外には、各電源ノードの負荷となる抵抗器などの受動素子、ICなどの能動素子が、多数接続されている。
【0006】
電源オフ時の過渡状態においては、個々の電源ノードの電圧値がゼロになるまでの時間は、個々の電源ノード上に接続されたコンデンサに蓄積された電荷と、これを放電させる抵抗器などの負荷との関係から決定される。このため、マイコン内のコアに印加される電圧が正常動作しない電圧値以下になった場合でも、I/O回路に印加される電圧が動作してしまう電圧値であった場合には、前記のような不具合が起こりうる。従って、電源オフシーケンスを何らかの方法で確立する必要がある。
【0007】
この一例として、多電源回路の個々の電源ノードのうち、放電回路と電圧検出器を設けることで、電源オフシーケンスを確立する従来技術がある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1は、電源オフ時に一番低い電源ノードの電圧値を電圧検出器にて監視し、この電圧降下量に対応して電圧の高い他の電源ノードに接続された放電回路を制御することで、電源オフ時に高電圧側の電源ノードを放電させて、電源オフシーケンスを確立させている。
【0008】
また、電源オフシーケンスを確立する別の従来技術がある(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2は、主電源ノードから2つのボルテージレギュレータにて2種類の低電圧を発生させる回路を有している。そして、特許文献2は、この回路において発生させた2種類の低電圧のうち、電圧値が高い方の電源ノード間にMOS(Metal−Oxide−Semiconductor)スイッチと電流制限抵抗、およびダイオードを直列接続し、低い方の電源ノードにMOSスイッチと放電抵抗を設けている。
【0009】
さらに、特許文献2は、電圧レベル検出用IC、フリップフロップ回路を設け、電源オフ時に電源レベル検出用ICの信号を用いてフリップフロップの出力信号にて両MOSスイッチのオンオフを制御することで、各電源ノードを一定の関係で放電させて、電源オフシーケンスを確立させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−061481号公報
【特許文献2】特開2000−152497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
従来技術は、電源ノード数が増加すると、電源オフシーケンスを確立するための放電回路用の電子スイッチと電流制限抵抗が増えることとなる。一般的に、流れる電流に応じて抵抗や電子スイッチは、大きなものが必要になる。このため、実装面積が大きくなり、コストアップを招く回路構成となる等の課題があった。
【0012】
また、従来技術は、電源ノードの電圧値を監視し、電圧降下量に対応して放電量を制御する必要がある。このため、放電回路および周辺回路が複雑になるという課題があった。
【0013】
さらに、電源オフ時の過渡状態において、各電源ノード上に接続されたコンデンサの容量と負荷条件により、放電時間が変動する。このため、従来技術は、制御が難しいという課題があった。
【0014】
また、例えば、マイコン内のコアに使用する電源など、定常動作時に消費電流が大きくなる電源ノードは、接続するコンデンサの容量を大きくする必要がある。しかしながら、マイコンがスタンバイ機能などにより一部機能を停止させている場合には、消費電流が少なくなり、電源オフ直前のマイコンの動作状態により、放電時間が変わってしまう。このため、従来技術は、電源オフシーケンスが確立できない可能性があるという課題があった。
【0015】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、多電源回路において、電源オフシーケンスを確立させるための複雑な制御を必要とせず、かつ、部品点数および部品実装面積を削減することができる電源放電回路を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る電源放電回路は、複数の電圧を個々に発生する多電源回路を有し、複数の電圧に対応するそれぞれの電源ノードの中で放電対象となる電源ノードに関して、あらかじめ決められた所望の電源オフシーケンスで規定される順番に従って、複数の電圧の放電処理を順次実行する電源放電回路であって、放電対象となる電源ノードのうちの1つの電源ノードに接続され、スイッチが閉状態に切り換えられることで放電を実行する放電回路と、放電対象となる各電源ノード間に設けられ、電源オフシーケンスに従って閉状態となることで、放電対象となる電源ノードのうちで1つの電源ノード以外の電圧ノードを放電回路に接続させることで放電を実行する開閉動作部と、放電対象となる電圧ノードの放電を行う際に、放電回路内のスイッチを閉状態に切り換えることで、電源オフシーケンスを確立させて放電処理を実行する放電制御回路とを備えるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、放電回路を一か所に集約し、あらかじめ決まられた電源オフシーケンスに従って、放電対象である各電源ノードが、順次、放電回路に接続されることで放電を実行できる回路構成を備えている。この結果、多電源回路において、電源オフシーケンスを確立させるための複雑な制御を必要とせず、かつ、部品点数および部品実装面積を削減することができる電源放電回路を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態1に係る電源放電回路の回路構成例を示した図である。
図2】本発明の実施の形態1において、図1に示す例示図での電源オフ時の各電源ノードの過渡状態を示した図である。
図3】本発明の実施の形態2に係る電源放電回路の回路構成例を示した図である。
図4】本発明の実施の形態3において、リセット回路にリセットICを使用し、開閉素子にMOS−FET(Nチャネル)を使用した例を示した図である。
図5】本発明の実施の形態3において、放電回路の電流制限抵抗を、定電流ダイオードに置き換えた例を示す図である。
図6】本発明の実施の形態3において、放電回路の電流制限抵抗を、定電流回路に置き換えた例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態4において、単一電源から多電源を生成し、そのうちの放電対象となる電源に対して本発明の係る電源放電回路を適用した回路構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の電源放電回路の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
【0020】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る電源放電回路の回路構成例を示した図である。本実施の形態1においては、具体例として、図1に示したように、3つの電源ノードを有する回路を用いて、動作説明を行うこととする。
【0021】
図1では、3つの電源回路1a、1b、1cが示されている。そして、これら3つの電源回路1a、1b、1cに対応する各電源ノードの電圧値は、VCC1>VCC2>VCC3とし、定常状態では、VCC1が最も高い電圧値となる電源ノードであるとする。また、電源オフ時の過渡状態では、VCC2は、VCC1がVCC2以下になるまでの時間、正常動作する電圧を保持できる電源ノードであり、VCC3は、VCC1、およびVCC2がVCC3以下になるまでの時間、正常動作する電圧を保持できる電源ノードである。VCC2、およびVCC3が正常動作する電圧を保持できず放電する場合には、放電回路5を調整し、VCC1の放電時間を変更する。
【0022】
各電源ノード上には、コンデンサ7a〜7cが接続されている。また、各電源ノードには、負荷抵抗8a〜8cが接続されている。
【0023】
放電回路5は、電流制限抵抗3と開閉素子4を有して構成されている。そして、この放電回路5は、放電制御回路6により、開閉素子4が短絡され、閉状態に切り換わることで、放電経路101を介して放電を実行する。
【0024】
VCC1とVCC2の間、およびVCC2とVCC3の間に相当する各電源ノード間には、ダイオード2a、2bが接続されている。ダイオード2a、2bは、アノードが低圧側電源ノードに接続され、カソードが高圧側電源ノードに接続されている。
【0025】
電源オフ時の各電源ノードに関して、放電回路5が接続されている電源ノードVCC1以外のVCC2、およびVCC3の放電は、ダイオード2a、2bと放電経路101を介して、全ての電源ノードに共通である放電回路5により実行される。
【0026】
図2は、本発明の実施の形態1において、図1に示す例示図での電源オフ時の各電源ノードの過渡状態を示した図である。ダイオード2a、2bにより接続された各電源ノード間は、ダイオード2a、2bの順方向電圧(以下、VFと称す)による電位差を保ちながら放電が行われる。すなわち、図2に示すように、ある時間での電源ノード間の電位差は、VFによりVCC3>VCC2>VCC1となる。
【0027】
図1では、電源オフ時、放電回路5による放電が開始されると、最初にVCC1のみ放電される。次に、VCC1の電圧が(VCC2−VF)以下となると、ダイオード2aと放電経路101を介してVCC2が放電される。
【0028】
このとき、VCC1とVCC2の間は、ダイオード2aのVFによる電位差が保たれた状態で放電が行われる。このため、VCC1とVCC2の間の電源オフシーケンスが維持される。
【0029】
VCC3も同様に、VCC2の電圧が(VCC3−VF)以下となると、ダイオード2a、2bと放電経路101を介して放電が開始されるとともに、VCC2とVCC3の間の電源オフシーケンスが維持される。
【0030】
各電源ノードに接続されるコンデンサ容量、負荷条件、および放電時間が異なっても、放電回路5からは、ダイオード2a、2bのVFによる電位差が発生するまで、VCC2、VCC3の各電源ノードは、放電されない。
【0031】
本発明におけるダイオード2a、2b、および放電回路5は、定常状態においては、電流をほぼ消費しない。一般的に、電流が大きくなると、抵抗や電子スイッチなどの素子は、大きくなる。抵抗や電子スイッチなどの素子は、大きくなるほど高価である。本発明では、放電回路5を一か所に集約できるため、実装面積およびコストを削減できる。
【0032】
また、放電回路5に付随する放電制御回路6も削減できる。すなわち、放電制御回路6は、開閉素子4を短絡するだけで、電源ノード間の電位差を維持しながら、電源オフシーケンスを確立させた放電を行うことができる。このため、複雑な制御は必要なく、放電制御回路6をシンプルにすることができる。
【0033】
以上のように、実施の形態1によれば、図1に示した回路構成を採用することで、多電源回路を有する回路の部品点数および実装面積を削減しながら、電源オフ時の過渡状態において、複雑な制御を必要とせずに電源オフシーケンスを得ることができる。
【0034】
なお、放電回路5は、複数であってもよい。すなわち、放電対象となる電源ノードを複数のグループに分割し、それぞれのグループごとに個別に放電回路5を設けてもよい。この場合には、それぞれのグループで、放電対象となる電源ノードのうちで最も高い電圧となる電源ノードに放電回路5が接続される。
【0035】
また、ダイオード2は、全ての電源ノード間になくてもよい。例えば、放電経路101を複数用意する場合には、各放電回路5に接続されている最高電圧の電源ノードから放電するように、ダイオード2を接続してもよい。また、放電が不要な電源ノードを有する場合には、放電回路5の接続先は、必ずしも最高電圧ノードでなくてもよい。また、放電シーケンスを監視する必要がない電源ノードには、ダイオード2を接続する必要はない。
【0036】
実施の形態2.
本実施の形態2では、ダイオード2a、2bの代用として、電子スイッチ9a、9bによって各電源ノード間を接続し、放電を行わせる場合について説明する。
【0037】
図3は、本発明の実施の形態2に係る電源放電回路の回路構成例を示した図である。図3では、先の図1におけるダイオード2a、2bの代わりに、電子スイッチ9a、9bが電源ノード間に接続されている。さらに、放電回路5がVCC2に接続されている。
【0038】
本実施の形態2における放電制御回路6は、放電処理が必要な場合には、まず始めに、放電回路5内の開閉素子4を閉状態とすることで、VCC2の放電を開始する。次に、放電制御回路6は、VCC1〜VCC3の各電圧をモニタし、VCC1とVCC2の関係があらかじめ決められた電位差となる電源オフシーケンスのタイミングで、電子スイッチ9aを閉状態に切り替え制御することで放電経路を形成し、VCC1の放電を放電回路5により行う。
【0039】
さらに、放電制御回路6は、VCC2とVCC3の関係があらかじめ決められた電位差となる電源オフシーケンスのタイミングで、電子スイッチ9bを閉状態に切り替え制御することで放電経路を形成し、VCC3の放電を放電回路5により行う。
【0040】
以上のように、実施の形態2によれば、図3に示した回路構成を採用することで、多電源回路を有する回路の部品点数および実装面積を削減しながら、電源オフ時の過渡状態において、複雑な制御を必要とせずに電源オフシーケンスを得ることができる。
【0041】
また、ダイオードの代わりに電子スイッチを用いる本実施の形態2によれば、放電対象となる電源ノードのうち、最も高い電圧となる電源ノードに放電回路を接続する制約はなく、あらかじめ決められた電源オフシーケンスに従って、放電処理を順次実行するように放電制御回路による制御を実行することができる。この結果、放電回路5を一か所に集約した上で、所望の電源オフシーケンスを確立させて多電源の放電処理を実行することができる。
【0042】
なお、図3では、ダイオード2a、2bの代わりに、電子スイッチ9a、9bを用いる場合を説明したが、電子スイッチの代わりに機械スイッチを用いることも可能である。
【0043】
実施の形態3.
本実施の形態3では、電源放電回路に適用される具体的な回路素子について説明する。
まず、放電回路5内の開閉素子4は、回路の短絡および開放の機能を有すものであれば、素子は、問わない。例えば、開閉素子4として、FET(Field−Effect Transistor)等の電子素子を用いてもよいし、リレーなどの機械スイッチを用いてもよい。また、開閉素子4と電流制限抵抗3の位置関係は、逆転してもよい。
【0044】
また、開閉素子4の論理は、問わない。例えば、電子素子としてMOS−FETを使用する場合には、Nチャネル型またはPチャネル型のどちらを使用してもよい。また、リレーなどの機械スイッチを使用する場合も、a接点またはb接点のどちらかに限定されるものではない。
【0045】
図4は、本発明の実施の形態3において、リセット回路12にリセットIC13を使用し、開閉素子4にMOS−FET(Nチャネル)16を使用した例を示した図である。なお、リセットIC13に供給する電源を別途用意する場合には、電源入力102よりレギュレータ14を介して接続してもよい。また、電源入力102は、監視電圧入力103と同一信号を接続してもよい。
【0046】
監視電圧入力103の電圧が、リセットIC13の検出電圧の閾値以下に到達することにより、RESET#信号が生成される。RESET#信号は、放電制御回路6を介し、MOS−FET(Nチャネル)16のゲートに接続される。
【0047】
RESET#信号により、放電制御回路6を介し、MOS−FET(Nチャネル)16のゲート電圧をゲート閾値電圧以下に下げることで、MOS−FET(Nチャネル)16のドレイン・ソース間を開放して、放電入力104と接続されている放電回路5を無効にする。
【0048】
また、RESET#信号により、DC/DCコンバータ10などの電源回路のENABLE信号を動作閾値電圧以上とし、電源回路を起動する。この際、必要であれば時定数回路17により、ENABLE信号を遅延させてもよい。
【0049】
なお、放電制御回路6内のインバータ18、あるいは緩衝増幅器15は、接続される回路のインピーダンスおよび駆動能力などにより削除してもよい。
【0050】
また、RESET#信号、ENABLE信号、放電制御回路6に入力する制御信号の論理は、一例を示したものであり、RESET#信号がローアクティブ、ENABLE信号がハイアクティブ、放電制御回路6に入力する制御信号がハイアクティブに限らず、使用できる。
【0051】
次に、放電回路5の電流制限抵抗3は、等価的に電流制限抵抗3と同様の働きをする素子または回路を用いてもよい。例えば、負の温度特性を有するNTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタを用いてもよい。また、電流制限抵抗3を定電流回路に置き換えてもよい。
【0052】
定電流回路20は、一定の電流を流す機能を有すものであれば、形態は問わない。例えば、定電流回路20として、定電流ダイオードやJ−FET(Junction−Field Effect Transistor)などによる個別半導体を用いてもよいし、シャントレギュレータなどの集積回路を使用してもよい。
【0053】
図5は、本発明の実施の形態3において、放電回路5の電流制限抵抗3を、定電流ダイオード19に置き換えた例を示す図である。また、図6は、本発明の実施の形態3において、放電回路5の電流制限抵抗3を、定電流回路20に置き換えた例を示す図である。
【0054】
実施の形態4.
本実施の形態4では、多電源の電源出力のうちの一部だけは放電動作を行わない回路構成の具体例について説明する。図7は、本発明の実施の形態4において、単一電源から多電源を生成し、そのうちの放電対象となる電源に対して本発明の係る電源放電回路を適用した回路構成例を示した図である。
【0055】
より具体的には、この図7は、4系統の電源出力を有し、そのうち3系統を本発明に係る電源放電回路により、放電させる例を示している。なお、図7に示した電源放電回路の構成は、図1に示したダイオードを用いたものであるが、先の実施の形態2で説明したように、ダイオードの代わりに電子スイッチや機械スイッチを採用することも可能である。
【0056】
図7に示した回路は、4系統の電源として、以下のものを生成している。また、電源オフ時の過渡状態では、2.5V電源は、3.3V電源が2.5V電源の電圧以下になるまでの時間、正常動作する電圧を保持できる電源ノードであり、1.0V電源は、3.3V電源、および2.5V電源が1.0V電源の電圧以下になるまでの時間、正常動作する電圧を保持できる電源ノードである。2.5V電源、および1.0V電源が正常動作する電圧を保持できず放電する場合には、放電回路5を調整し、3.3V電源の放電時間を変更する。
(1)I/O用電源に相当する5V電源
(2)I/O用電源に相当する3.3V電源
(3)メモリ用電源に相当する2.5V電源
(4)マイコン用電源に相当する1.0V電源
【0057】
本例では、5V電源は、DC/DCコンバータ10aによる一次電源回路を介して、単一電源である24V(図示せず)から生成されている。また、残りの3系統である3.3V電源、2.5V電源、1.0V電源は、DC/DCコンバータ10aの後段に、DC/DCコンバータ10b、10c、10dによる複数の二次電源回路を接続することで、前記単一電源である24Vから生成されている。
【0058】
このような構成により、4系統の多電源回路が構成されている。また、4つのDC/DCコンバータ10a、10b、10c、10dのそれぞれは、対応する電源監視回路11a、11b、11c、11dによって、出力状態が監視されている。
【0059】
そして、この図7は、5V電源については放電せず、3.3V電源、2.5V電源、1.0V電源の3系統について、先の図1に示した回路を適用して、放電処理を実行できる回路構成となっている。
【0060】
また、DC/DCコンバータ10aによって生成される5V電源は、電源監視回路11bにより開閉素子21を開状態に切り替えることで、出力を遮断できる構成となっている。
【0061】
また、DC/DCコンバータ10bは、電源監視回路11cからENABLE信号が供給され、DC/DCコンバータ10cは、電源監視回路11dからENABLE信号が供給され、DC/DCコンバータ10dは、電源監視回路11aからENABLE信号が供給される、各ENABLE信号がDC/DCコンバータの動作閾値電圧以上になった時に各DC/DCコンバータの出力電圧が出力されるような構成となっている。
【0062】
なお,上述した実施の形態における電圧は、あくまで一例であり、上述した実施の形態において、DC/DCコンバータ10aの入力電圧値、および出力電圧値は問わない。また、接続されているDC/DCコンバータ10b、10c、10dも、出力電圧値は問わず、出力電圧値の関係が10a>10b>10cの関係にあればよい。
【0063】
また、DC/DCコンバータ10aに接続される電源も3つ以上あっても構わない。DC/DCコンバータ10aに接続されるDC/DCコンバータの出力電圧値と各DC/DCコンバータの出力に接続されるダイオードのカソード側が、アノード側に接続される電圧値より高ければよく、同様に、電源監視回路は、11a以外、DC/DCコンバータ10aに接続されるDC/DCコンバータの数だけ監視でき、電源監視回路の入出力信号も実施の形態4と同様な形態で接続されればよい。
【0064】
このような回路構成により、多電源の電源出力のうちの一部だけは放電動作を行わず、残りの電源に対して、本発明の電源放電回路を適用することができる。
【0065】
以上、実施の形態1〜4で説明した電源放電回路は、マイコンやFPGAなどの実装により、多電源回路を有し、電源オン時、オフ時の過渡状態の電源オン、オフシーケンスを求められる産業用機器、民生用機器などに対して適用可能である。そして、本発明の電源放電回路を適用することで、電源オフシーケンスを確立させるための複雑な制御を必要とせず、かつ、部品点数および部品実装面積を削減することができる。
【符号の説明】
【0066】
1a、1b、1c 電源回路、2a、2b ダイオード(開閉動作部)、3 電流制限抵抗、4 開閉素子、5 放電回路、6 放電制御回路、7a、7b、7c コンデンサ、8a、8b、8c 電源ノードの負荷抵抗、9a、9b 電子スイッチ(開閉動作部)、10a、10b、10c、10d、10e DC/DCコンバータ、11a、11c、11d 電源監視回路、12 リセット回路、13 リセットIC、14 レギュレータ、15 緩衝増幅器、16 MOS−FET(Nチャネル)、17 時定数回路、18 インバータ、19 定電流ダイオード、20 定電流回路、21 開閉素子、101 放電経路、102 電源入力、103 監視電圧入力、104 放電入力。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7